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카테고리 없음 2022. 7. 17. 17:05

小学5年生の田舎の少女、ねねはある夏休みの夜、父と母のセックスを見てオナニーを覚えてしまう。

次の日から、ねねの好奇心は止まらない。

弟の智、幼なじみの佑介と、心の赴くまま様々な行為に挑戦する。

ある日、道路工事のプレハブで3人でセックスしていたところ、頑強なおじさんが現れ……





※本作品はBOOTHで販売しています。





目次





お父さんとお母さんのセックスを見てオナニーを覚える。

幼なじみと弟、三人でエッチなお医者さんごっこ。

初めてのセックスは弟と幼なじみ。

弟が甘えてくる。

幼なじみの家で、じっくり汗みどろセックス。

弟と幼なじみ、三人でセックスしているところに土方のおじさんが現れる。

土方のおじさんに中出しされる。

夜、おじさんのところにセックスしに行く。

おじさんの寝込みを襲って、最後の激しいセックスをする。

お父さんとセックスしたい。

お父さんとセックスして中出しされる。

夜の終わり、また次の夜





昭和の田舎、フリーダムにエッチしていた小学生のお話です。

ヒロインねねちゃんは小学生ですがすごくエッチです。ぜんぶ和姦ですので、好みに合わない方はご注意ください。この表紙で、BOOTHにて販売しています!

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『お父さんとお母さんのセックスを見てオナニーを覚える。』





 何かに気づいて、眼が覚めた。

 弟の智(とも)が、タオルケットを腹にかけて静かに寝息を立てている。

 網戸にした窓からは、風がレースのカーテンを揺らしていた。月の光が差しこみ、私たちの寝室兼勉強部屋を、うっすらと照らし出している。





 キリギリスやウマオイがきちきちと鳴く声が、庭先から聞こえていた。遠くの田んぼでは、お経のようなカエルの合唱が響いてくる。

 私の眼を覚ましたのは、もっと違う音、いや声だった。

 耳を澄ます。

 虫やカエルの鳴き声しか聞こえない。





 ううっ。





 頭がしいんと冷える。確かに、そんなうめき声が聞こえた。

 眼を閉じて、聴覚に集中する。





 くうっ……ああっ……いいっ……。





 奇妙な声は、一定のリズムで自然の音に混ざってくる。

 祖父か祖母が発作でも起こしたのか、と心配になったが、苦しんでいる声とは何か違うような気がした。

 ひとが、どんなときに出す声なのか判らなかった。





 ゆっくりと身体を起こして立ち上がる。夏用の薄い布団をそろそろと踏んで、ふすまに手をかけた。

 喉が渇き、つばをごくりと飲みこむ。

 音を立てないように、ゆっくりとふすまを引いて廊下に出た。

 虫たちの歌が遠くなる。





 うんっ……あっ……あっ……。





 うめきは、いっそうはっきり聞こえてきた。声を出すモノは、家の中にいる。急に怖くなり、部屋に戻ろうかと思った。

 しかし、怖いのに、この声を聞いていると、なぜか頭がぼうっとして、鼓動が速くなってくる。

 声のする方へ、一歩踏み出す。廊下がぎしりと鳴った。素足の裏に、汗がにじんでいる。





 あはあっ……だめっ……もうっ……。





 声は、音には気づかなかったように、続いていた。

 廊下で汗をぬぐうように、すり足で静かに進んでいく。心臓が、痛いほど強く打っている。

 廊下は、私の部屋からもれる月光で、闇をほんの少し薄めていた。

 やがて、父と母の部屋の前にたどりつく。声は、明らかにふすまの向こうから聞こえていた。





 女の声だった。十年ちょっとの人生の中で、こんな声は聞いたことがなかった。母が、こんな声を出すとは思えなかった。何が、部屋の中にいるのだろうか。

 鼓動は今にも胸を突き破りそうなほどに強く、手のひらはじっとりと濡れていた。気づかないうちに、呼吸が大きくなっている。

 ふすまが、ほんの少しだけ開いていた。私は、街灯に惹かれる虫のように、のぞきこむ。





「それ」が何なのか、最初は判らなかった。

 腰から下がひとつ。上半身がふたつ。そんな動物が部屋の中にいた。

 女の顔をした身体が、前足を折って顔を布団に押しつけ、尻を突き上げていた。

 男の顔をした身体が、背後から両手で女の脇腹をつかんで、前後に激しく揺れている。

 その動きに合わせ、女の口からきれぎれのあえぎがもれる。しかし、声の中には苦しさだけではない、何かが混ざっていた。

 ほのかな月の光が、部屋をわずかに照らしている。動物の顔が見えた。





 女は母だった。男は父だった。

 父の力で、母の身体が揺さぶられている。父は、何度も何度も腰を母の尻に打ちつけていた。

 なぜ父がそんなことをするのか判らなかった。

 なぜそうすると母があんな声を出すのか判らなかった。

 父が、母をいじめているのだと思った。

 初めて眼にする、父の男としての力が怖かった。





 と、父の動きが止まる。

 母は尻を上げ、顔を伏せて激しく息をついていた。

 父が離れる。息が止まりそうになった。股間から、太くて長い肉が立ち上がっていた。

 五年生になってすぐ保健体育の授業があったし、父と一緒に風呂に入ったときに見ていたから、ちんぼのことを少しは知っていたが、あんな風になったちんぼを見たのは初めてだった。父が、何かをぼそっとつぶやく。





「うん……」





 母はうなずくと、布団に仰向けになり、両膝を曲げたまま脚を開いた。股の間に、父が身体をねじこむ。

 父は反り返ったちんぼを母の股にこすりつけていたが、驚くべきことが起こった。

 ちんぼが、母の身体の中へと入っていくのだ。





「あああっ……!」





 同時に、母が声を上げる。父が、胸と胸を合わせるように身体を重ねた。母は、背中をぎゅっと抱きしめる。そして、見たこともない激しいキスをした。

 母は、いじめられていたのではなかったのか。





「ああっ……はあっ!」





 父の腰の動きが速まると、母は嗄(か)れた声をあげ、時々息を止めたかのように黙ってしまうときがある。

 母の声は泣いているときのように潤み、眼もぎゅっとつぶって何かを我慢しているように見えたが、明らかに嫌がってはいなかった。それどころか、悦んでいるのだと思った。





 母の声や表情と、父の力強い動きを見ているうちに、腹の奥がぼうっと熱くなってきた。股がむずむずする。

 パジャマのズボンに、手を滑りこませる。パンティの上から、そっと撫でてみた。

 じんわりと、湿っている。確かめるように、こすっていく。熱くて、うずうずする。





「は……あっ」





 息がこぼれてしまう。もっともっと、さわっていたかった。だんだん、こする指に力が入ってくる。もやっとした何かが、おなかの底に溜まってくるような気がした。

 パンティの布一枚の厚さがもどかしい。パジャマの中でパンティを下げ、脚の付け根へ指をのばす。指先が、こりっとしたものにふれた途端、電気のような強烈な痺れが走った。





「あうっ」





 膝をついてしまう。慌てて父と母の様子をうかがうが、父は母に、母は父に没頭していた。

 指がぬるぬるだった。見てみると、指の間に粘液が糸を引いていた。

 おそるおそる、今度はそうっと指を置く。ぬちゃっと湿った音がした。ゆっくりと、滑らせるように指でなぞる。もやもやではなく、背骨を何かが一気に駆け上がる。





「こ、これ……」





 あまり強くはできない。けれど、この感覚をもっとむさぼりたかった。

 ゆっくりと、指の腹で熱い沼をこする。





「う……んっ」





 指が、割れ目に沈んでいく。徒競走をするときより、鼓動が速い。

 指先を立てた。

 つぷっと、怖いほど深く沈んだ。





「ひいっ」





 慌てて指を抜いて、悟った。父のちんぼは、きっとここに入っているのだ。

 父と母の身体がひとつになり、同じリズムで前後に揺れている。それは、父の動きに母が合わせているように見えた。





 父の速度に合わせて、粘液で溢れたくぼみをこすりあげる。そこから熱がじわじわと広がり、もう身体を起こしていられないほどに力が抜けていく。それなのに、頭が白熱するほどに痺れ、指は意志と関係なくこの感覚を引きずりだそうとする。





 とうとう廊下に横たわり、眼だけでふすまのすきまから覗き続ける。パンティの中の指は、別の生き物のようにうごめいていた。

 父が今までにない速さで、腰を母の股に打ちつける。





「あああっ!」





 母が悲鳴のような声を上げ、父の背中にしがみついた。父は母ごと、力強く身体をゆすり続ける。

 私の指も、父が乗り移ったかのように激しくかき回す。





「うっ!」





 父のうめきと同時に、びりびりびりと電気が全身を駆け抜けた。





「う、あ―――っ!」





 母が切なげに高い声をあげる。父は、腰を押しつけたまま、母を抱きしめていた。





「お父さん……」





 うつろにつぶやいた声は、ふたりには届かなかったのか、重なり合ったままこちらを向くこともない。

 父と母は、長いキスをした。さっきの激しいものではなく、愛しさを確かめあうようなしみじみとしたキスだった。





 胸の奥が、ちくりと痛む。それ以上見ていたくなくて、パンティをゆっくりと引き上げた。粘液がべったりと付いて気持ち悪い。手もべたべただった。音を立てないように、廊下をトイレへと這っていく。

 手を洗い、下着を履き替え、部屋に戻る。智は何事もなかったかのように眠っていた。私もタオルケットをへそまで引き上げる。





 眼を閉じると、鼓動の余韻をはっきりと感じた。指を、鼻に近づける。十分洗ったはずなのに、ほんのりと甘い匂いがした。





『幼なじみと弟、三人でエッチなお医者さんごっこ。』





「お姉ちゃん、ラジオ体操行こまい」





 身体を揺さぶられる。いつのまにか朝になっていた。身体を起こすと、智はもう着替えていた。夜中に起きてしまったせいか、大あくびが出る。





「ちょう、待っとって……」





 立とうとして、よろめいてしまった。股が、じんじんと痺れている。あんなにさわってしまったせいだろうか。





「何しとるやあ」





 智が生意気な笑いを見せる。





「何でもないで」





 洗面所で顔を洗い、パジャマを着替える。短パンとTシャツを素早く身に着け、智と一緒に玄関を出た。

 朝とはいえ、日射しはもう昼の暑さを予感させる。アブラゼミが派手に鳴いていた。軽自動車も通れない路地を抜け、近くの寺に着く。ここが、夏休みのラジオ体操の会場だった。





「おっす、ねね」

「おはよ、佑介(ゆうすけ)」





 隣の佑介が、太めの首にひもで吊るしたカードをぶら下げていた。





「見てみん。俺、毎日来とるもんでハンコがもうはい五個もあるぞ。すごいだらあ」

「全部行ったって、何ももらえんもん、つまらん」





 佑介も短パンを履いていた。サイズが小さいのか、太ももがはちきれそうに見える。それだけではなかった。ちんぼのふくらみが、しっかりと浮き出ていた。

 どくんと心臓が跳ねた。昨日の父を思い出す。





「……ねね?」





 急に黙った私を佑介が不思議そうに見ていたが、ラジオ体操の音楽が軽快に始まると、慌てて腕を振り始めた。

 ラジオ体操の間、私の胸は油汗の出るような鼓動を打ち続けていた。

 十分ほどで体操は終わり、集まっていたみんなはそれぞれ帰っていく。





「佑介」





 私は、去っていこうとする背中に声をかけた。





「何い」





 のんびりとした声が返ってくる。私の喉は、ひりひりと乾いていた。つばを飲む。





「朝ごはん食べたら、うちで宿題せん?」

「別に、いいけどが」





 短く答えて、佑介は帰っていく。じわじわと胸が苦しくなってくる。これからしようとすることへの、興味と後ろめたさのためだった。

 智を連れて、家に帰る。





「ただいまぁ」

「おかえり。ごはんできとるで、はよ手え洗っといでん」





 台所から母が顔を出す。何か凝(こ)りが落ちたような、柔らかな表情をしていた。手を洗って居間に行くと、もう父と祖父母が座布団に座っていた。テーブルの、普段の指定席に座る。父の顔をまじまじと見てしまう。母とは違って、いつもの父だった。





「ねね、どいだあ?」





 見つめられていることに気づいた父が、微笑みかける。





「な、何でもない」





 そこに母が、お盆に箸と茶碗を乗せて持ってきた。居間と台所はつながっていて、今どきの新しい家ならダイニングキッチンと言うのだと思う。





「ねね、智、お母さんを手伝いん」





 父に言われて、智は箸を並べ、私は炊飯器からごはんをよそう。母は、みそ汁を配っていた。父の前に置いたとき、さりげなく腕をつうっとなでていった。

 みんなが揃って、朝食が始まる。





「今日も暑くなりそうでかんわ。ほいでもたいがい畔(あぜ)の草刈りせんといかん」





 祖父がぼやく。





「今年は日射病で年寄りがバタバタ死んどるげなで、じいさんも気をつけなかんよ。お前も日曜は手伝ってくれんかん」

「ああ、別に出張とかないで、手伝うわ」





 祖母の言葉に、父がうなずく。祖父母は稲作をしていて、父は町役場に勤めている。母は家事と祖父母の手伝いだ。うちは兼業農家というやつだった。





「今日は、あたしもやるで。三人でやれば、今日中に終わるだらあ」





 母が父をちらりと見る。





「頼むわ」





 父も母を見つめた。また、もぞもぞと不愉快な感じがする。





「ごちそうさま」

「ねね、あんまり速う食べると栄養にならんよ」





 母の小言を無視して、食器を流しに持っていく。部屋に戻って、敷きっぱなしの布団に転がった。

 食器を洗う音。智がテレビのアニメを見ている音。父の車のエンジンの音。家の中なのに、遠くに聞こえる。

 佑介のズボンに浮き出たふくらみが思い浮かぶ。息が浅くなり、鼓動が苦しい。指が、短パンの中に入った。





「ねね! 田んぼに行ってくるでね。昼まで帰らんけどが、宿題せなあかんよ」





 母の大声で、慌てて指を引き抜く。





「判っとる」





 大声で言い返す。玄関をがらがらと引く音がして、軽トラのエンジンをふかす音が遠くなると、急に静かになった。アニメの音が、妙にはっきり聞こえる。

 今は、私と智しかいない。そして、もうすぐ佑介が来る。





「こーんにーちわー」





 佑介の声が響く。来た。

 急いで起き上がり、玄関に行く。佑介はラジオ体操のときと同じ短パン姿で、青いフェルトの鞄を提げていた。





「上がりん。麦茶持ってくるで、仏間に行っとって」





 私は内心の興奮を抑え、努めて冷淡を装った。佑介は気にすることもなく、ゴムぞうりを脱いで上がってくる。





「おじゃましまーす」





 案内をしなくても、佑介は自分で仏間に行く。私と同じ程度には、私の家の中を知っている。赤ん坊のときから親同士のつきあいがあった。

 冷蔵庫から麦茶の瓶を取り出し、コップを三つお盆に乗せる。





「智、あんたも宿題しりん」

「えーっ、まんだ見たい」

「お母さんに怒られても知らんでね」





 居間でアニメを見ている智に声をかけると、しぶしぶテレビを消して立ち上がった。

 仏間に行くと、佑介は座卓に算数のドリルを広げ、すでに取り掛かろうとしていた。





「麦茶、好きに飲んでいいで」

「うん」





 佑介は顔も上げず生返事をする。お盆を畳に置き、部屋に戻って宿題と筆記用具を取りに行く。戻ると、智も宿題を始めていた。

 私も座って、算数のドリルを開く。宿題どころではなかった。早く、終わらせたい。みんなが帰ってくる前に、できるだけ長い時間を取りたい。

 心ここにあらずで、問題集のマスを適当に埋めていく。





「あーっ、今日の分終わったわ」





 佑介が伸びをする。心臓がじぐっと震えた。時計は九時前だ。





「僕も終わった」





 智が漢字の書き取りノートの上に鉛筆を放り出す。私も終わったふりをして、答え合わせを始める。





「ねね、えらいこと間違えとるじゃん」





 佑介は全問正解だった。誇らしげに笑う。





「……うるさいな」





 小さな声しか出せなかった。声が震えているのが、判ってしまうから。

 麦茶を注いで、のどを湿らせる。胃の底が痺れるほどに緊張していた。





「部屋で、遊ぼまい」





 佑介の返事も聞かず、顔も見ずに立ち上がる。





「僕、佑介くんと将棋したい」

「本気でやるでな」





 智と佑介もついてくる。私がしたいのは、将棋ではない。

 昨夜、足音を恐れて歩いた廊下は、ただの廊下になっていた。私はいつのまにか、ほとんど息をしていなかった。





「ねね、布団ぐらい畳んどきん」





 部屋に入った佑介が、呆れた顔になる。





「いいだよ。これ使って遊ぶだで」

「お姉ちゃん、何するやあ?」





 私は、乾いたつばを飲みこんだ。





「……お医者さんごっこ」





 言ってしまった。

 佑介だけでなく、智までぽかんとしている。アブラゼミの声が、沈黙をさらに際立たせていく。しかし、ここまできてやめたくなかった。





「私が最初に、患者さんやるで」





 短パンに手をかけた。震えて、親指がなかなか入らない。ゆっくりと膝まで降ろすと、短パンは自然に落ちた。

 パンティはTシャツの裾に隠れているが、佑介の眼は釘付けになっていた。智はいつも見慣れているので、私のやることをおかしいとも思ってないようだった。





「今日は、どこが痛いんですかあ?」





 智がのってきた。固まっていた佑介の眼も、少し緩んでくる。私も少し落ち着いてきた。このノリで行ってしまおう。





「ちょっと、昨日からここが痛くて……」





 気軽を装い、パンティに手をかける。ずりずりと降ろしていった。





「え、ふんとに脱ぐやあ」

「お医者さんごっこだもんだん」





 声は震えていなかった。佑介の顔に笑みが浮かぶ。リアルなお医者さんごっこを、楽しむ気になったのかもしれない。

 何も覆うものがない股の間を、風が通り抜けた。くすぐったくて、抜けるように気持ちがいい。

 布団の上に横たわる。





「ここが、痺れるように痛いんです」





 両膝を立て、そっと股を開き、Tシャツをへそまでまくりあげる。佑介とは幼稚園のときに一緒に風呂に入ったことはあったが、高学年になってから、こんなところを見せたことはなかった。

 恥ずかしいよりも、どきどきする方が強い。





「お姉ちゃん、ここ?」





 智が、いきなり割れ目をつうっと撫でる。





「ひゃっ!」





 変な声が出て、腰を跳ね上げてしまった。





「あっ、痛かったですかあ?」





 智は無邪気に医者っぽく振る舞う。





「痛いんで、見るだけにしてください……」





 本当は、昨夜の痺れが残っているところをさわられて、驚いてしまったのだ。





「うーん、よう判らん。なんもなっとらんよ」





 智が素に戻る。やはり、智では盛り上がらない。





「佑介先生、診て……」

「おう……」





 そろりと、佑介が智に代わって、脚の間に顔を入れてくる。ふっ、ふっ、と鼻息が、内股にかかってくすぐったい。





「どうなってますか……?」

「切れ目が入っとる。女子って、こうなっとるだな」





 佑介は最初から医者をするのを諦めているようだが、声には熱がこもり、強い興味を持っているのは判る。私も、さらに興奮してきた。





「中がむずむずする……」

「中? どこの?」

「ここ……」





 私は両手を股にある襞に添え、ゆっくりと外側に開いた。粘膜が外気にふれ、ひんやりとする。昨日うっかりさわってしまった肉の芽は、危ういほど敏感になっていた。





「へえ……」





 佑介が声を抑え、顔をさらに近づけてくる。凝視する視線から、熱さえ感じていた。吐息がかかって、身体に力が入る。





「何か、ぽちっとしたもんと、ちっこい穴がある」

「さわったらあかんでね」





 嫌なわけではなく、敏感すぎて怖いのだ。私は手を放した。





「はい、交代交代。今度は私がお医者さんだでね。佑介、パンツ脱ぎん」

「えっ……今はあかん」





 私はパンティを脱いだまま、布団の上に座る。佑介は顔を真っ赤にして、股間を必死で押さえていた。





「何でえ。私だって脱いどるだもん、ずるいじゃん。じゃあ、智が先に脱ぎん」

「いいよう」





 智はあっさりとパンツを脱いでいく。クレヨンのようなちんぼが、キンキンに立っていた。





「どいで立っとるやあ」

「知らん。お姉ちゃん見とったら、こうなっとった」





 佑介の問いに、智はあっけらかんと答える。





「こいで脱いどらんのは佑介だけだでね。多数決で佑介も脱ぐだよ」

「うーん……」





 佑介は顔中、耳まで赤くしてうなっていたが、ついに立ち上がり、短パンを脱ぎ始めた。





「わあ……」





 佑介も、ちんぼが反り返っていた。もちろん智よりは大きく、父よりは小さい。先っちょの皮が少し開いて、つるつるした皮膚がのぞいていた。そこが智とは違う。





「まあ、いいだらあ」





 立った状態のちんぼを見られるのがよほど恥ずかしいのか、佑介はもじもじと落ち着きがない。





「まんだ診察しとらんじゃん。はーい、横になってくださーい」





 智は喜々として、佑介はしぶしぶ布団に仰向けになる。ふたりとも、ちんぼが垂直に立ち上がっていた。





「痛いとこ、ここですね」





 私はまず、智のちんぼに手をのばす。さわってみると、本当に鉄のように硬かった。





「くすぐったいよう」





 智が身体を縮ませる。





「こら、ほいじゃ診察できんじゃん」

「はあい」





 そう言って身体を伸ばすが、笑いをこらえてくつくつと震えていた。

 智のちんぼは、先まで皮が包んでいる。ゆっくりと下げてみると、佑介のようにつるつるで赤い皮膚が出てきた。





「お姉ちゃん、痛いよう」

「ごめんごめん、次は佑介ね」





 佑介が身体をこわばらせる。同級生のちんぼをさわるのは初めてなので、どきどきした。

 そっと握ってみる。ちょうど掌に隠れるくらいの大きさだったが、やはり智と同じように硬い。どくっ、どくっと手の中で脈打っていた。





「う……おっ」





 佑介がうめきながら、腰を持ち上げる。





「痛いやあ?」

「いや……よう判らん。けどが……まっとさわってほしい」





 そう口にした佑介が、顔どころか全身を赤くする。私は、佑介のちんぼから見えるつるつるしたところに興味津々だった。





「ねえ、どいでお父さんのちんぼと、佑介たあ(達)のちんぼは形が違うやあ?」

「ほやあ、大人になるとちんぼが剥けるだもん」

「剥けるて何い? 佑介、剥ける?」

「クラスで、剥けとる奴もおるけどが、俺は試したことない」





 好奇心が、ふつふつと湧いてきた。





「ねえ、私が剥いていいかん?」

「何言っとるだ。女子がほんなことするな」

「じゃあ、佑介が剥くの見せて」





 佑介が言葉に詰まる。私はちんぼから手を放した。しばらくもじもじした後、佑介が自分のちんぼをつかむ。そして、じわじわと皮を下へ引いていく。すると、きのこのような先端が現れた。





「わあ、ふんとにお父さんと同じちんぼじゃん」





 私は男子の神秘に感動していた。佑介の先っちょは真っ赤になって苦しそうで、酒かすのようなものが点々とくっついていた。





「はい(もう)、痛くなってきたわ」





 佑介が皮を元に戻してしまう。あらためて見ると、三人ともTシャツ一枚で下半身裸という姿はなかなか間抜けだった。





「なあ、ねね」

「何い」





 佑介はうつむいて口をとがらせていた。





「おまえは俺のちんぼさわったけど、俺はおまえのまんこさわっとらん」





 気まずそうに、それでもどうしてもしたいという感じで、佑介が上目遣いに見る。





「いいけどが、ふんとにそっとさわらなあかんよ」





 再び私が、布団に横たわる。もうお医者さんごっこという建前はなくなっていたが、別に構わなかった。

 両膝を立てて、佑介が見やすいようにする。





「ううん……」





 佑介の鼻息が荒い。ちょっと可笑しくなった。佑介は布団に腹ばいになり、まんこと同じ高さでじっくりと見つめている。





「まっと、見やすくならんかやあ」





 確かにこの姿勢で見るのは苦しそうだった。そういえば、母は四つんばいになって父と繋がっていた。あれなら、まんこの位置も高くなるはずだ。

 私はうつぶせになって、尻を高く持ち上げた。尺取虫のような恰好だ。





「どう……?」





 どうも、まんこより肛門を見られる方が恥ずかしかった。





「うわあ……」





 佑介の息がまんこにかかり、ぞくぞくする。そっと、ふれる感触があった。





「あっ……」

「こんぐらいで、どうだん」





 佑介は、本当に羽根が落ちるようなさわり方だった。





「ゆ、ゆっくりだでね」





 軽くふれたまま、すうっと襞を撫でられていく。





「はっ……」





 息がこぼれる。豆に届きそうになったところで、尻の穴がきゅうっと縮むが、佑介の指は上へと戻っていった。





「そんぐらいなら、いいよ……」

「う、うん……」





 佑介は素直に、ゆっくりと指をなぞらせる。単調な往復でも、何度も繰り返されるうちに、へそのあたりがむずむずしてきた。





「あ、ぬるぬるしとる……」

「なんか、さわられると、そうなる……」





 声がおかしくなっていた。湿っていると言えばいいのか。あのときの、母の声に似ているような気がした。





「あっ」





 佑介が小さく声をあげると同時に、何かがまんこに侵入してきた。びりっと背中に電気が走る。





「ひぃっ……な、なにしとるだ」

「ぬるぬるで滑って、入っちまった」





 佑介は怯えた声だったが、指を抜くことはなかった。





「でれえ熱い……」

「ゆ、ゆっくり……!」





 私は、抜いてほしいと思っていたのに、別の言葉が出た。





「うん……」





 指が、奥にじんわりと入ってくる。今まで何もなかった身体の中に、いきなり硬い芯が現れて、とても違和感があった。

 佑介は、ゆっくりと指を押しこみ、ゆっくりと引く。尻を突き上げた姿といい、昨夜の母とそっくりだった。今、私のまんこの中に入っているのは佑介の指だが、母には父のちんぼが入っていた。ちんぼが入ったら、どうなってしまうのか。

 そう思うと、身体がますます熱くなってくる。





「あ、でれえ濡れてきた……」





 佑介の指の動きが滑らかになり、だんだん速くなってきた。こすられるたび、びりりっと尻が痺れる。





「ちょう、あっ、速すぎだらあ……」

「ご、ごめん」





 佑介は指を止めた。息が詰まってしまいそうで、呼吸が荒くなる。





「ねえ、佑介くんばっかずるい。僕もお姉ちゃんに入れたい」





 智が不満の声をあげる。





「ああ、悪い悪い」





 佑介が指を抜く。引かれるときに、またぞくっときた。





「わあ、すごいな。二本入るかやあ」

「ちょう、待ちん……!」





 言い切る前に、遠慮なく智の指がずぼっと入ってきた。佑介より深さはないが、本当に二本入れているのか、佑介より苦しい。





「ねえ、ここ尻の穴? ここからうんこ出るやあ?」





 智の視線が肛門に注がれているのを感じる。





「かんちょう」





 いきなり、肛門に鉛筆ぐらいのものが入ってきた。





「ひゃいいいっ」





 慌てて身体を起こし、指から逃れる。

 智が、指先を鼻につけてくんくんと匂いをかぐ。





「お姉ちゃん、うんこの臭いがせる」

「ばかあっ!」





 全力で頭をひっぱたいた。叩いた手の方が痺れる。

 すっかり、お医者さんごっこは終わりの雰囲気になってしまった。いそいそと、パンティと短パンを履く。





「智、せっけんで手ぇ洗いんよ。ほれと、絶対にお父さん達(たあ)に言ったらいかんでね。もう遊ばんよ」

「はあい」





 智が頭をさすりながら返事をする。佑介は眉を下げて名残惜しそうな顔をしていた。





「佑介も、言っちゃあかんよ」

「い、言うわけねえだら」





 佑介が顔を赤くして首を振る。まだちんぼは立ちっぱなしだったが、慌ててブリーフを履いた。





「……俺、帰るわ」





 佑介の眼が何を訴えているのか、すぐに判った。





「明日も、宿題しにおいでん」

「うん」





 佑介の眼が強く輝いてくる。





「お姉ちゃん、明日もお医者さんごっこするの?」

「どうしよっかなあ」





 もうすでに、明日しようと思うことは決まっていた。

 父と母がしていたことを、してみたい。





『初めてのセックスは弟と幼なじみ。』





 次の日も、智と一緒にラジオ体操に行く。寺の境内には、佑介が先に来ていた。私を見ると、はっと驚き、気まずそうにうつむき、そして思いつめたような眼で見つめてくる。





「今日も来るだら?」





 少しだけ微笑んでやる。





「……うん」





 ささやくような小声で、佑介がうなずく。短パンが、昨日よりもくっきりと盛り上がっていた。

 そのあと、佑介は話しかけてこなかった。ラジオ体操が終わっても、ぷいと帰ってしまう。けれども、佑介が来ることは判っていた。昨日のどきどきとは少し違う。不安が薄れ、好奇心を満たしたい思いが強くなっていた。





 家に帰って朝ごはんを食べると、父は仕事へ、祖父たちは昨日と同じように田んぼに出かけていく。また、智と私のふたりきりになった。

 八時ごろ、玄関の戸がからからと開く音が聞こえた。





「こんにちは……」





 佑介が、家の中をうかがうような小さな声で入ってくる。もうすでに、顔が赤くなっている。





「上がって。私と智しかおらんよ」





 私も身体の芯が熱を持ち始めていた。

 仏間で、智も一緒に三人で宿題を始める。しかし、佑介は昨日の私のように上の空で、こっちをちらちらと見ながら落ち着きがない。私も今日することを思うと、昨日以上に宿題は適当になった。





「ねえ、早くお医者さんごっこしようよう」





 三十分ほどで、智がしびれを切らした。





「しょうがないねえ」





 私は課題帳を閉じ、いそいそと立ち上がる。佑介も待ちかねたように後に続く。答え合わせなど、もうどうでもよかった。

 部屋に戻る。布団は敷きっぱなしだ。佑介はもう何も言わない。

 みんな黙っている。誰かが、始めるのを待っているのだ。





 最初に我慢できなくなったのは、私だった。短パンとパンティを一緒に下ろして、畳の上に投げ捨てる。佑介は、昨日より躊躇せずに脱いだ。ちんぼはもう、かちかちに固まって斜め上を向いていた。私たちが脱いだのを見て、智が嬉しそうにブリーフを脱いだ。





「見て……そっと、さわって……」





 私は、昨日のようにうつぶせになって、尻を突き上げる。もう、お医者さんごっこという名目さえ必要なかった。





「うん……」





 佑介が、まんこをそっと撫でおろす。





「う……」





 昨日散々さわったせいか、驚くような敏感さは薄れていて、そのかわりにくすぐったくてどきどきするような、とにかくもっとさわってほしい感じがした。





「あ……開いてきた」





 佑介が抑えた声でつぶやく。何度も優しくこすられているうちに、へその奥がじんわりと温かくなってきた。





「なあ……このぽちっとしたの、さわってもいいかん」





 自分でしたときの強烈な電流を思い出す。





「ふんとに、ふんとにそっとだでね」





 懇願するような声になってしまった。佑介は返事をしない。

 いきなり、背骨が抜けるような痺れが来た。





「ひゃあっ……そっとて言っただらあ」

「ふんとに、指先で軽くさわっただけだもん」





 佑介が、困ったような声を出す。





「指は硬すぎるもん。もっと柔らかいとこでなけなあかん」

「……耳たぶ?」

「耳でどうやってさわるだん」

「唇とか、ベロとか」





 佑介の答えに、息が細くなっていく。唇が、舌がここにふれたら、どんなことになってしまうのか。けれども、さすがに舐めてとはとても言えなかった。





「いいだか、いかんだか」

「え……?」





 佑介が黙る。しばらく沈黙が続き、アブラゼミの声が遠くから聞こえていた。





「舐めてもいいかて聞いとるだ」





 佑介の言葉が早口で駆け抜ける。心臓が、大きく強く打っていた。のどが渇く。





「……いいよ」





 小さな声が、のどに引っかかった。

 尻に、両手がひたりと据えられる。その感覚だけでびくりとしてしまう。佑介の息が、まんこと尻の穴をくすぐる。近さを想像するだけで、身体が震えてきた。





「は、はよ……」





 私の言葉は、小さすぎて聞こえなかったかもしれない。

 いきなり、芽に温かくて、柔らかくて、湿ったものが押しつけられた。





「ひうっ」





 変な声が出てしまう。指のような鋭い刺激ではなく、包むような柔らかい痺れだった。





「佑介くん、お姉ちゃんの尻舐めとる。きたなーい」





 智がはやし立てるが、私も佑介もそれどころではない。

 佑介は、舌先でちろちろとしつこく舐めてくる。





「うっ……ひっ……いいっ……」





 濡れた声が出る。もっともっとしてほしかった。シーツをつかみ、佑介が舐めやすいように尻をさらに高く持ち上げる。

 と、佑介が離れてしまった。高ぶっていた熱が、行き場をなくしてもやもやと身体の中をうねっている。





「どいで、やめるやあ」





 恨みをこめて、佑介を振り返る。





「ベロと唇が痛え」





 佑介はしきりに唇を舐めていた。





「ねね、俺はおまえのまんこ舐めただで、おまえも俺のちんぼ舐めなかんぞ」





 佑介は顔を真っ赤にして、真剣な眼で私を睨んでいた。ごくんと唾を飲みこむ。嫌ではなかったが、即答するのも恥ずかしかった。





「しょうがないなあ。今度は佑介が寝りん」





 佑介は、布団の上に仰向けになる。ちんぼが釘のように立っていた。

 佑介の横に座り、おそるおそるちんぼに手を伸ばす。軽く握った途端、佑介がびくっと跳ねた。





「ひとにさわられると、おかしい」





 私がまんこにさわられるときと同じような感じなのだろうか。佑介のちんぼは昨日見たときよりも皮の先が開いていて、きのこのような頭が半分近く顔を見せていた。

 私は、佑介がやってみせたように、皮を下げていく。





「い、痛っ」

「ごめん、やめる?」





 佑介は答えなかった。





「痛いでって、やめられん」





 やっとのことで、佑介がぼそっと吐き出す。男子の意地だろうか。

 私は佑介を痛がらせないように、じわじわと皮を降ろしていった。佑介は、拳をぎゅっと固めている。





 そしてついに、佑介のちんぼがお父さんのようになった。頭は苦しそうなほどに赤く、白いものが点々と付いているのも昨日と同じだった。

 興味深く、顔を近づけていく。ふうっと息をかけてみた。





「ひゃっ」





 佑介が可愛い叫びをあげる。面白くて、もう一回吹いた。





「やい、遊ぶな」

「佑介だって、吹いたじゃん」

「顔が近づくと自然になるだて。おまえはわざとじゃん」

「あんまりうるさいと、舐めてやらんよ」





 佑介は急に黙った。笑いを噛み殺し、佑介のちんぼにそっと舌を伸ばした。つん、と舌先が頭にふれる。





「……っ」





 佑介はぐっと声を抑えて、腰を震わせた。汗のような匂い。おしっこが出るところだとは知っていたけれど、嫌だとは思わなかった。





「わーっ、お姉ちゃんちんぼ舐めたあ。でれえ汚ねえ」





 智が佑介のときと同じように騒いでいるが、無視した。

 私はつるつるのちんぼの根元から、アイスキャンデーのときのようにぺろりと舐め上げた。





「うっ……うっ!」





 佑介がびくびくと震える。眼をきつく閉じ、眉間にしわを寄せていた。





「えらい(苦しい)なら、やめる?」

「ちがうちがう……くすぐったいけどが、ほいだけじゃなくて……まっとしてほしい」





 心の底から頼むような眼で、佑介が見つめてくる。なんだか、優越感がじわりと湧いてきた。

 私は、赤い頭に貼りついている酒粕のようなものを、舐め取った。ちょっと苦辛い味がしたが、口の中で消えてしまう。





「あうっ」





 佑介の変な声と、舐めたあとがきれいになるのが面白くて、念入りに舐めていく。佑介のちんぼがびくんびくんと跳ねた。

 きれいになったちんぼは、唾液でつやつやと光っていた。私の唾液にまみれているので、もはや舐めるのもさわるのも何の抵抗もない。

 私は、上から佑介のちんぼを含んでみた。





「痛えっ! 噛むな!」





 歯が当たって、佑介が悲鳴をあげた。





「ごめん」





 今度は慎重に、歯がふれないように口の奥へと導いていく。





「温けえ……」





 佑介の胸が、大きく上下していた。口に含んだまま、舌をちんぼに巻きつかせてみる。





「うわっ……すげえ、それ」





 佑介の声が、濡れてきていた。その声を聞くだけで、身体の奥がうずうずと熱くなる。





「お姉ちゃんと佑介くんばかり、遊んどってつまらん。僕も遊ぼうせ」





 智が後ろにまわりこむ。





「あっ、お姉ちゃんのまんこ、湿ってきとる」





 予感がして、声を出そうとした。それより早く、まんこに何かがずぶずぶと入ってきた。





「ううううっ!」





 佑介のちんぼを噛まないように、口を開けたままうめく。よだれがこぼれて、ちんぼの根元に落ちた。





「お姉ちゃん、二本入っとるよ。三本入るかやあ」





 やめて、と言おうとしたけれど、ちんぼを口に入れたままでは声が出ない。まんこがさらに広げられる。

 もう声も出ない。佑介の太ももにしがみつき、それでも噛まないように耐える。





「お姉ちゃんのぬるぬる、面白いわ」





 智がようやく指を抜いてくれた。ほっとしたのも一瞬で、今度は尻の穴に私の体液を塗りたくる。次に何をしようとするのかは、はっきりと判っていた。ついにちんぼから口を放し、声をあげる。





「たいがいに……!」

「かんちょう!」





 尻に指がずぶりと入る。粘液で濡らしたせいか、昨日より深い。





「あくっ……!」





 力が抜けそうになる。力を抜いてしまったら、うんこが出そうだった。それだけは、絶対に嫌だ。





「ねえねえ、でれえ入るよ。すごい、全部入っちゃった」





 智の指が、さらに侵入してくる。興奮気味の智に怒りが湧くが、うかつに動けない。





「やめりんよ……まあ、あかん!」





 本当に危ないところで、智が指を抜いた。ほっとして、身体が横倒しになってしまう。

 智が、濡れた指をくんくんと嗅いでいた。





「わあ、うんこの臭い」





 立ち上がり、今日は本気の拳骨を脳天に食らわせた。石を殴ったように、骨まで痺れる。





「痛ったあい」





 智は首を縮めて、涙ぐんでいた。





「その手で、絶対どこもさわったらいかんでね。さっさと手ェ洗っといでんよ」





 智は逃げるように部屋を飛び出していった。佑介が、ちんぼをがちがちに立たせたまま、ぽかんと身体を起こしている。

 気まずいなんてものじゃなかった。お互いに舐め合って、もっとこれからというときに、すっかり興が削がれてしまった。でも、正直なところ、尻はあまり深くなければさわられてもいいと思っていた。





「ねえ……まあ、やめる?」





 尻の匂いを智にばらされて、まともに佑介の顔を見られなかった。





「え……まっと、したい」





 佑介は正直に、まっすぐな眼で見つめてくる。さっきのことで佑介が引いてないなら、私に否やはない。





「お姉ちゃーん、手ェせっけんで洗ってきたでね」





 智が、下半身裸の姿で走ってくる。





「もう絶対、お尻に入れたらあかんよ。やったら、二度と遊ばんでね」

「はあい」





 智が素直に答える。

 今日は、お父さんとお母さんがしていたことを試してみたいと思っていたのだが、どうも今からだと、何か物足りない。もう少し、盛り上がりたい。





「ねえ……佑介、まあ一回、舐めてくれん?」





 恥ずかしくて、顔が熱い。





「何を? まんこ?」





 あまりにはっきりした物言いに、うなずくことしかできない。





「じゃあ、俺のちんぼも舐めてよ」

「いいよ」

「あっ、いいこと思いついた。ねねが舐めとるときにこっちに尻向けたら、俺もまんこ舐めれるじゃん」





 佑介が大発見をしたように眼を輝かせる。





「ん、よう判らん」

「やってみやあいいだて。さっきん、ねねは下から舐めとっただらあ」





 佑介が、布団に仰向けになる。ちんぼはまったく力を失わず、天井をぴんと指していた。





「ほうだよ。こんなふう」





 佑介の股の間に入り、ちんぼの頭を咥える。





「うっ……ほ、ほいでそのまま、身体をこっちに回して、尻をこっちに持ってくやあいいだん」





 佑介のいうとおり、含んだまま、そろそろと身体を左回りに動かしていく。





「まっと、尻を持っといでん。最初と正反対にせやあいいだん」





 そうしたら、佑介の顔の上にまんこを乗せることになってしまう。さすがに、それはどうかと思ったが、ちんぼを舐めたまま、まんこを舐められることを想像すると、鼓動が速くなってきた。

 ずりずりと、身体を回していって、ついに佑介の顔をまたいでしまった。股のすぐ下に、佑介の顔がある。さっきまでとは、段違いに恥ずかしかった。





「や、やっぱり……」





 身体をどけようとしたとき、いきなりぐいと尻を引き寄せられる。あっと思う間もなく、まんこを生温かいものでなぞり上げられた。





「ひいっ」





 背骨がぞくぞくとけいれんする。肛門に、何か硬いものが当たっていた。荒い息が、すうすうと尻の穴をなでている。





「ゆ、佑介……お尻の匂い、嗅がんでよ……あうっ」





 まんこと一緒に、ポッチも舐められていく。ぴりっと痺れる。うんこが出るところに鼻をつけられて、とてもおかしいことのはずなのに、嫌ではなかった。





「ねねの尻、そんなに臭ないわ。それよりか、ちんぼ舐めてくれん」





 与えられる刺激に、いつのまにかそちらがお留守になっていた。まんこを舐めて佑介も興奮しているのか、ちんぼは血管が浮いていてはちきれそうだった。

 ちんぼをぱくりと咥えこむ。





「うっ……おっ……」





 舐められる感触に、声を出したくなってしまうが、ちんぼを噛まないように必死で耐える。つばがたくさん溜まってきて、思い切って深く飲みこんでみた。





「うおおっ」





 佑介が驚いた声を出す。また頭だけを含むように、顔を引き上げる。





「ねね、ほれ、すごい……」





 今度は佑介がお留守になっていた。私は飲みこんだり、周りを舐めたり、甘噛みしてみたり、存分に佑介のちんぼで好奇心を満たした。

 でも、最後の好奇心はまだだった。

 私はちんぼを放し、すっかり痺れて力の抜けた下半身をよろよろと持ち上げ、佑介から離れた。





「ねね、まあ、終わりかん……」





 佑介が、顔を真っ赤に染めて、とろんとした眼でつぶやく。





「ちがうよ」





 私は、智の布団にごろりと横たわり、両膝を立てた。まんこは、今更ながら佑介に丸見えだ。次の言葉を口にすると思っただけで、本当に狂おしく鼓動が打っている。





「ねえ……私のまんこに、佑介のちんぼ、入れてみりん。お父さんとお母さんのしとること、してみたい」

「え……」





 佑介がもぞもぞと身体を起こす。





「ここ……」





 私は両指で、まんこを左右に広げた。恥ずかしさよりも、期待の方が勝っていた。

 佑介が、導かれるように私の脚の間に入ってくる。





「どうせやあいいだ……」





 佑介はごそごそと、ちんぼの先を開いたまんこにこすりつけるが、穴の奥にはなかなか入ってこなかった。





「全然判らん」





 五分もいろいろと試行錯誤した挙句、佑介は音を上げた。ここまでしておいて、それはない。





「ねえねえ、僕もしてみたい」





 智が眼を輝かせて、近寄ってくる。クレヨンのようなちんぼは、斜め上を鋭く指していた。





「やってみりん。俺も手伝ってやるで」





 佑介が諦めたように脚の間から出ていく。智とするのは何か変な気がしたが、佑介が役に立たない以上はやむを得ない。しかし、智が尻の穴に入れてきたら本気で蹴飛ばしてやろうと思っていた。





「お姉ちゃん、どこに入れたらいいやあ?」





 智が脚の間に入ってくる。





「なんか、穴みたいなもん、ない……?」





 まんこを両手で広げた。智の鼻息がくすぐったい。





「穴っちゅうてか、へこんどるとこはあるけどが」





 智が指先でつつくと、するっと入ってきた。





「う……そ、そこ」

「わあ、ふんとに穴があった!」





 智の声が喜びに染まる。





「そこに、入れてみりん……」

「うん」





 智のちんぼは正確にまんこの入口をつついていたが、智はどうにも不器用で、立ち膝で腰を進めることができないらしい。じれったくなって、片手で智の腰を引く。





「俺も手伝ってやるわ」





 佑介が智の背中を押した。それがどれだけ助けになっているかは怪しい。





「ん~、よう判らん」





 智が腰を押しつけてくるが、ちんぼは逸れているようだった。





「ここじゃねえかん」





 佑介が、智のちんぼをまんこの入口に付けた。そのタイミングで、智の腰をぐっと引く。

 指のようなものが、ずるっとまんこに入ってきた。





「うっ……」





 それほど痛くはないが、股に棒が挟まっている変な感じがした。まさに棒が挟まっているのだが。





「お姉ちゃん、全部入ったよ! でれえぬるぬるで温かい!」





 智は興奮していた。佑介も眼をぎらぎらさせて見つめている。自分でも見たくて首を起こそうとするが、仰向けに寝た状態では無理だった。





「で、どうすればいいやあ?」





 智の問いに、父と母の様子を思い出す。





「動いてみりん……入れたり出したり」

「こう?」





 智が腰を引く。ちんぼが出ていくときに、中をこりこりこすっていって、びくっとした。しかし、智はちんぼを完全に抜いてしまった。





「こいでまた入れるやあ?」

「違うて……全部出さんで、入れたり出したりするだん」

「えーっ、難しい」





 智が顔をしかめる。





「じゃあ、俺がやる」





 佑介が智を押しのけ、股を割ってくる。眼は怖いほどに輝き、鼻息は闘牛のように荒かった。

 佑介はときときに尖ったちんぼを、手で押さえつけてまんこの入口に当てた。引っかかり方で、はっきりと入る予感がする。





「あっ……ま、待ちん」





 急に怖くなって、腰を引こうとしたが、佑介がそれより早く覆いかぶさってくる。智よりずっと太いものが、ずぶぶっと入ってきた。





「ああああっ!」





 痛いというよりも、広げられた感覚が強すぎて驚いてしまった。佑介の顔が近い。眉間にしわを寄せているが、怒っているような、泣いているような不思議な表情をしていた。そんな佑介を見ていると、私もどきどきしてくる。





「こんなん、知らん。ねねのまんこてやあ、でれえ熱くて、まわりから絞ってくるみてえだ」





 佑介は顔を真っ赤にして眼をうるませ、肩を大きく上下させていた。私の呼吸も、大きくなっている。





「ね、ねえ……動いて。ゆっくりだでね」

「う、うん」





 佑介は本当にゆっくり、腰を引いて、ぴたりと止まる。ちんぼの先が、まだ残っているのが判った。





「入っといでん……ううっ!」





 言い切る前に、佑介が奥まで侵入してくる。





「でれえ、ぬるぬるがこすれる」





 佑介が貧困な表現をする。しかし、顔はこの上もなく真剣だった。





「ほ、ほうやって、出たり、入ったり……」





 私の声も、途切れがちになる。佑介のちんぼでまんこの中が広げられて、肺まで押しているような気がする。

 また、佑介が慎重に抜いていく。そして一気に突っこんでくる。





「あうっ! も、もっと優しく……」

「ご、ごめん」





 佑介は、出すときと同じように、入れるときもゆっくりにしてくれた。ちんぼが中でこすれるたびに、じわじわと熱い痺れが身体中に広がっていく。





「はあっ……!」





 私はいつしか、佑介の頭にしがみついていた。





「ね、ねね……」





 佑介も、私の頭をかき抱く。ちんぼが、さらに奥へ入ってきた。





「うんっ……」





 おたがいのTシャツごしに、胸と胸がぴったりとくっつく。佑介は、ストーブのように熱かった。





「あれ……何か……」





 佑介が、切なそうな顔になる。ぴくっ、ぴくっとちんぼが中で何回か跳ねた。





「どうしたやあ……」

「ちんぼが、ぴくぴくした」





 佑介が不安げに、まんこから抜いていく。





「別にどうもなっとらん」

「ならいいじゃん」





 私は身体を起こした。両親は、こんなことをしていたのだ。

 もっともっと、色々としてみたい。

 そのとき、がらがらと玄関の扉が開く音がした。





「ただいまー」





 母の大きな声がする。心臓が喉から飛び出るかと思った。時計を見ると、もう昼前である。





「は、早うパンツ履きん」





 私と佑介は、たぶん人生で最速のスピードでパンツと短パンを履いた。

 ところが、智はクレヨンのようなちんぼを出したまま、むすっとしている。





「智、着替えんとお母さんが来るよ」

「僕、姉ちゃんと佑介くんがしとるの見とったら、嫌な気持ちになった」





 智はぼそりと吐き出すと、いそいそとブリーフを履いた。

 私は、智がなぜそんなことを言うのか判らなかった。





『弟が甘えてくる。』





 佑介は母とすれ違っても、顔を見もせずに急いで帰っていった。





「ねね、佑介君とケンカでんしただかん」

「う、ううん、しとらんよ」





 母に見られると、落ち着かない。佑介や智としていたことがバレたら、いったいどれほど怒られるのか。





「何をそわそわしとるだん。やっぱり何か隠いとるだらあ」

「何も隠しとらん」





 ちょっと声が大きくなる。母は、にやにやと笑った。





「仲良うせないかんよ」





 そう言い残して、母は昼食の支度を始めた。ほっとため息をつく。

 智は、祖父と祖母が帰ってきて一緒に昼の冷や麦を食べているときも、むすっとして何もしゃべらなかった。

 夜になって、父が帰ってくる。仏間の食卓で、父と母が並んでいるのを見ると、ふたりがしたことを私もしたのだと思って、どきどきが止まらなくなった。





「食欲ないだかん」





 いつのまにか箸が止まっていて、父が気づかわしげな顔で覗きこんでくる。





「ううん、ちょっと考えごとしとった」





 智は、相変わらず黙々と食べている。





「ごちそうさま。僕、テレビ見るで」





 智は食器を片付けもせず、隣のテレビの部屋に行ってしまった。祖母が不思議そうな顔で尋ねる。





「智は、何かあっただかん」

「昼間っからやっと黙っとるだん。佑介君が来とったげなで、ケンカでんしたかんしれん」





 母が佑介の名前を出してどきりとする。

 つながって、抱きあったときの、あの熱くて、ぐちゃぐちゃとしていて、それでいて泣きそうになる、あの思いはなんだろう。





「ごちそうさま」





 私は智の分まで、食器を流しに持っていく。今日も、父と母はあれをするのだろうか。まんこの奥が、じんと痺れたような気がした。

 風呂に入り、テレビを見て、九時前に部屋に戻る。智はもう、先に眠っていた。私も、タオルケットをかけて布団に横になる。

 午前中のことを思い出す。まんこがむずむずする。パンティの中に、指を潜りこませた。上から、そろそろと指を降ろしていくと、ぽちにふれた。





「ん……っ」





 智を起こさないよう、声を噛む。このぽちは、まだ強すぎる。慎重に避けて、まんこの入口へと指先を滑らせていく。穴に、つぷっと指が入った。





「はうっ」





 思わず出た声に、隣の智が起きていないかうかがう。

 智は変わりなく寝息を立てていた。ほっとするが、もっと指を使ってみたくもあるし、そうしたら智を起こすような声を出してしまいそうだった。

 強くなってきた鼓動はそのままに、入った指先をそっと抜く。

 入口の周りを、つっとなぞった。身体がぞくっと震える。





「ふっ……!」





 これはこれで、今までにない感覚だった。ぽちほど強すぎず、中に入れるほど怖くはない。ゆっくりと、指を滑らせていく。





「ん、はぁ……」

「お姉ちゃん」





 智の声に、心臓が肋骨を突き破りそうなほど驚いた。慌てて、パンティのから指を出す。





「何い、寝とらんかったやあ」





 かろうじて、声に動揺は出なかったと思う。智は、ぱっちりと眼を見開き、月光を瞳に映していた。





「お姉ちゃんと、一緒に寝たい」





 智は、三年生がするとは思えない真剣な眼をしていた。その気迫に、少し押されてしまう。





「別に……いいけどが」





 ぱっと笑顔が花開き、智がごろごろと転がって私の布団に入ってくる。

 いきなり、私に抱きついた。





「な、何い……?」

「お姉ちゃん……もう、佑介君と、あのことせんで。僕、嫌だ。僕とだけ、して」





 甘えるように、胸に顔を押しつけてくる。なんだか、智が生まれたばかりの、ただただ可愛いとだけしか思っていなかったころを思い出す。





「智……お姉ちゃんとしたいやあ」

「うん……」

「……いいよ」





 パジャマのズボンを脱ぎ、パンティも下ろす。智が、愛おしかった。





「おいでん。パンツ、脱ぎん」





 智がもぞもぞと、パジャマを脱いでいく。私たちは、ふたりともパジャマの上着だけを着て、下半身は何も着ていない姿になった。智のちんぼは、クレヨンのようにときときになっていた。

 私が仰向けになって膝を立てると、智がいそいそと脚の間に入ってきた。腰をまんこに押し当ててくる。細いちんぼの先が、つんつんとまんこの周りをつつくが、穴からは外れていた。





「お姉ちゃん、うまく入らん」

「貸してみりん」





 智の小さなちんぼを指先でつまみ、まんこの入口へと導く。





「このまま……前に出ておいでん」





 智が、のしかかってくる。





「うっ……」





 小さく、声が出てしまう。





「お姉ちゃん、僕、うまくできた?」

「うん……」





 智の背中を抱きしめる。佑介と比べると、頼りないほど軽いが、それだけにくすぐられるものがあった。

 智は、私を布団のようにして、胸へ顔を押しつけた。腰を動かしはしない。





「お姉ちゃん……」





 安心しきった顔で、智が笑う。久しぶりに、智を可愛いと思った。

 重なったわたしたちを、青い月が見下ろしている。近くの鈴虫と、遠くのカエルの合唱が、しみじみと聞こえてくる。

 いつしか、智は私の上で寝息をたてていた。

 しばらく、私はつながった智を抱きしめていた。





『幼なじみの家で、じっくり汗みどろセックス。』





 朝、起きると私も智もパンツを脱いだまま寝ていたことに気づいた。母に見られる前に、急いでパンティを履く。智は無邪気な寝顔で、おとなしくなったちんぼを丸出しにしていた。

 起こすのもかわいそうで、かといってブリーフを履かせてやるほどの手間もかけたくなかったので、智を置いてラジオ体操に行った。





 寺の境内には、見慣れた顔ぶれが何人か集まっていて、佑介もいた。胸が、どきどきする。

 佑介がこちらを見た。ぼうっと熱があるような顔で、潤んだ眼をしていた。たぶん、私も同じ顔をしている。





「ねね、おはよう」

「……おはよ」





 声は交わすのに、顔はお互いそっぽを向いてしまう。どうも、まともに見られない。恥ずかしさと、もっと佑介といろいろしてみたい気持ちがぐるぐると混ぜ合わさっている。

 ラジオ体操の音楽が流れだす。私も佑介も、実に気のない体操をして、カードにハンコをもらった。





「……ねね、今日は俺ん家(がれ)で宿題やろまい」

「えっ……」





 佑介が、頬を真っ赤にして、怒ったような真剣な顔で私を見つめていた。





「……いいよ」





 心臓がとくとくと軽快に走り出す。





「今日、父ちゃんも母ちゃんも一日中おらんもん。九時ごろおいでん」





 それだけ早口で言うと、佑介は背を向けて速足で帰ってしまった。

 もう、何をするのかはお互いに判っている。今回は、私の家でなくて佑介の家だ。少しの不安と、ほとんどの期待でどきどきしていた。





 うちに帰ると、智はもう起きていて、食卓に目玉焼きが乗った皿を並べていた。父はもうYシャツに着替えていて、祖父と何か話している。祖母が炊飯器からごはんをよそっていた。

 母が、できたばかりの味噌汁の鍋をもってきて、畳の鍋敷きの上に置く。

 いつもと変わらない朝食が始まる。





「ねね、智がね、パンツ脱いで寝とっただよ」





 母がおかしそうに笑う。心臓が肋骨に激しく打ち当たった。

 智はむすっとしている。余計なことを言うのではないかと気が気でなかった。





「ほうか、昨日(きんのう)は寝苦しかったでなあ。けどが、ちゃんと着とかんと寝冷えせるで」





 祖母が優しく笑った。父と祖父も頬を緩める。





「わ、私、今日は佑介んがれで宿題するで」





 話題を変えようと口にした言葉で、智がはっと顔を上げた。余計なことを言ったと後悔する。





「お昼には帰ってこなあかんよ。ねね、佑介君と喧嘩したじゃなかっただかん」





 母がにやにやと笑いかけてくる。





「別に……そんなんしとらん」





 そっぽを向くと、父がため息をついた。





「喜んでいいだか悲しんでいいだか判らんな。ちっと、恋人作るには早すぎやへんかん」

「何言っとるだ。おまえもねねぐらいのときから、かおちゃんのこと好きだっただらあ」





 祖父が、味噌汁を飲みながらぼそりとつぶやく。母の名前はかおりだった。





「子供の前で、とろい(馬鹿な)こと言うな」





 父の顔が少し赤くなっていた。母は、箸を止めてうつむいているが、口元には微笑みが浮いている。智ではないが、胸の中がむずむずと不愉快になる。





「ねえ、僕もお姉ちゃんと行く」





 智が、口を結んで力をこめた眼で見つめていた。





「いかんて。どうせ勉強の邪魔になるだで。お母さん、街に買い物に行くで一緒においでん。ソフトクリーム買ってやるで」





 母が智をたしなめる。正直、ほっとしていた。佑介と会わせると、何かぎくしゃくしそうだった。

 朝食が終わり、父は役場に、祖父と祖母は田んぼに、母と智はバスで街に行った。広い家に、私がひとり。妙に寂しく、しかし自由の予感に胸は高鳴っている。





 玄関の鍵をかけ、植木鉢の下に置いておく。家を空けるときの隠し場所だった。

 佑介の家までは、五分ほどだった。古い木造の家が立ち並ぶ路地を通っていく。アブラゼミの声が遠くから聞こえていた。これから佑介とすることを思って、自然に鼓動と歩調が速くなる。





 佑介の家は、生垣で囲ってあって、かなり大きい。庭には、離れとトラクターなどをしまっておく倉庫があった。

 庭に足を踏み入れる。膝が震えるほど、高ぶっていた。玄関の前に立ち、ごくりとつばを飲む。

 引き戸に手をかけて、そろそろと開ける。玄関から中に続く廊下は薄暗く、ひとの気配はなかった。





「……こんにちは」





 声を抑えて、呼びかける。佑介は誰もいないと言っていたし、私と佑介がしようとすることを誰も知りはしないのだが、それでも声は小さくなってしまう。

 奥から、軽い足音が近づいてくる。佑介が現れた。ラジオ体操のときと同じように、怒ったような顔をしている。





「来たよ……」

「上がりん」





 それだけ言うと、佑介はぷいと背中を向けてしまう。サンダルを脱いで、佑介の後をついていく。小さいときから飽きるほど来ているので、私の家と同じくらい判る。

 佑介は縁側の廊下を歩いていく。おじさんやおばさんが顔を出さないところを見ると、本当にいないようだ。へその奥が、じわっと痺れる。





 庭にあった離れと、母屋は短い渡り廊下でつながっている。五年生になってから、佑介は離れを自分の部屋にしてもらったのだ。ひとりだけの部屋で、正直うらやましいと思う。

 佑介の部屋に通される。普段は勉強机と本棚だけが置いてあって、部屋の広さの割に物がなくて寂しいのだが、今日は座卓が置いてあった。





 机の上には、麦茶の瓶とふたり分のコップ、そして菓子器に徳用の四角いチョコが積まれていた。

 私を招くときに、おばさんがいなくても佑介なりに気を遣ってくれたらしい。ちょっと、嬉しかった。





「宿題、やろまい」





 佑介は黙って座卓に宿題を広げると、黙々と漢字の書き取りを始めた。

 私も佑介の向かいに座り、手提げ袋から宿題を出す。あれをするために会おうというのは、何となく抵抗があった。何か理由がほしい。佑介もそうなのだろう。





 障子を開け放ち、離れの中を風がよく通って涼しい。扇風機もゆっくりと首を振っている。

 私たちはときどきチョコの包み紙を剥きながら、一言も話さずに宿題に向かっていた。鼓動が強くて、鼻から強い息が出るときがある。そんなとき、はっと佑介を見てしまう。





 佑介もときどき、私を見ていた。知らないふりをして、鉛筆を動かし続ける。

 一時間くらいたって、からんと鉛筆が座卓に転がる。佑介は大きく息をつき、ぐびぐびと麦茶を飲みほした。算数の問題を解く手が震える。私も鉛筆を置いた。





「もうはい終わったやあ……?」





 顔をノートに向けたまま、下からうかがうように佑介を見る。





「うん……」





 佑介も、それきり黙ってうつむいた。扇風機が回る音。アブラゼミの声。車が生垣の向こうを通っていく。





「ね、ねえ……しよっか?」





 高まってきた熱に押されるように、口にしていた。佑介が弾かれたように顔を上げる。





「いいやあ……?」





 黙ってうなずく。

 佑介は立ち上がると、離れの障子を全部閉め切った。入口も、鍵をかける。かちゃりという音を聞いたとき、この八畳間は私たちが好きなことをできる場所になった。

 風が通らなくなった部屋は、すぐに蒸し暑くなってくる。扇風機が回っていても、熱風を送るだけだ。





「ちょう、そっち持って」





 佑介が座卓を持ち上げようとしている。宿題を手提げ袋にしまい、反対側を持った。座卓を端によけると、佑介は押入れから布団を出した。ものすごい速さで心臓が跳ねている。





 佑介が布団を敷いた。夏の日光は障子で遮られることはなく、充分に明るい。昨日、まんこをさわらせ、ちんぼを舐めたのに、今日は短パンを脱ぐことさえ恥ずかしい。

 父に、佑介を恋人と言われたからかもしれない。





「暑いな」





 佑介が、Tシャツを脱ぐ。もうしっとりと、汗の玉が首元に浮いていた。短パンも脱ぐ。白いブリーフが、テントのように持ち上がっていた。





「ねねも、脱ぎん」

「う、うん」





 まず短パンから脱ぐ。パンティも脱いだ。太ももが、震えている。





「上は、脱がんやあ」

「は、裸になるやあ。おっぱい見られるじゃん」





 昨日までは、お互いにTシャツだけは着ていた。全部見られるのは、恥ずかしい。





「俺も、脱ぐで。ほれに、暑いだらあ」





 佑介は、勢いよくブリーフを降ろす。ちんぼが、びよんと跳ねて斜め上を向いた。





「うん……」





 ほとんどやけになって、Tシャツを脱いだ。このごろおっぱいがふくらんできて、先っちょのこりこりが服でこすれると痛い。

 裸になった私たちは、布団の上に立って見つめあっていた。好奇心は確かにあるのだが、隠すものがひとつもなくなってしまった恥ずかしさの方が強い。





「どうしたら、いいだん」





 佑介が、戸惑ったようにつぶやく。私から持ち掛けておいて、何もしようとしないからだろう。





「キス、してみよまい」





 少し申し訳ない気持ちもあり、そう提案すると佑介は真っ赤になって驚いていた。





「何言っとるだん。キスは恋人がせるだぞ。俺とねねは恋人じゃないじゃん」





 佑介が慌てふためく。昨日したことよりは、キスの方が簡単だと思うが、違うのだろうか。





「佑介は、私が嫌いやあ……」

「嫌いじゃないけどが……よう判らん。ねねは、俺のこと好きやあ」

「私も、嫌いじゃない。ほいなら、いいじゃん」





 佑介に近づく。私と佑介の背の高さは同じくらいだ。佑介は緊張した顔で、腰を抱いて引きつけた。硬くなったちんぼが、腹に当たる。





「あ……」





 佑介の顔が近い。至近距離で、お互いを見つめている。漫画では、キスのときは眼を閉じていたが、それでは唇がどこにあるか判らない。

 私たちは、眼を開けたまま顔を近づけていく。

 わずかに、唇がふれた。佑介がぱっと離れる。





「今みたいで、いいやあ」





 佑介は肩を大きく上下させていた。顔が心配になるほど赤い。この暑さのせいで、倒れたりしないだろうか。





「漫画だと、眼を閉じとったよ」

「ほ、ほうか」





 佑介が眼を閉じる。なんだか間抜けだ。笑いをこらえて、私も眼を閉じる。

 腰が引き寄せられた瞬間、おでこにすごい衝撃が来た。





「痛ったあい……」





 あまりの痛さに、しゃがみこんでしまう。





「ごめん、何も見えんで判らんかった」





 佑介が額をさすりながら謝る。やっぱりそうなのだ。





「痛かった」





 なんだかどきどきも盛り下がって、布団に寝てしまう。





「ごめんて言っとるじゃん」





 佑介も隣に寝そべる。布団に肘をついて頭を支えていた。顔が近い。





「今度は私が眼をつむるで、佑介はちゃんと見とってよ。ゆっくりだでね」





 痛かったけれど、やはり好奇心は抑えがたい。まぶたを降ろして、唇をそっと佑介の方へ向ける。





「う、うん……」





 佑介が不器用に、横抱きの姿勢になる。背中に回された腕に、ゆっくりと力がこもる。佑介の息が、顔にかかる。





「んっ……」





 柔らかいものが、唇をふさいだ。眼を閉じていると、唇に感覚が集中する。悪い感触ではなかった。

 唇が、解き放たれる。眼を開けると、佑介が切なげな顔で見つめていた。





「俺……ねねを好きかもしれん」

「え……!」





 また、佑介の顔が迫ってくる。慌てて眼をつむった。唇で、息を止められる。不思議な感覚だった。頭がぼうっとして、心がドライアイスのように煙になって溶けていくようだ。

 好きだと言われて、どきどきも速さを増している。下へ手を伸ばす。腹をつついている佑介のちんぼをきゅっと握った。すごく硬い。





「あっ……!」





 顔と顔が離れ、佑介が可愛い声を出す。先っぽが、ぬるぬるしていた。手の中でころころといじっているうちに、にちゃにちゃと音がしてくる。





「ん、ねね……」





 佑介が眉間にしわを寄せ、なんとも言えない顔になる。さわっていた手を見ると、指の間に粘液が白い糸を渡していた。

 それを、おっぱいのこりこりにそっと塗りつけてみる。





「うっ」





 びっくりするほど痺れた。けれど、もっとさわりたくなる。ふくらみかけのおっぱい全体に、佑介のぬるぬるをゆっくりとすりこんでいく。じわっとした痺れで、呼吸が苦しい。





「はんっ……」





 変な声が出た。





「ねね、俺、舐めたい」





 言葉が急に貧しくなった佑介が、おっぱいを凝視していた。





「いいよ……」





 言い終わらないうちに、佑介がむしゃぶりついてくる。自分のちんぼから出たぬるぬるごと、こりこりを強く吸う。痛みに近いものがぞくっと走った。





「ちょっ、強いて……」





 佑介は夢中で聞いてくれない。舌でぺろりと舐め上げられると、背中をそってしまう。佑介のくちびるが、つうっとおなかを這いまわる。





「はあ……あっ」





 まともに息ができない。





「ねね……苦しいやあ」

「う……ううん、よう判らん。けどが、まっとしてほしい」

「ねねがそうなると、俺も胸が苦しい」





 なぜだか嬉しくなって、佑介の頭を抱きしめる。湯たんぽのように熱かった。もう、私も佑介も身体の芯から熱くなっていて、汗でびっしょり濡れている。

 佑介の舌が、腹をゆっくりと降りていく。





 来る。

 脚を開いて膝を立てた。

 佑介の頭が、股の間に入る。いきなり、ぽちを吸われた。ずぞぞっと、ラーメンをすするような音がする。





「あああああっ!」





 あまりの強烈な痺れに、尻が浮く。





「ちょう、あかん……や、やめ……」





 泣きそうな声になる。佑介は私のそんな様子に逆に勇気づけられたのか、さらに強く吸ってきた。





「う……っ!」





 本当に息が止まる。布団をぎゅっとつかんで、歯を食いしばった。





「佑介……ふんとに、まあ、やめて……」





 抗議する声は弱々しかったが、佑介は顔を離してくれた。





「ごめん」





 涙がぽろりと落ちた。悲しいわけでも嫌なわけもなく、ただ刺激が強すぎただけだったが、佑介は神妙な顔になった。





「今度きは、私がするでね」

「う、うん」





 涙を指でぬぐって、身体を起こす。佑介が布団の上に仰向けになると、ちんぼがカチカチになって天井を向いていた。皮が少し開いて、赤い頭が見えている。何か透明な液体が出てきていて、ぬれぬれと光っていた。





 昨日と同じように、ちんぼをつかんでゆっくりと皮を降ろしていく。佑介の身体がこわばった。

 ちょっとさっきの仕返しをしたくなる。一気にちんぼの頭を剥き出した。





「ぬわわっ」





 佑介がばたばたと手足を動かす。笑ってしまった。





「お返し」





 佑介が真っ赤な顔で頬をふくらませている。

 露出したちんぼの頭は、昨日と違って酒粕のようなものは付いていなかった。舌の先で、周囲を円を描くように舐めていく。





「ふうっ……」





 佑介が可愛い息をもらす。アイスキャンデーのように、根元から頭へ舐め上げた。そのまま、口に含む。舌をれろれろと回してやる。





「あ……ほれは」





 切ない声を上げて、佑介が尻を浮かせる。こういうところは、男も女も変わらないようだ。楽しくなってきた。

 ちんぼから口を離し、佑介のおなかに唇を当てて這いあがっていく。





「く、くすぐってえ」





 佑介が笑い声を上げて身体をよじるが、構わず続ける。佑介のおっぱいにも、小さいこりこりがあった。佑介にやられたように、ぺろっと舐める。





「うひゃっ」





 少し汗の匂いがして塩辛い。少しも嫌だとは思わなかった。赤ちゃんのように佑介のおっぱいを吸いながら、手を伸ばしてちんぼをつかんでやる。釘のように硬くて、心臓のように脈打っていた。





「ちょう、やめ……」





 佑介が私と同じことを言う。ちんぼがびくんびくんと魚のように跳ねた。いきなり、頭を抱えられる。佑介の顔が眼の前にあった。ちんぼは握ったままだ。

 指先が、まんこの入口をしゅっと撫で上げた。





「あっ……!」





 気を取られているうちに、佑介がキスをしてくる。眼を閉じた。キスをしながら、指がまんこに少し入る。





「んうっ」





 唇で、佑介の唇を噛む。グミをねぶるように転がしながら、ちんぼをしゅっしゅっと擦る。





「ふうっ……」





 ふたつの唇の間から、佑介の息が漏れる。佑介も、私の唇をしゃぶってきた。頭がぼうっとして、いつまでもしていたい。まんこから、ちゃぷちゃぷと音がし始めた。

 指が、深く入る。





「んんっ」





 昨日よりも痛くない。すがるように、佑介の唇をむさぼる。





「あっ、あっ、あ……」





 佑介の指が出たり入ったりする。そのたびに、中がこすれて声が出てしまう。ちんぼを握る手に力が入る。





「ねね……」





 佑介の唇が離れた。追うように唇を突き出してしまって、少し恥ずかしい。





「まあ、いいだら?」





 佑介の眼が、私の瞳をじっと見る。眼から佑介が入ってくるみたいだ。頭の中が、ぞわぞわとする。





「……うん」





 小さな声で、うなずいた。私はちんぼを離す。佑介もまんこから指を抜いた。

 私は布団に仰向けになり、膝を立ててそっと脚を開く。





 アブラゼミの鳴き声が遠い。障子を透かす強い日射しが白い。私と佑介はお互い丸見えだった。ここで、いきなり誰かが入ってきたらどうすればいいのだろう。

 言い訳なんか、何も思いつかない。

 佑介が、脚の間に身体を入れてくる。両手を顔の脇に突いた。私は佑介を見上げている。真剣な佑介の顔に、どきどきする。





「ねね」

「何い」

「……可愛いな」





 佑介は恥ずかしそうに横を向いてしまう。首まで赤くなっていた。

 嬉しくなって、笑ってしまった。





「……おいでん」





 佑介の首を、ぎゅっと引き寄せた。





「うん……」





 佑介の身体が動く。ちんぼがまんこの周りをつついているのは判るが、入口からは大きく外れていた。





「ここだて……」





 両手で、佑介のちんぼを入口に押し当てる。





「ん……」





 佑介が切ない顔になる。私も、わくわくで心臓が破裂しそうだ。

 ぬるっと、まんこに佑介が入ってきた。





「はあっ!」





 声と一緒に息が漏れる。佑介にぎゅっとつかまった。





「ねね……熱い」





 私も熱い。閉め切った部屋で、佑介と抱き合っている。重なったおなかが、汗で濡れていた。





「えっと……」





 佑介が不器用に腰を引く。ちんぼが出ていくときにこすれて、痺れる。また奥へと入ってくるけれど、ひどくゆっくりで、ときどき引っかかったり、まだるっこしくなってきた。





「ん、もう……」





 佑介の動きに合わせて、ちんぼを迎えるように腰を突き出す。奥まで一気に入ってきた。びっくりして身体が跳ねる。





「あ、ねね……すごい」





 佑介の顔が泣きそうだった。佑介が引くときは私も腰を引き、入ってくるときには腰を出す。だんだんと、佑介の動きが滑らかになってきた。





「あっ……うっ……ゆ、佑介……!」





 佑介の首にぎゅっとしがみつく。熱くて、汗が胸と胸の間でぴちゃぴちゃと音を立てる。





「ねねっ」





 佑介も頭を抱えてくる。腰だけで、ぎくしゃくとまんこに打ちつけてきた。





「は……あっ! うんっ……はぁ……はぁっ」





 私と佑介は、ひとつの熱い肉の塊になってしまったみたいだ。頭の中が濃い湯気で覆われている。何も考えられない。





「熱い……ねねっ」





 佑介の鼻の先から、汗粒が顔に落ちる。そんなことも気にならないほど、私も汗みどろだったし、何よりちんぼがまんこの中をこする感触に心を奪われていた。





「はあ……まあ、あかん」





 佑介が動きを止めた。布団に手をついて、ひとつになっていた身体を引き離す。扇風機の風が、腹と腹の間を吹き抜けていく。とても涼しかった。





「……えらかった(疲れた)?」





 呼吸が整わないまま、佑介に声をかける。





「暑い。死んじまうわ。障子、全部開けてやりてえ」

「絶対あかんよ」





 佑介の胸板は、幾筋もの汗が流れていた。私の背中も、じっとりと汗をかいてシーツを湿らせている。





「……水風呂入るか」





 佑介の提案は、実に魅力的だった。





「うん、賛成」





 答えると、佑介が身体を引いた。まんこの中から、佑介が出ていく。





「あ……っ」





 声が出てしまう。佑介のちんぼはまだ斜め上を指していた。佑介は名残惜しそうな顔をしていたが、暑さにはかなわないのか、ゆっくりと立ち上がった。

 離れの鍵を、かちゃっと開けた。そっと扉を開くと、涼しい風がふうっと流れこんでくる。佑介は、顔だけを出して、様子をうかがっていた。





「おい、誰もおらんではよ来い」





 そう言うと、全裸でさっと出て行ってしまった。まさか私も裸で行かないといけないのだろうか。なんだか、すごく面白そうな気がした。

 私も服を置いたまま、立ち上がる。どきどきしながら、そっと顔だけを出す。短い渡り廊下は、完全に外だ。佑介の家で、何も身にまとわずに、外に出る。





 どきどきに、激しいわくわくが混ざってきた。徒競走のスタートのように、びゅっと渡り廊下を越えた。股の間を風が吹き抜ける。頭が蒸発しそうなほど気持ちよかった。

 こそこそと急ぎ足で風呂場に向かう。全裸になっていると、よく知っている佑介の家でもまるで違う場所のような気がした。





 脱衣所に入る。佑介は、もう湯舟に水を勢いよく落としていた。洗面器に水を受け、頭からざぶりとかぶると、水しぶきが飛んできた。





「ねえ、あたしもかけて」





 風呂場に入った途端、水の塊をぶつけられた。冷たさと衝撃で、身体が縮んでしまう。





「心臓麻痺になったらどうするやあ」





 水をかけられた肌は、すぐに内側から熱を持ってくる。





「ならんて。冷たくて気持ちいいだらあ」





 佑介がまた水をかぶる。あたしは、まだ三分の一も水が入っていない湯舟に、ゆっくりと脚を入れた。最初にかけられて身体が慣れたのか、それほど刺激はない。浅い水に、腰まで沈めていく。





「冷たい……」





 腰がつかると、内臓まで冷えていくような気がする。離れで汗みどろになった身体から、たちまち熱が引いていく。

 佑介も、湯舟に入ってきた。ふたりが入ると、水かさが胸のあたりまで上がる。蛇口から、勢いよく水が落ち続けている。





 背中から、抱きしめられた。水は冷たいのに、佑介の身体は熱い。腰に硬いものが当たっている。たぶんちんぼだろう。

 悪い気持ちはしない。狭い湯舟で向きを変え、佑介と向かい合う。お互い何も言わなくても、顔が近づいていく。何度目かの、キスをした。





※※※





 バスタオルを借りて、身体を拭く。また、裸で離れまで戻らないと、服を着ることさえできない。佑介と手をつないで、家の中を走る。笑いがこみ上げてきた。

 裸で走りまわっているのが、なんともおかしかった。

 離れに戻って服を着て、やっと佑介は障子を開け放つ。強い日射しと涼しい風が入りこんできた。





「はいよ」





 佑介が、麦茶を差し出してくれる。のどはからからだった。





「ありがと」





 水で洗っただけの髪はまだ生乾きだが、風が吹くとひんやりとする。クマゼミの声が近い。空には、入道雲がそびえている。





「夏、だね」

「あたりまえじゃん」





 私と佑介はひさしの影が覆う縁側に、並んで座っていた。少し前まで、裸で抱きあっていたのだ。障子一枚で、ここは異世界に変わる。

 私たちは、いつもの日常の中で、ただの幼なじみに戻っていた。

 ふと、時計を見るともう十二時だった。





「いかん、お母さんに昼までに帰りんて言われとるだった」

「ほうか……」





 佑介は、名残惜しそうにつぶやいた。

 玄関まで佑介が見送ってくれる。





「あ、あの……ねね」





 佑介がもじもじと、身体をくねらせる。言いたいことは判っていた。





「また、しよまい。私んがれでも、佑介んがれでも、もっと別なとこでも」





 そうして、佑介の唇を奪う。お互いに、腰を抱えあった。静かで、長いキスだった。





「じゃあね」

「……うん」





 うっとりとした眼の佑介を残して、玄関を出る。日射しは痛いほどに強い。濡れた髪で、母に何と言われるのかちょっと心配だった。





『弟と幼なじみ、三人でセックスしているところに土方のおじさんが現れる。』





 八月になってから、私も佑介もなかなか家でふたりきりになれるときがなかった。ふたりでしたことを思い出すと、まんこがむずむずする。我慢できないときは、夜に智とするときもあったが、佑介と比べるとやはり物足りなかった。





 そんな不完全燃焼な日々が続き、気づくと八月も十日を過ぎていた。近所では県道を拡張するためにプレハブの飯場ができて、作業服を着た大人たちが、砕岩機やブルドーザーを使って炎天下を一日中働いていた。





 八月十三日、お盆の初日になってさすがに工事の音もなくなった。とはいえ、叔父や叔母が集まるこの日は、朝から掃除をしたり、料理の手伝いをしたりと忙しい。

 嫌いではない。けれども親戚が昼間から酒を飲み、すっかり満腹になって大人のつまらない話で盛り上がり始めると、私や智はもうすることがない。





「ちょう、外に行ってくるわ」

「夕方にはお墓参りに行くで、早う帰っといでんよ」





 玄関でサンダルを履いていると、母の声が背中にぶつかってくる。





「お姉ちゃん、どこ行くやあ」

「別に、決めとらん」





 足の向くまま、智と一緒に歩いていく。工事中の県道に向かっていた。田んぼのど真ん中を突っ切る道路は一車線だったが、畔が埋められて二車線になり、真新しい真っ黒なアスファルトの上に、うっすらと油がにじんでいた。

 生まれたこの場所がこれほど大きく変わるのを見るのは初めてで、少し物悲しい気分になった。





「ねね……」





 佑介も、道路を見に来ていた。約束したわけではない。佑介も本家なので、うちと同じように親戚が集まって、私と同じように午後は退屈したのだろう。

 あのときのことを思い出して、どきどきが強くなる。

 智が、口を引き締めて佑介を睨んでいた。





「佑介君、お姉ちゃんを取らんで」





 いきなりの言葉に、私も佑介も驚いた。





「取らんでって……取っとりゃあせんが」





 佑介は、戸惑った顔で答える。





「智、私が佑介と遊ぶのが嫌やあ?」





 ふるふると、智が首を横に振る。





「僕を仲間外れにするのが、嫌だ。この前だって、お姉ちゃんと佑介くんでやっとったんだら?」





 びくりと身体が震えた。佑介は顔を真っ赤にして、ちらちらとこちらを見ている。





「判った、もう仲間外れにはせんで。ね、佑介?」





 その場しのぎがとっさに口をつく。





「あ、ああ」

「本当(ふんと)に? 約束だでね」





 ようやく、智の顔が緩んだ。ほっとする。





「じゃあ、今から遊ぶ……?」





 私は期待をもって、佑介と智を見る。佑介はごくりとつばを飲んだ。正しく理解してくれたようだ。





「どこでぇ? 俺んがれはみんなおるけどが」

「私んがれも。どこか、いいとこないかやあ」





 智が指をさす。





「ねえ、僕あそこに行ってみたい」





 さした先は、飯場のプレハブだった。お盆休みのせいか、周囲にひとの気配はない。





「怒られんかやあ」





 佑介が、心配そうな顔になる。





「おるかおらんか、見てみやいいじゃん。別に、泥棒とかせるわけじゃないだで」





 智より先に、歩き出す。実は、もう少しどきどきしていた。もし誰もいなかったら、とてもいい場所になる。





「待ってよう」





 智が後をついてくる。佑介は最後にしぶしぶついてきた。

 プレハブは一階建ての本当に単純な作りで、周囲には窓があるがただそれだけだ。

 中をのぞいてみる。中古なのか日に焼けた畳が敷いてあった。本当に休んだり寝るためだけのものなのか、水場も台所らしきところもない。

 室内アンテナを上に乗せた小さなテレビと、部屋の端には布団が畳んで積んであった。あらためて見てみても、中には誰もいないようだ。





「誰もおらんで、中に入ってみよまい」





 私は布団を見て、鼓動がさらに強くなっていた。佑介がのどを鳴らす音が聞こえる。

 反対側に行くと、サッシの引き戸があった。手をかけて、そっと引いてみる。扉はからからと開いた。鍵はかかっていなかった。





「……開いとるね」





 セメントで固めただけの小さな玄関に入る。閉め切っているので、中はむわっと熱い。佑介の家の、離れを思い出す。

 暑いけれど、戸を閉める。これから私たちがすることは、さすがにあけっぴろげではできない。プレハブの中は二十畳ほどの広さで、たばこと汗とお酒の臭いが染みついていた。気になるほどではない。





「ねえ……」





 積んである布団を見る。





「うん……」





 佑介が一番上の布団を抱えてきて、床に敷いた。どきどきは、もう心臓が壊れそうなほどだ。

 Tシャツを脱ぐ。一枚しか着ていない。呼吸が大きくなる。





「ねね……」





 佑介が、胸をじっと見つめている。さらに、短パンに手をかける。

 するりと下ろしていく。ふふうと、鼻から息がもれる。

 最後に一枚に、ためらいはない。佑介も智も、私が脱ぐところを眼をまん丸にして眺めていた。

 解放の予感に胸をとどろかせ、私はパンティを脱ぎ捨てた。気持ちがいい。肌が空気にふれるだけで、ぴりぴりと感じる。





「佑介たあも、脱ぎん……」





 ゆっくりと、よろめくように、布団に横たわった。湿っていて汗臭いが、ほてった身体には心地よかった。

 佑介が急いで短パンを下げる。ちんぼはもう反り上がっていた。Tシャツは着たまま、待ちきれないように私へのしかかってきた。





「あっ、佑介くんずるい」





 智も半ズボンを脱ぐ。クレヨンのようなちんぼがぴこっと立っていた。

 佑介は、おっぱいのこりこりを口にふくんできた。びりりっと痺れて尻の穴がすぼまる。





「あっ……強いよ」

「僕もお姉ちゃんのおっぱいちゅーちゅーしたい」





 智が不満に口を尖らす。





「いいよ、おいでん……佑介は左で、智が右ね」





 左腕で佑介の頭を抱えて、右胸を空けてやる。すぐに智が滑りこんできて、赤ちゃんのように乳首に吸いついた。思いのほか強かった。





「こ、こら……!」





 ふたりにふたつのおっぱいを吸わせている。犬か豚の母親になった気分だった。ひとりに吸われるより、遥かに刺激の量が違う。





「はぁ……あっ……う……いいよお……」





 息を吐きながら声が出てしまう。こういうことをしているときしか出ない声だと、判ってきていた。





「ねね……」





 佑介がこりこりから口を離し、後頭部を抱えて顔を近づけてきた。眼を閉じて、唇を迎え受ける。





「ん……んっ……」





 ちぷちぷと、唇をついばみ合う音がする。佑介はキスをしたまま、胸を撫でてきた。すうっと手がふれると、鳥肌が立つ。くすぐったくもあるし、痺れるようでもある。





「むー……」





 智のうなる声が聞こえたかと思うと、胸を吸うのを止めた。と、生温かいものが脇腹を下っていく。





「んうっ!」





 唇をふさがれたまま、声が出てしまう。智は舐めているようだった。そのまま、腰まで舌を這わせてくる。

 無意識のうちに、膝を立てていた。智が、膝の下をくぐる。





「お姉ちゃんのまんこ、ちょっと湿っとる」





 まんこの入口を、つんとつつかれる。





「ん……っ」





 求めるように、腰を突き出した。智は入口をなぞっていたが、全然入れてこない。微妙な感覚に腰がむずむずする。ついに我慢できなくなって、キスをやめる。





「智……まんこ、舐めて……!」





 ほとんどお願いするような声音だった。





「えーっ、汚いよ……しょうがないなあ、やったげるわ」





 内ももに、智の髪がさりさりとふれる。少しの間があって、湿ったものがぺろりとまんこを下から上へ掃いていった。





「ひぃっ……!」





 刺激に、尻肉がこわばる。





「佑介、キスして……!」





 智にまんこを舐められながら、再び佑介の唇を受ける。舌先と舌先がちろっとふれた。肌をさわられるのとは違う、もっと抗えない熱い気持ちが湧いてくる。

 頭を傾け、舌を佑介の唇にさしこむ。怖くなるほど生々しくて、熱かった。





「うおっ!」





 佑介が声をあげて離れる。唾液の糸が、ふっと現れてすぐに消えた。その間も、智は何かの競争のようにまんこを舐め上げていた。





「ふっ……はんっ……佑介ぇ……まっと、しようよう」





 声が濡れていた。佑介は一瞬ひるんだ顔になったが、すぐに眉を怒らせて顔を近づけてきた。





「んうっ……」





 唇がつながると同時に舌を入れる。佑介も、ぎこちなく絡めてくる。熱くて、脳みそが溶けそうだった。





「まんこがぐちゃぐちゃになってきた」





 智が好奇心に満ちた声をあげる。まんこだけでなく、全身が汗で濡れていた。





「ふふっ」





 智がいきなり、指先をまんこに入れてかきまわす。





「んんんんんっ!」





 佑介の舌を噛みそうになるが、佑介は気にもせず舌をむさぼり続けている。





「お姉ちゃん、すごいよ。水あめみたいに糸引いとる」





 ある予感がした。けれども、智に警告はしない。むしろ、今のままあれをやられたらどうなってしまうのか、期待で胸が張り裂けそうだった。





「かんちょう!」

「んーーーっ!」





 ずぼっと、尻の穴に指が入る。さすがに、キスをやめた。硬いものが入っている異物感がある。痛いことは痛い。けれど、やめてほしくなかった。息が荒くなる。





「ふぅ……はあ……ふっ……智、ゆっくり……動かして……」

「えっ、いいやあ?」

「ゆっくり……だよ」





 佑介が、とろんとした眼で私を見ている。弟に尻穴に差しこまれて、もっとしてほしいと言っている私を、佑介はどう思うのだろうか。





「くうっ……んんっ」





 それを考えるだけで、どうしようもなく熱くなってくる。尻に力が入る。





「痛たたっ、お姉ちゃんの尻の穴、でれえ力! 折れそう」





 智が指を抜こうと、むちゃくちゃに動かす。





「あうっ……あはあっ!」





 不安になるほど気持ちいい痛みで、肛門がじんじんする。このまま漏らしてしまってもいいと一瞬思ってしまった。





「ああっ」





 ずるりと指が抜けた。慌てて尻の穴を締める。さすがに、本当に漏らすわけにはいかない。

 安堵で、力が抜けてしまう。五十メートル走のあとのように、息を何度もつく。





「ねね……でれえ濡れとる。俺、したい」





 私の答えも待たず、佑介は脚の間に入ってきた。両手を耳の横につく。私の真上に佑介の顔がある。思いつめた切ない眼で、私をじっとみつめている。心臓がきゅうっと優しく絞めつけられる。





「うん……いいよ」

「佑介くん、ずるい」





 智の声にはふざけた調子がなかった。智を抱いて寝たときのことを思い出し、いとおしくなる。





「ね……佑介の次だで待っとって。こっちおいでん。ちんぼ握っといたげるで」

「……うん」





 智は、顔の横まで来るとあぐらをかいて座った。ちんぼがぴこんと立ち上がっている。手で、そっと包みこんだ。





「お姉ちゃんにさわられると、僕、変だよ……」





 甘えた声で、泣きそうな顔。そんな智を見て、口元を緩めた。





「ねね、いくぞ……」

「判る……?」

「あたりまえじゃん」





 佑介は、身体を起こすとまんこをこじ開けるようにちんぼの先をあてがった。先っぽが、引っかかる。





「おいでん……」





 佑介がのしかかってくる。ずるずるっと、ちんぼが奥まで入ってきた。





「ああああっ!」





 智のちんぼを握る手に、力が入る。





「お、お姉ちゃんっ」





 悲鳴のような声があがる。





「ねね……熱くて、ぬるぬるして、ぎゅっと包んできて、でれえ……!」





 佑介がぎゅっと眼を閉じる。





「動いて……動いて、佑介! 強くしていいよ、前より強くして!」





 佑介と智にさんざんさわられて、じっくりと高まったもどかしさがついに爆発した。もっとむさぼりたい。もっと。





「おうっ……!」





 佑介が出ていく。入口で止まる。そして、一気に奥まで入ってきた。何度も何度も、佑介の腰がまんこに当たる。佑介は、腰を動かすのがすごく上手になった。





「ああっ……はあっ……は……うんっ……うっ……ふうっ……佑介ぇっ」

「ねねぇっ」





 佑介が頭をかき抱く。智のちんぼをいつしかしごいていた。





「お姉ちゃん、それっ……痛いよ……」





 智の声は泣きそうだった。けれど、手の動きを止められない。智も逃げようと思えば逃げられるのに、そのままにしていた。





「ねね……熱い」





 佑介の顔が近い。唇が重なる。そのまま、佑介が不器用に腰を動かす。





「んんっ……ん……」





 覚えたばかりの舌を絡ませるキス。全身が、汗ですごいことになっていた。

 熱さ、痺れ、もどかしさ、むさぼりたい気持ち。

 まんこ。唇。抱きしめられている腕。重なりあう胸。ちんぼを握る手。

 どこから来ている感覚なのか、もう区別がつかない。全部が、熱いどろどろの塊になって、私は溺れかけていた。





「佑介っ……好きだよう!」





 知らないうちに叫んでいた。佑介の腕に力がこもる。ちんぼが、さらに奥へ力強く入ってくる。





「ねねっ、俺、なんかおかしい……!」





 佑介が眉間にしわを寄せ、泣き顔になった。





「お姉ちゃあん……!」





 智が切ない声を上げた。私たちは、どこか知らないところへ行ってしまう寸前だった。

 そのとき、がらがらとサッシ扉を開ける音がした。





「おまえら、勝手に入って何してんだ」





 太い声だった。

 いきなり、氷水に漬けられたように固まる。佑介の動きも止まった。智も動かない。

 父よりも少し年上に見える、作業服のおじさんが靴を脱いで上がってきた。手には、スーパーのレジ袋を下げている。

 突然のことに、頭も身体も動くことをやめてしまった。おじさんは、のしのしと私たちのそばにやってくる。





「ひいっ……」





 佑介が、慌てて私から出ていった。ちんぼは立ったままだ。

 おじさんは、私のまんこをじっくりと見つめながら、無精ひげを生やしたあごに手を当ててにたりと笑った。





「おまんこしてんのか」





 反射的に脚を閉じる。おじさんは、私の枕元にしゃがみこんだ。汗と、土の匂いがする。日焼けした四角い顔に、細い眼がちろちろと光っていた。





『土方のおじさんに中出しされる。』





「お姉ちゃん、中学生か? いつからおまんこしてんだ」





 ようやく、恐怖が湧きおこってきた。心臓が怯えに縮まり、のどはからからだ。これからどうなるんだろうか。父や母にバレたらすごく怒られるのだろうか。佑介ともう遊べなくなるのだろうか。智はどうされるのだろうか。それどころか……。





「このことは、誰にも言わねえから安心しな」





 おじさんの声は優しかった。遠くから来たのだろうか、このあたりの言葉ではない。近所に知り合いがいなさそうで、余計にほっとした。

 こわばっていた身体が、動くようになる。布団の上に身体を起こし、座った。





「私、中学生じゃないよ。五年生」





 そう答えると、おじさんはちょっとびっくりしたようだった。そして、私のへその下をまじまじと見る。





「それで、毛も生えてねえんだな」





 さっと、手で胸と股間を隠した。





「服、着ていいだら?」

「ダメだ。まだ、質問に答えてねえ。いつからおまんこしてんだ?」





 おじさんがからかうように笑う。怒ってはいないようだが、答えなければ帰さない響きがあった。





「……夏休みになってから。弟の智や、友達の佑介と」

「ほう、弟としてんのか。こりゃいいや」





 顔を向けられて、智がびくりと肩を震わせる。そこへ、佑介が私とおじさんの間に割って入ってきた。





「黙って入って、ごめんなさい。すぐ帰ります」





 佑介は下半身丸出しのまま、深々と頭を下げた。背中が少し震えている。怖いのに、勇気を振り絞っているのだ。





「いいって、いいって。みんな盆休みで帰っちまったが、おれは帰るとこなんかねえからよう、ひとりでここに泊ってんだ。気にするこたあねえよ」





 おじさんが照れたように手を振る。今度は、ずいと佑介に顔を近づけた。





「おまえ、おまんこのやり方知ってんのか?」

「え……ちんぼをまんこに入れやあいいだら?」





 唐突な質問に、佑介は敬語を忘れてしまったようだった。





「ちがうんだって。おまんこにゃあそれは色々なやり方があってな、お姉ちゃんが白眼剥いたり、おまえの腰が抜けちまうくらい気持ちよくなれるんだ。よおし、おれが全部教えてやる」

「え……」





 何か妙なことになってきたと惑う間もなく、おじさんは立ち上がると手早く作業服を脱ぎ始め、あっという間に全裸になった。工事の仕事で鍛えられているのか、程よく筋肉がついていたが、それよりもちんぼに驚いた。





 根元に毛がもじゃもじゃと生えた、黒っぽいごつごつとした肉が、息を呑むほどの禍々しさでそそり立っていた。もちろん、ちゃんと皮はむけてつるんとしている。

 智や佑介に付いているものとはまるで別物で、長さは十五センチ定規より長く、太さはリレーのバトンぐらいあった。





 あれが入ったら。

 ごくりと喉が鳴る。怖いのはもちろんだが、だんだん好奇心が腹の底で育ってきていた。白眼を剥くくらい気持ちいいとは、どんなふうなのだろう。





「ボウズどもは上を脱ぎな。どうも間抜けでいけねえ」





 智と佑介は気後れしながらも、のそのそとTシャツを脱いだ。プレハブの中にいるひとは、全員裸になった。真昼間から裸でぽつんと立っているのは、何か滑稽だった。





「お姉ちゃん、しゃぶったことあるか?」

「え……何を?」

「ちんぼだよ、ちんぼ」





 おじさんは自分のちんぼをぴしゃりと叩くと、ちんぼはへそまでばね仕掛けのように跳ね上がった。





「うん……ちょっと」

「ほうほう、やるじゃねえか。これにもやり方があるんだ。ここに膝ついて座んな」





 おじさんの指が真下をさす。何か釈然としないものはあったが、私は言われたとおりにした。膝立ちになると、ちょうど眼の前におじさんのちんぼがある。濃い汗とおしっこの臭いがして、顔をそむけてしまう。





「とりあえず、飴だと思って舐めてみな」





 智も佑介もこんなに臭くはない。正直嫌だったが、おじさんのサツマイモのようなちんぼが間近で脈打っているのを見ると、胸の奥が熱くなってくる。

 意を決して、おじさんのちんぼをつかむ。私の手から、半分以上はみ出している。すごい硬さだった。脈打っているし、温かい。肉であることには間違いないが、こんな鉄のようになるものなのか。





 おじさんは、嬉しそうな顔で見下ろしていた。しないでは済まされないような雰囲気になりつつある。

 私は眼をぎゅっとつぶって息を止め、おそるおそる舌を出してちろっと舐めた。舌先に、苦く辛い感覚が生まれる。





「いいぞ、もっとだ」





 褒められてもそんなに嬉しくない。半ばやけになって、ちんぼの頭をぺろんぺろんと舐めた。





「うん……」





 おじさんが満足げな吐息をもらす。一度舐めてしまうと、臭いは薄くなっていく。これなら、何とかなりそうだった。佑介にやってみたように、歯を立てずに頭を含む。太すぎて、口に入れるのがやっとだった。





「おお、いいな。そのまま、ベロで舐めまわしてみろ」

「ん……」





 言われたとおり、ちんぼの先で舌を転がす。口の中に溜まった唾液が、垂れていく。舌がつりそうで、口を離した。





「大きすぎて、舐めれん」





 おじさんは実に嬉しそうな顔になった。





「それじゃ、サオの横を舐めろ。アイスキャンデーを横に咥えるようにな」





 サオとはちんぼのことだろう。言われたとおり、ごつごつの皮ふに唇を這わせ、ちんぼの先へと滑らせていく。左右に入れ替えて繰り返しているうちに、おじさんのちんぼは私の唾液でてらてらと光ってきた。





「こら、ボウズども。ぼーっと突っ立ってんじゃねえよ。大きいのは下からお姉ちゃんのまんこを舐めてやれ」





 佑介が自分を指さす。少し迷って、私の股の間に、仰向けになって頭を突っこんできた。立ち膝から、佑介の顔の上に尻を降ろす。いきなり、まんこににゅるりと柔らかいものが入ってくる。





「ああっ……!」





 背骨を貫く痺れに、おじさんのちんぼをつかんで身体を支える。とても、舐めるどころではない。

 おじさんがあぐらをかく。中心から、ちんぼが力強くそそり立っていた。





「これならお姉ちゃんもしゃぶりやすいだろ」

「う、う、うん……」





 佑介に与えられる刺激に耐えながら、おじさんのちんぼの先を咥える。





「おい弟、姉ちゃんのどこが好きなんだ?」

「尻の穴!」





 智が元気よく答えると、おじさんは大笑いした。





「よーしよし、思い切り気持ちよくしてやれ」

「うん!」





 言うなり、ずぼりと指が肛門に入ってきた。





「ううんっ!」

「痛っ、こら噛むな。もう少し我慢しろ」





 まんこを舐められながら肛門に指を入れられ、そのままちんぼを咥えている。今、自分のしていること、されていることが何にも判らなかった。





「ううっ……んんっ!……ふうっ……!」





 智はずぶりずぶりと素早く指を出し入れする。こんな速さでやられるのは初めてだった。





「お姉ちゃん、もっと頑張って奥まで飲みこんでみな」





 おじさんが無茶を言う。顎が外れそうなほど口を開けているのに。それでも、なんとかじりじりと奥へ押しこんでいった。





「げほっ……!」





 のどちんこにさわってしまったのか、えずいてちんぼを離してしまう。そのまま、佑介と智から逃れるように横へ倒れた。そのまま、何度も咳きこむ。





「悪い悪い、ちょっと無理させちまったな。今度はおじさんがお姉ちゃんを気持ちよくしてやる。ボウズども、しっかり見てろよ。どうしたら女が感じるのか、よおく教えてやるからな」





 おじさんは横たわった私を軽々と持ち上げ、あぐらの上に座らせた。硬くて熱いちんぼが背中に当たっている。





「お姉ちゃん、脚を開きな」





 もはや恥ずかしいと思う気力もなく、ぼんやりと言われるがままに動いた。





「いいか、これがおまんこだ。このビラビラで普段は穴を覆ってる。これを開いてやって……このちっこい穴にちんぼを入れるんだ」

「あっ……」





 おじさんが指でまんこを開く。





「このビラビラが感じる女もいるし、穴の周りが感じる女もいる。ひとそれぞれだ。お姉ちゃんはどうかな」





 おじさんの太い指が、まんこの襞を擦り上げた。





「う……うん……」





 少しくすぐったいくらいで、このくらいならまだ安心できる。おじさんは、何度もまんこのびらびらを指でしごいた。





「ふう、ふっ……あ……」





 怖いほどの刺激ではないが、正直なところもどかしかった。





「ふうん、これならどうだ」





 おじさんの指が、まんこの入口につぷっと入る。指なのに、明らかに佑介のちんぼより太かった。





「あっ……!」





 穴を広げるように、くるくると指先で入口をこする。





「そ、それ……う……はあっ、はあっ……ああっ!」





 まんこから、熱い渦が身体の中をせり上がってきた。





「お姉ちゃんはここが好きなんだな」





 得意げな声に、何度もうなずく。周囲をほぐしていたおじさんの指は、さらに深く入ってきた。





「あ……っ! ふうっ……!」





 こんなに広げられたのは初めてだった。息が詰まり、鼓動がどんどん高まっていく。おじさんは指先だけを出し入れし、時々入り口をくるくるとこする。指の動きにはよどみがなく、まるで音楽のようだった。





 まんこから、にちゃにちゃと音がする。それがすごく恥ずかしくていやらしい。しかも佑介と智に見られているのだ。ますます頭がぼうっと熱くなってくる。

 ところが、おじさんは指を止めて抜いてしまった。





「あ……?」





 ぼんやりと、おじさんの顔を振り返る。





「まだ大事なことを教えてねえんだ。ぼうずども、よく見てみろ。おまんこの上に、ちょっとぽちっとしたもんがあるだろ。クリトリスってんだ」

「へえ、そういうだかん」





 佑介の顔が、まんこに息がかかるほど近い。どきりとする。ぽちのことだった。おじさんの指で、ぽちをさわられたらどうなってしまうのか。恐怖は、ほとんど期待だった。





「普段は何枚か皮に包まれてるけどな、こうやって剥いてやるんだ」

「ひい……っ!」





 いきなり空気に当てられて、甲高い声が出てしまう。





「一番感じるところだけどな。力任せじゃ痛いだけだ。気持ちよくさせるにはほどほどでなくちゃいけねえ」





 おじさんはまんこのぬるぬるを親指でぬぐうと、ぽちにおしつけ、もみこむように滑らせる。





「ちょう……それっ……あかんっ! 強い……いいっ!」





 あまりの刺激に、身体が反り返ってしまう。





「いいか、ここでほかの指を遊ばしてちゃもったいねえ。このまま、おまんこを可愛がってやるんだ」





 親指でぽちを揉みながら、別の指がまんこに入ってきた。





「あうううっ!」





 新たな熱さが生まれた。もう、私の下半身は熱いどろどろになって溶けてしまったのではないかと思った。





「でな、おまんこの天井をこすってやるんだ。どっかに感じるところがある」





 まんこがぐいと広げられ、とんでもない衝撃が脳を貫いた。





「……っ!」





 声さえ出せずに、息が詰まる。もう、身体を支えていることさえできない。おじさんの胸板に、完全にもたれかかっていた。

 まんこのさわり方が違うだけで、これほどすごいのだ。おじさんの知識に、正直驚いていた。

 ようやく、おじさんが指を離してくれた。





「さあボウズ、おじさんの言う通りにやってみな。まずクリを狙って舐めてみろ。ときどき吸え」

「う、うん」





 えっ、と驚く間もなく、佑介は一直線にぽちを口先に含んだ。そしていきなり、べろべろと舐めてくる。





「んんっ……ああっ!」





 おじさんほどピンポイントではないが、舌は指よりずっと柔らかかった。

 ずぞぞっと、ぽちが強く吸われる。





「ああああっ! あかん、あかん……っ!」





 今までで最強の刺激だった。歯を食いしばるが、息がもたなくて、ときどき強く呼吸する。





「そのまま、おまんこに指を入れてやれ。掌を上に向けてな、天井をこするんだぞ」





 信じられなかった。このままそんなことをされたら、いったいどうなってしまうのか。

 佑介が窮屈そうに腕を動かし、ずっ、とまんこに指を入れてきた。おじさんより細い分、奥まで入ってくる。





「うああっ! も、もう……私、死んじゃうよう」





 佑介は私の言葉を気にもとめず、まんこの腹側を強く擦る。





「ぎいっ……!」





 びくりと身体が大きく跳ねる。





「弟、姉ちゃんのおっぱい吸ってやれ」

「うん!」





 智が、横からこりこりに吸いついてくる。もう好きにすればいい。





「お姉ちゃん、おれのちんぼだと思ってしゃぶってみな」





 おじさんの指が、口に押しこまれる。とてもちんぼだとか考える余裕はない。ただ、必死に含み、舐め、咥えるだけだ。





「おお、うまいうまい」





 褒められても、喜んでいる暇はない。絶えずまんこをこすられ、ぽちを吸われ、おっぱいを舐められて、全身が熱い泥になってしまったみたいだ。





「あう……」





 もうまったく、力が入らない。おじさんの指を離してしまう。腰から下だけが、別の生き物のようにぴくぴくと佑介の責めに反応している。





「よおし、もういいぞボウズども。さあ、お待ちかねだぜ」





 おじさんの言葉で、佑介たちはさわるのをやめた。身体中がぼんやりと熱く、ぐったりとして動けなかった。おじさんは、私をそっとあぐらから下ろし、布団にうつ伏せにさせた。





「はあ……ふう……」





 汗臭い湿った布団も、冷たさがただただ気持ちよかった。





「こらこら、今からが本番だってのによ。もっと気持ちよくなるんだぜ。お姉ちゃん、尻を上げな」

「うん……」





 私はもじもじと、ようやく尻だけを持ち上げる。夏休みの始めに見た、母の格好と同じだった。





「よおし、いくぜ」





 おじさんが腰をつかむ。まんこに、柱かと思うようなモノが、ぐっと押し当てられた。背中が、恐怖でぞわっとなる。





「や、やめ……」





 言い切る前に、ぐいっと侵入してきた。びちっと、裂ける音がした。佑介や智とは比べ物にならない。

 大根でも入れられたのではないか。文字通り股を裂かれる痛みだった。





「痛い! 痛い痛い痛い! やめて、やめてぇ!」





 力が抜けていた身体から、弾けるように大声が出た。





「まだ先っぽしか入ってねえぜ。まあ五年生じゃしょうがねえな」





 おじさんは残念そうにつぶやきながら、抜いてくれた。





「ねえ、何かびりって音がした」





 声が震えている。泣きそうだった。





「んあ? どうもなってねえよ。もう何回もおまんこしてんだろ」

「ほだけどが……」

「判った判った、じゃあしゃぶってくれよ。おいボウズども、後ろからハメてみな」





 私は尺取虫のような姿勢のままだった。おじさんが顔の前に座る。赤黒いちんぼが、禍々しく天井を指していた。





「僕、したい。さっきは佑介くんがしただら?」





 智が張り切った声で、尻にしがみついてくる。





「まあ、ほうだな」





 佑介の声は少し沈んでいた。





「ほら、お姉ちゃんしゃぶってくれ」

「ん……」





 両手ですがりつくように、おじさんの太いちんぼを包みこみ、先っぽを舐める。おしっこの出る穴が小さく開いていて、舌先でつんとつついてみる。ちんぼがぴくんと震えた。





「おう、そういうやり方もあるんだ。いいぞ」





 まんこでは、智が何とか入れようとしていたが、どうもうまくいかないようだった。





「智、ちょう貸してみりん……ここだで」





 佑介が教えてやっているらしい。ちょうどまんこの入口に、安心するほど小さいものが引っかかっている感触がある。

 するっと、硬くて細いものが入ってきた。





「ん……」

「お姉ちゃん、温かいよ。こんな格好でも入るだね」





 智の声は興奮していた。身を裂かれるようなおじさんと比べると、智の小さいちんぼは本当に安心できた。

 おじさんのちんぼを、さっきよりは無理をしないで咥える。舌全体を使って、頭を舐めまわす。





「おう……なかなか上手くなってきたな」





 おじさんが、うっとりとした声で褒めてくれる。





「それ以上飲めねえなら、手でしごいてみな」





 言われたとおり、口に含みながらちんぼをつかんだ手を上下させる。こするたびに、ちんぼが少しずつ膨らんできているような気がした。

 その間も、智は不器用に、ゆっくりと腰を押しつけてくる。





「はあっ……熱いよ。なんか変だよ」





 智が何か言っているが、意識はおじさんのちんぼに向いている。手でしごきながら、アイスクリームのように舐めたり、おしっこの穴に舌先を入れたり、いろいろと工夫した。





「ふぅ、ふぅ……あああっ」





 智が悲鳴と同時に離れた。そして、背中に熱いものが降りかかる。びっくりして、おじさんのちんぼを放してしまった。





「お姉ちゃん……僕、変になっちゃったよう」





 智のちんぼが、ぴくんぴくんと魚のように跳ねていた。涙声になっている。





「どうしたやあ」

「おしっこじゃなくて、何か白いもんがたくさん出た」





 智は手で涙を拭っていた。おじさんがいきなり笑い出す。





「おう、そりゃあ大人の男になった印だ。弟の歳にしちゃ早えな。気持ちよかよかったか?」

「……判らん」





 悲しげな智の声に、おじさんはまた笑った。





「俺は出んやあ?」





 佑介が、心配そうな顔で聞く。





「そのうちいくらでも出るようになるぜ。今から、オレが出すところを見せてやらあ。お姉ちゃん、仰向けに寝な」





 また、ちんぼを入れようというのだろうか。痛みを思い出し、怖くなる。





「痛いの、やだ」

「おまんこには付いてる向きがあってな、後ろがきついときには前から入れればたいてい楽なもんだ。お姉ちゃんはたぶん下付きだろうな。まあ、痛かったら止めてやるから安心しな」





 おじさんは、私の脚をぐいと持ち上げた。カエルが裏返ったような格好で、まんこが丸出しにされる。

 期待感はみるみるしぼみ、ただ怖かった。おじさんが、痛いと言ってもやめてくれなかったら、私の身体はまんこからまっぷたつに裂けてしまうのではないか。





 私の気持ちなどまるで知らず、おじさんはサツマイモのようなちんぼをまんこに押し当てた。ぐりぐりと、びらびらを広げて穴の中心にあてがう。

 声も出なかった。ただ荒い息を繰り返す。





「いくぜ」





 ぐっと、まんこにとてつもなく太いものが押しこまれてきた。





「うううっ……!」





 まんこが、これ以上ないほど広げられている。もう少しで裂けてしまいそうだ。肺が圧迫されて、息ができない。

 入ってこようとするおじさんの腿を押し返す。それでも、おじさんは止まらない。そもそもの力が違う。嫌だという気持ちをこめたつもりだが、おじさんはさらに深く入ってくる。

 まんこの中に、ちんぼがぎゅうぎゅうに詰まっていた。おじさんはようやく止まった。





「ふう……ふう……ふう」





 後ろからよりは痛くなかったけれど、息をするのがやっとだった。





「まだ全部入らねえか。けど、すげえ締めつけだし、よおく濡れてるぜ。お姉ちゃん、将来有望だな」





 おじさんは嬉しそうだった。





「ねねのまんこ、こんなに広がるだかん……」





 佑介が、少し怯えのこもった声でつぶやく。





「そりゃあ赤ん坊が出てくる穴だからな。どうだいお姉ちゃん、痛えか?」

「えらい(苦しい)……けどが、痛くは……」





 そうは言ってみたけれど、このまま動かれるのは怖かった。





「や、優しく……」

「判ってるって」





 おじさんが、ゆっくりと腰を引く。ちんぼが、すごい圧力でまんこの中をこすっていく。





「あうううっ!」





 大きな声が出てしまった。入口まで出ていったおじさんは、またゆっくりと奥まで入ってくる。





「うふうっ……!」





 パンパンに膨らんだちんぼをねじこまれて、肺から息が押し出される。

 おじさんは、同じリズムでゆっくりと、何度も出入りした。





「ふぅっ……ああっ……ふんっ……ああんっ」





 単調な動きを繰り返されているうちに、ちんぼの太さに慣れてきたのか、だんだん怖くなくなってきた。

 佑介とは、別次元の感覚だ。私はもっと深くつながりたくて、おじさんの首に手を伸ばした。

 おじさんが、身体を倒す。ちんぼが、一番奥のさらに向こうに、ねじこまれる感覚があった。





「きゃああっ!」





 猿のような悲鳴だった。痛いどころではない。こんな感覚が、この世にあったのか。

 おじさんが、キスをしてくる。たばこ臭い。迷いもなく、長い舌が入ってくる。とても絡ませられない。おじさんの舌は、口の中をべろべろと這いまわった。





 たばこ味のよだれが、流れこんでくる。息が苦しくて、ごくんと飲んでしまう。嫌だと思う余裕もなく、それどころかますます私はおかしくなってきた。

 おじさんはキスをしながら、腰だけをずんずんと突いてくる。すごく器用だ。





「うふぅ……んっ……んんんっ……」





 唇が離れる。身体を起こしたおじさんは、内臓を突き破るような力で思い切り突いてきた。





「うああっ!」





 自分でも驚くような声だった。外にも聞こえたかもしれない。けれど、もういい。

 おじさんは、いきなりゆっくりになった。そして、ほんの少しだけ、小刻みに出し入れしてくる。さっきのを感じてしまうと、ひどくじれったい。





「あううん……嫌あ」





 首を振っていやいやをする。





「お姉ちゃん、おねだりかい」





 ずどんと、腹が潰れるような勢いで突きこまれる。





「あああっ! ぎいっ……ふうっ」





 またおじさんは、細かい動きで私を焦らし、いいところで深く深く突いてくる。頭の中心に何かもやもやが集まり始め、それは何か不穏な予感を感じさせた。





「お姉ちゃん、そろそろいいかい」





 おじさんが、何を聞いているのか判らず、無我夢中でうなずく。





「生理、来てんのかい」





 首を激しく振る。





「よおし」





 おじさんがいきなり両手で脇腹をつかんだ。

 身体ごと、おじさんの腰に引きつけられる。





「がはぁっ……!」





 本当に、腹を破られそうだった。おじさんは、今までの焦らしが嘘のように、すごい力で乱暴に出入りする。痛みをもう超えていた。





「あっ、あっ、あっ……! があっ……ぐうっ……んんっ!」





 私は人形のように軽々とおじさんに貫かれる。太いちんぼが、ごりごりと深く深く身体の奥まで入ってきて、出るときにはすごい速さでえぐっていく。

 その一往復は一秒にも満たない。一秒の間に、私は苦痛のような悦びに翻弄されていた。





「お姉ちゃん、いくぞ。いいか? 中に出すぞ?」





 おじさんは、うっとりした声で訊いた。





「うん……うんっ!」





 私は、何の意味も判らず何度もうなずく。落ちていきそうで、おじさんにしがみついた。

 ぐうっと、おじさんが一番奥にちんぼを押しつけた。





「うおおああっ」





 おじさんが叫ぶと同時に、熱い湯が、まんこの中にどわっと広がった。





「あああ……!」





 未知の感覚に、情けない声が出る。





「くうっ……」





 おじさんのちんぼがまんこの中でびくっ、びくっと跳ねた。何が起きたのかはよく判らないが、嵐のような時間が終わったことは確かだった。





「ふう……ふう……ふう……」





 やっと、詰めていた息がほぐれる。





「お姉ちゃん、ちょいと浅いが締まりもぬめりも最高だったぜ」

「そうやあ……?」





 おじさんは、充実しきった穏やかな顔で私を見下ろしていた。まんこの中にぎゅうぎゅうに詰まっていたおじさんのちんぼが、ちょっと小さくなっている。





「さて、と」





 おじさんが離れていく。ぐちゅっと音がして、何かが大量にまんこの外へ流れ出ていった。





「ねねのまんこ、でれえ広がっとる……この甘酒みたいなの、何やあ?」





 佑介の、毒気を抜かれた声が聞こえる。





「これがおれの子種だ。さっき弟が出したやつだ。これをおまんこの中に出すと、子供ができるんだぜ」

「私、おじさんの赤ちゃん生むやあ……」





 怖いというより、不思議な感じだった。おじさんは軽く笑う。





「生理が来てなきゃ、生めねえよ。安心しな」





 何が安心なのか、よく判らなかった。父と母は、あのときと同じことをしたから、私と智が生まれたのか。





「おっと、だいぶ時間が経っちまったな」





 外を見ると、午後の日射しは夕暮れの気配をほのかに漂わせていた。

 おじさんはスーパーの袋から箱ティッシュを取り出し、何枚か抜いて、私のまんこを拭ってくれた。





「ふぐっ……」





 紙のざらざらが、痛くて気持ちいい。





「そろそろ帰らんと、怒られる」





 智が心細い声でつぶやいた。





「そうだな。今日は帰んな。お盆の間はおれひとりだからよ、また来たらいいや」





 おじさんはちんぼをティッシュでごしごし拭くと、脱ぎ散らかした作業着を着始めた。

 もう終わりだった。身体を起こそうとするが、股関節がびきっと音を立てる。





「立てん……」

「しょうがねえな」





 おじさんはパンティを拾い、赤ちゃんのように履かせてくれた。身体を何とか起こし、Tシャツを着る。短パンを身に着けて立ち上がると、どうにもがに股になってしまう。

 太い棒が、まだまんこに入ったままのようだった。





『夜、おじさんのところにセックスしに行く。』





 十四日になった。昨日は、家まで帰るのも一苦労で、到着したときには祖母以外は墓参りに行ってしまっていた。

 祖母には遅くなったのを叱られたが、汗を流すと言って風呂に入った。まんこが、ひりひりした。そっと開くと、まだ白いものが残っていた。しっかりと洗った。





 祖母と智の三人で、墓参りに行った。

 朝一で、今度は母に叱られた。





「ねね、墓参りにゃ遅れるし、帰ってきたと思ったら片付けを手伝いもせんで寝ただらあ。どこで遊んどっただん」





 おじさんに身体ごと激しく突かれたせいで、すっかり眠くなってしまったのだ。





「ごめん」





 言い訳をするとぼろが出そうなので、素直に謝った。





「今日は昼からお母さんの本家だでね、遊びに行ったらいかんよ」





 昨日うちでやったことを、今度はお客さんになって母の実家でやる。父と母は、私と佑介と同じように幼なじみなので、歩いていける。

 母も、私と同じくらいのときに、父とあれをしたのだろうか。





 妄想はどうでもいい。今日は、昨日のようには抜け出せないようだ。おじさんとは、今日と明日しか会えないのに。

 昨日のことを、どう考えたらいいのか。

 怖かったことは怖かったし、痛かったことは痛かった。





 けれども、もう一度、したい。

 いや、一度と言わず、何度でも。

 おじさんのちんぼがまんこをえぐり、破れそうなほど広げ、壊れそうなほど突いてくる。





「ん……っ」





 思い出すだけで、声が漏れる。





「ねね、何か言ったかん」

「ううん、何も」





 母の声で、慌てて口をふさぐ。





「私、顔洗ってくるで」





 母の前から、すぐに離れたかった。

 洗面所に行く。パンティが、じっとりと湿っていることに気づいた。





 結局、午前中は部屋でぼーっと過ごし、母の実家で昼ごはんを食べ、昨日と同じように大人たちは昼間から酒を飲んでいた。

 それなりに歳の近い従兄弟もいたけれど、庭で遊ぶくらいで、あそこに行く余裕はなかった。夕方になり、墓参りに行って、昼間の残り物で晩ごはんにし、家に帰ってきたのは九時ごろだった。

 智は、もう父の背中で寝息を立てている。





「ねね、あんたも早う風呂に入って寝りんよ」

「うん」





 ひとりで風呂に入って、石けんで身体を洗う。





「はあ……んっ」





 全身をぬるぬるでこすっているうちに、頭がぼうっとしてくる。





「ん、もう……」





 我慢できなくて、まんこに指を入れる。





「ああっ」





 身体を折って声を抑えながら、おじさんにさわられたのと同じようにやってみる。

 親指に石けんをたっぷりつけて、ぽちをくるくると回す。





「んんんっ……」





 そのまま人差し指をまんこに入れようとするが、ぽちが強すぎて怖い。

 自分の身体では、おじさんがしたような強さにはできない。





「んう……」





 不完全燃焼のどきどきを残しながら、湯を浴びて石けんを流した。

 風呂を上がって、自分の部屋に行く。智は、もう布団に寝せられていた。

 私も、布団を敷いて寝転がる。





 誰かが風呂に入っているのか、湯を流す音が聞こえる。

 眼を閉じて眠ろうとしても、どきどきがまだ止まらない。肌着が、汗で湿っている。

 お経のようなカエルの合唱が、遠くから聞こえている。いつしか、風呂の音は聞こえなくなっていた。





 眼を、開く。呼吸が、大きくなっている。家の気配をさぐる。もう、全員寝たのかもしれない。

 私は、起き上がった。どきどきは、いっそう強くなっている。

 足音を極限まで忍ばせて、廊下に出る。真っ暗だった。





 慎重に慎重を重ねて、玄関まで歩いていく。さすがに、玄関をがらがらと開けて出ていく勇気はなかった。月明かりを頼りにサンダルを探し当て、そっと引き上げる。

 部屋に戻る。廊下がぎしりと鳴る音に、冷や汗が流れる。サンダルを持って廊下を歩いているのを見つかったら、どう言い訳しようか。





 行きよりもずっと緊張して、何とか部屋まで戻った。智は、相変わらずすやすやと眠っている。

 私は、網戸を開けて、サンダルを放り投げた。そして、慎重に飛び降りる。

 網戸をゆっくりと閉めた。





 家を抜け出したことに、壊れそうなほどどきどきしていた。

 パジャマにサンダルという姿で、歩き出す。

 誰かに会ってしまったら帰ろう。この時間に、この格好でうろついていることが、普通でないことくらいは自覚している。





 言い訳を用意して、夜道を歩いていく。古い家が並ぶ細い路地には、人っ子ひとりいない。足元から、じいじいと夏虫の鳴く音が聞こえていた。

 やがて、集落の外に出る。青い稲穂が、月光に照らされて海のように揺れていた。ざわざわと稲がすれ合う音。広大な田んぼの中で、幾万ものカエルが夜空に向けて合唱している。





 遮るもののない水田の真ん中に、明るく光る場所があった。ごくりと喉を鳴らす。私は、そこへと向かった。

 新しい県道沿いにあるプレハブは、まだ煌々と灯りをつけていた。カーテンがないので、夜は中がよく見える。





 おじさんがいた。布団の上にあぐらをかき、小さなテレビを見ている。ビールの缶が、二本転がっていた。

 心臓はいよいよ壊れるほどに暴れ出す。震える手で、プレハブの扉に手をかけ、引いた。

 おじさんが、びっくりした顔でこちらを見る。





「……こんばんは」





 声がかすれていた。おじさんは私だと判ると、ゆっくりと笑い顔に変わった。





「こんな時間にどうした? またオレとしたくなったのか?」





 どきどきが、胸の骨を激しく叩く。





「……うん」





 私は、ゆっくりとうなずいた。おじさんは、本当に嬉しそうな顔になった。





「上がんな」





 扉を閉め、サンダルを脱いで畳に上がる。ゆっくりと、おじさんに近づいていった。そして、おじさんのそばに座る。





「何か食うか?」





 首を振る。





「飲むか?」





 首を振る。

 もう会話がなくなった。昨日とは違い、網戸から夜風が吹き抜ける。プレハブは、カエルの読経に包まれていた。私は、震えそうになる唇をぐっと抑えてうつむいていた。

 おじさんが立ち上がり、壁際のスイッチで灯りを消した。プレハブの中は、薄青い月光が差しこんでいる。





「さて……」





 おじさんは、私のところに戻ってきて、作業服のズボンを降ろした。眼の前に、紫芋のようなちんぼがぼろんと垂れ下がっている。昨日のように立ち上がってはいなかった。

 私は、何も言われなくても、おじさんのちんぼをつかみ、口に含んだ。





「ちゅっ……」





 昨日を思い出して、ちんぼの頭をアイスのようにしゃぶりながら、手をゆっくりと上下させる。

 たちまちのうちに、おじさんのちんぼが硬く、太くなって持ち上がってきた。





「お姉ちゃん、覚えがいいな」





 おじさんが褒めてくれる。





「んぐっ……」





 私はおじさんのちんぼを全部飲みこもうと頑張ったが、やはり口の中には半分も入らなかった。

 口の中に唾液が溜まってきて、それをたっぷりと舌でちんぼに塗りたくる。





「おう……いいぞ」





 くちゅくちゅと、行儀の悪い音がした。

 一生懸命、おじさんのちんぼが全部私の味になるくらい舐めまわしているうちに、ちんぼはますます膨らんできているような気がした。





「ちょっと待て、もう出ちまう」





 私はちんぼを放した。





「昨日の……? まんこの中じゃなくても出るやあ」





 私たちは、内緒話のように声を潜めていた。





「男はそういうもんなんだよ。今度はオレがお姉ちゃんを可愛がってやる」





 おじさんは私の前に座ると、パジャマのボタンをひとつひとつ外し始めた。大人に脱がせてもらうなんて、幼稚園のとき以来だ。

 パジャマが畳の上に落ちる。肌着を脱がされる。

 上半身裸になると、おじさんは私を布団の上に転がした。パジャマのズボンに指がかかる。





「ん……」





 尻を持ちあげて、脱がせやすいようにする。パンティのゴムが、ずり下げられていく。どきどきが、ものすごいことになっていた。

 私は、全身に余すところなく月光を浴びていた。





「お姉ちゃん、舐めてるだけで濡れちまったのかい。糸引いてるぜ」





 パンティが膝まで降りたときに、おじさんが嬉しそうに言った。急に恥ずかしくなる。





「……判らん」





 首を振った。おじさんも上着を脱いで、裸になった。添い寝をするように、私の側に身体を横たえる。

 ひび割れた指が、さあっと身体を撫でた。





「ひうっ」





 おっぱいのこりこりをこすられて、ぴりっとした。今度は、舌でこりこりを舐められる。手は、おなかや腿をゆっくりと這いまわっていた。くすぐったくて、身体の奥がちりちりと痺れてくる。





「う……うん」

「何と言うかな、肌のきめは大人の女とは比べものにならねえな。くせになりそうだぜ」





 おじさんが嬉しそうにささやく。大人よりもいいと褒められて、悪い気持ちはしなかった。

 さんざんおっぱいを舐めたおじさんは、キスをしてくる。ビールの匂いがして、咳きこんでしまった。





「酔っちまえばいいや」





 おじさんが舌をねじこんできた。私も必死で舌を絡ませる。アルコールの香る唾液が、口に溢れる。頭がぼうっとするのは、キスだけのせいではないかもしれない。

 かさかさした指が、内股を這いあがり、まんこをしゅっと撫でる。濡れた音がした。





「んうっ……」





 唇をふさがれたまま、吐息が漏れる。

 指先で、こちょこちょとされるたび、ちぴちぴと湿った音が鳴る。





「ふっ……ふうっ……んっ……あっ」





 じわじわと、まんこから熱くなってくる。私の声は、カエルの合唱にかき消されているだろう。

 入口をいじるだけだった指が、いきなりずぼっと入ってきた。





「あんっ」





 かなり大きい声だった。けれど、気にしない。

 誰もいない夜、誰も知らない場所で、昨日初めて会ったおじさんにまんこをさわられて、気にしないと決めたことに、ひどくどきどきする。





「ずいぶん色っぺえ声が出るじゃねえか」





 唇から唇を離し、おじさんがささやく。





「だって……はんっ」





 指がゆっくりと、まんこの中で往復を始める。

 佑介のちんぼより太い。そう思ってしまったことに、なぜか少し申し訳ない気がした。





「お、おじさんの指……うふうっ……太い……んうっ」

「何言ってんだ、ちんぼの方がもっと太いだろうが。お姉ちゃん、昨日はそのおまんこで咥えこんだんだぜ」





 ゆっくりしたリズムで、おじさんの指が出入りする。





「け、けどが……」

「嫌なら、やめるかい」





 からかうような声とともに、おじさんの指が中で止まった。

 ひどく物足りない、じれったい気持ちになる。





「い……や」





 月の逆光になった、おじさんの顔を見つめる。





「もう、ちんぼが欲しくなったのかい」





 おじさんはにやりと笑った。

 答えられなかった。昨日のあれは、経験したことのない痛みと刺激だった。あれをもう一度するのは、正直怖い。

 では、なぜ私は今ここにいるのだろう。

 答えられないでいるうちに、おじさんはちゅぽっとまんこから指を抜いた。





「えっ……」





 失望が生まれる前に、おじさんは身体の位置を変える。脚の間に、身体を入れた。そして、左脚を高く持ち上げられた。

 何をされるのだろう。

 ふくらはぎに、ぞぞぞっとぬるくて湿ったものが這い上がった。





「ひんっ……」





 くすぐったくて、変な声が出た。おじさんは、太ももを味わうように撫でさすりながら、ふくらはぎから膝の裏を舐めあげていく。

 脚を上げられたので、まんこが丸出しだった。

 恥ずかしさを感じるよりも、犬以外に脚を舐められたことはなかったので大いに戸惑っていた。





「ううん……ん……ん……」





 まんこをさわられるよりは、柔らかい刺激だ。けれども、私はさっきまでさんざんいじられて、もっと先へもっと先へという思いにせきたてられていた。





「……いやあ」





 じれったさに、尻をくねらせる。おじさんの舌が、太ももの内側に来た。おじさんの顔は、まんこを覗きこめる場所だ。心臓が、さらに激しく走りだす。

 きっと、あの長くて熱い舌で、まんこを舐めてくれる。





「ふう……ふう……」





 期待で、息が大きくなる。おじさんの舌は、脚の付け根まで来た。まんこまでもう少しだ。

 どきどきがさらに高まる。昨日は佑介が舐めたけれど、おじさんが舐めたらどうなってしまうのだろう。あまりに緊張して、おならが出そうになるのを必死でこらえる。





 おじさんの舌が離れた。まんこに来る。未知の衝撃が訪れるのを、ぐっと待った。

 来ない。来ない。まだなのか。

 右の太ももを、ぺろっと舐められた。違う。

 おじさんの舌は、ももから膝へと下がっていく。





「う、ううん……違うよ」





 いやいやと首を振る。もうなりふり構う余裕はなかった。欲しい。

 それでも、おじさんはももから膝へ、膝からふくらはぎへと舐めていく。





「いや……いや!」





 幼稚園児のように、駄々をこねた。おじさんはようやく、舐めるのをやめた。





「どうしてほしいんだい」





 おじさんは、にんまりと口端を持ち上げていた。





「あ、あの……」





 思いが大きすぎて、喉から出てこない。おじさんは、黙って私の言葉を待っている。きっと判っているくせに、私に言わせようとするおじさんに腹が立った。

 けれど、もう我慢できない。





「わ、私のまんこ、ぺロぺロして……!」





 ついに言った。おじさんは、本当に楽しそうな笑い顔になった。





「よーしよし、ちゃんと言えたな」





 おじさんの顔が、ひゅっとまんこに貼りつく。そして、指で広げられた。

 弾力のある、ざらざらした、熱くて、力強いものが、ぬるっとまんこに入ってくる。





「ひあああっ」





 びりびりびりと衝撃が走る。これを待っていた。

 おじさんは、まんこから私を食べてしまうかのようにかぶりついていた。

 舌が、懸命にまんこの中でうねる。指やちんぼとは全然違う、すごい感触だった。





「ああっ! んうっ! はあっ……! そ、それ、もっと、して……あああっ!」





 自分かどれだけ大きな声を出しているかなんて、もう判らなかった。

 急に、おじさんが舐めるのをやめてしまった。





「お姉ちゃん、おじさんに命令するのかい」





 ぼうっとした頭では、おじさんが何でこんなことを言うのか判らなかった。ただ、もっともっとしてほしい。





「もっと……して、ください」

「お願いは、そう言うんだぜ」





 おじさんは、私の腰をぐいっと持ち上げた。後ろ回りをする途中のような姿勢だ。両足が顔の横に落ちてくる。体重を、肩だけで支えていて苦しい。まんこは、真上を向いていた。

 おじさんがまんこを広げ、上から吸いついてくる。にゅるにゅると、舌がまんこに侵入してきた。

 苦しい。熱い。痺れる。





「ああうっ! はあっ! うん……っ! も、もう……」





 自分で何を口にしているのか判らない。

 おじさんの舌がまんこから出て、ぽちをつつく。舌先で、細かく、何度も。





「ひいっ……ふっ! んっ……はっ……あっ」





 いきなり、ぽちが周りの肉ごと、ずぞぞぞっと強く吸われた。





「きゃあああっ!」





 佑介にも同じことをされたことはあるけれど、吸う強さもぽちを狙う正確さも比べ物にならない。

 ほんの少しだけ、佑介を好きだと言った私の言葉がふわりと浮かぶ。

 今、私は佑介とおじさんを比べてばかりいる。

 そんな雑念を断ち切るように、おじさんの舌がまんこの下へと這っていく。





 そこは肛門だった。舐める気なのか。

 そんなことをされたら、我慢していたおならが出てしまう。というより、そもそも、口をつけるべきところではない。





「ちょう……汚いっ……!」





 尻を振って拒否を示す。しかし、おじさんの舌は肛門の人口をつるっと舐めた。





「ひうっ」

「苦えな。きちんと尻、拭いてねえだろ」





 おじさんがひどいことを言う。ちゃんと拭いている。もう限界だった。

 ぷうううっ。

 ラッパのような音をたてて、おならが出てしまった。恥ずかしいとかそういうものは、とっくに粉々になっていたが、何か屈辱的だった。





「や、やだあ……」

「こら、顔に屁をかけるな」





 ぴしゃりと尻を叩かれる。





「あいっ……!」





 熱く鋭い痛みは、すぐにじんわりと温かくなってきた。叩かれて、こんな気持ちになるのは初めてだった。





「罰だ。オレがお姉ちゃんの尻を舐めてきれいにしてやる」

「やめ、てえ……」





 拒否が弱々しい。ほんとうは、尻の穴を舐められるという未知に、途方もなくどきどきしていた。

 今度は、肛門が広げられる。すぐに、生温かいものがえぐるように尻穴をこする。





「うあああっ……あ」





 まんことは全然違う感触だった。智に何回か指を突っこまれているけれど、それともまた違う。舌先が、尻穴を割って入ってくる。





「いいいっ……」





 おじさんは私のうんこを舐めているのだろうか。肛門が、舌で押し広げられて、おなかがしくしくと痛くなってきた。





「おじさん、出そう……」





 訴えると、ようやくおじさんはやめてくれた。





「そりゃあいけねえな。ぜんぶきれいにしてやったぜ」





 おじさんは、よだれや私のぬるぬるで濡れた口元をぐいと拭った。そして、あの苦しい姿勢から元に戻される。

 ほうっと息をつく。暗いプレハブの天井が、月光でうっすらと見える。心臓のどきどきは、全然治まらない。

 おじさんの顔が近づく。キスと同時に、舌が入ってくる。





「ん……んっ」





 私も舌を絡ませ、たっぷりと唾液を流しこまれた。





「どうだい、お姉ちゃんのおまんことケツの味は」





 さっきまで、おじさんの舌が紙めていた場所に気づく。もう、何にも気にならなかった。





「味……ない」





 ぼんやりと答えると、おじさんはちょっと残念そうな顔になった。





「まあいいや。じゃあ、昨日感じてたあれしてやるよ」

「え……」





 おじさんは、するりと脚の間に入ると、ぽちに吸いついた。





「ひいうっ」





 そこへ、まんこにずぶりと何かが入ってきた。





「んくうううっ」





 あまりの痺れに、腰が持ち上がる。その間も、おじさんはぽちをちゅっちゅっと吸い続けていた。

 それで終わりではなかった。尻の穴に、めりめりと太いものが侵入してくる。智の指とは五倍くらい太さが違っていた。





「いいいっ……んんんっ!」





 まんこと尻の穴に入れられたまま、ぽちを舐められている。昨日、佑介と智でやった以上のことを、おじさんはひとりでやっていた。

 まんこが下にぐっと押され、尻に入った指がぐいっと上がる。尻の穴とまんこの間の肉を、中からお互いを探るようにまさぐられた。





「ぎいっ……んぐっ……はあっ……んんんっ!」





 ぷうっ。

 またおならが出てしまった。これだけいじられたらしょうがない。嵐のような未知の刺激に、私は翻弄されるばかりだった。

 おじさんが、ぽちから口を離し、まんこと尻の穴から指をぬちゃりと抜く。





「ふう……はあ……はあ……」





 私は、じんじんと痺れる下半身に何の抵抗もできず、天井を見上げていた。





「お姉ちゃん、今日は上に乗ってみるかい」

「う……え?」





 おじさんの言っていることは、よく判らなかった。





「オレが寝るんだ。それでお姉ちゃんが上からちんぼを入れるんだよ」

「……判らん」

「しかたねえな、まずはこうするんだよ」





 おじさんは私を人形のように楽々と持ち上げ、あぐらの上に向い合せで座らせた。すでに隆々と立ち上がったちんぼが、へその上まで来ていた。私のおなかの、どこまで入っていたのだろう。





「よっ……と」





 おじさんが、ちんぼを股の下にねじこむ。ぬるぬるしていて、硬くて、熱い棒がまんこにこすれている。





「はあ……んっ」





 私は我慢できずに腰を動かした。ちんぼが、まんこの入口をずるずると引っかいていく。





「おうおう、それもなかなかいいな」





 私はおじさんの首につかまって、まんこをこすり続けた。ぬちゃぬちゃと、いやらしい音がする。





「うっ……んっ……あっ……」





 まんこの下で、おじさんのちんぼはますます硬くなってきた。





「待てよ、オレは中で出してえんだ」





 おじさんの言葉で、腰を止める。





「いいよ……」





 昨日の、まんこの中に広がった熱い感触を思い出す。おじさんは、私のぬるぬるでてかっているちんぼを、ぐいとまんこの入口に押し当てた。先っぽが、ぐりぐりと入ってくる。





「……んううううっ」





 昨日よりは痛くはないが、限界まで広げられる苦しさはある。





「そら、乗っかっちまいな」





 おじさんが腰を引き寄せると、バランスを崩した私の身体は、まっすぐにちんぼに突き刺さった。みちみちと嫌な音がして、一気にまんこの奥までちんぼが入ってきた。





「うああああっ」





 カエルにも負けない悲鳴が出た。私は必死でおじさんの首にぶら下がっているが、足が床につかない。ちんぼを支えにして、まんこだけで体重を支えている。





「そらそら」





 おじさんが、あぐらをかいたまま腰をびくんびくんと突きあげる。





「んぐうっ……んんっ……あはあっ!」





 ちんぼで身体ごと突き上げられる。自分の体重で、深々と突き刺さる。

 苦しい。苦しいけれど、昨日とは違う、別な感覚が生まれていた。





「お姉ちゃん、いい顔してるぜ」





 おじさんは嬉しそうだった。どんな顔をしているのだろう。相変わらず、腰をずんずんとねじ込んでくる。





「お、おじさん……んあああっ」





 私はおじさんの首をぎゅっと引き寄せる。腕にずっと力が入っていた。





「そろそろ、上になってみるか」

「え……」





 おじさんは私を貫いたまま、ごろりと背中を倒す。そして、あぐらをかいていた脚を伸ばした。私は、おじさんの上にまたがり、突き出たちんぼをまんこに刺していた。

 今まで向かい合っていたのに、いつのまにか上になっている。手品のような動きに、驚いていた。





「好きなように、動いてみな」





 そんなことを言われても、刺さったちんぼが苦しくて、とても動けない。





「んっ……ぐっ……」





 わずかに身体を揺すってみるが、ちんぼの圧力がすごくて苦しい。





「これならどうだ?」





 おじさんの指がするりと繋ぎ目に伸び、ぽちを弾いた。





「はあうっ……!」





 串刺しになった不安定な姿勢のまま、おじさんの指から逃げることができない。こちょこちょと、ぽちがくすぐられる。





「はんっ……んっ……はあっ……ふうっ」





 もう下半身に力が残っていない。力みが抜けると、ちんぼがさらに奥へずずっと入ってきた。へそのあたりまで来ているような気がする。





「おう、いい咥えこみだ。自分で、出したり入れたりできるかい」





 おじさんは嬉しそうだった。わたしは、膝をついて、ゆっくりと腰を持ち上げた。





「ん……くっ」





 おじさんのちんぼが、頭だけ残して抜ける。そのまま、こわごわと腰を下ろしていく。





「はあっ……うっ」





 まんこが広がる刺激が強すぎて、ゆっくりとしかできない。おじさんは、私が腰を動かす姿をじっくりと楽しんでいたようだったが、いきなりがっしと腰をつかんだ。





「んぐうっ」

「いくぜ」





 ごつんと、まんこの奥が突き上げられる。





「んあああっ!」





 本当に、胃まで震えた。

 そのまま、何度も身体が持ち上がるほど突かれた。





「ぐっ、んんっ……はんっ、がっ……はあっ」





 ただ衝撃に翻弄されて、何も感じる余裕がない。





「さあ、そろそろだ……うっ!」





 おじさんが切なく眼を閉じ、ぴたりと止まる。

 噴水のように、ちんぼの先から熱いものがまんこに流れこんでくる。

 ちんぼがびくん、びくんと魚のように跳ねている。

 まんこの中の魚は次第におとなしくなっていき、やがて、動かなくなった。

 全身から力が抜け、おじさんの胸に倒れこんでしまう。





「はあ……はあ……」





 全身を揺さぶる大波からやっと解放されて、私はほっとしすぎたのか、眠くなってしまった。

 おじさんのちんぼが、だんだんと硬さを失っていって、まんこの中からずるずると引き抜かれていく。

 私は、いつしか眠りに落ちていた。





『おじさんの寝込みを襲って、最後の激しいセックスをする。』





 眼を覚ましたことが判ったのは、明るさのためだった。

 私は素っ裸で、おじさんの隣に寝ていた。おじさんは、いびきを立てている。おじさんも、パンツ一枚さえ履いていなかった。





 プレハブの中に、朝の光が注いでいる。

 ぼんやりとした頭が、一瞬で覚醒した。

 外泊してしまった。今、いったい何時だろう。確かめる余裕もなく、急いでパンティを捜し、脱ぎ散らかしたパジャマを身につけて、外に出た。





 もう完全に明るい。けれども、太陽の高さを見るとそう遅い時間とも思えない。サンダルが脱げそうになりながら、全力で家まで走った。集落に入るまでは、田んぼの中にも人影は見えない。まだ早朝のようだった。

 少しだけほっとしつつ、集落の中を走り抜ける。生垣のところまで来て、ばったりと家から出てきたひとにぶつかりそうになった。心臓が、わずかに止まる。母だった。





「ねね、こいだけ早よから何しとるだん」

「ま、マラソン」





 嘘としては最低に下手な部類だった。パジャマにサンダルなのだから。





「嘘つくなね」





 どくんと心臓が跳ね上がる。やはり判ってしまった。言い訳を考える間に、母は何か理解したような顔になった。





「佑介くんと、会っとったんだらあ」

「ち、違うて」





 パジャマの中を、おじさんに出されたものが流れ落ちる。ももをぎゅっと閉じた。母が、顔をそっと近づけてくる。





「お母さんも、ねねんぐらいときゃ、お父さんとそうやって会っとっただで」





 母の顔が、うっすらと赤くなっていた。





「誰にも言わんで、安気にしときん」





 母は、門柱の新聞受けから新聞を取ると、家に戻っていった。

 ほっとしすぎて、へたりこみそうになる。

 パジャマのズボンで、ふくらはぎまで伝ったものをごしごしと拭き、何回か深呼吸をして、家に入った。





 まだ母以外は起きていないのか、ほかに誰の気配もない。まんこの中におじさんの子種をたっぷり出されたのに、このまま普通に着替えることなどできない。

 風呂場に行った。急いでパジャマを脱ぎ、洗濯機に放りこむ。パンティを下ろすと、どろりと粥のようなものが流れ出た。

 それを指ですくい、鼻に近づけてみる。海老が腐ったような、濃厚な生臭い匂いだった。それなのに、鼓動が速くなってくる。





 今日は十五日だった。お盆は今日で終わる。あそこにおじさんがひとりでいるのも今日だけだ。

 足が震えていた。私は今日も、母に嘘をつき、誰にも見られないようにプレハブへ行くことを確信していた。





 盆の集まりは、父方も母方も終わった。今日は何もない。朝ごはんを食べると、疲れと早起きのせいか急に眠くなった。昨日から敷いたままの布団に転がると、たちまちまぶたが重くなる。

 身体を揺さぶられる。





「お姉ちゃん、まあお昼ごはん済んじゃったよ」

「う……うん」





 すっかり熟睡してしまっていた。





「お姉ちゃん、なまけもんだあん」





 智が思い切りバカにしてくる。怒る気にもならない。よろよろと立ち上がって居間に行くと、ひとりぶんの食事に虫よけネットがかけてあった。





「お父さんもお母さんも、でれえ怒っとったよ。知いらんしょ」





 反応を楽しむように、智が顔をのぞきこむ。時計を見ると、もう二時近くだった。





「……みんなは?」

「田んぼ。草刈りするて言っとった」





 すでに硬くなったご飯と、生ぬるくなった味噌汁をすする。頭に浮かぶのは、もうおじさんと会える日は今日しかないということだった。





「……智」

「何い」





 あのプレハブに、智と行こうかと思った。佑介を誘ってもいいかもしれない。

 けれども、続く言葉は出なかった。





「何でもない」





 私は、ひとりだけで行きたかった。十二時間前に、あれほど激しく突かれたのに、もうしたくなっている。

 急いでご飯をかきこみ、洗い場へ持っていく。





「ちょう、図書館に行ってくるわ。留守番しとって」

「いいけどが、アイス買ってきて」





 うなずくと、速足で玄関に向かう。午後の日射しがねっとりと暑い。構わず、走り出す。

 集落の中を、息を切らせて走った。額から汗が吹き出る。どうしようもなく、どきどきしていた。

 水田地帯に出ると、青草の匂いを含んだ生温かい風が吹いてくる。そこかしこの田んぼの中には、盆休みだというのにトラクターがちらほらと動いていた。





 もしかしたら、誰かにプレハブに行くのを見られてしまうかもしれない。

 見られてどうなるかは判らない。判らないことを心配するより、今私は、おじさんのちんぼで身体が裂けるほど突いてほしかった。





 ごくりとつばを飲む。焦げつくような日射しの下を、新しい道路に向かって走る。

 肺が痛くなるほど、急ぐ。まだアスファルトを敷かれていない道路の脇にある、プレハブの前に立った。誰にも会わなかった。けれど、誰かが見ているかもしれない。





 Tシャツが、汗でじっとりと湿っている。私は、プレハブの扉に手をかけた。そろそろと開け、中に入る。

 おじさんは寝ていた。朝と同じ、素っ裸のまま布団の上でいびきをかいている。なまこのようなちんぼが、だらんと垂れ下がっていた。





 昨日から、寝続けているのかもしれなかった。そんなことはどうでもいい。

 私はサンダルを脱いだ。おじさんにゆっくりと近づいていく。

 歩きながら、短パンを脱いだ。

 パンティを脱いだ。

 内股がぬるりとしているのは、汗だけではなかった。





 Tシャツだけの姿になり、おじさんの横で四つん這いになってちんぼをのぞきこむ。力を失っているちんぼは、無害な生き物のようだった。

 濃い汗と、腐った海老のような子種の臭いが鼻をつく。かきむしられるようにうずいた。

 私はおじさんのちんぼを手に取り、先っぽから咥えた。





「んぐっ……」





 汗が塩辛い。我慢し続けていた欲を一度満たすと、もっともっと湧いてくる。私はうなだれたままのちんぼを、今まで覚えたすべてのやり方で舐め、含み、吸った。

 ちゅっ、じゅるっとよだれが音を立てる。おじさんは相変わらず眼を覚まさないのに、ちんぼが次第に硬い芯を持ちはじめた。

 一心に舐めるうちに、ちんぼがむくむくと起き上がってくる。とうとう、咥えきれないほどのあの猛々しい太さになった。





「ぐう……」





 おじさんが、寝ながら呻く。まだ眼は覚ましていないようだった。私は根元をしごき、頭を舐めまわす。

 ちんぼの穴から、じわっと何かが染み出てきて、それは少し苦かった。





 私はそれに構わず、上からちんぼを含み、吸いあげる。いつしか、私の股も熱くなっていた。

 おじさんのちんぼがますます硬く、そしてふくらんでくる。私はむさぼるように舌を使い、おじさんのちんぼを上から下まで大きくしごいた。





「んぐっ」





 初めておじさんが、苦しそうな声を出す。ちんぼがびくびくと、破裂しそうなほどに震えていた。





「うああっ」





 おじさんが吠えた。同時に、口の中のちんぼが大きく跳ねる。そして、大量の生温かいモノが注ぎこまれてきた。





「んんんんっ」





 声も出せない。粘り気があり、腐ったカニのような臭いがするそれは、飲みこむことも難しかった。

 ちんぼと口の隙間から、よだれで薄まった子種が垂れていく。





「ふぃい……ん、あ?」





 最初、おじさんは寝ぼけた顔をしていたが、私がちんぼを咥えているのを見ると、幽霊を見たように眼を見開いた。





「な、なにしてんだ姉ちゃん」





 ちんぼがずるりと口から抜ける。口の中に溜まっていたものが、ぼとぼとと落ちた。手首で口を拭う。





「今日で、お盆休み終わりだらあ……明日から、他のひと戻ってくるじゃん。ほしたら、まあおじさんとできんじゃん……」





 唾と一緒に、ごくんと薄まった子種を飲みこむ。とても、まともに飲めるようなものではなかった。

 おじさんの顔が、だんだんと驚きから喜びに変わっていく。





「五年生で、そこまで好きモノになるたあな。罪なことをしちまったぜ」





 言葉とは裏腹に、おじさんは満足そうだった。





「してくれんやあ……」





 絶対にそんなことはないと思っていた。もしかしたら、これは私の初めての駆け引きかもしれなかった。





「そんなわけねえだろ」





 おじさんのちんぼは、一回子種を出したあとには少し柔らかくなっていたが、もう完全に力を取り戻していた。





「じゃあ、して……」





 私はおじさんに尻を向け、高く持ち上げて、まんこを両手で広げた。二日前には、痛くて入らなかった姿勢だ。どきどきが止まらない。あの身を裂かれるような痛みを、最後まで受け入れたらどうなってしまうのか。





「いいぜ」





 おじさんの声は低く、少し震えていた。

 腰を、ぐっとつかまれる。まんこの入口に、熱くて硬くてぬるぬるしたものが当てがわれる。心臓が爆発しそうだった。





「んううっ」





 布団のシーツに顔をおしつけ、ぎゅっとつかむ。

 入口が広がった。この前は限界を超えた大きさに、びりっと音がした。今日、私のまんこは限界を超えて受け入れていた。





「あっ……はあああっ!」





 前からしたときよりも、ずっときつい。ちんぼが、鉄の棒のようだった。





「姉ちゃん、締めすぎだぜ。奥に入らねえよ」





 おじさんが苦しそうな声を出す。私は顔を激しく振った。





「いや……来て……おいでん……!」





 腰をつかむ手に、ぐっと力がこもる。





「知らねえぞ……」





 おじさんのちんぼが、めりめりと音をたてて進んでくる。





「ぐううう……っ!」





 全力でシーツを握りしめる。歯をくいしばる。

 私のまんこは、裂けるぎりぎりで、おじさんを飲みこんでいく。

 痛くないとは絶対に言えない。けれど、ただの痛みではない。もっとこの痛みが欲しい。何かとんでもないものが、その向こうにある。





「ふうっ……ふうっ……ふうっ」





 息が苦しい。ちんぼが、肺まで潰しているような気がした。





「もう少しだぜ……」





 おじさんが、ゆっくりとまんこをこじ開ける。





「うううっ……」





 そしてとうとう、これ以上進めないところまでたどり着いた。

 背中がぞくぞくと震える。私は、おとといできなかったことができるようになった。

 いきなり、ずずずっとちんぼが引き抜かれていく。肉と肉がこすれて、背骨を電気が走った。





「あああああっ!」





 昼間なのに、外には誰かいるかもしれないのに、大きな声を出してしまう。もうそれどころではない。





「へへっ、締めすぎて痛えぐらいだ」





 おじさんが、尻を軽く叩く。入口で休んでいるちんぼが、たまらなくもどかしかった。





「は、早う……」

「判ったよ」





 ゆっくりと、さっきよりは滑らかに、ちんぼが奥へ入ってくる。





「あふうっ……」





 そして、ちんぼでまんこの壁を引っかきながら、外へ出ていく。

 おじさんの出し入れが、ほんの少しずつ、速くなってくる。





「ああんっ……あっ……あっ……あっ、あっ、あっ、あああっ」





 情けない声と一緒に、よだれがシーツに染みを作る。





「よおく濡れてるぜ。これなら全力でやっても大丈夫だな」

「うんっ……!」





 返事と同時に、今までにない力でちんぼがまんこの奥に突き当たった。





「んぐうううっ!」





 そのまま胃まで貫かれそうな鋭さだった。そして素早く引き、すぐにまた奥を叩く。

 すごい速さで、何度もちんぼがまんこをえぐる。おじさんの腰が、私の尻に何度も打ちつけられる。





「はぁっ、はっ、はあっ、あっ、あんっ、あああっ、いいっ……!」





 おじさんのちんぼにこすられて、まんこがものすごい熱さになっている。腹の奥に溜まった熱さが、行き場を無くして身体を駆け上がろうとしている。

 もうすぐ、来る。





「姉ちゃん、出すぞっ」





 おじさんが、ちんぼを力の限り押しこんだ。熱湯が、まんこの中で吹き上がる。

 駆け上がった熱が、天井を破って頭の中で弾けた。

 世界が真っ白になった。





「あああああああああああっ……!」





 光の中へ、意識が吸いこまれそうになっていく。身体がぶるぶると震えた。

 やがて、白い光は消えていったが、まったく力が入らなかった。





「はぁ……はぁ……ふう……」

「へへっ、お姉ちゃん、イったのか?」

「判らん……」





 Tシャツがまくれた背中を、つうっと撫で上げられる。びりびりびりと電気が走った。





「あんっ……!」





 びくんと震えてしまう。身体中が敏感になっていた。





「最高だったぜ。二回続けてできるなんざあ、久しぶりだ」





 おじさんは、少し柔らかくなったちんぼをずるりと引き抜く。





「あふっ」





 何かが、とろとろと内股を垂れていく。おじさんの子種だろう。

 ちんぼというくさびを失って、私は布団に倒れた。まだ、心臓がとくとくとくと駆け足をやめてくれない。

 ティッシュを引き抜く音がする。まんこを、ざらざらしたものでこすられた。





「んふうっ……」





 丁寧に、中まで拭かれている。また、あの光がうっすらと頭に満ち始めた。





「あ、あかん……」





 光が溢れそうな直前で、おじさんは拭くのをやめた。

 おじさんが、背中に沿うように身体を横たえる。太い腕で、後ろから私を抱きしめた。





「しばらく休んでったらいいや」

「うん……」





 汗臭いおじさんの腕は、嫌ではなかった。不思議と安心感があった。

 眠くなってくる。私は自然に、眼を閉じた。





 揺さぶられて、自分が寝ていたことに気づく。





「おい、そろそろ帰らなくちゃまずいんじゃねえのか」





 外を見ると、夕方に近くなっていた。もう家族も帰ってきているかもしれない。





「まあ、帰らなあかん」





 脱ぎ捨てたパンティと短パンを拾い、急いで身につける。





「気いつけて、帰れよ」





 おじさんは、トランクスと白いタンクトップだけの姿で、布団にあぐらをかいていた。





「……うん」





 サンダルを履き、プレハブの扉に手をかける。振り向いて、おじさんを見た。おじさんは、軽く手を振った。

 私もちょっと手を上げる。私は、おじさんの名前も知らない。どこから来たのかも知らない。おじさんも、私の名前を知らない。

 それなのに、お盆の三日間は、誰よりも深く繋がっていた。





「あの……」





 何を聞こうというのか。





「さよなら」

「おう」





 からからと扉を開けて、プレハブの外に出る。風は真昼のものではなくなっていた。

 出来かけの砂利道を走り出す。

 智にアイスを買っていかないとごまかせない、と考えながら。





『お父さんとセックスしたい。』





 次の日、智や佑介と一緒に、工事現場を見に行った。

 工事は再開されていて、作業服を着たひとが何十人も動き回り、地面を砕くドリルがすごい音をたてていた。





「あ、おじさんがおる」





 智が指をさしてどきりとする。





「やめりん」





 おじさんがこちらを向いた。身体が固まり、背中に汗がにじむ。

 しかしおじさんは、私たちを初めて見たかのように、手を上げもせず、笑いかけもせず、淡々と作業に戻った。

 ほっとしたような、残念なような、何とも言えない気持ちになる。





「帰ろまい」





 工事現場に背中を向ける。





「あのプレハブ、まあ使えんな」





 佑介が残念そうにつぶやいた。





「……うん」





 智が隣に並び、私を見上げた。





「お姉ちゃん、ひとりでおじさんとこ行ったやあ?」





 後頭部を、ハンマーで叩かれたような衝撃だった。





「い、行っとらんよ……どいでえ?」

「昨日、お姉ちゃんがプレハブから出てくるの見たて友達が言っとった」

「き、昨日は図書館に行くて言っただらあ」

「ふうん」





 智はさして興味もなかったのか、それ以上追及してくることはなかった。





「これから、どこでするかやあ」





 佑介も、私の言葉を疑っている様子はなかった。





「来週から、お父さんも仕事行くし、じいちゃんばあちゃんは田んぼに行くし、お母さんがおらんかったら、うちでいいだらあ……」





 おじさんのところに三日も通ってしまったことを、佑介に申し訳なく思っていた。





「今週は、あかんね。お父さん毎日うちにおるもん」

「俺んがれも、ほだわ」





 智の言葉に、佑介もため息をつく。





「ほれに、夏休みが終わったら、どうなるだやあ」





 お盆が過ぎ、夏休みはあと二週間で終わる。空を仰ぎ見ると、青い稲が茂る田んぼの上に、入道雲がそびえていた。なんとなく、寂しい気持ちになる。





「……判らん」





 とぼとぼと歩く私たちの前を、アキアカネがすうっと通り過ぎていった。





 家に帰り、自分の部屋でごろりと横になる。もう四時を過ぎていた。智はアニメの再放送を見ている。扇風機の風が、髪を揺らす。

 眼を閉じる。畳を叩く、鼓動をはっきり感じる。





 おじさんに抉(えぐ)られ、貫かれ、叩きつけられ、中に出された感覚が、次々と思い出される。





「……はぁ」





 胸が詰まって、息がこぼれる。工事をしているおじさんは、私に無関心だった。直接それを見たさっきより、今の方が悲しい。

 するっと、パンティの中に指を入れる。





「ん……」





 おじさんの指。開いて、こすって、入れて、揉む。

 刻みつけられた指使いを思い返し、人差し指と薬指でまんこを開く。





「ふうっ……んっ」





 中指で、入口につぷっと入れる。





「あ……っ」





 親指で、ぽちをさわる。





「うっ……!」





 びりっときた。どうしても、おそるおそるになってしまう。





「んんっ……あっ……あ……」





 中指をまんこに出し入れしながら、親指でそっとぽちにふれる。





「あ……痛っ」





 変な動きをしたせいか、てのひらがつりそうになった。眼を開け、パンティから手を引き抜く。指先が、少し湿っていた。





「ふう……」





 自分では、全然うまくいかない。それに、指を入れられながらぽちを舐めるなどという芸当は、絶対にひとりではできない。

 智にやってもらうにしても、おじさんのようにできるとは思えない。





「……お父さん」





 意識せずに漏れた言葉に、自分でも驚いた。

 夏休みの初め、父が母を後ろから貫いていた。私とおじさんのように。

 どきどきが、急激に高まってくる。





 母のように、私にしてほしい。

 父にされたらどんな感じなのだろう。父のちんぼはどんなだろう。父はどんな指使いをするのだろう。父は私のどこを舐めるのだろう。





 でも、父とそういうことをするのはおかしいのだろうか。おじさんとはいいのだろうか。家族としてはいけないのだろうか。

 智とするときに、悪いこととは思わない。父と母は家族なのに、している。私と父がしても、いいはずだ。





 固いつばを飲む。

 智も一緒にしよう。父には後ろから裂けるほど突いてほしい。私は智のちんぼを舐める。そして、智は。





「お姉ちゃん」





 本当に、心臓が止まるかと思った。幸いなことに、指はパンティから出している。智が、部屋の入口でぼうっと立っていた。





「な、何い」

「何あわくっとるやあ」





 智はつまらなさそうに私を見ている。





「いきなり来るで、びっくらこいただけじゃん」

「ふうん」





 智は、寝ころがる私のそばに座った。





「ねえ、お姉ちゃん」

「何い」





 今度は、どもらなかった。





「僕、おじさんと、佑介くんと、お姉ちゃんと四人でしたこと、まっとしたい」





 心臓が痛いほど跳ねる。慌てて周囲の気配をさぐった。家族に聞かれたら大変なことになる。





「……智! それ絶対、他のひとに言ったらいかんでね」

「判っとるて。けどが、僕したいもん。あんときのお姉ちゃんの顔、でれえ……」





 智は言葉を探しているのか、目線を天井へ向ける。





「……判らん」





 頬がうっすらと染まっていた。





「お姉ちゃんは、したくないやあ」

「だって……プレハブも使えんし、おじさんはもう相手にしてくれんよ」





 胸がちくりと痛む。





「大人がおらんと、つまらんよね」





 素直に肯定するのは抵抗があったが、黙ってうなずく。





「……お父さんじゃ、いかん?」





 智の言葉が、こめかみを激しく叩いた。まさに、今考えていたことだった。心臓が、妖しい鼓動を打ち始める。





「……いいよ」





 私と智は見つめあった。何か、もう後戻りができないところに行ってしまうような気がしたが、私は今夜、父と、智と、あれをすることを疑わなかった。





『お父さんとセックスして中出しされる。』





 お盆が終わった後の夕飯は、普段よりも質素だった。おかずは煮物と味噌汁だけだ。いつものように、祖父と祖母、父と母、智と私が食卓を囲む。

 いつにも増して、言葉が少ない。扇風機がうなる音が、妙に目立つ。





 味噌汁の味がしない。

 何と切り出そうか。いつ言おうか。

 智をちらりと見る。何かを訴えるように、こちらを見返していた。

 お父さんと、したい。





 家族の前で、そんなことが言えるわけがない。やがて、食事が終わり、母は洗い物をしに台所へと立った。祖父母は部屋に戻る。父は茶碗にお茶を入れて飲んでいた。

 今しかない。鼻から大きく息を吸う。





「お父さん」





 父が顔を上げた。





「……今日、お父さんと寝たい。部屋に、来て」





 優しく父が微笑む。





「何だあん、おそがい(怖い)本でも読んだだかん」





 黙ってうなずく。来てくれさえすれば、どんな理由でもいい。





「いいぞ。早よ風呂に入りん」





 どくんと心臓が跳ねる。





「う……うん」





 食器を持って、立ち上がる。流しでは、母が洗い物をしていた。

 今夜、私は父とあれをする。何も知らない母に、罪悪感と優越感があった。

 決して秘密を知られぬよう、そっと流しに食器を置く。





「ありがと」





 母は顔を向けなかった。何か気づいているのかもしれない。震える足で、そそくさと台所を後にする。

 そのまま、風呂場に行った。服を脱ぎ、胸を少し持ち上げてみる。





「ん……」





 夏休みの前とは違う。さわってもただくすぐったいだけだったのが、別の感覚が育っていた。

 こりこりに、そっとさわる。ぴりっと痺れが走る。





「は……っ」





 これ以上やっていてもしょうがない。

 父にさわってほしい。

 舐めてほしい。

 吸ってほしい。





「ふう……」





 胸の詰まりを吐き出すように、大きなため息をついた。

 今日は、いつもより念入りに身体を洗う。特に尻の穴。

 そして、まんこ。

 石けんでぬるぬるになった指が、つぷっと入ってしまう。





「あっ……」





 これ以上はいけない。洗うだけでは済まなくなる。

 身体の奥から、うずうずと熱が湧いてくる。石けんをお湯で流した。

 どきどきが止まらない。緊張しすぎて、胃が痛くなってくる。





 身体を拭く。ドライヤーで髪を乾かす。普段何気なくしていることが、特別な儀式のように感じた。

 パジャマに着替え、部屋に戻る。敷いた薄布団に、大の字に寝ころがる。鼓動が背中を打つ。すう、すう、と鼻息の音が妙に目立つ。





 智が無言で部屋に入ってくる。パジャマ姿だった。緊張した顔をしている。隣の布団に寝ころがった。

 いつもの寝る時間には、早すぎる。普段なら漫画を読んだり、智と話したりするけれど、今日はとてもそんな気持ちにはなれない。

 智も同じだった。眼を見開いたまま、じっと天井を見つめている。





 どれだけ時間が経っただろうか。

 廊下がぎしりときしんだ。この音は、父だ。

 息を吐ききって、止める。胃がしみる。苦しい。

 おそるおそる、そっと息を吸う。佑介よりも、おじさんよりも、緊張する。

 足音は無造作に近づいてくる。そして、止まった。





「やい、来たぞ」





 父は穏やかに笑いながら、ふすまを開け放した部屋の前に立っていた。

 幼虫のように、身体を丸める。恥ずかしくて、怖い。父がではない。たぶん、私自身を怖れていた。





「……うん」





 かすれた声だった。

 父はのしのしと、私と智の間に来る。





「……お父さん、ふすま、閉めて」





 細く絞り出した声を、父は聞いてくれたようだった。





「開けとった方が、風が通るだらあ」





 ただ、首を振る。父は文句も言わず、ふすまを閉めた。





「さあ、甘えん坊達(たあ)と寝るかね」





 父は蛍光灯をオレンジの保安灯に落とした。私と智の布団の境目に、身体を横たえる。

 青白い月光が、部屋に差しこんで父の顔をうっすらと浮かび上がらせる。片手で頬杖をつき、口元に笑みをたたえて、じっと私を見つめていた。





 カエルの声が遠くから、庭からはコオロギの声が聞こえる。

 父は来てくれた。どうすれば、私としてくれるのだろう。このまま、添い寝だけで終わらせたくない。

 父の顔が見られない。全身が心臓になってしまったかのように、熱く脈打っている。

 頭が熱い。もう何も考えない。





 勇気を限界まで振り絞って、そっと手を伸ばす。

 パジャマの上から、父のちんぼにそっとふれた。硬くも何ともない、ただの柔らかい肉だった。





「やい、変なとこさわるな」





 父はただのいたずらだと思っているのか、穏やかな声のまま、手をのけようともしない。

 私の心臓は爆発しそうだった。そのまま、ゆっくりと布の上からさする。





「そんなに面白いだかん」





 少し呆れたふうで、父がつぶやく。私は父から顔を隠し、ちんぼをこすり続けた。息が細く大きくなる。

 手の中で、柔らかなちんぼが、次第にしっかりとした手ごたえを返し始めていた。





「たいがいにしろ」





 父が、低い声で無造作に手を払う。





「あんまりとろい(馬鹿な)ことしとると、まあ寝んぞ」





 本気の声だった。おそるおそる、父の顔を見る。もう笑みはなかった。





「ううう……」





 胸が痛くて、涙がにじむ。どうして泣けてきたのか、自分でも判らない。たぶん、自分の馬鹿さが情けないとか、父に拒絶されたことが悲しいとか、そういったものがごちゃ混ぜになって、理由を突き止めることなどできそうになかった。





「何を泣いとるだん」





 心底困惑した声で、父が髪を撫でてくれる。私は、父の胸板に顔を押しつけた。嗚咽とともに、涙がパジャマに吸いこまれていく。





「お父さん、行っちゃあかん……」

「よしよし」





 父の手が背中を優しくさする。ぞくぞくと甘い痺れが走る。このまま、肌着の下に手を入れて、直接撫でてほしい。背中だけでなく、ズボンも脱がせて、尻を、まんこをさわってほしい。

 パジャマのズボンに手をかける。乱れた心そのままに、乱暴にパンティごとズボンを脱いだ。





「ねね……?」





 私のしていることを何ひとつ理解できないといった風で、父はため息のように私の名を呼んだ。

 もういい。

 首に腕をからませ、素裸になった脚を、父の股間にねじこむ。重なった胸と胸から、父の重い鼓動を感じた。





「お父……さん」





 耳元でささやき、軽く耳たぶを口に含む。父がかすかに震えた。





「ねね、何やっとるだか、自分で判っとるだかん。いたずらは、たいがいに……」





 父は本気で戸惑っていた。





「お父さん……私が、何をしようとしとるか、知っとるやあ……」





 じっと父の眼をのぞきこむ。視線が揺れた。

 隙をついて、唇で唇をふさぐ。父の息は、ほんのりとお酒の匂いがした。

 強い力で、突き放される。





「ねね、あかんぞ。ここまでだ。これ以上は、あかん」





 父の声が厳しく、高くなる。





「お母さん、気づくよ」





 そっと人差し指を、唇に当てる。キスをしてしまったことで、私は大きな壁をひとつ乗り越えた。父が口をつぐむ。





「私のお願い、判る……?」





 声を潜めて、父に問う。顔をこわばらせたまま、父は答えてくれなかった。





「お母さんとしとること、私と、して」

「いかん……何言っとるだん。ねねは五年生だらあ。早すぎる……まんだ子供じゃんか。いや、そうじゃなくて、親子でせるもんじゃない」



 活舌の悪いささやきで、父は私を説得にかかる。





「お母さんはよくて、私はいかんやあ。同じ家族じゃんか」

「元々他人だで、お母さんはいいだ。ねねは俺の子供だ」

「どいで子供だといかんやあ」

「……片輪の子が生まれる」

「私、まんだ生理ないもん。生まれんよ」

「そういうことじゃ……」

「だったら、してもいいじゃん」





 私の屁理屈に、父は次第に言葉が少なくなっていった。





「ねえ……僕、お父さんとお姉ちゃんと、三人でしたい」





 ずっと黙っていた智が、父の背中にしがみつく。





「智……お前まで、何を言っとるだん。お前んたあ、一体何をしとっただん」





 父の声が震えていた。私はすかさず、父の股間にてのひらを当てる。父のちんぼは、石のように硬くなっていた。嬉しくなる。





「お父さんだって、私としたいんだらあ?」





 父のパジャマをずり下げる。ちんぼがばね仕掛けのように外へ出た。素早く身体を入れ替え、ちんぼを口に含む。





「はむっ……」





 父のちんぼは、おじさんほど汗臭くない。ちんぼの頭を、口の中で飴のように舐めまわす。





「ねねっ、こんなこと、どこで覚えたっ……」





 声に、荒い息遣いが混ざる。私は、ちんぼを咥えたまま、剥き出しのまんこで口をふさぐように押しつけた。





「んうっ……」

「お父さん、お姉ちゃんのまんこ舐めて。僕、お尻いじるで」





 智が父の背中から離れると、支えを失って父は仰向けに倒れた。私は父の上にまたがり、ちんぼを吸う。まんこに、父の乱れた息が当たってちりちりする。





「お姉ちゃん……」





 智が、肛門のまわりをつうっと撫でる。





「んうっ」





 もう少しで、ちんぼを噛みそうになった。だけど、もっとさわってほしい。





「んん……」





 智、と呼ぼうとしたけれど、ちんぼを口から離したくなかった。

 私の想いが判ったのか、智の小さな指は尻の穴をくるくると回って、次第に内臓へと沈んでいく。





「んんーっ」





 尻に入れられるのは、初めは好きではなかった。今は、そんなに悪くない。

 智の指が、ゆっくりと出し入れされる。引き抜くときに、肛門が外へ引っ張られるのが、危ういほど痺れる。





「んっ、んっ、んんっ、うんっ、むう……」





 含んだままのちんぼを、溜めきれなくなったよだれが垂れていく。せっかくおじさんに習ったいろいろな舐めかたをしようと思ったのに、集中できない。





「お父さん、早よ舐めりん」





 智が熱を帯びた声でささやく。私は、父を従える瞬間が近づいていることを確信していた。





「ううっ……」





 父が苦しそうにうめく。そして私の尻肉を乱暴につかみ、左右に広げた。まんこが外に引っ張られ、何かが太ももを伝っていく。すうすうと、涼しい空気が中に入ってくる。





「知らんぞ」





 まんこに、ぬるりと温かいものが当てられた。





「んんんんんっ」





 とうとう、父が陥(お)ちた。歓喜が、まんこから脳天へ突き抜ける。

 父の舌がまんこの中でうねり、ずずずっと襞を吸い上げた。尻に入った智の指も、休まず出入りしている。





「んんっ……あはあっ」





 もうちんぼを咥えるどころではない。口を離して、息をする。尻とまんこを同時に責められて、腰から下が溶けてしまいそうだった。

 身体を支えられない。でもちんぼは、しっかり握っている。





「はあっ、あ、ああっ、んうっ、んっ、あああっ」





 溶けていく身体にすがるように、確かなちんぼをつかみ、しごく。父のちんぼはますます硬くなり、ふくらんで反り返っていた。





「ねねっ」





 父がぽちを、肉ごと吸い上げる。そしてずぶりと、指が入ってきた。

 あまりの衝撃に、頭の中で閃光がはじける。





「ああああああっ!」





 びくんと背中が跳ねる。力が完全になくなってしまった。けれども父はやめてくれない。強い力でぽちをねぶり、指でごりごりとまんこの内側をこすり上げる。





「んんーーっ!」





 白い閃光が、続けて明滅する。もう私は、生きているのか死んでいるのかも判らなかった。





「お……父さん」





 ぽつりとつぶやいたとき、父の動きが止まった。舌と指が、すっと離れていく。智も、尻から指を抜いた。

 私は泥のように、父の上からずるりと落ちた。





「はあ……はあ……はぁ……」





 息をすることしかできなかった。身体にまったく力が入らない。おじさんに、後ろから貫かれたときに起こったあれを、父は指と舌だけで何度もしてしまった。





「ねね……」





 心配そうな声で、父の手が背中にふれる。





「はうっ」





 ぴりりっと電気が走った。





「お父さん……私、お母さんよりも、お父さんのこと好きだよ……ほいだで、お母さんと同じこと、して……私の中で、出いて……」





 私は脚を広げ、濡れに濡れた股の底を、父にさらした。





「くうっ……」





 父はぎゅっと眼をつぶり、苦しそうに歯を食いしばった。

 そして、放り捨てるようにパジャマを脱ぎ、全裸になった。おじさんよりも、きれいで立派なちんぼが、刀のように立ち上がっていた。

 嬉しさが、湯のように胸の中へこみ上げる。





「おいでん」





 私は手を広げ、父を出迎えた。

 父は、すごい勢いでのしかかってきた。パジャマのボタンを引きちぎり、胸がはだけられる。怖くはなかった。ただどきどきしていた。





「んうっ」





 荒々しく、父に唇を奪われる。眼を閉じ、舌を入れた。





「んんっ」





 父が頭をつかみ、顔を傾けて深く舌を絡ませてくる。どちらがより相手の口を蹂躙するか争うように、お互いの舌が口の中で踊る。





「ぷはっ」





 苦しくて、口を離す。ボタンが全部取れたパジャマから、胸があらわになっていた。父が唇を滑らせる。おっぱいのこりこりを、歯を立てずに強く噛んだ。





「んんうっ」





 強い痺れで、身体がのけぞる。飴のように乳首を舐めまわしながら、両手で脇腹をすうっと撫でられる。





「はあっ……お父さん」





 思わずこぼれた呼びかけに、父は答えない。舌が、胸からへそへと下がっていく。

 さっき、まんこは思う存分舐めてもらった。次に行きたい。もっと、めちゃくちゃにしてほしい。





「お父さん……まあ、いいよ。早う……」





 涙で潤んで、父がぼやけて見える。父が動きを止めた。どんな顔をしているのか判らなかった。

 父が黙っていたのは、どれくらいの長さだっただろうか。

 いきなり、ぐいと両脚を持ち上げられる。どくんと心臓が跳ねた。まんこが、剥き出しになる。





「はぁ……はぁ……はぁ」





 父が決心したと判った。今までの誰よりもどきどきしていた。智よりも。佑介よりも。おじさんよりも。

 まんこに、太くて硬いものがねじこむように押し当てられて、ぐちゅぐちゅと音が鳴る。





 来た。本当に、死んでしまいそうなくらいどきどきしている。鼻息が、ふっ、ふっと出てしまう。





「……お父さん」





 父を引きこむように、下から首を抱える。

 ずるるっと、ちんぼが奥まで入ってきた。





「ああああっ!」





 声が裏返る。父が離れないように、ぐっと腕に力を入れた。

 おじさんのように裂かれるような太さではない。けれども、父は私とこうするために存在しているのだと信じられるほど、完全にぴったりとはまっていた。





「ねね……」





 父は眉間に皺を寄せ、泣きそうに見えた。





「私、嬉しいよ……お父さん。大好き」





 心のままに、笑う。





「くっ……」





 父が声を詰めてうつむいた。

 ゆっくりと腰を引き、ちんぼがゆるゆると私の中から出ていく。

 このままやめてしまうのではないかと、不安がよぎった。

 ちんぼの頭が入口まで来たとき、父が止まった。

 いきなり、ずどんと行き止まりまで突きこまれた。





「あんうううっ!」





 衝撃と歓喜が、背骨を駆け上がる。





「ねね、ねねっ」





 父が私の頭を抱えて、何度も激しく腰を打ちつける。





「ああっ、あっ、あっ、あああっ、はあっ、あっ……んうううっ」





 父の背中に必死でしがみつく。

 ちんぼが力強く打ちこまれるたび、私は頭が弾けるほど嬉しい。





「はっ……はっ」





 父の動きは単純だが力強かった。悦びが、頭の中で白く明滅する。

 まんこを舐められていたときに来たあれと同じだ。

 違う。父のちんぼで与えられるものは、今までとは比べものにならない予感がする。





「ねねっ……!」





 父が足首をつかみ、大きく広げて倒れこんでくる。足が顔の横にある。まんこが真上を向く。

 父のちんぼは、さらに硬く、さらに太くなった。

 来る。父が、私の中で子種を出そうとしている。





「いいよ……! いいよう、お父さあん!」





 叫んでいた。

 ちんぼが、垂直に杭を打つようにがんがんと入ってくる。





「あはぁっ! ああっ! あっ! はあっ! あああっ」





 頭の中で古い蛍光灯のような点滅が、だんだんと感覚が短くなり、不穏なものがそこまで来ていることが判る。

 私はまだ我慢したい。父が、私の中に、全部出すと同時に、明け渡したい。

 布団のシーツを強くつかみ、歯を食いしばって耐える。





「んんっ、んっ、んうううっ! くっ、はあっ……お父さん、お父さん!」

「ねねっ、出すぞ! いいか、出すぞ」

「うんっ、うん……いいよ、早う……まあ、あかん……!」





 特大の花火が、頭の中で爆発する。





「あああああああああっ!」

「ううっ!」





 父がぴったりと腰をまんこに押しつける。すうっと離れそうな意識の片隅で、父のちんぼがびくんびくんと何度も跳ねまわり、私の中は熱いもので満たされていくのを感じていた。





「はあ……はあ……ふう……」





 身体から、力が抜けきっている。しばらく動けそうになかった。頭の中では、まだ火花がきらきらと散っている。

 父のちんぼは、絞り出すようにまだぴくぴくと動いていた。





「ん……」





 父の背中にぎゅっと腕を回す。





「ん」





 眼を閉じて、唇を突き出したが、父は何もしてくれない。





「ん!」





 軽い、しっとりとしたキスを、長めにしてくれた。

 父のちんぼは少し硬さを失ってはいたが、まだ私の中に満ちていた。このまま離れたくなかった。





「ねえ、僕もお姉ちゃんとしたい」





 智の少し怒った声が、雰囲気を壊す。





「ああ……」





 父は、気の抜けた声を出すと、私から出ていった。子種がどろりと、尻の下のシーツを濡らすのが判る。





「ねえ……後じゃいかん?」





 ぐったりとした私は、もう少し休みたかった。





「やだ」





 智がきっぱりと拒否する。私はじっとりと汗で濡れた身体をよじり、うつぶせになって尻を持ちあげた。





「……好きにしりん」





 智が、尻に取りつく。





「わあ、お姉ちゃんのまんこ、でれえ広がっとるよ」

「……知らん」





 智が、くちゅくちゅとまんこの周りをつつく。父よりはずっと細いものが、するっと入ってきた。





「んうっ……」





 父としたばかりで敏感になっているが、智のちんぼに怖さはなかった。





「お姉ちゃんの中、でれえどろどろだよ。お父さんが出いたのも混ざっとるだね」





 智が熱のこもった声でささやく。父はと言えば、呆然とした顔で、腰が抜けたように後ろ手をついていた。いいことを思いつく。





「お父さん……ちんぼ、きれいにしたげるわ」





 私は尻に智をくっつけたまま、父の股間に顔を入れた。腐った海老に、少し酢を混ぜたような匂いがほんのりとする。

 海老の匂いが子種だということは知っていたが、酸っぱいのは私のだろうか。ちんぼの周りに生えた毛は、べっとりと濡れて寝てしまっている。

 父のちんぼは、そそり立つほどではなかったが、まだ硬さを保っていた。





「ふふん」





 上眼で父を見て、笑う。





「はむっ」





 手でちんぼを起こして、咥えた。

 溶けかけのアイスのようにぬるぬるで、私はそれを丁寧に舐めとった。





「んっ……ちゅっ」





 口の中で、ちんぼが硬さを取り戻していく。





「お姉ちゃん、するよう」





 智が腰を打ちつける。父やおじさんに比べたらずっと軽い、愛おしくなるような動きだった。





「んっ、んっ、んんっ、うんっ、んっ、むうっ」





 父のちんぼは完全に私を貫いた硬さに戻り、私もちんぼをきれいにすることではなく、ちんぼを味わうことが目的になっていた。

 智に後ろから入れられながら、父を咥える。こうしたかった。まんこの奥が熱くなる。





「でれえ熱いよ、お姉ちゃん」





 智の腰と私の尻がぶつかるたび、くちゃっくちゃっと湿った音がする。





「ねね……まっとだ」





 父が私の頭をつかむ。そのまま、喉の奥までちんぼをねじこんできた。





「んぐうっ!」





 のどちんこにさわって吐きそうになる。歯を立てないでいるのがやっとだった。

 私に咥えさせたまま、何度も股間に頭を引きつける。





「んうっ! ぐうっ! んーーっ!」





 父は前から、智は後ろから、ひとつのリズムになって私を揺さぶる。





「お姉ちゃん、僕、あれが来るよう……! まあじきだよ!」





 智が切ない悲鳴をあげる。





「ねねっ、いくぞっ」





 父が、思いきり頭を引きつけた。その途端、熱い激流が喉の奥へとほとばしる。





「お姉ちゃあん!」





 智の可愛い噴水が、まんこの中を満たしていく。





「ぐふんっ……んぐっ……」





 口の中で魚のように跳ねるちんぼと、溢れそうな子種でえずいてしまう。父はまだ離してくれなかったが、私は一滴たりともこぼしたくなかった。





「んう……ああ」





 父のため息とともに、ちんぼはおとなしくなっていき、やがて頭から手が離れた。

 私は口を慎重にすぼめながら、ちゅるんとちんぼを引き抜く。口の中に満々と溜まった子種を、眼をぎゅっと閉じて、少しずつ飲み下していった。粘りけが強いので、顔を上に向け食道へ落としていく。

 全部飲みきったあと、腐った海老の匂いが鼻を抜けていった。





「私、偉ろなった?」





 父に、甘えるように問う。





「……ああ」





 父は、月影の中で、少し笑ったかもしれない。





「お姉ちゃん、僕、えらい(疲れた)……」





 智は尻から離れると、布団に倒れてしまった。





「ねえ、お父さん……まっと、しよ」





 私は後ろ手で身体を支える父にもたれかかり、仰向けに倒した。

 父のちんぼは、てらてらと光りまだ立ち上がっている。





「……んふ」





 まんこに手を伸ばし、垂れ落ちる液を手に受ける。父と智の子種と、私のぬるぬるが混ざったものだ。

 それを、倒れかけている父のちんぼに塗りたくり、しごく。





「うっ……」





 父は小さくうめき、ちんぼはまた硬くなっていった。

 私は父の上にまたがり、立ち上がったちんぼをつかんで、まんこに当てる。

 そして、ゆっくりと腰を下ろしていく。





「んううううっ」





 そのあと、いつまでしたのかは覚えていない。





『夜の終わり、また次の夜』





 部屋が明るくなっているのに気づいたのは、眼が覚めたからだ。

 父は、いなくなっていた。

 智は、隣の布団でタオルケットを蹴飛ばした格好で寝息を立てている。





 昨夜の痕跡は、何も残っていなかった。脱いだパジャマは履いているし、父にボタンをちぎられた上着は何の異常もない。そもそもこのパジャマだったか。

 昨日のことが夢ではないかと思うくらい、何もかもがいつもの朝だった。

 ゆっくりと立ち上がり、居間に行く。父はもう着替えて、新聞を読んでいた。





「おはよう」





 私に気づいた父は、新聞から眼をあげてうっすらと微笑む。昨日あれだけのことをしたのに、何も気にしていないように見えた。

 胸の中に、戸惑いが生まれる。





「お、お父さん、昨日は……」

「おお、部屋に行ったらふたりとも寝とったで、そんまま帰ったわ。ちゃんと寝れるじゃんか」





 父は屈託なく笑った。

 そんなはずはない。昨日のことが、夢であるはずがない。

 今、まんこから太ももを伝って流れているものがその証拠だ。





 いや、夢でも現実でもいい。

 今夜、もう一度父に来てもらう。

 私は、乾いてきた唇を、ぺろりと舐めた。〈了〉





小学5年生の私は土方とお父さんに中出しされました。(販売名:「私」)


著者

龍淵灯

小説ページ

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初回配信日

2020/03/08

最終更新日

2022/01/31

保存日

2022/07/17






Posted by 하얀라임
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