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카테고리 없음 2022. 7. 20. 17:11

アタシは、青井えみ。お父さんとの子どもの出産を前に、恋に墜ちた。お父さんの弟であるイトウテツジに。





目次





学校



お風呂

お風呂(2)

お風呂(3)

お風呂(4)

お風呂(5)

晩ご飯

やくそく

1R

2R

両親の寝室

両親の寝室(2)

アタシの部屋

アタシの部屋(2)

保健室

保健室(2)

秋月先生の評判

三面鏡の前

ロリコン

承諾

疑うべきは

お父さんのコトバ

嫌がらせ

はじまり

はじまり(2)

はじまり(3)

はじまり(4)

はじまり(5)

はじまり(6)

恋人

恋人(2)

恋人(3)

恋人(4)

恋人(5)

恋人(6)

儀式

儀式(2)

儀式(3)

儀式(4)

シーツのシミ

シーツのシミ(2)

悪い子

悪い子(2)'

悪い子(3)

悪い子(4)

悪い子(5)

悪い子Ⅱ-①

悪い子Ⅱ-②

悪い子Ⅱ-3

悪い子Ⅱ-4

秋月's side

秋月's- 2

aktuki's -3

秋月's-4

シャワー

シャワー2

変化

クラスの男子

クラスの男子-2

クラスの男子-3

最後通告

ナミダ

真相?

家庭訪問

家庭訪問-2

家庭訪問-3

家庭訪問-4

家庭訪問-5

シュラ

シュラ-2

シュラ-3

シュラ-4

シュラ-5

シュラ-6

シュラ-7



引き取り手

一つ屋根の下

生活

しょうが焼き

面会

面会-2

面会-3

再び、しょうが焼き

オトコの匂い

妄想

ぬくもり

自慰

見られた

イケナイ気持ち

背中

泡背中

指摘

妊娠

見知らぬ男の子

抵抗

ドレイ

叶わない夢

決意

意見の相違

物陰

ゲーセン

名前

もしかして、妊婦?

さすが、経験者

感じる瞳

熱い背中

テツジの秘密

あひる保育園

おままごと

胎教

胎教2

胎教3

胎教4

寂しくなんかない

知らないオジサン

知らないオジサン2

目眩

幻想

現実

現実2

現実3

現実4

現実5

幸福

幸福2

母心

学校

お布団の中

お布団の中2

お布団の中3

愛じゃない

発情期

闇夜のキス

闇夜のキス2

闇夜のキス3

哲司

哲司2

哲司3

赤いルージュの娼婦

赤いルージュの娼婦2

赤いルージュの娼婦3

玄関先で

熱い抱擁

熱い舌

真夜中

ガキ

帰宅

幸せ

陣痛

陣痛2

ママ友

ママ友2

ママ友3

ママ友4

ママ友5

えみ

えみ2

カーテンの中

本陣痛

誕生!!

10年(エンディング)





『学校』





   ∽・∽・∽





金曜日の昼下がり。校庭では、歓声や楽しそうな笑い声がしている。





アタシ青井えみは、理科準備室から外を見ながら、担任の秋月先生の肩に頭をチョコンと寄りかからせる。





「青井…駄目だよ。コレ終わってからな」





アタシは、口を尖らせ抗議する。





「ダメ!今すぐキスしてくんないと、〈先生とのこと〉この窓から言いふらす!」





秋月先生は、『フゥ…』ため息と共に、みんなが出した宅習帳の山の上に赤ペンを『タン!』って音させて置くと言った。





「えみ…おいで…」





「ヤッタ♪」





アタシは足を広げ、先生の膝に乗る。先生は、アタシのおでこの髪を優しく払いのけると、そこにチュウをしてくれた。





「先生…すき…」





アタシは、大好きな先生の膝の上で先生に抱きついた。





先生の匂い…すき。





おとなの匂いがする。





〈アイツ〉とは、大違い。





アタシは、大好きな人のぬくもりを感じながら、ジワリと涙が滲んだ。





『父』





アタシの父、伊藤拓哉。





母とは、籍は入れてない。〈内縁〉?ていうの?





でも、ママが『あなたの〈新しいパパ〉よ』て言うから仕方ない。





一緒に住んでる。もう、一年くらいかな。





だけど新しいパパは、





「〈パパ〉なんてガラじゃないよ。〈お父さん〉か、〈お兄ちゃん〉でもいいよ」





って言うから、〈お父さん〉て呼ぶことにしたの。





〈新しいお父さん〉は、最初は優しくて、それこそ〈お兄ちゃん〉て呼んでもいい感じだった。

年も24才って若いワケだし。





あ、ママは36才。〈年の差カップル〉ね。





でもね。〈アタシ達〉、ママには言えない〈秘密〉があるの。





新しいお父さんとアタシは、恋人同士なの。





『お風呂』





アタシは、鍵っ子。





兄弟もいないし、一人で帰宅して、おやつを食べて、炊飯器のスイッチを入れてからお風呂に入る。





その頃、ちょうどお父さんが仕事から帰って来る。





お外の仕事だから、すぐに汗と泥んこを流したいのね。





アタシは、慌てて出ようとする。





お父さんは、





「なんだ。えみ。頭洗ってないじゃないか。ちゃんと洗えよ。どら、俺が洗ってやろう」





「う…えっと、明日の朝洗うからッ!」





濡れた体のまま、バスタオルで前を隠しながら脱衣所を通り過ぎようとして、掴まる。





お父さんは、笑顔でアタシの腕をつかんで言う。





「えみ、体もまだだろう。お父さんが洗ってやるぞ」





アタシは、泣きそうな引きつった笑いを浮かべたけど、逃げられそうにはなかった。





『お風呂(2)』





お風呂イスを二つ、前後に並べてアタシが前で、お父さんは後ろに座る。





お父さんが、わしゃわしゃと、たっぷりの泡で、アタシの肩までの短い髪を洗ってくれる。





頭を人に洗ってもらうのは、気持ちいい。





だけど、この人といると緊張する。





髪を洗うだけじゃ済まないから。





「どら、えみの貧乳も洗ってやろう」





「えっ!いいってば!自分で…!」





「コラ。〈親〉の言うことは聞くもんだぞ」





お父さんの顔がマジになって怖いよ。





「…ッじゃ、おねがい…シマス…」





「そうそう。素直なら、可愛い」





アタシは、嫌で仕方なかったけど、彼に洗ってもらうことにする。





「えみのおっぱい、ちっちゃ!」





「よ、よけいなお世話です!」





お父さんは、アタシをからかいながらも、乳首や、その周りの少しのおっぱいをしつこく洗ってきて、恥ずかしい。





「…んッ!そ、そこはあんまし汚れてないからッ!」





お父さんから体を離す。けど、すぐにグイッとお父さんの方へ引き寄せられて、





今度はその泡だらけの手が、下に下りてくる!





「…!!…そ、そこは、じ、自分でッ!…」





お父さんが、アタシのおしっこする所まで洗ってくれようとして、思わず身をよじって逃げる。





「ここは、よーく、洗わないとな」





大人の力って強いんだ。





アタシは、抵抗することを許されず、お父さんのするがままに身を預けた。





『お風呂(3)』





お父さんの泡まみれのごっつい指が、アタシのおマタを行ったり来たりする。





「…ッんッ!お、お父さんッ!も、いーよ!きれーになった!」





「駄目だ。ここは、毎日おしっこしたり、ウンチを出す所だから、念入りにやんないと」





お父さんは、アタシが言うこと聞かないって言うけど、自分だってアタシの言うこと聞いてくれないよ?





「…っとーさん…ッ…」





「えみ…気持ちいい?」





「…ッやッ!…変…な、感じ…」





「そうか、そうか」





お父さんは、嬉しそう。





どうせ、この後こう言うの。





「こっちの穴も、よーく洗おうな?キツキツで、お父さん、えみのお尻大好き」





って。





そう言って、結局、中までにゅるにゅる洗われちゃうの。





指入れて。





『お風呂(4)』





「フーフー…ん…フー…」





この時、アタシはお風呂の縁をつかみ、お尻を突き出す姿勢になってて





お父さんは、すでに目的がアタシの穴洗いに変わっちゃってるの。





「…ッ!…ッ!…」





アタシ、息が荒くなる。





「えみ、そろそろきれいになったみたいだから、今度はお父さんを洗ってもらおうかな」





アタシは、この頃には、頭がぼうっとなるし





お父さんのお〇んぽが、おっきくなって、上を…





上を向いてるのを見て、その…





「駄目だよ。えみ。いくらおいしそうでも、洗ってからな」





多分アタシは、知らないうちに舌なめずりしてたのね…





初めて、大人の、しかも勃起したやつを見た時はショックだった。





〈怖い〉と思った。





けど、今は。





「そう、よーく泡つけて洗って」





お父さんのこの状態のコレは、ずっしり重くて、今すぐ〈口で〉きれいにしてあげたかった。





けど、よーく、泡で洗ってあげよう…





アタシは思った。





こんな時に、お願いだから、ママ、帰らないでねと。





『お風呂(5)』





…ザァーッ!





お湯をかけ、泡を流すと、きれいになったお父さんのお〇んぽが現れた。





アタシは我慢できずに、すぐにしゃぶりつく。





「オイオイ、えみはエッチだなぁ〜」





「ほんらころ、いっらっれ(そんなこといったって)!」





そんなこと言ったって。





『おいしそう』としか思えないんだもん。





アタシは、お父さんのお〇んぽを下から上へ、何度もベロベロしてあげて、それから先っぽからパクリ。口の中でレロレロしてあげた。





茶髪のお父さんが、『ウウッ!イきそッ!』て言うから、慌ててお父さんのから口を離して





お風呂イスに座るお父さんの上に跨(またが)った。





ジュプ!





いやらしい音がして、お父さんので串刺しにされる!





「ぁんッ!…お父さんの、おっき…!」





アタシの中は、すごーくヌルヌルになってたからすぐに入った。





ずぶずぶ入った。





「…ッ!おとーさん!」





「えみ…ッ!」





お父さんもハァハァしながら、アタシを呼んだ。





そして、キスをした。





舌ベロと舌ベロをぐちゃぐちゃさせるやつ。





「…ッ!ぅッんッ!…ママに知れたら、コロサレルね…」





アタシが言えば、





「ああ。だから、バレないようにしようね…」





お父さんが言う。





ああ、そうだ。





ママには絶対知られてはいけない。





こんなこと。





『晩ご飯』





ジュプ!ジュプ!ジュプ!……





お父さんは、アタシの小さいお尻を持ち上げ、下から突き上げるのを何度もやったあと





また、アタシを立たせ、お風呂の浴槽の縁に掴まらせると





今度は、うしろから





パンパンパン!





すッごいの。





アタシ、ああ!





コレ、すき。





「アァン!…ッおとーさん!…すきッ!…」





一応言っておくと、うしろからヤられるのが〈すき〉なだけで、コイツのことはキライ。





石鹸で洗っても落ちないタバコの匂いや、脂の匂いが鼻につく。





「ァンッ!あン!アン!…」





それに、アタシにこんなこと、教えた!





だから、キライ!





こんなことやってる、アタシもキライ!





きっと、秋月先生に知られたら、先生もアタシをキライになると思う。





ケーベツ、すると、思う。





    ◎●◎





お風呂から上がったら、すぐ、ママから電話があった。





お父さんのケータイだったから、お父さんから聞いた。





「ママ、急に夜勤になったってサ。なんか、同僚の人の子供が熱なんだって」





さめた声で、お父さんは言った。





ママは看護師なんだ。





「だから、『晩ご飯お願いね』…だって!」





すねた子供みたいに、お父さんは言った。





実際お父さんは、24才だから、〈こども〉だと思う。アタシから見ても。





顔も若く見えるし(童顔てことね)、大体、この年でこんなアタシみたいな娘はいないだろなと思う。





「えーっと、じゃ、何食べる?牛丼とカレーの材料があるらしいぞ」





「えっとねー、牛丼!」





「よっしゃ!まかせとけ!」





お父さんは、意外と料理が得意だ。





普通、こどもはカレーを喜ぶと思うけど、おいしいんだ。この人の牛丼。





牛とじって言うの?卵を最後にかけて、ちょっとだけ火を通す。





卵は、完全には火を通さず半熟トロトロ。





アタシ、お父さんのこういうとこはすきよ。





だけども。





「じゃあ、今夜は、遠慮なくヤれるな!」





出来上がった牛丼を二人でパクつきながら、お父さんは言った。





アタシは苦笑いで答えた。





お父さんにとっては、〈奥さん〉であるママはいなくても平気なんだ。





だって、アタシがいるから。





『やくそく』





晩ご飯を食べて、二人で洗い物をして、洗濯物たたみまで一緒にやる。





これだけ見たら、仲の良い親子か、新婚さん?みたいに見えるかもしれない。





だけど、コイツの脳内はアタシを犯すことしか考えてないんだ。





    ◎●◎





ママが帰らないとわかると、アタシの部屋じゃなくてリビングでも手を出してくる。





もう、猿並み!





リビングのソファーでいっしょにテレビ見ながらも、アタシを膝に載せて、うしろからおっぱいを触ってくる。





始めは、パジャマの上から、そのうち、直接中に手を入れて。





アタシのおっぱいは、ほとんど無いに等しいから、ひたすら乳首をいじる。





それでガマンがきかなくなったら、アタシをソファーに押し倒して舌ベロでこねくり回したり、吸ったり噛んだりする。





「…ッ!…ッあッ…!」





ああん…!感じちゃう!





こんなこと、いけないことだってわかってるのに…!





「ハァハァ…お…とーさん、アタシ、宿題…やってな…い…」





「(れろれろ)そーなのか?…一回ヤってからにしろよ」





「ええっ!ヤっちゃったら眠くなるよぉ!」





アタシ、必死に抗議する。





「じゃ、今夜、えみのお尻に入れて中出ししていい?」





「ええっ!いっつもしてるじゃん!」





「いいから!いいよって言えよ」





お父さんは、とうとうアタシの乳首から舌をはずさず、片方の空いた乳首は指でこねこねしながら言った。





「…ッんッ!…」





〈一回ヤってから〉も、〈お尻で中出し〉も両方イヤだったけど、アタシは、お父さんの言うことをきくしかなかった。





他に選択肢はないんだ。





アタシは、秋月先生のことを思って胸がキュッてなった。





宿題やんなかったら、先生がガッカリする。





「…いいよ…中出し…」





言うしかなかった。





それから、アタシはお父さんに急かされながら、漢字の書き取りと計算ドリルをやった。





お父さんがあんまり急かすから、ずるをして、うしろの答えを写して終わりにした。





『1R』





アタシの部屋のベッドの上。アタシたちは、並んで座ってキスをする。





恋人みたいに。





そのあと、すぐ、アタシはベッドに寝かされて、パジャマのズボンを脱がされる。





そして、パンツは脱がさずに、お〇んこの前の布を横にずらしてお〇んこを表にさらす。





「…ッヤだよ!コレ、恥ずかしー。はずしてよ〜」





アタシが言っても、





「だから、いーんダロ?ヒワイな感じでサ」





言うなり、アタシのお〇んこに口をつけるお父さん。





舌ベロでレロレロやり出す!





「…ッやぁッ!…おとーさん!…それ、ヤッ!…」





「感じすぎ?えみはエロいな」





「…ッだって…!…」





アタシ、息をハァハァさせながら言う。けど、お父さんがやめることなんて絶対ない。





舌ベロの次は、指。





ズプズプズプ…!…





「あああ…ッ!」





「うーん、もう、ヌルッヌル!すぅぐ入れても良さそうだな」





そう言いながらも、アタシが『早く入れてください』って言うまで、じらすんだ。いつも、そう。





「…ッやンッ!は…はやくぅッ!ンッ!」





「えみ〜、今夜はここでやめとくか〜。えみがエッチすぎるから」





「えっ!…ウソッ!ヤぁッ!入れてぇ〜ッ!」





「『入れてください。お願いします』ダロ?」





そう言うと、お父さんは意地悪く笑った。





アタシは、余裕がなくて、





「アァン!…お父さんおねがいしますぅッ!」





すぐにおねだりしちゃうの。バカみたい!…って、冷静な時のアタシは思うのだけど、この時はもう何も考えられないの。





「そーか、そーか。えみは、そんなにもお父さんのコレが欲しいのか」





「ほ、ほひぃれす…」





そんなアタシの様子に満足して、お父さんはアタシの中にふっといお〇ちんぽを差し入れた!





「あああッッ!!」





それからは、何度も腰を打ちつけられて、アタシは、アタシは…





気持ち良さに泣いた。





「ハァ…ハァ…ッアンんんんッ!…」





ジュッ!ジュッ!ジュ…!…





「そぅら!えみの大好きな〇ーメンだぞッ!」





どぴゅッ!





アタシのおなかの中に、お父さんの熱いのが、タップリ注ぎ込まれた…





『2R』





「さァ、約束だったな。お父さん、コレやるのが毎日の楽しみなんだ!」





だけど。





お父さんは、お尻にはすぐ入れないで、もう一回おま〇こに入れたの!





そして、グチュグチュ中をかき回しながら同時に、アタシのお尻にも指を突っ込んでかき混ぜた!





「…ッハッ!あぁーッッ!」





それから、ぬぽんっておま〇こから抜き出すと、その滑(ぬめ)ってテカテカした堅そうなモノをアタシの顔の前に差し出した。





ツーン…と、匂いが鼻にクる。





「舐めろ」





「……」





アタシは、どうせ抵抗したって無駄だから、黙ってそれに舌を這わす。





「どうだ?俺の〇ーメンと、お前のマン汁が混ざった味は」





「…ん…おいひぃれす」





クチャッ…と、音をさせながら、アタシは舐め続けた。





お父さんは、





「よし。いいだろう」





言ってから、アタシを四つん這いにさせて





ぐぐぅッと、お〇んぽを無理やり押し入れた!!





「いたぁッ!痛いッ!痛いッ!おとーさん!痛いよぉ!」





「ガマンしなさい!最初だけだから!…くはッ、それにしてもすげー締まりダゼ!えみん中、サイコー!」





「あああッッ!…ひ…ぐぅぅ…ッ!…」





アタシは、痛みに耐えた。





おま〇こと違って、こっちは全然気持ちいいとは思わない!





…ただ、お父さんが、ココに入れるのが大好きで。だから、アタシはガマンするの。





パチュン!パチュン!パチュン!……





なんの汁だかわからないものを飛び散らせて、お父さんがアタシをうしろから責め立てる…





アタシは、それがいつ終わったかわからないうちに眠ってしまうの。





もしかしたら、気を失ってるだけかもしれないけど。





朝、起きるとすごい自己嫌悪でイヤになる。





そして、アイツ…お父さんのことが本当にキライになる。





そして、





ママに心から、ごめんなさい…って思うの…





『両親の寝室』





アタシが学校から帰ると、家では夜勤明けのママが寝ている。





だから、玄関にママの靴があったら、アタシは『ただいまァ』は言わないで家に入る。





でも、今日はお父さんの作業靴もある!





その時アタシが思った予感は、的中した。





ママとお父さんの寝室。





そこは、禁断の場所…





微かに聴こえてくる声だか、音にアタシ、思いっきり聞き耳をたてちゃう。





その音は……





「……ッふ……拓哉ァ…!」





思った通り、ママとアイツが〈ヤってる〉声で。





「………」





アタシは絶句した。





娘が学校から帰る頃、そーゆーことするかな、普通!





きっと、お父さんが仕掛けたに違いない!





お父さんは、すっごい甘えん坊なのだ。





ママが帰ったら、帰ったでママにベッタリなんだから!





べ、別に妬いてなんかないんだわ。アタシ。





ただ、お父さんが、キッチンでママのおっぱいを揉んだり、お尻を撫でてるのを見ると





吐き気がするの。





ただ、それだけ。





それに!





お父さんがママを触りながらアタシを『フフン』て感じで見るのが、頭にクるの!





本当にそれだけ!





    ◎●◎





ママとお父さんの寝室。





ママとあの人が、あんなことや、こんなことをしてるんだ…





アタシは、いろいろ妄想が膨らんで、もやもやするから。仕方ないから





覗いてやったの。





そしたらね。





なんと、寝室の扉はきちんと閉まってなくて、1センチくらい隙間が開いてたの…





『両親の寝室(2)』





アタシのちょっぴりの良心がアタシを止める。





『それだけはしちゃいけないよ!』





だけど、アタシはそんな良心なんかねじ伏せて、お父さんへの反抗心なのか、嫉妬心なんだか、ただの好奇心なんだかわからないけど





ともかくも、〈声〉のする寝室へと足を進めた…





「…ッアッ!…アァ!…えみが…あの子が…帰って来ちゃ……ッはぁッ!ンッ!…」





アタシの名前が出て、アタシ、ドキーン!てする。恐ろしくて耳だけで聞いてた。





けど。





『…ジュブッ!ブジュッ!…』おまけにリズミカルないやらしい音を聞いちゃったらもう、ガマンできなくなっちゃった!





『ブジュッ!ブジュッ!パンパンパンパン!…』





それと一緒に聞こえるお父さんの声。





「詠子…ッ!好きだッ!あと少しだけ…!」





アタシはもう、ガマンしなかった!





片目でそっと、両親の寝室を覗く!





この時、アタシは本当に好奇心しかなかったんだと思う。





例え後で後悔することになったとしても…!





    ◎●◎





両親の寝室は、昼間だってのに、カーテンが引かれて暗かった。





目が暗さに慣れるまでしばらくかかった。





でも、次第に目が慣れると暗闇でうごめく二つの影が見えた。





白いママの体が、こちらを真っ正面に向いててアタシは、一瞬頭を引っ込めた。





でも、もしかしたらアタシには気づかないかもしれない…。なんせ、アタシは床に這いつくばるみたいに低い所の隙間から覗いてるんだもの。





アタシは、心臓が破裂しそうなくらいバクバクしながら、もう一度寝室をそうっと覗いた。





    ◎●◎





「アンッ!アンッ!あぁーッ!…」





ママはもう、声を我慢できずに乱れまくって首を振ってた…





ママは…





ママは、アタシの方を向いてはいたけど、思考はこの世にない感じ。





アタシは、ドキドキしながらも、ゆっくり観察する。





そしたら、アンニャロ…!





ママのパンティーを履かせたまま、やっぱりその布の横から〈ソウニュウ〉させて、うしろからママを抱いてた!





アタシにしたのとおんなじに!





ママの白くておっきなおっぱいが、上に下に大きく揺れる。





「ッ!ッ!ッ!詠子ォッ!…」





お父さんの呻きも聞こえる…





そこまで覗いて、アタシはそうっと身を引いた。





そして、アタシは手も洗わずに自分の部屋に帰った。





ランドセルを床に放り、ベッドに飛び込み、うつ伏せに倒れて、





泣いた。





アンニャロ!

アンニャロ!

アンニャロ!





爆乳のママって女(ひと)のがいいんじゃん?





なんで?なんで!





アタシにまで手を出してくんのよ!





アタシは、帰って来た服のままベッドに潜り込むと、パンツに手を突っ込んだ。





アタシのそこは、おもらししたみたいにぐちゃぐちゃに濡れていた…





『アタシの部屋』





アタシは、泣きながらそのまま眠ってしまったみたい。





目が覚めたら、部屋は真っ暗で、アタシは、『あ!晩ごはん!』て思って、起き上がろうとした。





なのに。





起きれなくて驚く。





(えっ?!)





そしたら、暗闇の中、アタシの真上に誰かがいるのに気づいた。





「(シッ!)」





囁くみたいに小さい声でアタシが騒がないように口を押さえたのは





お父さんだった!





「…!…」





アタシは抵抗して、起き上がろうとするのだけど、





「(アレ?!)」





手足を何かで縛られてるみたいで、全ッ然逃げられないの!





お父さんは、





「静かにしなさい…ママが起きたら困るダロ?」





お父さんは、アタシの口にタオルで猿ぐつわをした。





「ウウウ…!」





まただ!





部屋の鍵をかけるのを忘れた!





お父さんは、アタシのパンツに遠慮なしに触ると





「覗いてたろ?ママと俺のエッチしてるとこ!」





聞いた。





アタシは、『サーッ』て音がしたんじゃないかってくらい、血の気が引くのを感じた。





「ウ、ウウ…!」





アタシは、否定も肯定もできずに、ただ唸った。





「ドア、開けといてやったからな。俺が」





ああ!やっぱり!





止めておくんだったのに!





コイツの〈罠〉に簡単にかかったアタシ!





お父さんは、アタシのパンツの横から、中に指を入れ、





「スッゲ、濡れてる!ママのエッチ見て感じちゃった?!」





嬉しそうにアタシを馬鹿にした。





『アタシの部屋(2)』





お父さんは、アタシが動けないのをいいことに、アタシのパンツの布の、ちょうどおま〇この部分をつまむと、





『ジョキン…』て、ハサミを入れた!





縦に裂け目ができた、哀れなパンツ。そこから丸見えのアタシのおま〇こ!





しばらく、お父さんは、穴から覗いたアタシのおま〇こをしげしげと観察してから

そこに口をつけ、『ピチャピチャ』音させて舐め始めた!





「んウゥ…ッ!」





「俺、前からこうしたかったんだよね〜。横から入れると、俺のが布にこすれて、ちっと嫌だったんだよな」





じゃあ、素直に全部脱がせばいいんじゃん!て、アタシは思ったけど、口を塞がれて言えない。





「ヘヘッ!えみのちっちゃいま〇この方がいいな!ママのは、ガバガバでサ!」





ああ!ママ!こんな奴なんだよ!ママ!気づいてッ!!





お父さんは、舌ベロの次は、指でグチャグチャにアタシの中をかき混ぜ、そして





また、お父さんのをググッと入れてきた!





「ンーッ!ンウッ!!」





「くはッ!ヌルッヌル!えみってエッチだな!やっぱママの娘だよ!」





いやーッ!





ママ!ママ!ママ!





ジュパン!ジュパン!ジュパン!…





何度もアタシに腰を打ちつけ、そしてそれが加速した瞬間!





ドクンッ!





お父さんがアタシの中ではじけた!





そして、お父さんは休まずに、アタシの中に出した精液を指で掻き出すと、アタシのお尻の中へそれを押し込んだの。





クチュクチュクチュ…





お父さんは、自分の精液でアタシのお尻の中をヌルヌルにすると





またまた復活したお父さんのおち〇ぽをアタシのお尻にソウニュウした!





「くぅッ!きっつー!えみはサイコーだ!」





それから、休みなく、アタシの中に2回も出した…





どうやら、お父さんは、真ん中を裂いたパンツの穴からアタシを犯したのと、縛られてるアタシにすごいコーフンしたみたい。





ママとは何回したのかな?





アタシともこんなにヤって…





それも、毎日みたいに!





ねぇ、二十代の男の人って、みんな、こんなにエッチなの?





ねぇ、誰か教えてッ





『保健室』





ピーッ!





校庭で、体育をしてるクラスの先生が吹く笛の音が聴こえてくる。





今は、授業中なのに、アタシは保健室のベッドに横になってるの。





ガラッ。





保健室のドアが開く音。





ベッドのまわりのカーテンを少しだけ開けて顔を覗かせたのは





秋月先生だった!





「ひャッ!」





アタシは、真っ赤になって、掛け布団の中に顔を引っ込めた!





「青井?大丈夫か?」





秋月先生だ!

秋月先生だ!





トクントクン!て、アタシの胸が激しく鳴る!





「ほら、顔見せて…」





先生が心配そうに、眼鏡の顔をアタシに近づけてくる!





パッと掛け布団の顔辺りをめくられちゃった。





「青井?青井が元気ないと、心配するだろう?」





優しい優しい、秋月先生!だいすきっ!





でも、この時のアタシは、ただ真っ赤な自分の顔を隠すのが精いっぱいで。





「青井?顔見せて?」





先生がもう一度優しく聞くんで、アタシ、恐る恐る手をはずすと…





ああ!もうダメ!





アタシ!

アタシ!





先生の優しい瞳がだいすきよ…





アタシは、気づいたら、先生の首に腕を回して、





アタシったら、なんてこと!





先生の唇を奪っちゃった!





『保健室(2)』





「んんんッ!」





先生は、だけど。





アタシを突き飛ばしたりしないで、唇をくっつけたアタシの頭を優しく抱えて





髪をそっと撫でてくれたの。





それから、唇を離したあとに、





「ダメだよ、青井。ここは学校だからね」





えっ、それなら、学校じゃないとこならいいってこと?





「…なら、学校以外のとこでならいいの?」





アタシが聞くと、





「そうだなぁ~…。どうしようか?」





質問に質問で返されてしまった。





本当に、この人は根っからの〈タラシ〉だ。





すっごい包容力があって、誰もがこの人に恋しちゃう!





いっしょにいると、しあわせ~な気持ちにさせてくれる〈神さま〉みたいなひと……





「青井、僕も君のことがだいすきだよ…」





先生は、きっと誰にでもこう言うんだわ。





先生は優しいから。





でもね。





それでもいいの。





今は、アタシだけの先生…





「ね、周先生(先生の下の名前ね)、キスして…」





秋月先生は、そっとアタシのおでこの髪を分けて、また〈チュウ〉をしてくれた。





アタシは、アタシは…





もう、それだけで泣きたくなるくらい、





しあわせだった……





『秋月先生の評判』





ざわざわざわ…





休み時間に聴こえてくる、女子達の明るいおしゃべりは、よく聞けば〇学生とは思えぬ内容で。





女子はたいがい、同年代の男子より大人びてるものだけど。





だけど、その会話の中にアタシの気になる〈ワード〉が入ってると、聞くとは無しに耳に飛び込んでくる。





「秋月先生てサ〜…」





「そうそう、クスクス…」





よくよく聞けば、『いいよね〜』と『お嫁さんになりた〜い!』と『抱かれた〜い』…などといった所だ。





だいたい〈抱かれる〉イコール〈セックス〉の意味もわかんない〈ハナタレヴァージン〉がなーに言っちゃってンだか!





アタシは、そこまで思って、急に自分自身の方が恥ずかしくなる。





おかしいのは、アタシだ!





〇学生でセックスを知ってるアタシが変なんだ!





アタシは、急に目の前が真っ暗になった気がした。





その時、頭の上で声がした。





「大丈夫か?青井…まだ、保健室にいた方が良かったんじゃないか?」





頭の上から聴こえた声は、すぐにアタシの目の高さまで降りてきてくれた。





秋月先生だ!





先生は、心配そうにアタシのおでこにあったかい手のひらをあてて、しかも!





先生は、自分のおでこまでアタシのにくっつけてくれたの!





その瞬間。





アタシは、





アタシは、





パンツの中がジュワン…て濡れたのを感じた…





『三面鏡の前』





アタシは、恥ずかしさで死にそうだった。





「…いっ、いえっ!…だいじょ…ぶ…ですから…」





消え入りそうな声で、ようやくそれだけを言った。





「そうか?…具合悪くなったら、すぐ言うんだぞ」





秋月先生は、そう言うとアタシの頭を優しくぽんぽんとたたいて、にっこり笑った。





アタシの胸が、音が鳴ったんじゃないかってくらい、キューンてなった…





    ◎●◎





次の日の朝のこと。





アタシは、洗面所の大きな三面鏡の前にお父さんといた。





正確に言うと、三面鏡の前でお父さんに抱かれてた。





ママは、早番で朝早く出勤したところ。





お父さんは言う。





「ほぅら!えみ、見てごらん!えみのおま〇こが丸見えだよ!」





アタシは、三面鏡の方を向かされ、お父さんに下から…





お尻に入れられて、突き上げられてるところ…





「…ッヤァッンッ!」





「ほら、見ろって言ってるダロ!」





お父さんは、無理やりアタシの恥ずかしい姿を見させた。





鏡に映ったアタシは、白いソックスだけを履かされて、後は全裸。





足を大きく開かされて、アタシのパックリ開いたおま〇こからは、さっき中に出されたお父さんの白い精液がトロリと流れてる。





「…ッやだァッ!…」

アタシは、醜いと思った。こんな、アタシの恥ずかしい姿…





だけど、お父さんはさらにアタシを追い詰めるの。





「ほぅら、えみのおま〇こから、お父さんの分身がこぼれ出てるよ」





そう言うと、お父さんは、お尻にお父さんのを刺したままのアタシのおま〇こを、両手の指で広げた!





ぱくっと開いたアタシの穴からは、まだまだ白いのが溢れ出してくる。





「ッヤッ!…ンヤァッ!」





お父さんは、広げたと思ったら、今度は指を三本突っ込み、





『グジュッ!ブジュッ!』て音させて、指を出したり入れたりしてアタシに刺激を与えた!





そうして、また、アタシの両方の太ももを抱えて、下から突き上げ、アタシの体を何度も貫いた!





「アッ!…あぁッ!…」





アタシは、ハァハァと息も絶え絶えに感じまくって、気絶寸前だった。





ドプッ!





お父さんが、またアタシの中に射精した。





その、お父さんのおち〇ぽを刺したまま、今度はアタシを広くて冷たい洗面台の上に腹ばいにさせると





続けざまに、注挿を繰り返した。





パチュン!パチュン!パチュン!…





アタシの足は宙に浮いて、床には届かない。





お父さんは、アタシの腰をガッシリ掴んで、アタシのお尻が壊れちゃうんじゃないかってくらい、何度も何度も腰を打ちつけ





やっと最後の射精をして、アタシを解放してくれた。





『ロリコン』





アタシは今日、本当はお父さんに言いたいことがあった。





『アタシには、好きなひとがいるから、こういうことはもうやめてほしい』って!





…でも、それを言い出す前に、力ずくで抱かれて…アタシも、





感じて…





自己嫌悪に陥るの。





…でも!





それでもあきらめないで頑張って言ってみよう。





だって…





だって、もしも、先生がアタシがエッチな子だって知ってしまったら…





先生は、きっと、アタシを〈汚い子〉だって思う。





先生は、きっと、〈汚れてない〉〈天使みたいな〉〈処女〉の方がいいに決まってる…





てゆうか、アタシみたいな〈こども〉を相手にしてくれるはずもないのだけど…





アタシ知ってる。アタシみたいな子に発情しちゃうひとのことを〈ロリコン〉ていうのよ。





先生は、絶対!そんな〈変態〉なんかじゃないもん!





そう。





アタシのお父さんは、その〈変態〉なんだ。





アタシは、知ってる。





お父さんは、〈超変態〉なんだ…





    ◎●◎





次の日。





アタシは、朝ごはんを食べながら、お父さんにお願いした。





「お父さん!話しがあるの!」





『承諾』





「いいよ。えみがそう言うんなら、やめても」





キッチンにいるママには聴こえないように言った訴えを、お父さんはあっさり承諾してくれた。





「そうか〜。えみにも〈すきなひと〉ができたか〜」





お父さんは、ママにも聴こえる声で言った。





ママは、皿に載せたベーコンエッグをテーブルに運びながら、





「なぁに?ママより先にお父さんにそんな話ししてるの?なんだか妬けちゃうわね」





ハミングでもするみたいにきれいな声で言った。





「えっ、えっと…」





アタシが困ってると、





「いいのよ。えみもそんな年頃になったのね。…それに…あなたがお父さんと仲良くしてくれて、ママは嬉しいのよ。





ありがとね…えみ」





ママは、そう言ってアタシの肩を抱いて頬ずりしたの。





アタシは、





アタシは、その時、ママには悪いけど、ママがアタシに触ったとたん





全身に『ゾワッ』て寒気が走った。





『ママ!アタシとお父さんは、〈仲良くし過ぎてる〉のよッ!!』……なんて、言えるハズもなかった……





『疑うべきは』





「それで?お父さんに教えてくれるのかな?…えみの好きなひとの話し。同じクラスの奴なのか?」





お父さんは、まるで、〈本当の〉父親が聞くみたいに自然な感じで聞くもんだから、





アタシはつい、うっかりしゃべっちゃったの。





「う…、えっとね…クラスメートじゃないの…」





「じゃ、誰〜」





「……んっとねぇ、先生なの!」





アタシ、恥ずかしくて真っ赤になっちゃった!





「ふーん…」





それからお父さんは、アタシに根掘り葉掘り詳しく聞いてくるから、





アタシは嬉しくて調子に乗ったの。





それが、あとでどんなことになるかなんて、全然考えずに。





そう。





アタシは、嬉しくてたまらなかった。





やっと、お父さんとのカラダの関係をやめられるって…





だからかな。





すごく気分が良くて、解放された気分だったのね。





だけど。





あの、しつこいお父さんが〈あっさり〉『やめてもいい』なんて言うのがおかしいって、気づくべきだったのよ。





    ◎●◎





『お父さんのコトバ』





「えみ〜、ちゃんと髪結んで行きなさいよ〜」





ママが玄関でパンプスを履きながらアタシに言う。





「えーっ、うまくできないからいいっ!」





アタシは、洗面所から声を張り上げる。





「そんなこと言ったって、お勉強の邪魔になるでしょう」





ママは、玄関からアタシの姿を見ないで言う。





「だって、アタシ結ぶのへたくそだもん!」





「ダメよ!ママの言うこときけないの?!ああっ!もう時間ッ!」





その時、お父さんが口をはさんだ。





「あ、俺がしてやるよ」





「え、あらそう?助かるわ、拓哉。じゃ、お願いね!行ってきまーす!」





ママは、慌てて仕事に出かけて行った。





「どれ、どんな風にしてほしい?」





実を言えば、お父さんは洗面所でアタシのすぐ真後ろにいて、アタシの肩を両手の手のひらで撫でていた。





アタシは、背中に嫌な汗をかいていた。





「あっ!アタシも行かなくちゃ!」





だけども。





行こうとするアタシの手首をお父さんが掴んだ。





「待てよ!ママの言うことはきかなきゃな~」





お父さんが『ニッ』て笑った。





アタシは、こめかみに冷や汗が伝うのを感じた…





    ◎●◎





お父さんは手先が器用だ。





あっという間に、アタシの両方の耳の上にウサギみたいに可愛く結んでくれた。ビー玉が二つついたゴムもサッとくくりつけてくれた。





「あ、ありがとう!それじゃ…!」





「待てよ!『行ってきます』のチュウがまだだ」





「えっ!…い、いいよッ外人じゃあるまいし…」





「いいから!」





アタシは、お父さんに強引に引っ張られ、顔を両手で固定されると





唇に〈行ってきますのチュウ〉をされた!





お父さんは、舌まで入れて、アタシの舌ベロをれろれろ舐めまわした!





「…ッううッ!…ッイヤッ!」





「えみ、えみはお父さんの〈恋人〉なんだろ?『好きなひとができました。ハイ、サヨナラ』ってワケにはいかないんだよ!」





「えッ!さっきはやめてもいいって!…」





「さっきは、さっき!」





そう言うと、お父さんはアタシのスカートに手を入れ、パンツの中のアタシのおま〇こに指を突っ込んだの!





「ッヤァッ!」





「そんなこと言って、えみのココ、濡れ濡れッ」





「ぃヤァッ!」





アタシは、強い力でパンツを全部下ろされ、両足を開かされると、後ろからお父さんに貫かれた!





パンパン!パンパン!…





お父さんが結んだ髪の束もいっしょに揺れる。





「勝手は許さない!おしおきだッ!」





「ィヤッ!ヤダッ!…ッ!ッ!ッ!…」





ドプンッ!!





また、中に出された。





ぐぐっと力を込めて、お父さんはアタシに腰を押しつけ、





「孕ませてやるッ!」





て、言った。





アタシは、悔しくて悔しくて、涙を流した…





『嫌がらせ』





それから、お父さんのアタシへの嫌がらせが始まった。





キッチンで、洗い物をするのがアタシの仕事なんだけど、お父さんは手伝うふりをして、アタシのお尻に手をやり、





スカートの後ろから手を忍ばせ、パンツの脇からアタシのおま〇こに指を入れる。





指は一本、ニ本と増やされ、ニ本の指で『クチュクチュ』音がするくらい、出し入れを激しくする!





ママは、その間、テレビを見ながら、乾いた洗濯物をたたんでる。





「…ッ!…ッ!…ッ」





アタシは、声が漏れちゃわないように唇を噛みしめ、





ザーッ!





水道の水をいっぱい出して、お父さんがおま〇こをいじる音がママに聴こえないようにする…





「ごめんなさいね…。明日、早出だから、先に休むわね」





ママが来たら、サッと手を引っ込める。





パタン。





寝室のドアが閉められ、しばらくして『シン…』としたら、今度はお父さんのおち〇ぽをアタシにグイッと押し入れ、本格的に腰を動かす…!





「…ッ!…」





それでもまだ、アタシは声を押し殺す。だってママがいつ起きてくるか分からないから。





    ◎●◎





他のある日は、晩ごはんの後、ママがお風呂から上がると、アタシは、お父さんの膝に乗りテレビを見てる。





お父さんは新聞を広げてるのだけど、





「アラ、あなた達、本当に仲良いのねぇ〜。まるで本物の〈親子〉みたいだわ」





なんてママがやきもち妬くくらいな時、





実は、アタシのお尻には、お父さんのが入った状態で。





「先に休むわよ。おやすみ…」





パタン…





ドアが閉じられてから、注挿が再開されるの!





「…ッ!ッ!ッ!…」





アタシは、やっぱり声が出せないで、お父さんのいい様に抱かれるの…





『はじまり』





深夜、アタシの部屋。





ママは、先に眠って、その後お父さんが忍んでやってくる。





お父さんはもう、当たり前のようにアタシのおま〇こに手をやり、指で直接肌に触れ、刺激を与える。





そうして、何のためらいもなく、一気に挿入してくる!……





アタシは、自分の両手で口を押さえて、声をこらえる…





アタシは、お父さんに抱かれ、刺し貫かれ、揺さぶられながら、何でこうなったんだろうって考えた。





    ◎●◎





お父さんと初めて会ったのは、お出かけ用のワンピースを着せられて、ママと行ったレストラン。





お父さん――伊藤拓哉――は、もう早くからテーブルについてて、ママとアタシを見つけると、軽く手を振った。





第一印象は、『今風のお兄ちゃん』。ママよりもだいぶ年が離れて〈若い!〉って思ったから、





アタシは、ママの友だちの一人だと思った。





だけど、こんな綺麗なお店に、ママも時間をかけてメイクして…





「えみ、挨拶して。この人が、ママの新しい旦那様よ。あなたの〈新しいパパ〉よ」





って、言われた時は、〈やっぱり〉っていう気持ちと〈信じられない!〉っていう気持ちが同時に起こって、そして、





何だかすごい違和感を感じたのを覚えてる。





ママは、看護師だから、キリッとしてて、バリバリ〈キャリアウーマン〉て感じなんだけど、この人――伊藤さん――は、ママとは釣り合わない感じがした。





パッと見、高校生か大学生にも見える幼顔に、着慣れなさそうなスーツ姿…





それは当たってて、お父さんのスーツなんてそれ以来見てない。





アタシは、アタシの〈本当のお父さん―パパ―〉を覚えてない。





写真ですら見たことがない。





ママとパパは、アタシが幼稚園の頃に離婚したんだって。





前に一度だけ、ママにパパのことを聞いたことがあった。





「パパのお仕事は、お医者さまよ。…もう聞かないで…」





その時のママの、哀しいような、苦しいような表情を見て、アタシは〈パパの話し〉は、二度としちゃいけないって思ったの。





『はじまり(2)』





アタシが戸惑っていると、〈伊藤さん〉は椅子から立ち上がり、アタシの目線まで身をかがめ、アタシの頭に手を載せ





「えみちゃんだね?ママから君のことは、よく聞いてるよ。

ママが『可愛い可愛い』って言うからどれくらい?って思って、今日は君に会えるのを楽しみにしてたんだよ。…本当に、可愛いなぁ」





アタシは、おとなの男の人にこんなに近くで接することがなかったから、

もう、それだけで舞い上がっちゃったのね。





それに、『可愛い』って言われて喜ばない女の子はいないと思う。





ママと伊藤さんが、その時何を喋ったのか全然覚えてないけど、普段行かない高級なレストランで、アタシは緊張して





上手にナイフとフォークを使ってお肉を切れないで困っていたら、





「どれ、貸してごらん」





て、言って、アタシのお皿をサッと取って、見るも鮮やかにお肉をスパスパ切ってくれたの。





初めて会った人だったけど、アタシは、それだけで感動して、すっかりこの人のことを信用して、





油断した。





『はじまり(3)』





それからしばらくして、お父さんは、アタシ達が住んでるマンションに引っ越してきたの。





新しいお父さんとの生活が始まった。





最初は緊張したけど、そのうち、ずうっと昔から一緒に住んでたんじゃないかって、錯覚をするくらいお父さんがいる日常が〈普通〉になっていった。





お父さんは、よく冗談を言い、アタシもママも、すごくいっぱい笑って、





『拓哉が来てくれて、本当に良かったわ…』





なんて、ママも言ってた。





アタシも、拓哉さんを、〈お父さん〉ていうよりも〈お兄ちゃん〉的な感じですぐに懐いちゃった。





ママの仕事の都合で、一人でとる晩ごはんも、支度からお父さんが手伝ってくれる。





アタシは、一人の晩ごはんを当たり前に思って〈さびしい〉なんて思ったことがなかった。





だけど、この時、一緒にごはんを食べてくれるだけで嬉しかった…





『アタシって、寂しい〇学生だったんだ…』て気づいた。





でも、今は違う!





拓哉さん…お父さん、お父さん、お父さん…





何度も、お父さんがいない所で、彼を心から『お父さん』て呼ぶ練習をした。





『はじまり(4)』





お風呂も、お父さんと一緒によく入った。





おとなの男の人と接することが全然なかったから、最初は恥ずかしかった。





だけど、背中を流してあげると『すごく気持ちいいよ』なんて言われて、アタシもすごく嬉しかった。





体格の良いママよりも背が低いお父さんだけど、裸になると、以外とがっしりしていて、肉体労働のお仕事だから





筋肉もあって、広い背中だった。





この頃、お互いふざけて〈洗いっこ〉したりしたけど、今みたいな〈いやらしいこと〉なんて、ひとつもなかった。





おしっこする所も、アタシは自分で洗ったし、お父さんに洗ってもらうなんて考えもしなかった…





だけど。





アタシは気づかなかったけど、





この時、お父さんの頭の中は、〈いやらしいこと〉でいっぱいだったんだって。





これは、後からお父さんに聞いたこと。





『はじまり(5)』





お父さんと一緒に暮らし始めて、何回もママのいない夜を重ねたある夜中のことだった。





ママは、夜勤。





もう、この頃はママも、お父さんにアタシを預けるのに抵抗も何もなくて

『また、子守でごめんね…。それじゃ、お願いね』なんて言って出かけた。





    ◎●◎





アタシは、ぐっすり眠ってたから、最初気づかなかったんだけど





ぼやける頭で『あれ?』って思った。





アタシのお布団のおなかから下の方がもっこり持ち上がって、山みたいになってて。





それでアタシは、もう少し、頭がはっきりすると……!





「…きゃあッ!」





お父さんがアタシの布団の中に潜り込んでて、すごいびっくりしたの。





それまで、ママがいない夜も、それぞれの寝室で休んでたから、すごい驚いた。





それに、お父さんは、アタシのおなかの辺で何をしてるのかと思えば、





お父さんは、ケータイのライトでアタシのパンツを照らして、





そのパンツの、おま〇この辺りをめくり、





おま〇こを覗いてたの!!





アタシはもう、ショックとパニックが一緒にきて、アタシは、お父さんの頭を思いっきり





蹴飛ばしたの!





『はじまり(6)』





「いってぇ~…」





お父さんは手で頭を押さえながらも、顔は怒ってなかった。





アタシは、お父さんを、しかも〈頭〉なんか蹴っちゃって、すぐに起き上がって謝った。





「ご!ごめんなさいッ!」





「いいよ、いいよ。お父さんもごめんね。えみのお布団に勝手に入って…」





「う、うん…」





アタシは、お父さんがすごく怒るんじゃないかって心配したけど、そうじゃなかったからホッとした。





お父さんが、アタシのお布団でやってた〈変なこと〉について聞くのは、後回しにしたの。





お父さんは、





「お父さん、寂しくてサ…。お仕事でママがいないだろ?…だからサ、えみと一緒に寝てもいい?」





って聞いたの。





アタシは、





「えッ…」





て、思ったけど、蹴っちゃった弱みから、





「…い、いいよ。別に」





なんて言っちゃったの。





お父さんは、





「やったぁ!ありがと!えみ!」





なんて、喜ぶから、アタシはもう、この時、お父さんがやってた〈変なこと〉については触れなかったの。





お父さんは、喜びついでに、アタシの頬に唇をくっつけて〈チュウ〉をした。





アタシは、全身がビクンってなった。





それから後は、眠くて、お父さんの体温が気持ち良くて…





アタシは眠った。





これも、後からお父さんに聞いた話しだけど、





お父さんは、この後眠れなくて、





アタシのおっぱいや、おま〇こに、そっと手を入れて触ったんだって!





アタシは、全然、気づかなかった……





『恋人』





それから何日かして、また、ママが夜にいない日。





今日の晩ごはんは、やけにごちそうだったの。





ハンバーグ、鶏の唐揚げにポテト、色とりどりの野菜サラダ…





「えっ、お父さん、今日は何のお祝い?すっごいごちそうだね!」





って、アタシが興奮して聞いたら、





「すごいだろう〜、お父さん、腕によりかけて、半日休んでまで時間かけて、用意したんだ!」





って、言った。





「へぇ〜。…で、何のお祝いなの?」





アタシの質問に、お父さんは、





「まぁ、座って」





って、言って、かしこまった。





アタシも、背筋を伸ばしてきちんと椅子に腰掛けた。





「青井えみちゃん、俺と〈つきあって〉ください!」





「えっ?!…えーッッ!!」





アタシが、驚きすぎて何も言えないでいると、お父さんは、





「お父さんね、えみに初めて会った瞬間に、恋に落ちたんだ」





って言って、アタシのことを熱い視線で見たの。





アタシは、お父さんのその眼差しから目が離せなくて、しばらく固まった。





そんな、アタシにお父さんは、





「ごめんね…。びっくりさせて…。まぁ、まずメシにしよう」





って言ったから、アタシは、いろいろ質問したかったけど、『食べながらでいいか…』て、思ってごちそうに手をつけたの。





だって、だって!





テーブルに並んでるのは、ぜーんぶ!アタシの好物で…





アタシは、お父さんの気持ちが嬉しくて、ごちそうをお腹いっぱい食べたの。





食べちゃってから、お父さんは言った。





「お父さんとママは、本当の夫婦じゃないんだ」





って言って、入籍はしていないことを説明された。





そして。





「ママのことを愛してる。…だけど、えみのことも大好きになっちゃったんだ」





って、潤んだ瞳でアタシの足元にひざまずいて言うものだから、





「…〈つきあう〉って、どういうことかな…」





って、聞いたら、





お父さんは、すかさず、アタシの唇に『チュッ』と、軽く触れるだけのキスをしたの!





「…!ッおと…さん…ッ?!」





慌てるアタシに、お父さんは、アタシの肩を抱いて、





「ママよりも先に、えみに会いたかった…」





って、言った。





『恋人(2)』





晩ごはんの片づけを、いつも通り二人でして、お風呂は別々に入って、





それから、歯を磨いて、





お父さんが、アタシの部屋のベッドに腰掛けてる。





アタシの方が、後からお風呂を上がって、





髪も乾かした後に、自分の部屋に行った。





なんだか、すごく喉がカラカラになった。





お風呂の中で、お父さんが言った〈意味〉を考えたのだけど、いくら考えても





ママを裏切る行為なんじゃないかと思って、





アタシは、お風呂から上がったら『断ろう』。





そう決心したの。





    ◎●◎





お父さんは、上気した顔で、部屋に入ってきたアタシを見て、





「風呂上がりの〈女〉って、一番色っぽいんだよな」





…なんて、言って、アタシ…恥ずかしくなった。





〈女〉…だなんて…!





お父さんは、今までで一番優しい声で、アタシを呼んだ。





「えみ、おいで…」





アタシは、今でもこの時のことは覚えてる。





アタシは、まるで、お父さんに〈催眠術〉をかけられたんじゃないかって思うほど、





ボーッとしてしまって、





ベッドの上に腰掛けたお父さんの隣に、ちょこんて、座ったの…





お父さんは言った。





「今日から、えみは、お父さんのもの。〈恋人〉だよ…」





って。





『恋人(3)』





アタシは、お風呂で決心したっていうのに、





この時は、もうどうでも良くなってしまって…





「えみ…」





って、お父さんが囁いて、アタシの顎をそっと指で上を向かせると





顔を近づけ、





キスをした。





お父さんの口は、タバコの香りがした。





「えみ…。ああ、えみ…!可愛い…可愛いよ、えみ…」





お父さんは、そう言いながら、アタシをベッドに寝かせた。





お父さんは、アタシの体の上にお父さんの体を重ねて、体重はかけないで、上からアタシの顔を覗き込んで





そして、もう一度、アタシの唇にキスをした。





今度は、お父さんは強く唇を押しつけて、舌ベロを入れてきたの!





「…んんんッ!…ャアッ!」





アタシは、お父さんをはねのけようとしたけど、お父さんは、アタシの手首をアタシの頭の上でひとまとめにして





動けなくした。





お父さんの〈舌ベロ攻撃〉は、その後もしつこく長く、向きを変えて続けられたの。





「…ッふ…ッんッ…んン…」





アタシは、目尻から涙がどんどんこぼれてくるのを感じた。





それから、頭がぼうってなって、力が抜けちゃった。





この頃には、ママのこともすっかり頭から消えてたの…





『恋人(4)』





お父さんは、





「えみの〈全部〉を見せて…」





って言って、アタシの着ていたパジャマを全部脱がせたの。





アタシは、裸の胸の上で、手を重ねて肩をすくめた。おま〇こもぜーんぶ、お父さんに見られた…





お父さんの目は、お風呂に一緒に入った時とは全然違って、すごく熱く、感じた。





「えみ…ああ、綺麗だ…」





お父さんの顔が、興奮で上気してるのが分かる。アタシも、つられてなのか、自然と頬が熱くなるのを感じた。





お父さんは、触るか触らないか分からないくらいそうっと、アタシの全身の肌に手のひらを滑らせ、撫でた…





「…ああ、えみ…えみ、綺麗だ…」





アタシは、なんでか、お父さんが触れたところが敏感になってしまって、





「…ッ…!…!」





息をつめた。鼻から漏れる声が恥ずかしくて、胸に載せた手を今度は、自分の口にやり、押さえた。





お父さんは、そんなアタシの手を、顔からはずし、大きなお父さんの手で握り、





「息を止めないで…。自然に出るのを我慢しないでいいんだよ。…お父さん、えみの感じる声を聞きたいな…」





アタシは、すごく恥ずかしかったけど、その通りにした。





「…ッんッ…!…」





お父さんの手が、アタシの頬をそうっと撫でる。その手が、首、鎖骨、そして、おっぱいにたどり着いて、





それまで何度も『ビクン!ビクン!』て、なったけど、アタシは、お父さんがおっぱいの先っちょ―乳首―をつまんで





数倍、『ビクンッッ!』てなって、アタシは、背をのけ反らせた。





「ああッ!…」





そんなアタシに、お父さんは、





「えみは、とても感じやすいね…。お父さんは嬉しいよ…」





って、言ったから、





『いいんだ…。こんな風になっても…』って思って、お父さんの熱い手を全身に感じた…





そして、とうとう、お父さんの手が、アタシのおま〇こまで来たの…





お父さんは、最初は優しく指で、縦すじに合わせて上下に指で撫でて、そして





唇をつけたの。





チュッチュッ…と、軽く口づけた。





『恋人(5)』





最初、肌の表面にしていたキスを、お父さんは、両手の人差し指で『むにっ…』と開くと、





その、開いたおま〇この中に





舌を尖らせ、差し入れたの!





アタシは!…アタシは、すっごいびっくりして、また、お父さんを蹴るところだった。





お父さんは、あり得ない条件反射で、そのアタシの両足の足首をつかみ、そして、その足を自分の肩に載せた。





お父さんは、アタシの太ももをガッシリと押さえ、





『ピチャ…ピチャ…ブジュッ…!』て、いやらしい音をいっぱいさせて、アタシのおま〇こを味わい、あふれ出る汁を『ジュッジュッ…』て、吸った……





「…ぁあん…!…おと…さァん!…も!ャアッ!…」





アタシは、すごく恥ずかしいのと、やっぱり、こんなことは〈イケナイこと〉だって気持ちが湧いてきて、やめて欲しくて、泣きながらお父さんにお願いしたのに。





お父さんは、





「えみの愛液…スッゲ、美味しい…。えみも感じるダロ?」





て、聞くから、





「…ッ…わッかんないッ!…はぅんッ!…」





て、声が出ちゃって、アタシは自分で自分が信じられなかった…





    ◎●◎





それから、アタシは、お父さんに抱え起こされ、思いっきりボーッとした頭で、お父さんの声を聞いた。





お父さんは、





「えみ…えみのおま〇こを舐めて、感じるえみを見たら、お父さんのここ、こんなになったよ…」





って言って、アタシの手をグイッて引いて、





お父さんの大きくなった





おち〇ぽを握らされた!





アタシは、あんまりびっくりして、最初はすぐに手を引っ込めちゃった!





「えみのせいだよ…。えみがあんまり〈魅力的〉だから…」





なんて言うの。





それでアタシは、最初、直視できなかったけど、今度は勇気を出して、お父さんのそこをじっくり見たの。





お父さんのそこは…





お風呂の時は、ぐったり下を向いてたのに、今は、





ピンと上を向き、あり得ないほど、大きくて太くて、そして、割れた先っぽからは





テカテカ光る、透明な液が溢れてた…





お父さんは、言う。





「えみ、舐めて」





アタシは、『ええーっ!イヤだッ!』て、心の中では思ったけど、





それを本当に声に出して言ったらいけない気がして、





アタシは、アタシは…





すごーく、イヤだったけど、





お父さんのおち〇ぽに、そうっと、舌の先だけで触れた。





「んッ?味がするよ?…」





アタシは、すぐに舌を離して、そう言うと、





「そう。どんな味?これはね、男の〈愛液〉みたいなものだよ。感じると、自然に出てくるんだ。…そして、滑りを良くする…」





アタシは、お父さんの言ってる意味が、あんまりよく分からなかったけど、





お父さんに言われるままに、お父さんのを、





今度は口の中に全部入れてみたの。





とたん。





大きすぎるお父さんの棒の先が、アタシの喉の奥まで当たって、





「ゲホン!ゲホ…ッ」





て、なっちゃって、アタシ、すぐに謝ったの。





『恋人(6)』





「ハハ…、いいよ、いいよ。それより、お父さんもう一度えみのそのちっちゃい口に入れたいな」





なんて言うから、アタシは今度は、『オエッ』てならないように、気をつけて舌を這わせて、お父さんのおち〇ぽを味わった。





お父さんのは、すごく熱くて、スベスベで…





舐めるほどに、アタシの口からは、唾液が溢れて、口を離して眺めると





いやらしく、濡れてテカテカに光ってたの…





「えみッ!ごめ…ッ!出るッ!」





お父さんは、すごく我慢してたみたいで、突如そう言ったかと思うと、アタシの頭を『ガシッ』とつかむと、アタシの口の中におち〇ぽを入れ、すごく速く入れたり出したりしたかと思うと…





ドプンッ!!





アタシの口の中に、熱い〈何か〉ドロッとして、すんごい〈お味〉の液体を勢いよく発射したの!!





「…エホン…ッ!…ケホン!ケホ…」





アタシは、お父さんに無理やり強い力で頭を押さえられたのも、





ましてや、口の中に〈何か分からないもの〉を出されたことも、すごく…すごく、ショックだった…





『儀式』





「えみ…ハァ…ハァ…大丈夫…?」





お父さんが、そんなアタシを気遣ってくれるのが嬉しくて、アタシは、





「…う…うん。…すっごいびっくりしたけど…」





アタシは、お父さんの吐き出したものを、口から吐くのは、何か悪い気がして





顔をしかめて





『ごくん!』





飲み下した。





それは、すんごい、…何て例えて良いか分かんない…初めての〈味〉だった…





    ◎●◎





お父さんの精液を、初めてなのに飲み込んだアタシを見て、お父さんはすごく感激して、





「えみ!ああ、えみは何て良い子なんだッ!」





って言って、アタシをギュウウッて、抱きしめて、何度も何度も、アタシの唇にキスをした。





そして。





「えみ、足をぴったり閉じて。お父さんのペニスを挟んで…」





アタシは、ベッドに四つん這いになって、お父さんの言う通りにした。





お父さんは、今、アタシの口の中に吐き出したのに、休みもなく、





アタシのおま〇こと、太ももの間の隙間にお父さんのを、ヌルリ…と差し入れ、また、腰の前後運動をして…





勢いが増したと思ったら、





ドピュンッ!!





アタシのベッドのシーツの上に、おち〇ぽから、発射させた。





同時に匂う、強烈な青臭い香り!





「本当は、えみのおま〇こに入れたくて、入れたくてたまんないんだけど…。えみのおま〇こ、ちっちゃくて、かわいそうだからね…」





今みたいに、太ももとおま〇この表面で挟んで擦るのを、〈スマタ〉って言うんだって。





アタシとお父さんは、しばらくは、この〈スマタ〉で満足していたの。





だけど、〈ある時〉を境に、お父さんは変わってしまった…





この頃は、





「〈愛し合う〉のは、ママがいない時だけにしような…。ママに知られないようにしないとな…」





って、お父さんは言ってた。





お父さん、この頃は、すごく…





優しかった……





『儀式(2)』





今だから思うのだけど、





実際に体の中に〈ソウニュウ〉するのと、〈こすって〉外にフィニッシュするのでは、





《罪の意識》において、全然違うと思う。





始めの頃、お父さんと肌を合わせたり、口で飲んであげたりしている時は、





『少し変わった〈親子のスキンシップ〉』くらいにアタシは、だんだん軽く考えるようになったのね。





それに、お父さんと抱き合うのは、すごく心が充実してるみたいに思い違いをしてた。





おまけに…お父さんと〈秘密〉を共有し合ってる。悪いことしてる、と思いながらも、





ママがいない夜の、二人だけの〈楽しみ〉になっていったの…





ママに悪いと、思いながらも。





    ◎●◎





そんな、アタシとお父さんの間が、少しずつ変化していった。





アタシは、こういうことは、〈すきなひと〉とするんだってことに、ある日ふと、思ったの。





お父さんは、アタシのことを『大好き、愛してる…』って言ってくれるけど、アタシは…





アタシは、新学期になって新しい担任の〈秋月先生〉のことが頭から離れなくなって…





『ああ…、〈すき〉って、こういう気持ちなんだ』って、気づいたのね。突然に。





その人を想うと、胸が苦しくて、誰にもとられたくない…





それじゃあ、お父さんはどうなの?って思うと、





血はつながってないけど、アタシには、お父さんは、〈お父さん〉としか考えられなかった。





アタシは、お父さんに、そのことを正直に話した。





まだ、この時は、秋月先生のことは言わずにね。





その夜のことだった。





アタシは、今でも忘れられない、たぶん一生忘れられない〈仕打ち〉をお父さんから、受けた。





『儀式(3)』





この夜も、ママが夜勤でいなかった。





アタシは、晩ごはんもお風呂も済んで、眠る前に、お父さんに〈その話し〉をした。





そして、できれば、今夜は、エッチはしないで、一人で寝たかった。





だけど、お父さんは、沈痛な面もちで、





「えみ…。えみは、お父さんを愛してはいないのか?…今まで、お父さんを騙してたのか?!」





って言ったの。





アタシは、慌てて、





「騙してなんかないよ!お父さんのことを愛してるよ!でも、お父さんはお父さんとしか思えないの!





アタシ、お父さんを騙してたつもりなんかないッ!





ただ、自分の気持ちに気づいただけなの!





それに、それに!ママにも悪いって、ずっと思ってた!」





アタシは、今までためてた〈思い〉を、全部お父さんにぶつけた。





お父さんは、それを聞いて黙ったの。だから、分かってくれたと思った。





アタシは、お父さんに、





「お父さん、ごめんなさい…。今夜は別々に寝ようね…。





おやすみ…なさい…」





アタシは、お父さんの気持ちを考えて、そんな風に気を遣って、おやすみを言ったのよ。





お父さんは、それには返さないで黙ってた。





アタシは、だから、それ以上は何も言わずに、自分の部屋のベッドに入って、すぐに眠りについたの。





『儀式(4)』





夜中に目覚めると、お父さんが、アタシのベッドに座って、





泣いてたの。





アタシは、ものすごく驚いて、





「…ッお父さんッ?!」





て、聞いた。





お父さんは、それでも黙って、泣いてて…





アタシは、お父さんの背中に手をあてて、





「お父さん…、ごめんなさい…」





て、言ったの。お父さんが泣いてるのは、アタシのせい。そう思って…





そしたら、突然、お父さんが、アタシを抱きしめて、





「えみ!愛してるッ!えみは、お父さんのものだッ!〈お父さん〉だって思わないで、





一人の〈男〉と思ってくれよ!」





そう言った。





アタシは、お父さんに抱きしめられながら、





「お父さん…それは無理だよ…。アタシ、最初から、お父さんのこと、〈そういう風に〉見れなかった…





お父さんが、アタシを勝手に〈恋人〉って、言ったんだよ」





そう言った瞬間だった!





お父さんは、アタシを、『ダンッ!』て、ベッドに押し倒して、アタシはベッドに頭を強く打ってクラッときて、





反撃が遅れた。





お父さんは、続けざまに、アタシの頬を二回『パンパン!』て、平手で叩いた!





アタシは、ママにも顔なんか叩かれたことがなくて、ショックで動けなくなった。





「…俺が、甘かった…えみがかわいそうと思って、抱かなかったけど、





今夜、俺は、お前を抱く!」





そう言って、





アタシのパジャマの上着を引き裂いて、アタシの首筋にキスをした!





「…ッヤッ!…お父さんッ!…やめ…ヤメテッ!!」





お父さんは、アタシの叫びを唇でふさいだ。





「…ッんんんッ!…」





激しい、キス…





お父さんの想いをすべてぶつけるような…!





「…ッヤあッ!…」





唇を唇でふさぎながら、お父さんは、アタシのおま〇こに、荒々しく指で刺激を与える!





そうして、





パジャマのズボンも下着と一緒に、一気に脱がされた。





「…っとうさん…!ヤダ…」





アタシは、怖くて、それでも、抵抗したのに。





お父さんは、アタシのおま〇こへの指の刺激をやめずに、





「へっ!『ヤメテ』だ? お前のここ、スッゲ、濡れ濡れじゃねぇか!





俺のチ〇コが入ってくんのを、待ってんじゃないのかよッ!」





「………」





アタシは、もう、何も返せなくて、『ちがうもん!』のひと言すら、思いつかなくて、





お父さんに、抱かれた…!





あんまり、いつもみたいには濡れてなかったのに、お父さんは





無理やり、自分のおち〇ぽをアタシに入れた!





「…ッ痛いッ!イヤ!イヤぁ!痛い痛い痛いッ!…」





それなのに。





お父さんは、アタシを強い力で、刺し貫いた……





お父さんは、お父さんのを入れたとたん、激しく、腰を打ちつけ





アタシの中に、





熱い精液を、





注ぎ込んだ……





アタシは、たくさんの涙を流して、放心状態になった……





『シーツのシミ』





朝が来た。





アタシは、重い体を無理に起こした。そして、お布団をめくると、シーツについた小さな赤いシミが目に飛び込んできて、

一気に夕べのことを思い出した。





アタシは、ものすごく気持ちが落ちてしまって、何かをしようという気力が全く湧かなくて、また、ベッドにすとんと座り込んだ。





そういえば今朝は、お父さんは、アタシのことを起こさないで仕事に行ったみたい。





それか、声をかけられたのかもだけど、アタシは気づかなかった。





    ◎●◎





アタシは、しばらくそのまま放心していたけど、時計を見て驚く。





学校に行く時間はとうに過ぎて、しかも、夜勤明けのママが帰ってくる時間が迫ってた!





アタシは、シーツをサッと剥がし、洗濯機に放り込んだ。





そして、慌ててママにメールをした。





ママに黙って学校を休んだら、ものすごい叱られる!





『ママ、おはよう。アタシ、頭が痛くて体ダルイから休みます。学校に電話お願いします(&お願いしますの〈ねこ〉の絵文字)』





すると、しばらくして、ママから返信があった。





『えみ、おはよう(太陽の絵文字)大丈夫?熱は計ったの?計ったらまた、メールちょうだい。ママもあと少しで帰るから、ちゃんと寝とくのよ(片目に涙の顔絵文字+ハート)』





アタシ、ママの優しさが嬉しくて、すぐに熱を計って、メールした。





『ママ、37.6℃あったよ』





しばらくして、ママからの返信は、





『あるわね…熱(痛い顔の絵文字)先生には連絡したからね!心配しないで眠りなさいね(ハートが3つ+キラキラ絵文字)』





アタシは、





アタシは…





ママのメールを見て、泣いた……





ママ!ママ!ごめんなさい!!アタシ、アタシ、とんでもないことしちゃった!ママ!





それから、体はすごいダルかったけど、洗濯の終わったシーツを乾燥機に入れたの。





ママにだけは、絶対、絶対!知られちゃいけない!!





だけど、洗濯機に放り込んだだけのシーツのシミは、完全には消えてなくて、





アタシは、背中に嫌な汗が落ちるのを感じた。





乾燥機が終わり、なんとか、ベッドに敷き終わって、その中に体を滑り込ませた瞬間。





ママが、お仕事から帰って来たの!





アタシは、目を強く瞑って、ママが部屋に来るのをジッと待った。





すごく、胸がドキドキした。アタシがお父さんに抱かれたって、ママにバレたら、どうしよう!どうしよう…!





玄関を開けて、手を洗ったママが(病院に勤めてるから、我が家はまず、手洗いが先なのね)





アタシの部屋を覗く。





「えみ〜…ただいまァ…。眠ってる?」





アタシが、返事しないでいたら、ママは部屋に入って、アタシの眠る顔を見にきたの。





ドキドキドキ…!





ママは、そうっと、アタシのおでこに手をあて、自分のおでこにも手をあて、確かめてた。





そして、ため息をひとつすると、





「ごはんもまだかしらね…」





独り言を言うと、『パタン…』ドアを閉めて、部屋を出て行った。





『シーツのシミ(2)』





ばちが当たったと思った。





いくら〈ソウニュウ〉してなかったとはいえ、ママの〈旦那様〉のおち〇ぽを口に含んだり、精液を飲んだり、スマタをやったり…キス、しちゃったり……





ママを裏切ったことには変わりない。





いくら、お父さんに求められたからって。





アタシが、悪い。





もっと、本気で抵抗すれば、もっと早くに『イヤだ!』って、言えてれば…!





考えても、後悔しても、遅すぎるって、分かってたけど、アタシは考えずには、いられなかった。





夜、寝る時もドアに鍵をしよう。そう、決めた。





    ◎●◎





目覚めたアタシに、ママが聞く。





「風邪かしらね…。えみ、病院行こっか?」





アタシは、とんでもない!って思った。





お父さんにつけられた、たくさんのキスマークを他人に見られるワケにはいかない!





ママに、ママにバレちゃう!





アタシは、必死に首を振った。





「ダル過ぎて起きれない…。寝てれば、治るから、たぶん…」





「そう?…まぁ、高熱ではないから、様子を見ようかしらね…」





ママが心配して、何度もアタシのおでこや頬に手をあてる。





でも、そんな、ママのあったかい手にもアタシは反応してしまって、ビクンッ!てしてしまうの…





「ママ…寒い…少し眠る…」





アタシは、それを悪寒のせいにした。





そうしたら、ママは、軽い羽根布団を重ねてくれた。





「どう?あったかい?…ママも、少し眠るからね。何かあったら言うのよ…」





ママが作ってくれたお粥もあまり食べれず、アタシはまた、眠った。





『悪い子』





    ◎●◎





アタシが、『好きな人ができたから、もうヤメテ…』と、告白した日から、お父さんのアタシへの嫌がらせは続いてる。





お父さんは、もう、ママがいてもお構いなしに、アタシを抱く。





今日のママは、日勤だから、夕方には帰ってくるっていうのに…





「…ッ!…っとうさん…ママが帰ってきちゃ…!」





お父さんは、アタシをキッチンの調理台に座らせ、ク〇ニをしてる。(アタシも、いろんなエッチ用語をお父さんから教わった)





パンツの中央の布をグイッと横にやり、おま〇こをさらけ出し、お父さんが『ジュブ…ジュブ!』と、アタシのおま〇こを味わう。





そうして、今度は、台からアタシを下ろし、





「床に手をつけ。尻を高く突き出すんだ!」





アタシは言われる通りにする。





お父さんが、ズボンのジッパーを下ろす音がして、





「はぁあッ!…」





ジュプッ!ジュプッ!ジュプッ!…





いきなり、激しい注挿が始まる!





「あああッ!ンッ!ママが…!ママが帰ってくる!…」





アタシの願いも虚しく、お父さんは、容赦なく、中出しして、アタシを離す。





その時、





『ピンポーン♪』





チャイムが鳴り、玄関を開けママが帰ってくる。





お父さんは、すかさずジッパーを上げ、一物をしまうと、ママを出迎え、ママの両手に抱えた荷物を持ってあげながら





ママの頬にキスをするの…





「拓哉…ただいま…」





「詠子…待ち遠しかった…今夜…な?」





二人だけに分かる今夜のエッチの催促…





そんなお父さんに、照れながらも『シッ…』みたいに、お父さんを黙らせてから、





「あら、えみは?勉強してるのかしら…」





アタシは、慌ててパンツの布を直し、おま〇こをしまう。





今、お父さんに出された精液が『ゴプッ』小さく音立てて、空気と共にパンツの中に溢れる…





「お帰り!ママ!…あ、アタシ、トイレ…」





アタシは、キッチンからニョキッと顔を出して、ママを出迎える。





でも、これは、さすがに…





匂いでもバレそう…!





アタシは、すぐにトイレへ駆け込む。





もうこの時は、アタシのスカートの中、太ももに、白いのが垂れ始めてて…!





「アラアラ…おしっこでも我慢してたのかしらね」





ママが、何にも知らないでそんなことを言う…





アタシは、便座に座って、一生懸命にウォッシュレットで中身を洗い流すの…





アタシは、思う。





イヤなのに…





イヤなのに…





感じちゃう……!





アタシは、自分を、なんて悪い子だろうって思った…





『悪い子(2)'』





キッ…





深夜。少しだけ鳴る、ドアの音。





「(…えみ…)」





お父さんの息は、すでに荒くなってて、ハァハァしながら、布団をはいで、アタシの上にその体を重ねてくる…





ギシ…





ベッドがきしむ。





「(えみ…、ああ…えみ…)」





お父さんがアタシの名前を耳元で囁きながら、ペチャペチャ音させて、耳の中に舌を入れてくる!





「…ッふぅぅ…ンッ!」





アタシは、ぐっすり眠っていたのに、起こされ、そして、快感のスイッチを強制的に入れられる…





お父さんが、アタシのパジャマの上着の前を広げて、おっぱいを空気にさらす。





「(えみのここ…もう、立ってる…いやらしい…)」





「…そっ、そんな…ッ」





お父さんは、そう言いながら、舌で片方の乳首をぬめぬめと舐め、もう片方は、指でこねくり回す。





「…ッ!ッ!…とぅさンッ!」





「(乳首が感じるのか?貧乳のくせに!マセガキめッ!)」





「ッんんッ!…」





アタシは、声を出さないようにこらえるのに必死なのに、お父さんは全然容赦なんてしなくて、アタシをいじめまくるの…





「(へっ、えみ〜、腰が動いてるゼ!お前、いやらしいなッ!そんなに、俺にハメられたいかッ)」





「ぃや…ん!…おと…さんのイジワ…ル…」





アタシも、ハァハァしながら答える。





お父さんは、アタシの乳首を、ずうっとコリコリさせながら、





もう片方の手は、パジャマの布越しに、おま〇こをグリグリ押してくるの…





「…っとうさん…ッ」





そんなアタシを見て、お父さんは、一気にパジャマのズボンを下ろし、パンツだけは残す。





胸は、はだけたまま…





お父さんが、パンツの布の上から、おま〇このぷにぷにのお肉に刺激を与える…





ワレメにそって、柔やわとさする…





「(早いな…もう濡らして…えみは、本当にエッチだな…)」





お父さんの抑えた声もいやらしくて、アタシは『ちがうもん!』のひと言が言えない…





「…あ…うゥ…ッ」





お父さんのおま〇こに当てた指がせわしなく動いて、休みなく刺激を与える!





「やん…ッ!」





「(欲しいか?えみ、お父さんが欲しいか…コイツが、欲しいか…)」





お父さんは、いつの間に出したものか、お父さんの完全に勃起したおち〇こを握りしめてる。





アタシは、言葉に出せず、コクリ、とうなずく。





「(欲しかったら、〈奉仕〉しな」





アタシはもう、この時お父さんの〈いぬ〉なの。





四つん這いになって、お父さんのおち〇こを口にほおばり、唾液でベタベタになるまで舐めまくるの…





アタシのおま〇こがじゅわん…て濡れて、太ももの内側に、汁まで垂れてくるのがわかる。





「(よし、それじゃあ入れてやろう。後ろ向け)」





アタシは、お父さんの言いなり。





お父さんのおち〇この前にお尻を高く突き出す。





お父さんは、アタシのパンツの布を大きく横にずらし、おま〇ことお尻の穴をまる見えにさせる。





「(今日は、ケツ穴から入れてやろう。えみ、嬉しいだろう)」





うう…お尻は、イヤ…





だけど。





「はい…、思いっきり深くえぐってください…」





そう言わないと、殴られる…





アタシは、震えながら、おま〇こから、はしたなく汁をしたたらせる…





「(へっ!えみのココ、濡れ濡れ!)」





お父さんは、アタシのおま〇この中に指をグイッと入れ、





グッチャグッチャグッチャ…





かき混ぜたかと思うと、今度は、そのぬめぬめの指をアタシのお尻の穴にググウッと、入れ、出したり入れたりを繰り返し、





ぬぽん…





指を抜くと、今度は、お父さんの勃起おち〇こをソウニュウさせるの!





「はぁウッ!…」





ギッチュギッチュギッチュッ!





お父さんの激しい注挿が始まる。





アタシは、思うの。





ヌッチャ!ヌッチャ!ヌッチャ!…





早く終われ!

早く終われ!

早く終われ!





お父さんが、早くイッちゃいますように!…





ゴプンッ!





お父さんが、アタシのお尻に白いのをいっぱい吐き出した。





その、おち〇こを刺したまま、くるんとアタシの体を回転させると、アタシを仰向けにさせ





お父さんは、指を三本すぼめた状態のを、今度は、アタシのおま〇こに入れ、入れたり出したりを繰り返す。





アタシは、お尻とおま〇この同時攻撃で、頭がおかしくなりそうなくらい、乱れるの…





「ああッ!ああッ!ああンッ!……」





『悪い子(3)』





たくさんの精液を吐き出した後、お父さんは、念入りにアタシの体をきれいに拭いてくれるんだけど…





もう一度、アタシのお尻や、おま〇こに指を入れ、出したり入れたりして刺激を与えるの。





「えみ、きれいにしてやろうな…?」





そう言いながら、





グッチャグッチャグッチャ…!





中の精液を掻き出す…





「…っとうさん…も…かんべんして…」





「何言ってんだ。お父さんは、えみの穴をきれいにしてやってるんだぞ。ありがたく思えよ」





「…ッも…やぁッ…!…」





この頃には、アタシの気力ももたなくて、いつの間にか眠っているの…





意識を手放したアタシを、お父さんはもう、怒らない。アタシの体をきれいにした後、アタシの頬に唇を押しつけ、そっと部屋を出るの…





    ◎●◎





ここまでが、いつものこと。





ただ、今夜だけはいつもと違った。





深夜、アタシの部屋を出たお父さんが、後ろから声をかけられる。





白いガウンを着たママが、リビングでタバコを片手に、小首を傾げてる。





「拓哉、えみの部屋で何してたの?」





その時、お父さんは、何のためらいもなく答えた。





「えみの寝顔見てた」





「ふうん…」





ママが、タバコに口をつけ、深く吸い込む。





「子どもの寝顔って、可愛いよな。…天使みてぇ…」





「そうね」





さめた、ママの目…





「タバコ、やめろよ」





て、お父さん。





「拓哉がやめたらね」





「俺、ちょっとトイレ…」





そう言って、お父さんは、手を洗いに洗面所に消える。





ママは、天井に向かって煙を吐き出した…





『悪い子(4)』





この頃のアタシ。





保健室で寝ることが多い。





連日、夜中に起こされてお父さんにエッチされて、体、ボロボロな感じ。





だから、保健室のベッドは、アタシのひと時の慰安所。救護所とも言う?





アタシ、この頃、変。





濡れちゃう。





お父さんを思い出すと。





それに…





最近、お尻も感じるようになっちゃった。





アタシ、なんだか、自分が、すごーく、いやらしい子になっちゃった気がする。





だけどね。





家に帰るのが、





すごーく、





おっくう……





お父さんの顔を見たくない。





ママとも顔を合わすのがつらい…!





部屋に鍵をかけた翌朝は、ママが出かけた後、夜の倍、酷い目に遭う。





殴られたり、お尻を打たれるのも嫌だけど、





最近、お父さんは、〈指〉の代わりに〈機械〉を使う。





アタシが、いくら『イヤ!ヤメテ!』って言っても





おま〇ことお尻の、両方に、電池で動く〈おもちゃのおち〇こ〉を入れてくるの…





アタシ、気持ちいいのか、イヤなのか、もうわかんない……





『悪い子(5)』





晩ごはんが済んで、片づけも終わって、〈だんらん〉のひと時。





リビングのテレビがついてて、その前でアタシは、お父さんの膝に乗り、一緒にテレビを見ている…





これだけを見たら、仲の良い親子に見えるかもしれない。





でも…





「…ッ!ンッ!…ッあッ!…ッ!…」





お父さんがアタシのおっぱいを揉みながら、





「最近、えみのおっぱいが大きくなってきたな。やっぱ、俺が毎日揉んでやってるからかな?」





そんなことを言う。アタシは、顔をしかめて、





「…ッ今、成長…期、だもん…ッ…あぅッ…い、痛いン…だから…ッ!あンッ…」





「そうか、そうか。今に、えみもママみたいに巨乳になるのか」





言いながら、先っぽだけじゃなくて、アタシの少しのおっぱいの肉も揉む。





親指と人差し指で乳首をクリクリつまんで、小さいおっぱいをモミモミする…





アタシ、ハァハァしながら、





「ならない…もん!ママみたいに…おっきいのは…イヤ…」





「そうかァ?俺は、ママのデカパイも、えみの貧乳も好きだな」





「…ッヤァッ!!」





この時、実は、膝に乗るアタシのおま〇こには、お父さんのおち〇ぽが、グッサリ刺さった状態で。

テレビなんか、全然見てないの。





お父さんは、わざと腰を動かさず、アタシのおっぱいへの刺激だけで、アタシがどれくらい耐えられるか試してるの…





「ッあンッ!おと…さァン!…!」





アタシは、こらえ切れずに自分から腰を動かす。





…ッチュ…グッチュ…





「…ァン…んんッ!」





今夜、ママは帰らない。





アタシは、一晩中、お父さんに〈いたずら〉される…!





お父さんは、口では『愛してる』なんて言ってるけど、





アタシの体を使って、いろいろ試したいだけだと思う。





なのに、学校にいる時から、なぜだか、アタシのおま〇こは、濡れっぱなし…





『イヤイヤ』言いながら、アタシ…本当は、お父さんに抱かれるのを、心待ちにしてるのかな…?





「…ッああンッ!…」





アタシ、もうガマンできなくて、お父さんの手をふりほどいて、自分でお父さんの上で、体を動かすの。





おま〇この中は、もうビショビショで、汁が垂れちゃうくらい。だから、すごくスムーズに上下に動いちゃう。





…ズチュッ!ズチュッ!ズチュッ!…





いやらしい汁も飛び散る!





「…あぁん!おと…さァン!…」





「えみも、エロくなったなぁ…お父さんは嬉しいよ…」





お父さんの息も荒くなってきた。





お父さんの大きな手が、おっぱいを離れて、アタシの太ももを下から支える。





アタシは一生懸命、お父さんのに、アタシのおま〇こを上下にこすって気持ちよくなりたいのだけど、うまくいかない。





「…ッとーさ…!」





そんな、アタシを見て、お父さんも本格的に発射したくなったみたいで、





アタシを、テレビとソファーの間のガラステーブルに四つん這いにさせて載せると





バックでガンガン突いてキタ!





「ああんッ!アンッ!アンッ!アンッ!アンッ!…」





「へっ!エロガキめッ!」





「…やぁンッ!…」





ぱんッ!ぱんッ!ぱんッ!…





規則正しい、お父さんの腰の注挿!深く、強く…時には、おま〇この入り口だけを刺激して浅くして、アタシをもどかしくさせる…





アタシは、たまらず、





「ぁあんッ!ふ、深くゥ!」





お父さんに恥ずかしい要求も、平気で言っちゃうの。





やがて。





「…ッ!ァンんッ!…」





ドプンッ!





お父さんの腰の動きが激しくなって、





アタシのお尻に強く深く、ググゥッと体を押しつけ、中で発射した。





荒い息の、アタシと、お父さん…





アタシはもう、頭がまっ白になって、何も考えられないの……





『悪い子Ⅱ-①』





お父さんに抱かれたら、もう、何にも考えられなくなる。





何もかもが、どうだってよくなっちゃう…





      ◎●◎





あのあと……リビングのガラステーブルの上で、アタシの体内に放出したお父さんだったけど、それは、ほんの始まりに過ぎなくて…





アタシは、用意したシーツにくるまれ、お父さんに横抱きで抱え上げられると、アタシの部屋へと運ばれた。





アタシは、お父さんの首に腕を回して、落ちないように抱きつく…





そんな時は、本当に〈恋人〉っぽくて、お父さんとアタシだけの世界だなあと思うの…





このあとに待ってる、エッチの〈ループ地獄〉を忘れてしまえばね。





         ◎●◎





お父さんは、アタシをそっとベッドに下ろすと、アタシにたくさんのキスをくれる。





『クチュクチュ…』と舌をからめ合い、互いに相手を求め合う…





アタシは思う。





お父さんが本当に、アタシのことを愛してくれたらいいのにって…





お父さんは、くるんだシーツに手を入れ、アタシの小さいおっぱいを揉みながら、乳首に舌を這わす。





「…ッ!…ッはあンッ!…」





そんなアタシを見て、お父さんは、嬉しそうに言う。





「えみ、バイブ入れていい?」





アタシは、『イヤ』って言うことなんて許されてない。





黙って『コックリ』とうなずく。お父さんは、それを見て、嬉々として二本のバイブを準備するの。そして、一本目をまずはアタシのおま〇こに入れる。





そこは、すでにお父さんの精液がたっぷり入ってる状態。





『にゅるり…』スムーズに、アタシのおま〇この肉を押し広げ〈異物〉が侵入してくる!





「ハあウン!…」





ママがいないから、アタシ、声をガマンしない。





お父さんが、





「えみ…入れるぞ、スイッチ…」





言ったとたん、バイブのスイッチが入れられ、アタシは、背をのけ反らせる!





「あああ…ッ!…」





『ブーン…』ていう、無機質で無慈悲なモーター音が響くのと、アタシの声が出ちゃうのは、ほとんど同時だった。





「えみ、かわいい…さあ、尻にも入れるぞ」





アタシ、それには、喘ぎながらも、激しく首を振る。





だけど、お父さんがやめるハズがない。





「イ、イヤッ!…お尻は、イヤあッ!…」





「そんなこと言って、最近のえみは、コレがないと、物足りないんだろう?」





「…ッそんなこと…ッ!…」





アタシが、否定している間に、お父さんはアタシのお尻にも、ローションを塗りつけたバイブを、何のためらいもなく入れ、今度はアタシに聞きもせずスイッチを入れた!





「ヤあああ…ッ!!…」





アタシは、このあとのことをいつも覚えていない…





お父さんが、もし、本当にアタシを愛していたら、アタシが『イヤ!』って言うことは、絶対しないはず…





意識のなくなったアタシを、お父さんは、朝までいじり続ける…





アタシは、アタシの知らないうちに、おま〇ことお尻にバイブを入れられた、その状態で、お父さんのおち〇こを、舐める…





アタシは、無意識に喘ぎ、腰を振り続ける…





アタシは、お父さんの〈セックス人形〉……





『悪い子Ⅱ-②』





学校のチャイムが鳴って、授業が始まる。





静かな校舎内…。





アタシは、いつものように、保健室のベッドの上。





天井をボーッと見ていたら、カーテンの向こう側から声がした。





「青井?…起きてるか…」





ヤバい!秋月先生だ!





アタシはとっさに、





「…ガーゴー…」





イビキの音をわざとさせて、お布団にもぐり込む。先生の声の方に背中を向けて…





「なんだ。起きてるんじゃないか…」





アタシ、お布団の中で、ギュッと目を閉じる。





お布団の中で丸まってるアタシを見て先生は、ため息をつきながら、





「青井?青井はすっかり、ここの住人になっちゃったね…。顔色も悪いし…。一度お母さんに話しをしないといけないね…」





アタシ、そこで思わずガバッと起き上がって、





「だ、ダメッ!ママには言わないでッ!」





アタシは、必死に訴えた。





けど、先生は。





「やっぱり起きてた」





言いながら、ニンマリ笑った。





「…あッ!…」





アタシは何も言えなくなる。





「えみ…」





先生が、アタシの名前を呼んで、おでこに手をのせてくれようとしたのに…





アタシは、またお布団の中にもぐり込む。そして。





「…先生、ママには言わないで…」





もう一度お願いした。





『悪い子Ⅱ-3』





「どうして?…えみはなぜ、そんなことを言うの?…えみ、最近のえみは、なんだか前と違って見えるよ。…何か、あったかい?…」





アタシの大好きな秋月先生は、やっぱりすごい!アタシがなんにも言わなくても、先生には分かっちゃうんだ。…ああ、だけど、大好きな先生にだけは、アタシの悩みなんか知られたくない!





……知られたらきっと、学校にもいられなくなる!





「ッそ、そんなこと…!アタシは全ッ然、前とおんなじだよ!悩みなんかあるわけないじゃん!」





「そうか〜?」





秋月先生が、アタシの目をジッと見る。





ここで、目を離しちゃダメ!離したら、嘘がバレちゃう!





アタシが、嘘をつき通してがんばって先生をにらんだとたん、アタシは先生に抱きしめられた!





「…ッせ、先生?!…」





「えみ…お願いだから、僕には本当のことを言ってごらん…」





アタシをそっと、遠慮がちに抱く先生は、少しだけ震えているみたいだった。





そんな、きれいな心の先生に、そんな先生なのに…アタシは、なんだか〈イケナイ心〉がムクムクとわいてきちゃったのね。





「先生。先生は、アタシをキライになる。絶対。本当のアタシなんかを知ったら!」





アタシは、気づいたら、先生の股間に手を這わせ、ズボン越しに手のひらを先生の形に合わせてそっとこすり上げちゃった…!





『悪い子Ⅱ-4』





「…あ!青井ッ!?…」





かわいそうに、まじめな先生が、すごい驚いてる。そりゃそうよね。





小さい子どもが、イタズラで、ちょっとタッチ!…なんてのとは全然違う。





明らかに、勃起をうながすような…





〈おとなの女〉がするようなことを〇学生のチビッ子が、やっちゃったんだもん。





さあ、先生、どうする?





今度はキスの時みたいな子どもだましはきかないわよ…!





「どうしたの?…先生。えみって呼んでくれないの?…アタシを〈すき〉って言ったのは言葉だけだった?」





「あ、青井…え、えみ…!…」





クスクス…おっかしいの!神様みたいに落ち着いてた人と同じとは思えない!





「周先生?アタシと〈イイコト〉しよう?もう、〈子どもだまし〉はナシよ」





アタシは、先生のズボンのジッパーを下ろし、その中の先生の下着に手をやった。





でもまだ、先生のそこは全然反応してなくて、アタシは少しだけガッカリする。





だけど、やっぱりアタシの大好きな先生だわ。





こんな子どもになんか、性欲をそそられたりなんかしないのよ。





…お父さんとは違う。





だけど、〈それ〉は、やっぱり、『青井のこと、大好きだよ…』って言ったのが〈嘘〉だって言ってるのと同じこと……





「先生?…先生が本当にアタシこと好きだったら、アタシのこと、抱いてよ…アタシ、お尻だってイケるのよ…」





アタシは、慌てる先生の下着を下げ、先生の〇〇をあらわにした。





先生のそこは、相変わらず無反応で、アタシは尊敬すら感じた。





「…先生、すごい…さすがに〈先生〉ね。でも、アタシ、こんなこともできるのよ」





アタシは、先生のペ〇スに口をつけた。





とたん!





先生が立ち上がり、アタシの口を強制的に外した。





「先生?…気持ちよくなかった?」





「青井、君はこんなことしちゃダメだ!青井…何があったんだい?…こんな…頼りない僕だけど、話してほしい…」





「………」





アタシは、フェラ〇オを中断されてムッときたのと、先生の強い忍耐力に脱帽しながらも、少しガッカリしたの。





もう少し先生のを口に入れたかったのに…





アタシは、あっけにとられながら、ちょっと恥ずかしくなって、お布団の中にもぐり込んだ。





そんなアタシに、先生が言う。





「…青井、ごめん…無理には聞かないけど、君が話したくなったらいつでも聞くよ?…僕は、君のことが好きだからね…」





「………」





わかってる。先生は、〈先生として〉アタシのことを好きって言ってくれてるんだ。





みんなと同列に!





別に、アタシだけを愛してくれてるわけじゃない!





それなら、お父さんの方が、マシじゃないの?





お父さんは、アタシを『好きだ』『愛してる』って言って抱きしめてくれる…





ただし、ママのことも同じに『アイシテル』って言うけどね。





ねえ、〈愛〉って、何?





アタシ、何かが間違ってるの?





お布団の中に隠れて何も言わなくなったアタシを残して、秋月先生は行ってしまった。





アタシは先生にも〈タスケテ〉って言えずに、





お布団の中で、泣いた。





『秋月's side』





動揺している。





そうだ。自分は、かなり衝撃を受けている。





いや、自分の受け持ちの子どもにフェ〇チオなどされて、動揺しない方がおかしい!





いやいや、その前に、教え子にフェラ〇オされるような、不甲斐ない教師もあったもんじゃないが。





自分は、これまでどこか、教職という仕事に対して〈冷めている〉…そんなところはなかったろうか。だが、今回の件でよく分かった。





自分は、この仕事を〈見下げていた〉。





はっきり言って、〈馬鹿にしていた〉。この仕事に就いて13年。





今思えば、ずっと順調に来たのが悪かった。





最初から子どもにも歓迎された。保護者受けもよかった。





何も怖いものなどなかった…





なのに、青井えみ!





なんだ?あいつは!





順風満帆な教職人生に初めて現れた〈問題児〉だ!





青井えみ。





彼女の家は、両親の離婚による母子家庭。





母親は、ナイスバディな超美人。





その娘のえみは、超美少女かというと、そうでもない。





いたって普通の〇学生だ。





本人は、母子家庭であるような風には全く見えない。翳りも暗さも感じさせない明るい〈一般的〉な〈普通〉の子どもだと思っていた。





ただ、自分に対しては、積極的にアピールしてきて、そんな時には、『父親代わりに甘えたい』だけなのだと思っていた。





〇学生のくせに〇ェラチオ…!





これはどういうことだ?…まさか、あいつ、売春したりなんか…?





いやいや、勝手な想像はまずい。





ともかくも、ここは冷静に対処しなくては。





しかし、そうは言っても次に彼女の顔を見た時に、自分はそう冷静でいられるだろうか?





全く自信がない。





『秋月's- 2』





このところの青井えみは、すこぶる調子が良いようだ。





あの、保健室での一件以来、僕はえみに弱味を握られたも同然だ。





彼女の元気が回復したのは、ひとえに〈新しい標的〉を見つけたからに他ならない。





今日も彼女がやって来る!





僕が一人でいる時間帯を狙って!





世間的に見れば、弱い立場なのは〈子ども〉だろう?





だが、彼女と僕の立場は逆転している!





        ◎●◎





「ねえ、先生?生徒におち〇ぽを舐めさせたら、それって〈セクハラ〉よね?」





「…そ、それは、あの時君が勝手にッ!…」





焦る僕など、ちっとも気にせず、えみは勝ち誇ったように言った。





「ふふ…先生ったら、認めちゃった!アタシにおフェラさせたってこと!」





「させたって…!」





だめだ。完全にペースを持っていかれたままだ。





慌てる僕の側まで、えみが距離を縮める…





昼休みの理科準備室。





僕の膝に跨ったえみが、





僕の口に、唇を押しあて、言った。





「先生は、アタシの〈ドレイ〉よ!」





『aktuki's -3』





------



「ねえ、先生見て!」





いつものように青井えみが僕のところへ来て言う。





えみは、自分のスカートをたくし上げて、その中身を見せつける。





その、たくし上げたスカートの下には・・・





「・・・ね、せんせ、スゴイでしょ」





彼女の股間には、〈あるはずのもの〉がついていない下着が・・・。





彼女の恥部は、布で覆われておらず、丸見えの状態・・・





つまり、その下着は〈なんらか〉の細工が施されており、大事な部分をさらけ出す形だ。





「・・・えみ、それ・・・」





僕が絶句していると彼女は言った。





「〈お父さん〉がね、作ってくれたの」





えみは、少し恥らいながらも、けしてその場所を隠すこともせずに、





「ね、せんせ・・・いつもの・・・、シて・・・」





言う。





〈お父さん〉とは、彼女の母親の再婚相手だと言うが、未入籍

らしい。





「・・・ね、先生、早くゥ・・・」





〈いつもの〉、それは・・・





「・・・ッンッ・・・!」





僕は、彼女に請われるままに、その、さらけ出されたワレメに舌を這わす・・・





彼女は椅子に浅く腰掛け、股で僕の頭を挟み、背をのけ反らせ、喘ぐ・・・





「・・・ッ・・・!ッんッ!・・・せんせッ!か、感じちゃうッ!・・・」





・・・ピチャ・・・ぺチャ・・・





たいていの昼下がり、僕たちはこうして時を過ごす。全く馬鹿げている!





なのに。





「・・・ッ先生もッ、感じてキた?・・・」





僕は、いたってノーマルな性癖だった。彼女に会うまでは。





こんな、年端もゆかぬ娘に翻弄されている・・・





「・・・ね、せんせ?今度は指がイイ・・・」





それに。





昔の青井えみは、もっと普通の〇学生だった・・・





『秋月's-4』





 ・・・ジュブ、ジュブ、ジュブ・・・





「・・・ッハァ・・・ッ!・・・」





僕がえみの膣に指を入れ、何度も出し入れをしてやると、その度にえみは喜びの声をあげた。





「・・・ッせッ、せんせ・・・ッ」





えみはもう、腰を振り激しく喘ぎ、苦しそうに僕の名を呼ぶ・・・





「・・・欲し・・・ッ!・・・せんせ・・・の・・・ッ!」





「ッダメだ。・・・学校・・・じゃないとこでシような・・・?」





「・・・ッヤァ・・・ッ!・・・」





えみの下からの露が溢れて、えみの太ももやら、僕の手全体を濡らしてグチャグチャと卑猥な音を立てる・・・





「・・・ッんッ!」





えみは、目尻にたくさんの涙を流して上気した顔で興奮を表している・・・





このまま、この娘を抱いてやったらどうなるだろうと考えなくはないが、恐ろしい。





コイツは罠だ。





一度抱いたが最後。〈虜〉になって、とり殺されそうだ・・・





「えみ・・・愛しているよ・・・」





えみの痴態に、僕も興奮を隠し切れずに、荒くなった息を抑えながら言う。





コイツは、〈小悪魔〉だ。





どうにか、甘い言葉で惑わして、この危機を脱しなければ・・・





「えみ、今度な?今度、本当に君のことを抱いてやろう・・・」





「・・・ッやァッ!今度っていつ?・・・先生は、アタシのドレイなのよッ!アタシのいうこときいてくんなきゃイヤ!」





はしたなく秘部をビチャビチャに濡らしながら、えみは命令する。





だから僕は、仕方なく、この娘にキスをやる。





「・・・ッん・・・ふ・・・」





小さな体を抱きしめ、舌を挿入する深い口づけで、どうにかこの娘は納得する。





だが、そろそろ問い詰めなくては。





この娘を、こんな風にした者の正体を。





『シャワー』





(Emi’s side)





おかしなもので、毎日毎晩抱かれ続けていると、頭まで〈変〉になるらしい。





たまにお父さんは夜、帰らない。





それは大概、仕事場の人との飲み会だったりするんだけど、そんな日は、ママがいれば、アタシを抱かない。





用心してるらしい。ボロが出るのを恐れてるのね。





アルコールが入ったからって、〈あの人〉の性欲が落ちるわけじゃない。





その証拠に、ママがいない夜は、酒臭い息でアタシを抱くんだもの。





そんな時は、アタシも思う。シラフの方がマシってね。





ママがいない夜の、お父さんは暴走する。





アルコールが入っても、なくっても。





          *・*・*





この夜も、そんな仕事仲間との宴会のあった日だった。





お父さんが帰ったのは、夜の10時過ぎ・・・





帰るなり、お父さんはアタシを呼んだ。





「えみ〜、いっしょに風呂入るぞッ」





「えぇ〜、もうさっき入っちゃったよ〜」





「あッ、お父さんに反抗するのか?いいのかな〜」





「・・・っご、ごめんなさい・・・ッ」





アタシは、前のことを思い出して、咄嗟に謝る。だけど。





「いいぜ、別に。困んのはお前だからな」





そう言うと、お父さんは不敵に笑った。





「・・・・・・」





アタシは、それからの長い夜を、覚悟した・・・





           *・*・*





熱いシャワーで体を流され、アタシは、お父さんに、泡をいっぱいつけて洗われた。





そして、お決まりのーー





「えみ〜、お前のために早く切り上げて帰って来たんだ。感謝しろよ」





お父さんは、アタシのおっぱいを背後からたんねんに洗いながら、笑ってそう言った。





ムワッとお酒の匂いが鼻にクる。





しょうがない。





今夜は、なるべくお父さんの吐く息を吸わないようにしよう・・・





なんて。





そんなアタシの決心なんか、その数秒後にうち砕かれちゃうんだけどね。





『シャワー2』





だってね、アタシはお父さんに洗われていた体をクルリと後ろに向けられて、キスされちゃったから。





ムワンと匂うお酒の匂い!アタシは、息を止めてガマンするのだけど、それも長くは続かない。





呼吸を止めるのにも限度がある。





お父さんの、いつもより熱い舌べろが、蒸発するアルコールの匂いと混じってたまらなく吐きそうになる!





……だけど。





密着した体と、お父さんのしつこいキスが、アタシをおかしくさせる。





「…ッ……!…ッやッ!…」





「えみ〜、可愛い…。お前を抱かなきゃ、一日が終わらねぇ…」





……クチュ、クチュ、クチュ……





お父さんが、キスしながらアタシの背中やお尻や、そしておま〇こを何度も撫でこする…





アタシは、もう、お酒の匂いも何でもよくなって、お父さんに身を任すの。





「…ッあッ!あッ!あッ!…んんんッ…!…」





ぬるぬると、お父さんがアタシのおま〇この中に、指を入れてグチャグチャとかき混ぜる。





「…ッあッ!やんッ!…」





「へッ!イヤイヤ言って、お前、すんげぇ腰振ってんな。俺に抱かれんの、好きで好きでたまんねぇだろ!」





「…ッんなことないもんッ!…」





アタシの言葉なんか、絶対聞かないでお父さんが、アタシの口に、大きくなったお父さんのおち〇ぽを無理やり押し込む。





「んんんッ!…」





お父さんの腰の動きが激しくなって、そして、





「…オラァッ!」





アタシの口からお父さんは、自分のおち〇ぽを勢いよく抜き出すと、手で素早くこすり上げ……





アタシの顔と頭に、飛び出した精液を思いっきりかけまくったの…!





「……!」





アタシ、今日、髪の毛洗ったばっかなのに…ていうか、すんごい匂い…





それからお父さんは、お風呂場でアタシを何度も抱いて、その度に今日は〈外出し〉……アタシにたくさんの精液をぶっかけた…!





アタシは、お父さんの〈精液のシャワー〉を浴び続けた……





『変化』





「…ッ…う…ッあァ…ッんッ!…」





ジュ…ッパンッパンッパン!…





頭から顔はもちろん、全身、体中精液にまみれると、どうやら脳にまで、お父さんのザー〇ンに侵されちゃうみたいで。





頭では、お父さんなんか家に帰ってくるな!って、思うのだけど。





やっぱり、アタシは〈変〉になっちゃったんだ。





アタシ、お父さんが帰らなかったり、遅い時、アタシ……





頭では、嫌で嫌でたまらないのに……!





お父さんが、帰る頃には、パンツが濡れちゃうの……





おかしいよ!





だけど、やっぱりアタシ、好き、なのかな…お父さんが言うように、お父さんにエッチなことされるの。





それにね。





お父さんに抱かれながら、思うの。





ママがいなくなったら、どうだろう…ってね。





この頃のアタシ、頭が〈変〉なんだ。





ママがいなければ、お父さんは、アタシだけを愛してくれるかな。





……なんて、おかしいの。





アタシは、秋月先生を好きなはずなのに…





『クラスの男子』





アタシ、変だ。





夜中、お父さんがママのこと抱いてる時、爪を噛んで待ってる。





空いた片方の指で、おま〇こをいじるの。





パンツの中はビショビショで、その後、お父さんにそれを指摘されていじめられても、もっといじめて!って思っちゃう……





……お父さんが、ママを抱く時、本当に辛い…!





       ●◎●





そんな時だった。アタシは休み時間、教室で声をかけられた。





「青井!お前、最近どうかしてないか?…」





話しかけてきたのは、近くの席の椎野タケルだ。前はよく、空いた時間に他の子と一緒にドッジボールとか、やってた。





「何?〈しーたけ〉。アタシ、どーもしないわよ、ばか」





〈しいのたける〉だから〈しーたけ〉。アタシが命名してやったの。中々でしょ。ただし、本人は気に入らないみたいだけどね。





「〈しーたけ〉ってゆーな!お前こそあほ!お前、最近全然外出て来ねぇし、それに…」





しーたけが、声をひそめる。





「…お前、秋月とキ…キス…キスしたって、ほんとか!?」





「…!…」





アタシは、びっくりして、気づいたら、しーたけの腕を引っ張って、廊下に出てた。





アタシは言う。





「何よ、それ。噂?」





「…や…その…、俺が勝手にそう思っただけで……だってよ、お前、秋月のとこに入り浸りじゃんか…」





アタシは、胸を撫で下ろす。





…よかった。噂じゃなくて。





だけど。





煙は、立つ前に消しとかないとね。





「ちょっとおいで。〈椎野クン〉」





アタシは、しーたけを、人の来ない社会科準備室に連れ込んだ。





『クラスの男子-2』





「…ンで?それ、だれか他の子にゆったりした?」





社会科準備室のドアのカギをかけながら、アタシは、しーたけをそのドアに押し付けつつ聞いた。





「…ッ…いや…、まだ…。お前を問いつめてっからって思って…」





「ふーん…。ゆっとくけど、アタシと秋月先生は、なんでもないから」





それは本当だ。





先生とアタシは、〈なんでもない関係〉。





今のところは。





だけど。





「ねえ、椎野クン。アタシ達のこと、放っといてくんない?そしたらサ…」





アタシは、しーたけの体に自分の体を密着させながら、顔をめっちゃ近づけて言った。





「…ち、近いよ…ッ!…青井…ッ!」





焦ってる、焦ってる。





「そう?あんた、こーいうの、キライじゃないデショ…?」





しーたけは、近くで見たら、けっこう可愛い顔してる。





アタシは、〈イケナイ感情〉がわいてキちゃった。





アタシは、焦るしーたけの股間に手をやり、半ズボンの布の上から、しーたけのおち〇ぽの辺りをさすってあげたの。





「…なッ!…何すんだよッ!…」





しーたけは、とっさに腰を引いたけど、アタシは構わず、しーたけのおち〇ぽを、布越しにさする手を止めなかった。





そしたらね…





「…ッ青井…ッ…」





しーたけは、腰を引きながらも、顔を赤くして苦しいような、気持ちイイような顔をしたから、アタシは――。





しーたけの腰元までかがんで、股間のジッパーを下げちゃった。





そして、しーたけが何か察知する間も与えず、





一気に、しーたけのトランクスを下ろして、しーたけのしーたけ…もとい。しーたけのおち〇ぽを表に出してあげたの。





「…あッ!青井ッ!…」





しーたけは、自分のおち〇ぽを隠そうとするのだけど…





しーたけのそこは、いっちょまえにピンと立ち、生意気にも、先っぽまで汁をうっすらと滲ませてた…





しーたけのおち〇ぽは、まだ皮を被ってるし、手の指を少し太くしたくらいの大きさしかないんだけど……





なんだか、すんごく〈おいしそう〉で、アタシは、舌なめずりをした。





『クラスの男子-3』





アタシは、『ゴクン…』てのどを鳴らす。





そして、少し匂うしーたけのおち〇ぽに舌を這わせた。





「…ふふ…ちっちゃくて可愛い…」





「…ッ青井…ッ!…」





アタシは、しーたけのおち〇ぽをぎゅっと握り、しーたけの皮をグイッとむいた。





「…ッ!あッ!ばかッ!やめ…ッ!…」





そして、嫌がるしーたけのおち〇ぽをパクッと食べた。





しーたけのそれは、ちっちゃいけれど懸命に〈自己主張〉して、アタシの熱い口の中で跳ねた。





「…しーたけのおち〇ぽ、おいひぃ…」





「…ッ…!青井ッ!…ヤだよッ!…」





しーたけは、そう言いながらも、目尻に涙を滲ませて首をのけぞらせた。





だからアタシは、調子にのってしーたけのおち〇ぽをいっぱ〜い、なめなめしてあげたの。





しーたけの小さなおち〇ぽを下から上へ、そして口いっぱいに含んで、中で舌を動かして刺激して、もっともっとかわいがってあげようとしたのに…





「…ッウッ!…ッあぁ…ッ!…」





切ない顔して、しーたけが絶頂を迎えた。





しーたけの腰が小さく前後して、アタシの頭をガッと掴むと…





…ビュルッ…!





アタシののどの奥に、熱い精液をほとばしらせた!





アタシは、思わず、条件反射で〈ソイツ〉を飲み下した。





…ゴックン。





「…ああ…!…あぁ…ッ!…」





しーたけは、〈ボーゼンジシツ〉な顔をしてたかと思うと、社会科準備室のドアのカギをガチャガチャいわせ、パニクりながら開けた。





そして。





「…あ…青井のばかぁッ!…」





叫びながら廊下へと飛び出して行った。





目には、涙を滲ませて…





「…何よ…。気持ちヨかったんじゃないの…?…」





アタシは、今飲み込んでまだ口に残る、しーたけのザー〇ンを舌でもう一度味わった。





「…うーん…青臭い味!…」





泣いてたしーたけの顔を思い出して、アタシはちょっぴりだけ、胸が痛んだ。





『最後通告』





アタシは、知らなかった。





〈それ〉を知ったのは、だいぶ後のことだったから。





アタシは、ああ…!アタシは!





なんてばかな子どもだったろう!





アタシは、なーんにも知らずに、いつも通りの日常を、愚かにも過ごしていたのよ!





のうのうと!





       ◎●◎





どうして〈それ〉を知ったかですって?





それは、〈あの人〉の態度が変わってしまったから。





サヨウナラ。





アタシの恋。





サヨウナラ、アタシの大好きな…





大好きだった、先生…!





         ◎●◎





先生は、このところ、理科準備室にはいない。





先生は、事務仕事はいつも一人が好きだったのに、ざわついた職員室でその仕事をするようになった。





あからさまに、アタシを避けてるって分かる。





そして。





先生は、アタシを見なくなった。





そりゃ、アタシが悪いのは分かる。





先生に無理させちゃったのも、分かる。





だけど、だけど!





好きなひとに無視されることが、こんなにもツライなんて、初めて知った!





大好きな先生…





せめて理由を知りたい…!





アタシは、みんなの前でも、アタシのことを無視する先生の





一人の時を、ようやく見つけて問いつめたの。





そうしたら。





「…青井。僕は、君みたいな〈餓鬼〉、本当は大嫌いなんだ」





ああ…、アタシが悪いって分かってても、やっぱりツライ!





大好きなひとに、〈最後通告〉をされるのは!…





『ナミダ』





先生は、言う。





「…君は、小悪魔のようだね。…これ以上、僕を惑わさないでくれ」





        ◎●◎





アタシは、泣いた。





涙3粒分だけ。





一人帰り道、先生を思って泣いた。





こんな思いするくらいなら、片想いでいればよかった…!





いや、違う。





最初っから、アタシの一人相撲…





先生は、嫌々ながらアタシにつきあってくれてただけ。





「…ハハ…!おっかしいの!」





だからアタシは、3粒だけ泣いたの。





ポロポロポロ…





それで終わり。





アタシの、初恋。





        ◎●◎





家に帰ると、アタシはランドセルを床に放って、ベッドに突っ伏した。





悲しくなんかないけど、力が出ない……





ちょうどそんな時、〈あの人〉が仕事から帰って来た。





「えみ?どうした…大好きな先生にでもフラれたか」





「ッ!…どうして、それを…ッ?…」





「…ッ…ハハ…!本当か?…そりゃいい!…」





お父さんは、心の底から嬉しそうに笑った。





『真相?』





「…ッ!…どうして!?…お父さんに何が分かるのよ!!」





お父さんの言葉に、アタシは腹が立った。





「知ってるゼ、お前が何でフラれたか。…お前が、エロいからだ!」





「…!…な、何ゆってんのよ!…」





お父さんは、学校での先生とアタシのことなんて知らないハズ…





「先生な、なかなか男前だな。チビどもは、あんな優男に騙されるンだ」





「…ッ会ったこともないくせに、何が分かるってのよ!」





「来たゼ。先生、家にな」





「…ッ!…うそ…ッ!」





お父さんは、アタシの側にいつの間にか来ていて、後ろからアタシの両方のお〇ぱいを服の上から撫でまわしながら言った。





「お前のこと、抱いてる時な、あの〈優男先生〉が来たんだ…」





今度は、お父さんは、アタシのブラウスの下に手を差し入れながら言った。





「…ッ!…何、ゆってんの…?…」





お父さんの手のひらが、アタシの乳首を、触れるか触れないかくらいの弱い力で撫でこする…





「…ッ…ッあ…ッ!…」





アタシの息が乱れ始める。





「…ッあぁ…ッ…」





お父さんは、片方の手をアタシのスカートの中、太ももを撫でながらアタシの唇を塞ぐ…





お父さんの指先がパンツの前、ワレメの辺りを、やっぱり弱い力でさすり出す…





「…ッ…ンン…ッ!…」





アタシは、身をよじって逃げようとするのだけど、お〇ぱいとおま〇こをぎゅっと握られて動けない…!





「…先生な、お前が俺に抱かれてンの見ても、平然としてたぜ…」





「…うそ…」





お父さんの言葉が信じられなかった。いつ、先生が家に来たっていうんだろ…





茫然とするアタシにお構いなく、お父さんはアタシをベッドに仰向けに寝かせ、膝を立てさせると、





パンツの布の上から、『ジュッジュ』と音させて、おま〇こを吸った……





アタシは、背をのけ反らせ、涙がこぼれ落ちるのを感じた。





そうだったんだ…





半信半疑だったけど、アタシは、お父さんの言ってることが本当な気がしてきた。





先生は、アタシのこんないやらしいとこ…アタシが他のオトコ…しかも、父親にこんなことされてンの見ても、平気だったンだ……





…どうりで……





アタシは、先生の態度が一変した理由を理解した。





だけど…





「…先生、助けてくれなかった…」





お父さんは、お父さんの唾とアタシの汁でビショビショになったパンツを脱がすと





アタシのヌルヌルおま〇この表面をいやらしい手つきで撫でた。





そして、ヌルリ…と指を入れ、それから激しく指を出し入れした!





「…ッいやぁ…ッ!」





イヤだって言ってるのに…本当に、イヤなのに、





お父さんは、やめてくれた試しがない。





『家庭訪問』





…ジュップ!ジュップ!ジュップ!……





お父さんのいやらしい指が、容赦なくおま〇この中を出たり入ったりする!





「…ッ!ァアンッ…」





スゴい水音!





ジュプ…!…ジュプ…!





「…へ…いやらしいな、えみ。汁をこ〜ンなに溢れさせて!…」





「…ッイやァァ…ッ!…」





それは本当だ。





アタシは、『イヤ』だって思ってるのに、どうしても腰が動いちゃうし、





エッチな汁が、おもらししたみたいに次から次へと溢れてきちゃうの……





たくさん、アタシが濡れたのを見て、お父さんは、アタシの膝を抱えると…





お父さんのおっきなおち〇こを、ズプリ…と入れた。





それからは、激しい注挿が始まった。





「…ッああッ!…ンッ!ンッ!ッンッ!…」





それと同時に、お父さんのおち〇ことアタシのおま〇この中がこすれる音がスゴいの!





…にゅぷんッ!にゅぷんッ!にゅぷんッ!……





「…ッあ…ンッ!ンッ!…」





アタシは、たくさん涙を流して頭を振る。





「へ!…えみ…言ってることとカラダは、別もんなんだな…」





「…ッそ!…そんな…ッ!…」





「…教えてやろうか…〈えみの大好きな先生〉が、いつ来たか…」





「…え!?…ッンあぁンッ!…」





「先週の夕方、お前のこと、目隠しして抱いたこと、あったろう?」





それは覚えてる。





いつも目隠しなんかしないのに、その上、耳栓までさせられたっけ…





「…ッ覚えてる…」





アタシはリビングで、いつもと違う刺激に、スゴく感じちゃって…





「あん時な、俺が先生を呼び出したんだ」





「…ッぇえッ!?…」





お父さんは、今度はアタシのカラダをくるりとうつ伏せにすると





四つん這いのアタシの後ろから、全く休みなく突き続けたの。





「…ッはァン…ッ!」





…ズパンッ!ズパンッ!ズパンッ!…





お父さんの言葉と一緒に、おっきなお父さんのおち〇こが、アタシを追い詰める!





「…ッイヤぁッ!…」





ウウ…ッ!…イヤだ。





こんな、こんな〈イヤなアタシ〉を他人に、しかも、大好きなひとに見られちゃったなんて!





この世の終わりだ!





おまけに!





先生は、アタシのこんな姿を見ても、平然としてたって!





信じらんないッ!





『家庭訪問-2』





あの日…





先生が家に来たって言う日、その日は、お父さんの帰りの方が早くて。





アタシは、お風呂にも入る前にお父さんのおち〇こを舐めさせられて、その上、ヒモで縛りあげられた。





アタシは、全裸で両腕は後ろに、両足は、曲げた状態で、大きく開かされて固定された。





恥ずかしい部分が丸見えの状態。





アタシのおま〇こが濡れてスースーする!





さっき、お父さんのをしゃぶって感じちゃったからだ…





そんなアタシに、目隠しをしながらお父さんが耳元で囁く。





「スッゲ、いやらしい格好だな。…そうだ。どエロなえみ。こんなのはどうだい?見えなくなると、よけい感じるらしいぜ…」





〈いつもより感じる〉…そんなコトバ一つで、アタシは、OKした。





アタシは、ああ…。ほんとに、快楽だけを追い求める〈ばかな女の子〉に成り下がったの…





もっと…





もっと……





もっと…!





気持ち良くして!…





お父さんが、背後からアタシを抱えて抱く。





縛られて自由を奪われ、更に視界まで奪われたアタシは、





触覚だけが鋭敏になっちゃって…





お父さんは、いつもと同じ触り方なのに、





スゴい、感じちゃうの!…





お父さんの大きなので、下から突き上げられる。お父さんが、アタシの耳に舌を差し入れ、荒い息でグチュグチュ…と中を舐めまわす…





そして。





「…エロいな、えみ…いつもより、スッゲ…色っぽいゼ…」





アタシがお父さんの声を聞いたのは、それが最後。





その後は、濡れた耳穴に、なぜか耳栓をされたから。





でも、アタシは、それを不審に思わなかった。





お父さんがアタシを抱く時、いろんなことをしてきたから…





お父さんは、おま〇この次は、お尻にズブズブ入れてきた!





『家庭訪問-3』





アタシの耳が、耳栓で塞がれて、何となく話し声がしてるのはわかったんだけど。





リビングのテレビがついてたし、まさかよもや、それが先生とお父さんのものだったなんて、思いもしなかった!全ッ然!





        ◎●◎





その日、秋月先生は『相談があります…』って言う、お父さんの呼び出しにノコノコとやって来たんだって。





ここからは、お父さんの話し。





玄関を開けた途端、リビングでお父さんに抱かれてるアタシの姿が先生の目に飛び込んで来る。だけど、先生は、全くうろたえたりしないの。





何でかって言うとね。





「『えみは、とても悪い娘で、父親でも手を焼いてます』…って言ってやったんだ!」





お父さんが、得意そうに告白った。





「…ッ!そんなッ!…」





アタシは、絶句した。





そんなコトバ一つで、先生はお父さんの言ってることを真に受けたのか、それとも、アタシのエッチな要求に、よっぽどへき易してたからか、ともかく〈冷めてた〉の…先生は。





縛り上げられ、目隠しに耳栓、のアタシのお尻にズポズポ入れながら、





先生が来る頃合いをみて、お父さんは先生にコーヒーまで準備してて、先生はそれを勧められて、黙ってそれを飲んでたって!





平気な顔で!…





アタシは、お尻にお父さんのを突っ込まれて、大きく開かされたおま〇こからは、その前にお父さんに中出しされた〇ーメンが、だらしなく溢れ、垂れ流れてて……!





それでも、先生のアソコは、何の変化も見せないって……





先生は、そんなにも〈聖職者〉だっての!?…





……………アタシは、嘘だかホントだかも分かんないお父さんの話しに、リアルにショックを受けた。





それは、そんな異常なシーンに平然としてた、〈先生の異常さ〉にと言うよりも





〈アタシは、先生を感じさせられなかっった〉――そのことの方がショックだった………





『家庭訪問-4』





「…ッ父さんッ!…ン…あぁッ!…」





アタシは、お父さんの話しを聞きながら、首を振り、腰を揺らした。





そんなアタシにお父さんが言う。





「何だ、えみ。感じたか?こーんな姿を、大好きな先生に見られたかと思うと、よけいに感じるだろう…」





「…ッ!そんな…こと…ッ!…」





後ろからズンズン突き入れてくるお父さんの手に力が入り、それと同時に、お父さんのも深くアタシの中をえぐった。





「…ぁあンッ!…そこォッ!…」





「…どうだ…感じるだろう。お前は本当に淫乱娘だからなッ!」





『…ち…ちがうもんッ!』って、言いたかったのに。





アタシは、ただ、首と腰を振り続けた。





いやらしい汁をたくさん滴らせながら…





「…ぁあン!…イやぁ!…」





悔しいけど、お父さんが言ってることは、本当だと思った。





見られちゃった、アタシ。





先生がこんなアタシのことを見た。今はそのことだけがアタシの頭を支配して、





アタシは、今までになく、濡れた。





先生がお父さんからアタシを救ってくれなかったとか、先生のアソコが何にも反応しなかっただとか





そんなことはもう、どうでも良くって。





アタシは、ただただ感じまくる一匹の〈ケダモノ〉と化したの…





「…ッ父さんッ!…ンあぁッ!お父さんッ!……」





『家庭訪問-5』





こんなアタシだけど、アタシにも女の子らしい〈夢〉があった。





それは――お嫁さんになること――。





秋月先生みたいに優しくて、素敵な旦那さまの奥さんになって、かわいいベビーちゃんと温か〜い家庭を築くの…





だけど。





「…ッぁあッッ!…」





また、中にいっぱい射精された…!





いつまでも、父親とこんなコトしてる場合じゃないッ!





アタシは、お父さんに抱かれる毎日を送りながら、密かに決めていることがあった。





それは、





〈初潮が来たら、中出しをやめてもらうこと〉、ううん。





この、〈腐れた関係〉をこそ断ち切りたい!





『シュラ』





私は、悪い子だ。





ママの旦那さまと寝てるってだけでも十分イケナイ子なのに。その上――





ママがいなくなればいいって、思ってる!





……けっして、お父さんのことを愛してるって訳じゃないのに、アタシ…





〈お父さんの赤ちゃん〉ができたらどうだろう… なんて考えるの。





そう、アタシは子ども。





子どもが子どもを産むなんて、けして、あってはいけないこと、許されることじゃない。





ママ…!ああ、ママ…!





アタシね、どうにかなってしまったの。





ママ!…ああ、ママ、アタシの大好きな、ママ!…





女手一つでアタシをここまで育ててくれた、優しいママ!





アタシ、アタシ……





毎日お父さんに抱かれてるうちに、頭がおかしくなっちゃったの。





『シュラ-2』





アタシの心、ウラハラ。





お父さんとの関係をやめたいって気持ちと、ママやアタシ、そして、お父さんとも普通の家族になれたら…なんて、都合の良いことも考えてる。





…まぁ、それは、無理な話しね。





わかってるんだ。本能でね。





だけど、願うのは自由なはず。





幸せになれたら…って。





アタシの願いは、それだけなんだ。





         ◎●◎





そんなアタシの思いとは逆に、アタシとママの中は今、最悪。





わかってる。





悪いのはアタシ。





ママの問いかけに答えず、無視しちゃったり、反抗的な態度に出てしまうのは、何でだろう。





アタシは、お父さんのことなんか大ッ嫌いなはずなのに!





ジェラシー?





イヤッ!絶対そんなのあり得ない!





でも、ママは、もう、『どうしちゃったのかしらねぇ…えみは…』とは言わなくなった。





ママは、何か感ずいているのかも知れない…





アタシがママに反抗した時、ママは黙るようになった。





そんなママが、アタシには怖い…





『シュラ-3』





アタシが学校から帰ってしばらくすると、お仕事で泥だらけになったお父さんが帰って来る。





その汗と汚れを落とす為に、お父さんはすぐにお風呂に入る。





もちろん、アタシも一緒だ。





お風呂を洗って、お湯をためるのはアタシの仕事。





浴槽を洗おうと、洗剤をつけた大きなスポンジで前屈みになった所で、アタシは、お父さんに後ろから抱きつかれる。





これも、いつものこと。





「あ、お父さんッ!汚れるッ!ヤだ!離して!」





毎日ばかみたいにおんなじことやってくるんだから、アタシも慣れてしまえばいいのに、一応抵抗してみるんだ。





無駄だけどね。





「えみ〜、働いてくたくたなお父さんに『お帰り〜』ぐらい言えないのか?」





「フン。お帰り」





「なんだよ、『フン』てな。可愛くねぇの!」





……とかなんとか言いながら、お父さんはアタシのおっぱいを服の下から手を入れて直に揉んでくるの。





ちなみに言えば、お父さんは全然〈くたくた〉なんかじゃない。





これは、ほんのお遊びで、夜はイヤんなるくらい、長いのだ。





         ◎●◎





結局、そのまま服を脱がされ、体の洗いっこをさせられて、湯船の中でもアタシは、体を触られまくるってわけ。





当然、お父さんを洗ってあげながら、〇ェラもさせられる。





慣れって怖い。





アタシは、お父さんのおち〇ぽを平気で舐められる人種に成り下がったの。





『シュラ-4』





お風呂からあがって、ごはんの前にリビングのソファで、一回挿入…





の前に、アタシは、ソファであお向けに寝そべるお父さんの顔の上に、むき出しのおま〇こで跨がる。





上半身にはパジャマを着てたけど、下のズボンとパンティは、最初っから履いてないの。





クチュ…クチュ……





いやらしい音立てて、お父さんがアタシのおま〇こに舌を差し入れる。





「…ッ!…はァンッ!…」





お父さんの舌が、アタシの小さなおま〇この全体を舐め、そして、どんどん溢れてくるいやらしい汁を『ジュブジュブ』いわせてすするの!





「…ッぁあンッ!…」





アタシはもう、息も絶え絶えになって、お父さんの顔の上で腰を振りまくるの。





「…ッあぁンッ!…あぁッ!あッ…ンッ!…」





そんなアタシのおま〇このひだを指で広げながら、お父さんが言う。





「えみ〜、そ〜んなに気持ちイイか?」





お父さんは、今度は指を深く入れ、出したり入れたりしながら言った。





「…ぁあンッ!…ッとうさんの、いじわるッ!…」





アタシの腰の動きが加速する!





「…はァンッ!…ッとうさんッ!…」





アタシは、気持ち良くって、感じすぎて、泣きながらお父さんに訴える…





溢れるたくさんの汁!





それを『グチャグチャ』いわせてかき混ぜるお父さん!





お父さんの息もだんだん荒くなってきて、興奮してるんだって分かる。





それを見て、アタシの方もよけい感じちゃうの…





もう、何がどうなったっていいッ!…





アタシが、そう思った瞬間だった。





玄関のドアが勢いよく開け放たれたの!





そこに立っていたのは、鬼のような形相の





ママだった……!!





『シュラ-5』





ママがアタシを見る!





まるで、汚いものでも見るみたいに!





そして、そして…





ママは何も言わないのに、怒ってるって分かった。すごく!





ママは、怒りをすごい溜めてる。





その顔は真っ赤になり、全身は、ブルブル震えてる!





アタシは、恐ろしくなって、お父さんの顔の上から下りようとして、『バタンッ!』て、音立てて落ちた。





青ざめて後ろに下がる、アタシ。





異常を察して、玄関を振り返る、お父さん…





お父さんの顔は見えないし、声もないのだけど、すごく焦ってるのは分かる。





お父さんも、うろたえて、固まってる…





「…よくも…!」





ママが、震えながら言う。





「…よくも…こんなことができたわね…ッ!!」





怒りに支配されたママが向かった先は、





アタシの方だった!





…パンッ!!





ママが思いっきりアタシの頬を張り倒した!





「…この…この…!恥知らずッ!」





「……!…」





アタシは、アタシは……





頬の痛みよりも、ママに知られたショックで、





頭が真っ白になった。





そんな時に、お父さんが、





「詠子!!…ごめんッ!…俺が、俺が悪いんだッ!…」





お父さんがママに平謝りで、謝った。





だけど、ママの怒りは収まらない。





無言のまま、ママはキッチンにズカズカと行き…





戻ってきた時は、ママの手には包丁が握られてたの…!





包丁を握る、ママの両手が震えてる。





真っ赤な顔でママが向かった先は…





アタシの方だった!





「殺してやるッ!…」





「……!……」





アタシは、『ママ、やめてッ!』も、『ママ、ごめんなさい!!』も言えずに、ただ茫然とするしかできなかった。





だから、包丁を持ってアタシに突進してくるママと、





両手を広げて、アタシの前に立ち塞がろうと動いたお父さんが、





まるで、スローモーションのように見えるのを、ただただ…





見ていたの。





そして…





『…ッドスッ!!…』





肉に突き刺さる鈍い音を、そして〈その光景〉を、アタシはどこか、遠い国の出来事をテレビか映画でも見てるみたいに





ただ茫然と、見ていた。





……ドサッ。





アタシの前に立ち塞がったお父さんが、お腹を押さえてその場に倒れ込んだ。





『シュラ-6』





空気が止まった。





アタシと、ママと、そしてカーペットの上で倒れてるお父さん。





その三人しかいない部屋で、アタシ達は動けなくて固まった。





お父さんは、何かうめいてるらしかったし、お腹を押さえて痛みに耐えている。





ママは、ガクンと膝を落として、アタシと同じに茫然としてるの。





お父さんの体の下のカーペットの赤いシミが、みるみる広がっていく…





いけない!





このままじゃ、お父さんが死んじゃうッ!…





アタシは、意識はどこかよそにいってるのだけど、不思議なくらい冷静に、ケータイで救急車を呼んだの。





          ◎●◎





それから後のことは、あんまり覚えてない。





サイレンがけたたましく鳴って、ヘルメットを被った救急隊員の人や、警察の人が土足で入ってきて、大きな声で何か言ってるのは分かったんだけど、アタシは誰に何を聞かれても、何も答えることができなかった……と思う。





だって、ほとんど覚えてない。





だから、アタシは確かパンティもズボンも履いてなかったはずなのに、気づいたら、いつの間にか(たぶん誰か女の人?に)履かせてもらってたもの。





アタシは、見たことのない部屋のベッドの上で目覚めた。





ここはどこで、ママとお父さんはどうなったろう……?





意識を取り戻したアタシに気づいて、看護師さんがお医者さんを呼んできて……





お医者さんが、何かを聞いてきたけど、アタシはやっぱり答えられなかった。





お医者さんの顔も、うすらぼんやりとしか覚えてないし、アタシは一点をボーッと眺めてた…





そしたら腕に何かチクリ、と痛みを感じて、それから後は、アタシは闇の中に落ちてった………





アタシは、あんまり回らない頭で、





『このまま目覚めなければいいのに』って思ったけど、





アタシは目覚めた。





今度は、はっきり〈現実〉ってことが分かったの。





『シュラ-7』





アタシは、目が覚めて天井を眺めながら、眠る前のことが全部〈夢〉ならどんなにいいかって思ったけど、もちろん絶対そんなことはなくて。





記憶喪失か、はたまたキチガイにでもなって、すべて忘れてしまえたらよかったのに、残念ながら、アタシの頭はしっかりしてたし、





〈あの光景〉が、脳裏に焼きついてて、





忘れてしまう…なんてことは





なかった。絶対に。





〈あれ〉は、嘘でも夢でもない。





お父さんがアタシを毎日抱き続けたこと。





ママが、





お父さんを、包丁で刺したこと。





         ◎●◎





そういえば、ママはどうしたろう?





お父さんは…?





アタシの点滴を取り替えたり、様子を見にきた看護師さん達に聞いてみたけど、誰もアタシの問いに答えてくれる人はいなかった。





だから、アタシは思った。





看護師さん達がよそよそしいのは、『アタシがお父さんとデキてて、それに嫉妬した母親が、旦那さんを刺しちゃった』って知ってるからだって。





そして、思ってるんだわ。





アタシが〈恐ろしい子〉って。





『喪』





アタシは、知った。





別れって突然やってくるって。





そして、終わりも。





〈あの人〉が死んだ。





腕の点滴が取れて、自由に動けるようになったアタシがトイレに行ったら聞こえてきたの。





ナースセンターの近くのトイレ。





看護師さん達が話してる〈あの子〉が、アタシだってすぐ分かった。





アタシは、心の準備を何にもしないで〈それ〉を聞いたけど、特に何も思わなかった。





その時思ったのは、『これで解放される』っていうことだったと思う。





アタシ、〈あの人〉にもう抱かれないで済むんだわ…!





それは〈喜び〉には違いなかったのに、アタシは、どこかで何かがしっくりこなかった。





ナンダロウ…?





アタシは、自分の病室に戻ってベッドにうつ伏せに倒れ込んで、もう一度考えたけど、やっぱり分からなかった。





アタシ、アノヒトニモウ、ダカレナクテイイノヨ!





嬉しいはずなのに…





アタシ、オトウサンニモウ、ダカレナイ。





イヤでイヤでたまらなかったのよ!?





アタシ、どうして素直に喜べないんだろう…………?





『引き取り手』





それからのアタシは、何も考えないで過ごした。





一日中暇で、病院にあった雑誌類はほとんど読んだけど、見舞いになんか誰も来なくて。





アタシの日頃の交遊関係が、こういう時に分かるんだわ…なんて思っただけ。





アタシの元気が回復して、アタシ、何でここにいるのかな?って思い始めた頃、〈その人〉は現れた。





一人は女の人で、福祉課の人。歳は…60代位かな…?





もう一人は、若い男の人。





女の人は言った。





「こんにちは。青井えみちゃんね?今回は、大変なことだったわね…。体は、大丈夫?…こちらはね、あなたのお父さんだった人の弟さんよ…」





…て、紹介された人は、無愛想な男だった。





「………」





アタシのことを、ポケットに手を突っ込んだまま一瞥すると、窓の外を眺めだした。





失礼な奴!





さすが、あのお父さんの弟だわ…なんて、思うアタシをよそに、福祉課の人は続けた。





「あなた、お母さんには、親戚も頼る人もないのね…。お母さんも、今は手がつけられないし…。だからね、唯一この人が見つかってね、あなたを引き取ってもいいって言って下さったのよ!」





福祉課の人は、さも嬉しそうにそう言ったけど、アタシには、ちっともピンとこなかった。





「…あいにく…ご両親はいらっしゃらないのだけど、この、伊藤さんがあなたの面倒をみて下さるそうよ!えみちゃん、良かったわねぇ…」





…て、言われてもねぇ…。





アタシが困惑してると、女の人―坂瀬さん―は、





「あらあら、急に初対面なのに、困っちゃうわよね。私は、席を外すから、少しお話しでもしたら…?」





坂瀬さんは、勝手にそう提案すると、さっさと廊下へ行ってしまった。





無言の〈伊藤さん〉。





でも、これだけは言っとこう。





「よけいなおせっかいなんて、迷惑だわ!」





「………」





アタシが憤慨しながらそう言ったのに、お父さんの弟だって人は、何も言わない。





聞こえなかったのかと思って、アタシはもう一度、今度はもっと大きな声で言った。





「あのねぇ、アタシなんか放っといてって言ってんの!」





それには、さすがにこの人も返事を返した。





「お前、生意気」





けど、それだけ。たった一言だった。





『一つ屋根の下』





「お前のママがどうしてるか、気にならないのか?」





と、〈イトウテツジ〉が言った。





漢字で書けば、〈伊藤哲司〉―だそうだ。





アタシは、〈病院〉という名の、ちょータイクツな監獄を脱出(退院ともいう?)して、この〈イトウテツジサン〉の家、ていうかアパートに着いてホッと?したとこ。





今時珍しい、二階建てボロアパート。





親の代わりに面倒みてもらうわけだから、文句は言えないけど。





「わっ、スッゴい部屋!」





思わず言っちゃうわね。いくらアパートが古くたって、中身がきれいなら我慢もできるけど、これは……





「イヤなら出てってくれてもいいんだぜ」





この、お父さんの弟だって人は、お父さんとは全然タイプが違う。そりゃ、兄弟ったって、違っても当たり前だけど、ま、違ってて助かる面もあるわね。





アタシは思い出したくもないもの。





あの人のコピーなんかだったら、実際、いただけない。





でもアタシ、血も繋がらない、しかも男の人と一つ屋根の下って、どーなのッ!?って感じね。





行政も結構いい加減なんだ。





早いとこ〈ヤッカイバライ〉したかったってのが、バレバレね。





福祉課のオバチャンも、にこやかにしてたけど、正直アタシのことなんか、どーでもいい感じ。





ママは、何も言わなかったのかしら?





ママが本当にコロシたかったのは、娘の方だったって。





それもこれも、アタシがお父さんと〈ネンゴロ〉になったせいだって!





……義父(実際は籍には入ってないけど)と、そーゆーことになった子を、その義父の弟となんか、普通一緒には住まわせないとアタシは思うんだけど。





「聞きたくもないわ」





さっきのこの人の質問に答える。





そしたら、





「つめてー女だな」





って、〈テツジ〉は言った。





独身男の、〈超散らかった〉〈男臭い部屋〉で、





こんなヤツと上手くやれる気がまったくしなかった。





『生活』





伊藤哲司は、ことごとく、その兄とは違ってた。





アタシとお父さんのことを、どこまで知ってるのか、知らないのか、まったく分からないけど。





アタシは、どーやらあんまし歓迎されてない感じ。





…でも、本当に嫌なら、アタシみたいなガキんちょ、どんなに困ってても、自宅で面倒みようなんて思わないはずよね…





案外、いい人かもしれない。





愛想は、おそろしく悪いけど。





         *・*・*





アタシは気が進まなかったけど、この人のやっかいになることにしたの。





なんたって、アタシは非力なコドモだものね。





         *・*・*





ところで。





病院から帰った時は、コンビニのお弁当を買って帰った。





それはいいとして。





この男、ほんとーになんにもしたがらない男だった。





口癖は『めんどくせー』。





どーりで部屋は汚いし、洗濯物は溜めてるし、料理なんか、やるはずもなかった。





そんな、〈めんどくせー男〉が、なんの気まぐれか、アタシを引き取ってくれた。





屋根があって、壁があって、





トイレもある。





ぜーたく言えないや。





アタシは、性格にも、生活にも問題有りな、コイツ――テツジ――と、どうにかやるしかないかぁ…って、心の中で大きなため息をつきながら思った。





『しょうが焼き』





アタシの毎日の習慣が変わった。





アタシは、学校から帰ると、お風呂のお湯をためる。それをしながら、炊飯器のスイッチを入れる……と、ここまでは一緒だけど、ここからが今までと違う。





部屋の片付け、掃除が加わった。





……とは言え、大変だったのは、始めの一週間で、ニ週間経った今では、どうにか人の住める場所になった。





最初はひどかった〜!





臭いもひどかった!





汚れ物も、あんまりひどいのは、全部捨てた。





テツジも何も言わなかった。





あ、アタシ、この人のこと、こー呼んでるの。





テツジも、別にどうだっていいみたいだし。





アタシ達はどーにか、うまくやってる。





まぁ、はっきり言えばテツジは、アタシにあんまり、ていうか、全然興味がないらしい。





アタシが何をしようが、すまいが、関係ないらしい。





だってね、試しにアタシが何にもしないで、ゴロ寝でテレビ見てたけど、キッチンに晩ごはんのしたくとかないのを確認すると、





黙って出かけちゃった。





しばらくして戻って来ると、その手には〈〇か弁〉の袋。





中には、お弁当が二つ!





アタシが思わず、





「ありがとう!」





って言ったら、





「何言ってんだ?こりゃ、俺んだ」





なんて言う。





アタシが、『えっ』て固まってる間にも、テツジは、歯で割りばしの片方を噛みながら、〈〇か弁〉の袋をガサガサやり、ふたを開ける。





とたんに漂う醤油の香り!……





その時、アタシのお腹が、『くぅ…』と鳴いた。





アタシは、『あッ!』てお腹を押さえたら、テツジが『ホラよ』って、もう一つのお弁当を差し出した。





「何よ!最初っから、買ってきてくれたんじゃない」





て、言ってやったら、





「犬にも、メシやらねーとな」





て、返された。





クー!!





ヤな奴!!





アタシのこと、犬と思ってるワケ!?





アタシが、反論しようとしたら、奴は、開けたしょうが焼き弁当を、口にくわえた割りばしをパキッて割って、ガツガツ食べ始めたから





アタシも黙って、お弁当のふたを開けて、『いただきまーす』って、食べちゃった。





だって、テツジがあんまり美味しそうに、肉にかぶりついてたんだもん。





アタシのお腹が、また鳴りそうだったのよ。





食べ終わったあとで、テツジは、言った。





「弁当1500円な」





て、言うから、





「はァ!?」





て、言ったら、





「嘘だ。ジョーダン」





て、言った。





アタシは、笑うよりも、ポカンてしてしまって。





そんなアタシの顔見て、テツジが今度は、テレビの方見てゴロン、て横になっちゃった。アタシに背を向けて…





この人、冗談も言うんだ…





じゃあ、さっきのもジョーダンだったのね…





『〈犬〉とは何よ!犬とは!』…くらい、返せば良かったな…と、熱々のしょうが焼きを(アタシも同じものだった)パクつきながら思った。





アタシが仕事しなくても、何も言わない。





『具合悪いのか?』とも聞かないけど、こうしてアタシの分のお弁当も買ってきて、しかも〈冗談?〉まで言ったりして…





(馬鹿な奴!)





アタシは、心の中で思った。





食べながら、涙が出そうだった…





『面会』





あれから一月が過ぎた。





アタシを刺そうとしたママが、アタシじゃなく、

全身でアタシのことをかばったお父さんを間違ってコロシちゃったあの日から。





事件直後、錯乱したママが、どうやら、落ち着いたらしいっていうんで、警察や福祉課の人なんかで判断して『会ってもいい』てことになったんだけど…





アタシは、本当に気が進まなかった。





時間がどれくらい経ったとしても、アタシの罪は消えない。





もちろん、ママがアタシに刃を向けた事実も消えないわけで。





アタシは、迎えに来た坂瀬さんに『行きたくない!どうしても会いたくないの!』って、訴えたけど、





「あなたのお母さんが、あなたにどう〜しても、会いたいって言ってるのよ」





て、聞き入れてくれない。





アタシは、鉛みたいに重たい心と体で、坂瀬さんに引きずられるみたいにして、連れて行かれたの。





精神錯乱状態だったママは、しばらく刑務所の病院施設にいたらしい。





でも今は、病院のお薬が効いて、落ちついてるそう。





そして、アタシに会いたがってるんだって!





アタシは、心底会いたくない!って思ってるのに!





ママが入ってる刑務所に向かう車の中で、アタシは体が震えて震えて仕方なかった。





アタシ……





アタシ……!





ママに会うことがあったら謝りたい…そう思ってたけど、





まだ早いよう!…





あともう少し、あと何年か経ったなら、アタシはママに謝れそうな気がしたけれど。





今会うのは、すごく、すごく怖かった。





そんなアタシの思いとは裏腹に、車はすぐに着いてしまった。





坂瀬さんは言う。





「えみちゃん、5分だから、それなら良いでしょう?」





坂瀬さんは、ニッコリ感じのいい笑顔でアタシにそう言った。





『面会-2』





アタシと坂瀬さんは、透明のアクリル板で仕切られた、テレビのドラマでよく見るような面会室に通されたの。





二つの世界を区切るアクリル板の手前には、冷たいパイプ椅子が置かれてあった。





せまい部屋の隅には、監視の女の人がいて、ノートに何か書いてる。





面会室は、その人が身につけてる無機質で無表情なグレー一色で…





アタシは、今から会うママに、何を言えばいいのか、さっぱり分からないまま〈その時〉がきてしまった。





〈向こう側〉の重たい扉が開かれ、うつむいて無表情なママが現れた。





髪は後ろで一つに結ばれて、こめかみ辺りのほつれ毛が、ママをよけいに疲れた人に見せてた。





だけど、刑務所の職員の人達と同じように地味な制服を着てるはずなのに、ママのグラマラスな体は、そんなのお構い無しに、自己主張してた。





やつれてはいたけど、ママの色気はちっとも色褪せてなんかなかった。





(ママだッ!)





アタシは、とたんに背中が冷たくなった。





うつむいて、無表情だったママの目に光が宿る。





そして、ママがアタシを見た!





〈燃え盛る炎〉!





アタシを見つけたママの目に、いっぺんに命が宿る!





それは、〈怒り〉!





「えみ!…よくも…よくも、私のたくやを奪ったわねッ!…よくも、私の前に顔を出せたものねッ!…たくやを……たくやを返せッ!…たくやを返してよッ!…」





あちら側の女性刑務官と職員の人が、慌てて、ママを取り押さえる!





ママは、手錠を掛けられたそのままの状態で、アタシに向かって向こう側に用意してあったパイプ椅子をアタシに向かって投げつけたの!…





バンッッ!!





ガシャンッ!…





パイプ椅子は、アクリル板に当たって、床に落ちた。





「やめなさいッ!青井さんッ!…青井さんッ!落ち着いて…ッ!…」





数名の人が、ママを囲んでアタシからは見えなくなった。すぐにママは、ドアの向こうに連れて行かれた…





だけど、ママの罵声だけが聞こえてくる。





「たくやを…返してよッ!…アンタが…アンタが死ねば良かったのにッ!!!…」





「青井さん!ダメよ!娘さんがかわいそうじゃない!…せっかく、あなたに会いに来てくれたのよ!」





「あんな娘知らないッ!…アイツは…アイツは、私のたくやを寝とったのよッ!」





『面会-3』





アタシはハッとして、パイプ椅子から立ち上がり、言ってやった。





「ママが…ママがいけないんじゃないッ!…ママが…アタシとアイツを二人っきりにしたんでしょうッ!?アンタが悪いのよッ!!…こんの…クソババァッ!!…」





アタシは、ハァハァ息を切らしながら叫んだ。





ママに…ママに、こんな口きいたの初めてだ…





…ていっても、向こうに連れて行かれたママにの耳には届かなかったと思うけど。





それにアタシ…ママに謝るつもりじゃなかったの…?!…





肩で息するアタシの背中を、坂瀬さんが抱きしめてくれた。





…温かい…





アタシは、この人のこと、あんまり好きじゃなかったけど、この人の体温はありがたかった…





「…フゥー…フゥー…ママのばか…ッ!

!…」





「えみちゃん、ごめんなさい…あなたのお母さんね、本当にあなたに会いたがってたのよ…おかしいわね…。ごめんなさいね…」





坂瀬さんは、何度も謝って少し、涙ぐんでるみたいだった。





馬鹿みたい!アタシみたいな子のために涙を見せるなんて…





坂瀬さんは、帰りのタクシーの中でもやっぱりアタシの肩を抱きながら、アタシに謝り続けたの。





「坂瀬さん…もういいですから…」





て、言ったけど、それでもまだこの人はアタシに謝り続けた。





「えみちゃん、伊藤さんとはうまくやれてる?困ったことがあったら、いつでも私に連絡してね…」





そう言って彼女は、電話が書かれた名刺をくれた。





「…はい、ありがとうございます…」





アタシは、そう言ってペコリと頭を下げた。





坂瀬さんを乗せたタクシーが行ってしまった。





アタシは、テツジのアパートの階段を昇りながら、坂瀬さんの言葉を思い出していた。





坂瀬さんが車の中で言ったのは、





『えみちゃん、お母さんを許してあげてね…。時が来たら、きっと元の親子に戻れるから…』





今のアタシには、とても考えられないことだったけど。





坂瀬さんは、こうも言ってた。





『えみちゃんにとって、お母さんがただひとりの家族なのよ…』





坂瀬さんの言う通りだ。





ママとアタシは、確かに、絶対に、この世で二人きりの家族…。





だけど。





アタシの耳にこだまする、ママの言葉が消えない。





『アンタが死ねば良かったのにッ!』





……アタシは、テツジのアパートの部屋で、布団にくるまって他のことを考えようとしたけど、忘れようとするほどに、何度も何度も、





さっきのあの、恐ろしい形相のママの表情とともに、アタシの頭から離れてはくれなかった……





『再び、しょうが焼き』





テツジが帰ってきた。





今のところ、何の仕事をしてるのか分かんないけど、とりあえずテツジは、夕方には帰宅する。





そして、アタシが布団の中と見るや、また出かけて行った。





再び帰ってきた時には、やっぱり〈〇か弁〉をさげていた。





アタシは、少し眠っちゃったらしいけど、テツジが帰ってきた時に目が覚めたの。





寝たふりしたけど。





布団の中で様子をうかがってたのね。





……すると…。





テツジは座卓の方じゃなく、アタシの布団の側で〇か弁を開けて食べ始めたの!





あぐらかいて、畳に直接お弁当の蓋やら、割りばしの袋なんかを直に置いて、何の躊躇もなく、アタシの方をまっすぐ向いてガツガツ食べてんの〜!





とたんに匂う、醤油とお肉のい〜い匂い!





アタシのお腹が、思いっきり大きな音立てて鳴いた。





アタシ、布団の中でビクンって、なる。





そしたら。





「ホラよ」





テツジが食べてたのは、前と同じ、しょうが焼き弁当だった。





「…いらない…」





だって、アタシ、母親に『死ねば良かったのにッ!』って、言われた子なのよ!





アタシは、テツジに背を向けた。





「そっか…。なら、俺食うぞ」





テツジがそっけなくそう言うと、〇か弁の外紙をガサガサ開ける音がした。





けど…





プーンと匂う、しょうが焼きの匂い!





『えっ!?』と思って、アタシが布団から跳ね起きると…





テツジが、ふたを開けたしょうが焼き弁当を、アタシの目と鼻の先でふわふわ動かしてるのが目に飛び込んできた。





「…何してんの?」





「…や…。どうせなら、見せびらかして食おうかな〜と……」





テツジが珍しく照れてる…





アタシは、なんだかおかしくなって、テツジの手に載ったお弁当を奪ってやった。





「そんなに食べさせたいんなら、食べてあげる!」





テツジは、





「やっぱ、お前、かわいくねーな」





なんて言いながら、テツジの食べかけのお弁当に箸をつけた。





「イーだッ!どーせ、最初っからかわいくなんてないですよーだ!」





アタシは、畳の上に転がってた割りばしを拾うと、パキって割ってしょうが焼きを口に放り込んだ。





おかしいな……





アタシ、普通にご飯食べてる…





ママの罵声が、

ショックでショックでたまらなかったはずなのに…。





テツジは、何も言わない。





〈ホゴシャ〉として、坂瀬さんから、何か聞いて、知ってるのかもしれない。





だって、いつもなら、アタシの分のお弁当だって食べちゃうはずだもの…





それでも、何か聞いててアタシがショック受けてても、





優しい言葉なんかかけないテツジが、アタシには、嬉しかった。





お弁当を食べ終わってから、アタシは、テツジに言った。





「ねぇ、今日、一緒に寝ていい?…」





『オトコの匂い』





アタシがけっこう勇気を出して言った一言に、テツジの返事は、





「やだね」





だった。





瞬間、アタシは声を張り上げた。





「なんでッ!?」





そしたら、奴め。





「だって、お前、襲うダロ?」





…だって!失礼しちゃう!





「はぁ!?アンタ何ゆってんの!?」





言いながら、アタシは思った。





コイツ、やっぱり知ってたんだ…。アタシとお父さん…コイツのアニキとのこと…





それならそれで、かまわない!





さっきのアタシは、単にコイツとひとつ布団に入りたかっただけだけど、





〈そんなこと〉言う男には、こっちにもカクゴがある。





「ふぅん…怖いんだ、アタシのコト」





って言ってやったら、





「ああ、怖いね」





だって。あっさり認めてやんの。





アタシは、なんだか拍子抜けして、





「案外、チキンね」





って言ってやったの。そしたら。





「あほ」





て、言って、アタシの頭を小突いた。





「や!痛い!」





て、とっさに口にしたら、





「こんなん、痛ぇかよ」





って、笑った。





〈笑った〉のよ!





この!無愛想仏頂面の男が!





アタシ、キョトンてしながらも、なんだか嬉しくて、





「痛いモノは痛い!」





て、痛くもない頭を押さえた。大げさに。そしたらね…





「…どらァ」





て言いながら、アタシの腕をつかんで、頭をさすってくれたの…





アタシの頭は、自然、テツジの胸にくっつく形で……





「よぉし、よぉし…」





て、でっかい手のひらでさすったの。





テツジの胸は、大きくて、アタシは久々の〈オトコ〉の匂いに胸がドキンドキンて、鳴った。





『妄想』





テツジの大きな手が、アタシの頭をなでてたと思ったら、いつのまにかその手は、アタシのスカートの中の太ももをなでてて…





そして、太ももだと思ったら、その手はさらに奥まで侵入し、アタシの…

アタシのパンティの割れ目の辺りをコソコソとなでていたの!





テツジの手は、執拗にアタシの割れ目をなでこすり、徐々に指が深くパンティの布を押して……





テツジが言う。





『いやらしい娘だな。ちょっといじっただけで、こんなに濡らしやがって!』





アタシは、だいぶ頭がぼーっとしながら、





「ちがうもん!テツジが…テツジが悪いんだもん!」





『そうか〜?えみはエロエロだから、人の倍、感じまくってるぞ』





それを聞いて、アタシは顔を真っ赤にして、反発する。





「そんなことないもん!」





……だけどアタシは思う。





お父さんより〈ガタイ〉の良いテツジの体…





〈アソコ〉だって、きっと立派に違いない。





そんな〈でっかいの〉でガンガン容赦なく突かれてしまったら、どうなってしまうんだろう?…アタシは……





アタシは、はしたなくも、おま〇この辺りが、じゅわん…て濡れてキちゃって…





「……ッんッ!…テツジぃ……だ…抱いて…!アタシのコト、メチャクチャにして…!」





アタシは気づいたらそう叫んで、テツジに抱きついた…





………て、いうところで、現実に戻った。





〈現実〉のテツジが言う。





「肉、食わねぇなら、俺が食おうか?」





そう言ってテツジが『二ッ』って笑った。





アタシは、





「ダメッ!お肉はアタシが食べるッ!」





って、たぶん赤い顔しながら、そう言ったの。





『ぬくもり』





最近のアタシ、おかしいの。





ま、今に始まった話しじゃないけどね。





朝、気づいたら奴…テツジの布団の中にいるの!





その時、テツジはまだ寝てて、アタシが先に跳ね起きる。





そんなアタシに気づいて、テツジもそのあとモソモソ起きて、すぐ洗面所に行っちゃう。





最初の朝こそ、『アタシ達〈何か〉あった!?』…って疑ったけど、アタシの体のどこにも〈その〉痕跡は無くて…





まぁ、はっきり言っちゃえば、膣の中にももちろん、肛門にも精液なんか入って無くて。





アタシは、ホッとした反面、なんだか拍子抜けしてるの。





変なの。





アタシ、あんなにお父さんに抱かれるの、嫌だったはずなのに…





アタシの体は、〈オトコ〉を欲しがってるっていうの!?





ともかくも、テツジに聞いてやったわ。





『アタシ達、なんかあった!?』ってね。





そしたら、テツジの奴、まだ寝ぼけた顔で、歯みがきしながら、キョトンとしてたっけ。





……で!





アタシ、思わず聞いちゃった。





「テツジが、アタシのこと、布団に入れたの!?」





って。そしたら。





「あほ」





一言だけ答えて、あとは口をゆすいで、電気カミソリでヒゲを剃りだしたから、尋問は後回しにしたの。





その後も、朝ごはん食べながらしつこく聞き出したら。





どうやら、夜中にテツジの布団に〈侵入〉してくるのは、





アタシらしい。





「ヨダレ垂らしてたぞ」





なんて、テツジが言う。





けど、夜中、テツジの布団の中、背中にしがみついたアタシが





泣いてたってのも教えてくれた。





『自慰』





アタシ、どれくらい〈オトコ〉に抱かれてない?





アタシ、お父さんから解放されてどれくらいになる?





あれだけ毎日毎晩抱かれ続けてたのに、〈それ〉がなくなって、本当はどんなに嬉しいか!





それなのに、アタシ、おかしい。





お父さんの夢を見るの。





夢の中のお父さんは、アタシの理想…





優しくアタシを抱っこしてくれる…





エッチなことも、何もしなくて、ただ胸と胸を合わせてアタシとお父さんは、抱き合うの…





もたれたお父さんの胸からは、『トクントクン…』心臓の音が力強く響いて…





なのに、お父さんの心臓は止まった。





お父さんが死んだのは、アタシのせい。





「…ア…アタシが死ねばよかったのよ!」





今度はハッキリ目が覚めた。





アタシは、お父さんのじゃなくて、テツジの布団の中、テツジの背中にしがみついて泣いていた。





本当だ…





アタシ、本当にテツジの背中で、テツジのパジャマを濡らして泣いてたんだ…





「…ッごめん!テツジッ」





アタシは、すぐ横に敷いてある自分の布団に戻ろうとして、捕まった。





後ろから、テツジに、でっかいテツジの腕と胸に包まれたの。





「ッなッ!何よッ!…邪魔して悪かったわね!離してよ!…」





「…お前…ムリすんなよ…」





テツジの熱い体温に包まれて、アタシは、





アタシはまた、涙が止まらなかった。





そしてまた、テツジの体温に引き込まれていつのまにか、眠ってしまった…





         ◎●◎





アタシは、無意識だった。





アタシと、ひとつ布団にいても、何もしてこない〈人のいい〉テツジに、すっかり油断してた。





アタシは、もうすぐテツジが帰ってくる時間だっていうのに。





アタシは、パンティを片足だけ太ももに引っかけて開脚して、オ〇ニーに耽ってたの。





お父さんのアソコは、すごく大きくて、アタシの指を4本まとめて突っ込んでも、まだ足りない。





おまけに長さも…





「…ッあンッ!…アあンッ!…お父さァん!…」





アタシのアソコは、すっかりグチュグチュで、お尻の下の畳にまで汁が垂れまくって…





だけど、アタシの指は止まらない。





まるで、指にお父さんが、乗り移ったかのように、激しく強く、アタシのおま〇こを責め立てた。





そんな盛り上がりの最中に、テツジは帰宅したの。





『見られた』





「…ッンッ!…アぁン…ッ!…」





アタシは、もう、おま〇こだけじゃ物足りなくて、ブラウスの下、素肌に直接触れて、アタシの乳首をキゅッとつねった。





お父さんがしたみたいに、痛い位先っぽを摘まむと、指を離した時、ジンジンして、より感じやすくなるの。





アタシ……





お父さんを思い出して、熱くなる…





毎日、アタシを抱いてたお父さん…





アタシを抱けなくなって悔しがってるかな…





「…ッあンッ!…お父…さん…ッ!」





アタシの指の動きが激しさを増す!





そんな時だった。





〈あんぐり〉と、そう、呆気にとられたテツジが玄関に立って、こんなみっともないアタシを見てた。





アタシは、これが現実なのか、最初わからなかった。





だけど。





紛れもない現実と知るや。





「ッきゃあッッ!!…」





驚いた。





〈驚いた〉なんて言葉じゃ、言い表せないほど、びっくりした。





「……!!!………」





人は驚き過ぎると、言葉が出ないんだ。





初めて知ったけど。





『イケナイ気持ち』





アタシは咄嗟に、開いてた足を閉じてスカートで前を隠した。





アタシは、頭が真っ白で、何も思いつかない。





先に声を発したのは、テツジだった。





「…う…、ああ…、その、なんだ。…風呂、入ろうか…な」





スルー!?





まさかの、スルー!?





こんなアタシを見ても、見なかったことにしてくれるっていうの!?





アタシは、ホッとしたのと同時に、なんだか〈イケナイ気持ち〉がムクムクとわき上がるのを感じた。





そう、そんなくだらない気持ちなんて、放っとけば良いものを。





アタシは、それを抑えられなかったの…





         ◎●◎





…ザーッ!…





まだ、湯船にお湯を溜めてなかった。





テツジが自分でお風呂のお湯を入れながら、体を洗ってる。直接それを見なくても、ドアを閉める音や、お湯を流す音で様子が分かる。





アタシは、自分がどうして〈そんなこと〉をしたのか分からない。





〈無意識〉…なんて、都合のいいことを言ったって、そうしたのはアタシだもの。





誰かの命令でもない。





強いて言うなら、カラダが勝手に動いたのよ!





アタシの脳ミソが止める前にね。





アタシは、





アタシは、上のブラウスを脱ぎ、スカートも下ろした。あとは、片足に引っ掛かっただけのパンティを外すと、





テツジが入ってるお風呂場のドアを開けた。





「テツジ…、背中、流そうか…?」





『背中』





「…ッなッ!…背中だぁ!?…そんなん…、い、いらねぇッ!」





動揺してる!





普段あわてないテツジが焦ってるのが、すごーくおかしくて、アタシは図に乗った。





「え〜、たまにはサ、いいんじゃん?」





アタシは、裸の体を隠しもせずにズンズンテツジとの距離を縮めた。





「…ッ!ッお、おいッ!…」





照れてる、照れてる!





おっかしーの!





「ねぇ、テツジぃ、今日疲れた〜?」





思いきり甘い声で迫ってみる。





そんで、浴用タオルに、ボディシャンプーをかけて、クシュクシュ泡立てると…





アタシは、テツジの後ろに回り、背中を擦ったの!





「………」





黙るテツジ。





アタシは、調子に乗ってたから、





「お客さーん、気持ちイイですかぁ?」





なんて、聞いちゃった。





テツジがどう思おうが、関係なしに!





『泡背中』





アタシ、テツジが黙ってるのをいいことに、なんと!泡だらけのテツジの背中に抱きついちゃった!





もう、どうかしてたとしか思えないわね。





けどね、テツジは思ったよりオトナだった。





ま、もともとオトナなんだけどね。





でも、テツジはオトナだ。





兄の拓哉なんかより、全然。





伊藤拓哉――アタシの義父…





今は死んじゃって、この世にいないってのに、





未だアタシの頭を支配してる…!





その証拠が、これ!…





アタシは、テツジのおっきな背中に抱きついて、泡だらけだっていうのに、そこに頬を寄せた…





「テツジ……どう思ってる…?アタシのこと……」





その時だった。泡タオルを持ったアタシの腕を、テツジがその大きな手で握ると、





クルリと体の向きを変え、真っ正面からアタシを見つめた。





「どう思ってるかだって?……〈変な奴〉って思ってるサ!」





テツジは、真顔でそう言った。





その顔に、アタシはハッとして、





その隙に、テツジにタオルを取られたのも気づかなかった。





「あっ!テ、テツジ!…」





「体は、自分で洗うからいい」





そう言うと、テツジはサッサと体を洗うと、ゆすいで固く絞ったタオルをアタシに預けて自分は湯船にザブン…!…入っちゃった!





「どら…風邪引くゼ」





そう言いながらテツジは、湯船のお湯を洗面器ですくうと…





ザバーッ!…アタシの頭からそれを被せた!





「プハッ!ばかテツジ!何すんのよッ!」





「〈何すんのよ〉…は、こっちのセリフだ。マセ餓鬼め!」





……アタシ、テツジを怒らせちゃったみたい…!?





『指摘』





アタシの心配をよそに、テツジは怒ってなんかいなかった。





その証拠に、体と頭を洗い終わったアタシを、湯船の中、テツジの隣に入らせてくれたから。





だけど、何も言わないテツジに、正直少し不安になった。





テツジが無口なのはいつものことなのに…





そんなテツジが、自分の方から口を開いた。





「…ごめんな…、えみ…」





「ッえッ!?…」





アタシは、耳を疑った。





今、聞いたのは空耳かと思った。





テツジは、続けた。





「…拓哉がお前にしたこと…」





「………」





アタシは、息を飲んだ。





多分、知ってるだろうな、とは思ってはいたけれど、突然言われて、アタシは面食らった。





心の準備も何もしてなかった…





「………」





アタシは、テツジの言葉に、どう返せばいいか全然頭に浮かばなくて。





そして、その兄がアタシにシたことを、テツジが知ってた、そして今まで一切その話題を口にしなかったのに、





『何で!?』『今なの!?』っていう気持ちと、





お父さんが、アタシにした数々の恥ずかしいことが





いっぺんに押し寄せてきて、





アタシは、





アタシは、口をきけなくなった。





許されざる仕打ち!





アタシは、テツジの横で、顔が湯船に付くくらい、うつむいた。





そんな〈ボーゼンジシツ〉のアタシに、テツジは更に追い打ちをかけたの。





「…その、言いにくい話しなんだが…」





そこで、いったん言葉を切り、





「お前のその〈腹〉一回、その…医者に見てもらえ…」





アタシも、薄々は感じてた。





日に日に大きくなる、アタシのお腹は、





〈寄生虫のせい〉なんかじゃないってことくらい。





『妊娠』





「…ッこれはねぇ、た、食べ過ぎよぅッ!」





「………」





テツジがまた、黙った。





わかってる。





『食べ過ぎ』だとか『太ってきた』…なんてその場しのぎの言い訳を逃げ口上に、今まで考えないようにしてたのに。





これ以上は、逃げられないんだって。





アタシ達はその後、黙って風呂から上がり、黙って晩ご飯を食べた。





お互い〈無視してる〉というよりは、〈言葉が出ない〉、そんな感じだった。





         ◎●◎





翌日。





テツジは仕事を休み、福祉課の坂瀬さんとアタシの三人で〈産婦人科〉に行ったの。





         ●◎●





お医者さんや看護師さんも含めて、大人だけで『堕ろす』話しが進んでる。





アタシは、妊娠四ヶ月だった。





         ●◎●





アタシの一番の疑問は、〈初潮〉が来てないのに、何で妊娠?…だった。





だけど、お医者さんの話しでは、アタシの気づかない時に、いつの間にか〈初めての生理〉があったんじゃないかっていうことだった。





そう言われちゃうと、そうかな…、とも思ったり…





よくわかんないし、覚えてない。





思い出したくないってのもある。





ともかく、〈あの頃〉――お父さんに馬鹿みたいに毎日抱かれ続けた日々――のことなんか、思い出したくもなかった。





なのに。





〈あの人〉は、死んだって、こんなにもアタシを離そうとしないのね。





堕胎手術は、一週間後に決まった。





『見知らぬ男の子』





アタシは、また、夢を見た。





お父さんの夢を見ることは珍しくもなかったんだけど。





今朝のは、いつもと違ってたの。





ざわつく教室内。





授業も朝の会もまだ始まってなくて、先生も来てない、短い読書の時間。





教室には、見知った顔が並ぶ。あの、しーたけもいる。





アタシはその中で、見たことのない男の子に目を奪われる。





その子とは、確実に初対面なはず。





こんな子知らない…





アタシがあんまり見つめるもんだから、その子もアタシを見つめ返してきた







あわててアタシは、目をそらす。だけど…





やっぱり、彼に目を奪われてしまう…





そんなアタシに、最初〈キョトン〉としてた彼が、あんまりアタシが見るんで、





〈ニヤリ〉笑ったの!





その後、休み時間。





アタシは、彼に引っ張られて、誰も来ない、暗い教室に連れて行かれると、言われた。





「オマエ、俺のこと、好きダロ!」





アタシは、びっくりして、





「…ッち、違うわよッ!ばか!ただ見てただけよ!」





男の子は、自信満々に、





「そういうのを〈好き〉っていうんだゼ…」





そう言いながら距離を縮めてくる彼に、アタシは何の反論もできない内に、背中をドアに押しつけられた。





目の前には、彼の顔…!





その時アタシは思ったの。





アタシ、この子のこと、知ってる!





アタシが、ひらめいたのと、彼がキスしてきたのが同時だった!





「…ッうぅ…!」





始めから舌を入れる深いキス!





アタシ…、アタシ知ってる!





この唇を…!





アタシと同じくらいの大きさの唇と舌が縦横無尽にアタシの口の中を暴れる!…





彼の舌は、アタシの舌をしつこく絡めて何度も、アタシの唾液を吸った…!





彼の手でガッシリと固定された、アタシの頭…





と、思ったら!





その反対の手は、アタシのスカートの中、お尻を強い力で揉みまくってた!





『…ッイ、イヤ!…』って言いたいのに、彼の力は、子どもとは思えないくらい強くて…





その内に、お尻を揉んでた手は、アタシのパンティの前部分に移動して……





「…ッんッ!」





アタシのおま〇この前、ワレメを撫で擦り出したから、たまらない!





アタシは、身をよじって逃げようとするのだけど、敵わない。





すると…





彼の指がワレメから離れて、今度は、アタシの腰を、ギュッとつかみ、自分の胯間をアタシに押しつけてきたの!





それは……





子どものモノとは到底思えないほどの大きさで。布越しにもわかる存在感でアタシのおま〇こをぎゅうぎゅうと押してきたの…!





アタシのおま〇こが、ジュワン!て、音が聴こえるんじゃないかってくらい、濡れた。





『抵抗』





熱い…、熱すぎる塊!





「…ッんッ!…ッやァッ!…」





アタシは、必死に彼の腕から体を引き剥がすと、向こうも丁度、力を抜いた所だった。





彼が言う。





見ると、彼は半ズボンの前部分、ファスナーを開き、〈彼自身〉を解放し、その漲(みなぎ)ったモノをさらけ出した所だった!





「…!…」





アタシは、咄嗟に恐怖しか覚えなかった。





子どもの体格には到底似合わないサイズの〈それ〉が、これは〈夢〉なんだと教えてくれる…





「オイ、しゃぶれ」





男の子は、ちょっと見、女の子みたいにきれいな顔立ちをしているのに、その発する言葉は、傍若無人なものだった。





なのに、アタシは…





男の子のその、凶器みたいに尖って天を仰いだモノの前に屈むと、





……ピチャッ…ペチャ…





音させて、舌を這わせたの。何の抵抗もなく!





『ドレイ』





アタシは、彼のドレイ…





強く命令されると、逆らえないの…





「…ッん…フ…ンッ…」





アタシは、唇と舌をフルに使って彼に奉仕し続けた。





「…ッ!…う…ッ」





男の子が、感じてうめき声を漏らしたんで、アタシも嬉しくなる。





アタシは、思う。





さっき、キスされる前に気づいたこと。





この子は、〈お父さん〉だって。





お父さんの子どもだった頃の姿なんだって。





…っていっても、アタシの脳内が作り上げた想像の産物でしかないわけだけど。





少年の姿のお父さんが言う。





「ッオイ、後ろ向け」





お父さんの息も荒くなって、ハァハァしながらの命令。





アタシは、黙ってそれに従うの。





お父さんが、荒々しくアタシのパンティを下にずり下ろすと…





…ズブリッ!





いきなりその、大きなモノを突き入れてきたの!





でも。





アタシのアソコは、もう充分過ぎるほどにグショグショだったから、スルリ…あっさりお父さんのを受け入れたの…





『叶わない夢』





…ッズチュッ!…グチュッ!ッズチュッ…





アタシは、お父さんの太くて硬いモノに何度も刺し貫かれながら思う…





もしも、お父さんとアタシが同い年のクラスメイトだったとしたら、





こんな…こんな展開には絶対ならないハズって…





もしも、アタシがお父さんと同じくらいの年だったなら、





アタシ、交換日記とか、メールしたりだとか…一緒に勉強…だとか、したかったな…





子どもの姿のお父さんが、アタシのおっぱいも露にして、乳首をつまみながら、腰を蠢かす…





「…ッう…ッ…はァん…ッ…!…」





ズチュッ!…ズチュッ!…ズチュッ…





お父さんの太いのが、アタシのおま〇こを刺激しながら出たり入ったりを繰り返す…!





「…ッあぁンッ…ッハァん…ッ…!…」





お父さんは、また、何度もアタシの膣内(なか)にたっぷり射精した。





グチュッ…ジュチュッ…





精液でグチョグチョのアタシの膣に、尚も射精を繰り返し、おち〇こを出し入れするお父さんに、揺さぶられながら、また思うの…





アタシ…





アタシ…、





お父さんと、もっと違う形で出会いたかった…!





そんなこと思ったって、絶対叶わないんだけど……





夢の中で、今度は胸と胸を合わせ、アタシはお父さんと抱き合ってキスをしてる。





アソコは繋がったまま…





立って、アタシの片足は曲げて持ち上げられてる。





「…ン…ふ…ッン…」





舌を絡めた深いキス…





アタシとお父さんは、また獣になって、お互いを貪(むさぼ)りあうの…





お父さん…、





お父さん……!





あぁ、アタシ…、こんな風にずっとお父さんと抱き合っていたかった…!





『イヤ』だなんて言って、ごめんなさい……





夢から覚めたアタシは、自分のお腹をそっと抱きながら、





「…お父さんの赤ちゃん…」





つぶやいた。





アタシのおま〇こは、まるで本当にエッチした時みたいに、ビショビショに濡れていた…





『決意』





大人達は言う。





『子どもなのに妊娠なんて、悲劇だ』。





『性的虐待』………





アタシは思う。





〈あれ〉は、〈虐待〉だったのかなって。





アタシ、お父さんに〈虐待〉されてたの?………





アタシは思う。





お父さんは、アタシのことを〈アイシテ〉くれたんじゃなかったのかなって。





だって、お父さんは言ったのよ。





『詠子より先にえみに会いたかった』 って。





それとも、〈死んだら良いことしか思い出さなくなる〉っていうのが本当なのかな……





わかんないや。





ただ、真実は、アタシのお腹の中に、お父さんの〈分身〉がいるってこと。





今も成長し続けてるってこと。





アタシが寝てる時も、起きてる時も。





そして、まわりの大人達の〈コトバ〉――〈堕ろす〉話しを聴いたり、アタシの〈思い〉なんかを感じてるんだろうなって。





だからね、アタシは決めたんだ。





今、アタシの中にいて、成長し続けてる〈この子〉を守ろうって。





お父さんがアタシを〈アイシテ〉くれた〈証〉を無くしたくない!





〈この子〉は、決して〈悲劇〉なんかじゃないって思いたいの!





『意見の相違』





「ねぇ、テツジ。……〈この子〉の父親になってくれない?」





アタシは、考えに考えてそう言ったんだけど。





「…ッ…!…」





〈産むこと〉は、大前提なアタシの発言は、確かに面食らったかもしれない。





だからって、その割に長過ぎるテツジの〈間〉に、アタシはイラついた。





もとより、〈相談〉なんかじゃ全然ない。





アタシの中では、もう堕ろすことなんて、これっぽも考えちゃいなかった。





これは、〈お願い〉であって、〈命令〉なんかじゃ全然ないんだけど。





だけど…





「ねぇ、聞こえた!?」





少しキレ気味なアタシの言葉に、テツジがやっと重たい口を開いた。





「…お前…、その………、産むのか…?」





「ッ当たり前じゃない!」





アタシの剣幕に、少し圧されながら、テツジが返した。





「病院でも言われたろう?……母体…、その…お前の体にすげぇ負担がかかるって…」





「…ッ…それがなんだってのよ!」





「…………」





テツジがまた黙る。





何か考えてるみたいだった。





「………」





だから、アタシも黙った。





そうして、長い沈黙の後―――。





「お前が決めたんなら、俺は何ンも言えねぇけど――」





テツジは、そこで一回言葉を切った後、





「産むのは良いが、育てんのが大変だぞ?お前、その覚悟があんのかよ!?」





テツジは、ちょっと怒り気味にそう言った。





まぁ、当たり前っていえば当たり前のことをテツジは言ったのよね。





でもね。





「…ッあ、あたぼうよッ!ア、アタシを馬鹿だとか思ってるワケ!?」





「…そりゃそうだ。大人はな、先のことまで考えてんだ。お前みてぇな餓鬼に何ができんだよ!!」





その言葉に、アタシはカチンてキた。





〈オトナ〉〈オトナ〉って、えっらそうに!!





「…もう、いい。〈父親〉になってとか言わないし!!…アタシ、一人でも産むし!…一人でも育ててやるんだからッ!!」





アタシは、もう、日暮れだってのに、テツジのアパートを飛び出した!





そして、駆け出したの……





『物陰』





「…ッハァ…ハァ…」





息が上がる。お腹が重たい…





そして、ハッとして、走る足を止めた。





流産しちゃう!





大変、大変!





アタシは、この子を〈産む〉って決めてから、ネットで色々勉強したんだ。





3〜4ヵ月は、走ったらいけないんだった…。





そんなアタシの背後で、遠くからテツジの呼び声がアタシの耳に届いた。





アタシは咄嗟に、近くの建物の陰に身を隠した。





そしたら、隠れたアタシの目の前を、血相変えたテツジがものすごい勢いで走り去ったの!





アタシは、なんだか笑いそうになったけど、堪えた。





「…ばっかみたい!…アタシなんかの為に一生懸命になっちゃって!」





アタシは、認めたくはなかったけど、そんなテツジが嬉しくもあったの。





言葉とは逆にね。





『ゲーセン』





『めんどくせぇ』が口癖のテツジが、アタシを心配して追いかけてくれた。





「…ばか…」





そんなテツジがアタシには嬉しかったのに。





アタシは、テツジが行った方向とは反対に向かった。





夜の繁華街。





アタシは、何でか怖いなんて思わなかった。





まわりは、帰宅する会社員や、学生たちが気だるそうだったり、急いでたり。





アタシみたいな〇学生がフラフラ歩いてる時間じゃなかった。





アタシは、なんとなくゲーセンに立ち寄った。





うるさい音楽と、派手なイルミネ…





普段のアタシなら、ほとんど興味のない所。





珍しくて、ついつい、店の奥に進んでた。





UFOキャッチャーや、コイン落としなら見たことはある。





だけど、アタシは、あるゲーム機に目を奪われた。





それは、暗い画面に、おどろおどろしい不気味な音楽や、女の人の叫び声なんかが聴こえる、たぶん、〈ゾンビ退治〉のゲーム。





アタシは、テレビでも目にしたことのない強烈で残酷なCGに釘付けになった。





恐ろしいゾンビの群衆…!





次々にこちらに向かって襲い来る!





アタシの恐怖心と共に、アタシのお腹がギュッと固くなった気がした。





こんなの見てちゃ、〈胎教〉に悪い気が本能でして、アタシはそこを立ち去ろうとした。





その時。





不意にフワッとアタシの両肩を、誰かが後ろから『ポン』と触った。





アタシは、死ぬほど驚いて、思わず飛び上がったかもしれない。





「“お嬢ちゃん”こーんなとこに一人でいたら、補導されちゃうデショ」





振り向いたアタシが見た相手は、





背の高い高校生らしかった。





〈補導〉とか口にしながら、そいつも制服姿で。





しかも…





「そーダヨ。“嬢ちゃん”。可愛い子が、一人でいたら、俺らみたいな悪〜い高校生に、〈オイタ〉されちゃうヨ〜♪」





アタシの肩に手を置いた高校生も、次に声かけてきた奴も、なんだか濁った瞳をしてて、





そして、笑ってた。





『名前』





その時、アタシは心底後悔してた。





ゲーセンの隣にあるカラオケの1室に連れ込まれて。





二人は、アタシの肩を抱いてしきりに話しかけてくる。





「ねぇ、名前教えて?」





「何年生?」





「………」





アタシは、声が出せなくてうつ向いてた。そしたら。





「  !  」





「ね、教えてくんないと、おっぱい揉んじゃうよ」





背の高い方が、笑いながら、アタシの胸を触った。





「…ッやッ!」





触りながら、





「ね…、教えてよ…」





今度は、アタシのブラウスの裾から手を滑り込ませてきた!





「…ヤぁッ!…」





アタシが逃げようとしたら、もう一人が、アタシの手首を、掴んで後ろで一まとめにした。





「…ッえ、えみ…」





「…ふぅん、えみちゃんていうんだ。可愛い」





アタシが、名前を言ったのに。





背の高い方は、アタシのブラウスを上に押し上げ、下着もたくし上げると、アタシのおっぱいを丸見えにした!





「…ッや、やめなさいよ!!」





アタシが言うと。





「おおっと、命令形?!」





「名前、言ったのに!」





「えみちゃん…、男女がイイコトすんのに、名前は必要デショ」





背の高い方は、遠慮なくアタシのおっぱいを撫でたり、乳首を摘まんだりした。





「…可愛い…えみちゃんのおっぱい…。けど、えみちゃんのおっぱい、立ってるね。ヤらしい…」





「…ッそ、それは…ッ!」





……それは、お父さんが、しつこくいじくりまくったから……とは、とても言えなかった。





「ふぅん…えみちゃんて、スッゲ、エッチな子なんだね…」





背の高い方は、言いながら嬉しそうに笑った。





『もしかして、妊婦?』





ぐるり、世界が変わった。





アタシは、カラオケ室内のソファに仰向けに寝かされ、天井を見る形。





背の高い方が、アタシの口に唇を重ねてきた!





ヤだよう!





気持ち悪いッ!





アタシが、高校生の唇から逃げようとジタバタすると、





「いいねぇ〜。この位抵抗された方が燃えるってもんだゼ!」





暴れるアタシなんて全然気にしないで、今度はアタシの首筋に舌を這わせてきたの!





「…ッヤぁッ!お父さんッ!…」





アタシは、思わず出たその、自分の声に驚いた。本当なら『ママ!!』って、叫ばないかな。普通は父親じゃなくて母親に助けを求めると思うんだけど…。





それに〈父親〉は、〈助けを求める〉にふさわしい人じゃない!





あの人が、アタシにしてきたことを思えば!





茫然として、動きの止まったアタシに、高校生は、又もアタシの口にキスをしてきた。





今度は舌を入れた深いやつ!





やっぱり気持ち悪いッ!





アタシの両目から、涙があふれ出した。





お父さんのキスの方がマシ!





こんな…こんな知らない人にキスされるくらいなら!…





逃げたくても、もう一人が、アタシの両手をアタシの頭の上で、すごく強い力で押さえてるし、アタシの体に乗っかってる高校生のせいでそこから抜け出すことは無理そうだった。





「アレ!?おとなしくなった。それはそれでヤりやすいけど」





高校生は、調子に乗って、アタシのスカートの中に手を忍び込ませ、アタシのパンティに手をかけた!





その時だった。





高校生が、何かに気づいて手を止めた。





「え!?えみちゃんてお腹がずいぶん大きいんだねぇ…」





言ってから、ハッと気づいて。





「もしかして、えみちゃん妊婦!??!」





一番知られたくないことを、コイツに知られてしまった。





「へぇ〜、妊婦。…じゃ、ヤりたい放題じゃん」





声は、アタシの頭の方、アタシの手首を押さえつけてるヤツが発したものだった。





それを聞いて、アタシの上に乗っかってる方が言った。





「スッゲ!!俺、一度〈ポテ腹〉と犯りたかったんだよね」





その声は、〈死刑宣告〉みたいにアタシの脳内に響いた。





『さすが、経験者』





〈ずいぶん大きい〉なんて失礼しちゃう!





アタシはまだ妊娠4ヵ月。ちょっとふっくらしてるだけよ。





「…ッヤ、ヤだ。ちょっと太ってるだけよ!」





アタシは何故か、コイツらに〈妊婦〉だってことが知られたくなくてでまかせを言った。なのに。





「ふぅん。体は痩せてんのに、〈腹だけ〉太ってんだ。ちょっと食べ過ぎちゃったとか、そうゆうワケ!?」





背の高い方は、面白そうに笑いながら言った。





ヤだ!





アタシ、コイツらに犯られるの?!





「ドレドレ〜?えみちゃんのエロま〇こ見して〜♪」





アタシの上に乗っかった高校生が、言いながらアタシのパンティを剥ぎ取った!





「ッあ!!…ッヤぁッ!…」





暴れるアタシの脚をアタシに蹴られないように上手に掴まえて、開いた!





…い、イヤぁッ!…





必死に膝を閉じようとするアタシの脚を、難なくこじ開けまじまじと見つめるヤツの目の前に、アタシのおま〇こはさらけ出された。





「ウホ♪えみちゃんのおま〇こ、ヤらし〜♪い〜っぱい濡れちゃってる♪」





「え!?そんなハズは…!」





「感じちゃった?さっすが、〈経験者〉は処女とは違うネ」





「違っ…!」





もう、アタシの言うことなんか聞いてくれない。





高校生は、アタシのおま〇こを観察しながら、指で押し広げたの!





「ヤ、ヤだ!!…」





高校生は、唾をひと呑みすると――





アタシのおま〇こに口をつけた。





そして、ペチャペチャと音させて、アタシの襞に舌を這わせた!





「ッんッ!ヤぁンッ!」





『感じる瞳』





「えみちゃーん、俺、我慢できねぇ!…俺の…握って!」





アタシの両腕を押さえてたもう一人が、自分の〈分身〉をズボンから取り出して叫んだ。





ソイツは、すでにいきり立って真っ赤に腫れてたわ。





「…ッヤ、ヤだッ!」





アタシが拒絶すると、高校生は、とたんにキレてアタシの頬を打った!





ッパンッ!





「テメ…優しくしてやったら、調子こいてんじゃねぇゾ!」





「まぁまぁ、森チャン、そうキレんなって」





アタシのおま〇こに舌を這わせてた高校生が舌嘗めづりしながら言った。こっちは余裕すら感じさせて。





「ほぅら、えみちゃん感じちゃって目がウルウル!」





〈森チャン〉じゃない方が続けて言った。





「違っ!アタシ、感じてなんか…!」





「そっかぁ!?えみちゃん、俺がおま〇こなめなめしてたら、動いてたゼ!腰!」





「…ッえッ!」





「そうそう。喘いでたし!」





〈森〉が言った。





信じらんない!!





アタシ、アタシ、感じてなんか…!





「えみは、〇学生で妊娠しちゃうくらい、〈ど淫乱〉でぇ〜す♪」





〈森じゃない方〉が楽しそうに言った。





「まぁ、夜は長いし、楽しもうゼ」





二人の濁った瞳が笑った。





笑って〈森じゃない方〉も、自分のおち〇こをズボンから取り出した。ソイツも、森と同じにギンギンに天を仰ぎ、蜜まで滴らせてた!





「挿れちゃうよ〜♪」





「ヤだッ!ヤだッ!…テツジ!!助けて!!」





今度は本心だ。





アタシは、思わず本当に助けて欲しい人の名を叫んだ!





「へぇ〜、〈テツジ〉って、もしかして〈お腹の子の父親〉かよ!?」





「…ッ違っ…この子の父親は、アタシのおと…!」





二人の高校生が、〈粗チン〉をみっともなくさらけ出して、今にもアタシの膣内(なか)に浸入しようとした、その時だった。





ッバンッッ!!





カラオケルームのドアが、勢い良く開けられて、〈その人〉は、ものも言わず、粗チンを出したまんまの二人を次々に殴り倒して、動かなくなった所で、アタシを抱き上げると、





カラオケルームから救い出してくれたの。





〈その人〉は、アタシが一番助けて欲しくて、そして、一番会いたくない人だった。





『熱い背中』





アタシは、テツジにおぶわれ揺られながら考えてた。





アタシは、悪くない!って。





悪いのは、テツジなんだ。アタシが、『産みたい』って言ってるのに反対なんかするから…アタシ、〈家出〉なんかして、不良(ばか)に捕まったの。





…そんな風にね。





だから、テツジの背中にいるのは不本意だった。早くこの、広くてあったかい背中から逃げなくちゃ。そう思った時、テツジは言った。





「お前…、もっと自分を大事にしろよな…。じゃねぇと、こっちの身がもたねぇ…」





アタシは最初、テツジの言ってる意味がよく分からなかったのね。





だってアタシ、別に自分のこと、ソマツになんかしてないのにってね。





アタシが黙ってテツジの背中にいたら、テツジは続けて言ったの。





「…なぁ、えみ。お前が産みたいってんなら、産めよ。…ただし、ラクじゃねぇぞ…。子育てだけじゃなくって、色々と、世間の風当たりだとか――」





そこでアタシは口をはさんだ。





だって、頭にクるじゃない!





「テツジのばか!…そんなの!〈命〉のが大事じゃん!それにアタシ、別に、自分のこと、大事にしてない訳じゃないもん…!」





アタシは、テツジの背中で暴れた。





落ちそうになったアタシを、落っことさないように、テツジの太い腕がアタシの脚をガッシリ押さえた。





「…ッおいッ!ばか!落ちるダロ!」





テツジが焦ってる。





なんだかおかしいの。





「ふふ…」





アタシは思わず笑った。そしたら、テツジは驚いて、手の力が抜けて、今度は本当にアタシ、落ちそうになった。





「ばかテツジ!落ちる!!…」





落ちる寸前で、アタシは又、元の位置に収まったけど。





「悪りい。お前、笑ったな…。初めてじゃねぇか?驚いちまった…」





「へぇ〜、テツジも焦ったりするんだぁ…」





アタシが言うと。





「焦りもするさ…。俺だって〈人の子〉だからな…」





「ふぅん…。〈人の子〉ねぇ…」





つぶやきながらアタシは思った。





兄弟で、こうも違うもんかなってね。





この人が〈人の子〉だって言う。その兄は〈鬼畜〉だった。





アタシはなんだか、やるせない気持ちになって、テツジの熱い背中に顔を埋めたの。





『テツジの秘密』





まぁ、〈秘密〉なんて言っちゃうと大げさね。





アタシが〈それ〉を見たのは、偶然だったし。





その日アタシは、熱っぽくて、体が異常にダルくて、おまけにものすごく眠気が強くて学校を休んだの。





でも、お昼前になると、今度はものすごい空腹で目覚めた。





何かないかと冷蔵庫を漁ったけど、アタシの食べたいモノは入ってなくて。アタシは仕方なく、スーパーまで買い出しに出たの。





なんとなく、学校の側は避けていつもは通らない路地を行く。すると―





1件の保育園があって(昔からそこにあって、知らない訳じゃないけど)何の気なしにアタシは、園庭で遊ぶチビ達を眺めてたのね。





〈アタシのお腹の子〉もいずれ、こんなんになるのね…なんて考えながら。





そうして、ぼうっとチビ達の行動なんか見てたら、





いたの。





ごっついのが、可愛いエプロンなんかして、チビどもに追いかけられたり、汚れた顔を拭いてやってたりする甲斐甲斐しい男が!





ソイツは、信じたくないけど。、〈アノ〉テツジだった。





アタシは、呆気にとられて一瞬ソイツが、〈アノ〉テツジだって全然分からなくて驚き過ぎて言葉も出なかった。





家では『めんどくせぇ〜』が口ぐせで、

ほとんど家事も料理もしたがらないくせに。何よッ!





満面の笑顔なんかで、ガキんちょどもを相手してるワケ!?





わけが分かんない!!





あの〈仏頂面〉は、全くの別人格だわ!





『あひる保育園』





アタシは、とっさに物陰に隠れた。だけど、そんなのオカシイ!って思いついて表に出た。





足は仁王立ち。





見上げるは、保育園の看板と正面玄関。





《あひる保育園》て、看板には書いてある。





アタシは、やおら正面の重い門扉のカンヌキを外し(大人くらいの背丈なら外から簡単に外せるタイプ。おそらくはチビ共が脱走しないためのロックに過ぎないのかな)





中に侵入した。恐る恐る。





すると、園庭にいたテツジとわりとすぐに対面することになった。





テツジの表情!





オカシイの!





困ったのと、照れてるのがすごく良くわかるんだもん!





「…ッなっ、何だよ!お、お前、具合はいいのかよ?!!」





明らかに動揺を隠せない感じ!





アタシは、ひと呼吸おいてから聞いた。努めて冷静にね。





「テツジこそ、何よ!そ〜んな可愛いエプロンなんかつけちゃって!」





アタシは、別に馬鹿にしたり、呆れたわけでもなかったつもり。だけどね。





テツジは違った。





「俺は、別に隠してた訳じゃねぇゾ!」





なんて、開き直ってる。

半分怒りながらね。





アタシは、もっと何か言ってやりたかった。『ウチでの〈めんどくせぇ〜〉はどこ行ったの?!』だの『その、とろけそうな笑顔は何?!』ってね





だけどそれは邪魔された。





〈可愛い〉チビ共に。





『おままごと』





『おねーちゃん、あそぼ!』





アタシは、3〜4才くらいの女の子にいきなり手を引かれ、園庭の片隅の〈ある場所〉に連れて行かれた。





そこは、遊具に隠れた程よい木陰で、可愛らしいピクニックマットが敷かれ、ままごとセットがきちんと並べられてた。





アタシは、テツジに問い詰める間もなく子どものペースに巻き込まれたの。有無を言わさずにね。





「はい、おねーちゃんが〈赤ちゃん〉よ。ミルクとごはんの時間よ…」





アタシが、その〈あさみちゃん〉と遊び始めると、他の女の子やら男の子も混じって〈ままごと〉は結構賑やかなものになった。





保育士さんに注意される最後の頃には、〈仮の家族〉は10人の大家族にまで増殖してた。





    * * *





『胎教』





ネットの情報も役にたつんだけど、アタシは一冊のマタニティー本を買った。





買ってもらったっていう方が正しいかな。





テツジも一緒に書店に付き合ってくれた。





お父さんより年下だけど、お父さんより老けて見えるテツジは、はたから見たら何歳に見えるかな。





やっぱり〈親子〉?





…“お母さん”の妊娠に、父子で勉強のためにマタニティー本を買いに来た…みたいな。





今思えば、福祉課の人が何で、お父さんの弟であるテツジにアタシを託したのか理解できる。





〈保育士〉なら安心。ーそんなとこかしら。





だけど、子どもにかいがいしいテツジは仕事場でだけ。実際家庭では、なーんにもしない〈ぐーたらパパ〉だったけどね。





だけどね。





嬉しかった。





他人にどう見られようが、一緒に本を買いに行ってくれたテツジ…





アタシ、どーかしてる。





アタシ、アタシ……





テツジが好きみたい。





こーんな、だらしない男!





お父さんとは正反対の人!





優しい時は、ものすごーく優しくしてくれたお父さん……





ねぇ、お父さん、アタシ、テツジのこと、愛しちゃってもいいかな……





テツジは、





何て言うかわかんないけど。





『胎教2』





だって、マタニティー本に書いてあったのよ。





《妊娠期間中は、心穏やかに過ごしましょう》ってね。





アタシは、アタシの《心の平安》のために、テツジに告白をする。





テツジの返事が『NO』でもかまわない。





アタシ、このまま黙っていたら、気が変になりそうなんだもん!





決行は、今夜!





晩ごはんの時!





      * * *





ドキドキ……





トクン、トクン……!





落ち着かない。





鳴りやめ!アタシの心臓!





テツジが、アタシの作った茶碗蒸しに息を吹きかけ、汗ダラダラでパクつこうとした瞬間、アタシは、告白を決行した。





テツジは、アタシの放った一言に、心臓が飛び出しちゃうくらいに驚いて、茶碗蒸しの茶碗をひっくり返し、目をむき出して聞いた。





「ッあちッ!!…てか、何だって?!」





アタシは、あわてて台所から濡らした布巾を持って駆けつけ、テツジの焼けた手を包んだ。





そして、今度はさっきよりもっと真剣に言った。





「ねぇ、テツジ、アタシを抱いて?」





ねぇ、だってそれしかないでしょう?





アタシの心の平安は、〈セックス〉からしか得られないんだもん。





『胎教3』





「…ッちょ、待ってくれ。何で急にお前は、そんなことを言うんだ?!」





「アタシ…アタシ…テツジが…好き!抱いてくんなきゃ死んじゃう!」





アタシの手には、いつの間にか包丁が握られてて…





アタシは、その刃先を自分の喉に突き立てた。





わかってる。





こんなのは、気狂い女のバカなパフォーマンスだって。





テツジは、そんなアタシを見て黙ってる。





黙ってるテツジは、一生懸命頭の中で言葉を選んでるの。たぶん。





テツジは、そんな人。





そんな、〈いい人〉をアタシ、困らせてる。





わかってる。





テツジは、変態でもロリコンでもないって。





そんな、ノーマルなテツジがアタシなんかの願いを叶えてくれる可能性は、





ゼロに近い…





『胎教4』





「…ったく!お前は命を粗末にするなッ!」





気づいた時には、アタシは背後をとられてて。





で、あっさり奪われちゃった。包丁。





「あッ!ひきょーもん!」





アタシはうろたえる。





もう、テツジを脅す物は何もない。





そんなアタシに、テツジはため息つきながら言った。





「あのなァ、えみ」





そこで言葉を切ってからテツジは言った。





アタシの目を真剣に見つめながら。





「俺は、お前を抱く気はねぇよ」





ほぅら!やっぱり。





「お前が、俺に見合う年齢だったら、全然悩まねぇでお前を抱いてやる。…ただ…拓哉みてぇな真似は俺には、どうしたって無理だ。お前には悪いが」





「………」





そんなのはわかってたよ。でも、キッツイなぁ〜…直に言われると。





「………フン。そー言うと思った。いーよ。どっかその辺で見繕ってどっかのオジサンに相手してもらうからッ!」





勢い。





馬鹿なアタシは、その気もないのに、口走った。





もう後には引けない。





「…えみ…」





テツジの哀しそうな瞳…





だけど、テツジはアタシを抱いてはくれない。





『寂しくなんかない』





アタシは、テツジがごろ寝でテレビを見てる間に、フラッと外に出た。





もちろん、〈どっかのオジサン〉に相手してもらうためじゃない。





ただ、家にいたくなかった。





テツジと同じ部屋の空気を吸うのが苦しかった。





テツジは何も思わない。





アタシだけが熱くなってるの。





バカみたいじゃない?





アタシ、お父さんが死んじゃってから、誰にも抱かれてない……





セックスがしたいんじゃない。





誰か、アタシをギュッて抱きしめてくれないかな…





ただ、抱きしめて『えみ…』って呼んで、熱い瞳で見つめてくれないかな………





      * * *





アタシは、夕焼け空を眺めながら川原にたたずむ。





別に寂しくなんてない。





お腹には、お父さんの子。





アタシは一人じゃないから。











『知らないオジサン』





暮れゆく土手で川と街をボーッと眺めてたら、本当に知らないオジサンが声をかけてきた。





「キミ、一人かい?…」





アタシは、とっさに近寄って来たオジサンの品定めをする。





スーツ姿のその人は、真面目そうな仕事帰りっぽい会社員といったところかしら?





「うん、一人。オジサンは?」





「もちろん、見ての通りサ」





オジサンは、ニヤッて笑ったから、アタシの背筋がゾクッてなった。





「暇ならサ…」





何て言うのかな。





「オジサンと…」





この人もやっぱり…?





「少し話しとかしてもいいかな」





ガク。





…でも、悪い人じゃなさそう…





アタシは、今出会ったばかりの名前も知らないオジサンと〈話し〉とやらをすることにした。











『知らないオジサン2』





オジサンは、白石さんて名乗った。





年齢は50代くらい?





アタシとオジサンは、土手の草の上に並んで腰かけた。





「えみちゃんは、悩みでもあるの?」





アタシも一応名前を教えちゃった。





「うーん、あるけど、ちょっと簡単には言えない感じ?」





「…う…、そっか。そうだよな…」





「それよりサ、白石さんの方が悩みありそうじゃん?」





「…わかる?…キミ、年齢の割にオトナなんだね」





それから、アタシは白石さんの悩みとやらをフンフンと聞いてあげたけど、アタシは白石さんが言うほど全然オトナなんかじゃない。





だってアタシ、白石さんの会社や家庭での悩みなんか、てんで興味がわかなくて、アクビを堪えるのに必死だったもん。





「あっ!ゴメン!僕ばかり喋ってたね!退屈だったろう?…それに、もう暗くなるし、キミも家に帰らないとね…」





白石さんは、自分の悩みをアタシに聞いてもらったことでスッキリしたみたい。本当〜に、〈聞いてただけ〉だったんだけど。





しかも白石さんは、思ったよりいい人だった。





男はみんな、オオカミなんて嘘ね。





それからアタシは、白石さんと別れて、いったんは、テツジのアパートとは逆の方に歩き出したんだけど





やっぱり引き返すことにした。





途中で、血相変えたテツジが走って追って来ないかな。とか、白石さんと喋ってる時にテツジが跳んできて、白石さんを殴ったりしないかな…





って想像してたのに、全然それらしいことは起こらず、アタシはすんなり家に帰った。





「……」





アタシは黙って玄関扉を開けて、サンダルを脱いだ。





そしたらね、いたの。





玄関に仁王立ちのテツジが!





「…あ、ただいま…」





思わず言っちゃったわよ。





そしたら、





「お帰り」





仏頂面のテツジが低い声で答えた。











『目眩』





仁王立ちのテツジが、静かに怒ってる。





それが手に取るようにわかる。





だって、顔が怖いんだもん。





テツジの顔は、オッサン顔だから、無表情だと余計迫力がある。





綺麗な顔してた兄とは全然違う……





ま、そんなことはどーでもよくて。





怒ったテツジ。





何を言うのかと思ったら。





何ンにも言わないで、自分の部屋に行くと、ピシャリ、襖を閉めちゃった!





こ、怖い!





アタシ、テツジを傷つけた?…





でもね、テツジ。





アタシ、テツジが平手打ちくらいしてくれるの待ってたよ。





身構えて、覚悟して帰って来たんだよ?





その晩のこと。





アタシは眠る。





自分の布団で。





そこに、怒ってる続きのテツジがやって来て言った。





「そんなにセックスがしたいんなら、抱いてやるよ!メス豚め!」





テツジが、アタシの掛け布団を剥いで、勢い良くアタシの上にのし掛かってきた!!





ヤだようッ!!





こんなのレイプじゃない!





アタシ、テツジとはもっと違った愛し方したかった………!





アタシは、お父さんとのセッ〇スを思い出して恐ろしくなった。





乱暴に扱われる恐怖。





と共に、それを待ち望んでる自分にも嫌悪を抱くの!





イヤなハズなのに、





悦(よろこ)んでる……?





信じたくない。だけど紛れもない、事実。





そして、もうひとつ信じたくない事実がコレ!





さっきから、獣のようにアタシのパジャマを引き裂いてる、馬鹿な男……!





テツジは、アタシの首筋に唇を這わせ、アタシはその刺激に身体を震わせる……











『幻想』





アタシは思わず叫ぶ。





「…ッイヤ!…ひどくしないで!」





「チッ!そう言いながら、悦(よろこ)んでんのは誰ダ?!」





「…ッ!そんな!アタシ、よろこんでなんか…!」





そこでキスされた。





舌を差し入れかき混ぜる、深いキス!





「ッヤだよぅッ!…イヤイヤ!テツジ…!」





そこで、起こされた。





テツジに。





「…ゴホン!…ああ…うなされてたから、起こしたゾ。変な夢見てンじゃねぇぞ」





心なしか、顔、赤くない?…テツジ……?





そう言うと、テツジはアタシの頭をクシャクシャって撫でると、又行ってしまった。自分の部屋に。





アタシは、呆気にとられて自分の寝てた場所を眺める。





確かに、いつものアタシの部屋だ。





…………アタシ、いつから夢見てた?………





どっからが、夢……?





アタシ、テツジに抱かれる幻想を見ながら、めっちゃ濡れたよ?





テツジ…!!!





アタシ、もう、限界……かも………











『現実』





どんなに現実離れした夢を見ても、朝は必ずやってくる。





気まずくアタシ達は朝食をとると、それぞれに仕事と学校に向かった。





     * * *





通学途中でしーたけに声かけられる。





「…なぁ、えみ。お前、太ってきたんじゃないか?」





よかった…。





〈アノ件〉以来、話ししてなかったから。





けど、あんま良くはないか。





この、お腹の子の説明をいつかはしなくちゃいけない。





学校にも。





コイツにも。





体育も、いつまでも休んでる理由がいる。





     * * *





福祉課の坂瀬さんと産婦人科に行く。





いつもの定期検診。





すっ………………………………ごく!イヤ!!





何がイヤって、全ッ部イヤ!











『現実2』





診察室のベッドに横たわり、食べ過ぎた時以上に膨らんだアタシのお腹をさらけ出してエコー検査……は、まあまあ好き、かな。





アタシとお父さんのベビーに会える気がして。





それに、前回より成長してるのが目に見えて嬉しい。





それに、ピコピコ動いて、『ああ!生きてるんだなぁ!』とか、思うし。





お腹に塗りたくられるゼリーみたいなのがちょっと嫌だけど。





だけど、アタシの一番イヤなのが、足を大きく開かされてアソコを丸見えにしてする〈内診〉?





あれは、毎回抵抗がある。





下に履いてる物を全部脱いで、自動で動く椅子に座らされ、機械的に足が左右に開いていくの。





一番最初は、スッゴいパニクっちゃって、看護師さんに身体を押さえられたりしたっけ。





5ヶ月を越えた今はもう慣れたけどね。





産科の先生も最初は驚いたり、戸惑ってたみたいだけど、今じゃ他のお母さんに接するのと同じに扱ってくれてるみたい…多分。





だけど、さっきの内診。カーテンで仕切られて、先生や看護師さんの姿は見えないけど、





やっぱりイヤだな。





何でかって、アタシのアソコに先生が手を入れたり、何だかわかんない金属のロート?みたいなのを突っ込まれたり、長いピンセットにつけた薬付きの綿でアタシの中をかき混ぜたりすると……





アタシ、





アタシ……





感じちゃう……!





愛液がいっぱい流れ出てくるのが自分でわかる。

アタシ、結局誰でもいいの?だとか、





いやらしい子だって思われてる…だとか、いやいや、こんな年齢(とし)で孕んじゃうくらいだから、エロい子だってとっくにバレてんだけど。





そんな諸々を考えちゃうワケなの。











『現実3』





そろそろお腹も目立ってきて、いよいよ〈世間〉にアタシの妊娠を知らせなきゃいけなくなってきた。





特に学校。





アタシがそれを考えてる頃、テツジも同じことを考えてたみたい。





ふんわりしたスカートだけじゃ隠しきれなくなったの、いよいよね。





疑問を持つ人がこれ以上増える前に、こっちからしないとね。〈宣言〉てやつをね。





      * * *





「なぁ、えみ。お前の腹、目立ってきたな。……行くか?…学校…」





「…う、うん…」





気が乗らない返事。





あれから、何となく気まずいアタシ達だけど、どうにか生活してる。





アタシは〈愛〉が欲しかったけど、テツジの〈何にもしない愛〉で今のとこ満足してる…っていうか、満足することにしただけだけど。





テツジは、アタシを抱いてはくれないけれど、一緒にはいてくれる。





ママが刑務所にいる今は、〈家族〉と呼べる人はテツジだけ……





      * * *





いよいよだ。





アタシは〈世間〉の好奇の目に晒される。





わかってる。





それは多分、イバラの道。





でも、アタシが選んだ唯一の、道。











『現実4』





「他の子ども達に悪影響です!断じて堕胎(お)ろしてもらいます!」





PTA会長の阿部さんが声高に叫んでるのが耳に飛び込んできた。





福祉課の坂瀬さんも一緒に来てくれたんだけど、





テツジと坂瀬さん、それに校長先生、教頭先生、保健室の先生、学年主任の先生、それとPTA会長…っていう大人の面々が会議室で難しい顔して話し合いの最中。





アタシは、同じ部屋の隅の席に座らされ、かやの外。





だけどその叫びで、先生やPTA会長達は、一斉にアタシへ視線を集中させた。





アタシは、黙って立ち上がり、





「アタシの赤ちゃんです!絶対、産みます!」





一同シン…となる。





けど、やっぱり口を挟んできたのは、阿部さんで。





「…ッそんなこと言ったって!あ、あなた、自分が何歳か考えなさい!!け、汚らわしい!子どものくせにッ!に…妊娠だなんてッ!」





阿部さんは興奮し過ぎて真っ赤になってる。





倒れちゃうんじゃないの?ってくらい。





そこに、坂瀬さんが静かに言った。





「今日は、産む産まないの相談では来ていません。学校側に知っておいて頂きたくて伺いました」





「…え…でも…」





阿部さんは、まだ何か言いたかったらしいけど、今度はテツジが言ってくれた。





「コイツは、絶対産むつもりです。頑固ですから」





最初、先生達は、坂瀬さんと現れたテツジを、アタシのお腹の子の父親と勘違いして、白い目で見た。





けど、説明して理解してもらった。











『現実5』





『〇学生妊娠!』のニュースは瞬く間に学校はおろか、町内全域にまで拡がった。





アタシは、大人からも子どもからも好奇の目にさらされた。





『お前、“ママ”なんだって?ヤりマンだな』





……なんて露骨に罵声を浴びせるのはまだいい。





一番、クるのが、〈目線〉。遠慮ない軽蔑の眼差しと、聴こえるか聴こえないくらいの囁き。





でも、平気。





そのくらいのことは想像できてたから。





アタシの心を一番に占めるもの、それは





〈愛〉。





〈アイ〉を欲してる。





お父さん……





生き返って、アタシを無茶苦茶に抱いてッ!!





      * * *





なんてね。





そんな愚かな願いを抱きながらも、お腹の子は順調にスクスク育っていった。





もう、だいぶアタシのお腹の中で活発に動いて自己主張してる。





嬉しい。











『幸福』





「ねぇ、テツジ、アタシのこと抱いて!」





わかってる。それがテツジにとって、本当に嫌なことだって。





わかっててアタシは言う。





「ねぇ!お願い!ギュッてするだけでいいの!」





テツジの困惑した顔が急に優しくなった。





「なんだ…泣いてんのか?馬鹿だな…」





アタシは、もう我慢できなくて、テツジのお腹の辺りに突進した。





「おいおい、腹の子が驚くゾ」





なんて言いながら、テツジはアタシを膝に乗せて〈だっこ〉してくれた。





「…そっか…こんなことでよかったんだな」





テツジが優しい。





いつもつっけんどんな人と同じとは思えない…





アタシは、久々に酸素を吸えた、そんな心地がした。





そうよ。





セックスなんていらない。





熱いテツジの腕の中、お父さんのぬくもりを思い出したり否定したり……





テツジは、煙草の香りがしない。





その代わり、汗と男の匂いがする。





ドキドキ…





だけど、どうしても考えちゃうの。





テツジは、どんな風に女の人を抱くんだろうってね。





      * * *





その日を境に、〈だっこ〉はアタシ達の習慣になった。





アタシは学校であったことを話したり、もう頻繁に動きまくる赤ん坊を触ってもらって、二人で馬鹿みたいに笑ったりした。





………アタシは、この瞬間が本当に幸せなんだと思った。





心の底から……











『幸福2』





「ッコラッ!!え、えみ!変なとこ触んなッ!」





「…ッハッ!…ゴ、ゴメン!つい…」





「〈つい〉で胸とかいじるなよ」





「だってぇ〜、テツジの胸板そそる」





「…ダァッ!いいか、今度変なことしやがったら、もうギュッてしてやんねぇからな」





「ええッ!そんなのヤダ!アタシ、アタシ、これがないと生きてらんないもん!」





「…ったく〜。大袈裟な奴だな」





テツジは、困った顔をしながら大きくため息ついた。怒ってはいないみたいだった。





「大袈裟なんかじゃないよ…テツジの腕の中、落ち着く……」





アタシは、自分の頬をテツジのたくましい胸にうずめた。同時にテツジの胴にも腕を回してギュッと力を込める。





「…ッ!お、おい…!」





テツジが困ってる。だけど、この手は離してあげない。





アタシは、テツジの匂いを胸いっぱい吸い込んだ。











『母心』





「えみちゃん、赤ちゃんのために、食欲無くても、ちゃんとごはん食べてね」





いつもの検診で顔馴染みの看護師さんに声かけられた。





そんなのわかってる。





けど、本当にこの所、健やかに育ってきたベビーに胃を押し上げられて、すっごくムカムカして食べられない。





…のに、お腹の子はスクスクと順調に育ってる。





そう、まるでエイリアンみたいにアタシに〈寄生〉して、アタシから栄養を奪ってるんじゃないかって時々思う。





そんなこと、思っちゃいけないのはわかるんだけど。





でもだからこそ、たのもしい。





出来損ないのアタシに宿った〈魂〉には、エイリアン並みにどんどんアタシから養分を抜き取って大きくなってほしい。





そして、無事に産まれてくれたら、それだけでいい……





なぁんて、母心、かな?





母心といえば、ママ、どうしてるかな……





アタシを罵倒したママ……





でも、アタシっていう子がママのお腹に宿った時、きっと、嬉しかったよね?





アタシは、そう思いたい。





だって、アタシが今、すっごく幸せだから。





不安や心配や、怖さはある。





だけど、何よりアタシは、〈この子〉に会いたい!





そして、思うの。





無事に産まれてほしい。





その次には、





ぜひとも、お父さん似の可愛い子でありますように……って。











『学校』





妊娠8ヶ月にもなると、お腹は重いし目立つしで、アタシは学校に行ったり休んだりが続いた。





不思議なことに、休み出すと、それまで普通に行けてた学校に行くのが嫌になる。





体がダルかったりすればなおのこと。





で、〈産休〉をとることにしたの。





ちゃんと〈休み〉の申請をすると、アタシは少しだけ気持ちが楽になった。





知識や運動その他のことを考えると、学校には行くべきだと思うのだけど、アタシが甘えた。





テツジに。





テツジは、『しょーがねぇなぁ…』なんて言いながら、アタシのワガママを聞いてくれた。





学校に行かなくなると、すごく長い時間を持て余した。





大体は、テレビを見たり、寝て過ごした。





なので、アタシのベビーはますます順調におっきく育っていった。





…というワケで今は、運動不足とベビーの〈成長過多〉予防のために、テツジと〈散歩〉に出かけるのを習慣にしている。





だけど、日中は避けてる。人目が多いものね。





だから、夕方テツジが仕事から戻ってきて、夕ごはんを食べたら出かけるの。





いい夕涼みと腹ごなし。





それでも、アタシみたいな子どもが〈妊婦〉ってわかると、通りすぎ様、イヤな顔されたり、主婦通しで囁くのが耳に入る。





『まぁ!イマドキの子どもは恐ろしいわね…』云々……





なんで、アタシが悪く言われなくちゃいけないの?アタシは被害者よ!……とは思いもすれ、





それよりもツライのが、一緒に歩いてくれるテツジが白い目で見られること。





中には、露骨にテツジに向かって野次を飛ばす奴もいて(サラリーマンとか)、そんな時はアタシ、テツジに聞くの。





「ゴメン…テツジ…イヤな思いさせて……帰ろうか?」





って。でもね。





「ばぁか、気にすんな。お前が豚になるよかマシだから」





なんて、憎まれ口をききながら『二ッ』て笑うのよ。





アタシ、アタシ…





キュンてなって、テツジの太い腕に抱きついちゃうの。





そんな時には、テツジは本当に困って恥ずかしい顔するの。





おっかしいの。











『お布団の中』





ぷくぷくぷく……





羊水の中のアタシのベビー。何考えてるかな……





きっと、アタシが思うことは筒抜けね…





だって、アタシ達、へその緒で繋がり合って、すっごく近い間柄なんだもの。





ううん。一心同体って言ってもいいくらい。





だからこそ、怖くなる。





アタシが考える、いいこと、悪いこと、エッチなこと……





みぃんな、この子にわかっちゃう?





だけど、考えることは止められない。





アタシは、ぽっこりお腹だっていうのに、テツジとエッチするのを夢見て妄想するの。





いけないことだってわかっててね。





      * * *





真夜中のお布団の中。





アタシは、昼間寝てるから、眠りが浅い。





すぐに目覚めて、自分の体やお腹を触って落ち着こうとするのだけど、収まらない。





…んで。





自分の体を触るだけじゃ、このもやもやが消えないから。アタシは、





テツジの体に触るの。





イビキかいてグッスリ眠るテツジの、最初は肩や腕や、そういうとこをそっと触って目覚めないから、





アタシはそうっと、





テツジの股間に触れた。





布越しに。





それでも、テツジは目が覚めない。





アタシは、尚もテツジのアソコを撫でるのを止めないでいたら、





起きたの。





テツジの〈分身〉が。





ムクムク大きくなる、テツジの分身。





目覚めないテツジ。





アタシの喉がゴクリってなった。











『お布団の中2』





ゴクン…て鳴ったアタシの喉。その次は、アタシは知らず自分の唇を舐めてた。





〈獲物〉を見つけた獣のように。





〈標的〉は、テツジの股間…





アタシは、ムクムクと成長を遂げたテツジのそれが、どんなか、見たくてたまらない気持ちが抑えられなくて。





アタシは、テツジの短パンをずり下げた!





テツジは起きない。





上を向いたアレが、短パンに引っ掛かって、すぐに下げられなかった。





テツジの息子は、一回引っ掛かって、それからピョコリと顔を出した。





眠ってるせいか、完勃ちじゃなかったけど、おっきい。…以前(まえ)お風呂で見た時よりも。





それに、お父さんのもおっきかったけど、それ以上だと思った。





もう、それを見ちゃったらアタシはもう我慢がきかなくて、考える前にしゃぶりついてた!





罪の意識がなかったわけじゃないのよ。





でもね、アタシは、テツジのそこを、おいしいアイスキャンディーか何かみたいに舌で大きく舐めちゃった!





起きないテツジ。





でも、テツジから吐息と呻きが漏れた。





「うう…ッ…」





尚もテツジのアソコを舐め続けるアタシ…





…すると。





アタシの口から突然、テツジのアソコがいなくなった。…と思ったら…





テツジが、ガバッて起きて、天井の蛍光灯のヒモを引っ張って灯りをつけた!!





「キャッ!」





思わず上げたアタシの悲鳴にテツジは、





「”キャ“じゃねぇ。キャーって言いてぇのはこっちだ」





テツジが怒ってる。





「だってぇ〜…」





アタシが口を尖らせて言い訳をしようとしたら、





テツジは、急に優しくなって、





アタシの頭を撫でた。





そして、天井の蛍光灯を消すと、





「えみ…ごめんな…。拓哉のせいでお前をこんなエロガキにしちまった…」





アタシに謝ったの。





もちろん、アタシはそれには納得がいかなかった。











『お布団の中3』





「…お前をこんなにしちまったのは、俺の身内のせいだ。お前は悪くない」





そう言い切ってから、





「俺はな、お前に〈恋〉を知って欲しいんだ。…人を好きになって、それから相手にも好きになってもらって、相思相愛だ」





「〈ソウシソウアイ〉?…」





アタシが不思議そうな顔をしたんで、テツジが頭を抱えた。





「ダアッ!お前は、体ばっかダロ?まず、気持ちが大事だって言ってんだ!」





それでも、アタシはピンとこない。キョトンとして、暗闇のテツジを見る。





テツジは、そんなアタシを胸に引き寄せて頭を抱いた。





トクトク……





テツジの心臓の音がする。





「アタシ、テツジが好きだよ?それじゃダメ…?」





「ああ、まだダメだ。お前は、錯覚してるだけだ。本当の恋なんかじゃねぇ」





「ちぇ〜」





アタシは、唇を尖らせた。





「今日のとこは、こーして抱いててやるから、黙って寝ろ」





テツジは、優しい。





だけどね、アタシは思うの。





アタシが目覚めさせた〈息子〉の処理はどうするんだろってね。





だけど、アタシは、背中に当たるテツジのぬくもりに徐々にまどろんで、いつの間にか眠りについちゃった。





テツジがその後、どうしたかなんて知らない。











『愛じゃない』





〈恋〉なんて知らない。





いや。





遥か昔にそんなのしてた気がする。





担任の秋月に。





すっかりフラれちゃったけど。





まぁ、悪いのはアタシだし、仕方ない。





別にお父さんのせいだけじゃない。





アタシが、〈ヒトの心〉ってやつを知らなかっただけ。





…ってことは、





テツジの言ってることは間違っちゃいないってワケね。





アタシは、恋を知らない。





そして、本当の愛も。





激しく相手を欲して、相手からも激しく求められるの。





まぁ、それはまるで〈獣〉じゃないの!





そうよ。昔のアタシとお父さんの姿じゃない?





…でも、それはきっと違う。





テツジが言いたいのはそういうことだと思う。





思い出したくない、昔のアタシ達。





ケダモノみたいに愛し合ったけど、それはきっと





愛、じゃなかった……











『発情期』





昔、ママの友達だっていう女の人のマンションに泊まりに行ったことがある。





その人の家には、ペットOKなのか、一匹の若いメスネコがいて、その子がちょうど発情期だった。





その人は、『この間も脱走してね…捜すの大変だったのよ…』って言ってた。





ネコは、アタシとママが泊まったその日も脱走した。





以前逃げた洗面所の窓には鍵をかけたのだけれど、今度は浴室の窓が開いていた。そこから逃げたらしい。





アタシ達が泊まった夜も、尋常じゃない鳴き方をしてた。





狂おしいほどに何度も何度も…





その時のアタシは、ちっともわからなかったけど、今ならわかる。





発情期の意味も。





どうして、男が欲しくて欲しくてたまらなくなるのかも。





人間の発情期は一年中なんだって。何かで聞いた。





ネコや他の動物達みたいに、時期は決まってないんだって。





だとしたら。





アタシが今、〈発情〉しててもおかしくない。





あの時のメスネコみたいに、アタシは〈男〉を求める。





〈恋〉なんていらない。〈心〉なんていらない。





お腹に命を宿しながら、アタシの心は、お父さんに抱かれてた時と何にも変わらない。





抱いてさえくれたらいいのに!





テツジ……





苦しいよ……











『闇夜のキス』





〈愛がいらない〉なんて嘘だ。





テツジに振り向いてもらえなくなったら、哀しい。





アタシが大きくなったら抱いてくれるって言った。





今じゃダメかしら。





ねぇ、テツジ。





アタシ、〈愛〉も〈セックス〉も両方欲しい。





ねぇ、テツジ。





もう、だっこだけじゃガマンできないよ…!





      * * *





「ねぇ、テツジ。アタシのこと……好きにならなくていいよ……」





「は?!お前、何言ってんだ?…」





「…あきらめた」





「えみ…」





テツジはどう思ったかしら。唐突なアタシの告白。





本当の気持ちとはウラハラな、アタシのセリフ……





本当は、『えみ、大好きだ。愛してる!』って言って抱きしめて欲しくてたまらない。





でもね、もうやめようって思った。大好きな人がアタシのために困ってるのを見るの、ツライ……





…そう思ったんだ。





今までとは全然違う態度のアタシに、困惑してるテツジ。





その時だった。





布団を敷いて、眠る前のひと時。





いきなり灯りが消えた。





外は豪雨。





停電らしい。





息をのむ、二人。





「あのな、えみ…」





テツジが何か言いかけたのに、アタシは。





抱きついた。





暗闇は怖い。





だって、この世界に自分だけしかいない気がしちゃう。





アタシは、ともかくも、目の前にいるはずの〈ぬくもり〉にしがみついた。











『闇夜のキス2』





「コワイ…!」





「えみ…」





なぜだか、アタシはその時、ガタガタ震えてしまってどうしようもなかった。





「テツジ!…コワイよ…!」





「……」





そんなアタシを、テツジはギュッと抱いてくれた。





アタシは、そのテツジの腕の圧力と温もりが嬉しくて、





このまま、二人が溶け合ってしまえばいいのに!…そう思った。





テツジは、違うことを考えたらしい。





「えみ…」





それは、あまりに意外で、唐突だった。





アタシの唇に何か、柔らかいものがそっと触れて、それはすぐに離れてしまった。





最初、それがキスだってわかるまでに数秒かかった。





でも。





でも!!





アタシは、飛び上がりそうに嬉しくなったの!





「テツジ…?!」





「…ご、ゴメン…」





「なんでッ?!何で謝るの?」





〈それ〉は、一瞬だったけれど、スッゴくアタシのハートを直撃した!





テツジの、意外にも柔らかな唇……震えてた…





「お願い…もう一回、もう一回だけして…」





アタシはもう、暗闇なのに怖いのを忘れた。





真っ暗なのに、時折一瞬だけ光る、稲妻の明かりでテツジの蒼白い顔が見えた。





「ねぇ…もう一回だけ…」





言いかけて抱きしめられた。





「えみ!すまない!…これじゃ、拓哉と同じだッ!…」





「ううん…!…ううん…違うよ!テツジはお父さんとは違うッ…!」





その後一瞬ためらいの間があって、





テツジは、今度は、さっきより数秒だけ長く、唇をアタシのそれに重ねてくれた…





もちろん、舌なんて入れずに、唇に唇を重ねるだけの





もどかしい、キス。











『闇夜のキス3』





それからしばらく、二人共何も言えなくて。





少ししてから、テツジが言ってきた。





「その…、もう怖くないか?…」





なんだ。





テツジは、アタシを怖がらせないためにキスをしたの?





「…うん…怖くない」





だけど、アタシはテツジのその優しさが嬉しくて、反抗的な言葉は何も浮かばなかったの。





「そうか…じゃあ、又抱いててやるから安心して寝ろよ?」





「うん…」





アタシは、たった今の出来事に、心臓がバクバクで、とても寝られないって思ったんだけど





やっぱり、テツジの温もりに包まれると





墜ちてゆくみたいに眠りについた……











『哲司』





テツジは考えていた。アタシをその腕に抱きながら。





(俺は一体どうしちまったンだ?…)





手を出すな。





それは、逢う前から決めていたことなのに。





初めて、アタシっていう連れ子と兄、拓哉の肉体関係の事実を聞いた時は、自分の耳を疑った。





ガセだと思った。





根も歯もない〈嘘〉だと。





だけど、淫乱なアタシを目の当たりにして知ってしまった。





愛する伴侶を見つけて一緒になった。





なのに、年端もゆかぬ連れ子にまで手を出した。





〈悪魔〉だと思った。





我が兄なれど。





兄は、見た目も成績も良くて、将来を期待されてた。なのに、就職が決まってた製薬会社には一日も行かず、土木会社に勝手に就職した。





両親からの勘当……





それから、しばらくしないうちに『同棲することになった。なんと、お前、グラマラスな年上ナースダゼ。おっぱいなんかバイ−ンダゼ!』





元気そうな、電話の兄の声。





けれど、テツジは気づいてた。





〈兄は無理をしている〉





それは、単なる勘みたいなものだったけれど、





何か酷い違和感を感じた………











『哲司2』





兄をただの気狂いだと思った。





こんな子供に手を出すなんぞ。





だが、実際本人に会い、一緒に暮らし始めてわかった。





普段は、どこにでもいる〇学生なのに、ふとした瞬間、色香が漂う。





ガキのくせに。





えみは、気づいてないが、俺はこうしてコイツを背中から抱いて眠る時、コイツの胸や腹を触る。





細心の注意をはらって。





兄と同じ罪を犯すまいとして、繰り返している。





情けない。





だからこそだ。





コイツを抱くような真似はしない。





絶対に。





………なのに、最近特に自信がない。





愛しくてたまらない。





コイツの髪の匂いを嗅いでるうち、抱きしめる以上のことをしてしまいそうになる自分が怖い。





自分で自分が信じられなくなる………!





俺は、いつかコイツを犯してしまうかもしれない……





「…地獄だな…」





聴こえるか聴こえないかの声で、テツジは呟いた……











『哲司3』





後悔。





何故、さっきはキスなど……!





初めて触れたえみの小さな唇。





コイツは、毎日俺に『抱いて!』と懇願してきた。





それは必死で、思わずこっちが堕ちそうになる。





つぶらな瞳は、情欲に燃え、潤んで……





こんなにも切望されて断る男がいるかってくらいだ。





なのに、一転。





『あきらめる』なんて言いやがる。





全く、女の言うことは謎だ。





えみに『あきらめた』と言われ、俺の中の〈何か〉が切れた。





えみ…!





お前は、何を思ってる?





お前は、拓哉を憎みながら、何故その身を削り身籠った子を産もうとする?





えみ……





俺は、お前がガキなんかじゃなかったら……!





どれだけ考えたか知れやしない……!











『赤いルージュの娼婦』





ママの鏡台の前で、ママが残してったメイク用品を眺める。





おしろい。マスカラ。アイシャドー。そして、口紅。





ママが大好きだった真っ赤な口紅をアタシは手に取る。





蓋を開け、くるくると容器を回すと中身がスッと出てくる。





アタシがママのメイク用品を触るのは、初めてじゃない。





小さい頃から何度となくいじって、その度にママに叱られた。





鏡に向かって口紅を塗るママの姿を毎日眺めてた。





何の気なしに真似をする。





今では、大分上手に塗れるのよ?





出てきた口紅の中身を直接唇に塗らないで、リップブラシで塗るの。





そうすると、厚塗りにならずに、しかもはみ出さない。





艶めいた自分の顔を鏡に映す……





アタシはなんとなく、着ていた衣服も下着も脱いで、ママのタンスのランジェリーを着ようと思った。





本当に何も考えてなかったのよ。





……なのに、そこへテツジが来た。





そう。





今日は、『ママのマンションにいます』ってテツジにメール打っといたから。





「えみ?なんだ?今日は、こっちで飯食うのか?まぁ、たまにはこっちも風通しとかないとな…」





そこで、こんなアタシをテツジが見た。





「おま…!何考えて…!」





とっさに、テツジの顔色が変わったのがすぐにわかっちゃった。





テツジは、少し赤い顔、してた……





「コラッ!こんなものは大人になってから…ッ」





テツジは、アタシの肩を押さえてティッシュでアタシの唇を拭おうとした。





その瞬間。





アタシは、テツジに抱きついた。





「テツジは、詠子が好きなんでしょ?あの人みたいに巨乳で色気ムンムンな女のことがッ!」





「おま…何言って…!」





「わかってるわよ。男はみんな巨乳好きなんだから!」





「どうしてそんなこと決めつける?そうとは限らんだろ?」





「…じゃあ、アタシを抱いて?妊婦のうちに!」





「ダメだ。お前が大人になってからって…」





「大人になる前に死んじゃうかもよ?」





「…ッ何言って…!」





そこで、アタシはテツジを押し倒した。





ママとお父さんがセックスしてたベッドの下、カーペットの上に。





フリルが適度についた淡いピンクの腰までの長さのランジェリー。





大人用だから肩ヒモが下がっちゃう。





テツジの上に乗っかったアタシは、赤いルージュの娼婦。





いつものアタシじゃない。











『赤いルージュの娼婦2』





「…ッ!おまッ!何する…ッ!」





「抱いてアゲル。…アタシがテツジを」





アタシは困惑してるテツジの胸を押さえ、起き上がれないようにしてから





テツジの顔に赤いルージュの唇を近づけた。





すると。





「…ッ?!…」





テツジがアタシの両腕をつかんで、体勢を逆にした!





「…この!こっちがどんだけ我慢してやってると思ってンだ!」





「…え…?」





「…このクソ…ッ!」





テツジは、抑えた声で絞り出すみたいに言ってから





アタシに口づけた…!





「…ッ!…」





アタシの赤い唇は、テツジの熱い唇にめちゃくちゃに乱された。





「…ッアッ!…ヤ…ッ!」





テツジは、タガが外れたみたいにアタシの唇や頬、首筋に口づけの雨を降らせた……





「…ッンッ!…テツジぃ!!」





アタシは、それ以上何も言うことができなくて





テツジのキスに、胸をのけ反らせて感じまくったの……











『赤いルージュの娼婦3』





スゴイ!

スゴイ!

スゴイ!





テツジがアタシを抱いてくれるんだ!





アタシは、アタシの体の上のテツジの体の重みが嬉しくて泣きそうになった。





アタシの心臓は、跳び跳ねるみたいにときめきがマックスになった。





…だけど…





「…ッんッ…ウゥ…!」





テツジの太い指がアタシの胸を強く握って、アタシの目尻から涙がにじんだ時、





テツジはなぜか、動きを止めた。





「〈ここ〉では抱かねぇ。家に帰ってからだ」





フイとアタシから離れると、アタシに背を向けた。





「…ッえっ!そんなッ!どこだっていいよ!」





アタシは息が上がって、ハァハァしながら訴えた。





だけども。





「そら、着替えろ」





テツジは、脱ぎ散らかしたアタシの服をアタシ目掛けて放り投げてきた。





「……」





アタシは、渋々ながらテツジの言うことをきいた。





だって、テツジの家に帰れば抱いてくれるって言ったから。











『玄関先で』





アタシ達は、テツジのアパートに帰ったとたん、玄関で抱き合った。





「…ッんッ!…んッ!…」





テツジに言われて、ルージュは落とした。





大人のフリも今はできない。





なのに、テツジはアタシをしっかり抱いて激しくキスしてくれた。





「…ッ!…ッふ…」





自然とアタシの目尻から涙が流れてきた。





頭が真っ白になる!





「…んッ!テツジぃ…!」





「ったく!こんなクソガキに俺が…ッ!」





テツジは、自分に腹を立ててるみたいだった。





けど、アタシには関係ないッ!





テツジが、アタシの着ていたものを全部脱がせてアタシの肌を大きな手でなぞる。





「…クソ!…こんな…綺麗な肌ァ、俺は汚すのか?」





「テツジ!アタシをめちゃくちゃにして!」





「ダメだ。お前の腹ン中には…」





「ン。じゃ、優しくしてね?」





「この小悪魔が!」





テツジの節くれ立った指が、アタシの両乳房をそっとさすり、乳首を撫でこする。





「…ッンッ!んッ!…!」





アタシは感じすぎてどうにかなりそうだった。











『熱い抱擁』





テツジにキスされると、どうしてこんなに感じちゃうンダロ……





「…ッンッ!…ンんンッ…!」





アタシ達は、寝室に布団を敷いて、本格的に抱き合った。





テツジも着ていたものを全部脱いで、同等になったの。





二人は生まれたまんまの全裸で熱い体と体を合わせた。





テツジも興奮してるみたいだった。





いつもは醒めた感じなのに、余裕がない感じ。





でも、それはアタシも同じ。





テツジがアタシの肌にそっと触れて、体中くまなく愛撫してくれるのが心底嬉しい!





テツジ?





『我慢してた』って言ったよね?





それって、テツジもアタシのこと抱きたくてたまらなかったってこと?





アタシのこと、





〈好き〉だったってこと…?











『熱い舌』





アタシは、テツジの熱い息と舌と、唾液を味わう。





テツジがアタシの舌を追うからアタシもテツジのを探す……





ペチャペチャと音たてながら、二人でキスに夢中になっていた…と思ったのに、急にテツジがアタシの唇を離して、





「…ったく!拓哉のヤツ!こんなガキにこんなキスまでしつけやがって!…」





て、言うからアタシは、





「今は、お父さんのことは言わないで…!」





って、悲しい気持ちになって言ったの。





「今、目の前にいるアタシのことだけ考えて!」





「…ッああ、そうだな…その通りだ」





テツジは、口だけでは納得したけど、やっぱりお父さん=兄のことに腹立ててる感じだった。





「…ン…テツジぃ…!」





そんなテツジをよそに、アタシの方は火がついちゃって……





……その…





ガマンがきかなくなってた。





今すぐひとつになりたい!





「テツジ!は、早くぅ!」





「ったく…しょうがないヤツだな…」





ため息つきながらも、テツジの顔も上気して息が荒くなってる。





テツジは、アタシの乳首、鎖骨、お腹…そう、お腹は特に優しく撫でて、謝った。





「ごめんな…ゆっくり挿入れてやるからな…許してくれ…」





なんて言うもんだから、





アタシ、アタシ、





アソコがジュワン…て、いっぱい濡れて、お漏らしみたいにエッチな液が太ももの内側に垂れて流れ伝うのがわかった。











『真夜中』





「…ッアッ…んッ!…ンッンッンッ…テツジィッ!」





「…ッえみッ!…」





アタシは、鼻から甘い声が出ちゃってもう止まらない。





「…ッアッ!アッ!アッ!ンッ…!」





テツジが挿入ってクル…!





…ムニュルルル……!





ググゥッと、テツジのおっきぃのが、アタシの体を押し開く!





「…ッハアッ!…」





「えみッ!…」





テツジは、アタシの名を呼びキスをした。





「…ッんッ!んんんッ!…」





スゴイッ!





アタシ達、ひとつになってるッ!





「……!!……」





「…ごめ…えみ…我慢…きかね…」





も、そっから先はアタシの記憶がない。





アタシは感激なのか、感じ過ぎなのか、『ズチュッ!ズチュッ!…』ていう音とぬるぬるアタシの胎内(なか)を擦るテツジのアレに圧倒され続けて





頭が麻痺したの。





ただただ、テツジの名を呼んでテツジに抱きついた。





たくさん涙を流して。





スッゴい興奮した。





……だけどね。





アタシが夜中に目を覚ますと、傍らにいるはずのテツジが暗闇の中、布団の端に座ってアタシに背を向けてた。





アタシは、テツジが頭を抱えて、ため息ついてるのを黙って見つめた…





見つめるしかなかった…











『ガキ』





翌朝は最悪だった。





朝食でテツジは何も言わないし、アタシ達、〈アイシアワナイ〉方が良かった?…





テツジは、仕事に行く時だけ、アタシにっていうか、アタシのお腹にそっと手をあて、話しかけた。





「大丈夫か?…痛み…とかないか?」





アタシが、





「別に痛くないよ?…気持ち良かった。へへ…」





て言ったら、テツジはものすごくイヤな顔?哀しい顔?をして、





「行ってくる…」





てドアを開け、行っちゃった。





アタシは知らなかったけど、アタシは〈ミス〉を犯してたんだ。





その時のアタシは、全く身に覚えがなかったんだけど。





アタシはテツジと抱き合えば、ラブラブになれるもんだとばっかり思ってた。





アタシは、浅はかだった。





テツジの思いや悩みになんて、てんで思い至らなかった…





だから、〈ガキ〉って言われても全然仕方ないことなんだ…





『帰宅』





テツジは、仕事から帰っても不機嫌だった。





帰るなり、出迎えたアタシの顔を見ずに『ダダイマ』って言うと、アタシを避けて洗面所に行っちゃった。





アタシは、なんだかすごく悲しくて、





「…ばかテツジ!…テツジのばかぁッ!」





て言って、立ちながら泣いた。





だって、本当に悲しくて。





テツジがずっとこんなだったら、ヤだよ!





「…ばかッ!ばかテツジ…」





アタシが玄関で棒立ちで泣いてたら、





手を洗ったテツジが戻って来て、そっとアタシを抱き寄せて言ったの。





「…お前な?…夕べ、『お父さん』て、何度も叫んでたゾ…『お父さん、スキ!』ってな…」





そこで、アタシはテツジから体を離してテツジを見上げた。





「嘘!?…」





「…本当だ。それも何度もな」





「……」





絶句。





アタシは、頭の中が真っ白になって、何も考えられない。





嘘!嘘!嘘!?





「…えみ、ごめん…お前のせいじゃないのにな…こんな体…妊婦にまでしちまった拓哉のせいだ。ごめん…





だけどな。俺はなんだかやるせなくってな、





お前を無視しちまった…





ハ!大人気ないのは、どっちだってンだよな?」





アタシは、テツジがまだ喋ってるのに、テツジに体当たりした。





抱きついた。





「テツジ!アタシが大好きなのは、テツジだよ!お父さんのことなんか、全ッ然!考えてなかった!」





て言ったら、





テツジは、今度はちゃんとアタシを見つめて、





「…ああ、わかってる…」





て言って、アタシをギュッと抱きしめてくれた。





テツジは膝立ちで身を低くして、アタシと目線を合わせてくれた。





「テツジ!テツジ!テツジ!…」





そこで、テツジはアタシにキスした。





おでこに。





「お前は、悪くない…」





〈悪いのは、拓哉だ〉って、その後が聞こえた気がしたけど、テツジは言葉を止めた。





テツジは、自分のことも責めてたんだ。





アタシを抱いた自分を、許せなかったんだと思う。





『幸せ』





アタシ達は、同じ布団の中、抱き合って眠った。





今夜はエッチはナシ。





だけど、横向きのテツジの腕枕で包まれるみたいに抱かれてると





本当に、息が吸える。





「テツジ…好き…」





「…ん?何ンか言ったか?…」





恐ろしく寝つきのいいテツジが、半分寝ぼけながら言った。





「テツジ…好きだよ…」





「……」





テツジは、寝たっていうことにして、アタシの愛の告白に何も答えなかった。





もしかしたら、本当に熟睡してたかもだけど。





それでも。テツジが返事をくれなくても、アタシはテツジの懐の中、もっとギュッと体を押しつけ抱きついた。





テツジ、好き…





今度は心の中で囁く。





テツジは、アタシを抱くことに罪悪感を覚える人だ。





こうして、抱き合って眠るだけでいいんじゃ……





いや!





そんなの、絶対いや!





今日は勘弁してアゲルけど、アタシは毎晩抱いて欲しい!





テツジ…





テツジの温もりがダイスキ。





だけど、テツジの太い〈男〉で力強くアタシを貫いて欲しい!





テツジのばかっ!





アタシとアタシのお腹の子をかばい過ぎよ!





もうすぐ、この子が産まれてきちゃう!





…どうか、その前にアタシと、赤ちゃん、両方を抱いて!





ね?テツジ。





アタシは、また、知らぬ間にテツジの温もりにヤられて、眠っちゃった。





アタシ、





シアワセだよ?





テツジ……





『陣痛』





〈死産〉の話しを聞いた。





いつもの健診の産婦人科待合室で。





他の妊婦さん同士の話しが耳に入ってきた情報だけど。





その人は、今度三人目を出産らしいんだけど、初産の時、10ヶ月お腹にいて順調だったのに、お産の時には、赤ちゃんはすでに死んじゃってたんだって……





アタシは、それを耳で聞いただけなのに、すごく恐ろしいと思った。





自分で経験した訳じゃないのに、頭から離れないの。





そして、思った。





無事に産まれてくれたらいいって。





産婦人科の待合室でも、他の場所でも、いろんなことを耳にする。





やれ、『男の子がいい』『女の子がいい』『予定外だった』云々云々……





だけど、みんな最後には、『五体満足なら、それが一番いい』って話しで終わるんだけど。





出産で、母体―母親―の方が死んじゃう話しも聞いた。





アタシは、何にも知らなかったから、不安ではあったけど、聞かない知らない方が良かったっていう情報もいっぱいあると思った。





何にも知らなかったら、何にも恐れることなく、お産に向かえるのにって。





でも、自然と耳に入ってくる。





それは、アタシが望んでなくても一番の興味だからかなって思う。





どうしたって、知らないことにはアンテナが立って、ピピッと情報をキャッチしちゃうの。





だからね、一番知りたくなかった〈お産は痛い〉っていう情報も、割と早めに聞いちゃったかな。





それに、テレビドラマの出産シーンもなかなか壮絶だもんね。





ただ、アタシは未経験故の楽観もあった。





知らないんだから、怖くない、何とかなるかな……みたいな。





だけど、今日聞いちゃった〈死産〉の話しはインパクトがありすぎだったな。





その会話をしてた二人のうち、死産の話しを聞いてた方の妊婦さんは、涙ぐんでたっけ。





アタシもショックだった。





これまで、流産や早産の話しは聞いたことがあったけど、10ヶ月お腹にいて順調だったはずの赤ちゃんが死んで産まれてくる……想像するには余りあるショックだと思った。





それまで、赤ちゃん用品とか、ばっちり揃えて夫婦二人で、その誕生を楽しみに待ってたんだろうに……





原因は不明なんだって。





世の中にこんな悲しいことってあるんだなって思った。





と、同時に、アタシは大丈夫かよ?!って一番に思った。





お父さん似の可愛い赤ちゃんがいいだの、男の子だ女の子だなんて、二の次だと思った。





無事に産まれてきてくれたら、それが一番。





世界中の妊婦さんの、一番の願いなんじゃないかなって。





   * * *





そんな心配と願いがごっちゃになってる時に、アタシにも遂にやってきた。





陣痛ってやつが。





まだ、妊娠9ヶ月のこの時期に。





『陣痛2』





この、下腹が重たい感じっていうか、腰がグウッて押される感じ?





これが陣痛って最初わからなかった。





その痛みというか、重たい感じは、最初微弱で、徐々に強くなって、おまけに間隔も定期的に早くなってきたからわかった。





そうだ。





これが、噂の陣痛ね。





アタシは、ともかくもテツジと、『いつでも連絡ちょうだいね』と言ってくれた福祉課の坂瀬さんに連絡をとった。





テツジが一番に飛んできて、産婦人科に電話してくれた。すぐに坂瀬さんも駆けつけて、アタシと三人でタクシーで病院に向かった。





診察の結果は、〈切迫早産〉。





赤ちゃんは、まだこの世に出てくるには早すぎるって診断。





…で、ついでに言えば、アタシの骨盤が小さいってことで、帝王切開は決定してるの。





なんでも、赤ちゃんの命を守るためなんだって。





アタシは、何にも知らないから医者の言いなりね。





ともかく信じるしかない。





んで。





切迫早産なんで、まだ産まれて来ちゃマズイんで、即入院てことになりました。





とりあえず、陣痛を抑える点滴につながれて、アタシは〈絶安〉=〈絶対安静〉を余儀なくされたってワケ。





『ママ友』





久しぶりの入院生活。





だけど、前の時とは状況が全く違う。今度のは、出産のための前向きな入院。





〈絶対安静〉って聞くと、なんだか大層だけど、要はベッド周りから出るなってことね。





まぁ、アタシは軽い方だからだけど。





本当にベッドに寝たきりの重症なママ達も同室にいて。





アタシは、ある妊婦さんに目をつけた。





それは、6人部屋で、アタシの斜め右に寝てるひとだった。





年の頃がアタシに近い感じの… まぁ言ってしまえば、〈子ども〉妊婦さんね。





彼女の子宮口は開いてしまっていて、それでもまだなるべく長く母体に赤ちゃんがいる方が良いってことで、子宮の入り口を風船みたいなもので蓋をしてるんだって。





彼女のベッドは、腰部分から高く上がって、赤ちゃんが出てこないようにしてるの。





もちろん、ベッドから降りることはおろか、起き上がることもNG。





そんな彼女―ありさちゃん―のベッド側(そば)で話をするのが、アタシの新しい日課になった。





本作品は、フィクションにつき、実際の名称等とは一切関係ありません。





『ママ友2』





彼女は、大野ありさちゃんといって、アタシより2つ年上の〇学2年生だった。





髪は背中までのストレートヘアで色白な美少女。





黙ってたらお人形さんみたいにおとなしそうに見えるんだけど、喋ったら意外とおしゃべりで明るい子だった。





ありさちゃんが言う。





「これは、えみちゃんだけに言うんだからね。他のひとにはけして言わないでね」





そう前置きしてから教えてくれたのは、ありさちゃんのお腹の子の父親、つまり〈彼氏〉のことだったの。





「この子の父親はねぇ…同級生なの。名前は聞かないでね」





『うん』て約束したけど、後で病室に現れたありさちゃんの両親とおぼしきしきひとたちに、そのことを問い詰められてたから、よっぽどの〈秘密〉をアタシに教えてくれたんだってわかった。





ありさちゃんは、両親にきつく何度も問いただされてたのに、頑としてだんまりを続け、ほとほとあきれ返ったって感じで両親は帰ってった。





彼女は、両親がいる時は窓の方を見つめて無表情だったのに、彼らが帰るや、アタシの方を見て舌べろを出した。





彼女いわく。





『このことは、墓までナイショ』なんだそうで、アタシは大変な〈秘密〉を教えてもらったことになる…。





だけど、〈墓まで〉っていうのは、『普通、一生胸に秘めることよ』ってツッコミを入れたかったけど、やめた。





そんなすごい〈秘密〉を打ち明けてくれたありさちゃんに悪いから。





『ママ友3』





「〈彼〉がね?『アタシに赤ちゃんができた』って言ったら、『学校辞めて働く!』なんて言うから、別れたの」





て、ありさちゃんは言った。





その、キッパリな言い方に後悔はないみたいだった。





スゴいな。





初めての出産なのに、不安じゃないのかな…





アタシがそのことを聞くと、





「そりゃ、アンタ、不安だらけよ。不安じゃないワケないじゃない?」





て、言われちゃった。





「…でも、なんか潔いって言うか…男らしいね」





て、アタシが言うと、





「…ン…。だって、〈むこう〉(彼氏のことね)の将来奪っちゃ悪いデショ」





そう言うと、ありさちゃんは『テヘ』って笑った。





「それよりサ、アンタはどうしたのよ?レイプ?」





困ったな〜。





ありさちゃんてば、サバサバし過ぎ!





でも…





アタシは、別に〈秘密〉でもないから、喋った。本当のこと。





「アタシは、お父さんと〈アイシアッテ〉この子ができたの」





言っちゃった。





そしたらね。





「はぁ?!それって、いわゆる〈性的虐待〉ってやつなんじゃないの?〈お父さん〉て、本当のお父さん?」





「ううん…。ママの…旦那さん。血は繋がってないの」





「そっかぁ…。でも、本当に愛し合ってたの?アタシと彼は、本気の〈愛〉だったけどね」





ありさちゃんは、胸張って言ったけど……





彼女のその質問に、アタシはすぐに返事を返せなかった。





アタシとお父さんは、〈本当にアイシアッテた〉の?……





アタシの困惑した顔を見て、ありさちゃんはすぐに話題を変えた。





「ま、そんなの、どうだっていいことよね?」





待って?ありさちゃん、スゴい大事なことだよ?って、思ったけどアタシは、そのコトバは呑み込んだ。





だって、





だって、怖かった。





〈そんなのどうだっていい〉。そういうことにしておいた方が、都合がいいみたいな気がして。





『ママ友4』





〈秘密〉のひとは、わりとすぐに病院に現れた。





その彼は、〇学2年生とは思えない体格で、顔も大人びたひとだった。





彼が病室に姿を見せると、ありさちゃんはとたんに顔色が変わり、こっちが心配する程に激昂した。





「な!何よッ!こ、ここには来るなって言ってあたはずでしょッ!?」





「…ありさ…」





そのひとは、とても哀しそうな顔をして、いったんは立ち止まったんだけど゛、怒るありさちゃんのそばにどんどん近づいてったの。





まだ怒り続けるありさちゃん。だけど、彼女は動けない。点滴でベッドに縛られてるし、ベッドから降りちゃいけないから。





〈彼〉は、周りの目に気がついて、ベッド周りのカーテンをサッと引いた。





カーテンの外に漏れる囁き声は彼のもので、大きな声はありさちゃんのだった。





『ママ友5』





「ばか祐希!アンタの顔なんか見たくないって言ってンでしょッ!」





「…ありさ…俺がどれだけお前を心配してるか、お前にはわかんねぇだろ」





「ッるさいわね!アンタがここにいたらマズイんだってば!アンタとは縁切ったんだから!早く帰って…!…ッふググ!…」





どうやら、ありさちゃんは、不覚にも〈祐希〉ってひとにキスされた模様…





『バチーン!』と、頬を張るスゴい音がして、





「ばかァッ!!早く出てって!!アンタの顔なんか金輪際見たくないんだからね!」





「ありさ…」





その後、うなだれた祐希クンは、頬に手のひらの跡をつけて、カーテンの中から出てきた。





同じ病室のひとがみんな聞き耳を立てて自分たちの様子を伺ってたのに気づいて、祐希クンは少し赤くなりながら黙って病室を後にした。





その後すぐに、ありさちゃんは長い棒で(カーテン開け専用ね)カーテンをサッと開けると、周りを一喝した。





「みんな!このことはナイショねッ!」





ありさちゃんのあまりの迫力にみんなは、黙って頷いた。





『えみ』





そんな騒動のすぐ後で、今度はアタシに見舞い客が来た。





テツジだ。





テツジは、仕事帰りで、手には自分の分のしょうが焼き弁当を提げて。





病院の食事が夕方6時だから、少し早い5時半。





「ああ…、一人で食うのはつまんねぇから一緒に食おっかな〜…なんてな」





「あ…、うん…」





アタシは、テツジに1日ぶりで会えて、すごく嬉しくて飛び上がりそうだった。





なのに、ありさちゃんが言った。





「何よ、アンタが〈噂のお父さん〉?へぇ〜」





「ありさちゃん!違っ…」





アタシが説明しようとしたのに、ありさちゃんは勝手に納得してテツジに冷たーい軽蔑の目を向けた。





テツジは、





「コイツに何聞いたか知らないが、俺はコイツの父親じゃねぇ。お嬢ちゃん」





その〈お嬢ちゃん〉が気に入らなかったのか、ありさちゃんはテツジに食ってかかった。





八つ当たりとも言う?





「じゃ、誰よ!嘘も大概にしなさいよね!アンタがしてることは、〈性的虐待〉よ!」





「何ッ!?」





怒るテツジ。コワイよ!





「あ、ありさちゃん!違うの!お父さんはね!…お父さんは…し、死んじゃったのッ!」





それは、ほとんど絶叫に近かったかもしれない。





『えみ2』





「ッえっ!そ、そうなの?…ごめ…なさい…!」





ありさちゃんは、本当にすまなそうに謝った。





「い…いいよ。大丈夫だから…」





だから、アタシはそう返事をするしかなかった。

まだ隣では、怒りの収まらないテツジが息を荒くしてたけど、ありさちゃんは聞いてきた。





「じゃあサ、このひとはダレなの?」





ありさちゃんは、切り替えが早いらしい。





だけど、その問いにテツジが、キレ気味に答えてしまう。





「その、〈性的虐待〉してた父親の弟だ」





「テツジ!…」





あああ、認めちゃうかな…普通…。ま、嘘じゃないけど…





「へぇ〜、ふぅーん…」





ありさちゃんが、さも興味ありげにテツジを上から下まで眺めた。





「で、アンタは?〈えみ〉とはどういうカンケイよ?」





ありさちゃん、いつの間にかアタシのこと呼び捨て…。いいけど、別に。





「ああ、お嬢ちゃん、アンタの察しの通り〈保護者〉サ。〈犯罪者の弟〉なのにな」





テツジ、珍しくありさちゃんに対してしつこく仕返し?してる…





「ふーん…一緒に住んでんの?」





「………」





アタシ達は、その質問になぜかしら答えをためらった。





本当になんでかしら…





それを見て、ありさちゃんは、





「あーら、一緒に住んでると、何かマズイことでもあるのかしらね!」





「ありさちゃん!?」





アタシは、どうしてもガマンできなくて叫んでしまった。





そこにテツジが割って入った。





「俺は、コイツのこと、愛しく思ってる。大事にしたいんだ」





きっぱりとテツジは言った。





「テツジ…」





アタシは、嬉しくて涙が出そうになった。





そんなアタシ達を見て、気まずくなったのか、ありさちゃんは、カーテン棒でサッとカーテンを引いて黙ってしまった。





カーテンの中からは、





小さく『何よ、何よ…!』て、声が漏れてきた。





アタシとテツジは、あっけにとられてしまって、目を合わすと二人で苦笑いをした。





『カーテンの中』





昼間は、各ベッドのカーテンも開けられオープン にしているものの、夜ともなるとそれぞれにカーテンを閉め、個室状態になる。





夕飯時は特に家族が見舞いに来たりして賑やかだ。





と、言っても大部屋なんで、その会話は遠慮がちだったけど。





「テツジ…」





アタシは、テツジと二人きりになれて思わずニンマリしてしまう。





なのに、テツジったら!





「なんだ、肉はやらねぇぞ」





なんて言う。





色気もなんもナシ!





それでも、アタシが無言でテツジに手招きすると、テツジはアタシのそばに来てくれた。





「…?…」





いくらカーテンで仕切っても、ここは病室。





隣に会話は筒抜けだ。





アタシは、おもいっきり小さな声でテツジに囁いた。





「テツジ…ありがとう…アタシのこと…」





そしたら、テツジは、





「えみ…ゴメン。大人気なかったな」





謝った。





アタシは『ううん』て、首を振り、テツジに向かって両手を広げた。





テツジは、黙ってアタシの腕の中に来て、テツジの広い胸にアタシを抱いて包んでくれたの。





「テツジ…」





アタシは、キスして欲しくて、テツジの方を向いて目を瞑り、口を尖らせた。





テツジは、一瞬困った顔をしたけれど、唇に『チュッ』と軽いのをひとつくれた。





そして、またアタシを腕の中に入れ、抱きしめてくれた。





テツジは、





「退院したら、もっとちゃんとしてやるから」





って言ったの!





アタシは、それだけでカーッて熱くなってしまって、頬が火照ってしょうがなかった。





『本陣痛』





それから、同室の他のママ達とも仲良くなったりしながら、アタシは〈その時〉を待った。





アタシは、廊下側。その前のベッドは馬場さんっていう三人目を出産予定の妊婦さん。





その隣は、竹下さんていう新婚初産の22才の可愛い妊婦さん。





そして、その横がありさちゃん。





彼氏とは、いまだもめてる最中。ま、まだ妊娠7ヶ月だから時間はたっぷりあるわね。





その反対側が、斉藤さん。寡黙な妊婦さんで、あんま喋ったことはないけど、いつも編み物をしてる。





その横、アタシのすぐお隣さんは高橋さん。二人目を妊娠。上が3才の男の子で甘えん坊で、お見舞いに来る度にお母さんに抱っこしてもらってる。





それから、アタシ。





男の子か女の子か、気になるとこだけど、あえて先生には聞かない。





産まれてからのお楽しみってことにしてる。





だから、テツジと相談して、ベビー服の色は、白か黄色にしてもらってるの。





あああ…





本当は、一緒にベビー用品を揃えたかったな…





『めんどくせぇ』が口癖のテツジに任すのは、いささか心配だけど、ま、退院してからでもなんとかなるかしらね。





…て、ところで、担当の先生から『明日点滴を外すよ。そしたら、多分陣痛が来ると思うから出産ね』と、軽く言われてしまった。





うっ!





なんでもいきなりやって来るものね。





いよいよやっと、この子に会える!





嬉しい反面、不安でもある。





いや、不安でしかない!





本当に大丈夫かな?…





麻酔や、手術が失敗して、『ハイ、サヨナラ』なんてこともなきにしもあらず。





ナムサン!





そしたら、そしたらよね。





思い残すことは、山ほどあるけど、成功することだけ考えようっと。





アタシは、帝王切開の出産。





まな板の上の鯉。





すべては、神様のいうとおり。





アタシは、お医者さんと看護師さんにすべてを任すことに決めたの。





…なのに、手術室に入る直前になってから





(あーあ、遺書書いとくんだった)





なんて、思いつくの!





もう、遅いんだって!





アタシは、全裸で手術台に仰向けに寝かされてから初めて、死んだお父さんを想った。





アタシをママの凶行から守って死んじゃったお父さん…





もしも、その魂がアタシのそばにあるのなら、





どうか、どうか、この子だけは救ってください!





看護師さんの、『良いですか?麻酔いきます。3・2・…』の後はもう、聞こえなかった。





『誕生!!』





神様、どうか、この世界がこの子にとって優しいものでありますように……!





    * * *





アタシは、麻酔から目覚めた。





夢も見ないほど、アッという間だったように感じた。





「あ!青井さん、元気な男の子でしたよ!母子共に順調です!」





若くて元気な看護師さんが、アタシの意識が戻ったのを見て教えてくれた。





そう。男の子だったのね。





看護師さん、『母子共に』って言ってた。





良かった…





無事で。





アタシもちゃんと生きてるし。





「あ、あの…赤ちゃんは?」





アタシは恐る恐る聞いてみた。





「ああ、後で先生からお話があると思いますが、保育器に入っていますよ」





「えっ!…大丈夫なんですか?!」





慌てるアタシなんか気にせず、看護師さんは落ち着いたもの。





「だーいじょーぶですよ〜。まだ、肺が未熟だから入ってるだけですから、なーんも心配しなくていいですから」





にこやかに教えてくれた。





だけど、顔を見ないと落ち着かない。





「あの…顔を一目見たいんですけど…」





「あー、青井さんお腹切ったばっかりですから、我慢してくださいねぇ」





あっさり断られてしまった。





その後、テツジも坂瀬さんも来て喜んでくれたけど、アタシだけは産まれた子の顔を見れないの!





はぁ〜あ…早く見たいな〜





『10年(エンディング)』





あれから、10年が経った。





生まれて初めての子育ては、そりゃ大変だったけど、テツジが育休をとってくれたりして、どうにかこなした。





産む前の不安は、産まれてからの忙しさですっかり飛んでしまった。おまけに、テツジが予想以上に子煩悩だったためにアタシは、何ンにも心配なく子育てと学業の両立がはかれた。





ただ、ひとつの心配事を除いて……





    * * *





〈あの人〉が出所して来る!





裁判では、〈子どもに性的虐待をした夫から娘を守る為犯した殺人〉という名目に収まり、求刑より少ない10年という刑期で出てくる。





アタシは、受刑中の〈ママ〉に一度も面会に行かなかった。ただ、テツジと坂瀬さんだけは近況報告に年に数回位面会に行ったって聞いた。





アタシからは、絶対ママの様子なんか聞かなかった。





何故って?





そんなの〈怖いから〉に決まってる。





一体アタシは、ママにどの面下げて会ったらいいっていうの?





    * * *





そんなアタシの元へ、恐れていた日がついに来た!





「ピンポーン!」





なんの感情もなく無機質に玄関チャイムが鳴る。





アタシと、息子〈拓斗(たくと)〉が玄関までお客様を出迎える。





重い金属製の玄関扉を開けると、

そこに立っていたのは―――





「こんにちは!〈たっクン〉!はじめまして!」





あれから10年が経過したなんて信じられない姿のママが、昔と変わらぬ色気と美貌で立ってた…!





「えみ〜、久しぶりね。元気だった?」





その、作った笑顔にゾッとして、アタシは思わず拓斗をアタシの後ろに隠した。





でも、いち早くそれに気づいたママが言ったの。





「あら、たっクンは拓哉にそっくりなのね」





真っ赤なルージュの唇が、舌なめずりをしたようにアタシには感じられて、背中に氷水をかけられたみたいに冷たくなった。





この子だけは、何がなんでも守らないと!





アタシは、強く心に誓った。





    〈END〉

《ありがとうございました!》





書き始めが今年の1月でしたから、約1年間に渡り掲載させて頂きました。





本当に、こんなに長期に渡るとは思いもかけず、お読みくださった皆さまには本当に感謝でいっぱいです!





思い起こせば、2月から3ヶ月間の職業訓練。4月末に修了後、すぐの就職…と、めまぐるしい私生活でした。





その間、一度も〈活動報告〉もアップせず、本当に申し訳ない限りです…





そんなこんなで毎日、原稿を更新出来ず、ご迷惑をおかけしました(;_;)





それでも、どうにかエンディングまでたどり着けましたのも、ひとえに読者様のおかげに他なりません。





稚拙な作品に今回もお越し下さり、本当に感謝申し上げます。





よろしければ、次回作もどうぞご愛顧くださいませ…





最後になりましたが、小説家になろうサイト様、本当にお世話になりました。この場所があるおかげで、今日も作品を書くことができました。





これからも、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。





アイをおしえて


著者

夜月蝶

小説ページ

https://ncode.syosetu.com/n8761ba/


初回配信日

2012/01/24

最終更新日

2012/12/11

保存日

2022/07/20






Posted by 하얀라임
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