3.シキ2





『37』





「おう、小童。外行くぞ」





 ある日の昼下がり、寝転がっている俺の枕元に立って見下ろしながら、シキはそんなことを言ってきた。

 俺は隣で寝ている霊子さんの胸を揉みしだきながら、彼女を見上げる。

 ……相変わらずシキは下着を着用していないので、下からだと着物の彼女は陰部が丸見えである。

 ぴったりと閉じた若々しい秘裂は、下から覗くと良い光景だ。





「……何で外だよ?」

「ここ最近、ずっと部屋に籠って性交しかしておらんじゃろが。儂だって外に出たいわ」

「おっ、おっ♡」





 霊子さんの乳首を転がしながら、俺は衝撃を受けていた。

 今まで彼女たちを犯していて、そういうことを思ってもいなかったからだ。

 そうか、シキは……。





「青姦がいいのか……」

「殺すぞ小童」





 ベチンと頭をはたかれてしまう。

 違うのか……。まあ、俺はあまり露出趣味はないので、外でヤることが好きというわけではない。

 女から求めてくるのであれば、できる限り答えるが。





「儂が言っておるのは、純粋に散歩をしたいと言うておるだけじゃ」





 やれやれとため息を吐きながら首を横に振るシキ。

 そうか、外に出たいだけか。

 今まで霊子さんと一緒にいて、彼女からそんなことを言われたことがないので、幽霊も外に出たがるのかと驚いた。

 いや、彼女は話せないから雰囲気で察することしかできないが。





「……何で?」

「何でもクソもあるか。この地縛霊と一緒にいると、息が詰まるんじゃ。こやつ、小童がおらん時に強烈な殺気を向けてくるんじゃぞ。まったく休まる時がないわ!」





 俺は大学にも行かなければならないので、二人きりの時どうしているのか少し気になっていたのだが……仲悪いのかよ。

 霊子さんに殺気を込めてじっと見られていたら……まあ、確かに参ってしまいそうだな。

 俺と寝ている時の彼女は、こんなに可愛いのに。

 胸を揉んでいると身体をビクビクとさせ始めている霊子さんを見て、うっすらと笑ってしまう。





「まあ、外に出るのはいいんだけどな……お前、外出られるの?」





 幽霊が街中をうろうろしているというのはなかなか考えたことがなかったので、シキに聞いてみる。





「もちろんじゃ。まあ、こやつのような地縛霊だと動くことはできんが、儂はそういった類のものじゃないしの」





 ははぁ、幽霊にも種類があるんだな。

 ま、出られるんだったら問題ないな。





「よし、じゃあ軽く散歩でもするか」

「おう」





 嬉しそうに破顔するシキを見ていたら、俺も思わず笑みを浮かべてしまう。

 さて、と。昨日も霊子さんとヤっていたので全裸のため、服を着ないとなぁ。

 その前に……。





「おっ♡」





 乳首を摘まんで霊子さんをイかせておこう。

 ピュッと母乳を噴き出させながら身体を震わせる霊子さんを見て、満足して頷くのであった。





 ♡





「はー。いいのう。暑すぎず、寒すぎず……ちょうどいい天気じゃ」

「だなー」





 人がまったく寄り付かないアパートから出て、のんびりと並んで歩く俺とシキ。

 何となく手をつないでいるが、傍から見たら歳の離れた兄妹に見えていることだろう。

 今時和服ということで目を引いているシキだが、彼女の整った容姿のおかげで温かい目を向けてくる人が多い。

 何人かヤバそうな目を向けてくる大きなお友達もいたが、流石に俺がいるので声をかけてくることはなかった。





「そう言えば、和服とかって暑くならないのか?」

「うむ、きっちり着込んでいたら暑いじゃろうが……儂は緩いしの。下着も穿いておらんし」





 パタパタと裾をはたくシキ。はしたないから止めなさい。

 まあ、下半身がスースーしていたら、そんなに暑くならないのかもしれないな。





「で? どこか行きたいところはあるか? お前のおかげで、そこそこ金はあるし」

「うむ。……そう言えば、小童は何故宝くじとやらに名乗り出んかった? 億万長者じゃったのに」





 クリクリの目を向けて見上げてくるシキ。

 実を言うと、俺は一等の宝くじを届け出ることをしなかった。

 いや、座敷童としての幸運はズルというわけでもないので、別に受け取ってもよかったのだが……。





「いや、いきなり何億って渡されても困るわ……」





 俺は特に普通の大学生である。それで、いきなり何億も手にしてしまったら、色々とぶっ飛んでしまいそうで怖かった。

 あと、こういうのってどこからか嗅ぎつけられて金を無心されて壊れてしまうということも聞いたことがあったので、それが怖かった。





「まあ、ちょくちょくそこそこの宝くじ当ててくれてるし、それで十分だろ」

「ふーむ、そういうものかの?」





 だからと言って、せっかく座敷童が家にいてくれているのに、その幸運を利用しないというのもおかしな話だ。

 だからこそ、俺は何百万くらいの宝くじを当ててもらって、それをいただくということも何度かしてもらった。

 まあ、だいたいシキのわがままに消えるのだが、彼女の力なのだから不満があるわけがなかった。





「そういうわけで、お前の行きたい所に行っていいぞー」





 とんでもない高級料理店とかならまだしも、大概の場所は行くことができるだけの金がある。

 シキのわがままで出てきたわけだから、最後までわがままを貫き通してほしいものだ。





「ふむ……そうじゃなぁ……」





 うんうんとシキが悩んでいる時であった。





「あ、川路ー!」

「お?」





 名前を呼ばれてそちらを見れば、セフレの一人が駆け寄ってきていた。





「おう、久しぶり」

「ほんと久しぶりだよね。最近全然遊んでくれなくなったからさー」





 最近は霊子さんだけじゃなくシキともヤるようになったから、正直女には困ってない……なんて偉そうなことは言えない。





「あー……こいつの面倒を見ていてさ」

「え、なにこの子。可愛い!」





 手をつないでいたシキの頭を撫でて言えば、彼女はシキを見てきゃーっと歓声を上げる。

 まあ、確かに見た目は整っているし、将来有望そうな子供だよな。

 内面は元禄生まれのババアだが。





「お名前はなんていうの?」

「儂の名前をたかが人間風情に言う意味もなかろう」

「えー、意地悪ー。そこは川路にそっくりだよね。……てか、なんかすっごい古臭い話し方」





 相変わらず愛想の悪いシキに笑ってしまう。

 確かにババアのような話し方なので、見た目ロリな彼女にはまったく合っていない話し方だ。

 もう俺はとくにおかしいとは思わないが、初対面の人からすれば不思議に思うことだろう。





「俺って意地悪か?」

「もうダメって言ってるのにしつこく追い込んでくるじゃん」

「内心求めてるだろ?」

「えー、どうかなー?」





 笑いながらそんな会話を繰り広げる。

 本当にシキが子供だったら絶対にしてはいけないような内容だが、ロリ婆だし別にいいだろ。

 久しぶりに会ったということで、会話も少々続いてしまう。

 退屈そうに俺たちを見上げていたシキだったが、ニヤリと笑って……。

 おい、こいつ何を……。





「うむうむ、お主の言っていることも分かるぞ、女」

「え?」





 したり顔で頷くシキに、彼女が首を傾げる。

 こ、こいつまさか……。





「儂ももう無理じゃと言っておるのに、しつこく犯されるからのぉ。いやはや、困った困った」





 よよよ……と口元に手をやってふらふらとよろめくシキ。

 おい、俺の方からはニヤニヤしているのが丸見えだぞ。





「え、川路……マジ……?」





 呆然としたように俺を見てくるセフレ。

 マジです。

 ただ、シキが見た目通りの子供ではないということは分かってほしい。

 じゃないと、俺ロリコンじゃん。





「いや、ヤっとることはろりこんじゃぞ」





 俺を陥れようとしているシキが言ってくる。

 こ、この野郎……面倒なことをしやがって……。

 シキの本性を知らない彼女からすれば、俺は性犯罪者そのものである。

 言っておくが、俺はそのようなことをしたことは一度もない。

 合意せずに犯したのは、幽霊だけである。





「えーと……じゃ、じゃああたしはこのあたりで……」





 明らかに引いた様子のまま、すすすっとフェードアウトしようとするセフレ。

 このまま行かせたら、大変なことになる!

 俺は彼女の腕を掴んで引き寄せると……。





「んむっ!?」





 いきなりキスをされて、目を白黒とさせている彼女。

 この混乱のうちに、一気に畳み掛ける!





「おぉ……」





 シキの興味深そうな声を聞きつつも、俺は必死にセフレの口内を犯す。

 彼女の口をこじ開けると、舌を絡めて口の中を愛撫しまくる。

 舌を絡めて歯茎を舐め、唾液を啜ったりお返しに送り込んだりする。

 そうして、しばらく口の中を蹂躙して、ふと顔を離すと……。





「はへ……」





 蕩けきった表情を浮かべるセフレの誕生である。

 頬は赤く染まり、身体をもじもじとさせて淫靡な雰囲気を醸し出している。





「……誤解だから。いいね?」

「ふぁい……」





 目をトロンとさせているセフレは、あっさりと俺の言っていることを受け入れてくれた。

 ふー、危なかった。これで、俺がロリコンの性犯罪者だと噂されることはなくなっただろう。

 彼女とは何度も身体を重ね、口の中も色々と開発してやったのだ。

 キスくらいで、簡単に発情してしまえるようにな。

 俺が霊子さんやシキにしたのと同じようなことだ。





「ほほー。やはり手馴れておるの。まさに、女の敵というところじゃな」





 さて、俺の隣で面白そうにセフレを見上げ、きゃっきゃっと喜んでいる愉快犯。

 俺はこいつに天罰を下さねばならない。

 というわけで、だ。





「ほ?」





 ちょろちょろと動き回っていたシキの頭を、万力の如き力で掴みあげる。

 ちょうど同じ目線になるところまで持ち上げ、ニッコリと笑いかける。





「お仕置きだ、クソガキ」





3.シキ2





『38』





「ちょっ……どこに連れて行くつもりじゃ!?」





 俺に頭を鷲掴みにされて連行されているシキが、ギャアギャアと喧しい。

 普段なら俺も適当に会話してやるのだが、今は話が違う。

 こいつは、悪ふざけで俺を社会的に抹殺しようとしたのである。

 お仕置きしなければならない。





「よし、着いたぞ」

「なんじゃ、ここは……?」





 俺がシキを鷲掴みにしながら連れてきたのは、公園である。

 そこそこの規模の公園で、緑豊かな場所だ。

 子供たちはもちろんのこと、老人の憩いの場になっていたり疲れ切った様子の中年がうなだれていたりする。





「なんじゃ、日向ぼっこか? まったく、散々部屋でしておるじゃろ」





 セックスした後だから、デロデロになってるけどな。

 しかも、日向ぼっこしようとしてダラダラしているのではなく、ただヤりすぎイきすぎで動けなくなっただけだろ。

 霊子さんとシキはほとんど失神しているだけだし。





「しかし、儂は嫌いじゃないぞ。うむうむ、小童のわりに良い考えじゃ」





 ロリ婆のシキは、老人が好む日向ぼっこも大好きなようだ。

 俺も温かい日差しの中でボーっとするのは好きだが、今はそんな考えではない。





「む? 椅子に座らんのか?」





 公園の中に入り、ズンズンと進んでいく。

 途中でベンチも見かけるが、そこをスルー。

 キャッキャッと楽しそうに遊ぶ子供たち、それを優しく見つめる母親たち……あ、エロいのいるなぁ。声かけようかなぁ。

 がっくりとうなだれているスーツ姿のおっさん、昇天しているのではないかと思うほど微動だにしない老人たちを横目に、俺がシキを連れ込んだのは公園の道から少し外れた木々の生い茂っている場所であった。





「おう、やっと下ろしたか。頭が痛いぞ、小童」





 そこで頭から手を離してシキを解放すると、何とも偉そうに説教を垂れてくる。

 ……まだ自分の立場を分かっていないようだな。





「お? なんじゃなんじゃ?」





 木に手をかけさせ、お尻を突き出させるような形にする。

 着物をめくりあげれば、下着もはいていないのでプリンとした臀部が露わになる。

 霊子さんのようにむっちりとしているというわけではないが、小ぶりながらも張りは確かなものである。

 垂れることなどは一切なく、上を向いて形も良い。

 乳房がAカップ並のシキからすれば、チャームポイントの一つなのかもしれない。





「んっ……なんじゃ、変態。こんな所でヤるつもりか?」





 その尻を、手で鷲掴みにしてグニグニと揉みほぐす。

 やはり、そのさわり心地は最高である。

 人肌の温かさもあり、触っているだけでも気持ちがいい。

 シキが自慢げにしている理由も分かるというものだ。

 そこを撫でて、優しく愛撫をしていると、彼女も艶めかしい声を漏らし始める。

 ケツを押し付けてくることから、大分リラックスもしているようだ。

 俺はそれにニヤリと笑うと、手を振り上げて……。





「ふぎゃあああああああああっ!?」





 バシン!!





 甲高い肉音が鳴り響き、猫が尻尾を踏まれたような悲鳴をシキが上げた。

 その理由は簡単、俺が彼女自慢の臀部を強く手で張ったからである。

 プリッとした尻肉に俺の手のひらがめり込むが、張りの良さがある臀部はすぐにプルプルと揺れながら元の形に戻る。

 だが、じんわりと赤みが増しているような気がした。





「な、何をするんじゃあっ!?」

「何をする、だと?」





 振り向いて涙目になりながら怒鳴ってくるシキ。

 だが、怒っているのは俺の方だ。





「お前、面白半分で俺を陥れようとしただろ。元禄生まれのババアのくせに、現代社会のことが分かってるじゃないか、うん?」

「…………」





 俺がニッコリと微笑みながら言えば、冷や汗を流し始めるシキ。





「い、いやー……冗談じゃ、冗談」

「冗談じゃすまなくなるところだったんだぞ、うん?」





 必死に言い訳を考えているようだが、俺はまた笑顔で否定する。

 もし、あれがセフレではなく男の友人だったとしたら、本当にどうしようもなかった。

 彼の家のテレビから幽霊を引きずり出す手伝いをするくらいしか思いつかない。





「まあ、そういうわけだ。お仕置きは必要だろ?」

「じゃ、じゃあ犯すことで良いじゃろ!?」

「最近、お前はアヘアヘ喜んでいるからな。嫌がることをしなければ、お仕置きにならない」





 というわけで、俺が選んだのはケツ叩きである。

 痛みは強いのだが、決して後遺症にはならない素晴らしい部位だ。





「さあ、お前も霊子さんのようにケツを叩かれて興奮するマゾにしてやる」

「待て待て! 地縛霊のようになるわけがないじゃ――――ふぎゃあああああああああああっ!?」





 公園には、子供のような悲鳴と肉を叩く音が響き渡るのであった。





 ♡





「はぁ、はぁ……!」





 シキの荒くなった吐息が聞こえる。

 俺も、ずっと振り続けていた手をようやく止めた。





「ふー……反省したか?」





 そう言って見下ろす俺の視線の先には、震える手で必死に木を持って身体を支えているシキの姿があった。

 彼女のプリプリの臀部は、今までに見たことがないほど赤くはれ上がっていた。

 もともと肌も綺麗なので、余計に赤さが分かってしまう。

 未だにジンジンと痛むのだろう、風がなびくだけでビクビクと身体を震わせていた。





「は、反省した……もうせんから……許してくれ……」





 シキもなんとも弱弱しい声音で、そう懇願してきた。

 ふぅ……女のケツを叩いて満足した俺は、ニッコリと微笑みかける。





「ああ、いいぞ。次からは上下関係というものをちゃんと頭に入れておけ」

「う、うむ……」





 さりげなく座敷童の上に立とうとする。

 シキも頷いているし、別にいいや。

 女の立場より上に立って性交するのって、支配欲が満たされて気持ちがいいし。





「よーしよし。素直な奴は好きだぞー」





 そう言って、俺はシキを撫でる。

 だが、今の状況で普通に頭を撫でるのも面白くない。

 俺は、彼女の真っ赤に腫れ上がった臀部を優しく撫でるのであった。





「うひぃっ!? ま、待つのじゃ! 今は敏感で……!」





 悲鳴を上げるシキ。

 何度も叩かれてしまったので、感度が著しく上昇しているのだろう。

 だが、何も痛めつけるつもりは毛頭ない。

 優しく、優しく、それこそ触れるか触れないかのような撫で方だ。

 そんなことを続けていると……。





「あっ、あっ……ま、待って……」





 シキとは思えないほど弱弱しい声。

 そして、次に聞こえてきたのは……水音だった。





 チョロロロロロロ。





「あ、ああ……」





 シキの真っ赤になった小ぶりな臀部。

 霊子さんほど肉厚ではないため、彼女の無毛の秘裂も見えている。

 そこから、水が溢れ出していた。

 愛液ではない。それは、今まで見たことのない彼女の排泄であった。

 黄金水がこぼれつづけ、地面に水たまりができ始める。

 シキの細いながらも張りのある太ももにも、ベトベトと濡れはじめていた。





「ば、馬鹿者ぉ……」





 半泣きに……というか、もう完全に泣きながら振り向いてくるシキ。

 ……何か興奮するな。





3.シキ2





『39』





「泣くなよ。俺、何か悪いことしたか?」

「したじゃろ!! 思いっきり悪いことしたじゃろ!!」





 宥めるように頭を撫でながら言えば、怒声が帰ってくる。

 やれやれ、生理かな?

 ……そういえば、今まで遠慮なく霊子さんとシキを犯してきたが、生理とかってあるのだろうか?

 幽霊だから、ないとは思うのだが……まあ、あっちから言ってこない限り気にする必要はないだろう。

 生理が止まったって言われたら、多分心臓止まるけど。





「よしよし、悪かったな。拭いてやるから、ちょっと大人しくしとけ」

「……うむ」





 ポケットに突っ込んであったティッシュをとり、濡れてしまった足を拭いていく。

 細い脚だが、しかし最低限の肉はついており、子供らしい張りもある。

 そこに垂れている小便を拭いていき……これ、シキが自分でやればいいと思うのだが、何だか雰囲気に流されて俺が拭いているな。

 彼女もじっと俺を見下ろしてくるし。

 いや、まあおもらしくらいなら萎えることはないし、別にいいのだが……。

 大便は勘弁してくれ。流石にキツイ。

 そんな感じで拭いていると、脚はもう十分に綺麗になった。

 では、残る場所は……。





「拭くぞ」

「…………うむ」





 ぴったりと閉じている秘裂を覗き込む。

 小便を漏らしたせいで、水滴が見えていた。

 おもらしって普通に汚いと思うのだが……シキがしているのは何とも嗜虐心をそそられて興奮してしまうので、やはり人が大切なのだなと思った。





「んっ……」





 ティッシュなので、あまりごしごしとすると傷つけてしまう。

 そのため、本当に優しく丁寧にふき取ることにした。

 顔を近づけて、水滴を吸い取るようにして綺麗にしていく。

 いやー……こんなに顔を近づけても、毛がまったく見えないのが凄い。ロリだなぁ。

 ボーボーはちょっとあれかもしれないが、多少の陰毛は興奮するので、霊子さんみたいな厭らしい陰部も大好きである。

 匂いは……やっぱり、おしっこ臭い。

 だが、何とも甘酸っぱい匂いもする。……子供体型だからか?





「おい! 匂いは嗅ぐなよ!?」

「おう」





 もう嗅ぎました。

 結構、匂いって人を興奮させるところがあると思う。

 俺が匂いフェチというわけでもないと思うし……うん、やっぱり匂いって重要だわ。





「んっ、ふっ……」





 秘裂をなぞるようにして、水滴を拭きとっていく。

 ティッシュ越しにプニプニの陰部の感触が伝わってくる。

 ……この柔らかさを実感していると、思わずむしゃぶりつきたくなってしまう。

 いや、我慢我慢。

 シキの色気のある吐息にドギマギしながらも、無心になりながら秘部を拭いていると……。





「お……」





 明らかに小便ではない液体が、ティッシュに付着する。

 粘性のある液体で、生温かい。





「…………」





 じっとシキを見れば、彼女の頬は赤くなっているし、息も多少荒くなっていた。

 ピクピクと小ぶりなお尻が震えているのが艶めかしい。

 ……こいつ、感じてやがる。

 そう考えてしまうと、もう男根はいきり立ってしまって仕方なかった。

 よし、犯そう。





「綺麗になったぞ」

「う、うむ。礼を言うぞ」





 陰部から手と顔を離して報告すれば、鷹揚に頷くシキ。何様だ。

 さて、また着物を着直して、今度こそ彼女とのんびり散歩をするのもいいのだが……もう興奮してしまって犯すことを決めているので、行かせるはずもない。





「なあ、シキ。お前、他にしてほしいことはないか?」

「な、なに……?」





 俺が問いかければ、振り返って見上げてくる。

 クリクリの目を潤ませ頬を赤らめている姿は、ロリ体型からは考えられないほどの色気があった。

 明らかに期待してるな、こいつ。





「お仕置きとはいえ、ケツを叩きすぎたことに俺も多少思うところがあってさ。何かしてほしいことがあるんだったら、何でもするぞ」

「な、何でも……」





 シキはそう呟いて……俺の下半身を凝視した。

 ……こいつ、正直すぎない? 嫌いじゃないけど。





「わ、儂は……」





 そう言うと、葛藤をし始めるシキ。

 ……長い。

 こいつは忘れかけているのかもしれないが、ここは野外である。

 もちろん、人目に触れる確率は非常に低い場所ではあるのだが、下半身丸出しの幼女を前にニヤニヤしている俺の図は非常にマズイ。

 だからと言って、アパートに帰るまで待つことができるというわけではないのだが。





「よし、わかった。俺がヤりたくなったから、お仕置きの一つとしてここでヤらせてもらおうか」





 俺は助け船を出すことにした。

 ……いや、これが助け船になるのかどうかは分からないが。





「そ、そうか! なら仕方ないのう。地縛霊がおらん今、小童を受け止めてやれるのは儂しかおらんからな。仕方ないから、相手してやろう」





 しかし、シキはここぞとばかりに顔を輝かせてそう言い募ってきた。

 ……別に、霊子さんとお前以外にもセフレはいるから受け入れてはもらえるぞ。

 だが、せっかくここまできたのと、嬉しそうなシキをどん底に陥れるのも忍びない。

 俺は頷いてシキに近寄るのであった。





3.シキ2





『40』





 とりあえず、シキがおもらしした場所からは少し離れることにした。

 流石に小便で泥になった土の上でヤる度胸はなかった。

 といっても、離れた場所に移動するわけでもなく、すぐ隣の木にもたれかかった。





「……外でヤるのか?」

「いやー、もう結構我慢の限界でさ」

「変態め」





 俺が下半身を指さしながら言えば、シキはニヤリと笑いながら罵倒してきた。

 しかし、目を潤ませ舌で唇を舐めている姿からも、彼女が乗り気であることは明らかである。

 先に俺が木に背を預けるようにして座り、その上に正対するようにしてシキが跨ってくる。

 小柄なのでまったく重さを感じない。

 霊子さんのように多少の重みがあった方が、抱き心地とかあったりする。

 まあ、軽いのも動かしやすいから好きだが。





「んっ……」





 俺の膝の上に乗らせると、着物を肩からはだけさせるようにして脱がせる。

 真っ白な瑞々しい肌と凹凸の少ない子供らしい体型が露わになる。

 外気にさらされたからか、小さく声を漏らすシキ。

 そんな彼女の声を聞きながらも、俺の目を惹きつけるのはぷっくりと小さく膨れた乳房である。

 お椀型のように成長しきった貧乳というわけではなく、成長途上のような乳首に引っ張られて膨れ上がったような貧乳。

 薄い色素の桜色の乳首は、微妙にだがすでに勃起していた。

 ケツを叩かれてか、小便を見られてか、陰部を拭かれてか……どれにしてもなかなか業が深い……。





「はー……霊子さんに比べると、やっぱり包容力はないなー」

「当たり前じゃろ。乳牛と一緒にするでないわ」





 とりあえず、シキの身体に抱き着いておく。

 小柄で華奢な体躯を抱きしめ、顔を乳房の間に埋める。

 といっても、埋めるほど乳肉はないので、霊子さんよりはるかに高い体温と子供のような柔肌を楽しむためにしているようなものだが。

 ぐりぐりと顔を動かせば、プニプニとした感触も頬に当たるので、慎ましくともおっぱいはおっぱいなんだなと思わせられる。





「んひっ!?」





 おもむろに乳首を両手で摘まんだ。

 コリコリとした感触が指を伝って届いてくる。

 やはり敏感なようで、軽く摘まんでこねているだけだというのに、ビクビクと身体を震わせている。

 俺の膝の上で、快楽に身体を震わせる幼女……犯罪的である。





「早く母乳が出るようにならないかなー?」

「な、なるわけなかろう……! 儂は人間ではないのに……くひぃっ!?」





 クリクリと指で弄りながら、貧乳から母乳を噴き出させるシキを想像する。

 ……興奮した。

 強く乳首を押しつぶすようにすれば、がくんとシキの身体が跳ねる。

 ぐっと首を反らして天を見上げるように顔を上げる。

 ビクビクと身体が震え、絶頂していることが分かった。

 ふっ、ちょろいぜ。





「大分濡れたな。……まあ、スパンキングの時点で濡れていたし、必要なかったかもしれないけど」

「んっ、くっ、うっ、うっ」





 腕を伸ばし、シキの陰部を我が物顔で弄る。

 揉むように無毛のツルツル陰部を弄っていると、べっとりと手に愛液が付着する。

 これくらい濡れていれば、男根を受け入れることはできるだろう。

 霊子さんは大人だから、多少無理して入れてもすぐに悦んでくれるからいいのだが、シキは内面はババアでも身体は子供である。

 無理すると裂けてしまうことだって考えられるので、割と丁寧に慎重にしなければならない。

 まあ、突っ込んだら霊子さんと同じくらいアヘってくれるから楽だけど。





「入れるか……って思ったけど、なあシキ」

「な、んじゃ……?」





 グチュグチュと陰部を弄られているせいか、シキの返答には覇気がなかった。

 ガクガクと細い足を震わせているのは、エロい光景だった。

 もう今すぐにでも入れていいと思うのだが、少し工夫してみよう。





「お前から入れてくれ」

「はぁっ!?」





 俺の言葉に、目を見開くシキ。





「そんなことできるか!」

「いやいや、できるって。霊子さんだって余裕でやってくれるし」





 最近では、四つん這いにさせて自分から動かすようなこともしてくれる。

 必死にケツを前後させている姿は、非常に征服感が満たされて気持ちがいいものだ。





「女が男の上に乗って動くことくらい、別に恥ずかしいことでもないだろ」





 外でヤっているのは恥ずかしいことだけど。





「そ、そうかの……?」





 ……前々から思っていたけど、シキってちょろいよな。

 上手く丸め込まれた彼女は、自分で身体を浮かせて男根を秘部にあてがう。

 ぬらぬらと濡れている陰部は、抵抗なく受け入れることができるだろう。

 しかし、入れようとすると、シキは全身を余すことなく俺に見せつけるような姿勢になる。

 息が荒くなり、興奮からか頬が赤く染まっている端整な顔。

 白い肌には珠のような汗が浮かび上がっており、淫靡な匂いが漂ってくる。

 桜色の綺麗な乳首と、それに引っ張られるようにしてぷっくりと膨れている慎ましい乳房。

 子供のようななだらかな線を描くお腹に、一切毛の生えていない綺麗な陰部は愛液で濡れそぼっていた。

 それらが眼前にさらされている。

 見た目幼女のこんな光景を見られるのは、今の日本でどれほどいるだろうか?





「あぁぁぁ……♡」





 ズズズズズ……と、ゆっくりと男根が膣内に収まっていく。

 ぴったりと閉じていた秘裂がこじ開けられて歪んでいく様は、非常に興奮させられるものだった。

 霊子さんの冷たい膣内とは違い、火傷してしまいそうなほどの熱い膣内。





「あぐっ……!」





 シキの張りのあるお尻が、ぺたんと俺の身体に着いた。

 つまり、彼女は男根全てを飲み込むことに成功したのであった。

 最初の方は入りきらなかったのだが、何度も犯して開発していると飲み込むことができるようになった。

 成長したな、シキ。ほろりと涙が出そうになる。

 ツルツルの陰部と俺の陰毛がじょりじょりと当たってこそばゆそうだ。

 溢れ出している愛液で、俺の身体も濡れてしまう。





「よしよし、頑張ったな」





 小ぶりな臀部を撫でまわしながら、シキのことを褒めてやる。

 汗でしっとりとしている尻肉は、揉みごたえがあっていい。

 張りもあるから、触っていると楽しい。

 尻タブを開くようにすれば、おそらく後ろからは小さくすぼんでいる尻穴まで見えていることだろう。





「誰かに見られたらどうする?」

「お主を殺して儂も死ぬ」

「お、おぉ……」





 間近で無表情を見せられながらだったので、流石にビビった。

 ただ、シキは気づいているだろうか?

 誰かに見られると俺が言ったとき、彼女の膣内が男根を締め付けたことを。

 ふっ、変態め。

 といっても、俺は誰かに見られて興奮するような変態ではないため、積極的に見せつけようとは微塵も思わないのだが。

 ただ、事故という形で誰かが見るということはあるだろうね。

 それは仕方ないね。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 ズッズッズッズッ





 シキが拙いながらも、自分で腰を上下に振り始める。

 プリプリの張りのある尻肉が、俺の身体に当たっていたと思えば跳ね上がる。

 それなりの大きさの逸物が、小さくて熱い膣内をゴリゴリと削っていく。

 最初は男根を受け入れるだけでも難儀していたシキだが、今はすぐに快楽を得ることができるくらいには開発されていた。

 それ、俺がしました。ドヤっ。

 真っ赤な顔を苦しげに歪めながら、汗をほとばしらせる。

 外だから風通りはいいはずなのだが、かなり暑そうだ。

 汗でぬるぬるになりながらするのも好きなので、とくに問題はない。

 小さな乳房を上下に揺らし、愛液を溢れさせてグチョグチョと淫靡な音を立てる。

 掻き立てられて白く泡立ってしまっており、本気で感じていることが分かる。

 大きく股を開き、必死に身体を上下に動かして快楽を貪る幼女……エロい。

 ただ、この場を見られたら間違いなく捕まるのは俺なので、その点ではドキドキしてしまう。





「よし、そろそろ俺も動くか。一応人通りは少ないけど、いるにはいるからちゃんと声抑えろよー」

「え……んぉぉっ!?」





 シキの細い腰をがっしりと掴むと、強く下に押さえつけた。

 それと同時に、俺は腰を跳ねあげさせると、ゴリゴリっと子宮口を思い切り押し上げて刺激する。

 シキは空を見上げて口をパクパクと開閉させる。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ!





 愛液が掻き混ぜられて、凄い淫靡な水音が立つ。

 シキも幼女が出してはいけないような嬌声を上げているが、中身はババアなのでセーフだろう。





「おーい。声抑えろよ。マジで誰かに見られても知らねえぞ」

「だ、だったらもっと優しく……いっ、イクから……! イグっ、ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」





 俺の身体の上で、ビクンと身体を震わせるシキ。

 キュウキュウと、ただでさえキツイ膣内が強く締め付けてきて、射精を促してくる。

 まあ、いつまでも外でヤり続けることはできないので、俺も我慢することなくあっけなく射精した。





「おっ……♡」





 ビュルルルルルルルルルルルルル!!





 シキの太ももを掴んで、ズンッ! と落とし込んで男根を最奥まで突っ込む。

 そこで、遠慮ない中出しを決めるのであった。

 大量の吐き出された精液が、シキの小さな身体の中に注ぎ込まれる。

 幼女に無責任中出し……ヤバい光景である。

 ガクリと脱力するシキを見て、いい気分に浸っていると……。





「あ、ヤバそう……」





 ブルブルと彼女の身体が震える。

 そして、脚がガクガクと震えていることから……これは、絶頂の余韻ではないな。

 すぐに察した俺は、向き合っていたシキの身体をくるりと反転させ、木に向き合うようにする。

 その次の瞬間……。





「はっ……あぁぁぁ……」





 プシャッ!





 そんな音と共に、彼女の陰部から液体が溢れ出た。

 それは、潮だったのかもしれないが、少々アンモニア臭もするため、小便の色も強いのだろう。

 ……こいつ、おもらし癖がついたのか?

 先ほども俺にスパンキングされて漏らしていたが……幼女のくせに、業の深い癖を身に着けてしまったものだ。

 俺は自分のしたことを棚に上げ、思わず笑ってしまうのであった。





3.シキ2





『41』





「うぅ……漏れてきそうじゃぁ……」





 隣で歩くシキが、何とも情けない声を漏らす。

 まだ足腰に力が入っていないのか、俺の腕に縋り付くようにしてフラフラと歩いている。

 じゃあ、休憩してから歩けばいいのにと思われてしまうかもしれないが、シキが遠慮なく喘ぎ声を出してしまった結果、人が近づいてきていたのだ。

 おもらしの匂い、肉欲を発散した淫靡な匂いくらいなら、まだどうにかなるかもしれない。

 だが、顔を赤く火照らせあられもない姿で秘裂から精液を逆流させている幼女と、それを見下ろしている大学生の俺……一発アウトである。

 流石にそれはシャレにならないので、すぐに移動する羽目になったというわけだ。





「おもらしはいいけど、絶対に精液は漏らすなよ。俺が死ぬ」

「おもらしもせんわ!!」





 いや、したじゃん……。

 しかも、二回も……。

 だが、シキはどうしてもそれを認めたくないらしく、顔を真っ赤にしてがーっと怒りを露わにする。

 怖くないんだけどね。ちょっと前に、俺にスパンキングされておもらししたような女だし。

 しかし、問題はシキが下着を着用していないという点である。

 ショーツを穿いていれば、多少漏れてきても吸収してくれるかもしれないが……こいつはノーパンノーブラでまい進するド変態ロリである。

 下半身もズボンではなく裾の短い着物なので、ぴったりと閉じた秘裂からドロリと垂れてきたら防ぐものが何もなく……。





「まっ、その時はお前を担いで逃げるか」

「なんじゃ?」





 シキくらいの軽さならば、長距離でもなければ担いで走ることができるだろう。

 まあ、よっぽど注視していないとわからないだろうし、そんな気にする必要もないだろう。





「それで、お前どこ行きたいんだ?」





 そもそも、俺とシキは散歩をしていたのだ。

 結局公園で青姦ということになってしまったが、今更ながらではあるものの目的を達成するというのもいいだろう。

 時間もあるしなー。





「……小童のせいで目的から逸れたんじゃぞ」





 ジト目で睨みつけてくるシキ。

 いや、お前が変なことを言わなかったら、そんなことにもならなかったんだぞ。





「ふむ……一応、今まで儂がいた場所を回ろうと思っておったのじゃがの」

「お前のいた場所?」





 シキは座敷童だ。

 だからこそ、俺の家に来るまでにも、他の家にいたときもあったのだろうが……。





「殺してなかったの?」

「そうするようになったのは、ごく最近じゃ。それまでは、普通に座敷童らしい生活をしておった」





 そうなのか……。

 俺のところにも普通にやってきていたら、何も犯すことはなかったのに……多分。

 まあ、そんな頻繁に人が死んでいたら、多少騒ぎにはなるか。

 幽霊だから痕跡も残さないだろうし、怪事件としてマスコミにも取り上げられそうだ。





「どういう生活をしていたんだ? いまいち想像できないな……」

「そうじゃなぁ……。儂らが生きていく上で欠かせないものが精気なのじゃが、手っ取り早いのが生者を殺すことで奪うことじゃな」





 シキが俺にしようとしたことだな。

 返り討ちにしたけど。霊子さんがな。





「そんで、これは個人差があるが、異性ならば精気を直接受け取ることじゃ。小童のように、一度の中出しで腹が膨れるような精気を放てる者は、そうはおらんがの」





 ふっ……これはドヤ顔を決めればいいのか?

 ただ性欲が強いだけだと言われているような気もするのだが……。





「じゃが、儂は座敷童じゃからの。座敷童としての役割をはたしておれば、効率はあまり良くないが精気を得ることができるのじゃ」

「へー」





 座敷童としての役割……住んでいる家に繁栄をもたらすことか?





「……じゃあ、俺の時もそういう感じで来いよ」





 何も初見で殺しにかかってくる必要はなかっただろ……。





「うむ……まあ、繁栄をもたらすのはいいんじゃが、結局没落するからのぉ……。儂としても、思うところがあるのじゃ」





 適当に言っているような雰囲気ではなく、アンニュイというかどこか遠い場所を見ているような雰囲気を醸し出すシキ。

 幼女が浮かべていていい表情ではない。

 なんというか……酸いも甘いも経験した大人の女が出すような表情である。

 中身はババアなのだから、経験は豊富なのかもしれないが……見た目ロリなので違和感が凄い。

 それ以降、シキが口を開くようなことはなかった。

 うーむ……何とも気になるようなことを言うので、聞きたいという気持ちも確かにあるのだが……無理をしてまで知りたいかと言われれば、そうでもない。

 今、彼女が俺の側にいて犯されてくれているだけで十分だ。





「まっ、気楽に行けばいいんじゃないか? 前みたいに殺そうとしてくるのは勘弁な」

「む……」





 そう言って、俺はシキの頭に手を置いた。

 大きな花飾りを後頭部につけているので、そこを撫でることはできないが、ポンポンと頭頂部を叩くようにして撫でることくらいはできる。

 シキが大人しいと、どうにも変な感じがしてしまう。

 こいつは、喧しく不遜な態度をとり、俺にお仕置きと称して犯されていればそれでいいのだ。

 落ち込んだり悲しんだりしている姿は似合わないと思う。

 まあ、ちょっとアンニュイな感じになっている女を犯すのもいいけど。





「小童が。お主程度に慰められるほど落ちぶれておらんわ」





 なんて生意気なことを言うのでしょうか。

 しかし、シキは頬を緩めて頭に乗せられた手を振りほどこうとしない。

 ツンロリめ。またお仕置きしてやろうか。





「じゃ、お前のいたところとやらに行ってみるか」

「うむ」





 俺とシキが、和やかな雰囲気の元そんな会話をしていた時であった。





「ん?」





 背後から、何か物を落としたようなガサガサという音がしたので、思わず振り向いてしまう。

 そこには、何やらボサボサというかボロボロというか……とにかく、荒んだ様子の女が立っていた。

 霊子さんのようにヤバそうな雰囲気もないし、髪もそこまで長くはないのだが……病んでる人間という感じだ。

 前までは怖かったはずなのに、今はそうでもない。

 まあ、地縛霊と座敷童に殺されかけたので、一般人にそうそう恐怖を覚えることはないか。





「……た」





 俺がそんな風に笑っていると、その女がぽつりとつぶやき……。





「いたあああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」





 ギョロリと目を剥いて俺たちを凝視しつつ叫んだ女に対して、俺は絶大なる恐怖を覚えたのであった。

 早速恐怖を覚えてしまった……!!





3.シキ2





『42』





 ぎょろぎょろと大きな目が動きまくっている。

 そして、それがピタリと止まる瞬間がある。

 それこそが、俺たちを見据える時であった。





「こわっ」





 思わず口に出してしまう。

 女から刺されるような後ろめたいことはいくらかあるので、俺狙いか?

 ビクビクしながら見るが……いや、俺ではないか?

 女の強い目は、俺の隣にいる小さなロリッ子シキに向けられていた。





「お前……」





 フラフラと動く女。

 彼女は落とした買い物袋をガサガサとあさり、そこから包丁を取り出した。

 …………包丁?





「お前えええええええええええええええええええええええええっ!!!!」

「ひいいいいいいいいいいいいいっ!?」





 猛然とこっちに向かって駆けだした女。

 俺も悲鳴を上げてシキを抱え、背を向けて走り出した。





「な、なにあいつ!? お前のお友達!?」

「いやー、友人というわけではないの。知ってはいるが」





 こんなクレイジーな知り合いがいるとは……。

 座敷童って凄いんだなって。





「あいつも幽霊か!? 悪霊的な!?」





 足を止めずに振り返れば、ボサボサの髪をたなびかせながら包丁を振り上げ追いかけてくる。

 怖い! 口裂け女みたい!





「いや、あやつは普通の人間じゃぞ」

「マジで?」





 チラリと走りながら振り返れば、鬼の形相で包丁を振りかざしながら走り続ける女の姿が。

 ……あれ、本当に人間なの?

 悪霊って言われた方が納得できるんだけど……。

 世の中、色々な人がいるものなんだなぁ。

 ……ちょっと女遊びは控えるか。最近は霊子さんとシキ相手でほとんど遊んでいなかったけど。





「あやつは以前儂が生者を殺し始める前までに暮らしていた家の者じゃ。だから、知り合いなんじゃ」

「へー。感動の再会……ってわけじゃないよな」





 明らかにあっち殺意丸出しだし。

 しかも、ついでに一緒にいた俺も狙われちゃっているし。





「うむ。儂は座敷童じゃ。儂がいる間、その家は繁栄を謳歌することができるが……儂が去れば、そこは没落するからの」

「じゃあ、あいつって……」

「一度繁栄を謳歌して没落した奴じゃの」





 ひぇ……。持ち上げられてから叩き落とされたのか……。

 鬼の形相になって追いかけてくる気持ちがわからんでもない。

 一度贅沢を覚えたら、そこから落ちるのは耐え難いものがあるだろうしなぁ。

 と、頭の中ではこんなのんきに考えているわけだが……。





「はあ、はあ……! も、もう無理……」

「こら! もっと頑張らんか!!」





 俺に抱えられて走ってないくせに、何でそんな偉そうなんだこいつぅっ!

 俺の息は切れ切れになっているし、汗も凄いことになっていた。

 そもそも、運動と言えばセックスくらいしかしていないので、持久力だって大したことがないのである。

 た、煙草やめようかな……?

 それに、シキを抱えて走っているということも大きい。

 いくらロリで軽い体重とはいえ、何十キロもあるのだから重たいに決まっている。

 だが、こいつに走らせると、脚も短いし運動が得意とも思えないので、むしろそっちの方が遅くなってしまう可能性もある。

 このジレンマよ……。





「……もういいから下ろせ。奴の狙いは儂じゃし、小童だけなら逃げ切ることができるじゃろう」





 今更!?

 そんな悲劇のヒロインみたいな恰好されても遅いんだけど!?

 だって、もうあの口裂け女みたいなヤバい女、俺のこともロックオンしているし!





「馬鹿言ってんじゃねえよ。ここまできたら、一蓮托生だ。最期まで付き合ってやるよ」

「小童……」





 俺の言葉が意外だったのか、シキは目を丸くして俺を見上げてきていた。

 そんな彼女に、ふっと笑いかけて……。





「それに、せっかくの肉便器を手放すわけないだろ。霊子さんの肉厚オナホにシキのロリオナホ……どちらも甲乙つけがたく、捨てることなんてできるか」

「最っっっっ低じゃなっ!!!! 見直したのが馬鹿みたいじゃ!!」





 何故かギャアギャアと喚き出すシキ。何故だ。

 ただ騒ぐだけならまだしも、何をトチ狂ったのか足をバタバタ動かして暴れはじめるではないか。

 な、何してんだこいつぅっ!?





「ば、馬鹿! 走りづらいだろ!?」

「知るかボケェっ! 儂の純情を返せ!」





 何を言っているんだこいつは!?

 そもそも、純情なんて持ち合わせている年齢じゃないだろ。

 元禄生まれだっけ? 何百歳だよ。

 しかし、わけのわからない理由で大暴れしてくれるシキのせいで、俺の走る速度はみるみるうちに落ちて行った。

 もともと体力が尽きかけていたこともあって、暴れるシキに手こずり、もはや早歩きと同じくらいの速度になって……。





「ひいいいいいいいいいいいいいっ!?」





 そんな俺の肩に、ガシッ! と手が乗っけられた。

 それは、もちろん俺たちを追いかけていた女のものであった。

 俺は悲鳴を上げて振り向いて……。





「づ、づがまえだ、わよぉ……っ!!」





 息も絶え絶えの悪霊もどき人間を見るのであった。

 ……あれ? こいつも死にかけ?





3.シキ2





『43』





 俺が女に抱いていた恐怖心が、みるみるうちにしぼんでいくのが分かった。

 いや、だって目の前で俺以上に息を切らして死にかけているような女を見て、怖さを抱き続ける方が難しいというものだ。

 とりあえず……。





「預かるね、これ」

「はぁ、はぁ……!!」





 スッと包丁を取り上げる。

 抵抗する気力もないのか、あっさりと奪い取ることに成功した。

 非難の声すら上げることができないようで、息を整えようと必死である。

 えぇ……? 大丈夫……?





「ほら、ゆっくり息しろ。深呼吸深呼吸」

「すーはー……すーはー……」





 背中をさすりながら言えば、素直に深呼吸をする女。

 汗はまだビショビショだが、息は徐々に整ってくる。

 汗ダラダラでセックスというのも好きだから、別にそれは気にしない。

 よく見ると、口裂け女かと思っていた彼女もブスではない。……いける。





「あ、ありがとう……」

「おう。飲み物いる?」

「大丈夫よ……」





 何だか素直に反応されて、恐怖心は本当になくなっていた。

 包丁も持っていないし、やせ気味なので俺でもどうにかできてしまいそうというのが大きな理由の一つだろう。





「で? 何で襲ってきたの?」





 理由は大体分かっているが、一応聞いてみる。

 すると、女は再び顔を怒りに染めてギョロリと大きな目を向ける。

 その先には、当然シキがいた。





「あんたを……殺してやるためよ……!!」





 うわー。めっちゃ恨んでるじゃん……。

 それを受けているシキは、どこか余裕の態度だが。





「なあ。没落ってどれくらいなの? こんなに恨まれるって、相当だったりする?」

「うーむ……まあ、かなり貧乏になるくらいじゃのぉ。じゃが、生きていけんというほどではない。じゃが……」





 シキはふうっとため息を吐く。





「儂がおって繁栄しておる時は、人間は概して贅沢をする。その喜悦や快楽を知ってしまえば、貧しくなったときの落差が大きい」





 なるほどー。

 確かに、0からマイナスになるのと、プラスからマイナスになるのとでは、後者の方がダメージが大きそうだ。





「こやつもそうじゃった。儂がおる時、散々遊び倒しておったからのぅ。他人に対して横柄な態度もとっておったし、周りからも見放されたのじゃろう」

「あ、あんたが!!!!」





 どこか馬鹿にするようにシキが言えば、女が口を大きく開けて大声を上げる。

 び、ビビった……。





「あんたのせいでしょうが! あんたがあのまま私の家にいたら、私はまだ……いえ、もっと贅沢をすることができていたのよ! 人生の勝ち組になれていたのよ!! それなのに……!!」





 怒号を上げる女。

 ひぇ……怖い……。

 だがまあ、その勝ち組になる手段が自分の力ではなくシキの能力頼りという時点でちょっとあれな気もするけどな。

 完全にシキの力に頼り切っていたのに、調子に乗ってしまっていたのだとしたら、それはあまりシキのことを責めることはできないのではないだろうか?

 女の力もあったならば、シキが出て行った後も没落するようなことはなかっただろうし。





「あんたのせいで、私はむちゃくちゃよ! 周りから人も離れて、夫も子供を連れて出て行って……あんな豪邸に住んでいたのに、今の私は狭いアパートで暮らしているのよ!?」





 俺の住んでいるのも狭いアパートなんですが、それは……。

 まあ、俺の所には霊子さんもシキもいるので、人肌という意味では充実しているが。





「こ、殺してやる……! 私の味わった苦しみを、少しでも理解してから死ね!!」





 先ほどまで走り続けて疲れていたのはどこにいったのか、女はギラギラとした目でシキを睨みつける。

 包丁は取り上げているが、それでも襲い掛かって何としてでも殺そうとするだろう。

 そんな恐ろしい目を向けられているシキは、不敵に笑っていた。

 どうにかすることができる……ということもあるだろう。

 俺のことを金縛りにして殺そうとしていたし。

 うーむ、しかし……。





「ちょっと待って」





 俺は自然にシキと女の間に立っていた。

 シキを庇うように、彼女を背中にして女を見る。





「小童……?」

「ああっ!?」





 困惑したように俺の背中を見上げるシキと、ヤンキーのようなドスの効いた声を発する女。怖いっす。

 しかし、彼女に怯えてこのまま何もしないという選択肢はなかった。

 なぜなら、なんとなくシキがいなくなってしまうような気がしたのである。

 ……主人公みたい。





「何よ! 邪魔をするの!?」

「いやー……今、シキは俺と暮らしてるんですよ。だから、彼女を害されるのは困るかなぁって」





 俺がそう言えば、女はせせら笑う。





「はんっ! あんたも金の亡者ってわけね? 別に、あんたからそいつを取り上げてもう一度金持ちになってやろうなんて思ってないわよ。それだけじゃあ、私の気が済まないわ。ボコボコのズタズタにして、勝手なことをしたことを後悔させてやる……!!」

「いや、別にお金はほしくないかなって」





 俺の言葉に、困惑したような表情を浮かべる女。





「じゃあ、何でそいつを庇うのよ」





 女の言葉に、考え込んでしまう。

 どうして庇う?

 確かに、俺とシキの関係というものも非常に浅い。

 その出会いだって、殺されかけたという衝撃的なものである。

 でも、俺は女の前に立ってシキを庇った。

 その理由は……。





「…………身体?」





 それしか思いつかなかった。





「ぶほぉっ!?」

「ろ、ろろろろロリコン!?」





 シキが驚愕の表情で吹き出し、女も今までにないほど激しく動揺している。

 し、しまった。せっかくセフレにも誤魔化した俺の社会的信用度が……!





「ち、違う! ロリもいけるだけだ!」

「守備範囲広い!? 性欲お化けじゃない!!」





 せ、性欲お化け……。





「否定はせん」





 うんうんと頷くシキ。

 否定しろよ。お前を庇っているんだぞ。





「まあ、その……シキもあなたを貶めてやろうとしたわけでもないし、あなたにも反省するべき点はあったと思うし……」





 とりあえず、気を取り直して女をなだめようと挑戦してみる。

 両成敗という形で、どうにか……。





「いや、調子に乗っておったから少々痛い目にあわせてやろうと思ったんじゃ」

「反省するべき点なんてないわよ!」





 すぐさま反応してくるシキと女。

 うーん、この馬鹿二人……。

 自分が悪いという考えが微塵もないだろうなぁ……。

 二人とも、社会に出ることが難しそう……。





「私は絶対に許さないわ! そいつを苦しませるまで、絶対に……!」





 目を血走らせ、殺意を溢れ出させる女。

 うーむ……この様子だと、俺の言葉程度では宥めることはできないかもしれない。

 一方のシキも謝罪の意思は明確になく、むしろやり返すつもり満々でニヤついているのだから、どうしようもないな。

 しかし、言葉でダメなら物で釣ろう。





「じゃあ、これいらない?」

「何よ、それ……」





 そういう考えの元、俺は紙切れをポケットから取り出してひらひらと振る。

 それを見て、怪訝そうに首を傾げる女。





「宝くじ一等当選くじ」

「!?」





 だが、俺がその紙の正体をばらせば、目をぎょっと丸くさせた。

 もちろん、これもシキの幸運の力によって手に入れることができたものである。

 といっても、俺は使う気は毛頭ないので、どうしようかと持て余していたものだ。

 この紙切れが何億という金に変わるのだから、宝くじというものも不思議である。





「もうシキと俺を狙わないって約束するんだったら、譲るぞ」

「な、何が目的よ……」





 そう言いながらも、女の目は宝くじから離れていなかった。

 こいつがこんなに怒っているのも、自分が没落したという点が大きい。

 その没落から抜け出すことができるのは、言葉ではなく金である。

 その金が目の前にあるというのだから、目を向けるなという方が無理な話か。

 しかし、警戒はしている模様。

 といっても、俺に彼女を騙してやろう、なんて気持ちは微塵もないのだが。





「いや、言ったじゃん。俺とシキを狙うなって。それにさ……」





 女の耳元に顔を近づけて囁く。





「これで、もう一回やり直したらいいじゃん。今度は失敗しないよう、反省してさ」





 俺の言葉を聞いて、ひどく考え込む様子を見せる女。

 シキに復讐して今の落ちぶれたままの状態でいるか、それとも復讐を諦めてもう一度再起を目指すか。

 そのための資金は、この宝くじで十分すぎるほど手に入る。

 女は天秤にかけて……。





「…………も、もらっておくわ」

「おー」





 俺から宝くじをとったのであった。

 もう一度、俺とシキに二度と関わらないことを約束させてから、女は背を向けて歩いて行った。

 彼女がどうなるか、俺には分からない。

 宝くじの大金を手に入れても、また結局没落してしまうかもしれない。

 まあ、そこまで面倒を見るほどではない。セックスもしていないし。





「……どうして儂を庇ったんじゃ?」

「どうしてって……」





 女の背中をボーっと見送っていた俺に、シキがそう声をかけてきた。

 どうして庇ったか……。





「儂もそろそろ違う場所に移動するべきかのう」

「え、何でだ?」





 なんて答えようかと悩んでいると、シキが驚愕の言葉を発する。

 目を丸くして彼女を見れば、呆れたようにジト目で見つめ返してきた。

 その目も良いな。今度それでエロいことしてもらおうかな?





「あやつを見て分かったじゃろ? 儂がおる場所は、不幸になる。儂は同じ場所に定住するべきじゃないんじゃ」





 ふっと悲しげな笑みを浮かべるシキ。

 ……え? 何この悲劇のヒロインみたいな……。

 あまりにも壮絶なことを言うので、ちょっと噴き出しそうになってしまう。

 いかんいかん。今は笑うべき時じゃない。





「さて、どこに行こうかのう……」





 もう次の部屋探しですか?

 しかし、このまま放っておくと、本当に出て行ってしまうだろう。

 だから、俺は……。





「いや、ずっと俺のところにいればいいじゃん」

「…………は?」





 自分の本心を話すことにした。

 シキは目を丸くして、ポカンと口を開けてまで俺を見る。

 ……その小さな口に逸物突っ込んだらフェラしてくれるだろうか?

 いや、流石にしないぞ? うん……。





「聞いておらんかったのか? 儂がおれば、いずれ人は没落する。あやつを見たじゃろ? お主はあんなふうになりたいのか?」

「いや、なりたくはない」





 そんなにお金に執着はしていないのだが、しかし必要最低限生きていくだけのお金は欲しい。

 まあ、最悪俺が没落したとしても、女のヒモにしてもらおうかなって思っているけど。

 最近、バリバリ働いている女もいるみたいだし。





「じゃろう? じゃったら……」





 俺の返答に、どこか諦めたような笑みを浮かべるシキ。

 そんな彼女に、俺は引き留めるための言葉を発する。





「だけど、俺はお前も手放したくない」





 肉便器として。





「なっ!? なっ、なななななっ!?」





 顔を真っ赤にして慌てるシキ。

 おぉ……こいつのこんな慌てる姿、最初に霊子さんに拘束されてぶん投げられていた時以来だぞ。

 諦観ばかりするロリ婆かと思っていたが、案外可愛らしいところもあるものだ。





「俺の側にいろ。お前のことは、俺が受け止めてやる」





 人間オナホとして。

 霊子さんのムチムチバージョンとシキのキツキツロリバージョン……両方欠かすことのできないものである。





「ば、馬鹿じゃ! そんな……」





 俺を罵倒する声にも力がない。

 顔を赤く染めて、もじもじと身体をゆする。

 そして、何故か潤んだ目で俺を見上げてくる。





「ほ、本当に儂を受け入れてくれるのか……?」

「くどいぞ」





 不安げに聞いてくるシキに、俺は力強く頷いた。

 貴重なロリを失うわけにはいかないからな。





「……そうか、そうかそうか」





 シキは自分の中で噛み砕くようにして俺の言葉を飲み込むと、にんまりと笑みを浮かべた。

 その笑顔は、出会ってから一番輝いていたと断言できる綺麗な笑顔であった。





「では、お主が死ぬまで儂が付き合ってやろう。この座敷童のシキがな!」





 そんな彼女に、俺も頷いて笑みを浮かべた。

 ……俺が内心で思っていたことは、絶対に内緒にしておこう。

書籍化決まりましたー。

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3.シキ2





『44』





「おぉぉ……? どうした?」





 俺はシキに強く手を引っ張られていた。

 先ほど、彼女がロリオナホとして俺の側にいることが内定したのだが……どうしてこんなに強く引っ張ってくるのか?

 どこかに行く場所があるのか?

 ……と思っていたら、見覚えのある風景だ。

 ここは、幽霊アパートの近くである。





「もう散歩はいいのか?」





 問いかけても無視である。

 こんにゃろう……またお仕置きスパンキングがされたいのか?

 いいのか? またおもらししちゃうぞ?

 しかし、グイグイと引っ張り続けるので、抵抗することもできずにつれられていく。

 いや、全力で抵抗すれば、やはり体格差があるのでどうとでもできてしまうだろうが、別にそこまでする必要はなぁ……。

 なんてことを考えているうちに、アパートへと帰ってきてしまっていた。

 ……まあ、散歩ももう十分だな。あの女に襲い掛かられて正直疲れたし。

 のんびり昼寝でもしよう。

 そう思って、シキに引っ張られながらアパートの自室へと転がり込み……。





「えぇ……?」





 シキに押し倒されていた。

 ……え、なにこの状況? いまいち飲み込めないんだけど……。

 幼女に押し倒される大学生とはいったい……。





「お、おい……どうしたんだよ……?」





 普段であれば、シキに覆いかぶさられたら、『へへっ、積極的だねお嬢ちゃん。お兄さんの逸物を食べたくなったのかい?』なんてふざけたことを言って手を伸ばすのだが……何だか雰囲気が重くてできない。

 彼女もずっと下を向いて俯いているので、表情が読み取れないし……。





「もしかして、どっか怪我したか? あいつに攻撃されていたりしたか?」





 ちょっと心配になってしまう。

 刺されていたようなことはなかったはずなので、すっかり油断していたが……。

 もしかしたら、何かしらの攻撃を受けて怪我でもしてしまったのかもしれない。

 だったら、すぐに病院に行かないと……。

 シキは座敷童だから保険証を持っていないだろうが……まあいいよ。こいつの能力でお金はあるし、保険がきかなくても病院に行くべきだろう。

 そう思って、身体を起こそうとして……。





「――――――じゃ」

「はい?」





 俯いたままシキが何かを呟くので、上手く聞き取ることができなかった。

 ちゃんと顔上げて話せよ……。

 身体を起こそうとしても、頑なに俺の上から退かないし。

 お前、下着つけていないんだから、秘裂丸見えだぞ。

 先ほどそこに遠慮なく男根を突き入れて中出しをしたので、ちょっと開いている。エロい。

 そんなことを考えていると、シキがバッと顔を上げた。

 その顔を見て、俺はギョッと目を剥いた。





「我慢できるわけ、ないのじゃ」





 その顔は、一目見ただけで分かるほど、明らかに発情していたからである。

 目は熱っぽく蕩け、顔は真っ赤に火照り、餌を前にして待てをされている犬のように小さく赤い舌を出している。

 肩からはだけた着物は、ぷっくりと膨れ上がった乳首をさらしてしまっている。

 ……あ、何かじめじめするなと思ったら、シキの陰部からとめどなく愛液が流れ出している。

 全身から汗も噴き出しており、ムワッとした熱気と淫靡な匂いが鼻につく。

 …………え、なにこれ?





「あんなことを言われて……普通は放り出しても当然な儂を受け入れると言われて……我慢できるわけないじゃろうが」





 そう言って、ドロドロに蕩けた目を向けてくるシキ。

 ……めっちゃ発情してるやん。





「儂に犯されろ、小童」





 そう言って、腰を上げて男根に陰部を合わせようとするシキ。

 騎乗位でヤるつもりか。

 完全に発情した淫靡な空気を醸し出すシキは、まさに捕食者と言っていいような容貌だが……。

 俺はニヤリと笑う。

 残念ながら、俺は被捕食者になるような殊勝な人間ではないのである。

 女が俺を犯す? いいや、違う。

 俺が女を犯すのだ。





「違うぞ、シキ。お前が俺を犯すんじゃない。俺が、お前を犯すんだ」





 ズプズプとキツイ膣内に収まって行く男根を見ながら、俺はそうシキに宣言するのであった。

 彼女もニヤリと笑い、淫靡な戦いが始まるのであった。





 ♡





「イ、イクっ! またイクのじゃ! イグッ! イ~~~~ッ!!」





 そう悲鳴じみた嬌声を上げて、俺の身体の上で身体をビクビクと痙攣させるシキ。

 天井を見上げてガクガクと震える身体には、びっしりと汗が浮かび上がっていた。

 ただでさえキツイ膣内が、さらに男根を締め付けてくる。

 その快感に、射精してしまってもいいのだが……俺は呆然とシキを見上げていた。

 ……えぇ……あんな威勢のいいことを言っておいて、完全に敗北しちゃってるじゃん。





「おーい。どうした? 犯してくれるんじゃなかったのか?」

「おっ……あっ……」





 下から軽く突き上げるようにしながら尋ねても、シキは答えてくれなかった。悲しい。

 今のところ、俺まだ一度もイけてなかったりする。

 シキは俺の上で何度も身体を震わせて膣内を締め付けてきていたので、散々イっているのだろうが。

 いや、まあいいんだけどね。感じてくれるのは嬉しいし。

 ただ、シキがあんな威勢のいいことを言うから、ちょっと俺も期待していたのだが……ふっ、やはり俺の方が強いということか。

 まあ、彼女の身体は一から徹底的に俺が開発していたし、俺に分があるのは分かっていたことだ。

 それに、どうにもシキが発情していることから、いつもよりも感度が良いような気がする。

 いずれ、これがデフォになるようにまで開発してやろう。

 とりあえず、威勢のいいことを言っておきながらあっけなく敗北したシキには、まだしばらく付き合ってもらおう。

 俺は、身体を起こしながらそう思うのであった。





3.シキ2





『45』





 シキの軽い身体を抱き起し、膣内から男根を引き抜く。

 その過程でも感じてしまったのか、彼女の身体はピクピクと小刻みに震えていた。

 男根にはべっとりと白く濁った液体が付着していた。

 シキが本気で感じていたことを表している。

 ……見た目ロリがこんなエロいと、大きなお友達は大喜びしそうだ。

 俺はロリコンじゃないからあれだけど。





「はぁ、はぁ……」





 汗を大量に流して息を切らしているシキを、優しく布団の上に仰向けで横たえる。

 うーん、ぺったんこ!

 霊子さんだと、そのGカップ近い爆乳のおかげで、たとえ仰向けになっても大きな山が二つできるのだが、ぷっくりと乳首につられて膨らんでいるようなシキのAカップ貧乳では、完全にぺったんこになってしまっていた。

 ただ、桜色の乳首だけがビンビンに勃起しているのは、エロい光景だと思った。





「だ、ダメじゃ……。今は、儂に勝ち目がないわ……」

「いつも負けてるだろ、お前」





 そう言いながら、俺はシキの身体に顔を近づける。

 ムワッと感じる熱気に、鼻をつくのは汗の酸っぱい匂いだ。

 しかし、男のそれとは違いどこか甘さのあるその汗の匂いは、雄の部分を刺激するものがあった。

 細い足を掴んで、大きく開かせる。

 まったく毛の生えていないツルツルの陰部に、普段はぴったりと閉じているが先ほどまで男根を受け入れていたせいでぽっかりと開いた秘裂。





「ぐっしょぐしょだなぁ。よくこんな感じになっているのに、俺を犯すとか言えたな」

「んひっ!? さ、触るでない。まだ敏感なのじゃ……」





 小さな秘裂をクニクニと弄っていると、小さく嬌声を上げるシキ。

 そこは、普段はツルツルのさわり心地が良い場所なのだが、今は泡立った本気汁によってベトベトになっていた。

 これは、先ほどまで男根を受け入れていたこともあるだろうが、シキが発情しまくっていたこともこの分泌量の多さにつながっているだろう。





「俺を犯すとか言ってさ、俺に犯されている方がよかったんじゃないのか?」





 ニヤニヤとしながら聞く。

 シキのことだから、また金切り声をあげて否定をするものだとばかり思っていたが……。





「……そうなのかも、しれんの」

「お?」





 殊勝に頷くので、逆に俺が驚いてしまった。

 こいつ、本当にシキか?





「儂を受け入れてくれて……それから、儂の心までも小童のものになってしもうた。身体はもう堕とされておったがの。しかし、心まで堕とされると、感度も段違いじゃ」





 ……なに、この素直なシキ。初めてなんだけど。

 しかし、そうか……女は相手によって感度が変わるのか……。

 男はどうなのだろうか? 少なくとも、霊子さんとシキは他のセフレよりも気持ちが良いから、そのあたりは一緒なのだろうか。

 まあ、それはどうでもいいか。

 今は、なかなかに嬉しくエロいことを言ってくれたシキを、俺が犯してやらなければならない。





「じゃが、まだじゃの……」





 そう言って、シキは腕を広げる。

 ぺったんこになった乳房も露わになり、彼女のすべてが俺の前にさらけ出されているような形になる。





「儂を惚れさせてみろ、小童」





 蠱惑的な笑みを浮かべて、そう挑発をしてくるシキ。

 …………さっきまでアヘアヘ言っていたので、ちょっと滑稽に思ってしまう。

 だが、まあ……あちらが望んでくるのであれば、応えてやらなければならない。





「じゃあ、自分で開いて迎え入れるようにしてみろ」

「……かかっ。偉そうに言いおって」





 命令口調で言えば、シキは軽く文句を言いながらも身体を動かす。

 霊子さんとか、M気質だから命令されて悦ぶ変態である。

 シキもそれに調教してやらなければならないので、これは馴らしみたいなものだ。

 シキは太ももの裏から腕を回すようにして、両手で小さな秘裂をくぱっと開けた。

 おそらく、興奮しているのだろう。

 顔は赤くなっているし、汗も噴き出している。

 何度使ってもガバガバにならず、黒ずむこともない綺麗な色と形をしている陰部は、男を惹きつけてやまない。

 その下には小さくすぼんだ尻穴もある。

 いつか、あそこも開発してケツで絶頂できるようにしてみせる。

 霊子さんはもうアヘアヘだからな。

 しかし、ロリっ子に自分から脚と陰部を開かせて男根をねだらせているという背徳感……かなり興奮してしまう。

 大丈夫、安心してほしい。シキは見た目こそロリでも、中身は元禄生まれのババアなんだ。

 誰に言い訳をするでもなく、そんなことを考えながら俺は身体を彼女に寄せて行って……。





「おぉぉぉぉ……♡」





 ズズズズズ……と男根を埋めて行った。

 先ほども受け入れていたからか、すんなりと奥の方まで押し込めることができた。

 小さな身体に覆いかぶさるようにしている正常位。

 正面から快楽に酔うシキを見ると、また興奮してしまう。





「ひんっ!? ば、馬鹿者……また大きくするでないわ……」





 ただでさえきつくてみっちりと男根を咥えこんでいるため、すぐに大きさの変化が分かってしまうのだろう。

 シキは小さく嬌声を上げて、俺の頬をつねってきた。

 あら、可愛い。

 小さな足の先をキュッと丸めて快楽に耐えているいじらしさも、また俺を興奮させる。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 グチュグチュグチュグチュ!





 身体をなるべく密着させながら腰を振ると、淫靡な水音が激しく鳴る。

 たっぷりと濡れてほぐされていた膣内は、簡単に男根に屈してしまう。

 長い黒髪を額や頬に張り付かせて喘ぐシキの姿は、とてもよかった。

 最近はだいぶ気温も上がってきているので、こうも密着して激しく身体を動かしていると、汗の量が半端ない。

 霊子さんはひんやりとした身体なのだが、シキは子供のように体温が高いので尚更だ。

 覆いかぶさっている俺から、汗がボタボタと彼女の顔や身体にかかってしまう。





「んっ、ふっ、ふっ、ふっ」





 男の汗なんてろくなものでないはずなのに、頬についた汗をペロリと舐めとるシキ。

 そして、蠱惑的に微笑むので、見た目からは想像もできないほどの色気が溢れ出していた。

 このエロガキめ。





「んぢゅっ、ちゅっ」





 顔を寄せれば、あちらから唇を差し出してくる。

 プルプルの可愛らしい小さな唇を、貪るようにして吸い付く。

 小さな舌が伸びてくるが、簡単に絡め取ってしまうことができる。

 口の中を犯していれば、グネグネと膣内が蠢いて射精を促してくる。

 キスをしながらしたら感じる女は多いよね。俺も嫌いじゃないけど。

 シキが小さな腕と脚を伸ばして、ぎゅっと抱きしめてくる。

 身体が今まで以上に密着し合い、二人の汗でベトベトになってしまう。

 うーむ……これが霊子さんだったならば、とくに気にすることなく体重をかけることができ、冷たい肉布団として活用させてもらうのだが……シキは身体が小さいので、下手したら潰れてしまうのではないかという危惧があった。

 ただ、抱き合っているのは気持ちがいいので、俺も離れるつもりはなかった。

 子供のような体つきで、お世辞にも凹凸があるとはいえないが、しかし抱き合っていればやはり女なのだと理解できる柔らかさがあった。

 ツンととんがった乳首が胸板に当たって気持ちがいい。

 顔を近づけているため、ムワッとした汗と女の甘酸っぱい匂いで鼻の中がいっぱいになる。

 そんなことを感じて、俺は……。





「んぶうううううっ!?」





 ビュルルルルルルルルルルッ!!





 キスをしながらだったので、シキは目を見開いてくぐもった嬌声を上げた。

 ……中出ししてしまった。

 ちょっと暴発気味だったが……まあ、いいや。まだできそうだし。





「んっ、んっ、んっ、んっ!?」





 最後まで残っていた精液を搾りだそうと、何度か叩き付けるようにピストンをする。

 そのたびに、小さな身体を魚のように跳ねさせるシキ。

 最後まで出し切ったことを確認して、俺はようやく男根をキツイ膣内から引き抜いたのであった。

 はあはあと荒く息をするシキ。

 ぐでっと全身から脱力して、あられもない姿がさらされている。

 汗だらけの肢体、ビンビンに勃起した乳首、だらしなく開いた脚から覗ける秘裂からは精液が逆流していた。

 そんな姿を見せられると、また男根がいきり立ってしまう。





「ま、まだするのか?」





 逸物を見て、どこか恐ろしいものを見るような目を向けてくるシキ。

 そんな彼女に、俺は優しく笑いかけてやる。





「せっかく心も通じ合ったんだ。徹底的にヤるぞ」





3.シキ2





『46』





 俺はシキの身体をくるりと反転させる。

 霊子さんなら多少苦労するかもしれないが、小さくて軽い彼女の身体は簡単に動かすことができた。

 だからこそ、物のように扱えて興奮するんだよな。人間オナホ。

 反転させると、正常位から後背位になる。

 四つん這いにさせれば、綺麗な背筋が露わになる。

 霊子さんほど長くはない髪だが、はらはらと背中にかかっているのを見ると女らしさが強まる気がする。





「おぉぉぉぉぉ……♡」





 小ぶりながら張りのある臀部をがっちりと掴みながら、男根を押し入れる。

 先ほど絶頂したばかりの膣内は、ギチギチと強く締め付けてくる。

 思わず射精しそうになるが、何とかこらえて腰を前に推し進めていき、小さな身体で男根全体を飲み込んでもらって、腰と臀部がぴったりと密着する。

 あぁ……良いオナホだなぁ……。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 腰が当たるたびに小ぶりな尻肉がたわんで肉音が立つ。

 プリプリの臀部は霊子さんのそれに比べると肉感に物足りなさがあるかもしれないが、張りという面ではシキで大満足である。

 バックから犯していると、征服感というか、相手を屈服させている感じが凄くあるので、すぐに射精してしまいそうになる。

 顔を伏せて嬌声を上げ続けている姿にも、また興奮させられる。





「んぶっ! んっ、んっ、ふっ♡」





 シキははしたない嬌声を上げることに恥ずかしさを覚えたのか、布団にかみついて声を出さないようにする。

 だが、大きく声を上げられるのもいいのだが、こういう風に我慢しているようなものも興奮するんだよなぁ……。

 シキは男心が分かっていないようだ。

 そのため、さらに激しく腰を振りたくる。

 膣内を蹂躙するように、激しく抉って擦る。

 ゴリゴリと膣壁を削るようにして動けば、シキが快楽に耐えるようにシーツをギュッと握るのが可愛らしくて仕方ない。

 たっぷりとかいた汗でシーツはしっとりとしているし、Aカップの小ぶりな乳房が潰れるように上半身を力なく突っ伏させているので、これは後で綺麗にしないとなぁ……と思う。

 ……霊子さんにお願いしたら怒るだろうか?





「ふぐううううううううっ♡」





 プシャッ、プシャッ!





 何だか生温かいなぁと思えば、シキが潮を噴いていた。

 ピュッピュッと飛ぶ厭らしい液体は、ぱたぱたとシーツに落ちてシミを増やす。

 ……後で洗えよなー。

 なんだったら、シキの能力で手に入れた宝くじで、買い替えるか?

 霊子さんとシキを犯していたら、大分シミが増えたんだよな。

 まあ、それは後でゆっくりと考えたらいいや。

 シキがまた盛大にイって男根を強く締め付けてきたので、一気に射精感が込み上げてきた。

 セフレとかなら気を遣って外に出すのだが、霊子さんとシキには何ら遠慮しなくていい。

 彼女たちは普通の人間とは違うし、俺のものだしな。

 というわけで、こんなロリロリしい美幼女にも遠慮なく中出しである。最高だぜ。





「おおおおおおおおおおおおおおおっ♡」





 ビュルルルルルッルルルルッルルルルッル!!





 獣のような喘ぎ声を出すシキに、遠慮なく精液を膣内に発射した。

 ビクン! と身体を跳ね上げさせようとするので、彼女の肩を掴んで拘束し、グッと腰をプリプリの臀部に密着させて最奥で射精を続ける。

 小さな子宮内はあっけなくいっぱいになり、すぐに逆流してきた。

 男根を引き抜くと、ぽっかりと開いた膣内から精液がボタボタと垂れ落ちてきてシーツにシミを増やす。





「ふー……」





 近くに置いてあったミネラルウォーターを飲みながら、一息つく。

 いやー、暑いっす。

 マジで熱中症になってしまうのではないかと危惧するほどの暑さ。

 身体を密着させ合って交じり合っていたのだから、それも仕方ないかもしれないが。

 シキは、上半身を突っ伏して臀部だけを掲げるように上げたまま、ぐったりとしていた。

 彼女の全身には珠のような汗が浮かび上がっており、俺以上に火照っているのかもしれない。

 まあ、今回も俺より何倍も絶頂を迎えていたはずだし、疲労も半端ないことだろう。

 シキの周りだけ、シーツのグショグショ具合がとんでもないことになっている。

 さまざまな体液が垂れ落ちていたからなぁ……。

 涙、よだれ、汗、愛液、潮、精液……いやぁ、よく脱水症状に陥らなかったな、シキ。





「水飲むか?」

「……飲む」





 手渡ししてやれば、のろのろとした非常に緩慢な動きでペットボトルを受けとり、ゴクゴクと小さな喉仏を動かして水分を吸収していくシキ。

 おぉ……全部飲み干した……。やっぱり、喉は渇いていたんだな。





「どうだったよ?」

「……ヤバかったのじゃぁ」





 ほうっと熱っぽいため息を漏らすシキ。

 トロトロに蕩けた表情である。男根に悪い。





「まあ、そういうことだから、俺から離れるようなことはするなよ」

「……なんじゃ? まだそんな心配をしておったのか?」





 俺の顔を見上げて、ニヤニヤと笑うシキ。

 また気絶寸前まで犯すぞ、テメエ。





「安心せい。もう大丈夫じゃ」





 そう言って、今まで見た中で最も魅力的と言えるほどの、シキの満開の笑みが向けられた。





「もう、そっちから言ってきても離れてやらん。最期まで、よろしく頼むぞ、小童」

「……おう」





 ロリオナホ、ゲットだぜ。

 決してシキには言えないようなことを考えていた、その時であった。





「――――――」

「あ……」





 俺とシキの背後に現れていたのは、霊子さんであった。

 長いボサボサの髪がゆらゆらと揺れている。

 顔は黒い靄で見えないが、凄まじい威圧感があった。

 彼女の目から見えるのは、全裸の二人……かつシキは様々な体液でドロドロの状態。

 うーん、マズイですねぇ……。

 …………怒ってる?





最終章 霊子さん2





『47』





「おーい。朝じゃぞー。起きんかー」

「ううん……」





 のんびりとした声とゆさゆさと身体をゆすられて、深い場所まで沈んでいた意識が浮上してくる。

 ね、眠い……。

 今日は講義もないんだし、ゆっくり寝かせてほしいのだが……。





「いや、今日は講義あるじゃろ。小童が起こせって言うたんじゃぞ?」

「……あ、そうだっけ」





 流石に講義を休むわけにはいかない。

 俺は優等生だからな。

 目を開けば、俺の身体に跨るようにしているシキの姿があった。

 相変わらず下着をつけていないので、着物がめくりあがってツルツルの秘部が見えてしまっている。

 ……また勃起したらどうするんだ。

 しかし、何だか以前からシキの俺に対する接し方が随分と柔らかくなった気がする。





「ん? お主は本当に元気じゃのう。すっきりさせてやろうか?」





 ちょうどシキが逸物の上に跨るようにしているので、少しでも反応したらニヤニヤと嗜虐的な笑みを浮かべて誘ってくる。

 小さく口を開けて舌を出し、手を淫靡に前後に振っている。止めろ。お前の見た目でそれはヤバい。

 いや、これいつも思うけど、お前わざとだろ。

 ツルツルの陰部を見せつけてくるのも、ばれないようにほんの少し擦るようにして下半身を動かして刺激しているのも……。

 すっきりさせてやろうか、なんて上から目線で言いつつも、こいつ犯されたいだけだろ。

 こういう感じになったのも、あの以前シキが住み着いていた家の女と出会った時からである。

 まあ、嫌な気分になることはないので、俺としてはウェルカムなのだが。





「いやー……流石に一度ヤると最後までヤりたくなるし、今日は遠慮しておこうかな」

「なんじゃ、つまらん」





 露骨に不満そうに顔を歪めるシキ。

 どれだけヤりたかったんだ、お前……。

 こういう淫靡な変化は見ていて楽しいからいいんだけどさ。

 あれだけ嫌がっていたロリをロリビッチに開発しました!

 とはいえ、こいつはわがままなので、要求を拒絶し続けていたら変なことをしでかす可能性もある。

 だから……。





「おい」

「なんじゃ?」





 ちょいちょいと手招きすれば、不思議そうに首を傾げながらも無防備に近づいてくる。

 ……俺の身体に跨ったまま移動するので、プニプニの陰部の感触が伝わってきて股間に悪い。

 しかし、こいつも随分と俺を信頼して無防備になったものだ。

 最初犯したころなんか、警戒して唸り声も上げていたのに。

 その変化に目を細くしながら、何をされても受け入れそうなシキの顔に近づき……。





「んむっ!?」





 プルプルの可愛らしい唇を奪った。

 目を丸々とさせて驚いていたシキであったが……。





「んっ、んちゅっ、んぶっ、んぁ……!」





 舌を絡め取って激しく口内を犯していると、次第にトロンと目が蕩けて細くなっていく。

 顔も火照りだし、口からはよだれがダラダラとこぼれる。

 もじもじと下半身を揺らしており、陰部が密着している服に湿り気を感じるようになる。

 そうして、しばらく口の中を蹂躙していると……。





「んんっ♡」





 小さくビクンとシキの身体が揺れた。

 どうやら、軽く絶頂を迎えたようだった。

 ふっ、ちょろいぜ。





「続きは俺が帰ってきてからな」

「んむぅ……ほだされすぎたか。利用されておる都合の良い女に成り下がっておる気がするのう」





 合っているぞ。

 もじもじとしているシキを身体の上から退かし、身体を起こす。





「あ、おはよう、霊子さん」

「――――――」





 テーブルの近くに立っているのは、長いボサボサの黒髪を持って薄汚れた白いワンピースの中にエロい身体を隠している霊子さんである。

 挨拶をしても、彼女から返ってくる言葉はない。

 まあ、それはいつも通りなのだが……以前は散々身体が通じ合ったということもって雰囲気も柔らかなものになっていたのだが、今はツンツンとしているものになっている。

 おそらく、彼女が話せて挨拶をすることができたとしても、今はしてくれていなかったであろう。

 そんな感じがする。

 というのも、霊子さんがこんな感じになってしまったのは、彼女が突然現れたときに俺とシキが性交直後だったということが原因だろう。

 どうにも、霊子さんとシキの相性は悪い。

 だから、俺がシキとヤることに、霊子さんも良い感情は抱いていないのだろう。

 うーむ……ただ、シキもロリ体型でキツイからなぁ……捨てられないのである。

 霊子さんとも相性がいいし、何とか共存してくれないものか……。





「お、また朝飯作ってくれていたのか。いつもありがとうね」

「――――――」





 テーブルには、美味しそうな食事が用意されていた。

 霊子さんのご飯は美味しいし、毎日食べることができるのは非常に嬉しいことだ。

 以前から作ってくれるようになったが、仲良くなれてよかったことの一つである。

 不機嫌でもご飯だけは作ってくれるとか、ツンデレかな?





「かかっ。大した飯ではないがの……ぷぎゃっ!?」





 俺の背中から覗き見るようにして笑ったシキは、ポルターガイスト的な力で壁に叩き付けられていた。

 お前が悪い。

 霊子さんも霊子さんで、俺の飯は毎回作ってくれるのだが、シキのご飯はほとんど作ってあげないところに二人の仲の悪さが出ている。

 まあ、二人とも飯は食べなくても生きていけるようなので、俺がちゃんと精を吐き出している限り問題はないようだが。

 いつも通り、俺と霊子さんが座って一緒に飯を食べようとすると……。





「ほれ、小童。口を開けい」





 俺の膝によじ登り、箸をかすめ取ると料理を取って口元に運んでくるシキ。

 お前、本当遠慮なくなったよな。

 気を許してもらっていると考えたら嬉しいので、このままでいいのだが。





「おー……」

「――――――」





 俺は口を開けてシキの甘えに答えるが……霊子さんが黒い靄越しにじっと俺たちを見ている。

 霊子さんが怖い……。





「さて、そろそろ行くかな」





 結局、シキはせっせと俺に料理を運び、俺もそれを食べ続けて霊子さんの美味しい朝食をごちそうになった。

 霊子さんはほとんど自分の分を食べずに、じっとこちらを見続けていたので怖かった。

 本当なら何かしら接触した方がいいのだが、講義の時間もある。

 俺はよいしょと立ち上がった。





「おう。早く帰ってこいよ」

「おー」





 シキは早く帰ってきて犯されたいのか、そう声をかけてきた。

 いやー、行かないといけないことは分かっているのだが、やはり大学に行くのは面倒だ。

 大学で研究がしたい! なんて崇高な考えを持って来たわけではないからなぁ……。

 こういう時、何か楽しいことがあれば大学にも気軽に行くことができるのだが……。





「あ、そうだ。霊子さんさ」





 そう考えていると、ふとある考えが頭に浮かんだ。

 よし、早速提案してみよう。





「一緒に来ない? 大学にだけど、デート感覚で」

「――――――?」





 俺の提案に、霊子さんは何を言っているんだと首を傾げた。

 うん、良い考えだ。

 霊子さんと一緒だったら、セクハラしながら大学を楽しむことができる。

 ついでに、機嫌の悪い彼女を機嫌よくすることもできるだろう。

 まさに、一石二鳥。

 しかし、この考えに食いついてきたのは、話せない霊子さんではなくシキであった。





「な、何故悪霊なんじゃ!? それならば、儂でも……」

「馬鹿。お前とは前外に一緒に出ただろ。じゃあ、霊子さんともしないと不平等じゃないか」





 まあ、シキと出かけたときはあの女に襲われてデートもクソもなかったけどな。

 その時は彼女もデートというようなことを考えていなかっただろうから、羨ましいのだろうか?





「うぬぬぬぬぬ……! じゃ、じゃが、そやつは地縛霊じゃろ? このアパートから離れることはできんはずじゃ!」





 それでも声を張り上げるシキ。

 しかし、言っていることには一理ある。

 俺は幽霊の種類にはまったく詳しくないが、地縛霊という存在が場所に縛られるということは字から見ても明らかである。





「そうなの?」

「――――――」





 しかし、聞いてみると首を横に振る霊子さん。

 なんだ、いけるじゃないか。





「なん、じゃと……?」





 劇画のような表情を浮かべるシキ。

 どうやってるんだ、それ?





「おし。そんじゃ、大学にだけどデートするか、霊子さん」

「――――――」





 まあ、シキのことは今はどうでもいいか。

 霊子さんに呼びかければ、どこか躊躇しているような様子を見せながらも頷いてくれた。

 こうして、俺と霊子さんは初めてデートに出ることになったのであった。

 ……まあ、デートというより学校についてきてもらうだけなんだけどな。





最終章です。

やる気になるので、もしよかったら下の方にある評価をしてくれると嬉しいです!





また、本日書籍版の『家賃50円のアパートに入居したら幽霊が出たのでとりあえず犯してみた』が発売されました!

書き下ろしやエロ可愛いイラストもついていますので、興味のある方は是非とも手に取っていただければと思います。

ただ、これから台風が直撃するみたいなので、それは気を付けてください。





最終章 霊子さん2





『48』





 霊子さんと二人で外を歩く。

 うーむ、不思議な感じである。

 いや、歩くという表現は少し変かもしれない。

 霊子さんは俺と同じように両脚を交互に出して進んでいるというわけではなく、なんというか……たまに消えてたまに現れるという感じで進んでいる。

 俺に憑いているという表現の方が正しいだろうか?

 時折、散歩している犬や野良猫とすれ違うのだが、めちゃくちゃ怯えられて逃げられている。

 霊子さんがそんなに怖いのだろうか?

 別に怖くないんだぞ。バックから大きな胸を揉まれながら突かれていたら、アヘアヘ言ってビクンビクンするんだから。





「そう言えば、霊子さんって外に出るの久しぶり?」





 そう尋ねれば、コクリと頷かれる。

 時々消えることがあるから、外に出ているのかとも思っていたのだが、どうやらそれは違うようだった。

 うーむ、普段は何をしているのか?

 霊子さんの謎が深まるばかりである。

 そんなことを考えつつ、時折霊子さんと会話しながら――――会話と言えるのかわからないが――――歩いていると、俺の通っている大学に到着した。

 そもそも、俺たちの住んでいるアパートが大学まで非常に近いんだよな。

 普通だったら、学生に人気としてそれなりに家賃をとられても不思議ではないのだが、霊子さんがいたことによって家賃は50円である。

 霊子さんには感謝してもしきれないなぁ……。

 しかも、実際には人を殺すような悪霊ではなく、ちんぽにあっけなく屈服するムチムチエロ幽霊である。

 あそこに住もうとしなかった奴らって、後悔するべきだよな。





「ここ、大学だけど……霊子さんって通ってたことある?」

「――――――」





 俺が尋ねてみれば、少し逡巡するような雰囲気を醸し出した後コクリと頷いた。

 おっ、そうだったのか。

 じゃあ、少なくとも大学生以上になってから幽霊になったということだよな。

 へー。じゃあ、俺よりも年上だったのかー。

 シキも元禄生まれだし、二人ともお姉さんキャラなのか。

 まあ、二人とも毎晩アヘアヘなっているので、包容力というかお姉さん的なものを感じたことは一度もないが。

 そんなことを考えながら、俺と霊子さんは大学の中へと入って行ったのであった。





 ♡





 一限の講義がある大教室に入り、一番後ろの席に座る。

 こういう席は大体講義中うるさい連中が陣取ってペラペラと話しているものだが、俺がとっている講義の教授が非常に私語に厳しく、教室から退場させられることはもちろんのこと、単位も与えないという厳しい姿勢をとっているため、一番後ろの席でも静かで快適な講義を受けることができるのである。

 まあ、俺もそんな真剣に講義を受けることはほとんどないのだが……うるさくはしないからマシだろう。





「おー、久しぶりー」

「おう」





 ボーっとしながら霊子さんの身体をしげしげと眺めていると、声をかけられる。

 それは、以前幽霊をビンタしてしまったと嘆いていた友人であった。

 彼は、俺の前の席に座って、身体をこちらに向けて話しかけてくる。





「あれから、幽霊との生活はどうだ?」

「俺の方は順調だよ。霊子さんもシキも、エロくて可愛いし」

「いいなぁ……って、お前もう一人増やしたのかよ!?」





 ぎょっと目を見開いて聞いてくる友人。

 しかし、こいつにそんなことを聞く権利はないのである。





「お前のせいだぞ」

「いだだだだだっ!? 何が!?」





 腕を掴んでつねってやれば、涙目になって悲鳴を上げる。

 こいつが押し付けてきたお守りのおかげで、シキと俺が出会えたのは間違いない。

 だが、その出会い方がまずすぎる。殺されかけたぞ、俺。

 お礼にもらったもので殺されかけるとか、人によってはこいつ恨まれていたのではないか?

 まあ、俺の場合は霊子さんが助けてくれたし、今はシキもエロくて貴重なロリ枠なので、とくに気にしていないが。





「霊子さんと違ってロリだ。ムチムチとロリを交互に犯すのは、最高だぞ」

「くっそおおおお!! あのお守り俺が持ち続けていたらよかった!!」





 全力で悔しがる友人。

 そんな彼を見ていれば、溜飲も下がるというものだ。





「で、お前の方はどうなの? テレビから出てくる幽霊」

「ダメだ……。謝っているんだけど、なかなか出てきてくれない……」





 絶望の表情を浮かべる友人。

 ……俺が言うのもなんだけど、幽霊に出てきて欲しがる奴っておかしいよな。

 その幽霊が霊子さんのようにエロエロかどうかも分からないし、本気でヤバい幽霊だっているだろうし……。

 まあ、この友人ならヤバい幽霊でもなんだかんだで張り倒していそうだから、心配する必要はないか。





「でもさ、テレビの前に飯置いていたら、全部なくなっているんだ! つまり、それだけの進歩があるってことだ!」

「おお……」





 嬉しそうに言う友人。

 ……そうか。幽霊と触れ合うことすら、まだできていないのか。

 会って初日に霊子さんを犯したということを教えれば、どうなるだろうか?





「ていうかさ、実際に幽霊ってどんな感じなんだろうな? 俺触ったことすらねえから分かんないわ」

「どうって……こんな感じ?」

「――――――!?」





 近くにいた霊子さんのおっぱいを鷲掴みにする。

 あぁ……やっぱり、凄い量感だ。触っているだけで幸せになれる素晴らしい乳房である。

 霊子さんは驚いているようだが、気にしない。

 なぜなら……。





「こんな感じって……どんな感じだよ?」





 友人が何を言っているんだと、俺を怪訝そうに見ていた。

 そう、彼に霊子さんの姿は見えていないのである。

 友人だけではなく、俺以外の全ての人がそうらしいが。

 霊子さんの姿を誰もが見ることができていたら、多少騒ぎになっていてもおかしくないもんな。

 長いボサボサの黒髪、薄汚れた白いワンピース、顔の黒い靄……あからさまなまでに幽霊っぽいもん。





「今さ、ここに霊子さんがいるんだ」

「マジ!? ちくしょう、俺には見えないのか……」





 全力で悔しがる友人。面白い。

 ヘラヘラと笑いながら、俺は考えた。

 そうか。霊子さんは、俺以外に姿を見られることはないのか。





「――――――」





 霊子さんにニッコリと微笑みかければ、彼女は何か恐ろしいものを見たかのように身体をビクッと震わせるのであった。





 ♡





「したがって、この理論の基礎となる学説は――――――」





 教壇で教授が講義をしている。

 私語や居眠りに厳しい教授なので、皆真剣に前を向いてノートをとっている。

 それは、俺の前に座っている友人もまた同じであった。

 俺も、傍から見ればそう映っていることだろう。

 シャーペンを手に取り、ノートを開き、真剣に教授のことを見ているようだろう。

 まあ、実際は……。

 チラリと視線を下に向けると……。





「――――――」





 激しく音が出ないように、男根を口に含んで舌で舐めまわしている霊子さんの姿があった。

 ふっ、やったぜ。





最終章 霊子さん2





『49』





 机の中に女を隠し、誰にもばれないように口で奉仕してもらう。

 ……男なら、一度は夢見るようなことではないだろうか?

 とはいえ、これを実行するのは非常に困難である。

 まず、人目につくかもしれないのにそういったことをしてくれる女がそうそういるとは思えない。

 また、本当にばれてしまったらシャレにならないので、絶対にばれないようにする必要がある。

 この二つの条件をクリアすることは、なかなか難しいだろう。

 しかし、霊子さんならばこの厳しい条件も容易くクリアしてしまえるのである。

 俺に対して非常に従順なM気質のエロさ。

 そして、俺以外には姿を見ることを許さない幽霊的な不思議パワー。

 この二つを兼ね備えることによって、俺は他人が大勢いる場所で机の中で奉仕をしてもらえるという素晴らしい体験をすることが可能なのである!





「――――――」





 まあ、だからと言って激しい口淫をすることはできないし、させられないんだけどな。

 いくら姿を見ることはできないからといっても、音は漏れる。

 私語も許されない非常に静かな教室の中で、後ろの方からぐっぽぐっぽじゅぷじゅぷという凄まじい水音が立てば、絶対に目立ってしまうし注目が集まるだろう。

 そして、その視線の先では俺がいるわけである。

 霊子さんは見えないが、訝しんで近づいてきた教授は下半身をテカらせながら露出している俺の姿を見て……。

 まあ、その後は簡単に想像ができるだろう。

 そのため、俺が霊子さんに仕込んだ唾液を口にたっぷり含んでからの激しいフェラはお預けである。

 それでもいいのだ。今は、何も射精をしたいわけではないのだ。

 緩やかな快楽に浸りながら、ボーっとしているのも気持ちがいいものである。





「――――――」





 ただ、口に男根を含み、舌で舐めまわされる。

 俺がされているのは、それだけである。

 霊子さんの体温が限りなく低いため、ひんやりとする。

 最近では随分と暑くなってきているため、それでも萎えることはなかった。

 ……しかし、冬のことを考えると、逸物が凍り付いてしまいそうだな。





「この学説に対立するものとして代表的なものは――――――」





 教授の言葉を右から左へと受け流す。

 ちゃんと聞いた方がいいのかもしれないが、試験に出るものはちゃんと事前に言ってくれるので、ここはのんびりしていていいだろう。

 私語や居眠りをしていなければ、とくに問題のない教授だし。

 神聖な大学の教室で幽霊にフェラをさせている俺は、のんきにそう考えていた。

 ヌタヌタと見えない口内で弄ばれる男根。

 思わず眠ってしまいそうになるような、居心地のいい快感に包まれる。

 はー、気持ちいいわぁ……。本当に眠ってしまいそうでいかん。

 この教授ということもあるし、フェラをされている時に寝たら凄い怒られるんだよな。

 まあ、逆に言えば、クンニしている時に寝られるということだもんな。ショックだわ。





「――――――ッ」





 眠ってしまわないように、手を動かすことにした。

 霊子さんのボサボサで長い髪をかき分けるようにして撫で始める。

 一瞬身体をビクッと震わせる彼女であったが、痛いことなどはしないということが分かったのだろう、とくに抵抗することはなく口内で舌を動かし始めた。

 口で奉仕してくる女の髪と頭を優しく撫でると、何だか精神的に上に立った感じがする。

 こうすると喜ぶ女も多いので、潜在的なMが結構いるということだろうか?

 俺的には嬉しい。

 髪をたわむれにかきあげてみるが……やはり、どうにも見づらいなぁ……。

 まあ、顔を撫でつつどういう造形をしているのかと探るのも楽しいが。

 ただ、絶対に目とかに指が入ってしまわないように、気をつけなければ……。

 霊子さんが俺たちと同じように目玉があるんだったらもちろんだし、逆に目玉がない系だったらそれはそれで怖いので知りたくない。

 ……なので、顔の前面というよりは側面……頬を撫でたり、耳をさすったりしてみる。





「――ん――――」





 ピクリと反応する霊子さん。

 しかし、逃げようとすることはなく、むしろ男根を口に含みながらもじっと見上げてきた。

 まるで、もっとしてほしいと懇願しているように。





「ん――ぁ――――」





 可愛らしいおねだりをされて、何もしないわけにはいくまい。

 ナデナデと、まるでペットを相手にするかのように霊子さんの顔を優しく撫でた。

 冷たい頬を手のひらで撫でたり、耳をなぞるように指でくすぐったり。

 そんなことをしていると、いつの間にか霊子さんは口に男根を含みながら顔を手に押し付けてくるようになる。

 懐いたペットかな?

 そんなことを考えながら撫でていると、ずっと口の中に入れられてふやけそうになっていた男根から、射精感が高まっていることが伝わってくる。

 ……よし、一発出しておくか。

 そう決めた俺は、普段のように荒々しくではなく、優しく霊子さんの後頭部に手を添えて前に出てくるように勧める。

 すると、霊子さんもあっさりと従って、さらに男根を深くまで飲み込み……。





「……ふー」





 ビュルビュルと精液を吐き出した。

 普段のように勢いよくという感じではなく、なんというか……ダラダラとしたものだった。

 うーん……スローセックスっていうのもいいかもしれないなぁ……。

 また霊子さんとヤろうかな。

 そんなことを考えながら、男根を霊子さんの口から引き抜いた。





「――――――」





 口に出すと私語になってしまうので、ジェスチャーで口を開けるように指示する。

 すると、これまたあっさりと俺の言うことに従ってくれる霊子さん。

 ……うーむ、何も見えん。

 だが、口内に精液を残させつつそれを見させてもらうというのは、興奮するシチュエーションである。





「――――――」





 飲んでいいよとジェスチャーする。

 精液を飲むことに慣れていなければ、ティッシュを渡してそこに吐き捨ててもらうのだが……霊子さんは俺との退廃的な生活で、もはやエロいことでしていないことはないと言っていいほどの経験を積んでいる。

 精液を飲むことなど、容易いだろう。

 実際、霊子さんの真っ白な首は、コクリと上下していた。

 ……エロい。





「では、今日の講義はここまで」





 俺が霊子さんを見下ろしてごくりと喉を鳴らしていると、教授がそう言って大教室から出て行ってしまった。

 先ほどまでの静かな空間から一変、騒がしくなる。

 ごそごそとズボンをはき直し、ふっと一息。





「あー、つっかれたぁ! これが必修じゃなかったらとらないのになぁ」





 友人が振り返りながら、そんなことを言ってくる。

 普段だったら、会話に付き合うのだが……。





「あー、悪い。ちょっとトイレ行ってくるわ」





 そう言って、俺は霊子さんの冷たい手を取って歩き出した。





「おい! エロいことか!? エロいことなのか!?」





 大声で叫んでいる友人のことは無視である。

 大分冷たい目で見られているぞ、お前。

 ……まあ、間違っていないから否定もできないのだが。

 俺は大人しく俺に手を引っ張られ続けている霊子さんを見ながら、そう思うのであった。





最終章 霊子さん2





『50』





 俺の通っている大学は総合大学ということもあって、非常に広い。

 学舎もいくつもあるし、その分トイレというものも非常に多い。

 いや、まあトイレなんか使うくらいだったら、人けのない教室とかを使えばいいという話だが……まったく人が来ない教室とかはないんだよなぁ……。

 もちろん、人通りが少ない場所はあるにはあるのだが、もし見つかってしまった時のことを考える。

 俺と霊子さんが見えるのであれば、不純なことをしたということで間違いなく停学処分だろうし、俺しか見えないのであれば……俺は精神異常者の名をほしいままにしてしまう。

 何もない場所で腰を振りたくっている男……ヤバすぎるだろ。

 というわけで、絶対にばれないであろう個室になるトイレを目指しているのである。

 たとえば、公衆トイレのような場所だと古いので、トイレ自体が狭くてとてもじゃないがヤることはできないかもしれない。

 だが、昨今の大学はトイレも綺麗にしているし、バリアフリーのトイレなんて広くて清潔で最高である。

 そういうことから、俺は霊子さんを引きつれて、人けの少ない学舎のバリアフリーのトイレに入ったのであった。





「よし、やっぱり綺麗だ」





 ほとんど人は使っていないが、掃除はちゃんとされているらしい。

 匂いも何もないな。うん、最高だ。

 さて……と、俺は所在なさげに立っている霊子さんの背後に回る。

 うーむ……上から覗き見る豊満な乳房というものも、非常に素晴らしい。

 指を突っ込んで谷間を擦ってみたい。

 ボサボサの長い黒髪から覗く真っ白なうなじというものも、非常に色気があった。





「――――――」





 ふにふにと豊満な乳房を揉み始める。

 いきなり強くすることなどはなく、優しく乳肉の感触を楽しむように。

 霊子さんをその気にさせたり興奮させたりしたい時は、マゾッ気のある彼女を荒々しく愛撫する必要があるのだが……。

 先ほどの口淫と精液を飲んだことで、彼女自身がそれなりに興奮してくれている。

 それは、たとえ口に出されなくとも、今までほぼ毎日何度も身体を重ねてきた俺には分かることだった。

 冷たい頬を優しく撫でれば、霊子さんは顔を振り向かせる。

 俺が霊子さんの意思や感情を雰囲気で悟ることができるようになったように、彼女もまた俺のことを理解してくれているのである。

 唇を合わせて、舌を絡め合う。

 貪り合うような激しいものではなく、どこか触れ合うだけの可愛らしい接吻だ。

 性欲を高め合うというよりかは、親愛とかそういうものを確認して向上させるもの。

 そのため、この接吻は酷くあっさりと終わりを迎える。





「よいしょ。霊子さんは両腕を上げてな」





 薄汚れた白いワンピースをめくりあげて、男なら垂涎ものの豊満な肢体を露わにする。

 下着を一切つけていないため、うっすらと茂った肉厚の陰部やGカップのグラビアアイドル顔負けの胸を見ることができる。

 霊子さんには両腕を上げるように指示をしたので、その量感はさらに強調されるものとなった。

 下から持ち上げるようにして持てば、その重さというものがハッキリと分かる。

 いや……この大きさで形も崩れていないとか最高だよな。

 幽霊だからか? それは分からないが、もしそうなら霊子さんが幽霊でよかったぜ。

 微妙に勃起を始めていた乳首を摘まんでやれば、小さく身体を反応させる。





「立つの速いなぁ……」





 軽く触れただけなのだが、桜色の乳首はむくむくと大きくなって摘まみやすく育ってくれた。

 青白い肌に似つかわしくないほどのエロそうな乳首。吸い付いてしまいたいくらいだ。

 搾るように乳房を揉みしだけば、ぷくっと膨らむ。





「おっ――――♡」





 その乳首をキュッと摘まんでやれば、またエロい嬌声を漏らしてくれる。

 これが、ただの乳首ではなく母乳も噴き出してくれるのだから、本当にエロい。

 乳房と乳首を弄りまわしていると、霊子さんの冷たい身体に汗が浮かび始める。

 しっとりとして肌触りもよくなると、十分に彼女の興奮が高められたことを意味する。

 よし、もういいだろう。





「霊子さん、壁に手をついて」





 俺がそう指示を出せば、またあっさりと聞いてくれる。

 腰が曲げられ、むっちりとしたお尻が突き出されるような形になる。

 長い黒髪が垂れ、豊満な乳房も重たげに揺れている。

 圧倒的肉付きの臀部は、触っているだけでも気持ちがいい。

 尻タブを開けば、愛液で湿った陰部と小さくすぼんだ尻穴が見える。

 いやー、エロくていいなぁ……。

 先ほどキスをして胸を揉みしだいていた時にも勃起はしていたのだが、その硬度がさらに増したように感じる。

 教室でたっぷりと奉仕を受けた逸物を取り出し、こちらに突き出してくれる臀部に近づける。





「おぉぉぉぉぉ――♡」





 そして、ずぷぷぷっと男根をゆっくりと挿入したのであった。

 下腹部と肉厚の臀部がぴったりとくっつきあう。

 うむ。こういう密着感があると、興奮できるよな。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 下腹部と豊満な尻肉がぶつかり合い、軽快な肉音を立てる。

 腰をがっちりと掴み、力強く男根を打ちいれていく。

 ゴリゴリと膣内を抉れば、獣のような嬌声を上げてくれる。

 可愛らしい喘ぎ声も好きだが、こういう本能に直接訴えかけてくるような喘ぎ声はもっと好きである。

 霊子さんの真っ白でムチムチのお尻には、汗と愛液が付着してベトベトとし始めていた。

 ヒクヒクと小さく蠢く尻穴も、また弄ってやらなければならない。

 うっすらと茂っている陰毛は、すでに本気汁でべたべたになっており白く泡立っていた。

 壁に手をつくことによって垂れている豊満な乳房は、ぶるんぶるんと重量感たっぷりに激しく暴れまわっていた。





「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」





 最奥まで男根を押し付けてぐりぐりと腰を回すようにしてこすり付けると、堪らないといったような嬌声を上げる霊子さん。

 シキのようにキツキツではなく、精液を搾り取るように淫靡に蠢く膣内には効果的だったようだ。

 息を荒くしてボサボサの髪を振り回しながら快楽に浸る霊子さんは、とてつもない色気を放っていた。

 …………もう出してしまおう。





「おっおっおっおっ♡」





 パンパンパンパン!





 腰の振りを速くして、射精をするための動きに変える。

 霊子さんもガクガクと頭を振りながら、その快感に浸っていた。

 何度か男根がキュウキュウと締め付けられたが、それで決して止まることはなく動き続けた。

 そして……。





「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ♡」





 腰をがっちりと掴んで引きつけ、豊かな尻肉が赤くはれ上がるほど強く腰を打ち付けた。

 みっちりと隙間がないほど密着し、子宮口にぴったりと寄せた鈴口から精液を吐き出したのであった。

 ビュルビュルと精液が注ぎ込まれ、霊子さんは身体をガクガクと震わせた。





「はぁ……」





 俺は霊子さんの背中にもたれかかるように、多少力を抜いた。

 全身の体重をかけてしまうと、流石の彼女も潰れてしまうだろうから、そのあたりは加減している。

 最後の一滴になるまで、ぴったりと霊子さんのムチムチの身体から離れることはなく、遠慮ない中出しをさせていただく。

 大学で中出しとか、どれほどの人間ができるだろうか?

 ……いや、常識的にはするべきではないんだけどね。





「ふー……」





 何度か腰を打ち付けて、全ての精液を吐き出す。

 男根を引き抜けば、ポタポタと溢れ出した精液が地面に零れ落ちる。

 ……流石にこれは拭いて綺麗にしておかないとな。

 あからさまに精液とか残っていたら、ここが警戒されてしまうだろうし。





「っていうわけで、霊子さん綺麗にしといてね」





 俺の言葉に返答することなく、彼女は身体をビクッと震わせるのであった。





明日17日発売の『二次元ドリームマガジン2018年12月号 Vol.103』というキルタイムコミュニケーション様が出版されている雑誌に、この作品のカラー小説が掲載されています。

良ければ手に取っていただければと思います。





最終章 霊子さん2





『51』





「どうだった?」

「――――――」





 俺が問いかければ、霊子さんは「デートちゃうやんけ」みたいな雰囲気を醸し出す。

 いやはや、申し訳ない。大学でデートというのも、いまいちよくわからなかった。

 結局、講義を受けている最中は口で奉仕してもらい、休み時間や時間が空いたときにはセックスをするという、アパートにいる時と大して変わらないことをしていた。





「また今度はちゃんとしたデート行こうよ」

「――――――」





 少し戸惑うような雰囲気だが、小さくコクリと頷いてくれた。

 デート……うーむ、俺は女性経験こそそれなりに豊富な方だが、一方でデートなどというような純愛経験はほとんどなかったりする。

 だいたい、エロいことをするセフレだったしなぁ……。

 家に引きこもってセックスばかりしていたような気がする。

 やっぱり、映画を見るというのが定番だろうか?

 一本で二時間近く時間を潰せるし、話し上手じゃなかったら良さそうだよな。

 ……それに、あまり人気のない映画を見て周りがすいていたら、暗さを利用して霊子さんとイチャイチャできるかもしれないしな。

 うん、いいかもしれない。

 次のデートは、これでいこう。

 そんなことを考えながら歩いていると、アパートがもう随分と近くなっていた。

 シキも退屈して過ごしていたことだろうし、構ってあげなければならない。

 その構い方は、やはり大人でエロティックなものの方がいいだろう。

 あのロリな身体に、遠慮なく精液をかけまくってやる。

 ニヤニヤしながら歩いていると……。





「ちっ! どうなってやがる!? 何で鍵がかかってんだ!?」





 そんな男の怒声が聞こえてきた。

 ……面倒くさそう。

 どこか自分に関係のない場所で騒いでいるんだったら別にいいのだが、最悪なのは俺のアパートから聞こえてくるということである。

 いや、驚いた。俺のアパートは幽霊アパートとして有名で、ほとんど人は近寄らないからだ。

 新聞勧誘すら来ないし、来るとしたら家賃を取り立てにくる大家さんだけだ。

 50円だけど。

 その大家さんも、一度霊子さんにブッ飛ばされてから本当に家賃取り立て以外来ることがないので、いったい誰が騒いでいるのだろうか……?

 おそるおそるアパートを見れば……なんと、よりにもよって俺の住んでいる部屋の扉を激しく蹴りつけている男がいた。

 そこ以外誰も住んでいないんだから、そこを蹴っとけよ……。

 さて、あの男は何の理由で俺の部屋を乱打しているのだろうか?

 酔っているというわけでもなさそうだし、もちろん借金などもしていないため借金取りでもないはずだ。

 俺がああいう輩に絡まれる理由と言えば……女か?

 一応、こういうことにはならないように、手を出す女は選んでいたはずなのだが……。

 ……あんなチンピラみたいな男と関係があるような女がいただろうか?

 最近は霊子さんとシキとばかりヤっていたので、そんなに他の女には手を出していないのだが……。

 ……それにしても、男の風貌が妙だ。

 ヤのつく関係の男だったら、割とピシッとした格好をしている……らしい。

 しかし、扉を未だに蹴ったり殴ったりしている男は、どうにも薄汚れていて汚らしかった。

 ……まあ、ここでこそこそと隠れて様子を窺っていても、何も好転しないか。

 というか、あそこは俺の部屋なのだから、縮こまっていたらいつまでたっても外にいなければならない。

 俺は心に決めて、アパートの部屋に近づいて行った。





「えーと……何か用ですか?」

「あ?」





 声をかければ、ギロリと睨みつけられる。

 ひぇ……怖い……。

 本当にチンピラみたいである。

 こういう輩とはあまり接点を持ったことはなかったので、なかなか緊張してしまう。





「……なんだ、お前」





 いや、それこっちのセリフ。

 しかし、どうやらあちらは俺のことを分かっていない様子。

 ということは、俺に用があるということではないらしい。

 もしかして、俺の前にここに住んでいた人に用事でもあるのだろうか?

 俺が来る前は、霊子さんが殺したり行方不明にしたりしていたらしいし。

 これで、女遊びを自重する必要がなくなったのである。一安心だ。





「いや、今ここ俺が住ませてもらっているんですよ」

「は? お前が?」





 目を丸くするチンピラ。

 おお、話が通じそうだ。

 よかった……俺にとっては、猿と話しているのと同じ感覚だったから、意思疎通ができるだけでも驚きなのだ。

 ……それは流石に失礼か。





「はーん……そっか」





 俺をジロジロと見て何やら呟く男。

 そして、彼は口を開いた。





「あっそ。じゃ、これから俺がここに住むから、お前は出て行けや」

「えぇ……?」





 ちょっと何を言っているかわかりませんねぇ……。

 こいつ頭大丈夫かな?

 俺の契約している場所を、わけのわからない理由で追いだそうとするとか気狂いじゃん。





「ああ、家賃はお前が払っとけや。今は金がないからさ」

「えぇ……?」





 またまたわけのわからないことをのたまうチンピラ。

 マジで頭大丈夫か? こいつのいるべき場所って精神病院じゃないよね?





「いや、無理っすよ。何言ってんですか。てか、もういい加減部屋に入りたいんで、どいてもらっていいですか?」





 うーむ……しかし、こいつに俺の部屋を知られてしまったのは怖いなぁ。

 夜中とかも遠慮なく来そう。

 家賃の圧倒的な安さと大学までの利便性、それに霊子さんとシキがいることを考えると、ここを譲るわけにはいかないので、引っ越しもできないからなぁ。

 まったく、面倒なことになったものだ。





「は?」





 しかし、俺がやれやれと苦笑していると、チンピラはドスの効いた声を出す。

 ……逆切れ?





「何ふざけたこと言ってんの? 俺がそうしろって言ったんだから、お前は黙って従っとけや」





 お前何様だよ……。

 初対面の偉そうな汚いおっさんに命令されて、はい喜んでなんて言えるわけねえだろ。

 しかも、その命令内容がむちゃくちゃなんだぞ。





「いやー、無理ですね」





 当然のことながら拒否させてもらう。

 これでうんと頷く奴はいるだろうか?

 いや、脅迫とかされたら、頷いてしまうやつもいるだろうけど……これ警察に行ったら一発でアウトじゃん。

 そんなことを考えていると……。





「おい、いい加減にしろや。俺の言うこと聞けっつってんだよ」





 そう言って、男が懐から取り出したのは刃物であった。

 …………刃物?





「まだお前も若いだろ? 死にたくねえだろ? だったら、大人しく言うことに従えや」





 チラチラと刃物を揺らして威圧してくる男。

 その大きさは、もちろん刀のように大きいわけではないが、しかし人を傷つけるには十分すぎるもので、一撃とはいかないかもしれないが何度も刺していれば人を殺すことは容易だろう。

 うわー、マジか。こんなバカみたいな要求を刃物突き付けられて迫られるとは思わなかった……。

 そんなものを見せられて、俺は……。





「いや、だから何度も言ってますけど、無理ですってば。そういうの危ないですし、止めてもらっていいですか?」





 あくまでもひかない。

 こういう輩は、引いてしまってはダメである。

 一度弱いところを見せてしまうと、何度も何度も要求を重ねてくるからだ。

 まあ、だからといってこういう刃物を見せられてしまえば、一度は従った方がいいかもしれない。

 じゃないと、逆上して刺されるということもあるだろうし。

 うーむ、難しいところである。

 さて、この男はどちらのタイプだろうか?

 引かない強い姿勢を見せれば、引くタイプ?

 それとも……。





「…………あっそ」





 男はぼりぼりと汚らしい髪の毛をかくと……。





「じゃあ、死ねや」





 手に持つ刃物を俺に向かって突き出してきたのであった。

 それは、俺の胸のあたり……心臓を狙って来ていることから、この男の異常性がハッキリと分かるだろう。

 それに対して、俺は……。





「あ?」





 突き出された腕をはたいて。





「ぶぎっ!?」





 男の顔面に拳を叩き込んだのであった。





最終章 霊子さん2





『52』





「ぎゃぁっ!?」





 鼻血を噴き出しながら、背中から地面に倒れるチンピラ。

 あ、しまった。つい……。

 チラリと振り返れば、何故か手をこちらにかざしていた霊子さんが呆然とした様子で突っ立っている。

 もしかして、また助けてくれようとしたのだろうか?

 いやはや、本当に優しい幽霊である。悪霊として人を殺したり行方不明にしたりしていたとは思えない。

 いやー、しかし綺麗に拳が顔面に入ってしまった。

 何だか鼻が潰れるような感触もしたが……まあ、俺は格闘技選手でもないしそんな大きな怪我は負わないだろう。

 大丈夫……なはずだ。鼻血凄い出てるけど。





「お、おーい……大丈夫ですかー?」

「う……ぐ……」





 チンピラは鼻血を大量に流しながら、気絶してしまっていた。

 そんなに強く殴っていないんだけど……。

 このまま放置しているのもなんだけど、人を刺すことに一切躊躇しないようにヤバい奴だしなぁ……。

 うーむ……。





「――――――」

「……霊子さん?」





 俺が悩んでいると、霊子さんがふらりと俺の隣にやってきた。

 もちろん、言葉は発しないが、彼女の雰囲気で何かを伝えてくる。





「……こいつを中に入れたいの?」





 俺が問いかければ、コクリと頷いた。

 ……よくわからないが、霊子さんが望んでいるんだったら部屋に入れるか。

 俺も霊子さんには甘くなってしまっているなぁ……。

 やはり、何度も身体を重ねていれば、次第に情も移ってしまうものらしい。

 俺は、失神している男の首根っこを掴み、ズリズリと引きずりながら部屋に入るのであった。

 ……これ、他の人に見られていたらまずいな。

 まあ、ここは例外を除いてほとんど人が近寄らないからいいんだけどさ。





 ♡





「おーう、戻ったか。遅かったのう」

「お、おう」





 部屋に入れば、せんべいを齧りながらシキがゴロゴロとしていた。

 あ、お前、寝転がりながらせんべいなんて齧っていたら……。

 俺の危惧する通り、案の定ポロポロと地面に破片がこぼれていた。





「ぶぎゃっ!? な、何をするんじゃぁっ!?」





 それを見た霊子さんによって、壁に叩き付けられるシキ。

 いや、だって掃除しているの霊子さんじゃん。

 そりゃあ、お菓子ボロボロこぼしていたら怒るだろ。





「ふー……まあよいわ。さ、次は儂の番じゃな。精気寄越せ」





 ニコニコ笑いながらこちらににじり寄ってくるシキ。

 霊子さんとのデートのあと、こいつに付き合うということは約束していたし、彼女と盛るのは何の問題もない。

 ……のだが、今は少し事情が異なっているのだ。





「で、なんじゃこやつ? 小童の親父か?」

「いきなり人を刺し殺そうとするような親父は知らない」





 俺の親父はそんなクレイジーじゃないし、もしそうだったとしたら俺は大学生になるまで生きていられなかっただろう。





「はあ? じゃあ、なんじゃ……こやつは辻斬りか?」

「そんな大層なものじゃないけどな」





 俺程度のカウンター一発で気絶してしまったし、本当に弱いのだろう。

 昔の辻斬りする奴とか、めちゃくちゃ強そうだし。





「うわっ、鼻が曲がっておるぞ。血もドバドバ出とるのう。……なに、綺麗な一発じゃった? ほほう、小童もそこそこやるのか」





 シキと霊子さんが何やら会話をしている模様。

 さて、俺はとりあえずこのおっさんをどうにかしないとなぁ……。

 霊子さんは、どうしてこいつを部屋に入れようと勧めてきたのか。そのことも知りたい。





「まあ、儂にとっては知ったことではないの。ほれ、小童。さっさと逸物を出さんか」





 シキはそう言いながら、俺の元に這い寄ってきてごそごそとズボンを脱がそうと……って待て待て。





「おいおい。今はこのおっさんもいるんだし、流石にヤることはできないぞ」

「別に気にする必要なかろう。どうせ、地縛霊が金縛りしておるじゃろうし、動けはせん」

「そうは言ってもだなぁ……」





 いや、シキから誘われるのは嬉しいんだよ?

 ただ、状況が状況だしなぁ……。





「面倒な奴じゃのう。仕方ない、なら交わらずともよいわ。儂の口に出せ」

「あ、お前……おふっ」





 ズボンをずるりと引きずりおろしたシキは、早速口の中に男根を含むのであった。

 それと同時、ブワッと何とも言えない威圧感みたいなものが、霊子さんから発せられる。

 本当なら、今すぐシキを止めさせるべきなのだろう。

 しかし……。





「んっ、んぶっ、ちゅっ」





 生温かい口内には、唾液がたっぷりと溜められていた。

 そんな温かい唾液の中で、小さな舌がペロペロと絡みついてくる。

 霊子さんの口内は冷たいので、シキでしか味わうことのできない温かい奉仕。

 くっ……抗いがたい……!





「ん……ぐっ……?」





 じゅぷじゅぷと淫靡な水音を聞きつつ下半身の快楽に浸っていると、男が唸りだした。

 どうやら、目を覚ますようだ。

 俺はシキの髪を優しく撫でながら、のんきにそう考えていた。





「くっ、くそっ……いてぇっ……!……あ? な、何してんだ、テメエ!?」





 殴りつけられた顔を手で押さえようとしたのだろうが、霊子さんの金縛りによって動かすことができないようだ。

 しかし、それでも目を動かして俺を見て、ぎょっとした様子で声を張り上げる。

 なに……フェラ、かな?





最終章 霊子さん2





『53』





「テメエ……ロリコンだったのか……!?」

「いや、ロリコンというわけでは……。ただ、ストライクがシキだったわけで……」

「ロリコンじゃねえか」

「……そうですか」





 いや、俺はロリコンじゃない……はずだ。

 しかし、シキには興奮して色々とヤっているわけだし……くそっ! 胸を張って否定することができない!





「ぷはぁっ! 美味かったぞ、小童。相変わらずお主の精気は格別じゃ」





 満足気な様子で俺の股間から顔を起こすシキ。満面の笑顔である。

 あ、プルプルの唇に精液がついてる。

 それに気づいたのか、小さな赤い舌でペロリと舐め上げる。

 うーむ、ロリが発するとは思えないほどの色気がある。流石元禄生まれのロリ婆。





「で? 変態ロリコン野郎が、俺に何の用だよ」

「へ、変態ロリコン……」





 おのれ。変態であることは認めるが、ロリコンであることは認めんぞ!





「いや、別に俺は用があるってわけじゃないんですけど……」





 俺が部屋に引き込みたくて連れてきたわけでもないし。

 ……あ。でも、カウンターで顔面殴り飛ばしてしまったことについては、口止めしておきたいなぁ。

 学生の身だし、警察の厄介になることはできるだけ避けたい。

 退学とか嫌だし。

 口止めでも言うことを聞いてくれなかったら……記憶失うまで殴り続ければいいか。

 百発くらい殴っていたらいけるだろ。知らないけど。





「てか、おじさんは何の用で俺の部屋ガンガン蹴ってたんですか?」





 あんまり興味ないんだけどなー。

 どんな理由があるにしろ、部屋から出て行けとかそれを断ったら殺そうとしてくるとか、明らかに正常な人間がすることじゃないもん。

 絶対頭に何かヤバいもの抱えている人だ。怖い……。





「ああ!? だから、俺の部屋だからって言ってんだろうが!! 俺が一回でも住んだら、そこは俺の家だろ!?」

「えぇ……?」





 なにこの人、怖い……。





「俺が戻ってきたんだから、テメエはさっさと出て行けばいいんだよ!」

「いやいや、俺がここから出て行くことはできないですよ」





 大学に近いし、家賃50円だし……あと霊子さんとシキというエロエロ幽霊いるし。

 うん。マジで出て行く理由がないな。





「だったら、おじさんが違うところ行ったらいいじゃないですか。別に、ここじゃないといけない理由なんてないでしょ?」

「あるよ。ここは人が寄りつかねえしな。俺にとっては好都合だ」





 ……まるで、自分が危険な人間であるかのような言い方だ。

 まあ、刃物向けて躊躇なく刺そうとしてきたのだから、危険な人間であることは間違いないのだが。





「くくっ。俺のことを知らねえのか? ニュースにでもなっていると思っていたがな」





 えっ、そんな有名人なの?





「あー……そういえば、こやつの顔を見たことがあるのう。何やらてれびで殺人鬼で指名手配とか言うておったぞ」





 俺が大学に行ってしまった時、ひたすら暇なシキはそれを潰すためにテレビを見ている。

 まあ、ここにはあの某協会ですらも受信料を徴収に来ないため、別にいいのだが。

 そんなシキが言うということは、事実なのだろう。

 ……殺人鬼?





「おう、分かってるじゃねえかガキンチョ」

「誰がガキじゃ。たかだか数十年しか生きておらん人間ごときが、儂になんて口の利き方じゃ。ぶっ殺すぞ」





 くくくっと笑うおじさんに、シキが怒りを露わにする。

 自分のこととなると沸点低すぎぃっ!

 でも、長く生きて経験も豊富なはずのロリ婆も、毎晩みだらな姿で失神しているのだから、あまり格好つけることはできないのではないだろうか?





「そのガキの言う通り、俺は殺人鬼だ。気に入らない奴を殺し、金が必要になれば強盗殺人をし、寝床に困れば侵入して殺す」





 ……めっちゃ極悪人ですやん。

 よく俺こいつにカウンターで勝てたな。俺凄くない?

 しかし、そんな極悪人だと、罪悪感もクソもないな。

 いや、殺されかかったのだから、カウンターしたことに対して罪悪感を抱いているわけではない。

 そんな優しい性格をしているわけではない。





「ここも昔に俺が忍び込んで女を殺してやった場所なんだよ。そっから、俺はいつもここを使っててなぁ。くくっ、ズタズタにしてやった時の女の悲鳴は最高だぜ。なあ!」





 いや、俺はアヘアヘにしてやった時の女の嬌声が好きなので、悲鳴はちょっと……。

 しかし、やはりそうか。うん、つながった。

 やはり、罪悪感を抱いていたのは間違いではなかった。

 先ほども考えたが、俺がカウンターをしたことに対しての罪悪感ではない。

 俺が抱いた罪悪感の正体とは……。





「――――――」

「なっ、なんだよテメエ!?」





 男を霊子さんに引き合わせてしまったことである。

 いやー、ごめんちゃい。

 霊子さんがこの男を部屋に引きずり込みたいと考えていたのは、これが理由かぁ。

 ……しかし、こんな殺人鬼を捕まえられないなんて、こいつが凄いのか警察がダメなのか……。





「な、なんなんだよ、こいつはぁっ!? 答えろクソガキ!!」

「エロ用人型ムチムチ肉オナホ、霊子さんです」

「――――――!?」

「はああああっ!?」

「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ……ぐえっ!?」





 男の質問に答えれば、唖然とした様子の霊子さんと男。

 そして、大笑いしていたシキは霊子さんによってブッ飛ばされたのであった。

 懲りろよ……。俺が悪かったのかもしれないが……。





「えーと……つまるところ、幽霊です」

「ゆ、幽霊!? んなもんいるわけねえだろうが!!」





 俺もそう思っていました。

 しかし、こんなエロ幽霊も世の中にはいるという素晴らしいことを知ることができました。

 霊子さんやシキみたいな幽霊だったら、そこらじゅうにいてもいいのになぁ……。

 ……いや、ダメか。とくに、シキは初見殺しにかかってきたからな。

 あれ、霊子さんいなかったら本当に死んでいたし。





「まあ、目の前にあるんだから信じてもらわないと困るし……。おじさんは霊子さんに見覚えないの?」

「あぁ!? こんな陰気な奴、知らねえよ!」

「――――――」





 うーむ……男は何人も殺した殺人鬼って言っていたし、覚えがないのだろうか?

 じゃあ、霊子さんはどうかと思うが、彼女も話すことがしない? できない? ので、彼女からも聞くことはできないしなぁ。

 俺も霊子さんの意思は雰囲気で何となく察することしかできないし……。





「ふむふむ、なるほどのう……」





 霊子さんの近くに行ってコクコクと頷いているシキ。

 そうだ。シキは一切話をすることがない霊子さんと意思疎通ができるのだ。





「おい、人間。お主、ここを使うようになったのは、押し入って入居者を殺したからだと言っておったな?」

「ああ? それが何だよ、クソガキ」

「……やはり、こいつ殺したい」





 不遜な態度をとり続ける男に、シキが額に青筋を浮かべる。

 見た目可愛らしい幼女でしかないのだが、その力は常人の想像を超えているものだからなぁ……。

 おっさんが余裕の態度をとり続けるのも、仕方ないかもしれない。





「地縛霊は、お主が殺した女じゃ」

「…………はぁっ!?」





 ……いや、簡単に想像できただろ。





最終章 霊子さん2





『54』





 この男は、今まで多くの人を殺してきたと自慢げに語っていた。

 その中の一人が、霊子さんだったのだろう。

 彼女が霊子さんになる前の、人間であった時の彼女はいったいどんな姿で性格をしていたのだろうか?

 気になって仕方ないのだが、残念ながらその希望はこのおっさんに打ち砕かれているわけである。

 唖然として口を大きく開ける男と、それを見下ろす霊子さん。

 沈黙が流れて……。





「はっ、はははっ……まさか、幽霊が本当にいるとはな」





 その沈黙を破ったのは、ヘラヘラと笑い始めたおっさんであった。

 彼は脂汗を流しながらも、霊子さんを見上げた。





「こんなエロい身体の女を殺したことがあったっけな? まだ殺しに余裕がない時だったから、味わうこともできてなかったのかもな」





 殺しの余裕もクソもないだろ……。

 普通の人は人殺しなんてしないぞ。





「俺に殺されてから、今度は犯されにきてくれたのか? くくくっ、最高じゃねえか!」





 うーん、ポジティブ!

 ただ、残念ながら……。





「もう霊子さんの相手は俺がしてるから、おじさんが出てくる展開はないですよ。もうガッツリ開発しちゃってますし、おじさんが突っ込んでも意味ないんじゃないかな」

「――――――!?」





 霊子さんの側に行って、彼女の豊満な乳房を下から持ち上げるようにしてタプタプする。

 彼女の素晴らしい量感をアピールするには、これが最適である。

 霊子さんの雰囲気がぎょっとしているものになるが、気にしない気にしない。

 何だかちょっと嬉しそうな色も混じっているし……。





「あっそ。で? じゃあ、俺に何の用だよ」





 もともと、男も霊子さんをどうこうしようというつもりは微塵もなかったのだろう。

 俺の言葉にも大してダメージを受けた様子がなく、不遜な態度をとり続けている。

 勿体ないなぁ。幽霊もエロくて気持ちいいのに……。





「いやー。俺も霊子さんの言葉を直接聞くことができるわけではないから、断言することはできないけど……」





 犯人に部屋に押し入られて殺され、それが原因で何年も地縛霊としてこの世に存在し続け、そしてその犯人が戻ってきた。

 霊子さんの立場になって考えれば、それは……。





「復讐じゃね?」

「がっ!?」





 俺の言葉に応えるように、男が悲鳴を上げた。

 それもそうだろう。フワフワと宙に浮かび上がり始めたのだから、悲鳴を上げない方がおかしい。

 それも、楽しげな雰囲気で浮かんでいるのではなく、ギチギチと身体を拘束されながら空に浮き上がっているので、何とも苦しそうだ。

 男は会話どころか息をするのも苦しそうな様子で、必死の形相でなんとか逃れようとしている。

 しかし、それは無理だろう。

 シキの金縛りしか受けたことがないが、実際俺もピクリとも動くことはできなかったし、そんなシキをして強力だと言わしめたのが霊子さんだ。

 俺にカウンターくらって気絶してしまう程度の男が、どうこうできるはずもない。





「待っ……! が、ぎっ……! や、め……!」





 うーむ。本当に話すことすら難しそうだ。

 こんなガチに力を使われたことがないので、思わず見入ってしまう。

 シキも俺の隣で「ほえー」と見上げていた。

 霊子さんをチラリと見る。

 彼女からは、今まで感じたことがないほどの冷たく恐ろしい空気が流れていた。

 それは、俺が霊子さんと初めて会った時でさえ感じることのなかったもので、肉体関係を持った今では一度も味わうことのないものだった。

 俺に向けられているものではないと分かっていても、その敵意と殺意はゾッと背筋を凍らせるものだった。

 いやー……悪霊って、本当に怒らせるものじゃないんだなって。

 霊子さんが淫乱Mでよかったよ……。

 俺、会って数分でレイプじみたことしてしまっていたし……。





「ひっ、いっ、ひいいいいいいいいいいっ!! や、止めて、くれぇ……!!」





 あんなにふてぶてしく勇ましかったおっさんが、空中でみじめにも命乞いをしていた。

 まあ、幽霊に身体を持ち上げられて苦しめられていたら、そうなっても仕方ないかもしれないが。

 しかし、先ほどまで人を殺したことを散々自慢げに話し、俺のこともあっさりと殺そうとしてきた男なのだから、より情けなく見えてしまう。

 汗はびっしりと浮かんでいるし、涙や鼻水をダラダラとこぼしている。

 嫌なにおいがしたと思えば……おっさんの下半身が濡れていた。

 うわぁ……匂いついたらどうするんだよ……。





「まあ、それは地縛霊が綺麗にするじゃろ。なんじゃったら、儂でもできるし」

「マジ? じゃあ、頼むわ」

「うむ」

「お、お前らぁぁ……! そんな会話してねえで、俺を助けろぉぉ……!!」





 俺とシキがのんきに会話をしていると、男が血走った目で睨みつけてくる。

 いやー、そうは言われましても……。





「霊子さんの復讐とおじさんの命を天秤にかけたら、そりゃあ霊子さんを応援するに決まってるじゃん」





 しかも、これが的外れな復讐だったならばまだしも、何の悪いこともしていないのに殺してきた犯人を自分の手で殺そうとしているんだろ?

 もう俺が止めるべき理由なんてないよね。

 まあ、俺にも警察の手が届くかもしれないという危惧はあるが……そのリスクを負ってでも、霊子さんの好きなようにしてほしいと考えていた。

 ……俺も随分と彼女にほだされたなぁ……。





「ひっ、ぎっ、ひいいいいいいい……!!」





 誰も助けてくれないことを悟り、絶望の悲鳴を上げる男。

 徐々に彼の身体もねじ曲がって行く。

 そう、ねじ曲がり……。なんというか、空間そのものがねじ切れそうになっている。

 こんな不思議な光景は、やはり幽霊しか作りだすことはできないだろう。

 男は今、どれほどの恐怖と苦痛を味わっているのだろうか?

 今にも殺されそうになり、その状況をどうしても好転させることができない。

 しかし、それは今まで彼に殺されてきた被害者たちも、同じような苦痛と恐怖を味わってきたはずだ。

 であるならば、これは因果応報と言えるかもしれない。





「い、嫌だ! 死にたくない! 助け――――――」





 それ以上、おっさんが言葉を発することはなかった。

 霊子さんの力によって、空間ごとねじ切られた彼は、その命を落としたのである。

 ねじ切られたというか、吸収されたというか……そのおかげで、血や体液がこの部屋に零れ落ちることはなかった。

 死体の処理もする必要はないらしい。ラッキー。

 これは、完全な神隠しではないだろうか?

 証拠も何も、一切残らないのだから。

 ……もしかしたら、行方不明になったり神隠しにあったりした人のうち何人かは、霊子さんのような幽霊と遭遇して空間ごとどこかに放逐されたのではないだろうか?

 おっさんの命がなくなったという表現をしたが、実際に彼が死んだのかどうかは分からない。

 もしかしたら、こことは次元が違う場所で生きながらえているかもしれない。

 だが、もう二度と俺たちの前に姿を現すことはないだろう。

 そんな直感があるのであった。





最終章 霊子さん2





『55』





 ……さて、この何とも言えない空気はどうしようか?





「お主が何とかせい」

「無茶言うな」





 シキと俺がこそこそと言いあう。

 復讐を果たした霊子さん……どんな言葉をかけるのが正解なのだろうか?

 良かったね? お疲れ様? うーむ……どれも違う気がするぞ。

 うんうんと悩んでいると……。





「――――……」

「うん?」





 ぼそぼそとした声が聞こえた。

 シキか? いや、こいつはもっとハキハキと……悪く言えば無神経に話すので、こんな小さな声ではない。

 実際、彼女を見てもキョロキョロと不思議そうに周りを見渡しているし。

 じゃあ……。

 俺がそちらを向けば、彼女もこちらを見ていた。

 いつも通り、認識できない顔が……って、あれ?





「地縛霊、お主……」





 シキも驚いたように声を出していた。

 俺だって、声こそ出していないものの心臓が飛び出るくらい驚いていた。

 驚いていたからこそ、声が出なかったのかもしれない。

 なぜなら、霊子さんの普段は決して見ることのできない顔が、認識できるようになっていたのだから。

 目元は長いボサボサの髪で隠れてしまっているのだが、鼻と口はしっかりと見えていた。

 俺が危惧していたような異形のものではなく、普通の人間と変わりない部位だった。

 えぇ……どういうこと……?





「ありが、とう……」

「えっ……」





 さらに俺を驚かせたのは、霊子さんの口が動いて言葉を発したことである。

 ……言葉を発した?





「え、と……霊子さん、話せるの?」





 俺が尋ねれば、綺麗な口元は弧を描いてコクリと頷かれた。

 えぇ……どうして急にまた……。

 ていうか、霊子さんの唇プルプルしてそうでめっちゃいいじゃん。吸い付いたらダメかな? 空気的に……。





「私がここに留まっていた目的……果たせましたから……」

「目的……」





 そうオウム返ししつつ、その目的を理解する。

 おそらく……というか、絶対あのおっさんのことだよな?

 あのおっさんに殺されたことで、恨みやらなんやらでこの世界に……この部屋に縛り付けられていたのだろう。

 そして、今その復讐という目的を果たすことができた。

 だから、こんな急展開になったのだろう。





「……あれ? 目的を果たしたら、霊子さんは……」





 俺がふとある考えにいきついて、彼女を凝視しながら言葉を発すると、彼女は申し訳なさそうな雰囲気を醸し出しつつ頷いた。





「これで、成仏できます」





 なん、だと……。

 俺は愕然としてしまう。





「あなたと出会えてよかったです。最初は、何だこいつって思っていましたけど……」





 あ、やっぱり思っていたんですね。

 まあ、俺もいきなり幽霊出てきてなんだこいつって感じだったので、お揃いということで……。





「私は幽霊なのに、性的な視線を向けてきて……実際に犯してきて……。本当に混乱しました。私を見てそんなエッチなことをしてきたのは、あなた以外いませんでしたから」





 驚いて硬直してしまいました、と霊子さん。

 うーむ……もし、俺が性的欲望を爆発させておらず逃げ出したりしていたら、殺されていたりしていたのだろうか?

 世の中、わからないものだなぁ……。





「地縛霊になってから、私はたくさんの人を殺してしまいました。私の意思もボーっとしていて、勝手に身体が動いてしまうような形で……でも、あなたに襲われて、精気をたくさんもらって……自分の意思をしっかりと持つことができるようになりました」

「こやつが儂より強かったの、やっぱり小童に犯されて力を得ていたからか」





 霊子さんの言葉に、シキが納得する。

 セックスをして強くなる? エロゲかな?

 洗脳状態からセックスで正気を取り戻したというのもエロゲっぽい。嫌いじゃないぜ。





「エッチなことばかりする人でしたけど、私は……す、好きになりました、よ……」

「マジっすか」





 頬をうっすらと赤く染めながらもじもじする霊子さんに、俺は驚きと共に興奮する。

 なに? めっちゃ可愛くない?

 霊子さん、普段一切話さないくせに、こんなに可愛かったの? 損した気分。





「私はもう逝きますけど、あまりエッチなことばかりしたらダメですよ? いいですね?」

「霊子さん……」

「おぉ……何かキラキラしておるの」





 霊子さんの足先から光があふれ出る。

 それは、キラキラと輝いて天に昇って行く。

 ……やっぱり、成仏するのか。まあ、目的を果たしたのだから、この場から解放された地縛霊は自由になって当然だろう。

 地縛霊的にも、成仏した方がいいに決まっている。

 霊子さんは、生まれ変わるのかそれとも天国に行くのかわからないが、次の人生を歩み始めるのだ。





「あと、ちゃんと手料理も食べること。即席めんや惣菜ばかりじゃダメです。エッチなことをする友達がいてもいいですけど、節度は弁えること。ヤりすぎはダメです」

「うん……」





 飯、作れねえんだけど。チャーハンばかりになってしまう……。





「お前も嫌だけど任せます。この人を立派な男にしてください」

「お主、喋れるようになっても儂に辛辣じゃな」





 露骨に嫌そうな雰囲気を醸し出す霊子さんに、シキはジト目を向ける。

 二人はいつも通り険悪なようだ。

 しかし、もう霊子さんの下半身がキラキラとした光に包まれてしまうほど進んでいた。

 彼女もそれが分かっているのだろう。シキから目を離し、俺に向き直って美しい笑顔を浮かべる。

 より美しく感じたのは、霊子さんの長い髪がふわりと浮きあがってその目を見ることができたからだろう。

 今まで決して見ることのできなかった彼女の顔が、全て俺の前にさらけ出されていた。

 うっすらと涙を浮かべた美しい目、整った鼻と口……今まで俺が接してきた女の中でも、最も美しいのではないかと思えるものだった。

 芸能人のように万人受けするかどうかは分からない。だが、俺にはドストライクだった。

 綺麗な笑顔を浮かべているというのも良い。儚い笑顔……霊子さんには、失礼かもしれないがよく似合っていた。





「それじゃあ、私は逝きますね。今まで、本当にありがとうございました。あなたのことは、生まれ変わっても忘れません。大好きでした」

「霊子さん……」





 涙をぽろぽろと流しながら、綺麗に微笑む霊子さん。

 今まで認識できなかった顔も全てハッキリと見ることができ、彼女の美しさが際立っているようだった。

 キラキラとした光が霊子さんの身体を包んでいき、徐々に姿を消していく。

 俺は彼女にフラフラと近づくことしかできなかった。

 霊子さんも俺を迎え入れるように微笑んで、腕を開けた。

 最期になる。だから、ギュッと抱きしめて、キスくらいしたいのだろう。

 俺としても、断る理由なんて微塵もない。

 ゆっくりと近づいて行き、そして霊子さんに手が届く距離まで来ると……。

 彼女は涙を溜めた目を閉じて、俺を迎え入れ……。





「んひぃっ!?」





 カッと目を見開いて何とも情けない声を発した。

 ぎょっとして彼女が見下ろすと、大きく実った乳房の先端に俺の指が摘ままれていた。

 そう、乳首をギュッと押しつぶしてやったのである。





「な、何で……?」





 困惑した様子で俺に尋ねてくる霊子さん。

 どう見ても感動的な別れのシーンだったので、不思議に思っても仕方ないだろう。

 しかし、俺からすれば何でと言いたいのはこっちである。





「いや、何で勝手に成仏しようとしてんの?」

「え? いや、だって……もう地縛霊である必要なくなったし、目的果たせたし……」





 はぁ……。俺は大きくため息をついてしまう。

 やれやれ、何も分かっていない。





「じゃあさ、俺と一緒にエロいことすることを目的にして地縛霊継続すればいいじゃん」

「えぇ……?」





 明らかに困惑した様子の霊子さん。

 今はあのキラキラも止まって髪がなびいていないため、長い黒髪に目や顔の大半が隠されているのだが、困っていることだけははっきりと伝わってきた。





「絶対に成仏しないといけないわけじゃないでしょ? じゃあ、ここにいてよ」

「で、でも……あんなこと言っていたのに、ここに残るのは恥ずかしいですし……」





 ……うん、まあ確かに割と恥ずかしいかもしれないけど。

 しかし、俺としても霊子さんにおいそれと消えてもらっては困るのだ。

 俺の下半身は誰が面倒を見るのか。

 シキはもちろん見てくれるだろうが、彼女一人だと流石に荷が重いだろう。

 相性も抜群で、身体もエロい霊子さんがいてくれなければ困るのである。

 しかも、今の彼女は話すこともできるし顔も認識することができる。

 手放すわけがなかった。





「大丈夫大丈夫。いけるいける」

「気のない励まし止めてくれます?」





 ブツブツと言う霊子さんを引っ張って布団の上に誘導する。

 もう彼女の身体を包み込むキラキラもないため、今すぐ成仏をするということはないだろう。

 しかし、いずれまた勝手に成仏をしないとも限らない。

 ここで、霊子さんが勝手なことをしないようにしつけをしておく必要があるのだ。

 というわけで……。





「霊子さん、ケツ出して」

「…………え?」





 唖然とする霊子さんに、俺はニッコリと笑顔を向けるのであった。





最終章 霊子さん2





『56』





 バチン! バチン! バチン! バチン!





 俺の部屋で高い肉音が響き渡る。

 普段霊子さんやシキを後ろから犯している時よりも、はるかに甲高い肉音だ。

 それもそうだろう。今、俺は彼女たちをバックで犯しているわけではない。お仕置きをしているのだ。





「ひぎっ! ぐっ! いぎっ!?」





 悲鳴を上げ続けるのは、ようやく話せるようになった霊子さんである。

 やっと話せるようになったのに、今発している言葉が悲鳴である。感動的だ。

 今、霊子さんは布団の上に四つん這いになり、俺の前に肉厚のお尻をさらしている。

 薄汚れたワンピースもめくりあげられ、下着を身に着けていない彼女は淫靡な姿である。

 そんな彼女は、今俺に子供のようにお尻を叩かれていた。

 身体は成熟しきった大人で、それこそ大人の中でも大人らしい豊満な肢体なのだが、花序が今されていることは本当に子どものようであった。

 青白く肉厚の臀部は赤くはれ上がり、風がそよぐだけでも痛そうだ。

 ……それを為した俺が言うのもなんだけどな。





「も、もう許し……いぎゃっ!?」

「反省したか?」

「し、した! しました! だから、止めて……ふぎゅぅっ!?」





 ベチン! ベチン! とケツを叩き続ければ、霊子さんから泣きそうな声が届いてくる。

 自分よりもはるかに強く、超常の力を操ることのできる彼女を屈服させている。

 男としての支配欲というのだろうか、そういうものが満たされて、背筋がゾクゾクとしてしまう。





「ふー……」

「はぁ、はぁ……。うぅ……痛いです……」





 俺は汗をぬぐい、ケツを叩くことを止めた。

 正直、俺の手も限界だったんだよな。いくら張りがあって柔らかいとはいえ、叩き続ければ手のひらも痛める。





「よしよし。分かればいいんだ」

「ひぃっ!? び、敏感だから撫でるの止めてください!」





 本来は氷のように冷たい霊子さんの身体だが、叩かれまくったケツは熱を帯びて熱くなっていた。

 そこを労わるようにして、優しく撫でてやる。

 以前も霊子さんをスパンキングした際、こうして後から優しく撫でた。

 その時、急激に敏感になった臀部を刺激されたことによって、彼女はその後おもらしをしてしまうという痛恨のミスを犯している。

 また、情けない大人のおもらしを見せてもらえるのかと思っていたのだが……。





「ふっ、くっ……!!」

「おぉ……凄い顔になっておるのう」





 霊子さんは尿道に凄まじい力をかけているのか、ピクピクと身体を震わせながらも尿を漏らすことはなかった。

 シキは彼女の長い髪を持ち上げ顔を覗き込み、ケラケラと楽しそうに笑っていた。

 ……あ、ブッ飛ばされた。

 しかし、霊子さんの儚い抵抗は可愛らしい。感動的ですらある。





「我慢しないで漏らしていいよ。片付けるのは霊子さんだし……」

「い、嫌ですっ。掃除している時、凄くみじめになるんですから……!」





 真っ赤なケツを突き出しプルプルと震えながら言う霊子さん。

 うーむ……おもらしさせて心を折ってやろうと思っていたのだが、なかなかやりますねぇ。

 仕方ない。では、別の方法でアプローチしてみようか。

 俺は熱を帯びた尻肉を撫でまわしていた手を動かし、今度は秘部のあたりを撫で始めた。





「ひっ、あっ、あっ……」





 指でなぞると、べっとりと粘性の高い液体が付着する。

 霊子さん、やっぱり……。





「霊子さんって、やっぱりドMだよな」

「ち、違います……!」

「いやいや。これだけ濡らしていたら、誤魔化すのも難しいよ」





 まあ、痛めつけられたら防衛本能で濡れるとも聞いたことがあるし、これもそれによることが大きいと思う。

 ただ、その真実を霊子さんに伝えるよりも、彼女がMだと告げることの方がいいだろう。





「わ、私はMじゃ……」





 霊子さんは勝手に興奮してくれる。

 じんわりと青白い肌に汗を浮かび上がらせ、ゾクゾクと身体を震わせる。

 もちろん、俺が愛撫して興奮してくれるのであればそれでいいのだが、勝手に盛り上がって興奮してくれる方が楽でいい。





「そっかー。霊子さんは認めないのか。じゃあ……」





 俺はむっちりとした尻タブを開いて、彼女のあられもない姿を見る。

 何度犯してもビラビラと下品な形にならない綺麗な秘裂と、小さくすぼんでいる尻穴。

 普段であれば、愛液に濡れた陰部を責めるのだが……。

 霊子さんも期待しているように振り返っているが、俺はニヤリと嗜虐的に微笑んで……。





「お仕置きを続けないとなぁ」





 顔を凍りつかせる霊子さんをよそ目に、手を動かす。

 その手が向かうのは、濡れそぼった美味しそうな秘裂……ではなく、小さくすぼんだ尻穴であった。





「んぎぃっ!?」





 指をズボッと一気に突っ込む。

 おぉ……本来は出ることしか許さない器官だが、これまたあっさりと受け入れてくれた。

 というのも、霊子さんは俺とのアナルセックスを何度か経験している。

 それまでの間にも時間をかけて開発していたし、ちんぽを突っ込むことができるようになったことから、指くらいならあっさりと受け入れることができるようになっているのだ。

 そして……。





「おっ、おっ、や、めて……おっ!」

「顔が分かるようになっても、喘ぎ声はエロいままだなぁ」





 霊子さんの呼びかけを一切無視しながら、俺はズボズボと激しく指で尻穴を穿り回す。

 彼女は排便をすることがないようなので、別に気にする必要はないと思うが……。

 大便が手に付着する、なんてこともないだろうし。

 しかし、やはり元は普通の人間。恥ずかしさはあるだろう。

 その羞恥心がいいんだけどね。俺をエスカレートさせていることに気づいているだろうか?

 人差し指の根元まで突っ込んで、ぐねぐねと腸内をかき回す。

 ここも冷たいままなんだよなぁ。普通の人間は火傷するくらい熱いんだけど。





「おぉう!? ぐっ、ふぅぅぅぅぅ……っ!」





 中指も合わせて、尻穴に指を二本入れることにした。

 激しく出し入れをするというより、グニグニとほぐすようにかき回す。

 上の壁を押し上げ、横の壁を押し広げる。

 冷たい腸内が俺の思うがままに開発され、腸液がべっとりと付着する。

 十分に快楽を得ているのだろう、豊満な肢体をブルブルと震わせて厭らしい匂いをあふれさせる。

 汗の匂いも興奮するのだが、雌の匂いというのだろうか、霊子さんそのものの匂いも男を刺激してくる。





「……もういいかな?」

「うっ……」





 尻穴から二本の指を抜き取る。

 腸液がべっとりと付着しており、何とも言えない匂いだ。

 ムチムチの尻タブを開けば、ぽっかりと尻穴が開いていた。

 それと同じく、秘裂も男根が欲しそうにパクパクと蠢いていた。

 ズボンをズリおろし、男根を露わにする。





「おぉ……」





 シキが近づいてきて、キラキラとした目を向けてくる。

 完全にいきり立った逸物……散々霊子さんやシキを泣かせてきたものだ。

 彼女たちは俺の男根を見るだけで興奮するくらいに開発されている。

 シキがもじもじと下半身を動かしているのも、秘部が愛液で濡れているに違いない。

 ……ちょうどいいや。霊子さんはケツほじられた快感と衝撃で動けないみたいだし。





「な、なんじゃ?」





 俺はシキの眼前に立つ。

 彼女は膝を折ってしゃがんでいたため、小さな顔の前に男根が突き出される形になる。

 困惑しているような声を発するが、目はじっと逸物を捉えて離さず、ふーふーと荒くなった鼻息がかかっていた。こそばゆい。





「シキ、あーん」

「む? あーん……」





 いきなりの言葉に不思議そうに首を傾げるシキであったが、あっさりと俺の言うことに従って小さな口を開けた。

 俺は彼女の頭をがっしりと抑え、サラサラの髪の感触を楽しみながら……。





「んごぉっ!?」





 その小さな口の中に男根を突っ込んだのであった。

 霊子さんやシキに奉仕をされていなかったが、尻穴をほじられて快楽を得ている彼女の姿にそこそこ硬度を増していた逸物。

 それをいきなり突っ込まれ、シキは目を白黒とさせる。





「んぶっ!? んっ、うぇっ、ごっ!?」





 シキの身体のことを考えない、危険なイラマチオ。

 いや、流石に危険な状態にするわけにもいかないので、ちゃんと手加減はしているよ?

 しかし、それでも苦しいのは確実だ。俺なら絶対に耐えられない。

 実際、いつも気が強いシキも目じりに涙を溜めてくぐもった悲鳴を上げている。

 それでも俺は容赦せずに腰を振り続け、まるで彼女のことを物のように扱った。





「…………」





 いつしか、尻穴の快楽から復活した霊子さんも、じっとこちらを見ていた。

 霊子さんもドMだからなぁ……。お仕置きが終わったら、またしてあげよう。

 そんなことを考えながらしばらく腰を振り続け……射精感が込み上げてきたので、振ることを止める。





「うっ、げっ……!」





 小さな口から男根を引き抜けば、べっとりと粘性の高い唾液が付着していた。

 ただの唾液ではなく、喉奥を苦しくなりながら突かれ続けて分泌されたものなので、そのねばねば感は普通のそれとは比べものにならない。





「うん、これくらい濡れたらいいや。ありがとう、シキ」





 俺がシキを使ったのは、これから霊子さんを犯すために必要な粘性の高い液体で男根をコーティングするためである。

 すなわち、シキのことを本当に踏み台として物のように扱ったのだ。





「こ、小童……お主でなければ、本気で殺していたからの」





 げほげほと軽くせき込みながら、潤んだ目で睨みあげてくるシキ。

 怖い。彼女も可愛らしい子供の見た目とは裏腹に、俺では到底及ばない力を持っているわけだし。

 しかし、だ。その目の潤みは、苦しかったという理由だけか?

 真っ赤になった顔は、息がしづらかったという理由だけか?

 簡素な着物で隠されている中では、小さな乳房の上に乗った乳首は固く勃起し、陰部からはとめどなく愛液を溢れさせているのではないだろうか?

 そんな邪推をしてしまう。

 今は、霊子さんのお仕置きが優先されるので、相手をすることはできないが……。





「あとで、ちゃんと犯してやるから。大人しく待っとけ」

「…………ッ」





 俺を睨みあげてくるシキ。

 しかし、その顔に迫力は微塵もなかった。

 俺は余裕の笑みを浮かべて、彼女から目を離して霊子さんの元に近づく。

 さて、準備は整った。指でほぐし、男根もスムーズに挿入できるようシキの唾液でコーティングした。

 さあ、俺が次にどうするかは、簡単に予想ができるだろう?





「…………」





 俺が笑みを浮かべれば、霊子さんは無言で見返してくる。

 しかし、その表情には屈服させてほしいという雌の強い願望が浮かび上がっており……。

 俺はそれに応えるために、彼女の豊満な肢体を犯すのであった。





最終章 霊子さん2





『57』





「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……♡」





 霊子さんの野太い嬌声が絞り出される。

 今までは彼女の顔も見ることができなかったし話すこともできなかったので、その嬌声もそんなものなのかと考えていたが……。

 俺は彼女の儚くも美しい容姿を見ている。

 貞淑そうな雰囲気だった霊子さんが、このような獣のような喘ぎ声を出していることを認識すれば……。





「めっちゃ興奮する」





 男根もビンビンだ。

 そして、そのビンビンに勃起した逸物は、霊子さんの……尻穴に埋められていた。

 くぉぉ……やっぱり、締め付けはケツの方が強いなぁ。

 膣だと射精を促し精液を搾り取るように厭らしく蠢くのだが、まだここは強くキュウキュウと締め付けることしかできない。

 シキの膣と同じ感じだ。

 快楽を得ることは十分にできるほど開発をしているので、今度はケツを膣内と同じような造りに開発しよう。

 うん。やっぱり、やることがあるから霊子さんを成仏させるわけにはいかない。





「ど、どうして……?」





 フルフルと身体を震わせながら、儚い声で尋ねてくる霊子さん。

 ダメだぞ、霊子さん。今の俺にそんな声を出してしまうと、興奮するしかないからな。

 それをわからせるために、腸内に収めた逸物をビクビクと動かしてみる。

 すると、彼女の豊満な肢体もビクビクと連動して反応するのが面白い。





「どうしてって……お仕置きだって言っただろ?」

「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ゆっくりと腰を前後に振り始める。

 激しく貪るように犯すのではなく、まずは腸内をならすかのようにほぐしていく。

 それでも、霊子さんはしっかりと快楽を得て下品な喘ぎ声を発する。

 むっちりとした尻肉に身体が当たるのが気持ちいい。





「霊子さんがもう成仏しないって約束してくれるんだったら、ちゃんと犯してあげるよ」

「し、しません! しませんからぁっ!!」

「その言葉が聞きたかった!」





 俺はケツを突き出しながら泣くようにして言う霊子さんを安心させるように、ニッコリと笑って……。





「よいしょ」

「んおぅっ!?」





 パン! と強く尻穴に男根を打ち込んだのであった。

 霊子さん、学習しようよ。

 俺が○○したら○○してあげる、と言ってその通りにしたことがあったか?

 まったく……詐欺師に騙されそうで心配だ。





「腰っ! 腰振るの止めてぇっ! おぅっ♡」





 パン! パン! パン! パン!





 俺は憂慮しながらも腰を振り続けた。

 尻穴を犯される豊満な肢体の美女……いやー、犯している張本人である身としては、これほど興奮することはない。

 むっちりとした尻肉をがっしりと手で鷲掴み、ぐにぐにと揉みながら考える。

 そもそも、尻穴というものは何かを入れるような場所ではないのである。

 そこに男根を突っ込まれて、あまつさえ快感すら得てしまうみだらなムチムチ豊満幽霊。

 ……それを屈服させていると、凄まじい征服感が呼び起される。





「おおおぐぅぅぅぅぅぅ……♡ グリグリするのはダメですぅ……♡」





 ぴったりと下腹部と臀部が密着するくらい、男根を奥まで押し込んだ。

 腸内は膣内と違って子宮という到達点がないから、奥まで入って行く感覚が強い。

 ひんやりとしつつギチギチと締め付けてくる尻穴に、俺もまたはまっていたのかもしれない。

 尻穴をほじくられて感じたせいで、陰部からは大量の愛液が零れ落ちていた。

 密着することによって、そのねばねばした体液が俺に付着する。





「ふー……」

「あぁぁぁぁぁぁ……♡」





 グッと背中に圧し掛かるように、俺も体重をかけて前に倒れる。

 霊子さんはガクガクと四肢を震わせながらも、何とか四つん這いの姿勢を維持する。

 密着すれば、彼女の雌と汗の匂いがムワッと鼻につく。

 もともと、ひんやりとしている身体は汗でさらに冷たくなっており、暑い日には最適である。

 やはり、肉布団に最適な身体をしているなぁ……。

 そんなことを考えながら、両手を前の方に回して……それが向かう先には、四つん這いになったせいで非常に重たげにたぷたぷと垂れているGカップ近い胸があった。





「んんっ、あっ、あっ♡」





 ガシッと強く鷲掴みにすれば、可愛らしい嬌声が聞こえてくる。

 汗でしっとりとした乳房を撫でまわすようにして優しく愛撫する。

 時折強く握ってやれば、甲高い声が上がる。

 しかし、基本的には撫でるような優しい愛撫。霊子さんも快感というより心地よさを感じているのだろう、随分と穏やかで落ち着いた息をする。

 さらに、もどかしそうにグネグネと俺の下で身体をうねらせている。

 まあ、俺が体重をかけて圧し掛かっているため、うまく動くことができていないが。

 だが、期待されていることは伝わってくるため、やはり応えてやらねばいけないだろう。

 俺はビンビンに勃起していた乳首を……。





「んぎいいいいいいいいいいいいいっ♡」





 押しつぶすように親指と人差し指で、強く圧迫するのであった。

 さらに、下の方に強く引っ張ってひねる。

 非常に乱暴に乳首を扱われて、悲鳴のような嬌声を上げる霊子さん。

 だが、これも痛みだけでなく快楽を得ていることは分かりきっていることだ。

 ビクンと背を反らすようにして跳ねあがると同時、桜色の綺麗な乳首から白い液体が噴き出す。

 これこそが、霊子さんの母乳である!

 一日一回は飲んでいる気がする。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン! パン! パン! パン!





 上半身を密着させながら、腰を振り始める。

 なかなか動きづらいのだが、経験だけはある俺にとってこれくらいならなんとかなる。

 激しく腰を打ち付けられて量感のある尻肉が波打ち、軽快な肉音を立てる。

 霊子さんは尻穴を犯され、乳房を母乳を搾るように伸ばされ、それでも快楽を得て嬌声を上げ続けた。

 じんわりと浮かび上がった汗が密着することによってベタベタと感じるし、その匂いもまた男の本能に直接くすぐってくるような甘酸っぱい匂いだ。





「おっおっおっおっ♡」





 パンパンパンパンパンパンパンパン!!





 俺も歯を食いしばり、これまで以上に速く力強く腰を振り続けた。

 肛門がめくりあがってしまいそうなほど激しく男根を出し入れする。

 後遺症というか、これから先尻穴が凄いことになってしまいそうだが……霊子さんは幽霊だし考慮しなくていいだろう。

 汗や愛液がまるで雨のように布団のシーツに降り注ぐ。

 むわっとした熱気と淫靡な匂いが部屋中に充満して、むせ返ってしまいそうだ。

 ダプダプと重たげに揺れている乳房を鷲掴みにして乳首を押しつぶせば、とめどなく母乳を噴き出させる。

 いやはや、凄い光景だ。

 チラリと横を見れば、シキも着物の裾に手を伸ばしてクチュクチュと無毛の秘部を弄っている。

 ……つい先ほど、ここにいた一人の男が存在を消されているのだが、そんな場所でこんなエロいことができるんだな。

 そんなことを考えながら、俺は霊子さんの冷たい身体に密着させていた上半身を起こす。

 こうすると高みから彼女を見下ろすような形になり、尻穴に太い男根を咥えこんでガクガクと四肢を震わせて大量の汗を浮かび上がらせている霊子さんを屈服させている感じが視覚的に味わうことができる。

 ……よし、もう出すか。

 俺はがっしりと括れた腰を掴んで男根をギリギリまで引き抜く。

 亀頭も半分以上が出かかり、肛門がめくりあがって引っ付いてくるのを見て……。





 ズパン!!!!





 そんな凄まじい肉音が聞こえるほど、強く男根を腸内に突っ込んだのであった。





「おっっっっ♡」





 霊子さんがビクン! と身体を跳ねさせた。

 それに伴い、彼女が全身に浮かび上がらせていた汗が、バッと飛び散る。

 そんな彼女の腸内に、俺はたっぷりと精液を注ぎ込んだのであった。

 ビュルルルルルル! と爆発するかのように勢いよく射精した。

 あぁ……気持ちいい……。

 霊子さんの腸内の具合が良いということももちろんあるが、彼女のケツを犯して屈服させているという快感が大きかった。

 男根を引き抜けば、尻穴は大きく広がったままだった。

 そこから、精液がコポコポと溢れ出してくる。

 霊子さんは身体を支えていた肘を折り、ぐったりと上半身を布団に突っ伏させた。

 豊満な乳房が潰れ、母乳もしみてしまっていた。

 尻だけは掲げており、まるで潰れてしまった蛙のようである。エロい。

 さて、本来であれば、ここで終了だ。

 これ以上責めてしまうと、彼女はおもらしをしてしまい、その処理が面倒だからである。

 だがしかし、今回はただ気持ち良くなるためのセックスではない。

 勝手に成仏をさせないための、お仕置きセックスなのである。





「というわけで、はい」

「え……」





 うつぶせで突っ伏していた霊子さんの身体を、くるりと回転させる。

 やっぱり、軽いよなぁ。絶対彼女の豊満な肢体だと、それなりの体重になるはずなのに。流石幽霊。

 まあ、そんなことはどうでもいいや。

 仰向けになり、まさかこれ以上犯されないと思っていてキョトンとしている霊子さんに覆いかぶさる。

 長いボサボサの髪を手でかきあげると、やはり認識できるようになっていた。

 彼女の幸薄そうな整った顔は、とても可愛らしい。

 目が蕩けて頬を赤らめ息を荒くしているのは、非常に艶めかしさがあった。

 こんな美女が尻穴をほじられて獣のような嬌声を上げ絶頂を迎えていたということは、再び男根に力が入っても仕方のない事実であった。

 そんな彼女に、俺は優しく微笑みかける。





「じゃあ、もう勝手なことができないように、徹底的に俺をその身体に叩き込むからね?」

「ひっ……」





 小さく悲鳴を上げる霊子さん。

 しかし、その表情に期待の色を隠しきれていないのを見て、やっぱりドMなんだなぁと思うのであった。





最終章 霊子さん2





『58』





 霊子さんの細い両腕を上の方に持ち上げ、彼女の頭の上でがっしりと固定する。

 うーむ、人知を超えた力を持っているはずなのだが、俺の片手で抑え込まれている……。

 上から見下ろせば、霊子さんが何とも言えない表情で見上げてくる。

 期待、恐怖、焦燥? 色濃く出ているのが期待という時点で、彼女のエロさが伝わるだろう。

 さて、と肉付きの良い太ももを掴んで大きく脚を開けさせる。

 あられもない姿をさらすことに、霊子さんの青白い頬が赤く染まる。

 先ほどまで犯されて精液を注ぎ込まれていた尻穴からは、まだ白濁液が垂れてきていた。

 そして、これから犯す陰部は愛液で濡れそぼっており、うっすらと茂っていた陰毛はべっとりと水けを含んでいた。





「んんんんんん……っ」





 ぴったりと閉じた秘裂に、ゆっくりと男根を埋めて行った。

 尻の中に入れた逸物を膣内に入れるのは衛生的にいかがなものかと思うが、霊子さんは排便をしないみたいだし、衛生的にも問題はないだろう。





「はー、はー……っ♡」





 ずっぷりと全ての男根が膣内に埋まった。

 亀頭に感触を感じるのは、子宮口だろう。

 お互いの陰毛がショリショリと触れ合ってこそばゆい。

 みっちりと隙間なく埋まった膣内では、射精を促すように蠢き始めていた。

 これが、腸内とは違う点である。





「んんっ♡」





 ビクンと小さく霊子さんの身体が跳ねた。

 挿入しただけで軽い絶頂を迎えたのである。

 ぐねぐねと膣内が蠢いて男根を締め付けてくる。

 ふっ、ここまで開発が進んだぜ。こんなエロい身体を自分専用のものに変えるのは、なかなか男冥利に尽きるものがある。





「さて、霊子さん」

「あっ♡」





 俺は身体を起こし、腰を振ることはないまま、仰向けになっても多少形が崩れる程度の豊満な乳房を鷲掴みにした。

 グニグニとその他では見ることができないような圧倒的な量感を楽しむ。

 ピュッピュッと母乳を噴き出しているので、それを乳房に塗りたくる。

 良い匂いがするおっぱいを作りたい。





「勝手に成仏するとか、もうしないよね?」

「で、でも……地縛霊なんですから、未練がなくなれば早く成仏するべきで……。あなたにも迷惑がかかるかもしれないし……」

「そう言う遠慮なんていいから」

「あっ♡」





 太ももを抱え込んで、腰を打ち付けた。

 グチュッと厭らしい水音が立ち、愛液が飛び散る。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 グッチュグッチュグッチュグッチュ!





 男根によってかきまぜられる愛液が、凄まじい音を立てる。

 むわっとした淫靡な熱気と匂いが一気に吹き上がる。

 尻穴ではなく膣内をゴリゴリと削られて、ビクビクと身体を震わせながら快感を貪る霊子さん。





「ほら。成仏しないって言わないと、出してあげないよ」

「んひぃぃぃぃぃぃぃっ♡ お、おっぱい搾っちゃダメです……っ♡」





 身体を倒し、ブルブルと重たげに揺れる胸に顔を近づける。

 桜色の綺麗な乳首に吸い付き、また片方では指でこねくり回す。

 口の中で甘い母乳が噴き出し、それを吸引して飲み下していく。

 豊満な乳房の形が変わってしまい、痕が残るほど強く吸引すれば喉の渇きを潤してくれるほどの量があふれ出てくる。

 うーむ……ミルクサーバーみたい。

 指でこねくり回している方も母乳でぬるぬるとしてしまい、上手くこねくりまわすことができない。

 しかし、勿体ないなぁ……。

 そう思ってしまったので、双丘を手で寄せて両方の乳首を一気に口に含んでずずずずずっ! と音が出るほど強く吸引した。





「んぐぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」





 凄まじい嬌声と共に、母乳がプシャァ! と口内で噴き出した。

 それをゴクゴクと音を鳴らして飲み下し、口を離して軽くげっぷする。

 おおう……今、俺の口で凄まじく乳臭いだろうなぁ……。

 代わりに、霊子さんの口の中にいっぱい精液を出して精液臭くしてあげなければならない。

 彼女の乳首は度重なる強い吸引によって、赤くはれてビンビンに勃起していた。

 母乳と唾液に濡れて、テラテラと光っている。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 ズチュズチュズチュズチュ!





 しかし、胸ばかりに気をとられてはいけない。

 無責任中出しを決めるためにも、腰を振って男根で膣内を抉る。

 ブルンブルンと揺れる乳房の迫力は、やはり良いものだった。

 グネグネと絡みついてくる冷たい膣内に、一度尻穴に射精したにもかかわらずすぐに出したくなってしまう。

 霊子さんのそこは名器だからなぁ……我慢しようとしても、なかなか難しい。

 ただ、彼女が満足していないのに出すというのは情けないかもしれないが、もう彼女は俺の何倍、何十倍も絶頂を迎えている。

 長い黒髪の切れ目から見える顔はドロドロに蕩けているし、暴れまわる量感のある乳房は張って乳首はビンビンに勃起していた。

 男根を突き立てられている陰部はグチョグチョに濡れ、白く濁った本気汁も分泌させている。

 自分の意思とは関係なく身体が快楽で跳ね、びっしょりと全身に汗を浮かび上がらせて飛び散らせている。

 もともと冷たい身体が、汗のせいでさらに冷たくなっている。

 これを見れば、俺よりもはるかに快楽を貪って退廃的な感じになっていることは明らかである。





「成仏しないって、ちゃんと口に出して約束しろ。そうしたら、中で出してやる」

「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 強く胸を押しつぶすようにして揉んで強い命令口調で言う。

 すると、ビチャビチャとあふれ出る愛液の量はさらに増し、霊子さんの綺麗な目は蕩けていった。

 本当、エロいマゾ女だ。

 起こしていた身体を倒し、霊子さんの豊満な肢体を布団にする。

 ギュッと抱きしめて、長い髪に隠された耳をかき分け、そのそばでささやいた。





「成仏しなかったら、孕ませてやる」

「――――――ッ♡」





 ただの言葉だ。しかし、それだけで霊子さんは声にならない嬌声を上げて身体をビクンビクンと跳ねさせた。

 珠のように浮かんでいた汗が、激しく飛び散る。

 身体を倒して抑え込んでいなかったら、まるで陸に打ち上げられた魚のようになっていただろう。

 ジュワっと愛液がにじみ出る。もはや、小便との違いが判らないくらい濡れてしまっている。

 霊子さんは幽霊だ。幽霊と人間との間の子供なんて聞いたことがないので、実際に孕ませられるかどうかなんて知らない。

 そもそも、セフレには絶対に孕ませないようにスキンをしているし。

 しかし、霊子さんは……。





「…………ません」





 ぼそぼそと呟かれる言葉。

 まるで、最初に出会って幽霊観察をしていた時のようだ。

 少し身体を起こし、顔を隠す髪の毛をかき分ける。





「おぉ……」





 すると、そこには霊子さんの満面の笑みが浮かんでいた。

 幽霊的な怖い笑顔ではなく、本当に心から幸せを感じているような、可愛らしい女の子の笑顔。





「成仏、しません。だから、私を孕ませてください……♡」





 そう言って、おずおずと両腕を開けて俺を迎え入れようとする霊子さん。

 汗と母乳で濡れた乳房、仰向けゆえに引っ込んだお腹、男根を咥えこんだ陰毛の生えた陰部。

 それら全てを俺に捧げるように見せつけ、孕ませてくれという最上の口説き文句。

 今まで霊子さんとシキには何度も無責任中出しをしてきたわけだが、その言葉を聞かされた際の俺の興奮度は凄まじいことになっており……。

 俺は抜けそうになるまで男根をギリギリまで引き抜いてから……。





「んおおおおおおおっ♡」





 ズパン! と男根を強く叩き込むのであった。

 さらに、起こしていた身体を再度倒し、全体重をかけるようにして霊子さんを抑え込む。

 上から見ると、彼女の身体は俺の身体に隠されてほとんど見えなくなっているだろう。

 布団に散らばった長い黒髪と四肢だけではないだろうか?

 いわゆる、種付けプレスというのだろうか?

 女を抑え込み、逃げられないようにして、精液を深く子宮内に注ぎ込むための体位。

 今まさに、俺はそれをしているのであった。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 グチュグチュグチュグチュ!!





 霊子さんの冷たく柔らかい豊満な肢体を折ってしまいそうになるほど、強く力を入れて抱きしめる。

 そして、上から叩き付けるように、激しく男根を突き入れた。

 霊子さんは髪を振り乱し、四肢をピンと伸ばして快楽をその身に叩き込まれる。

 泡立つ愛液がかきだされて、シーツが凄まじいことになってしまう。

 あとで掃除よろしくね、霊子さん。

 霊子さんが成仏をしない。

 彼女が突然消えていなくなるという不安が取り除かれて、俺は遠慮なく彼女を犯すことができた。

 随分と射精感もこみあげてきているし、我慢する必要はないだろう。

 霊子さんを孕ませてやらなければならないのだから、遠慮なく子宮内に注ぎ込まさせてもらう。

 ……本当に子どもができるかどうかは分からないが、まあそれも面白い。

 子供ができたら大切にしよう、うん。





「んぶぅっ!? んちゅっ、ぢゅるっ、んんんんっ♡」





 髪をかき分け、小さなプルプルの唇に吸い付いた。

 目を丸くした霊子さんだったが、すぐに舌を伸ばしてくる。

 お互いの鼻息がかかってしまうことも一切気にせず、唇を密着させたまま唾液で濡れた舌を濃厚に絡み合わせる。

 ぬるぬるとした感触が直接脳に届くような、そんな激しく濃密な接吻に霊子さんの青白い顔はさらに赤くなる。

 白目むきかけているし……怖い……。

 お互いの唾液を交換し合い、飲み下しあう。

 うーむ……唾液を甘く感じるのも不思議な感じだ。

 こちらの唾液を送り込んでやれば、嬉々として喉を鳴らしてすぐに飲んでいく。

 少し口を離そうとすると……。





「んぶっ!?」

「んぢゅっ、ぢゅるるっ、んぶぁっ……♡」





 霊子さんがだらしなく力を抜いて放り出していた四肢を俺の背中に回してきて、グイッと引き寄せた。

 胸板で豊満な乳房が潰れ、母乳を出してしまうものだからぬるぬると蠢いている。

 そして、また濃厚な接吻が続く。もう唇がふやけてしまいそうだ。

 しかし、霊子さんはこの状態でのセックスを望んでいるようだ。

 口を密着させ、身体を強く抱きしめ合い……その状態で、俺に孕ませてほしいと……。

 ふっ……望むところだ。





「んぶぅっ!? んぐっ、んぉっ、んぉっ♡」





 ガチュガチュと荒々しく男根を叩きつけて愛液をかきだす。

 霊子さんは悲鳴じみた嬌声を上げようとするが、口を密着させているためにくぐもった声しか漏らすことができない。

 彼女の身体を上から抑え込むように、逃げられないようにして種付けプレス。

 四肢を俺の背中に巻きつけて、決して離れないように強く力を入れてくる。

 かなり形を潰されてしまっているGカップの乳房からは、母乳が溢れて胸板をぬらぬらと汚してくれた。

 汗と雌の匂いが混じった甘酸っぱい匂いに加えて、唇がふやけてしまいそうになるほど濃厚な接吻を交わしているため、彼女の唾液の匂いも鼻につく。

 もはや、全てが俺と霊子さんを興奮させる要素にしかなりえなかった。

 この部屋のむわっとした暑苦しさも、みだらな匂いも、冷たい霊子さんの身体も……何もかもだ。

 霊子さんがこの世界に縛り付けられていた要因は、もう何もない。

 つまり、これが彼女にとっての、生まれ変わりの初めの膣内射精である。

 さあ、受けとってほしい。これから先、霊子さんは俺の肉オナホとして多量の精液を注ぎ込まれることになるのだが、これはその最初の一発になるのだ。

 かなり近い位置で、俺と彼女の目が合う。

 口は一時たりとも離れたくないという気持ちがあるため、離して言葉にすることができない。

 だから、視線で伝えた。

 今から出すぞ、と。

 霊子さんは瞳の奥にハートマークを写し、何度も頷いて……。

 ズン! と男根をめり込ませた。

 子宮口を押し上げ、そこを押し開いて鈴口がぴったりと逃げ場ないように密着。

 そして……。





「んおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ♡」





 ビュルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!





 決壊した濁流のように、精液は勢いよく子宮内に飛び込んで行った。

 今までで一番興奮しているからかもしれないが、その量もまた今まで経験したことのないほどだった。





「うぉぉ……!」





 身体中の水分が、精液に変わってしまったかのような錯覚を覚える。

 腰をグッグッと何度か突き出し、尿道に残る精液全てを遠慮なく霊子さんの子宮内に注ぎ込む。

 そのたびに彼女はビクビクと身体を振るわせてくれる。

 霊子さんは押さえつけられて動くことができていないが、しかし魚のように跳ねようとし、実際に俺の身体に抱き着かせていた四肢を壊れた人形のように動かしていた。

 グッと喉仏が見えるほど首を反らし、唾液でたっぷり濡れた舌を口外に垂らして何とも凄惨な表情を浮かべている。

 白目をむき、涙や鼻水やよだれを垂らし、青白い頬を真っ赤に染めているその姿は、信じられないほど淫靡で下品だった。





「ふー……」





 俺も随分と熱くなって必死に動いていたためか、気づけば息も荒くなっていて全身にびっしょりと汗をかいていた。

 いやー。こんなにセックスに夢中になったの、いつ振りだろうか?

 霊子さんは魔性の女だなぁ……。

 そんな魔性の女が、今自分の身体の下で蛙のようにだらしない姿をさらしているのだが。

 男根をゆっくりと引き抜けば……。





「あへぁ……♡」

「おぉ……」





 大きく開いたままの秘裂。こぽこぽと大量の精液が逆流してくる。

 今までで一番と思ってしまうほど出したからなぁ。流れてくるのも当然だろう。

 しかし、そのすぐ後霊子さんはだらしない声を出しながら、ちょろろろろろ……と水音を立てた。

 そう、小便を漏らしたのである。

 それは綺麗な放物線を描き、なんと未だに半立ちの逸物にかかった。

 ……体温や体内は冷たいのに、小便は温かいんだな。不思議である。

 うーむ……ただでさえセックスしていてムワッとした熱気と淫臭が充満していた部屋であったが、霊子さんの粗相でまた凄い異様な雰囲気を漂わせていた。

 普段ならただ汚いだけなんだけどな、排せつって。

 どうしてこう言う時は興奮する一要素になり得るのか。

 ぐったりと無防備に全裸をさらしている霊子さんに、もう一度圧し掛かろうとして……。





「……ああ、シキもいたな」

「くっ……儂をおまけみたいに言いおって……」





 チラリと横を見れば、睨み返してくるシキ。

 しかし、そんな彼女に迫力は皆無であった。

 彼女の容姿が可愛らしいロリということもあるが、大きな理由は彼女が着物の裾を持ち上げて陰部をクチュクチュと弄っているからである。

 俺と霊子さんの濃厚セックスを見ながら自慰をしているような女だ。どこに怖がる要素があるのだろうか?





「…………ッ」





 俺が近づけば、ビクッと身体を震わせるシキ。

 しかし、逃げようとはせず、その目には期待の色がドロリとにじんでいて……。

 俺はニヤリと笑って、小柄なシキに覆いかぶさるのであった。

 結局、この部屋はしばらく女の悲鳴じみた嬌声が響き続けるのであった。





次回で最終話です(小声)





最終章 霊子さん2





『最終話』





「川路ぃっ! 聞いてくれよぉっ!!」

「なんだよ……」





 大学の食堂で、相変わらず友人は騒がしい。

 しかも、かなり大きな声で話しかけてくるので、注目が集まってしまう。

 別に目立つことは好きではないので、こういったことは勘弁してほしいものだ。

 しかし、何やらウキウキで喜んでいる様子の友人には、このような注目も一切気にならないらしい。





「いやさぁ、ようやく幽霊ちゃんと仲良くできそうなんだよ!」

「え、マジ?」





 テレビから全然出てきてくれないって嘆いていたのに、ついに友人にも幽霊彼女ができるのか?

 いやはや、おめでたいことである。





「ああ! テレビの前に置いていたお菓子、なくなってたんだ!」

「うん……うん?」





 ……え? それだけ?

 それ、全然進展してないよね?

 しかし、それでも友人はウッキウキである。

 ……まあ、こいつが幸せそうだったら、それでいいか。わざわざ水を差すようなことを言う必要はないだろう。





「そっか。じゃあ、そのまま頑張れよ」

「おう!」





 ニカッと輝かしい笑顔を浮かべて、友人は去って行った。

 道のりはなかなか遠く険しそうだな。

 ……俺は出会って一時間もしないうちに幽霊を犯したのだが、それを目の前で告げたらどうなっていたのだろうか?

 缶コーヒーを飲みながらぼけーっとしつつそんなことを考えていると……。





「おっすー!」

「おう?」





 目の前にひらひらと手のひらが振られる。

 細くて白いので、男のものではない。

 まあ、声をかけられているのだから、女であることは分かっていたのだが。

 振り返れば、ニコニコと笑いかけてくる一番親しいセフレ……越後 ルミが立っていた。





「講義なくて暇してんの? ぼっち?」

「さっきまで友人いたぞ」

「へー。そっかそっか」





 口元に手を持って行ってぷくくっと笑うルミ。

 俺が嘘を言っているとでも思ったのだろうか? 俺にだって友人くらいいるわ!

 ……数は少ないけど。





「あたしも次のが空きだからさー。暇している川路くんに付き合ってあげよう」

「どうも」





 俺の前の席に座って、にししっと笑うルミ。

 人懐こいよなぁ。そういうところが、男女問わず人気がある理由だろうが。

 彼女はスッと手を伸ばしてくると、俺が持っていた缶コーヒーをかすめ取って飲む。

 ……関節キスだぞ、それ。まあ、俺とルミはそれくらいで顔を赤らめるような浅い関係ではないのだが、何の気負いもなしに異性と関節キスできてしまうところは凄いと思う。

 勘違いされそうだから、気を付けた方がいいぞ。





「うぇっ、にがっ!? ブラック!?」

「おう。お子ちゃまのルミには早かったか?」

「お子ちゃまじゃないし!」





 眉と目をキュッと寄せて舌を出すルミを見て、思わず笑ってしまう。

 すると、キッと涙目で睨みつけてくるため、余計に笑いがこみあげてくる。





「なぁんでこんなの飲むの? 甘いやつの方が美味しいじゃん」

「甘いのは俺あまり好きじゃないんだよ。煙草にも合うし」





 まあ、煙草はほとんど吸ってないんだけどな。

 以前吸っていた時もセックスをした後だけだったし、最近はそれもないからなぁ……。





「へー。煙草って美味しいの?」





 興味深そうに目を丸くして覗き見てくるルミ。





「いや、どうだろうな……。ただ、吸わない方がいいのは本当だと思うぞ」





 基本的に煙草は百害あって一利なしだろう。

 正直、煙草で健康に良いなんてことは絶対にないだろうし。





「ふむふむ。……ねえ、じゃあ美味しい煙草とか吸い方を教えてよ」





 ずいっと身を乗り出してくるルミ。

 形の良い胸が眼前にくるので、思わず見てしまう。

 彼女もそれを目論んでいたのだろう。得意げにふふんとさらに胸を寄せて強調している。

 ルミは、俺が煙草を吸うのはセックスをした後だけということは知っている。

 実際に、彼女とヤった後に吸ったこともあるし。

 つまり……ルミなりにお誘いをしてきているというわけか。





「ね、どう?」





 潤んだ目とうっすらと赤く染まった頬……本当に整った顔立ちだよなぁ。

 うーむ……ルミとエロいことをするのは、俺としても大歓迎である。

 次の講義まで暇だし、ここは彼女の誘いに乗った方が……。





「おーい、ルミー!」





 了承の返事をしようとすれば、ルミを呼ぶ声が聞こえた。

 見れば、彼女の友人らしき女が手を振っていた。





「…………」

「友達だろ? 今日はあっち行っておけよ」





 むっとした顔をするルミ。

 俺にではなく、明らかにあの友人たちに対するもののようだが。





「……別にいいよ」

「いやいや、こういう同性のつながりはちゃんと持っていた方がいいぞ」





 それでも俺といようとするが、やはり同性の友人というものも大切だろう。

 そちらを優先するべきだと言えば、ルミは深いため息を吐いた。





「もー。どうしてそういうところだけ優しいかな」





 これには、俺も苦笑いすることしかできない。

 彼女は不承不承といった様子で立ち上がる。





「じゃあ、今度は一日中可愛がってよね」

「ああ、約束する」





 俺がそう言えば、ニッコリと笑って頬に軽いキスをして去って行った。

 ……噂なるぞ、お前。





 ♡





「ふー……結構重いな」





 講義も終わり、アパートに帰るまでにスーパーに寄って食材を買い込んだ。

 なかなかの量なので、少し疲れる。

 のんびり一人で歩いていると、ふと過去のことを思い返してしまう。

 まさか、俺が食材を買うようになるとは思わなかったなぁ……。

 料理はほとんどできないし、インスタントや惣菜ばかり買うつもりだったし、実際にそれをやっていたのだが……。

 俺が変わったのは、やはり霊子さんとシキという二人の幽霊と出会ったことによるだろう。

 霊子さん……俺の入居した家賃50円のアパートに縛り付けられていた地縛霊。

 長い黒髪で顔を隠し、薄汚い白いワンピースを身に着けた、よく聞くオーソドックスな幽霊。

 ……ただ、その豊満でエロい身体とセックスでアヘアヘしてしまうところは、オーソドックスとは言えなかったはずだ。

 最初は殺されるかと思っていたが……口を使って奉仕をしてもらい、母乳が出るエロいGカップのおっぱいを弄び、秘部はもちろん尻穴も男根で抉って激しく犯し……俺と霊子さんは仲良くなった。

 その次に出会ったのが、シキである。

 座敷童の彼女は、霊子さんよりもはっきりと明確に俺の命を狙ってきていた。

 出会いで首絞められたからな……。マジで霊子さんがいなかったら死んでいただろう。

 その後、お仕置きと称して彼女のロリ肢体をガツガツ犯し……仲良くなった。

 ……いや、仲良くなる方法がおかしいということは分かっている。

 ただ、セックス以外で何かしようとしていたら、俺は霊子さんともシキともうまくやっていくことができなかったのではないだろうか?

 やっぱり、エロって最高だな。うん。

 まあ、そんなことはどうでもいいか。

 とにかく、俺は安さと立地条件の良さだけで選んだ下宿先で、幽霊二人と出会うことになり、その二人と退廃的な生活を送ったということである。

 霊子さんとシキ……二人に会えてよかったなぁ、と改めて思う。

 そんなことを考えていると、そのアパートにたどり着いていた。

 木造の薄汚れたボロボロのアパート。

 幽霊アパートとして有名だから人は寄りつかないのだが、この嫌な雰囲気というか圧迫感を醸し出しているので、実際にここまで来ても中に入ろうとする猛者はなかなかいないのだろう。

 その例外が、俺と殺人鬼のおっさんだったというわけで……。

 そのおっさんもどこぞに消えてしまったので、もはや俺だけなのだが。





「ただいまー」





 キイキイと音が鳴る立てつけの悪い扉を開けて、そう声をかける。

 ふーっと息を吐いて食材の詰まったレジ袋を置く。

 靴を脱ぐため、玄関に腰かけて脱いでいると……。





「お帰りなさい、です……」

「おう。遅かったのう。土産はなんじゃ?」





 本来なら俺以外いないはずの部屋に、そんな二人の声が響く。

 振り返れば、霊子さんとシキがこちらを覗き込んでいた。

 霊子さんが膝を折ってしゃがみ込み、こちらを下から覗き込むようにしている。

 長い黒髪で目や鼻は見ることができないが、まったく認識できず話せなかった時に比べれば大きな変わり様だと思う。

 ワンピースを着ていてもはっきりと分かる豊満な乳房が膝の上に乗っているのがエロい。

 シキはニマニマとほくそ笑みながら、腰を折って真っ赤な目を向けてきていた。

 短い着物の裾から伸びる脚が綺麗だ。舐めたい。

 二人の幽霊のお出迎えに、俺も思わず笑ってしまう。





「土産はないぞ」

「なぜじゃ!? 儂、それが楽しみで待っておったのに!」

「ご飯前にお菓子なんて食べたら、またあなただけご飯抜きにしますから。調味料は買ってきてくれました?」

「……あ」

「…………」





 おそらく髪の下からジト目を向けてきているであろう霊子さんから視線を外す。

 こういう賑やかなのも、楽しくていいなぁ。

 彼女たち二人と初めて会ってからしばらく時間が過ぎたのだが、彼女たちは何も変わらない。

 見た目も、性格も、仲の悪さも……。

 ……いや、一つ変わったところがあったな。

 俺は立ち上がり、シキの近くに行く。

 む? と首を傾げる彼女は、しかし逃げたり構えたりする様子もなく、無防備に俺を見上げている。

 随分と信頼されるようになったものだ。

 そして、俺は手を伸ばし、無防備になっている膨らんだお腹を撫でるのであった。





「……マジで孕むとはなぁ」





 着物を大きく押し上げるシキのお腹。

 彼女が太ったのではなく、子供をお腹に抱えているから膨れ上がっている。

 つまり、彼女は俺との子供をはらんでいた。

 ……まさか、幽霊と本当に子供を作ることができるとは。

 まあ、普通の人間のように十月十日かけて出産するというわけではないようで……あまり詳しいことは聞いていないが、幽霊独自の期間と出産方法らしい。病院に行く必要もないみたいだ。

 幽霊に戸籍はないので、うかつに入院させることもできないし、それはよかった。





「くかかっ。小童の子じゃぞ? ちゃんと父をするんじゃぞ?」

「お、おう……」





 努力します。

 しかし、こんなロリがお腹膨らませている姿は……凄まじい背徳感がある。





「…………」

「はっ!?」





 背中が冷たくなるほどの視線を感じて振り向けば、霊子さんが髪の間から絶対零度の視線を向けてきていた。

 目が怖い……。最初見たときあんな綺麗に思ったのに、本当のホラー映画に出てくるような恐ろしい目だ……。





「なぁにをカッカしておるか。お主も孕んでおるじゃろうが」

「……あなたの方が早かったです」

「かかっ。それは天のみぞ知るところよ。儂にも小童にもどうすることもできまいて」





 霊子さんは不服そうにしているが、彼女もまた孕んでいた。

 シキよりも後だったので、それほどお腹は目立っていないが、なだらかな曲線を描き始めている。

 ……いやぁ、大変だった。シキが孕んでいるということを知った後の霊子さんを相手にするのは。

 本当に一日中ヤってたから……。搾り殺されると思いました……。

 しかし、俺はいつになるのかわからないが、下手をすれば学生のみで二児の父になるのである。

 ……ヤバくね? マジで頑張らないと……。

 俺が固い決意をしていると……。





「というか、小童はいつまでそこにおるんじゃ。さっさと入ってこんか」

「……ご飯、作りますね」





 シキと霊子さんがそう言って覗き込んでくる。

 シキはからかうような笑みで、霊子さんは儚くも美しい笑みで。

 ……まあ、この二人のために頑張ると思えば、案外何とでもなりそうだな。





「おう」





 俺はうっすらと笑って、部屋の中に入るのであった。





 家賃50円のアパートに入居したら幽霊が出たのでとりあえず犯してみた 終わり

今までお付き合いありがとうございました!

感想、ブクマ、評価、レビュー……これらをしてくださった皆さんのおかげで、最後までかきあげることができました。

書籍化までさせていただき、感無量です。皆様、ありがとうございました!





現在、『仲の良い美少女百合カップルをおちんぽに屈服させるだけの話』という新作を投稿しています。

下の方から飛ぶことができますので、そちらも是非良ければ!

……原理主義者の方、許して(小声)





それでは、またお会いしましょう!





家賃50円のアパートに入居したら幽霊が出たのでとりあえず犯してみた


著者

地球

小説ページ

https://ncode.syosetu.com/n3681eo/


初回配信日

2018/02/10

最終更新日

2018/12/04

保存日

2022/07/08






Posted by 하얀라임
,

N3681EO 1

카테고리 없음 2022. 7. 8. 23:53

書籍化決定しました。9月29日発売です。





あまり話せないオーソドックス巨乳幽霊とエッチなことするだけの話。

のじゃロリ、始めました。





目次


1.霊子さん


1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21





2.シキ


22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

36





3.シキ2


37

38

39

40

41

42

43

44

45

46





最終章 霊子さん2


47

48

49

50

51

52

53

54

55

56

57

58

最終話





1.霊子さん





『1』





「おーい、川路ー!」





大学の食堂で飯を食っていると、大きな声で名前を呼ばれる。

なんだよと思って目を上げれば、それなりに仲良くやっている友人の一人が立っていた。





「悪い、一緒に食わせてくれね? 人が多くて席全然空いてなくてさー」





彼の言う通り周りを見渡せば、確かに人がいっぱいだ。





「まあ、昼時だもんな。仕方ないだろ」





そう言って、俺は目の前の空いている席に座るようジェスチャーを見せる。

すると、彼は笑ってそこに座り、学食を食べ始めた。

会話の中身としては、あの教授が楽だとか、レジュメを融通してくれとか、実に大学生らしい内容である。

そんな話を続けていると、彼はふと思い立ったように目を向けてきた。





「そうそう。川路、合コン来ない? 結構可愛い子が来るらしいぞ」





可愛い子、という言葉にどうしても身体が反応してしまう。

やはり、大学生というのは華のキャンパスライフを送るために異性は必要不可欠である。

もちろん、俺だって可愛い女の子が大好きなので、今までそういう出会いの場は積極的に参加していたのだが……。





「あー……いや、俺はいいや」





今の俺には必要ない。

そう考えて拒絶すれば、驚いたようにこちらを見つめてくる。





「珍しいなぁ。お前、女の子大好きだろ?」

「女の子……ってか女体かな、好きなのは」

「最低かよ!」





ゲラゲラと笑いながら肩を叩いてくる。

別に本当にそう思っているほどクズではない……が、肉体関係のないお付き合いがしたいのかと言われれば、それは首を横に振ってしまう。

人より性欲が強いきらいのある俺は、やはりそういう淫靡な関係というのも抗いがたいのだ。





「で、何か用事あるのか?」





俺が断ることが珍しいのか、一歩踏み込んで聞いてくる。

まあ、別に隠すようなことは何もないので、答えてやってもいいのだが……。





「うーん……用事っていうか……わざわざ女漁りをする必要がないというか……」





なんと答えていいのかわからず、答えを濁してしまう。

それを、良い思いをしているから隠したがっていると勘違いしたのか、友人はさらに聞いてくる。





「っかー! 羨ましいなぁ。どこの子だよ?」





ギラギラとした目を向けてくるので、まさか俺が女子大の子と付き合っていると思っているのだろうか?

いや、憧れを抱くのは理解できるが……これで肯定すれば、絶対に紹介してくれと言ってくるだろう。

残念ながら、違うのだから紹介しようがないが。





「どこ……俺の借りてるアパートの子、かな……」

「えっ……?」





素直に答えてやれば、唖然とした表情を浮かべる友人。

なんだ。





「あ、あの幽霊アパートか!? ってか、お前以外にあんな不気味なとこ住んでるやついたのかよ!?」

「不気味って……お前なぁ……」





失礼な奴だ。俺が今も住んでいる場所を、そんな風に言うなんて。

まあ、事実だから反論のしようがないが。





「だって、事実だろ!? 見た目クッソボロボロだし、霊感まったくない俺でも近づくのが嫌になるし、近づいたらすっげえ寒いし、身体が震えだすし……!!」

「そっかぁ? 別に大したことないと思うけどなぁ……」





実際に震えて見せる友人は大げさすぎだと思う。

ここは冷房も効いていて涼しいが、震えるほどではないだろう。

何でもないように答える俺を見て、呆れたような目を向けてくる。





「お前、本当馬鹿か肝っ玉だよな。普通、いくら安くてもあんなとこ入らないって。家賃いくらだっけ?」

「月50円」

「やっばいだろ!! もう絶対何かありましたと何かありますが組み合わさってるじゃん!!」





過去と現在進行形と言いたいのだろうか?

しかし、良い所だと思う。

このご時世、大学の近くに50円で住まわせてくれる場所なんてあるだろうか、いやないだろう。

まったく……人に取られる前に、良い所を見つけられて良かったぜ。





「ヤバい噂も聞くぜ? そのアパートで死んだり行方不明になった奴が10人以上とか、お祓いに来た人が呪い殺されたとか……」

「マジかよ」

「軽いなぁ……」





友人はそう言うが、俺は内心結構驚いていたりする。

そんな実害があるとは言われていなかったぞ。

入居する時、「これだけ安いんだから……分かっているだろ?」みたいなことは言われたけど。





「マジで幽霊とか出ねえの?」





ケラケラと笑いながら聞いてくる友人。

俺はそれに正直に答えてやることにした。





「うん? 出るぞ」

「あー、やっぱりそんなハッキリしたもんは出ないか…………出るの!?」





立ち上がって机をバンと叩くので、俺も震えてしまった。





「お、おお。なんだよ、いきなり大声出すなよ、ビビるなぁ……」





少し上がった心拍数を元に戻そうと努力する。

……あ、元に戻った。





「普通にしているお前にビビるわ!! 幽霊出るのに何で平然としてんだよ!!」

「霊子さんだぞ」

「名前も付けてんのかよ!!」





友人は焦った表情を浮かべながら、俺に顔を近づけてくる。やめろ。そっちの趣味はない。





「馬鹿かよ、お前! さっさと出ろって! 危ないじゃん! なんだったら、俺の部屋にちょっとなら住ませてやってもいいからさ!」





彼の顔を見れば、本当に俺のことを心配してくれていることが分かる。

そんな友人には、真実を話しておく必要があった。

俺はこっそりと声を潜めて話し出す。





「いや、それがな……」

「な、なんだよ。もう呪われてるとか言うなよ……?」





少しビビりながらも、友人も俺にあわせて声を小さくしてくれる。

そんな彼の目をじっと見つめながら、俺は口を開く。





「その霊子さん……」

「……ゴクリ」





喉を鳴らす友人。





「すっげえエロいんだ」

「詳しく聞かせてくれ」





一瞬で椅子に深く腰掛け、両手を組み合わせながら両肘を立てるというどこぞのアニメで見たスタイルになる友人。

は、早い……。





「あー、でも結構前からだから、一から話すと長いぞ?」

「気にすんな。エロは単位に勝る」

「お、おお……」





講義をダシにして逃げようとしたが、友人は話すまで決して俺を解放するつもりはないようだ。

まあ、俺も自慢したいという気持ちもあったので、大人しく話すことにする。





「あれは、俺が入学するちょっと前の話だ」





1.霊子さん





『2』





「おぉ、ここが……」





 俺は肩にバッグを担ぎながら、目の前のアパートを見つめていた。

 なんというか……ボロイな。

 いや、家賃が50円っていう破格の値段を思い出せば、これも当然なんだろうけど。





「……君が川路くんかい?」





 ボーっとアパートを見上げていると、陰気な声をかけられる。

 振り返れば、なんだか疲れ切ったような中年の男が立っていた。





「あ、そうです。大家さんですか? よろしくお願いします」

「ああ、どうも。……しかし、普通の学生さんみたいなのに、どうしてこんな所に……。俺もここには住んでいないよ?」





 ……まるで、わけありの人が借りるような言いぐさ。

 別にどうでもいいんだけど。

 しかし、大家さんも住んでいないというのは驚いたなぁ……。

 確かにボロそうだが、住めないということはないだろうに……。





「そうなんですか? やっぱり、50円っていう安い家賃に惹かれまして……」

「いや、普通は来ないと思うんだけどね。まあ、俺からすればありがたいんだから、いいんだけどさ……」





 明らかに事故物件ですもんね。

 俺はそういうの気にしないタイプだから家賃を見て飛びついたのだが、気にする人は敬遠するだろう。

 しかし、学費も自分で払わなければならない苦学生にとっては、この家賃の安さはどうしても抗えない魅力があった。





「君、良い子みたいだから忠告するけど、本当に我慢できなくなったら逃げるんだよ」

「はい?」





 不思議なことを言う大家さんに首を傾げる。





「戦おうと思ったり、抵抗しようと思ったりしたらダメだ。ただ、逃げるんだ。それなら……まあ死ぬことはないだろう」

「はぁ……」





 まるで、悪霊が出るような言いぐさに内心笑ってしまう。

 俺はそういう存在を、あまり信じていないからだ。

 といっても、絶対にいないとは思ってもいないので……微妙に否定的という立場だ。

 だって、一度も見たことがないから。





「じゃあ、頑張りなよ。君以外に入居者はいないから……契約した部屋以外も自由に使ってくれていいよ。こんな所、誰も来ないからね」





 とんでもないことを言って、大家さんは俺に鍵を渡してどこかに歩いて行ってしまった。

 ……え? 本当に全部の部屋使ってもいいの?

 といっても、荷物とかもそんなにないから使いようがないんだけど……。





「……本当に住んでないのか。不思議だなぁ……」





 とりあえず、荷物を部屋に置きに行くとしよう。

 俺は誰もいないアパートに、一歩踏み出したのであった。

 ……誰かの視線を一身に受けながら。





 ♡





 部屋の中は、外観と同じように決してきれいなものではなかった。

 ……が、大学生の住む安い部屋といえば、だいたいこんなものだろう。

 風呂とトイレが別々に備え付けられているだけでも満足だ。一体化しているやつは本当に無理。

 ワンルームだから少し狭く感じるが、俺はあまり家具も持ってきていなかったので、暮らすには十分である。

 壁も薄そうだが……俺以外に誰も入居していないのだったら、騒音に悩まされることはない。

 ……結構良い部屋とれたな、俺。





「いやぁ、本当に俺一人だけなのか。月50円でこんな良い思いしてもいいのか? 一城の主になってしまったなぁ……」





 飯も食って腹をふくらましたので、急に眠たくなってきてしまう。

 荷解きも大した量ではないがしたので、身体も疲れているのだろう。

 誰もいないはずなのに、部屋の中で俺以外の気配もするが……まあ事故物件だし当然か。

 俺はとくに気にせず、布団を敷いた。

「荷解きして疲れたし、今日はもう寝るか。おやすみー」

 目を瞑ると、すぐに眠気が襲ってきた。

 やはり、ヤバそうな場所でも人は簡単に寝られるんだなぁ、なんて考えながら俺は眠りにつくのであった。





「……ん? なんか寒い……?」





 しかし、ひんやりと身体が冷えるので目が覚めてしまった。

 まだ夏には遠いとは言えども、最近は温かくなってきたような気がしていたのだが……。

 そんなことを考えながら、寝ぼけ眼で瞼を上げると……。





「おぉ……出た……」





 枕元に、女が立っていた。





1.霊子さん





『3』





 大家さんは、俺以外このアパートに入居している人はいないと言っていた。

 大家さん自身も住んでいないと。

 ……やっぱり、俺以外がいるのっておかしいよな。

 いや、もしかしたら大家さんの間違いで誰かが入居していたということもあり得るだろうが、俺の部屋にいるというのはおかしすぎる。

 ちらりと玄関の扉を見れば……うん、鍵はちゃんとかけられている。





「……じゃあ、やっぱり幽霊だよなぁ」





 ああ、驚いた。こんなに幽霊ってハッキリ見えるものなのか。

 今までそういったものを見たこともなかったので、ちょっとした感動すら覚える。





「えーと……」





 枕元に立ちつくす幽霊であるが、とくに襲ってくるということもなく、ただただ立っている。

 俺はそれを寝転びながら見上げている形なので、なんだか不思議なことになってしまっている。

 とりあえず、俺も起きようか。眠気も吹っ飛んだし。

 ……しかし、起きられるのだろうか?

 そういう怖い話では、金縛りとかなんとかで身体の自由がきかないということもよく聞く話だが……。





「あ、起きれたわ」





 普通に身体を起こすことに成功。よかった。動けなかったらどうすることもできなかった。

 さて、と。俺は布団の上に座って、幽霊を見上げる。

 俺が動いたことにも、この幽霊はとくに何か反応を見せるわけでもなく、ただ佇んでいる。

 ……そもそも、俺のことを見ているのだろうか?

 黒い髪が長く、しかもそれが顔を覆ってしまっているために、彼女の顔も分からない。

 女……ということが分かるのは、彼女が薄汚れたワンピースを着ており、しかもその身体の起伏が富んでいるからである。

 整形手術したおかま、と言われてしまえばどうすることもできないが。

 少し考えが逸れてしまったが、俺はこれからどうするべきだろうか?

 大家さんは戦ったり抵抗したりすることなく、ただ逃げろと言っていたが……本当に逃げてしまっても大丈夫だろうか?

 おそらく、俺はもう彼女に認識されているだろうし、むしろ逃げた方がヤバいのではないだろうか?

 というよりも、逃げたところで行く先がない。

 大学はもうすぐ始まるし、今更50円以上の家賃なんて払う気にもならない。





「あの……立ってないで座ってみない?」





 ということで、俺が選んだのは対話であった。

 まあ、幽霊と肉弾戦して勝てるとは思えないし……まだ何か不利益なことをされたわけでもない。

 話で解決できるんだったら、それにこしたこともない。

 そんな考えから声をかけたのだが……。





「――――――」





 返ってきたのは無言である。

 いや、まあ幽霊に会話を求めるというのがおかしいのかもしれないが。

 しかし、困った。もし、有無を言わさず殺しにかかってこられたらどうしようか。

 一応抵抗はするだろうが、何もできないで殺されるかもしれないな。





「えーと……近づいてもいい?」

「――――――」





 それでも、俺が逃げなかったのは、幽霊という存在が珍しかったのか、あるいは……なんかこの幽霊にそそられるものがあったからか。

 俺は立ち上がって幽霊に尋ねてみる。

 やはり、返答はないのだが、おそるおそる身体が触れ合えるほどの近さに迫っても、とくに弾かれたり嫌がられたりということはなかったので、受け入れてはくれるようだ。

 そこで、俺は幽霊を観察してみることにした。

 こんな体験、もう二度とできないのかもしれないし、どうせ殺されるんだったら楽しんだ方がいいだろう。





「身長は……女としては高い方かな?」





 俺も身長が高い方なので、それでも顎下くらいに幽霊の頭頂部がある感じ。





「黒い髪の毛は長いよな。感触は……」





 女の髪は命とも言うし、触ったら怒られるかなとも思っていたのだが、おそるおそる触ってみればとくに反応を見せることはなかった。

 ……え? 本当にただ立っているだけなのか、この幽霊。

 まあ、殺されないならありがたいのだが。

 髪の毛を触ってみるが……うーん、ぼさぼさだよな。

 ただ、油でギトギトというわけではないし、ポタポタと水に濡れているわけでもないので、それらに比べると全然マシか。

 別に俺はサラサラの髪の毛の女しか興味持てないとか、そういうわけでもないし。

 さて、一番重要な幽霊の顔なのだが……長い髪の毛で隠れていてさっぱりわからん。





「髪の毛、上げてもいい?」





 そんな風に聞いても、やはり幽霊から反応が返ってくることはなし。

 しかし、拒絶されるような気配もないんだよなぁ……。本当、なんだろう、この幽霊。

 ただ、顔が血だらけとかだったら流石に俺も興奮できないので、やっぱり顔は重要だよな。





「失礼しまー……おお」





 あまり怒らせないように、ゆっくり優しく髪をかきあげると……そこに顔はなかった。

 のっぺらぼうとか、マネキンみたいになっているとか、そういうことではないのだが……なんだか黒い靄のようなものが溢れていて、さっぱり顔が分からない。





「――――――」

「んー……?」





 ずっと無口だと思っていたが……俺は幽霊の靄のかかった顔に耳を近づける。

 ……何か喋っている? あまりに小さすぎて、これほど近づいても何を言っているかわからないけど。

 ブツブツブツブツと、何かを呟いている。

 …………独り言は怖い。





「見られないんだったら仕方ないか」





 そう言って、今度は幽霊の身体に目が行く。





「おー……肌すっげえ綺麗。真っ白……てか青白い? 白人よりも白いよね」





 幽霊の腕を持ち上げて、近くで肌を確認する。

 本当にきれいで、傷もシミもまったく見当たらない。

 ただ、病的とも言えるほど真っ白だった。

 ……死んでるから当たり前か。





「さて、と」





 俺はじっと幽霊を見る。

 観察……別にここで止めてしまってもいいだろう。

 だが、俺にはどうしても気になることがあった。

 それは、薄汚れた白いワンピース越しにもわかる、この幽霊のスタイルの良さだ。

 正直に言おう、めっちゃ見たい。

 胸もかなり大きそうだし、お尻も良い曲線を描いている。

 今まで女性経験がまったくないというわけでもないし、それなりに裸のお付き合いをしてきたが、この幽霊はダントツである。

 裸が見たい、なんて言えば普通に殺されそうなのだが……今のところ、髪の毛を勝手に触ったり持ち上げたりしたのだが、殺されそうにない。

 ……試してみてもいいだろう。





「ねえ。ワンピース脱がせたいから、万歳してくれない?」





1.霊子さん





『4』





「――――――」

「……反応なし、か」





 それなりに勇気を出して言ってみたのだが、幽霊が反応を見せることはなかった。

 ということは、俺が殺されるということもなかったというわけだ。

 明らかにセクハラなのは、幽霊だって理解しているはずだ。

 ……これ、いけるんじゃね?





「めくりまーす……」





 声を小さくしながら言って、俺はワンピースに手をかけた。

 薄汚れているのは……血とかじゃないよな?

 これが、今までこの部屋を利用して殺された被害者のものとかだったら、ちょっと漏らしそう。

 まあ、止まる気はないんだけどさ。

 俺はスルスルとワンピースを上げていく。





「うぉっ。パンツ穿いてないじゃん」





 最初に見えるのは陰部だが、上から観察していっているので後回しだ。

 まずは、男にとっての夢と希望であるおっぱいだ。

 そのままワンピースを上げていくと……。





「おっ、引っ掛かった。やっぱり、大きいんだな」





 下乳のあたりでつっかえてしまう。

 これは期待で喉を鳴らしてしまう。

 わざとグイグイと引っ掛かるようにして……上にあげる!





「おぉぉぉ……」





 ブルンと現れた圧倒的重量のそれに、思わず見惚れてしまう。

 このままワンピースを脱がせてもいいのだが、幽霊は両腕を上げてくれることはないようだし、なんか半脱ぎというのも興奮するのでこのままである。

 俺は口角が上がりそうになるのを何とかこらえ、幽霊観察を再開した。

 やはり、男の羨望の的となるおっぱいだが……。





「大きいな。いや、本当」





 豊満な乳房は、俺も初めてお目にかかれた大きさである。

 F……いや、前に裸のお付き合いをした女の子もFと言っていたが、それよりも大きいし肉感的だ。

 もしや……Gか? まさに、ゴッドおっぱい。

 それだけの大きさなのに、垂れているということもない。

 若い幽霊なのか?

 乳首も桜色の色素が薄い綺麗なものだ。

 青白い肌に映えて、とても美味しそうである。

 これは芸術的なおっぱいだ……。なんというか、汚してはいけないというような神聖さすら感じる。幽霊だけど。





「よし、触診だな」





 やはり、見ているだけというのも物足りない。

 俺は触るぞ、幽霊! 殺すのはちょっと待ってくれ!

 本当はこれだけ立派なものなら鷲掴みにしたいのだが、やはり芸術性があるからなのか、人差し指で突いてみようと思う。

 さてはて、いかがなものか……。





「おぉ……」





 乳肉に指を当てると、ズプズプと柔らかく沈んで行った。

 柔らかい……が、それを押し返そうとする強い張りもある。

 おいおい、最高じゃないか。

 思わず顔をにやけさせてしまう。こんなエロい幽霊だったら、何も怖がることないじゃないか。

 俺は調子に乗って、色素の薄い乳首も指でピンと弾いた。





「――――――」

「おっ?」





 すると、今まで一切反応を見せなかった幽霊の身体が、ほんの少しではあるがピクンと反応したのである。

 少し様子を見てみるが……先ほどまでと変わらず、聞き取れないほどの小さな声でぶつぶつと呟いているだけである。

 ……やっぱり、殺されることはないみたいだ。

 まあ、殺されようが今更止める気は毛頭ないのだが。

 そこから、俺は散々に胸を弄ぶことにした。

 先ほどは指でチョンと突いただけだったが、今度は手を大きく広げて全体で豊満な乳房の感触を楽しむ。

 男の手でも零れ落ちてしまいそうなほどの豊満な胸は、弄っていてとても楽しい。

 グニグニと簡単に形を変える柔らかさも素晴らしい。

 口を寄せて、乳首を弄ることにする。

 舌を伸ばし、色素の薄い乳輪をベロリと舐め上げる。

 くるくると回って唾液でベトベトになってきたころ、乳首が硬く勃起していることに気づく。

 乳首が立っている……ってことは、幽霊もちゃんと感じるってことだよな?

 良かった。こういうことは、女の反応がなければ面白くないからな。

 満を持して、硬くいきり立つ乳首を口に含む。

 口内で、舌でベロベロと舐めまくり、時折弱く吸い上げてやる。

 片方の乳房も手で優しく撫でまわす。

 そんなことをしながらチラリと幽霊の様子を観察すると……。

 ビクビクと小刻みに身体を震わせているではないか。

 これは……。

 俺はニヤリと笑って……。





「――ッ――――」





 口内に含んでいた乳首をがりっと強く噛み、もう片方の乳房も痕が残るほど強く握りしめた。

 ギリギリと乳首を歯で挟んで引っ張り、乳房は強く揉みしだいてグニグニと形を変えさせる。

 すると、幽霊はビクンと大きく身体を震わせた。





「ぷはっ」





 乳首から顔を離して観察してみれば……。





「すっげ」





 噛んだ乳首はかわいそうなくらい赤くなって、ピクピクと震えながら硬く勃起していた。

 上をツンと向いているため、大きさにそぐわず乳房の形も綺麗に見える。

 手で強く揉みしだいた乳房の方は、こちらも赤くなってしまっていた。

 青白い綺麗な肌だったから、なおさらである。

 唾液で光り、痛々しい赤さも残る乳房は、どうにも興奮してしまう何かがあった。





「……怒らないのか?」

「――――――」





 割と酷いことをしている自覚はあるのだが、それでもまだ殺されることはないようだ。

 あいも変わらず、ブツブツと独り言をつぶやき続けている。

 まあ、それならいいんだけどさ。

 俺は幽霊観察に戻る。

 腹は腹筋が割れているというわけではないのだが、程よい肉付きの抱き心地が良さそうなものだった。

 ぽっちゃりと言うほどではない絶妙な引き締まり具合である。

 そして……。





「ちょっと抱きしめさせてね」





 俺はそう言って幽霊を抱きしめる。

 胸から腹の辺りに圧倒的な量感の乳房が当たって気持ちがいい。

 それに、生きている人間とは思えないほどひんやりとしているから、気持ちいい。

 改めて、やっぱり幽霊なんだなぁと思う。

 潰れる乳房の感触を楽しみつつ、俺は手をスルスルと下におろしていき尻肉を鷲掴みにした。





「こっちもボリュームあるな」





 尻肉はたっぷりと付いているが、こちらも垂れているわけではなくプルンとしている。

 持ち上げるようにしながら撫で上げると、柔らかくその形を変える。





「あー、揉んでるだけで気持ちいいわ」





 乳房の潰れる感触を味わいながら、豊満な臀部を揉みしだく。

 なに、この最高な状況? 幽霊最高じゃないか?





「よいしょ、と」





 俺は名残惜しく思いながらも、最後の観察のためにしゃがみ込む。

 臀部を離す際、べちっと強めに叩いておくことも忘れない。

 やっぱり、大きな尻を持つ女はこうして叩かないと失礼だし。

 しゃがみ込んでやはり青白い脚をスリスリと撫で始める。

 うん、適度な肉付き……というより少し多めだけれども、スタイルを崩すことのない絶妙の肉付きだ。

 脚フェチというわけではないのだが、ずっと触っていられる。

 そのまま、ムニムニとしていて気持ちのいい太ももを撫でていると……。





「お……」





 ぬめっとした液体に手が濡れた。

 見ると、それは上から垂れてきているもので……。





「幽霊もちゃんと濡れるんだな」





 というか、ちゃんと感じてくれていたのか。嬉しい。

 ……割と乱暴に扱っていたけど、大丈夫だったのか?

 この幽霊、案外M気質なところがあるのかもしれない。

 そんなことを思いながら、ついにオオトリの陰部を観察する。





「毛はちょっと生えてるな。それが良いんだけど」





 薄い茂みは、不潔というわけではないようだ。

 縮れ毛を軽く引っ張って見れば、腰を小さく震わせる幽霊。





「ちょっと足開いてね」





 そう言って、俺はゆっくりとこけないように肉感的な太ももを開いていく。

 幽霊も反応してくれないし動いてくれないけど、俺が動かす分には抵抗するつもりはないようだ。





「おぉ……めっちゃ綺麗じゃん」





 茂みの下にあった秘裂は、ぴったりと閉じていた。

 愛液でぬらぬらと濡れてはいるのだが、遊んでいた様子はない。

 死ぬ前も男遊びをしていなかったのか? 勿体ないな。

 まあ、ビロビロよりも今の方が全然いいんだけどさ。

 指で秘裂をクパっと開いてみると……ピンク色の綺麗なものだった。

 マジかー。幽霊って案外……というか、超上玉じゃん。

 今まで見ることができなかったのが、惜しく思ってしまうくらいだ。





「中は……結構キツイな」





 指をズプズプと挿入してみるが、キュッキュッと締め付けてくる。

 ガバマンよりましだが、これじゃあ痛みを感じるかもなー。

 中指を挿入しながら、陰部全体を揉みしだくようにする。

 ふわふわと当たる陰毛が心地いいし、プニプニとした柔らかさもまたいい。

 陰核はやっぱり一番感じるのか?

 そんなことを考え、中指を膣内から引き抜いて愛液で濡れたそれで陰核を撫でるように弄ると……。





「――――――ぉっ」

「おっ、反応した」





 ビクンと腰を震わせて、今まで一切聞こえなかった声を初めて聴くことに成功した。

 結構こもっていたけど、おぞましいってわけでもないんだな。

 ……ってか、そういう獣みたいな喘ぎ声って結構エロいから好きなんだよね。

 流石に、本当に獣みたいな声を上げられたら萎えるんだけどさ。





「そっかそっか。幽霊はクリ派なのか」

「――ぉっ――――っ」





 クリクリと執拗に撫でまわしていれば、ビクビクと腰を震わせて逃げるように身体をかがみ始める。

 何も感じないというわけでもなく、ちゃんと快感は得られるようだ。

 ……このスタイルで、エロいって最高じゃないか?





「ケツは……」





 むっちりとした尻タブを開いて、ツンツンと尻穴を突いてみる。

 クニクニと回りを撫でまわすようにしてから……指を持ってきて嗅いでみる。





「……匂いしないな」





 幽霊だから、排せつはしないのか?

 流石に便がついていたらあれなんだけど……ちょっと残念かも。





「しかし、汗はかくんだな」





 幽霊の腕を持ち上げて腋をさらす。

 毛が生えていないそこには、うっすらと汗が浮かび上がっていた。

 青白い肌の上に珠のような汗……エロい。

 ベロリと舐め上げてみれば、少しだけ身体を反応させる幽霊。





「……ここまでして殺されないのか」





 俺は内心驚いていた。

 正直、いつ殺されても不思議ではないと思っていたのだが……危害を加えられる様子が微塵もない。

 なに? この幽霊、案外良い奴なのか?

 しかし……そうかそうか。こんなことをしても、命の危険はないのか。なるほどなるほど。

 そういうことが分かってしまえば……。

 チラリと自分の身体を見下ろせば、下半身は硬くいきり立っていた。

 ……よし、何事も挑戦だ。

 俺は正面から黒い靄のかかった幽霊を見て、口を開いた。





「犯すね」





1.霊子さん





『5』





 俺のその言葉を聞いても、幽霊は反応を見せなかった。

 ということは、了承してくれたということだろう。

 今更断られてもキツイし。もう超ヤリたい。

 幽霊にここまで欲情するとは思ってもいなかった。

 幽霊=怖いというイメージが付きまとっていたが、幽霊=エロいに変わりそうだ。

 というか変わった。

 とりあえず、ズボンを脱いでいきり立っている男根を解放するが……。





「さて、どういう風にヤろうか」





 幽霊は一切自分から動きを見せないが、俺が動かしたらそのまま動いてくれる。

 陰部見るときに脚を開いたらそうしてくれたし。

 正常位でヤるのも良いと思う。幽霊見下ろすって、なんだかすごい征服感がありそうだし。

 座位も良いだろうな。密着できて、幽霊のスタイルを考えれば物凄く気持ちよさそうだ。

 騎乗位も、Gカップ近いおっぱいがブルンブルン揺れるのを下から見るのは圧巻だろう。

 ……いや、幽霊動いてくれないんだからこれはダメか。

 でも、最初はやっぱり……。





「バックだな」





 後背位。好きなんだよな、自由に強く動くことができるし。





「えーと……こっち、来てくれる?」





 ひんやりとする腕を掴んで、布団の上にエスコートする。エスコートもクソもないか。

 幽霊は抵抗することもなく、こっちに来てくれた。

 そんでもって、膝をついて手で支えて、四つん這いになるように誘導して……。





「できた」





 幽霊、バックスタイル。

 むっちりとした突き出される臀部、垂れる圧倒的量感の乳房。

 顔が見られないのは残念だが、ブスだったらあれだし良しとしよう。





「よし、ヤるか」





 俺は肉付きの良い尻を撫でまわしながら、男根を秘部に近づけていく。

 もう観察の時点で濡れているみたいだし、入れても問題ないだろう。

 グニッと尻タブを開けば、ぴったりと閉じた秘裂と尻穴が。





「これから、俺は男になる……」





 いや、童貞というわけではないのだが。

 ただ、幽霊とそういうことをする……何だか一皮むけるような気がしてならない。

 幽霊も逃げたり殺しにかかってきたりすることはないので、待ち望んでいる……と勝手に解釈させてもらおう。





「お邪魔しまーす」





 秘裂をこじ開け、膣内に男根をゆっくりとねじ込んでいく。

 結構大きい方だから苦労する女もいるのだが、どうやら幽霊は柔らかくかつ適度に締め付けて迎え入れてくれるようだ。

 というか、中が冷たい。なにこの新感覚。

 温かく迎え入れられるというのも気持ちがいいのだが、このひんやりとしたものに突っ込むというのも……またいいものだ。





「ふー……」





 しかし、キュンキュンと締め付けながらもぐねぐねと蠢く膣内は、大変な名器だ。

 後先考えずに突っ込んだら情けなくイってしまいそうになるので、半分くらい入れたところで一度止まる。

 まあ、それなりに大きいので、それでもかなり中を侵していると思うんだけど……。

 むちむちの尻肉を撫でまわしながら青白い幽霊を見下ろすと、小さく小刻みに震えていた。

 感じているのだろうか? 嬉しいし、感度も良いことが分かった。

 ニヤニヤとしながら尻を撫でまわしていると、大分落ち着いてきた。

 よし、全部一気に入れてみるか。

 幽霊の声も聞いてみたいし。

 俺はそう思って、一気に残っていた半分を押し入れた。





「――――――ぉっ♡」





 ズプン!





「お?」





 パン! と音が鳴り、腰と張りのある臀部が密着する。

 男根を一気に押し入れて、子宮口が潰れる感触がした。

 これは、もう少し慣れてきたら入るんじゃないか?

 そんなことを思いながらも、俺が気になっていたのは幽霊がほんの少し発した甘い声だった。





「ね。今、感じた?」

「――――――」





 身体を倒して、幽霊に覆いかぶさるようにする。

 耳元に顔を寄せて、そんなことを聞いてみた。

 しかし、やはり幽霊が答えることはなかった。

 俺は垂れて牛のようになっている巨乳を揉みしだきながら、残念に思う。

 だが……それと同時に嗜虐心がわいてきた。

 この澄ました幽霊を、快楽でヘロヘロにさせてみたい。

 俺は乳首をギュッと摘まんでから、もう一度身体を起こす。

 四つん這いになって、逸物を受け入れているエロいスタイルの幽霊。

 泣かせてやる。





 ♡





「――ぉっ――――ぉっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 一定のリズムで男根を出し入れする。

 腰がぶつかって、たわわな尻肉は見事に波打つ。

 ギュッと鷲掴みにして腰を振りたくれば、より激しく打ち鳴らすことができる。

 膣内は男根を中へ中へと導くように蠢き、締め付けてくる。

 まさに、名器と言えるだろう。経験浅かったらすぐに出ていただろうな。





「ぉっ――ごっ――ぉっ♡」





 幽霊の身体に覆いかぶさるように倒れると、ぐぐぐっと男根が奥までねじ込まれる。

 子宮口をぐりぐりと押してやれば、声を絞り出す幽霊。

 ただ、ガクガクと四肢を震わせながらも、四つん這いという姿勢は堅持している。流石だ。

 冷たい身体に密着すれば、動いていてこもっていた熱が抜けていくような感じがして心地いい。

 両腕を前面に回して、ダプダプと重たげに揺れる豊満な乳房を鷲掴みにする。

 牛の乳を搾るように、根元からぐっぐっと搾りあげていき……。





「――――――おぉぉっ♡」





 ピンと尖った乳首を押しつぶす。

 すると、全身をビクビクと震わせ、膣内をぐねぐねと蠢かせる。

 乳首、弱いのか?

 それなら……と、俺は少々腰を振るには窮屈だが、身体を倒しながら乳房をもみくちゃにした。

 ビクンビクンと身体の下で震える幽霊が面白い。





「ぉっ――ぉっ――ぉっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 再び身体を起こし、男根を出し入れする。

 尻穴を親指でぐりぐりと弄りながら思ったのは、大分声が出てきたというものだ。

 こもっているけど、喘ぎ方が俺好みで良い。興奮するし。

 男根は愛液でぐしょぐしょに濡れているし、下に敷いてある布団もビチョビチョだ。

 幽霊はだいぶ感じていると言っていいだろう。

 だが、まだ泣かせているという実感はない。

 もっと……前後不覚になるくらい追い詰めることが、男としての本懐なのだ。





「ということで、そろそろ本気出すね」





 俺は腰を振りながら、幽霊に宣言する。

 今まで、ただ幽霊の身体に溺れていたというわけではない。

 ちゃんと犯しながら攻略方法を探っていたのだ。

 要は、幽霊の超感じるスポットを、挿入しながら探していたのだが……見つけたのだ。

 女にはそれぞれそういう特別なスポットがあり、いかにそこを見つけられるかがポイントなのだ。

 そこを責められない限り、いくら犯したところで堕ちることはない。

 逆に言えば……そこさえ徹底的に責めてしまえば、どんな野郎でも勝ちは確定なのである。

 今までの女は『もう本当にいいから!』や『本気で死ぬから止めて!』とかいろいろ言われてきたが、幽霊ならいけるだろ。多分だけど。





「幽霊ちゃんの感じるところはね、ここ」





 そう言って、俺は尻を抑えながら膣内のスポットに男根を押し付けるのであった。





「ごっ……おぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」





 その反応は、劇的だった。





1.霊子さん





『6』





 もう、幽霊の嬌声はこもっていなかった。

 獣のような喘ぎ声は変わらなかったが、割と透き通った声。

 ……というか、そういう声しか出せないのではないかとさえ思う。まあ、エロいからいいけど。

 そんな幽霊は、彼女の弱点スポットを突かれたことによって、身体をビクンと大きく震わせた。

 背筋を折らんばかりに反らして、顔を跳ねあげる。黒い靄は相変わらずだが。

 豊満で重そうな乳房もブルンと大きく上下に揺れた。

 ……次は騎乗位か座位をしよう。正面から、あのおっぱいをもみくちゃにしたい。

 それと同時に、幽霊の尻に密着させている俺の下半身がなんだか温かく……。





「って……ああ、漏らしちゃったのか」





 小便……ではないようで、少し安心した。

 プシャッと潮を噴いてしまったため、彼女と俺の下半身はべちゃべちゃになってしまったし、垂れ落ちるせいで布団が濡れはじめた。

 ああ……これはもう洗わないといけないな……。





「こら、おもらしはダメだろ」





 そう言って、肉付きの良いお尻をペチペチと軽くはたく。

 それだけでも、元が綺麗な青白い肌なので、少し赤く染まった。

 こんなことを言ってはいるが、正直こんなに感じてもらった方が俺的にも嬉しいので良い。

 しかし……ひんやりした膣内がすんごいうねっている。

 もうぐねぐねでしかも締め付けてくるので、射精をこらえるのが大変だ。

 この幽霊の身体なら何度でも出せそうだが、やはり相手の女を一方的にイかせていることが、征服感につながるのである。





「うぉっと。限界か」





 今まで必死に四肢を立てて姿勢を保ち続けていた幽霊であったが、ついに肘を屈して上半身を布団の上に投げ出してしまう。

 潰れた乳房が横からはみ出ててエロい。

 腰をがっちりと掴んでいたため、むっちりとしたお尻だけは掲げられていた。

 しかし、幽霊は限界か。もしかして、あんまり経験がないのか? 耐性が薄いように感じた。

 ……仕方ない。まだまだ余裕はあるのだが、一度射精したら終わりにしてあげようか。





「最後だから頑張ってくれよ」

「ごぉっ♡」





 幽霊の膣内スポットにカリをズリズリとこすり付け、投げ出された彼女の腕を掴んで後ろに引っ張る。

 そうすると、無理やり幽霊は身体を起こされることになり、ブルブルと量感のあるおっぱいが揺れた。





「んぉっ、んぉっ、んぉっ、んぉっ♡」





 パンパンパンパン!





 相手のことを考えず、ひたすら激しく男根を出し入れする。

 まあ、相手は幽霊だし、そんなに気遣わなくても大丈夫だろう。

 ……終わったら殺されるかもしれないけど。

 しかし、そう思うと、最後だったらめちゃくちゃにしたいなと思ってしまう。

 平均の長さでは届きにくい場所にある弱点をひたすらに責めているため、幽霊は俺のされるがままだ。

 ガクガクと頭を振っているし、ブルンブルンと乳房は千切れんばかりに揺れ、なんかもう玩具のように扱われている。

 しかし、嬌声は激しく上げているし、陰部からもビシャビシャと愛液を絶え間なく分泌させているので大丈夫だろう。





「おっおっおっおっ♡」

「そろそろ出すぞー」





 パンパンパンパンパンパンパンパン!!





 キュンキュンと締め付けてくる冷たい膣内に、射精感を我慢するのもそろそろ限界だった。

 今までで一番激しく膣内を抉る。

 むっちりとした臀部も赤くはれ上がり始めている。

 そして……。





「おごぉっ♡」





 ビュルルルルルルルルルルルルルッ!!





 ドチュッ! と一番奥に突き入れ、子宮口をこじ開ける。

 そして、直接精液を注ぎ込んでやった。

 これが、生きている女だったら避妊とかの関係で中出しはなかなかできないのだが……幽霊なら子供もできる心配はないし、遠慮なく出させてもらう。

 幽霊は射精されても絶頂しているのか、ビクビクと身体を痙攣させていた。

 大きく跳ねあがって、そのまま後ろに倒れてくるので受け止めてやる。

 ひんやりとした汗で湿ったムチムチの感触が堪らない。

 思い切り強く抱きしめ、精液を全て吐き出そうとする。

 ついでに、首筋に思い切り吸い付いて痕を残しておく。

 なんだか、こういうことは支配欲が満たされて気持ちいいんだよな。





「ふー……」





 全てを子宮内に注ぎ込めたので、きつく抱きしめていた幽霊の身体を離す。

 すると、そのままべちゃりと布団の上に倒れるのであった。

 男根を引き抜けば、ブポポッと凄い音を立てて精液が逆流してきた。

 さらに、幽霊は……小便を垂らし始めた。

 ……布団、ぐしょぐしょじゃん……。





「さて、どうするかな……」





 俺は幽霊の側に座り込み、ムチムチのお尻を揉み始めた。

 ピクピクと反応するのが面白い。

 どうするか、というのは、もちろん精液……よりも幽霊の体液で濡れた男根である。

 こういう時、普通の女だったら口に突っ込んで綺麗にしてもらうのだが……黒い靄のかかっている幽霊、口があるのか。

 そんなことを心配するくらい、俺はもうこの幽霊を離すつもりはなかった。

 身体はエロいし、感度も良いし、肉体的な相性も良さそうだし……離す理由はない。

 まあ、あちらが俺を殺そうとしてくるのであれば、どうすることもできないが。





「喉渇いたし、水とってくるか」





 ぐったりとうつぶせになっている幽霊のお尻をペチンと叩いてから、俺は立ち上がる。

 小さな冷蔵庫にミネラルウォーターをいくつか入れていたはずだ。

 幽霊も色々と体液を垂れ流したし……普通だったら喉が渇いているだろう。

 まあ、一緒のペットボトルで良いか。

 俺は冷蔵庫から一本だけ水を取り出し、ふたを開けて喉を潤した。





「あー……ヤった後の水ってすっげえ美味いよな。何でだろう?」





 喉を潤したら、今度は煙草を吸いたくなってきた。

 普段は別に吸いたいとも思わないのだが……ぐったりしている女の側で吸うのは好きだ。

 台所に置いてあった煙草を加え、火をつけて紫煙を吐き出す。





「ふー……幽霊も水飲むかな?」





 そう考えて、ペットボトルを揺らしながら戻ってくると……。





「……あれ?」





 うつぶせに倒れて陰部から精液と小便を垂れ流していた幽霊の姿は、なくなってしまっていた。

 ……逃げられたか? 最悪だー。

 というか、俺を殺さなくてもいいのかよ。

 夢ではないことは明らかだ。布団がぐしょぐしょに濡れているから。





「……俺、どこで寝よう?」





 煙草を吐きながら、俺はそう呟いたのであった。





 ♡





 キョロキョロとしている男を見て、彼女は改めて変な男だと思った。

 愚かにもこの部屋に入居してきた生者……また、殺してやるか追い出してやるかしてやろうと考えていた。

 少しでも怯えたら……逃げようとしたら、殺してやろうと。

 だが、男が向けてきたのは情欲だった。

 ……これには、彼女も愕然としてしまった。

 幽霊に性欲をぶつけようとする馬鹿がどこにいるというのだろうか?

 もしかしたら、世の中にそのような奇特な者がいるのかもしれないが、彼女は間違いなく初対面であった。

 そのため、どうにも殺すとか、そういうことを考える気にならず……。

 それとも、生前のことも含めて非常に久しぶりだったからか、男を受け入れてしまった。

 ……まさか、自分が寂しかったということはないだろう。自分は幽霊なのだから、寂しいなんて感情があるはずがない。

 大人しくしてやったら、男は調子に乗って胸を揉んだり尻を撫でたりしてきた。

 それだけならまだしも、腋を舐めたり尻穴を弄ってきたときは本当に殺してやろうかとさえ思った。

 だが、その後殺されかけたのは自分の方だった。

 イかされすぎて成仏しかけるって、どういうことだ。

 自分の身体とは思えないほど、男が何かをするたびに身体が跳ねて痙攣し、何も考えられなくなるようになったのは初めての経験であった。

 今も、不可視化しているが、彼女は部屋の隅で身体を投げだしている。

 胸がつぶれるのは苦しいのだが、腰が抜けて力が入らないのだ。

 無責任にも中出ししてきやがったので、陰部から精液がこぼれる。

 不覚にも、小便まで漏らしてしまったようだ。

 必ず……必ず報いを受けさせなければならない。

 そのためにも、まずはまったく力が入らなくなった身体の回復に努めなければならない。

 幽霊は、入居者の男を黒い靄の中から睨みつけるのであった。





 ♡





「そ、その後は……!?」





 目をギラギラさせて俺を見てくる友人。

 ちょっとキモイぞ、お前。





「後も何もないよ。それから、しばらくは出てこなかったし……次に出てきたのは一週間後だったかな?」





 その間、大学に入学して、俺と同じ新入生やサークル勧誘していた先輩を食べていたわけだが。

 親しい人もおらず新生活に浮足立っている新入生とヤるのは案外簡単だし、新入生を味見してやろうという先輩とヤるのはもっと簡単だ。

 可愛い子もいたし、散々に泣かせたのだが……。





「やっぱり、あの幽霊より良い奴がいなくてさー」

「……お前、結構女漁り酷かったよな。なんか川路は凄いって噂があったし」

「そうなの?」





 その噂は知らなかった。

 ただ、あの幽霊とヤってからうまく手加減をすることができず、ついつい張り切ってイかせ過ぎてしまったことは多かったかもしれない。





『ご、ごめん! もうホントに無理だから……あああああああああああっ♡』

『こ、壊れる! おまんこ、壊れちゃうからぁっ! んひぃぃぃっ♡』

『こんなの、知らない! もうずっとイって……あぁぁっ♡』





 ……何故彼女たちは失神から復帰して俺に殴り掛かってきたのか。





「まあ、いいや。それで、続きは?」

「お、おう……」





 そんなギラギラした目を向けられても嬉しくないな。

 と思いつつも、俺は口を開くのであった。

一端終わりです。

また区切り良い所まで書き溜めます。





やる気につながるので、良ければ下にある評価をしていただければ嬉しいです。

では。





1.霊子さん





『7』





「あー、つっかれたぁ……」





 俺はため息を吐きながら、アパートに向かって歩いていた。

 新入生になって大学の授業も始まったのだが、時間割を見れば必修が週六日入っていた。多すぎだろ。

 週一日しか休みないじゃん。

 別に、勉強がしたくて入学したわけではない不真面目な俺からすれば、有難迷惑であった。





「でも、可愛い子が多くて、それだけは良いな」





 新入生も上級生も、可愛かったり綺麗だったりする女が多かった。

 何人かすでに肉体的なお付き合いをさせていただいたのだが……ヤった後に襲われたのは驚いた。

 どうにも、あれ以来手加減が上手くできていない。

 まあ、後で皆連絡先を教えてくれたから、本気で怒っているわけではないのだろうが。

 ヤりたい時に連絡を取り合うセフレとして、よろしくお願いしたい。

 しかし……そんな彼女たちを相手にしても、俺の欲望は満たされることはなかった。

 やはり、原因はあのドエロ幽霊だろう。

 あの青白い肌、Gカップ並の巨乳、ムチムチの尻、ひんやりとした名器……最高の女だった。

 余計なことを話さないというのも、俺的にはよかったのかもしれない。

 そんな彼女は、俺の布団をグショグショにしておいてあれから姿を消していた。

 もう、一週間になる。

 ……まさか、違う場所に移ってしまったのだろうか?

 いや、それはないだろう。アパートの地縛霊みたいな感じだったし。

 ……そう言えば、様子を見に来た大家さんが『今まで大体三日で……』とか意味深なことを言っていたが……なんだったのだろうか?

 それよりも、あの幽霊……どこに行ってしまったのだろうか?

 まさか、俺がこんな一人の女に執着するとは思わなかった。

 ……また、適当なセフレのとこ行って慰めてもらおうか。

 彼女たちを呼ぶのもいいのだが、なんだかアパートの評判が物凄く悪いらしく、いつも俺があちらに行っている。

 まあ、別にいいのだが。





「ただいまー」





 俺は自分の部屋の扉を開けて、中に入る。

 惣菜は……そのまま食うか。

 そんなことを考えながら部屋に入ると……。





「おぉっ」





 そこには、あの幽霊が立っていた。

 相変わらず薄汚い白のワンピースを身に着け、顔は長い黒髪で隠れて見えない。

 しかし、これは間違いなくあの幽霊だった。





「久しぶりー。どこ行ってたの?」





 なんだか異様に気安く話しかけてしまった。

 精神は肉体に引っ張られるともいうし、一度セックスをしたから心の壁みたいなものも取り払われているのだろうか? 相手はどうなのか知らないが。

 しかし、これほど親しく感じることはなかったのだが……一週間もお預けされていたからだろうか? 俺も案外ちょろいものだ。

 それに、殺されるということもなかったから、ちょっと調子に乗っているのかもしれない。

 これは、後で痛いしっぺ返しをくらことだってあるだろうなぁ……。





「――――――」





 相変わらず、幽霊は俺の問いに答えることはなかった。

 だが、少し違う点が……何だか、俺の方を見てくれている気がするのである。

 顔が隠れているので確証はないが、身体の向きは確実にこちらを向いている。

 ……これだけで嬉しくなるとか、俺本当にちょろいんだな。

 さて、これからどうしようか?

 俺を殺しに来た……というわけでもなさそうだ。何だか様子見をされている気がする。

 俺は相変わらず豊満な乳房を見ながら、考えていた。

 ……やばい、やっぱりヤりたいわ。

 薄いワンピース越しにも分かる立派な双丘は、俺の目を惹きつけてやまない。

 くぅぅぅ……しかし、我慢もしなければならない。

 女というものは、男と違って雰囲気を大切にするものなのである。

 まあ、たまにドエロい子もいるし、そういう子が好きなんだけど。

 ……この幽霊も、どちらかといえば後者だよな? 以前、雰囲気もへったくれもなくヤったし。

「あー……飯、食う? 俺の分しか買ってないから、半分半分になるけど」

 とりあえず、せっかく買ってきた弁当を食べてしまおう。

 セフレだったら、食べながらもヤるということもいいんだけど、まだ幽霊の性格も分かっていないしなぁ……。

 小さなテーブルに弁当を置いて、その前に座る。

 ちょいちょいと幽霊を手招きするが……。





「――――――」





 う、動きなし。

 やはり、警戒されているのだろうか?

 それも当然だろう。以前はいきなり犯して、散々にイかせてしまったのだから。

 俺は立ち上がり、幽霊のすべすべで青白い腕を優しく引っ張る。

 すると、抵抗されることもなく、こちらに近づいてきて隣同士で座った。

 うーむ……こういうことで抵抗されたりもしないのだから、嫌われているというわけではなさそうなのだが……。





「――――――」





 しかし、どこか身体を硬くさせているような気がする。

 これは、以前なかった反応だ。

 ……徹底的に追い込んでしまったセフレのような反応を見せる。

 やはり、喋らないし反応もほとんどしないが、何も感じていないというわけでも感情がないというわけでもないのだろう。

 うん、そっちの方がいいかもしれない。

 しかし、こんなに身を固くさせているならば、胸や太ももを触るのはよした方がいいだろう。

 本当は上に乗せていじくりまわしながら飯を食べたかったのだが……それでまた来なくなってしまったら悲しいし。





「うん、のり弁美味い」





 弁当を開けて、むしゃむしゃと食べ始める。

 割と性欲に比重が傾いているため、あまり食事は好きというわけではないのだが……幽霊が久しぶりに出てきてくれたからか、凄く美味しく感じる。





「……食べる?」





 俺はそう聞いて、幽霊の前に弁当を移動させた。

 箸も渡そうとするが……やはり、彼女が自分から動くことはなかった。

 うーむ……あんまり反応されないと悲しくなるな。

 動きはしないが、興味はあるのだろうか、幽霊の視線は弁当に向いている気がする。

 というか、頭を垂れているから髪の毛が弁当の中に入りそう。別に気にしないけどさ。

 しかし、幽霊が自分から食べられないのであれば、仕方ない。

 俺は海苔とご飯を適度に摘まんで、幽霊の前に差し出す。





「はい、あーん」





 ……こんなことをしておいてなんだが、この幽霊に口はあるのだろうか?

 いや、あるのはあるのかもしれない。以前、ヤっていた時は声を出していたからだ。

 しかし、顔が黒い靄で覆われているため、まったくわからないのだ。

 普通の人間のような口なのか、口裂け女みたいな口なのか、はたまた口がいくつもあるような化け物の顔なのか……。

 まあ、何にせよ、こんなエロい身体で相性も抜群なのだから、手放す気は毛頭ないが。





「お?」





 そんなことを考えていると、幽霊がじーっとこちらを見ている……ような気がした。

 彼女の視線は、俺と差し出されるのり弁にフラフラとしている……ような気がする。





「おぉっ?」





 そして、なんと幽霊はゆっくりと独りでに動き出したのである。

 いや、別に普通のことなんだろうが、今まで身体を動かされようが犯されようが自分からは決して動こうとしなかった彼女が初めて見せた自分からの動きだったのだから、驚いても仕方ないだろう。

 俺が固唾をのんで見守る中、幽霊はゆっくりと顔を箸の上に乗っている海苔と米に近づけていき……。





「おぉぉぉっ」





 髪をかきあげ、黒い靄に海苔と米を吸いこんだのだ。

 ……結局、顔は見えなかった。

 しかし、もぐもぐという咀嚼音は、非常に小さいが聞こえてきた。

 そして、ゴクリという音とともに咀嚼音は止んだ。

 再びじーっとこちらを見てくる幽霊。





「ちょっと待って。俺も食いたいから」





 そう言ってのり弁を食べ、また幽霊に差し出すということを繰り返す。

 幽霊は相変わらずゆっくりとした動きのものの、顔を寄せていっては食べ物を靄の中に取り込んで食していた。

 しかし……そうかぁ……。

 ふむふむ、なるほどなぁ……。





 ――――――幽霊にも、口はあるのか。





 見れば、弁当もすでになくなっていた。二人で食っていたため、時間も速かったのだろう。

 ……よし、試してみるか。

 俺はすっくと立ち上がり、ズルリとズボンを脱いだ。

 中からは、まだ勃起していない男根が露わになる。

 下半身半裸の状態で幽霊の方を見れば、ビクッと身体を硬くさせて警戒している様子を見せる。

 そんな彼女を見下ろしながら、俺はニッコリと笑って言った。





「これ、口で奉仕してくれない?」





1.霊子さん





『8』





 男として、女にしてもらいたいエッチなことといえば何だろうか?

 これに関して、絶対的な答えはないだろう。

 何故なら、多くの男たちの性的嗜好は人それぞれなのだし、それぞれに至高のものがあるはずなのだ。

 だが、多くの男たちは、口で奉仕されることに忌避感を抱くことはないだろう。

 それは、セックスのどの過程においても効果的な素晴らしき性技である。

 たとえば、序盤戦の勃起させるという目的のためのお口奉仕。

 たとえば、中盤戦の精液を搾り取るという目的のためのお口奉仕。

 たとえば、終盤戦の使用してドロドロになった逸物を綺麗にするという目的のためのお口奉仕。

 どの過程においても、お口奉仕……すなわちフェラチオというものは効果的であり、男にとって大変ありがたい性技なのだ。

 もちろん、俺だってセフレとセックスする時は、口でしてもらうことなんてザラにある。

 俺から求めることだってあれば、あちらから求めてくることだってある。最高だ。

 しかし、そんなセフレたちよりも俺が焦がれていた幽霊は、そもそも口があるのかという懸念があった。

 自分から動こうとしないことも非常に厄介なことなのだが、そもそも口がなければあの気持ちのいいことはしてもらえないのである。

 俺は考えた。口がなくたって、身体エロいしいいじゃん? と。

 うむ、確かにそれはそうなのだ。相性も抜群だし、精液搾り取られるような身体だし、言うことはない。

 だが……贅沢を言うのであれば、やはりお掃除フェラをしてほしい……!

 まあ、今はお掃除どころか立たせることが目的のやつなのだが。





「――――――」





 逸物を彼女の前に差し出したのだが、幽霊はやはり反応を見せず。

 ……なんだろう、ちょっとショック。

 いや、鼻で笑われたらメンタルブレイクしてしまうのだが、何の反応もないのも……結構キツイ。





「フェラは……分かるよね? そんなエロい身体しておいて、今まで経験ないとかないだろうし」





 ぶっちゃけ、処女は面倒だ。

 一から教えて開発していくというのも楽しそうだが、よっぽど可愛いか人間的にできていないと途中で飽きてくるし面倒になってくる。

 この幽霊なら、それでも全然いいのだが……まあ、ある程度経験があることに越したことはない。

 しかし、自分から動いてくれないので、経験のあるなしがさっぱりわからない。





「お……」





 そんなことを考えていると、幽霊は自分から動き出した。

 ゆっくりとだが、男根に顔を近づけている。

 おぉ……これは、ドキドキする。

 黒い靄がかかっている顔が、超至近距離になる。

 その中に男根を突き出すというのも、なかなかに抵抗はある。

 吸いこまれたり、噛み千切られたりしたらショック死しそう。

 そんな危惧を抱きながらも、俺は腰を突き出すことを止めなかった。

 やはり、口でしてもらえるというのは抗いがたい魅力があったし、それに、この幽霊がそんなことをするようには思えなかったのである。

 ……家賃が50円になるくらい元入居者たちを苛め抜いたらしいが、布団の上でビクンビクンしていた彼女がと思うと、何だか警戒するのも馬鹿らしくなる。

 そんなことを考えているうちに、幽霊の顔の靄に男根が飲み込まれて……。





「うぉっ」





 ペロリと舐められた感覚がした。

 ほほう、いきなり銜え込むようなことはせず、舌で愛撫するという焦らしに出るわけか。

 それにしても、舌も冷たいな。

 いや、この前入れたときも冷たかったから、簡単に予想はできたが。

 それから、幽霊はまるでアイスキャンディーを舐めるかのように、ペロペロといじらしく男根を舐めはじめた。

 亀頭をペロペロと舐められて、どんどんと硬さと大きさを増していく逸物。

 長い髪と黒い靄のせいでどのように愛撫されているのか窺うことができないことも、興奮を誘っていた。

 たまに、セフレに目隠しをさせて犯す時もあったのだが、その時凄い反応を見せる彼女たちの気持ちが分かった気がする。





「あー……竿の方もお願いしていい?」

「――――――」





 幽霊はゆっくりと亀頭から竿の方へと顔を動かす。

 そして、横からペロペロと舐めはじめた。

 あー……正直、射精するくらい気持ちがいいというわけではない。

 だが、なんというか……拙い感じがこそばゆく心地いい。

 なんだろう……子供を相手にしている時のような親心感……。

 しかし、彼女の胸部に存在する双丘の大きさから、子供でないことは明らかだ。

 後で、おっぱいも揉みしだきたいものだ。

 しかし、今はお口奉仕である。





「そのまま根元の方に行ってー」

「――――――」





 幽霊は俺の言葉に従って、徐々に根元の方に舌を伸ばし始める。

 いや、実際には黒い靄で分からないのだが、ぬめっとした感覚は間違いなく根元へと向かっていた。

「はい、そこで匂いを嗅いで」

 ピタッと身体を止める幽霊。

 舌で舐めるようなこともしていない。

 だが、俺は黒いボサボサの髪を撫でながら、見下ろして言う。





「嗅げ」

「――――――」





 幽霊の黒い靄の中から、スンスンと鼻を鳴らす音が聞こえた。

 ちゃんと嗅いでくれているのだろう、俺は優しく幽霊の頭を撫でた。

 シャワーも浴びていないし、割と匂いはキツイはずだ。

 少なくとも、俺は嗅ぎたいとは決して思わない匂い。

 だが、これは女によるのだが、一部のエロい女には情欲を誘う媚薬のような効果を発揮する。俺は理解できないけど。

 以前、一度ヤって、この幽霊もその類のエロい女なのではないかと、俺は半ば確信した考えを持っていた。





「――――――」





 はたして、彼女は身体をブルルっと小さく震わせた。

 匂いを嗅いだだけで、彼女の女の部分が刺激されたのである。





「よーし。次、金玉舐めて。ちゃんと、味わうようにして」

「――――――」





 幽霊は抵抗しなかった。

 ペロペロと、ひんやりとしている舌で雄の匂いが非常に強い陰嚢を舐めはじめた。

 あー、良い。割と、陰嚢を舐めるということに抵抗のある女も多いのだが、幽霊はちゃんとできちゃうエロい女だった。

 セフレも最初は嫌がる子もいるからなー。ずっとイかせてたら、言うことを聞いてくれるようになるけど。





「どう? 美味い?」

「――――――」





 幽霊は反応を見せなかった。

 しかし、しきりに陰嚢を舐めているし、男根に当たる鼻息も荒くなっている気がする。

 うーむ……エリートエロ幽霊……。





「まあ、舐めているだけじゃ、いまいち味は分からないか」





 俺は優しく撫でていた幽霊の頭を掴み、引き離す。

 そして、唾液で適度に濡れている男根を、改めて彼女の眼前に突き出して言った。





「咥えて」





1.霊子さん





『9』





 身体を硬直させる幽霊。

 しかし、どうしても咥えてほしかった。

 やはり、拙くペロペロされるのもいいのだが、射精につながるかと言われればそれはないのである。

 なんというか……非常にもどかしい。

 勃起させるという目的なら達成されているのであるが……うーむ、物足りない。





「というわけで、よろしく」





 俺は幽霊の眼前に男根を突き出すが、やはり抵抗があるのか警戒しているのか、幽霊は動くことはなかった。

 ……やったことがない、というわけではないよな?

 いや、普通あるだろう。潔癖症の女ならともかく……まあ、そういう女もイかせ続けてお願いしたらしてくれるようになるし。

 ということは、やはりまだ俺が信用されていないと考えるべきだろう。

 まあ、一回ヤったくらいで何でも身体を預けるようになる方がおかしいか。

 しかし、俺としてもここで食い下がるわけにはいかない。

 俺の中にあるのは、ただ咥えてほしいという純粋無垢な清々しいまでの性欲であった。

 仕方ない。人というものは、何かしらの報酬がないとなかなか動くことはできない存在だからな。

 ……それに、幽霊が当てはまるかは知らないが、まあ生前は人間だったろうしいけるだろう。

 俺は、ボサボサの長い黒髪を撫でて、言う。





「後で、またグチョグチョになるまでイかせてやるから。な?」

「――――――」





 ピクッと身体を反応させる幽霊。

 怒ったのだろうか? いや、大丈夫だろう。ここで殺されるのであれば、以前の時に殺されているはずだからだ。

 俺は、髪だけでなく頭皮を直接ほぐすように、優しく気持ち良くなれるよう撫で続ける。

 待って……待って……そして、ついに幽霊は顔を動かした。

 自分自身の唾液で濡れている男根を見て……ゆっくりと黒い靄の中に男根を受け入れていく。





「おぉぉぉぉぉ……」





 最初は、亀頭に唇のような柔らかいものが当たる感覚……そして、そこからズズズズズっと口の中に埋まっていくのが感じ取れた。

 ひんやりとしながらもぬめった感触に、思わず幽霊の髪をくしゃっとしてしまいつつ、声を上げてしまった。

 流石に感じている声は気持ち悪いので、驚いているというような声音だが。

 そのまま、ズズズっと男根は口らしきものの中に吸い込まれていく感触がして……竿の半分辺りの場所で止まった。

 ……噛み千切られる? と一瞬肝を冷やしたが、どうやらそういうことではないようだ。歯が当たっていない。

 ということは……これが、幽霊の限界なのだろうか?

 まあ、俺の逸物は平均よりは確実に大きいけど……別に、馬並というわけではないのだから、全部含めることができる女は存在する。

 うーむ……本当に、この幽霊は経験が少ないのだろうか?

 まあ、教えるというのも良いだろう。今度、家庭教師のバイトもしたいし。





「頭を前後に振って」





 優しく頭を撫でながら、幽霊にそう告げる。

 彼女はゆっくりと頭を前後に振り始める。

 ズズズっと亀頭ギリギリまで吐き出し、またズズズズズっと竿の半分くらいまでの場所まで含んでいく。

 それを、ゆっくりと複数回繰り返す。

 ……うん、俺の言うことを聞いてくれて嬉しいんだけどさ。

 ――――――これじゃあ、イけないんだけど。

 いや、頑張ってくれていることは分かる。

 うん、それは理解できるのだ。

 だが……ただ、本当に頭を前後するだけっていうのは……キツイかもしれない。

 なんだろうな……唾液をいっぱい溜めてやってくれれば、まだマシだったのかもしれないが……。

 ひんやりとした口内と合せて、出来の悪いオナホに突っ込んでいる気分。





「よし、舌も使ってみようか。こう……口に入れたまま舐めるような感じ」





 俺がそれを求めれば、ピタリと頭を止める幽霊。

 そして、口内でちろちろと男根を舐めはじめた。

 ……うん、素直に言うことを聞いてくれるのは良いんだ。なんか可愛く思えてくるし。

 しかし……うーん、やっぱりこれではイけそうにない。

 幽霊の特性で動くのが鈍いせいなのか、経験が明らかに足りていないせいなのか……。

 まあ、いいか。こういう時の対処法は……女にもよるのだが、聞いてみよう。





「ねえ、幽霊さん」

「――――――」





 彼女の長い髪をかきあげながら、声をかける。

 黒い靄越しに、不思議そうにこちらを見てくるのが分かった。

 俺は、そんな彼女に笑って尋ねる。





「幽霊さんってさ、Mだよね?」





 ビシッと置いてあったコップにひびが入った。

 ……えぇ?

 老朽化? いやいや、割と最近買ったもののはずなのだが……。

 ということは、やはり目の前の幽霊が何か超常の力みたいなものを発揮して、ひびを入れたのだろう。

 なんだっけ、こういうの……ポルターガイスト?

 しかし、そうか。散々犯されてもしなかったことをしたということは、Mだということを認めないということだろうか?





「違うって言いたいの?」

「――――――」





 彼女の髪を撫でながら聞くと、黒い靄越しにこちらを見てくる。

 ……肯定しているのか?

 ふーん……。





「じゃあ、試してみるか」





 俺はそう言って、彼女の頭をがっしりと掴む。

 髪をかき分け、皮膚を軽くほぐしてやりながら……。





「ごっ――――――!?」





 今まで半分までしか含んでいなかった幽霊の口内に、男根を根元まで突き入れた。

 驚愕している意思が伝わってくる。

 ふーふーっと荒い鼻息が、陰毛を揺らす。

 喉奥まで入っているから、普通の女だったら吐き出してしまうかもしれない。





「まあ、幽霊だしいけるだろ」





 そう言って、俺は腰を振り始めた。

 いわゆる、イラマチオである。

 危険だし、慣れていない女には絶対にすることのできない乱暴な性技なのだが……幽霊だし、多少の無理はいけるだろう。





「ごっ!? んぶっ! んぼっ!」





 といっても、もちろん俺だって膣内に挿入する時のように、本気で腰を振りたくっているわけではない。

 それに比べれば明らかに弱弱しく緩い腰振りだし、本当にヤバそうな所には入らないようにしている。

 だが、やはり幽霊は苦しいのだろうが……。





「ほら。怒らないの?」

「んぐっ! んぶっ! ぶふっ!」





 酷いことをしているのに、幽霊はコップにヒビを入れたポルターガイストを起こすことはなかった。

 何故? そんなもの、簡単だ。この幽霊が、こんな物のように扱われて興奮するような変態だからである。

 苦しげな幽霊の声と反比例して、ズチュズチュと厭らしい水音が立つ。

 唾液もたっぷりと分泌されているようで、先ほどまでのお粗末フェラと違って気持ち良さを感じる。

 抜かれるときの男根の竿は、幽霊の唾液でべたべたになっていた。

 竿からポタポタと唾液が垂れるほどである。

 黒い靄の中からも水滴が垂れ落ちているので、おそらく口の端からもこぼれているのだろう。

 まだまだ余裕はあるのだが、幽霊の方にそれがないように思える。

 というわけで……。





「今からちょっと出すから。こぼさないで、全部飲めよ」





 少し高圧的に命令する。

 当然、幽霊は返事をしないので、俺はそれを良いことに腰を振って……。





「んぶぅぅっ……!?」





 ビュルルルルッ!





 多少抑えつつも、射精したのであった。

 ひんやりとした冷たい口内に、精液を流し込む。

 彼女が逃げられないように、黒い髪の毛を生やした頭をがっしりと掴んで。

 逆流しない程度に精液の量を抑えたので、苦しくはないはずだ。

 さて、ここでさっさと男根を引き抜いてもいいのだが、そうすると幽霊は口から精液を吐き出すだろう。

 それは、認められないのだ。

 ふーふーっと鼻息が荒くなっており、陰毛が揺れる。

 おそらく、黒い靄の中から俺を睨みあげているのだろう。

 しかし、俺は精液を吐き出すことを許さない。





「飲め」





 高圧的に、また命令する。

 男根で口を蓋しているので、吐き出すことはできないだろう。

 ……噛み千切られたらどうしよう?

 表には一切出していないが、俺の内心はビビりまくりであった。

 怯えながらも維持し続けた結果、ついに幽霊は口に溜まった精液を飲み始めた。

 ゴクゴクと、小さく喉を鳴らしながら飲み下していく。

 そして……。





「よしよし、偉いぞー」





 俺は男根を口から引き抜き、優しく頭を撫でてやった。

 幽霊は、全ての精液の飲み下したのだ。

 うん、やっぱりごっくんは良いよね。男としては、興奮するのだ。

 唾液でテラテラと濡れる男根を見ると、まだまだヤれそうだ。

 まあ、抑えていたしね。





「おっ」





 ビシッ! と音が立って、またコップにヒビが入っていた。

 それをやったのは……やはり、幽霊。

 髪の毛を撫でられながらも、俺を睨みあげている……気がする。

 おそらく、怒っているのだろう。

 Mと言われたこと、そして、彼女をオナホのように使われてしまったこと。

 言葉を発しないから確証はないが、なんとなく怒る理由は分かる。

 しかし……。





「何で怒ってんの?」





 俺は、怯えることなく強気に出た。

 これには、幽霊の方が戸惑っているように感じた。

 俺は、自信があったからこそ、あんな高圧的な態度に出たのだ。

 何の根拠もなしに、超常の存在に対してあんな酷いことをできるはずもない。

 俺は、それを示すようにスルスルと腕を伸ばしていき……。





「――――ぉっ」





 汚れたワンピース越しに、幽霊の乳首を抓み上げたのだ。

 どうして、的確に乳首を当てることができたのか……理由は簡単だ。





「幽霊さんさ、今みたいな無理やり酷いことされて、乳首立たせてるじゃん」

「――――――」





 ワンピースを押し上げてしまうほど、彼女の乳首はいきり立っていた。

 クリクリと服の上から弄ると、小さく身体を震わせる幽霊。

 俺は乳首を弄りながら、下に手をやってワンピースを腕に乗せて持ち上げていき、彼女の陰部を揉む。





「――ぉっ――」





 ぐにぐにと肉厚の陰部を揉む。ふわふわとした陰毛の感触が心地いい。

 それと同時に、俺の手のひらがベトベトになるほど愛液が垂れていた。

 肉付きの良い太ももにも、何滴か垂れている。

 幽霊は、興奮していたのだ。

 男根を口の中に入れられ、無理やり頭を動かされて物のように扱われ、精液を強制的に飲まされて……。

 俺は思わずニヤリと笑ってしまう。

 やはり、今まで出会ったことがないほどのエロい上玉だ。





「分かるだろ? 幽霊さんはさ、Mなんだよ。男に良いように扱われて、興奮しちゃうんだよ」

「――――――」





 幽霊が答えることはない。

 だが、またコップにヒビが入るようなポルターガイストが起こることもなかった。

 認めたのか、それとも戸惑っているのか……。

 黒い靄に顔が隠れているためわからないが、激しく拒絶するということはしないようだし、できないようだった。





「よいしょ。……軽っ」

「――――――っ」





 その隙に、俺は幽霊のひざ裏に腕を回して持ち上げた。お姫様抱っこである。

 しかし……か、軽い。重さは感じるのだが、こんなおっぱいとお尻がデカい女の体重ではない。

 やっぱり、幽霊なんだなぁ、と改めて思う。

 幽霊はお姫様抱っこなんてされたものだから、明らかに身体を硬くさせていた。

 いきなりして申し訳ないとも思うが、しかし自分で動こうとしないのだから仕方ないだろう。

 俺は、片方の腕を背中から回して豊満な乳房を鷲掴みにしながら、幽霊を見下ろして言う。





「頑張ってくれたから、約束通りイかせてやるよ」

「――――――」





 幽霊が抵抗することはなかった。





1.霊子さん





『10』





 俺は布団の上に、お姫様抱っこをしていた幽霊を優しく寝かせた。





「前、布団をぐしょぐしょにしたまま消えるから大変だったんだぞ。マジで」

「――――――」





 幽霊が答えることはなかったが、俺は思わず憎まれ口を叩いてしまう。

 仕方ないだろう。今だって、布団にシミが残っているのだから。

 この部屋にセフレを連れ込んだことはないので、全部幽霊の潮であったり愛液であったりよだれであったり汗であったり……何か勲章みたいで誇らしい気もする。

 さて、と仰向けに寝かせた幽霊に覆いかぶさる。

 以前はバックからしたので、今回は正常位である。





「脱がすねー」





 俺はそう言って、薄汚いワンピースを脱がしにかかる。

 スルスルと上がっていき、肉付きの良い太もも、すでに濡れそぼっている陰部、引き締まった腹、そして……。





「相変わらず迫力凄いな」





 ブルン! と露わになるGカップ近い豊満な乳房。

 仰向けでも多少形は崩れることはあっても、不恰好ということはなかった。

 大きな山を描くそれに、喉を鳴らす。





「よし、じゃあ入れるぞー」





 乳房まで露わにすれば、ワンピースをたくし上げるのを止める。

 エロい身体を見て復活している男根を、くちくちと秘裂に当ててこすり付ける。

 正面から見てヤるのは初めてだ。せいぜい、楽しませてもらうとしよう。





「おっ♡」





 俺は、ズン! と一息に男根を突き入れたのであった。

 腰が密着し、お互いの陰毛が絡み合う。

 以前は嬌声上がるのが少し遅かったが、今回は最初からである。

 幽霊も興奮していたのか、それとも二回目ということもあるのだろうか……。





「これから、もっと時間をかけて開発してやるからな。入れられただけで、イってしまうように」

「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ズッ、ズッ、ズッ、ズッ!





 むちむちの太ももを抱え込み、男根を出し入れする。

 膣内はひんやりとしているが、愛液がたっぷりと分泌していてスムーズに動かすことができる。

 以前に知った弱点のスポットをカリで擦りあげてやれば、簡単にあえいだ。

 グチュグチュと愛液が大量に漏れ出して、淫靡な音を立てる。

 やはり、とんでもない名器。それなりに経験を積んでいるが、ダントツの気持ち良さだ。

 これに、口の奉仕のやり方などを覚えてしまえば、本当に最高のエロ女になることだろう。

 しかし、何よりも目を惹きつけるのは……。





「すっげえ躍動感」





 ブルンブルンと遠慮なく弾む豊満な乳房だろう。

 俺の腰の動きに合わせて揺れるそれは、見ているだけで射精してしまいそうになるほどだった。

 貧乳も良いんだけど、やっぱり巨乳は見ていて楽しい。

 俺の視線が胸に集中していることを感じたのか、幽霊は喘ぎながらもスルスルと腕を胸の方に持って行こうとする。





「おいおい。それはダメだって」





 なので、細くて青白い手首を掴んで、頭の上に押さえつけてやる。

 まるで、強姦している気分。

 しかし……。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ!





 声がさらに甘くなり、淫靡な音もかなり立ち始める。

 ……こうして無理やりされているようなシチュに、興奮しているのだろう。





「ほんっと、エロ幽霊だな」

「おごっ♡」





 弾む乳房を見て愉しみながら、ゴリゴリ! と弱点を抉る。

 すると、幽霊はビクン! と背を反らして絶頂した。

 両手首を押さえつけられているため、俺の下でエビのように身体を跳ねさせる。

 冷たい膣内はぐねぐねとうねり、射精を促してくるが……我慢、我慢だ。

 俺はイってないのに、女をイかせている時は征服感があって満たされるのだ。

 下半身が暖かいと思ったら、幽霊はまた潮を噴いたらしい。本当、エロい身体だな。

 幽霊がビクビクと下で痙攣させている間、俺は動くことなく優しく髪の毛を撫でていた。

 しばらくそうしていると、幽霊の痙攣が落ち着いてくる。





「落ち着いたか?」

「――――――」





 優しく微笑みながら言うと、幽霊は答えることはない。

 だが、膣内が絶頂から落ち着いたというのに、またキュンキュンと締め付けてくる。

 分かりやすいなぁ……。顔が見えなくても分かる。

 さて、幽霊も落ち着いたようなので……。





「じゃ、続きね」

「おぐぁっ♡」





 再び腰を動かしはじめれば、快楽を感じながらも「何で!?」と幽霊が視線を向けてきているような気がした。

 大体のセフレも同じような反応していたし。

 まあ、何でもクソもないのだが。





「めちゃくちゃにイかせてやるって言っただろ」

「おっ、うっ――ぉぁっ♡」





 男根を膣内に出し入れされて、幽霊は身体をビクビクと震わせて嬌声を上げる。

 小刻みに痙攣しているので、軽くイっている状態が続いているのかもしれない。

 愛液もとめどなく流れてくるので、彼女の陰毛はベトベトだし、俺の下半身も大分濡れてしまった。

 それでも、俺は腰を止めない。

 もう抵抗する気もないだろうと押さえつけていた手首から手を離し、俺の手が向かったのは……。





「やっぱり、おっぱいだよなぁ」

「ぉっ、ぁっ、あぉぅっ♡」





 腰を密着させて男根を子宮口にグリグリと押し当てながら、俺の手は豊満な乳房に埋まっていた。

 ピストンをするのではなく、グニグニとこすり付けるようにする。

 少し運動を抑えないと、おっぱいに集中できないからな。

 ムニムニと手から溢れるGカップおっぱいを揉みしだく。

 もともと体温が異常に低いのと、汗をしっとりとかいているため、ひんやりとした冷たさが心地いい。

 しかし、柔らかいのに張りがあるって凄いな。

 この幽霊、本当に俺の部屋に化けて出てくれてよかった。





「ありがとな、と」

「ぉぐぉぉっ♡」





 ピンと勃起していた乳首を押しつぶさんばかりに強く摘まみつぶしてやれば、ビクン! と大きく身体を跳ねさせる。

 ……胸だけでイったのか。

 いや、男根で子宮口をひたすら刺激してやっていたが、それでも胸の刺激でイけるというのは才能である。

 またキュウキュウと締め付けてくるので、我慢我慢。

 何度も一方的にイかせていけば、自然と上下関係というものが身につく。

 もちろん、日常生活でも発揮できるようなものにはなかなかならないが、布団の上なら何でも言うことを聞いてしまうようには仕立て上げることができる。

 俺は、幽霊をそんなエロ女に仕立て上げるつもりであった。





「はー、いいわー」





 未だビクビクとしている幽霊。

 俺は身体を倒し、豊満な双丘によってできる谷間に顔を埋めた。

 ひんやりとしており、火照った顔に心地いい。

 ムニムニと柔らかくも張りのある乳肉の感触が両側から感じられて、眠たくなってしまうほどの安心感があった。

 やっぱり、おっぱいは男の宝だ……。





「結構汗もかくんだな」





 谷間は空気の通りが悪いためか、珠のような汗が青白い肌に浮かび上がっていた。

 仕方ないので、そこを舐めて綺麗にしてやる。

 谷間を何度も往復して唾液だらけにすると、今度は……。





「おっ――――♡」





 硬く勃起していた乳首を摘まんで上に持ちあげる。

 すると、べっとりと汗のかいた下乳が露わになった。

 そこにも舌を這わせて、べろりと汗を舐めとった。

 巨乳は下乳にも汗をかく。綺麗にしておかないと、皮膚が荒れてしまうから大変だ。

 そうして、下乳をも唾液でベトベトにした後、残るは……。





「腋も舐めとくか」





 俺はそう言って無防備にさらされていた腋に顔を寄せる。

 おっ、少しツンとした酸っぱい匂いもする。

 しかし、男のそれと違って、どうしてこうも女の汗の匂いは男を興奮させる何かがあるのか。

 流石に幽霊も嫌なのか、慌てて腕を下ろそうとしているが……。





「大人しくしてろって」

「おごっ♡」





 弱点をピンポイントに男根で突いてやれば、あっけなく身体をビクビクと震わせた。

 抵抗する力もなくなったので、遠慮なく腋に溜まった汗を舐めとった。

 匂いと味……それらを受けて、膣内に収められている男根が大きくなった気がした。





「ふー……」





 幽霊の汗を堪能して、俺は改めて身体を上げて彼女を見下ろした。

 ビクビクと小刻みに震えるエロい肢体。

 汗も浮かび上がらせて、青白い肌が光っているように見える。

 膣内はキュンキュンと常に締め付けてきており、彼女が二けた以上絶頂を迎えていることを教えてくれる。

 ……そろそろ、ラストスパートだな。俺も出したいし。

 俺は再び、ゆっくりと幽霊の身体に覆いかぶさり、彼女の頭を抱いて耳元でささやいた。





「今から、お前に中出しするから。お前もそれでイけよ」

「――――――」





 幽霊は、それだけで身体をビクンと震わせた。

 俺はニヤリと笑って……。





「おぅ……っ?」





 全体重をかけるように、遠慮なく幽霊の身体に圧し掛かった。

 少し幽霊の腰を上げさせ、動きやすくする。

 ついでに、彼女の背面に腕を回して、強く強く抱きしめる。

 圧迫感があるだろう。しかし、それ以上に幽霊はこれからされることを想像して、逃げ出そうとする。

 だが、逃がさない。エロ男からエロ女は逃げられないのである。





「おごぁっ♡」





 ジュプ! と男根を深く突き入れた。

 そして、そこから……。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ!





 幽霊の身体を全身で押さえつけ、腰だけ激しく振りたくる。

 まるで、上から下に叩き付けるような激しいピストンだ。

 ゴリゴリと膣壁を抉られ、子宮口を圧迫され、幽霊は獣のような喘ぎ声を上げる。

 彼女の投げ出されている四肢がビクンビクンと打ち上げられた魚のように跳ねているが、全身を抑えているため逃げ出すことはできない。

 これは、種付けプレスと呼ばれるもの……らしい。

 デブが小さい体躯の女にするもののようなのだが、残念ながら俺はデブではない。

 だが、それでも幽霊は逃げ出すことができなかった。

 男に力で抑え込まれ、男根を突き入れられ、快楽を教え込まれ、幽霊はただただ喘ぐのであった。





「おっおっおっおっ♡」





 ジュプジュプジュプジュプジュプジュプ!





 折れてしまうほど強く抱きしめる。

 ビクンビクンとのた打ち回る幽霊を抑え込み、激しく男根を打ち付ける。

 もはや漏らしているのではないかと思うほどの愛液を分泌させ、布団のシミを増やしていく。

 幽霊はひんやりとした心地いい肉布団になっていた。

 俺の身体に当たって潰れる豊満な乳房の感触も気持ちいい。





「おい、キスできるか?」





 俺はそう言って彼女の黒い靄に顔を近づけ、舌を垂らす。

 正常位はキスをしながら打ち付けることができるのが良いのだ。

 しかし、残念ながら幽霊の顔を見ることはできないので、口もどこにあるのかわからない。

 だから、幽霊からキスをさせることにした。

 少し逡巡する仕草を見せる幽霊であったが……。





「おぐぁっ♡」





 強く腰を打ち付けることによって、彼女の思考能力を奪っていく。





「ほら、早く。気持ちいいぞ?」





 その言葉に後押しされたのか、彼女はおずおずと顔を近づけていき……。

 俺の舌に、ひんやりとしながらぬめっとした感触があった。

 これが、幽霊の舌か。

 おずおずと慣れない様子だったので、幽霊がリードするということはできなさそうだ。

 まあ、そんなことは期待していない。どこに口があるのかわかれば、もうこっちのものだ。





「んぶぅぅっ!?」





 じゅる、じゅるるるるるるるっ!





 さらに、彼女の身体にずしっと圧し掛かり、舌を絡め取って唾液を吸い取ってやる。

 幽霊の冷たい口内をむちゃくちゃに舐めまわせば、まだビクビクと身体を跳ねさせる。





「んぶぅっ! んぐっ、んんんんんんんっ♡」





 口を塞ぎながら、腰を激しく打ち付けて男根を出し入れする。

 もう随分と精液は上がってきている気がする。

 俺もそろそろ限界だ。

 幽霊はもう数えきれないくらいイっているだろうし、そろそろ良いだろう。





「もう出すから、両腕と両脚、俺の身体に回せ」





 俺がそう命令すると、幽霊はやはりおずおずとしながら、しかし忠実に俺の言うことを聞いて、彼女は両腕を首の後ろに、両足を腰に回してきた。

 これで、より密着することができる。





「んぶぅっ、んぉっ、ぉっ、ごぁっ♡」





 ジュプジュプジュプジュプ!





 口を塞がれているため、幽霊からはくぐもった声しか聞こえない。

 両者ともに汗をかいているが、このぬめぬめすらも気持ち良かった。

 相手のことを考えず、本気で強く抱きしめる。

 かなり苦しいはずだが、幽霊はビクビクと身体を震わせていた。

 豊満な乳房が胸板で潰れ、ひんやりとした肉布団を楽しんで……。





「おぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」





 ビュルルルルルルルルルルルルルッ!!





 ドチュッ! と子宮口をこじ開け、直接精液を注ぎ込むのであった。





1.霊子さん





『11』





 ビクンビクンと、俺の身体の下で柔らかく冷たい肢体を跳ねさせる幽霊。

 元々冷たいのに、汗でさらに冷えている気がする。

 だが、その豊満な乳房や肉付きの良い身体は、抱き着いていて心地がいい。

 普通の女ならば悲鳴を上げていてもおかしくないほどの力で、彼女を抱きしめて押しつぶす。

 いくら幽霊でも、苦しいだろうと思ったのだが……。





「――――――」





 幽霊は快楽に身体を震わせているだけだった。

 ……そんなに気持ち良かったのだろうか? 男しての達成感と征服感に満たされる。

 やっぱり、この幽霊は最高だ。





「また今日みたいにイかせてやるから、これからもこの部屋に出て来いよ」





 俺は幽霊の豊満な乳房を揉みしだきながら、そう言った。

 もう殺されるとか、そういう危惧は随分と減っていた。

 もしかしたら、殺されることだってあるだろうが……布団の上で上下関係を叩き込んでやった。

 精神は肉体に引っ張られることだってある。

 幽霊がそれに当てはまるかどうかは分からないが……身体に覚えさせたことは、なかなか忘れられないものである。

 薄い桜色の勃起した乳首を指ではじき、ミネラルウォーターを取りに行く。

 蓋を開けて軽く喉を潤し、また部屋に戻る。

 以前のように消えているかと思えば、幽霊はまだ力なく仰向けで布団の上に寝転がっていた。





「ほい。色々出して喉渇いただろ?」





 愛液や汗はもちろんのこと、潮を噴いたり小便を垂らしたりしていたので、水分は大量に抜けてしまったはずだ。

 幽霊が水不足で倒れるなんてことはないだろうが……飯も食えるんだったら水だって飲めるだろう。

 いずれ、精液もごっくんしてもらうつもりだし。

 幽霊はのそりと起き上がると、おずおずと手を差し伸べてペットボトルを受け取った。

 その小さな動作でも重たげに揺れるおっぱいに目を引かれながらも、幽霊が小さくコクコクと喉を鳴らして水を飲むのを確認した。

 ……よし、今度はフェラで出して飲んでもらおう。

 そう決意しながら、もっぱらセックスの後にしか吸わない煙草を取り出し、火をつける。

 紫煙を吸いこんで吐き出し、豊満な女体を蹂躙した征服感に浸っていると……。





「あたっ!?」





 後頭部にべこっと何かが当たった。

 血が出るほど痛いというわけではないが、衝撃はそれなりだった。

 驚いて振り向けば、内容量が減ったペットボトル。

 そして、布団の上にいたはずの幽霊は、忽然と姿を消していた。

 ……消える前にぶつけていくとは……。





「次の時、覚悟しとけよ」





 ♡





 なんだ、こいつ。

 幽霊が男に抱く感情は、これに占められていた。

 今日、散々蹂躙された身体の回復と覚悟を決め、男の前に姿を現した。

 もちろん、彼を呪い殺してやるためである。

 意気揚々と思い知らせてやろうとしていれば、いきなり飯を食うかという訳のわからない提案。

 幽霊を食事に誘う馬鹿が存在するとは……。

 少なくとも、生前の彼女は絶対にそんなことをせずに逃げ出していただろう。

 自分から手を出さなければ、箸を突き出される。

 いつまでもそうさせているのはかわいそうなので、仕方なく食べてやった。

 別に、久しぶりの食事に惹かれたわけではない。

 でも、のり弁は美味しかった。

 飯を食わせてくれるとは、結構良いところがあるではないか。苦しませずに殺してやろう。

 そのように感心していれば、突き出されたのは逸物である。馬鹿かこいつ。

 しかし、キラキラとした目を向けてくるので、仕方なく舐めてやった。

 弁当の礼だ。終わったら殺す。

 とか思って優しさを見せてやれば、自分の頭を抑えて男根を無理やり出し入れしてきた。なんだこいつ。

 人の頭を……口を、何だと思っているのだ。性欲処理器じゃないのだ。

 しかも、無駄に大きいから苦しいし。幽霊なのに苦しさを感じるとは思わなかった。

 そもそも、犯されるとも思わなかったが。

 そして、射精である。口の中に精液を注ぎ込まれた気持ちは分かるか?

 生臭くて、熱くて……そんなに嫌いではない味だった。

 粘っこくて苦労したが飲み干すと、優しく頭を撫でられた。ほだされてなんかない。

 ボーっとしていると、いつの間にか抱きかかえられて布団の上に下ろされていた。

 マズイ。そう思っていた間に、挿入されていた。

 無駄に大きな逸物は良い所を突くので、また身体が勝手に跳ねて頭が真っ白になる。

 何度も突かれ、汗を噴き出させて、絶頂して……されるがままになってしまっていた。

 もう犯されるのはいい。

 男が幽霊に興奮するようなド変態であることは、もういい。どうせ殺すし。

 ただ、自分を変態扱いしてくるのはどうだろうか?

 カッとなってしまい、コップを割ってやった。どうだ、怖いだろう?

 だから、さっさと抜け。

 そう思っていれば、今まで以上に苛烈に責められて絶頂していた。

 身体が勝手に反応して跳ねるし、汗は舐めとられるし……下乳と腋を舐めるのは止めろ。

 結局、また中出しで腰を抜かしてしまった。

 ……水を渡してくれたのは助かった。正直、喉がカラカラだった。

 このような感覚を味わったのは、いつ以来だろうか?

 少なくとも、死後幽霊となってからはない。

 ……腰も抜けたし、殺すのはまた今度にしてやろう。

 別に、強く抱きしめられたから人肌恋しくなったとかでもないし、情がわいたとかもでない。本当だ。

 ただ、勝ち誇ったように隣で煙草を吸っていたのはムカつくし、煙草嫌いだし、後頭部にペットボトルを投げつけるのであった。





 ♡





「お前、幽霊の口にちんぽ突っ込むって……怖いもの知らずにもほどがあるだろ」

「そうか?」





 呆れたように俺を見てくる友人。

 まあ、確かに黒い靄の中に逸物を突っ込むというのは、なかなか頑張ったかもしれない。

 それに、噛み千切られるかとも思っていたし……。

 だが、お口奉仕はその恐怖に勝る。

 そう言えば、友人も神妙な顔で頷いていた。





「まあ、だんだんと慣らしていったらうまくなっていったぞ」





 今では、俺が腰を振らずとも搾り取ってくるほどだ。

 まあ、霊子さんはMだから、たまにやってやると喜ぶ。

 本人はポルターガイスト起こして否定するが、びしょびしょになっているし。





「はぁぁ……しっかし、幽霊って怖いものだとばかり思っていたけど、エロいんだな。俺、今度心霊スポット行ってみよっかな?」

「おっさんの幽霊に取りつかれたらどうすんの?」

「……止めとこか」





 キラキラさせていた目を死んだ目に変える友人。

 色々と妄想してしまったのだろう。

 俺だって、あのアパートに霊子さん以外が出ていたら、逃げ出していたか一発くらい殴っていたかもしれない。





「で、続きは?」

「えー……まだ?」

「おうよ。全部聞かせろ」





 ギラリとした目を向けてくる友人。面倒くさい奴だなぁ……。





「そうだなぁ……」





 そんなことを思いながら、俺はまた口を開くのであった。

書き貯め全部放出したのでまた空きます。

やる気につながりますので、下の方にある評価をしていただけたら嬉しいです。





1.霊子さん





『12』





「最近さ、消えてからまた出てくるインターバル短くなったよな」





 俺がそう呟けば、近くにいる幽霊が「なんだよ、悪いのか」みたいな雰囲気を発してくる。

 それに、俺は首を横に振って否定する。

 いやいや、出てきてくれて、むしろ嬉しいとさえ思うほどである。

 隣に座らせている幽霊の豊満な乳房を揉みしだきながら、頭を優しく撫でる。

 以前のように、一週間も姿を消すようなことはなくなった。

 まあ、ヤった後は大体姿を消すのだが……出てきてくれるので、それは別にいい。

 頻度も増えるため、最近は他のセフレに会いに行くことが随分と減ったような気がする。

 といっても、大学で会えば敷地内でヤることはヤっているので、とくに問題はない。

 一番身体がエロくて相性がいいのはこの幽霊なのだが……いくら極上の女体でも、毎日だと飽きるかもしれない。

 それを避けるため、ちょっとしたスパイスを利かせているのである。





「――――――」





 ワンピースの上から乳首の辺りをカリカリと爪で擦ってやると、ピクピクと身体を反応させる幽霊。

 うん、感度は相変わらず良い。

 俺の目標としては、乳首を軽く弄られただけで簡単にイってしまうような女体を作ることなので、開発はできる限り頻繁に行う必要があった。

 とくにすることもなく、ひたすら幽霊の胸を弄んでいると……。





「お?」





 ピンポーンとチャイムの音が鳴った。

 ……というか、ここにインターホンがあったのか。

 ボロすぎるからか、それとも悪いうわさが流れているためなのかわからないが、このアパートに来る人が誰もいないのだ。

 大学生が一人暮らしをしてよく聞く話では、宗教勧誘の人が現れたり、はたまた某協会の人が受信料を取りに来たりとしているようなのだが……。

 ここにはまったく来ない。

 いや、まあありがたいのだが……だからこそ、インターホンが鳴ったことに驚いているのだ。

 興味もあるので、居留守を使うつもりはなかった。

 名残惜しくも幽霊のおっぱいから手を離すと、俺はよいしょっと立ち上がって玄関に向かう。





「はいはーい……あ、大家さん」

「どうも、川路さん」





 扉の前で立っていたのは、この激安アパートの所有者である大家さんであった。

 そんな大家さんも、ここには住んでいないようなのだが。

 家賃は安いし、人が寄りつかないから静かだし、エロい幽霊も付いてくるしで、とても良い物件だと思うのだが……。

 彼は、とても怯えた様子でキョロキョロと周りを見渡していた。

 これが、可愛い子だったら大丈夫とか励まして家に引きずりこむのだが……大家さん、中年のおじさんだしな。





「どうしたんですか?」

「ああ。今日が家賃の回収日だからさ……」

「ああ、なるほど。分かりました」





 大家さんのやってきた原因を知ると、一度部屋の中に戻って幽霊の前に置いてある財布を取り、乳首を弾いてから戻ってくる。

 そして、小銭入れから五十円玉を取り出して……。





「はい、家賃です」

「どうも」





 ……苦学生などは、大家さんに頭を下げて家賃を待ってもらうということが一度くらいは経験することだろうが、少なくとも俺は一生ないだろうなと思った。

 だって、五十円だもの。駄菓子と同じようなものである。





「な、何か不具合はないかい?」

「ええ、そうですね。とくには」





 見た目はボロいアパートだが、今のところ雨漏りなどはしたことがない。

 床が抜けるとか、屋根がはがれるとか、そういうこともないので満足である。

 トイレや風呂などの水回りも悪くないし……本当、良い所を見つけたものだ。





「そ、そんな馬鹿な……。だ、だって、今までは一か月持たずに皆死んだり消えたり……」





 ……なんか、大家さん凄いこと言ってないか?

 まるで、戦場みたいなこと言っているじゃん……。





「ほ、本当に何もないのかい? たとえば、見えてはいけないものが見えたりとか……」

「いえ、別に……?」





 エロい幽霊は現れたけど。

 そう否定すると、大家さんの顔はあからさまに明るくなった。





「ほ、本当かい!? もし、それが本当なのだとしたら、ここに人が集まってくるじゃないか……!」





 確かに、ここは大学からとても近いので、学生などは入居したがるだろう。

 まあ、見た目はどうにかする必要があると思うが。





「悪いけど、ちょっと中を見せてくれる!?」

「はあ、どうぞ」





 別に、見られて困るものは何もない。

 オナニー用のエロ本とかも、幽霊とセフレがいるから使うこともないのでしまっているままだし。

 そうして、意気揚々と部屋の中に入って行った大家さんは、髪と靄で顔の見えない白いワンピースを着た幽霊とご対面したのである。





「いるじゃん!!!!」

「は、はい、まあ……」





 とんでもないほどの大きな声と悲壮な顔で泣きついてくるので、俺も思わずひいてしまう。

 止めろ、涙をこすり付けるな。

 女はまだいいけど、おっさんの体液とか誰得だよ。





「ひ、酷い! こんなハッキリ見えるとか、ないよ!! ていうか、なんでまだ君殺されてないの!?」

「えぇ……」





 掴みかかってきながら、何とも失礼なことを言ってくれる。

 殺されない理由……いっぱいイかせてあげているから?





「ば、化け物め! また出やがって……! お前のせいで、このアパートで収益を出すことができねえんだぞ! 大学から近いっていう絶好の条件があるにもかかわらずなぁ! お前みたいな疫病神、さっさと死にさらせ!」





 大家さんがとんでもなく罵声を浴びせ始める。

 幽霊は反応を見せることはなかったが、ピクリと身体を動かして何だか怖い雰囲気をかもし始めた。

 うーむ……まあ、確かに幽霊が出るからアパートに人が寄りつかないということもあるだろうが……。

 なんだか、一方的に罵倒されている幽霊に肩入れしたくなってしまう。

 身体を重ねたからだろうか? まあ、それはどうでもいいことだろう。





「大家さん。こいつ、そんなに悪い霊ではないと思いますよ? 実際、俺はまだ殺されていないわけですし」

「そ、それがおかしいんだよ! 今まで、すぐに殺されたり行方不明になっていたりしていたのに!!」





 ……そんな所に、俺を住まわせてよかったのか?





「いやいや、本当にこの幽霊良い女ですよ」

「そんなわけ……女? 君、幽霊を女として見ているのか?」





 愕然と俺を見つめてくる大家さん。

 いや、女じゃん。男の幽霊だったら、俺だってさっさとどこかに逃げ出していただろう。

 別に、俺は幽霊全般が好きというわけではないのだから。

 仕方ない。俺が、この幽霊の魅力を大家さんに教えてやろう。





「いいですか、大家さん。まず、あの幽霊に口で奉仕してもらうのは気持ちいいですよ。最初は下手だったんですが、最近はめきめきと実力を上げて……一から教えてあげた甲斐があるというものですよ」

「あれにちんぽ突っ込んだのか!? 髪の毛で見えないし、なんか黒い靄みたいなの出ているのに!?」





 ぎょっとして俺を見る大家さん。

 なんだか、彼が俺を見る目も化け物を見るようなものに変わっていっている気がする。

 幽霊も唖然としている雰囲気を発していた。

 OK、任せろ。





「喉奥まで突っ込んでも、健気に奉仕しようとしてくれるんです。堪りませんよ」





 こちらを凝視してくる幽霊にサムズアップをしながら、俺は大家さんに幽霊の魅力を語り続ける。





「それと、やっぱりおっぱいですよね。あの大鑑巨砲を見てください」

「お、おぉ……それは、確かに……」





 初めて、大家さんの顔に恐怖や敵意以外の感情が現れた。

 幽霊がその身に着けているのは、薄い汚れたワンピースである。

 Gカップ近い彼女の乳房は、その上からでも簡単に想像することができた。





「しかも、感度も良いんです。巨乳を揺らしながら、おっぱいを弄ばれてイく幽霊……良くないですか?」

「おぉ……」





 ごくりと喉を鳴らす大家さん。

 計画通りと、俺はニヤリと笑う。





「そして、止めはあの名器ですよ。数の子天井とかミミズなんちゃらとか言うんでしたっけ? もうね、精液を搾り取る形をしているんですよ」

「ふむふむ!」





 心底興味深そうに頷く大家さん。

 もはや、こちらのものである。

 今の彼の顔に、幽霊を追いだしてやろうとか、そんな強硬姿勢は微塵も見えなかった。





「むちむちのお尻の弾力も凄まじくてですね。バックから付いたらあの尻の感触と名器で搾り取られること……一度味わったら、もう忘れられませんよ」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」





 絶叫する大家さん。

 ふっ……勝ったな。

 勝利を確かなものとするため、俺は最後の確認をする。





「というわけで、幽霊は?」

「エロい!!――――――ぶぎゃっ!?」





 グッと拳を突き上げて宣言した大家さんは、はたして幽霊の超常の力的な何かで、物凄い勢いで壁に叩き付けられたのであった。

 ……壊れそう。





1.霊子さん





『13』





 壁と大家さん、両方が壊れてしまうのではないかと思ったほどの勢いで叩き付けられた。

 しかし、幸いなことに、壁は多少落ちた程度で大家さんも目を回して気絶をしているくらいであった。





「……やりすぎじゃね?」





 というか、幽霊にこれほどの力があったのか。

 いや、以前犯したときにポルターガイスト的な力は見たし、まあ幽霊ならそれくらいやるかとも思っていたのだが……。

 大人の男を簡単に吹き飛ばして一撃で意識を奪い取ることができるほどとは思わなかった。

 これほどの力があるのであれば、なるほど人を殺したり神隠しにしたりはできてしまえるだろうと納得する。

 そんな超常の力を見せられて、俺は……。





「だからといって、お前から逃げたりどこかに行かせたりするつもりは毛頭ないけどな」





 俺はチラリと幽霊を見て言った。

 当たり前だ。あんなにエロい身体と相性がいいのだ。

 たかだか、幽霊だからとか、超常の力を操ることができるからだとか、そんなつまらない理由で手放すはずがないだろう。





「しかし、どうすっかなぁ……」





 俺は気絶している大家さんを指で突きながら、ため息を吐く。

 いや、起きるまでここで寝かせていても良いのだが、この部屋はお世辞にも広いとはいえない。

 俺と幽霊で、割と手狭に感じることがあるくらいである。

 しかし、たたき起こして出て行かせるというわけにもいくまい。

 うーんと悩んでいると……。





「おっ?」





 ひんやりとした感触で手が包まれる。

 少し驚きながら振り向くと、いつの間にか移動していた幽霊が俺の手を握っていた。

 ……何だろう? こんなに自分から触れ合いを求めるようなことなんて、今まで一度もなかったのに。





「どうした?」

「――――――」





 そう聞きながら、とりあえず幽霊の指に自身の指を絡み合わせ、恋人つなぎのようにする。

 ひんやりとした指の感触が気持ちいい。

 幽霊なのだが、手の感触は柔らかくて女のものであった。

 ニギニギと力を軽く込めてやれば、なんと弱弱しくも握り返してきた。

 おぉ……なに、この反応? 可愛くない?





「甘えたいのか?」

「――――――」





 手をつなぎながらそう問いかければ、やはり反応はない。

 しかし、なんと彼女は本当に甘えるようにして俺の肩に頭を預けてきたのだ。

 俺は優しく長い黒髪を撫でながらも驚愕していた。

 こ、この甘い空気はいったい……!?

 俺も思わずドキドキしてしまうような初々しい雰囲気が流れていた。

 そ、そんな馬鹿な……。今まで様々な女をグチョグチョにイかせてきた俺が、今更ときめきを覚えている……だと……!?

 ヤバい、すっごい押し倒したい。なんかビンビンだ。

 しかし、そうすることはできない。





「待った。まず、大家さんをどうにかしないと……」





 なんだか幽霊も甘い空気を醸し出して来るので……まあ、そういうことになるだろう。

 しかし、いくらなんでも大家さんをこのままにしておくわけにはいかない。

 別に、俺には露出系の嗜好はないのである。

 そう幽霊に告げれば、彼女は黒い靄と髪越しに目を回し倒れている大家さんを見下ろし……超常の力で扉の外に彼を放り投げたのであった。





「えぇ……」





 困惑している間に、ついでとばかりにバタン! と強く扉も閉められ、ガチャリという鍵のかかる音もするのであった。

 ……幽霊、凄くない?





 ♡





 ということで、幽霊の超常の力の凄さを思い知った俺。

 まあ、だからといって俺のやることが変わるわけでもない。

 幽霊をアヘアヘになるまでイかせ続ける。それこそが、俺に許されたただ一つの答えなんだ……。





「じゃあ、そういうことで……よいしょ」

「――――――」





 俺は先に座ると、その膝の上に幽霊を乗せたのであった。

 幽霊はいつも通り抵抗することなく……というより、どこか自分から進んで座ってきたような気がする。

 うーむ……この気の変わり方はなんだろうか? いまいち、わからん。

 まあ、それはどうでもいいことだろう。





「あー……やっぱ、抱き心地最高だよな」

「――――――」





 とりあえず、膝上に座る幽霊のことを強く抱きしめてみる。

 肉感的な肢体は触れ合うだけでも気持ちがいいし、ひんやりとした生者よりも低い体温も心地いい。

 冬になったらちょっと困るかもしれないが……その時は、ガンガンに暖房を入れて幽霊を抱きしめていれば、物凄く贅沢な感じを味わうことができるだろう。

 彼女の前面に腕を回して強く抱きしめていれば、心なしか幽霊が背中を預けてくれたような気がする。

 ようやく気を許し始めてくれたのだろうか?

 いや、まあ出会って一か月程度の男を信頼するというのはなかなか難しいだろうが、一度身体を合わせれば案外すぐに身をゆだねてくれるようになるものだ。

 大体の人間は、男女にかかわらず一度肉体的な関係を持った相手に対して愛着みたいなものを持つからだ。

 まあ、ハニトラとか、そういうことをできてしまうような人はいるのだろうが……俺みたいな一般人には関係のない話だ。

 俺はワンピースの上から、乳輪の辺りをカリカリと爪でかき始めた。

 服の上から弄ってもらうことが好きな女は、一定数存在する。

 まあ、基本的にパンツ……ショーツ? の上から陰核などを弄られることが好きという女もいるが、十分に感度が良く開発されていれば乳首もまた同様である。

 それなりに俺も弄っているので、幽霊はピクピクと小さく身体を震えさせ、むくむくと乳首が勃起し始める。

 そして、服の上からでも分かるほど乳首が尖った後、俺はスルスルと幽霊の薄汚れた白いワンピースをまくり上げ始めた。

 もはや、慣れたものである。

 幽霊も抵抗することなく……。





「おっ」





 それどころか、幽霊は両腕を上げて完全に脱げるようになるのをサポートしているではないか。

 この反応は、初めてである。

 腕などは自発的に上げないので、いつも乳房の上でクルクル回りながらとどめ置かれていたのに……。

 彼女の気持ちにどのような変化が起きているのかはさっぱりわからないが、俺からすれば嫌な変化ではない。

 甘えて、彼女を全裸にさせてもらおう。

 しかし、やはり豊満な乳房のところで引っ掛かる。流石だ。

 ぐっぐっと力を込めて上にあげれば……ブルン! と量感のある双丘がまろび出て、重たそうにたゆたゆと揺れる。

 素晴らしい光景だ……。

 そのままワンピースを上にあげていき、ついに幽霊を全裸にすることができたのである。





「うぉぉ……肌は青白いし、身体はエロいし……超綺麗じゃん……」





 そのことは事前に分かっていたのであるが、改めて全裸ということもあって、その美しさが際立って見える。

 俺は、早速豊満な胸に手を伸ばすのであった。





1.霊子さん





『14』





 いきなり鷲掴みにするようなことはしない。

 ……今まで散々玩具のように扱ってきたのに、今更なんだと言われるかもしれないが。

 しかし、その時々の雰囲気や気分に合わせて、性交というものは姿かたちを変えるものである。

 そして、幽霊自身から甘えてくる今、彼女にすべきなのは物のように扱って被虐的被支配的な快楽を与えることではない。

 優しい、優しい快楽である。





「――――っ――」





 まずは、いつくしむように、愛でるように、優しく乳房を撫でる。

 揉んだり摘まんだり、力を加えるようなことはしない。

 優しく、優しく撫でる。

 柔らかくも張りのある青白い山を、その大きな曲線をなぞるようにして撫でる。

 すべすべの肌の感触やひんやりとした冷たさが気持ちいい。

 思わず強く揉みしだきたくなる欲求を押さえつける。

 ワンピース越しに弄って勃起した乳首の感触は、手のひらに感じられる。

 だが、摘ままない。こねない。弄らない。

 幽霊からすれば、一瞬ピリッとした快感は得られるだろうが、その程度である。

 しばらく続けていると、じんわりと幽霊の肌に汗が浮かび上がってきた。

 しっとりとした感触もまたいい。

 そして、幽霊がもどかしそうに腰をうねらせたかと思うと、背を反らして乳房を手に押し付けようとしてくる。





「おっと」





 しかし、そんな簡単に気持ちいい思いはさせてやらない。

 押し付けてこようとするのに合わせて、手を遠ざける。

 幽霊は振り返って黒い靄越しに俺を睨むが……いやいや、まだこれからである。

 それからも、俺は乳房を揉むことは一切せずに、ただただ撫で続けた。

 下乳を持ち上げてその重量を楽しむようなことはしたが、その程度である。

 他にも、スリスリとさまざまな場所を撫でた。

 引き締まったお腹、内腿、背中、首筋、黒い靄の中の頬。

 すべて性欲を感じさせない、いつくしむような愛撫である。

 それを続けていると、幽霊の身体はせわしなく動き始めるようになる。

 もじもじもじもじと、俺の膝の上で身体をくねらせる。

 汗もじんわりと全身にかくようになり、少しツンとした匂いが鼻に届く。

 だが、それも甘い女の香りと合わさって、俺の男を刺激する。

 すでに、俺の逸物は硬くいきり立っていた。

 俺だって、こんな愛撫をしていて何も感じないはずがないのである。

 むっちりとした尻タブに挟まるようになっているが、しかし俺から動くことはない。

 幽霊はもどかしそうに腰をくねらせ、男根にこすり付けてくる。

 俺のズボンが、愛液と汗で湿り始めた。

 すでに、幽霊の陰部はグチョグチョになっていることだろう。





「はぁ――はぁ――」





 幽霊と身体を密着させているため、荒い吐息も聞こえてくる。

 長い黒髪が、その吐息に合せて揺れている。

 幽霊は、ぐったりとその肢体を俺の胸に預けるようになっていた。

 肉付きの良い脚もだらしなく開かれており、うっすらと茂った陰毛も丸見えだ。

 そんなあけすけな姿を見せている幽霊を見下ろし、俺は彼女の見えない後ろでニヤリと嗜虐的に微笑んだ。

 さて、もう十分だろう。

 俺は幽霊からしっかりと見えるように、彼女の眼前に手をさらした。

 黒い靄で見えないが、彼女の視線が手に焼きついているように感じる。

 それをスルスルと下ろしていけば、幽霊の頭も動いてその手を追って……。

 その手が乳房に向かっているのを見ると、彼女はビクンと身体を震わせた。

 まだ、俺は何もしていない。だが、散々に焦らされて期待をしてしまった幽霊は、それだけで軽くイってしまったのだろう。

 まったく……エロい幽霊だ。





「ちゃんと見とけよ。今から、気持ちいいことをしてやるからな」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――!」





 俺が耳元でささやけば、幽霊の吐息はさらに荒くなった。

 俺の手に視線を凝視させたまま、すーっと動かしていき……。

 ツン、と柔らかい乳房の上に乗せた。

 張りもあるので、深く沈みかけたらすぐに元に戻される。





「――――――!」





 俺が指を置いたのは、特別な場所というわけではない。

 乳首でも乳輪でもなく、ただただ普通の乳房の上である。

 それでも、幽霊の身体はビクンと跳ね、また絶頂を迎えたようであった。

 しかし、まだだ。焦らした成果は、このすぐ後に見せられる。

 俺はツーッと乳房に指を乗せたまま移動する。

 それは、徐々に先端に近づいていく。





「はっ、はっ、はっ、はっ――!」





 期待のためか、幽霊の息が切れる声はさらに激しく短くなっていく。

 黒い靄で窺うことはできないが、おそらく血走るくらい目を見開いて見ているのではないだろうか?

 俺は彼女を後ろから抱きしめながらニヤリと笑い、その期待に応えてやろうとする。

 ツーッと動かした指は、ついに薄い桜色の乳輪に達する。

 だが、そこで俺は先端に向かわせていた指をピタリと止める。

 幽霊は狼狽したように、俺の膝の上で蠢く。

 振り返り、「どうして?」と聞くように凝視してくる。

 俺はまた笑い、指を動かす。





「ぅ――ぅ――!」





 乳輪をなぞるように、クルクルと指を回し始めた。

 時折、軽く爪を立てて、カリカリと回しながらかいてやる。

 すると、すでに勃起していた乳首が、さらにむくむくと大きくなり始めるのである。

 それこそ、人が口に咥えて吸うことができるほどに、大きく尖ったのだ。

 準備は整った。

 俺に身体を預けて力を抜いている幽霊に、もう一度指をちゃんと見るように眼前に持ち上げて……。

 そして、すぐに乳首を思い切り潰すように摘まんだのであった。





「おぉぐぅぁっ♡」





 その反応は劇的だった。

 だらしなく俺の胸にもたれかからせていた身体を、まるで電撃に打たれたかのようにビクン! と激しく跳ねさせた。

 ぶわっと一瞬で汗が大量に噴き出した。

 身体を密着させているので、ツンとした甘酸っぱい臭いが堪らない。

 幽霊は背を曲げてうずくまるようにしながら、ビクンビクンと身体を痙攣させていた。

 その間も、俺はいきり立った乳首を強くグリグリとこねていた。

 じんわりと下半身が暖かくなっているのを感じる。

 見下ろせば、幽霊の陰部から噴き出した潮が、俺の身体を汚していた。

 ……洗濯しないとな。

 そして、その生温かい感触は手にも…………手?

 手につく体液といえば汗だが、幽霊の身体が冷たいということもあって、汗は生温かいなんて感触ではないはずなのだが……。

 そう思って手を見れば、付着していたのは白い液体で…………白い液体!?





「幽霊さんさ……母乳出るの?」

「――――――」





 俺の言葉に返答はなく、幽霊はビクビクと身体を震わせていたが……それと同時にビュッビュッと母乳が噴き出すのであった。





1.霊子さん





『15』





 女性経験がまったくない……というわけではない。

 年相応に……いや、それ以上に経験はあるだろう。周りに確認したことはないから分からないが。

 だが、そんな俺でも母乳を出す女とヤったことは、まだ一度もなかった。

 というのも、俺が母乳を出せるような女に手を出さなかったということが大きいだろう。

 一般的には、妊婦や産後間もない女が母乳を出すことができるのだろうが、そういった女には大半の場合パートナーとなる男がいる。

 そして、往々にして結婚をしているわけであり、法的な関係があるわけだ。

 そういう女に手を出して裁判沙汰になるのは御免だった。

 俺がまったくモテずに相手が人妻しかいないということであれば手を出していた可能性もあったが、幸いにしてセフレもそれなりにいるし、今では幽霊というとてつもなくエロくて相性のいい女もいる。

 そういうリスクを犯す必要が微塵もないのである。

 ……ちなみに、彼氏持ちは別である。あれは口約束みたいなものだし、男から恨まれるくらいでとくに問題はない。

 まあ、そういうことをばらさない女を選べばいいし、寝取り気分も味わいたいし……。

 しかし、そうか……。





「生きていたころに子供産んだことあるの? 母乳出るときに死んでしまったり?」





 もし、そうだとしたら重いな。

 なんとなく体つきを見る限り、経産婦のようには見えないが……どうでもいいか。死んだ今は関係ないし。





「よいしょ」





 俺は力を入れて幽霊の身体を持ち上げ、くるりと反転させる。

 こうすることによって、対面座位の形を作り上げることに成功した。

 じんわりと汗を青白い肌に浮かび上がらせる幽霊。

 正面から見ると、やはり美しい身体だった。





「今から入れるからね」





 そう言って、彼女の秘裂にビタビタと逸物を当てる。

 陰毛をもぐっしょりと濡らしているので、あっさりと受け入れてくれるだろう。

 幽霊も期待しているのか、クイクイと腰を動かす。

 その期待に応え、俺はズズズズズ……とゆっくりと男根を挿入していった。





「おぉぉぉ――――♡」





 絞り出すような幽霊の喘ぎ声が、近くから聞こえる。

 ひんやりとした膣内の感触は相変わらずであり、奥へ奥へと誘い込むように蠢く名器も流石であった。

 そのまま逸物は進んでいき、ぐにっとした感触が亀頭に当たる。子宮口だろう。

 ビクンビクンと震える幽霊の身体を、優しく抱きしめる。

 この体位で激しく動くことはできない。

 これは、身体の密着具合をかなりのものにして甘えあう慈しみの体位である。

 幽霊の雰囲気がそういったものだったので、対面座位を選んだのだ。

 あと、母乳が出る素晴らしい状況にもなっていたという理由もある。





「俺のことも抱きしめてみ? 密着して気持ち良くなるから」

「――――――」





 幽霊はおずおずと手を首の後ろに、脚を腰の方に回してきた。

 さらに身体が密着して、気持ちがいい。

 とくに、幽霊は常人よりも低い体温と肉感的な肢体ということもあって、まるで上質な肉布団である。

 胸板で潰れるGカップ近い乳房も堪らない。

 刺激を加えれば母乳も出るというハイブリッドおっぱい。あとで、精一杯楽しませてもらおう。





「ぉっ――ぉっ――♡」





 ゆったりと動き始める。

 軽く上下させたりもするが、一番は秘部を擦り合わせるような動きだ。

 全身が密着するので、イチャイチャしたい時はこの体位が一番である。

 幽霊もそういう感じらしいので、このゆったりとした動きでも十分に快楽を得ることができているようだ。

 こういうことは、やはり相手に気持ち良くなってもらった方が、こちらとしても気分が良い。





「ぉっ――ぉっ――ぉっ♡」





 ズッズッズッズッ!





 弱点となるスポットを時々擦りあげてやると、ビクビクと身体が震えて汗をかく。

 まだそんなに暑いという季節ではないのだが、ひんやりとした感触はちょうどいい。

 抱き合ってかなり身体を密着させているため、なおさらだ。

 腕を伸ばして、豊満な尻肉をグニグニと揉みしだく。

 あぁ、いいわ。こんなにたっぷりとした臀部を持つ女は、なかなか日本にはいないだろう。

 それこそ、ブラジルみたいなお尻大好き国家とかは別だろうが。





「おーい。舌出してみ」





 俺は至近距離から幽霊にそう言う。

 黒い靄のせいで、やっぱりどのあたりに口があるとかが分からない。

 いや、大体でいいのであれば分かるが、まあ頬とか舐めても別に嬉しくもないし……。

 抵抗されるかとも思ったが、幽霊は至極あっさりと言うことに従って舌を靄から出してきた。

 青紫とかだったら嫌だなと思っていたのだが、幸いなことに普通の舌と色は変わらない。

 俺はその舌を口に咥えると……。





「――――――ッ♡」





 ズズズッと音を立てて啜ったり、舐めたり、絡ませたり……とにかく舌を愛撫した。

 舌フェラとも言うらしいが、甘えるのが好きな人はこういうキスを好む人が多い……ような気がする。

 ……しかし、俺がフェラしているみたいで嫌だな。

 別に、そっちの趣味は微塵もないし。してもらうのは大好きだけど。

 ビクビクと身体が震え、膣内がキュッキュッと締め付けてきた。

 これは、幽霊がイく寸前まできているということだ。

 それを察知した俺は、深くイかせてやるために行動する。

 幽霊がだらしなくダランと出した舌を啜り、膣内の少し奥にある弱点のスポットを抉るように男根を突き出してやれば……。





「おぐっ――――♡」





 ビクン! と身体が跳ねた。

 膣内がギュウギュウと強く男根を締め付け、射精しそうになってしまう。

 ふう、我慢我慢。

 両腕と両脚で強く俺の身体に抱き着いてきていた幽霊は、しばらく身体を強張らせて……。





「おっと」





 そのまま、後ろに倒れこもうとするので、腕を回して腰を支えてやる。

 ハラハラと長い黒髪が地面に垂れる。

 膝の上にも垂れたので、少しこそばゆい。

 うーむ……しかし、こんなにも強い反応を見せてくれれば、男として満足感が得られる。

 射精しないとどうしても我慢できないという男もいるかもしれないが、こんなにも派手に何度もイってくれるのを見れば、満足しないことはないだろう。

 豊満で青白い肢体を、俺の身体の下で跳ねさせることができるのだ。





「ん……?」





 そんな男としての幸福に浸っていると、俺の前でたぷたぷと重たげに揺れるものがあった。

 それは、幽霊のGカップ近い豊満な乳房であった。

 幽霊は絶頂の余韻で後ろに倒れこもうとして俺が腰を支えているので、目の前に突き出されるようにしている。

 おっぱいが大好きな俺としては、それはそれは絶景なのだが……以前までと違うのは、このおっぱいはおっぱいを出すということである。

 そう、乳房から母乳を。

 青白い肌に映える薄い桜色の乳首からは、白い液体が溢れている。

 ……悩む。母乳を出す女を相手にするのは初めてだ。

 さて、母乳は美味しいのだろうか?

 赤ん坊はそれは美味しそうに大量に飲むが、大人は大丈夫だろうか?

 血液と一緒の成分とかどこかで見たことがあるし、おいしそうではないのだが……。

 しかし、母乳という言葉は俺を惹きつける何かがあった。

 ちょうど目の前にあるし、いただこう。喉も渇いたし。

 俺は顔を近づけて桜色の乳首を口に含んで……吸った。





「おぉっ♡」





 ビクン! とさらに身体を震わせる幽霊。

 それなりに力を入れて吸うと、口の中に母乳が流れ込んでくる。

 結構量が出てくるので、吸いながら飲んでいるのだが……うん、まあ美味しくはない。

 だが、何でだろうか、物凄く興奮する。

 豊満な乳房を揉み、母乳を出させ、それを吸い上げる。

 幽霊も気持ちよさそうに身体を跳ねさせているが……しかし、本当によく出るな。

 このまま吸い続けていて、この芸術的なおっぱいが小さくなってしまっては大問題だ。

 ある程度の量で押さえる必要があるだろう。

 というわけで、俺は……。





「おぉっ♡」





 歯型が付くくらい強く乳首にかみついたのであった。

 反らしていた背をさらに曲げ、量感のある乳房を顔面に押し付けてくる。

 それに応えるように、ぐりぐりと顔を動かして歯で乳首を苛め抜く。

 口の中で、プシャッと溢れるように母乳が噴き出した。

 それをごくごくと喉を鳴らしながら飲み干すと……。





「ふぅ……」





 ビクビクと痙攣する幽霊を見下ろすのであった。

 青白い身体にびっしりと汗を浮かび上がらせ、もうぬるぬるとしているくらいだ。

 膝の上で打ち上げられた魚のように身体を震えさせる幽霊。

 軽く乳首を舐めるだけでも、ビクンと反応を見せる。

 本当に感度がいいな。相性もあるのかもしれないが。

 何度も何度も膣内は射精を請うように締め付けてくる。

 そろそろ、イってもいいかな? もう何回もイかせているし。

 俺は肉厚の臀部を揉みしだきながら、そんなことを考えていた。

 尻タブを開いたり閉じたりしながら、そろそろ動こうとかとしていると……ツンと指先に柔らかい感触が当たった。

 尻肉よりも柔らかく、そして少し変わった感触……そこは、尻穴だった。

 …………ケツか。

 ツンツンと指の腹でそこを軽く押したりしていると、ピクピクと反応する幽霊。

 …………ちなみに、俺はお尻も全然いけたりする。





「おっ!?」





 指をズプズプと尻穴に埋没させると、崩れ落ちかかっていた身体を跳ねあがらせて俺を見る幽霊。

 靄があるから詳しくは分からないが、驚愕しているということは分かった。





「――――――ッ!!」





 止めろというように顔をブンブンと激しく横に振る。

 長い黒髪が当たって痛い痛い。

 しかし、俺は尻穴に埋める指を止める気は毛頭なかった。

 幽霊の耳元に口を近づけ、囁く。





「また、ここも開発してやるからな。尻でイける変態にしてやるから、覚悟しとけよ」

「ぉっ――――♡」





 ぼそぼそと呟きながら、尻穴に埋めた指をグニグニと動かしてやる。

 大便ついたら萎えるなとは思っていたのだが、幸いなことにそのような感触はなかった。

 幽霊だから排泄もしないのかもしれないし、俺的にはそれが嬉しい。

 幽霊は開発されることを期待しているのか、それともすでに尻で快感を得ているのか、甘えた声を発した。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 グチ、グチ、グチ、グチ!





 そろそろ俺も限界だったので、射精をするための動きに変える。

 バックに比べればそんな激しく動くことはできないのだが、射精をする分には十分だ。

 それに、幽霊の膣内は精液を搾り取るような名器なので、簡単にイくことができる。

 尻穴に指を入れたまま、強く臀部を鷲掴みにして無理やり上下に動かす。

 弱点のスポットを何度も付いてやれば、尻穴に指を入れられて強張っていた身体がダランと力を抜いていく。

 プルプルと目の前で揺れる乳房にかみつき、歯の痕が残してやる。

 乳首に吸い付いて母乳を啜って喉を潤した後、幽霊の眼前に顔を近づける。

 俺の意図していることを察したのか、幽霊は靄の中から舌を出した。

 そこに吸い付いて激しく幽霊の身体を上下させ……。





「おごっ♡」





 一番奥深くまで、男根を突き刺したのであった。

 子宮口をこじ開け、直接精液を注ぎ込む。

 幽霊は一度ビクン! と強く身体を跳ねさせると、また後ろに倒れこもうとするので、彼女の腰を腕で支えてやりながら、目の前に来た重たそうな乳房に吸い付くのであった。





1.霊子さん





『16』





 ミネラルウォーターを飲んで喉を潤す。

 幽霊の母乳でもいいのだが、やはりサラリとした水が一番である。

 喉を潤せば、次は煙草である。

 ヤった後にしか吸わないそれを取り出し、火をつけて煙を吸って吐き出す。





「ふぅ……」





 やはり、こうしている時が一番達成感に満ち溢れている。

 就職の際には、やりがいや達成感などを重視する学生もいると言うが……女を犯して一方的にイかせて支配した方が、男としての本懐だと思う。

 まあ、そんな仕事ないのだから、ちゃんと考えなければいけないのだが。

 そんなことを考えながら、俺は横柄に脚を広げて座っており……。





「――――――」





 その股倉には、幽霊がいた。

 まだまだ元気な逸物を、その豊満な乳房で挟んでくれている。

 ぐにぐにと、ゆったりと手を使って揉みしだいてくれているので、心地いいマッサージを受けている気分だ。

 汗でぬめっているため、スムーズに男根は動いた。

 胸の谷間ということで、結構な量の汗が溜まっていたようだ。

 ひんやりとした感触が気持ちいい。

 俺は、今幽霊にパイズリをしてもらっていた。

 あの圧倒的量感の乳房を見た時から、一度してもらいたいとは思っていたのだ。

 しかし、こんな奉仕をしてくれるようになるとは……。

 幽霊も、大分俺に心を許してくれるようになったのだろうか?

 やっぱり、人の気持ちを変えるのは肉体接触が一番だな。……知らないが。





「――――ッ――」





 乳首をギュッと摘まめば、ビクンと震える幽霊。

 そして、母乳をまた噴き出させる。

 ……汗や愛液、潮まで噴いていたのに、これ以上水分を出しても大丈夫なのだろうか?





「よし」





 心配になった俺は、ふたを開けてペットボトルの中身を口に含んだ。

 煙草はちょっと置いておいて……。





「ん」





 俺はちょいちょいと幽霊に手招きする。

 首を傾げて、何がしたいのかわからないといった様子。

 俺は彼女の長い髪を優しく撫でながら、いいからと顔を近づけさせる。

 乳圧の凄い谷間から男根が離されるのは少し残念だが、まあそれは後でまたしてもらえばいいだろう。

 不思議そうにこちらに顔を近づけてきた幽霊に、舌を出すように指示する。

 黒い靄から舌を出してきて……よし、あそこが口だな。

 そう判断した俺は……。





「――――――ッ!?」





 水を含んだ口を、彼女の口に密着させるのであった。

 おぉ、幽霊だからカッサカサに乾燥しているのかとも思っていたが、プルプルな感触で何よりである。

 何やら混乱した様子の幽霊。

 いやいや、口移しで水を与え合うなんて、ちょっと肉体関係が深くなったら誰でもしていることだろう。

 ……経験、少なかったのかな?

 そんなことを考えながら、俺は水を幽霊の口内に押し流していった。

 最初は明らかに戸惑っていた幽霊であったが、それが水だと分かるとコクコクと小さく可愛らしい音を立てながら飲み干していった。

 やっぱり、喉が渇いていたのだろうか?

 俺はそんな風に思って苦笑して全ての水を移し終え……。





「――ッ――――ッ!?」





 ついでに、舌を絡ませて口内をベロベロと舐めてやった。

 またビクビクと身体を反応させ、太ももに愛液を垂らす幽霊。

 感度、良すぎない? 俺が開発したと思えば、何だか誇らしいけれども。





「ぷはぁ……美味かった?」





 口を離すと、唾液の橋が架かる。

 ニヤニヤと笑う俺の前で、幽霊は腰砕けになったように地面に座り込んだ。

 随分と可愛らしくなったものだ。

 こんなにも反応を見せてくれると、男としても大変嬉しい。

 本当、このアパートに入居して良かった。

 家賃はクソ安いし、大学には近いし、エロい幽霊も付いてくるし……最高だぜ。

 俺は幽霊の頭を撫でながら、煙草を吸って……吸って……あれ?





「煙が……おぉ」





 なかなか紫煙が口内に入ってこないのでどういうことかと見てみれば、咥えていたギリギリのところまでねじ切れたようになって火が消えていた。

 これじゃあ、吸えるはずもないな。

 ……というか、こんなグネグネになるようにねじ切れるって、怖いのだが。

 元凶であろう幽霊を見るも、すでに彼女は姿を消していた。

 野郎……逃げやがったな。

 まあ、とくに煙草が好きというわけでもないので、別にいいのだが。





「……あ、大家さんをどうにかしないと」





 幽霊によって外に放り出された大家さんのことを思いだし、俺は服を着て彼の元に向かうのであった。





 ♡





 人間が自分を罵倒してきた。

 まあ、それも当然だろう。自分は幽霊であり、今まで散々入居者を殺したり行方不明にしたりしてきた悪霊に該当するものなのだから。

 その人間の顔は、彼女も知っていた。

 このアパートの持ち主の男だ。

 彼に罵倒されているうちに、ふつふつと黒い感情が湧き上がってくるのを感じていた。

 そうだ、自分は悪霊なのだ。

 最近はそんな感情を持っていなかったが、どうやら腑抜けていたようだ。

 ならば、悪霊らしいことをしなければならない。

 この大家を殺し、そして自分を犯してきた男も殺して……。





「大家さん。こいつ、そんなに悪い霊ではないと思いますよ? 実際、俺はまだ殺されていないわけですし」





 そんなとき、入居者の男がそんなことを言って自分を庇ってきた。

 ……どうして自分みたいな悪霊を庇うのか? 意味が分からなかった。

 バカバカしい。自分がいずれは殺されるとも知らずに、庇ってきたのだ。

 本当に、愚かとしか言いようがない。

 だが、どうしてだろうか? こんなにも嬉しく感じてしまうのは。

 胸が温かくなってしまうのは。





「いやいや、本当にこの幽霊良い女ですよ」





 まあ、それから始まった男のエロ話のせいで一気に冷めたのだが。

 自分を庇ってくれたのは……まあいい。感謝しようではないか。

 で、その説得材料がエロ話ってどういうことだ。

 やれ自分の身体がエロい、やれ胸が大きい、やれ名器……殺すぞ、マジで。

 自分を罵倒してきていた大家も、いきなり叫び出すし……ウザいからブッ飛ばした。

 さて、とんでもなく下世話な説得をしようとしていたあの男も、当然この超常の力で殺して……。

 ……いや、もう少しだけ様子を見てやろう。

 なに、いつだって自分の力ならば殺すことができるのだ。

 絶望とは、希望があってこそ映えるものである。

 散々に愉しませてから、殺してやろう。

 ……だから、少しだけ身を寄り添いたくなったのは、おそらく気のせいである。

 別に、今までこんなに親しくしてくれたり助けてくれたり庇ってくれたりしてくれた人が生前死後あわせてもおらず、ちょっと胸がときめいたとか、そんなことは関係のない話だ。

 男は乳房をよく弄んでくる。

 まあ、それくらい許容してやらんこともない。

 ……しかし、まさか母乳が出るとは。

 いや、生前にそういう体質だったことは覚えているが、まさかこんな時に再び発症するとは……。

 いや、幽霊とそういうことをしようとする者なんて、普通いないから当たり前なのだが。

 引かれてしまうかもしれないと少しドキドキしたが、男は嬉しそうに母乳を飲んでいた。

 ……別に、受け入れてもらったからとなんということもない。当たり前のことだ。

 ちょっと母性的な感情も出たような気がしないでもないが、殺そうと思えば殺せるから。

 その後は、対面座位でつながって……。

 いつも以上に抱き着いたとか、そんなことはないから。

 別に、大家の男からかばってもらったとか、関係ないから。

 ちょっと頭の中が真っ白になって何も考えられなくなるまで追い詰められたが、その後は胸で逸物を挟んでやった。

 何が良いのかわからないが、男が気持ちよさそうにしていたから良い……とかそういうことでもないから。

 ただ、やっぱり煙草は嫌いである。身体を害するものだから。





 ♡





「お前、幽霊に何奉仕させてんだよ」





 呆れたように俺を見てくる友人。

 いいだろう。超常の存在を屈服させて奉仕させるとか、男としての本懐だろう。





「気持ちいいぞ。いちいちローション使わなくても、母乳で代用できるから」

「あぁぁぁぁぁぁっ! 羨ましぃぃぃぃっ!!」





 俺がそう言えば、友人は発狂したように大声を出した。

 止めろ。注目集めているだろうが。

 いくら俺でも、こんな人の目の中で幽霊とヤっているなんてことは言いたくないぞ。





「俺も母乳出せる女とはヤったことねえんだよな」

「普通はヤらない方がいいだろ。裁判起こされたら負けるぞ」

「ばれなきゃセーフだろ」





 アウトだぞ。

 まあ、多少痛い思いをしても良いと思うし、友人のことだから大丈夫だろう。

 何だか、ばれてもなんだかんだうまいことやって逃げおおせるような気がしてならない。





「っていうか、マジで幽霊もいいかなって思えるようになってきたわ」





 友人がニヤニヤしながら言ってくる。

 彼もとくに女に飢えているというわけではないはずだが……同好の士ができたみたいで嬉しい。





「マジ? じゃあ、もうちょい話をしようか?」

「頼む!」

「おう」





 俺は少し気分がよくなりながら、幽霊のお尻を初めて使用した時のことを話すのであった。

また書きため消えましたー。

やる気につながりますので、下の方にある評価をしていただければ嬉しいです。

では、また書けたときにお付き合いください。





1.霊子さん





『17』





「あれ、川路じゃん?」

「うん?」





 声をかけられて振り向けば、そこには垢抜けた可愛らしい女がいた。

 同じ大学の同級生で、肉体関係もあるセフレであった。





「おー、久しぶり……ってわけでもないか」

「そうだよー。毎日大学で会ってるじゃん」





 カラカラと笑って俺の肩を叩くセフレ。

 少し気やすさを感じるが、しかし不快に思われるほどはツッコまない。

 そのため、彼女は大学でも結構な人気のある女であった。

 まあ、俺は何度か寝ているけど。

 しかし、彼女とスーパーで会うとは思わなかった。

 ……そう言えば、こいつの住んでいる場所はここの近くだったか?

 一度、お邪魔させてもらったことがあったな。





「っていうかさ、あんた大学でヤろうとするの止めてよ。ばれるかもしんないじゃん」

「大丈夫だって。ちゃんと場所は選んでるからさ」

「ろくでもないことばっか知ってるんだね、あんた」





 ベシベシと俺の肩を叩きながら、そんなことを言ってくる。

 確かに、大学で致しているところなんて見つかれば、間違いなく停学処分……最悪は退学である。

 流石に、エロが大好きな俺も退学をさせられるのは困るので、もちろんそんなへまをしないような場所をしっかりと選んでいる。

 広いキャンパスなので、案外人が寄りつかない場所というのもあるものだ。

 口では否定しているかのように振る舞っているが……。





「でも、嫌じゃないだろう?」

「ま、まあ……ってか、あんたやりすぎだから! いつも腰ぬけたり失神しかけるから、ヤったあと講義出られないじゃん!」





 そう呟けば、顔を赤くして叩いてくる。

 うん、可愛い。セフレにふさわしい可愛さである。

 大学生なんだし、これくらい性に奔放でもいいと思う。

 まあ、性病とか男とかには気をつけないといけないけど。





「俺はそんなに出してないぞ。お前が勝手によくイくんだ」

「あんたがうまいの! まったく、私以外の女の子がかわいそう……ってか、こんな所でそんな話しないの!」

「えぇ……」





 お前がそういう系統の話を吹っかけてきたのに……。

 しかし、確かにスーパーの中で話すようなことではないので、俺も黙り込む。





「あー、もう……意識しちゃったじゃん。ねえ、この後暇? ご飯くらい、作るよ?」

「あー……」





 彼女は何だか色っぽい表情と雰囲気で、俺に近づいてくる。

 うーむ……大変魅力的である。あの幽霊と出会っていなかったら、おそらくホイホイついて行っていただろう。

 しかし、今の俺にはその幽霊がいる。

 帰り遅くなったら不機嫌になってしまうので、最近は講義の後遊びに行くことができないでいた。

 うーむ……それでも、彼女とのエロいことも捨てがたい。





「俺の部屋でいい?」

「嫌」





 即答かよ。

 幽霊のいる前だったらいいかと思って提案したのだが、すぐさま却下されてしまった。

 酷い……。





「だって、あんたのところガチの幽霊アパートじゃん。私、そういうのダメだから」

「ああ、まあな……」





 否定したいが、実際に出ているのでどうすることもできない。

 でも、別に危なくないんだけどなぁ……エロいし。

 ちょくちょくポルターガイストみたいなことを起こしているが、可愛らしいものである。





「じゃあ、悪いけど今日は無理だな」

「えー……。あんた、最近付き合い悪いわよね」





 幽霊が不機嫌になるからな。





「大学の中では付き合いいいだろ?」

「セクハラ!!」





 まあ、何も講義の後にどちらかの家に行ってヤらなければならないということでもない。

 大学の構内でも、彼女たちとの時間はちゃんと持つことができるのである。

 ……講義のレジュメ、誰かからもらわないと。





「まっ、仕方ないわね。……意外だったんだけど、あんた自炊なんてするのね」





 彼女はカラカラと笑っていたのだが、俺の持つ籠の中を見て目を丸くしていた。

 そこには、惣菜やインスタントだけではなく、野菜や肉といった調理の必要があるものもたくさん入っていたからだ。

 これを見れば、料理をすることができる自炊マンと見ても不思議ではないだろう。





「あー、いや、ほとんどしないぞ?」

「じゃあ、それって……」





 といっても、俺は料理が得意というわけではない。

 チャーハンくらいしか作れないし。

 一瞬不可解と言わんばかりに眉を寄せていたが、彼女は思い当たったことがあるのか、ニヤリと笑った。





「ははーん、私には付き合えないわね、それじゃ」





 女がいるということを、暗に理解していると肩を叩いてくる。

 うん、まあそうだけどな。幽霊だけど。





「まあな。悪いな」

「いいわよ。セフレって関係だし、拘束する気はないわ。まあ、付き合ってたら許さないけど」





 うむ。セフレにするのであれば、こういう割り切ることができる女を推奨する。

 当然、付き合うまでいったらお互いに独占欲が出てしまうので、注意である。

 俺と肉体関係がある彼女も、俺以外の男とヤることだってまったく構わない。

 まだ彼氏という男はいないようだが、明るい性格と綺麗な見た目もあるので、作ろうと思えば簡単に作ることができるだろう。

 そうなったときは……。





「おう。お前も彼氏ができたら言えよ」

「……彼氏いてもしてくるくせに」





 蠱惑的に微笑んで俺を見上げてくる。

 まあ、そうだな。結婚までいったら流石に手は出さないが、彼氏彼女の関係なんて口約束みたいなものだ。

 トラブルになる可能性も否定できないから、積極的に手を出すというわけではないが……こいつみたいな女であれば、それくらいのリスクは許容する。





「嫌か?」

「別に」





 周りに人がいないことを確認して、俺たちはキスをするのであった。





 ♡





 俺は重たいレジ袋を持ちながら歩いていた。

 うーむ、少し遅くなってしまった。

 ちょっと彼女と盛り上がってしまい、スーパーの近くの公衆便所で致したのである。

 公衆便所とは思えないほどきれいで清潔にされている場所なので、頭に入れていた。

 青姦ということもあってそれなりに抵抗されたが、結局嫌よ嫌よも好きのうちというように感じていたので……まあ、良いだろう。

 そんなことを考えながら歩いていると、ボロいアパートの前に出る。

 俺しか住んでいない、幽霊の出るアパートだ。

 そこの一室の扉を開けて、中に入る。





「ただいまー、霊子さん」





 中で待ち受けていたのは、薄汚れた白いワンピースを着た長い黒髪の幽霊であった。





1.霊子さん





『18』





 以前、大家さんが乱入してきて一悶着があった時から、幽霊はほぼ毎日姿を見せるようになっていた。

 そのため、ずっと幽霊幽霊と呼び続けるのもあれなので、名前を聞いてみたのだが……。





「――――――」





 幽霊が答えることはなかった。

 喘ぎ声は出しているのだから、話せないというわけでもないと思うのだが……。

 もしかして、声は出せても単語としては話せないのかもしれない。

 そういうことだったので、仮名だが俺が付けることにしたのである。

 それが、霊子さん。

 ……安直? 当たり前だろう。人の名付け親になったことなんてないただの学生なのだから。

 霊子さんもポルターガイストを起こさなかったので、別にこれでいいということだろう。

 彼女はただ毎日出現してボーっと佇んでいる……というわけではなかった。

 なんと、食材を置いていれば食事の用意をしてくれるし、掃除などもしてくれるのである。

 ……じゃあ、何で最初の方は全然自分から動こうとしなかったんだよ、と思わないでもないが、その時はまだ俺が信用されていなかったということだろう。

 掃除は綺麗にしてくれるし、飯も……幽霊の作る料理ってどうなんだと最初はちょっと思っていたが、温かい美味しいご飯だった。

 今までセフレに作ってもらったことは多々あるが、ダントツで霊子さんの作るものが美味かった。

 こんな家事万能でエロい幽霊付き家賃50円の大学近辺のアパート……最高すぎる。

 俺以外に誰もいないというのが、不思議なくらいだ。

 しかし、帰ってくる家に誰かが待ってくれていて、しかも家事をしてくれているとかすっごい心にくるものがある。

 家族のために働くとか言われても今までならいまいち理解できなかったが、今ならよく分かる。

 霊子さんのためなら、何でもしてしまいそうだ。

 ……あれ? 俺が落とされかかってない?

 まあ、いいか。





「霊子さーん、食材買ってきたよ」

「――――――」

「あ、忘れてたわ。ごめん」

「――――――」

「ごめんって」





 ポルターガイスト的な超常の力で紙くずをぶつけてくる霊子さん。

 机とか飛ばされていないから、笑って受けることができる。

 ……ここで、少し不思議なことに気が付かないだろうか?

 そう、俺と霊子さんは、意思疎通が可能になっているのである。

 無論、彼女は話していないし、『直接脳内に……!』みたいなことでもない。

 ただ、なんとなーく分かるようになっているのである。

 この事に関して、霊子さんが何かをしているというわけではないようで、俺の察知能力が上がったようだ。

 身体を何回も重ねたからかな? 相性はこっちの方でもいいのか。

 そう言ったらまた何か飛ばされてくるかもしれないので、考えるだけにしておく。

 ちなみに、さっきのは頼まれていた調味料を忘れたことを言ったら霊子さんが怒った会話である。





「お?」





 考え込んでいると、霊子さんが間近に立っていた。

 足音すら立てないのは、流石幽霊ということだろうか。





「――――――」





 なになに? 食べたいものはなにか?

 うーむ……正直、霊子さんの作る料理は何でも美味いから、何でもいいと言える。

 しかし、どうやらそういう言い方は彼女は嫌いらしく、具体的に言う必要があった。





「じゃあ、オムライスとか?」

「――――――」





 霊子さんは要望を聞くと、フラフラと台所に行った。

 俺はそれを見送り、部屋で座って待っている。

 もちろん、座っているだけでは何だか悪いので手伝おうとはしたのだが、霊子さんは家事に関してはまったく手伝わせてくれなかった。

 別に、俺の家事の仕方がマズイとかそういうことではなく、なんだか自分の領域のように考えているようだった。

 俺には分からない考えである。

 まあ、してもらえるのであれば、どうこう文句を言うはずもない。

 待っているだけで食事が出てきて、部屋が綺麗になるのだから。

 ……これ、疎まれる夫のパターンじゃね?

 いや、夫は大体仕事をしているからまだマシだけど、俺なんて学生だからな。

 今霊子さんに愛想つかされて出て行かれたら、ショック死しそう。

 俺はじーっと背中を向けて料理をしている彼女の姿を見る。

 長い黒髪の間から時折見える綺麗な青白い肌。

 そして、ワンピースを押し上げる大きな臀部。

 ……うんうん。家事ができない俺が、霊子さんにしてあげることができる唯一のこと……それは、エロしかない。

 俺はそう一人で納得しながら頷き、こっそりと物音を立てないで霊子さんの背後に迫る。

 彼女は料理が得意というだけではなく、料理をすることも好きなようで、俺が忍び寄っていることにもまったく気づいていなかった。

 火は……まだ使っていないから大丈夫だな。

 俺は一人頷き、霊子さんの肉厚の尻をワンピース越しに掴んだのであった。





「――――――」





 おぉ、相変わらず、とてつもなく良いお尻である。

 揉んでいて気持ちがいいし、多少力を加えただけで形を歪めるのは流石としか言いようがない。

 張りもあるので、撫でるように尻肉を持ち上げて離せば、ぶるるっと揺れることが服の上からでも分かった。

 俺の方が身長が高いため、臀部を撫でながら豊満な乳房を上から覗き見ることができた。

 深い谷間は、今すぐそこに飛び込んでパフパフしてもらいたいくらいである。

 うーむ……痴漢をする連中の気持ちが少し理解できてしまう。

 もちろん、犯罪なんだからダメなのだが……合意の元なら痴漢プレイもいいかなと思えてきた。

 今度、そういった趣向のセフレを探してヤってみようか。

 まあ、ばれたら本当にとっ捕まるので、細心の注意を払う必要があるが。





「――――――」





 とか思ってひたすらむちむちのお尻を撫でまわしていれば、霊子さんが黒い靄越しに俺を凝視していることに気が付いた。

 こ、怖い……。

 このままだと、俺が大家さんのようにブッ飛ばされることは明白……!





「――――――ッ!?」





 ということで、それをされる前に俺は霊子さんをどうにかする必要があり、ワンピースの中に手を差し込んだのであった。

 そのまま、肉付きの良い太ももを軽く撫でながら手を上げていき……肉厚の臀部にたどり着いたのであった。

 当然、霊子さんはギュッと足を閉じて手を入れまいとしてくるが……そんな女の扱いなんて、慣れたものである。

 柔らかくも張りのある尻タブをこじ開け、尻穴をツンツンと突いた。

 すると、ビクンと反応し、一瞬力が緩んだ。

 その隙に、手を差し込む!

 ふっ……ヤっているときにちょくちょく尻穴を弄って開発していた甲斐があったというものだ。

 さて、陰部の方はというと……。





「やっぱり、もう濡れてたんだな」

「――――――」





 秘裂を撫でるようにすれば、ねばっとした愛液が指に付着した。

 霊子さんは感度が良いからなぁ……まあ、開発したんだけど。

 料理中邪魔されたことに関して怒っていたのか、それとも尻を揉まれただけで濡らしてしまうような淫乱だとばれるのが嫌だったのか……。

 淫乱ということは、もう知っているから気にしなくてもいいんだけどね。

 ワンピースがまだあるので、下半身がどうなっているかは愛撫をしている俺も分からない。

 だが、指に当たる粘り気も強くなってくるし、次第にクチュクチュという水音も立ち始めていた。

 陰部そのものを揉むように、ぐにぐにと土手を弄ぶ。

 ふわふわとした陰毛がショリショリと当たって気持ちいい。

 しばらく揉みこんでいると、手のひらにべったりと愛液が付着する。

 ……やっぱり、直接見たいな。

 そう思った俺は、早速とばかりにしゃがみ込み……。





「――――――ッ!?」





 ワンピースを持ち上げ、その中に入り込んで行ったのであった。





1.霊子さん





『19』





 ワンピースの中にもぐりこむと、ムワッとした熱気が俺を襲い掛かってきた。

 じんわりと湿度の高い空気である。

 そして、何よりも甘酸っぱい女の匂いが充満していた。

 人によっては忌避するものなのかもしれないが、俺にとっては興奮させられるものであった。

 間近で青白い太ももなどを見ていると、汗が浮かび上がっていた。

 霊子さんは、幽霊なのに代謝がいいのかもしれない。

 太ももの裏に浮かんでいた汗をペロリと舐めると、ビクッと身体を震えさせる霊子さん。

 これは、快楽というより驚きだろう。

 ……太ももって開発できるのだろうか? 一度調べてみよう。

 そんなことを考えながら、俺は頭を上げて臀部のあたりまで近づける。

 そこまでくると、熱気もさらにあったし、なにより雌の匂いがかなりきつくなっていた。





「おぉ……」





 間近で見る霊子さんの臀部は、かなりの大迫力であった。

 視界いっぱいに広がる青白いお尻。

 むっちりとした肉付きの良い尻肉は、垂れさがることなく健気に吊り上っている。

 太ももとお尻の境界線がハッキリわかる女はいいものだ。

 ポツポツと珠のような汗を浮かび上がらせている尻は、おっぱい星人のきらいがある俺でも思わず喉を鳴らしてしまう妖艶さがあった。

 陰部にかなり近いからか、その強い匂いも逸物を固くさせる。

 男の汗の匂いなんて、それこそ鼻をつまんで避けたくなるようなものなのだが……女のそれはまったく別もののように感じた。

 嗅いでいるだけで雄を刺激されるような、なんともいえない匂い。

 フェロモンとかあるらしいが、それにあたるのだろうか?





「それじゃ、失礼して……」





 あんまりのんびりしていると、混乱から復活した霊子さんが俺を吹き飛ばしかねない。

 大家さんみたいにのびてしまうのは御免なので、早速弄らせてもらうとしよう。

 目の前にある大迫力の臀部を、手で鷲掴みにした。





「おぉ……」





 いつもながら、感嘆のため息を漏らしてしまう。

 まず、最初に感じるのは柔らかさである。

 水風船のように柔らかく、どこまでも指が沈んでしまいそうだ。

 実際、小指などは尻肉に埋もれてしまうくらいである。

 しかし、それだけではないのが、霊子さんのエロい身体である。

 沈んだ分だけ弾き出そうとする強い張り。

 尻の形を変えさせたと思えば、すぐに元に戻ろうとする動きは感触もさながら視覚的に大変楽しむことができるものである。

 パッと手を離せば、プルンと尻肉は揺れて元に戻る。

 尻よりかは乳房の方がどちらかといえば好きな俺でも、思わず尻側に立ってしまいそうになるほどの魅力である。

 そして、手触りもまた最高である。

 出来物などは一切なく、青白い肌はさするだけでも気持ちがいい。

 汗でしっとりとしている感触も、極上の布のようで堪らない。

 霊子さん自身の低い体温と汗で冷えたということもあって、その冷たい感触は興奮で熱くなる身体を冷やしてくれる。

 思わず、俺は尻をさすりながらほおずりしてしまう。

 あぁ……気持ちいい……。





「ねえ。今度さ、霊子さんのお尻を枕にして寝てもいい?」

「――――――!」





 それはいいからさっさとワンピースの中から出て行けという意思を感じる。

 まあ、従わないが。

 この中で散々霊子さんをイかせて、尻枕もしてもらおう。

 むちむちのお尻を掴んで、むにぃっと尻タブを開いていく。

 すると、小さくすぼんでいる尻穴と、ヒクヒクと蠢いている秘裂が俺の目の前に現れた。

 さらに、淫靡な匂いが強くなった。

 ぬめぬめと愛液がへばりついている陰部は、惹きつけられるものがあった。

 そこに顔を近づけていき……俺は尻の谷間に顔を埋めるのであった。

 ビクン! と霊子さんの身体も震えると同時に、肉厚の尻もプルンと揺れた。

 ひんやりとした感触が顔全体に広がり……枕としては最高だと確信する。

 そして、匂いを改めて嗅いでみると……頭がくらくらしてしまうほどの雌の香りにやられてしまいそうになる。





「――――――ッ!?」





 すんすんと音を立てて匂いを嗅げば、霊子さんはあからさまに動揺していた。

 早く出ろというような意思が伝わってくる。

 もちろん、そんな言うことには従わない。

 俺は、今日クンニをすると決めていたのだ。いくら霊子さんとは言えども、これを邪魔させるわけにはいかないのである。

 うーむ……やはり、排せつはしないのだろうか。そういった匂いが一切しなかった。

 尻タブを開いて尻穴にかなり鼻を近づけて嗅いでいるのだが……大きい方の匂いがまったくしなかった。

 素晴らしい……。俺は尻穴は好きでも、実に興味は微塵もないから。





「――――ッ!!」





 しかし、霊子さんはそんな綺麗なケツをしているというのに、匂いを嗅がれることが恥ずかしくて仕方ないようで、じたばたと暴れはじめる。

 最初の方は微塵も動かなかったのに、最近では表現豊かになっていてなによりである。

 うーむ……しかし、暴れられては俺が好き勝手することができない。

 申し訳ないが、霊子さんには大人しくしてもらう必要があった。





「――――――ッ」





 というわけで、俺はすでに濡れていた陰部をペロリと舐めはじめたのであった。

 ビクッと反応を見せる霊子さん。

 しかし、ケツではないからか、抵抗することはなくなった。

 綺麗に閉じながらも時折愛撫を求めるようにヒクヒクとしている秘裂を、なぞるように舌でなめていく。

 甘酸っぱい雌の匂いを鼻いっぱいになるまで吸い込みながら、だくだくと溢れてくる愛液を舐めとっていく。

 プルプルと霊子さんのお尻と太ももが震えはじめ、ワンピースに潜っているからはっきりとは分からないが、彼女も悦んでくれているようである。

 肉付きの良い太ももには愛液がいくつも垂れていっている。

 陰部を舐めるだけでも、エロい霊子さんは簡単に感じてしまうようである。

 しかし、やはり一番は……。

 俺はくるりとワンピースの中で前面に回る。

 すると、眼前に露わになるのは、真っ白な肌にうっすらと茂っている陰毛である。

 その黒々とした茂みをかきわけていくと、見えてくるのが陰核である。

 俺はニヤリと笑ってそこを剥き、舌でベロンと舐め上げた。





「――ぉっ――♡」





 ビクン! と強く反応する霊子さん。

 やはり、陰核というものはとてつもない快感を生み出すらしい。俺はないから知らんが。

 俺は、そこを徹底的に舐めて責めることにした。

 それこそ、ふやけてしまうのではないかと思うくらい。





「ぉっ――ぉっ――♡」





 霊子さんは膝を曲げ、ガクガクと震えさせる。

 垂れ流す愛液の量も半端ではなく、いくつもの水滴が地面に垂れ落ちていた。

 ジュズッ! ジュルッ! と厭らしい水音を積極的に立てながら、霊子さんの陰核に吸い付く。

 霊子さんは我慢できなくなったのか、俺の頭をワンピースの上から押さえつけようとしてくる。

 しかし、それはとても弱弱しいもので、俺は一層陰毛に顔を埋めつつ陰核を舐め上げるのであった。

 ちらりと上を見上げれば、白いワンピースを大きく押し上げる圧倒的な大きさの乳房の下乳が見えた。

 堪らない光景である。

 うむ、素晴らしい山脈の光景である。

 珠のように浮かんでいる汗も美しく感じられる。

 俺はふっと穏やかな気持ちになりつつ陰核を舐めつづけ……。





「――――――!?」





 尻タブを開けると、露わになった尻穴に指を突っ込むのであった。

 これには、快楽に浸っていた霊子さんも唖然。現実に引き戻される。

 慌てて俺を引き離そうとするが……もう遅い。





「ぉ――――――♡」





 霊子さんの口から、拒絶しているとは思えないほどの甘い声が漏れた。

 そう、すでに尻穴は開発済みである。

 座位でヤるとき、騎乗位でヤるとき、バックでヤるとき……そのとき、必ず背面に手を回して尻穴を弄ってきた。

 最初は、それこそツンツンと触れるだけのしょぼいものだ。

 しかし、次第に指を挿入していき、一本を完全に飲みこむことができるようになったとき……。





「ぉぁ――――♡」





 今のように、ずっぽりと指を二本挿入することができるように開発していたのであった。

 もちろん、快楽もしっかりと感じられるようにしてある。

 俺を引き離そうとしていた霊子さんであったが、陰核を舐められ、尻穴を指で弄られ……もうどうにもすることはできなかった。

 顔を埋めている俺が溺れそうになってしまうほど、大量の愛液が流れ出してくる。

 もはや、おもらしをしてしまったような状態である。

 それでも、俺は陰核を舐めることと尻穴を弄ることは止めなかった。

 腸内をグニグニと指を一際動かして刺激し……硬くなった陰核を軽く歯で齧った。





「おっ♡」





 プシャッ! と潮を噴く霊子さん。

 彼女は陰核と尻穴を弄られ、深い絶頂に達したのであった。





1.霊子さん





『20』





「ぶはっ!」





 顔いっぱいに液体をかけられ、本当に溺れそうになる。

 しかし、そんな深い絶頂に自分が追いやったということがわかり、自尊心が満たされる。

 間近で見る陰部は、もう本当におもらしをしてしまったかのようにグショグショであった。

 今だったら、あっさりと男根を受け入れてくれることだろう。

 尻穴の中に埋めている指を動かしながら、そこの状態も良いことを確認する。

 グニグニと自由に動かせば、尻穴が大きくなったり小さくなったり自在に動く。

 十分な柔らかさを手に入れていた。

 霊子さんもケツで感じることができるし、大分ほぐれているし……そろそろ、いいかな?





「おっと」





 そんなことを考えていると、霊子さんの身体がぐらりと傾く。

 いくら幽霊とは言えど、脱力した状態で地面に叩き付けられたら痛いだろう。

 俺は、相手に痛い思いはしてほしくない。気持ち良くなってほしいのである。

 雌の匂いと熱気で充満したワンピースの中から出るのは名残惜しかったが……なに、これから先同じような展開は飽きるほどあるだろう。

 自分をそう納得させ、ワンピースの中から飛び出して倒れかけていた霊子さんを抱き留めた。





「大丈夫?」

「――――――」





 声をかけても、もちろん返事はない。

 今は彼女が言いたいことも分からないので、それほど頭が真っ白になっているということだろう。

 陰核と尻穴だけでこれほど深い絶頂ができるセフレ……最高だぜ。

 さて、正面から受け止めている俺。

 霊子さんも、先ほどは力が抜けて倒れかかっていたが、今では俺に寄り添うことでしっかりと自分の脚で立っていた。

 まあ、ガクガクと脚は頼りなく震えていたが。

 正面から抱き留めているので……豊満な乳房が身体に当たって潰れている。

 やはり、凄まじい感触である。貧乳も嫌いではないのだが、この量感は巨乳でしか味わえないものだ。

 そして、何よりも……。





「喉渇いたな。ちょっと貸してね」





 俺は霊子さんの反応を待たず、彼女のワンピースをめくりあげた。

 ブルンと露わになるのは、Gカップ近い豊満な乳房。

 汗をしっとりとかき、青白い肌が光っている。

 すでに勃起していた薄い色素の乳首を口に含みつつ、牛の乳搾りのように根元の方から揉みこんでいき……乳首を軽く歯で挟んで噛みしめる。





「おぁぁっ♡」





 ピュッピュッと口の中で温かい液体が噴出する。

 それをゴクゴクと飲み干しつつ喉を潤し、一息つく。

 まさか、この歳になって再び母乳を飲むようになるとは思っていなかった。

 それもこれも、すべて霊子さんのドエロボディのおかげである。感謝……。

 乳首から口を離し、最後に何度かつねって母乳を出させる。

 霊子さんはせっかく落ち着いてきていたのに、また頼りなく身体を震わせて落ちそうになる。





「霊子さん、台所を手で持って」





 正面から抱き留めて乳房の感触を味わってもいいのだが、霊子さんが弱ってうまく考えることができていない今こそがチャンスである。

 俺の身体に縋り付くようにしていた手を離させ、台所のテーブルで身体を支えるように誘導する。

 霊子さんはいまいち分かっていない様子だが、俺の指示通りに動いてくれた。

 彼女の正面から、背後に移動する。

 高さの低い台所に手を置いて腰を曲げているため、お尻だけが突き出されるようになっている。

 むっちりとした安産型のお尻。電車に乗っていたら間違いなく痴漢されるだろうな。

 まあ、霊子さんにそんなことしたら超常の力で移動中の電車の窓から放り出されそうだけど。

 しかし、他の男たちが触れられない極上の肢体を、俺は自由に触れて犯すことができるのである。

 その優越感たるや凄まじいものがある。

 大きな曲線を描く臀部を撫でまわしながら、俺はそんなことを考える。

 汗でしっとりとした感触は、いつまでも撫でていたくなるほどだ。

 しかし、いきり立つ男根がさっさと入れろと自己主張する。

 落ち着け、息子よ。すぐに解放してやるさ。

 俺は尻肉の感触を楽しみながら尻タブを開き……濡れそぼった陰部と十分にほぐれた尻穴を後ろから観察した。

 ひくひくと蠢く陰部は、乱暴に突き立てられたとしてもあっけなく絶頂に向かうであろう。

 ちらりと見れば、霊子さんも期待するかのように俺の方を振り向いていた。

 まあ、黒い靄と長い髪で分からないんだけどさ。

 だが、俺は彼女に対して期待に応えるようにニッコリと微笑み、腰を前に進ませて……。





「おごぉっ!?」





 ぴったりと閉じていた尻穴に男根を突き入れたのであった。

 おぉ……きっつい。

 時間をかけて少しずつほぐして拡張していったおかげで、逸物を全てのみ込むことには成功していた。

 子宮というどん詰まりもないため、本当に尻肉に下腹部がぴったりと密着するほど奥まで挿入することができていた。

 相変わらずひんやりとしている体内であるが、その締め付けぶりは膣内と比べてもキツイものだった。

 霊子さんの膣内は奥へ奥へと誘うように蠢き、精液を搾り取るようにキュウキュウと締め付けてくる。

 一方、尻穴の場合はそういった極上の女のようなねっとりとした誘い方ではなく、ただひたすらに締め付けてきた。

 うーん、ねじ切れそう。まあ、気持ちいいからいいや。

 早速出そうになったので、尻肉を揉みしだきながら落ち着かせる。





「――!?――――!?」





 困惑しているのは霊子さんである。

 膣内に突っ込んでもらえると思っていたら、突っ込まれたのは腸内だったのだからそれもそうだろう。





「ほら、前から言っていただろ? ケツも犯してやるって」





 覆いかぶさり抱き着きながら囁くと、「そうは言っていたけれども!」みたいな意思が伝わってくる。

 やはり、霊子さんはケツに対して抵抗感があるようだ。

 ……よし、こういう女には。





「ごめん。でも、俺も霊子さんの初めてをもらいたかったんだ。それに、霊子さんに汚いところなんてないからさ。それを証明したくて……」





 そんなことを耳元でささやきながら、前に手を伸ばして胸を弄ぶ。

 乳首をつねって母乳を出させ、天然のローションにして乳房にまぶすように塗りこんでいく。

 そんなことをしているからか、あるいは俺の言葉に何か感じることがあったのか、尻穴は男根を本当にねじ切るつもりなのかと思うほど強く締め付けてきた。

 この反応……ケツの方は処女だったのか?

 まあ、俺は大して初めてとかにこだわりはないので、どちらでもいいのだが……この言葉が効くのであれば、初めてだろうな。





「いい?」

「――――――♡」





 俺が乳首をつねりながらそう聞けば、霊子さんは少しだけ振り返って頷いてくれるのであった。やったぜ。





 ♡





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン! パン! パン! パン!





 むちむちの尻肉と下腹部が当たって、肉が弾ける音がする。

 狭い部屋なので、その音はよく耳に届いた。

 本来であれば、隣室に気を遣って声も音も出さないようにするのだが……俺一人しか入居していないアパートのどこに気を遣う必要があるだろうか?

 遠慮なく腰を動かし、霊子さんを追い詰めていく。

 普段は決して拡張することのない尻穴が、男根を受け入れることによって非常に大きく広がっている。

 激しく出し入れするものだから、肛門がめくれ上がりそうになっているときもあった。

 グポグポと凄い音がする。……俺がやられたら死にそう。

 ただ、霊子さんの喘ぎ声はしっかりと快楽を得ていることを示していた。

 じっくりと時間をかけて開発してほぐしてきたということもあるが、霊子さんがエロいという理由が一番大きいかもしれない。

 バックから幽霊のケツを犯すという光景は、とても男の自尊心を満たすものだった。

 むっちりとした安産型の臀部を鷲掴みにして揉みしだき、激しく尻穴を犯す。

 結構嫌がっていたところで無理やり快楽を感じさせるということも、男心をくすぐるものがあった。

 セフレの中でもケツでできるのは限られているので、少し新鮮味があった。

 まあ、まだヤっていないやつらもいずれ開発してやるのだが。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン! パン! パン! パン!





 肛門がめくりあがってしまいそうなほど激しく犯されて、霊子さんは全身から体液を流していた。

 腸液はもちろんのことだが、愛液は太もも全体を濡らしているのではないかと思うくらい垂れてしまっている。

 ぐしょぐしょになっている陰毛をかき分けて陰核を指で弄ってやれば……。





「おぅっ♡」





 プシャッ! と潮を噴いた。

 大量の液体が台所のフローリングに垂れ落ちる。

 ……畳じゃなくてよかった。気をつけないと。

 しかし……尻穴を犯されて、小便のように体液を垂れ流して……何とも不様な姿である。

 そして、それほどの快楽を与えている俺としては、凄まじい征服感があった。

 霊子さんの身体を支えている台所を掴む腕は、もはやいつ離されてもおかしくないだろう。

 顔は垂れ下がって長い黒髪は地べたについてしまっているし、まるで曲線を描くように腰は落ちてしまっている。

 臀部はがっしりと俺が掴んでいるから持ちあがっているが、今にも地面に付きそうなほど垂れ下がっている豊満な乳房は逸物が肛門に叩き込まれるたびにブルブルと揺れて、その勃起した乳首が地面に擦れている。

 もうそろそろ限界だろうか?

 俺は、綺麗な青白い背筋に浮かぶ珠のような汗を舐めとりながら、考える。





「あぉぉぉぉ――♡」





 その時は、下腹部を肉付きの良い臀部に密着させてグリグリとこすり付ける。

 腸内の奥の方を刺激されて、獣のような喘ぎ声を上げる霊子さん。

 うむ、もう開発は十分だろう。

 頭と髪を撫でるだけで陰部を濡らさせることができる。

 キスだけで腰砕けにすることができる。

 乳首を弄るだけでイくことができる。

 膣内は言わずもがな、尻穴を犯されても深い絶頂を迎えることができる。

 ここに、どのようなことをされてもあっけなくイってしまうドエロ幽霊を完成させたのであった。





「おぐぉぁぁぁぁ――♡」





 尻を揉みながら、ぐりぐりと腸内を抉る。

 やはり、女の身体を開発するのは男としての楽しみの一つと言えるだろう。

 精神的に落とすというのも楽しいが、やはり肉体的なそれと比べると時間がかかるし……。

 それに、精神は肉体に引っ張られる。身体を落とせば、心もコロッと落ちてしまうものなのだ。

 ここまで開発しきったセフレは、大概リリースする。

 まあ、ちょくちょく遊びはするが、割と満足してしまうからである。

 だが、霊子さんは……この幽霊には、愛着がわいてしまったようだ。

 もうしばらくは、このエロい身体で気持ち良くさせてもらうとしよう。





「さて、そろそろ出すからな。今から乳首も弄ってやるから、母乳出しながら乳首とケツでちゃんとイけよ。……おーい、聞いてるかー?」

「おぉぉぉぁぁぁぁぁぁ――♡」





 覆いかぶさるようにして乳首をつねると、まるで乳牛のように母乳を噴き出させる霊子さん。

 ケツ穴をほじられ、乳首をつねりあげられ、獣のような声を上げて快楽を貪っていた。

 うーむ……もう何度イっているのだろうか?

 しかし、俺の言葉を聞いてくれないのは少々困ってしまう。

 こういう時は……。

 俺は不本意ながら……非常に不本意ながら手を振り上げ、強めに振り下ろしたのであった。





「あぐぁっ!?」





 ベチン! と音を立てる霊子さんの尻。

 俺の手に叩かれたことによって、ブルブルと豊かな尻肉が揺れた。

 青白い肌は、すぐにうっすらと赤く染まる。

 ぎょっとしたように振り返る霊子さん。

 ……尻を叩く感触は、やはり安産型ということもあってよかったな。

 俺はニヤリと笑って……。





「俺の話はちゃんと聞かないとダメだろっと」

「あがぁっ!?」





 ベチン! ベチン! ベチン! ベチン!





 俺は何度も手を振り上げ、振りおろし、霊子さんのむちむちのお尻を叩いた。

 尻枕もできそうな柔らかくも張りのあるそこは、真っ赤に染まっていく。

 叩くたびにプルプルとするそれは、視覚でも感覚でも楽しませてくれた。

 悲鳴を上げ続けていた霊子さん。

 しかし、次第に……。





「おうっ、おうっ、おうっ、おうっ♡」





 バチュッ! バチュッ! バチュッ! バチュッ!





 大きなお尻がさらに腫れ上がってしまうほど叩いているというのに、霊子さんの口からは甘い嬌声が漏れるようになっていた。

 ケツを叩きながら、肛門を犯す。

 この嗜虐心と征服感の両方を満たされることは、そうそうないだろう。

 大量の愛液がボタボタと流れ落ち、霊子さんの被虐性癖が露わになる。

 やっぱり、霊子さんはM気質なところがあるな。





「ごめんな、霊子さん。痛い思いさせて」

「あぁぁぁぁ――♡」





 苛烈に責めたてていたのに一転して、俺は腫れ上がった臀部を優しく撫で始めた。

 真っ赤になっているお尻は、普段は冷たい彼女の体温からは考えられないほど熱くなっていた。

 そして、このように激しい刺激を受けていた場所は、敏感になるものである。

 そこを労わるように優しく撫でられれば、霊子さんは……。





「おぉ……」





 シャァァァァァ……と音がする。

 それは、霊子さんの陰部から発せられた水音。

 しかし、それは聞きなれた愛液でも潮でもなく、文字通りの小便であった。

 霊子さんは、敏感になったお尻を撫でられて、小便を垂らしたのである。

 老人でも子供でもない大人が、太ももや脚にかかることもいとわずにおもらしをする。

 大の大人が人目もはばからずに小便をおもらししている姿は、何とも言えない背徳感があった。

 ゾクゾクとしたものが背筋を走り、俺は舌なめずりをして……。





「部屋を汚したらダメだろう、が!」

「おがぁっ♡」





 ズパン! と一番奥まで男根をねじ込んだのであった。





「おっおっおっおっ♡」





 パンパンパンパン!!





 今までよりも激しく速くピストンを繰り返す。

 尻肉がたわみ、肛門はめくれあがりそうになる。

 しかし、そんなことも一切お構いなしに、幽霊の尻穴を犯し続ける。





「おっおっおっおっおっおっおっおっ♡」





 パンパンパンパンパンパンパンパン!!!!





 射精感が込み上げてくる。

 遠慮なく尻穴の中に注ぎ込ませてもらうとしよう。

 快楽に耐えるように、握りつぶすように強く赤くはれ上がった臀部を掴む。

 ビチャビチャと絶え間なく愛液が零れ落ち、このように乱暴に犯されても霊子さんが感じていることが分かった。

 そして……。





「あおぅぁっ♡」





 ズン! と下腹部と臀部を密着させて男根を奥まで突き入れ、射精したのであった。





1.霊子さん





『21』





 ビュルルルルルルルル! と長く射精が続く。

 やっぱり、ケツを犯すのは征服感があるから興奮してしまう。

 まあ、前準備とかあるから面倒なのだが。





「おぉぉぉぉぉ――♡」





 霊子さんは長い嬌声を出していた。

 まるで、喉奥から絞り出しているような、長くて低いものだった。

 腸内に注ぎ込まれる精液でイくことができているのだとしたら……もう何されても絶頂を迎えることができるのではないかと思う。





「おっ、おっ♡」





 大分射精も収まってきたので、何度か腰を振って腸内で残っていた精液を吐き出す。

 全て出し切ったようなので、ゆっくりと男根を引き抜いていく。

 みっちりと咥えこんでいた尻穴は、まるで行かないでと懇願するように吸い付いてくるのでめくれあがりそうになっている。

 またピストンしたくなる欲望を抑え、ポンと音を立てて引き抜いた。

 それと同時、霊子さんの腕からついに力が抜けて、べちゃりと愛液や小便に濡れた地面に倒れこむのであった。

 ……髪の毛が付いちゃっているけど、良いのだろうか? ベトベトになりそうだけど。





「ま、幽霊だし大丈夫か」





 そんな心配よりも、俺は後ろからの絶景を眺めていたかった。

 全身から脱力し、豊満な乳房も自身の体重で潰されている。

 そんな中でも唯一掲げられているのが、安産型の臀部であった。

 激しい性交のせいで、そこは様々な体液が付着してべちゃべちゃになっていた。

 俺がスパンキングもしたせいで、青白い尻は赤くはれ上がっている。

 そして、何より……いつもはすぼんでいる尻穴が、ぽっかりと穴をあけていた。

 その広がった穴からは、白濁液がボタボタと垂れ落ちている。

 うーむ、エロい。

 煙草を吸いたくなってきていたのだが……それよりも先に息子が復活してしまった。

 さて、どうするか……。まあ、普通に考えてケツの次は前だろう。

 衛生的に普通の女を相手にするときはなかなかヤりづらいことではあるのだが……排泄をしている様子のない霊子さんならいけるだろ。

 愛液をだくだくと流して物欲しそうにしているし、俺も気持ちいいし、ウィンウィンだな!





「あぁぁぁぁ――♡」





 そういうわけで、俺はもう一度霊子さんの臀部を掴むと、膣内に男根を押し入れたのであった。





 ♡





 あの男は、自分のことを霊子さんと呼ぶ。

 もちろん、自分の本名はそんな名前ではない。安直すぎる。

 だが、まあ……名前がないというのも不便だろうし、殺すのは勘弁してやる。

 最近は、飯を作ってやっている。

 というのも、この男……川路という男は、食べるものがインスタントや惣菜ばかりなのである。

 当たり前だが、身体に良いわけがない。

 食事などで健康を損ねられても困るのである。彼を殺すのは、自分なのだから。

 だから、食事を作ってやることにした。

 人間も、牛や豚を食べるために育てている。それと同じだ。

 自分が殺すために、男の健康を守ってやるのだ。

 ……美味い美味いと笑顔で食べるのを見ると、作り甲斐があ――――なんでもない。

 今日も食材を買いに行かせていたのだが……あの男は調味料を買うことを忘れていた。

 まったく……こんな簡単なこともできないのか。仕方ないなぁ。

 ……違う。殺すぞ。

 仕方なく思いながら子供っぽい料理を頼んできた男に微笑ましさを感じ――ずに料理をしていると、なんと小学生のようにスカートの中に滑り込んできた。

 料理中になんてことをしているんだ。こぼして男に被せてしまったら危な――いじゃなく殺すぞ。

 最近では言葉にしなくとも意思疎通が大雑把にとはいえできるようになって嬉し――くはない殺すぞ。

 そんな意思を伝えたにも関わらず、男は関係なく陰部を舐めはじめて……尻穴まで愛撫し始めた。

 これには、流石に怒りを露わにする。

 当たり前だろう。そもそも、そこはそういう使い方をする場所ではないのだから。

 今までちょくちょく触ってきていたが、今日という今日は……と思っているうちに、いつの間にか蕩けさせられて尻穴を犯されていた。

 な、何が……。

 圧倒的な異物感に身をひねらせていたのだが、ある時から……快感を得るようになってしまった。

 この日のために、あの男はずっとコツコツと開発していたのだ。

 男根を突っ込まれて、自分は今日初めてそのことを理解した。

 尻穴を犯され、母乳を搾られ……そして、尻を何度もたたかれた。

 腹立たしい……腹立たしく、殺したくなるはずなのに……自分は快楽を得ていた。

 尻を犯されることにも、尻を叩かれることにも、快感を得てしまう……そのような身体に作りかえられていたのだ。

 ……やはり、この男は自分が殺さなければならない。

 いつか、必ず殺してみせよう。

 だから……。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」

「やっぱり、ケツよりこっちの方がいいなぁ……」





 後ろから膣内を抉られ、だらしなく嬌声を上げていても構わない。

 いつか、この男を殺すのだから。





 ♡





 俺の話を聞き終えた友人は、伏せていた顔を上げた。

 その顔は、異常なくらいキラキラとしていた。キモイ。





「よし、決めたぜ」

「何を?」





 凛々しい顔つきで言ってくるが、主語がない。

 彼は親指を立てながら歯を煌めかせ……。





「俺も、幽霊のセフレを作る!」





 そう言って、友人は椅子から派手に立ち上がると走り始めた。

 えぇ……。





「おーい、午後の講義はどうするんだよ?」

「任せたぜ!」





 ……まあ、俺も助けてもらう時がくるだろうし、レジュメをとっておくくらいはいいんだけどさ。

 しかし、そんな都合よく可愛い幽霊って出てくるものなのだろうか?

 霊子さんを見つけられたことは、奇跡としか言いようがないだろうし……。

 まあ、あいつもなんだかんだ言って何とかしちゃうタイプだし、大丈夫だろう。





「今日の霊子さんのご飯、なんだろうなぁ」





 そんなことを呟きながら、俺も立ち上がるのであった。

 その後、その友人から『テレビから幽霊出てきたんだけど驚きすぎてビンタしたら逃げられた』という報告があったのは余談である。

霊子さん編終わりです。

次は違うヒロイン出したいなって。

なお、人間ではありません(予定)





やる気になりますので、下の方にある評価をしていただけると嬉しいです。

では。





オクレテゴメンネ(小声)



2.シキ





『22』





「出てきてくれなくなった……」

「当たり前だろ」





 俺はまた友人と大学の食堂で話していた。

 前に座る彼は、何だか意気消沈していた。

 というのも、少し前に友人は呪いのビデオ的なものを手に入れたらしい。

 幽霊のセフレを作りたいとか言って色々と行動していたようだが、まさかそこまでするとは……。

 というか、この時代にビデオって……。

 なんだかんだで再生をしていたが、本当に幽霊が出て来たらしい。

 テレビからのっそりと現れた女の幽霊を見て、友人は……ビンタをした。

「いやー。金縛りにあってたんだけど、マジで怖くて必死に動かしたら動けたわ」とは友人の言である。強い。

 まさかの反撃を受けて怯んだのか、その幽霊はテレビの中に逃げ込んだらしい。

 まあ、それもそうだろうな。金縛りをしていたということは、今まで反撃を受けることすらなかったはずなのだから。

 勝手に身体を動かすわ、逃げるどころかビンタをしてくるわ……幽霊からすれば怖くて仕方なかっただろう。





「でもさぁ! いきなりテレビから出てくるんだぜ!? 流石にビビるわ!」

「まあなぁ……」





 幽霊は殺す気満々だったろうから、擁護することはできないが。

 俺でもそんなことはできなかっただろうし、友人の異常性が明らかになる。





「何回もテレビに謝ってんだからさぁ、顔くらい出してほしいわけよ……」





 ……こいつ、テレビから出てくる幽霊をセフレにするつもりなのか……。





「あー……まあ、しばらくしたら出てくるんじゃね? 霊子さんも最初の方は消えてたけど、最近は消えてる方が珍しくなったくらいだし」

「それにかけるわ……」





 はあっと重たげなため息を漏らす友人。

 部屋に現れた幽霊をとりあえず犯した俺が言うのもなんだが、こいつもなかなかヤバいな。

 性欲お化けなのか?





「悪いな、相談に乗ってもらって」

「相談……? ま、まあいいけどさ」





 ……襲ってきてビンタしてしまった幽霊をセフレにしたいからどうやったら許してもらえるか、ということが相談になるのだろうか?

 危険だから繰り返すな、と普通なら忠告するのだろうが……ビンタして追い返すような男だ、心配はいらないだろう。

 俺が一人で納得していると……。





「代わりにこれやるよ」





 ポンと目の前にあるものが置かれた。

 それは……。





「……お守り?」





 神社などで見られるようなお守りだった。

 新品というわけではなく、年季があるように見えるが……しかし、汚らしいというわけではない。

 手に持って観察してみるが、何と言うかこう……不思議な雰囲気のあるお守りだった。

 そんな俺に、友人が説明する。





「おう。なんか拾ったやつ」

「いるか!!」





 思わずテーブルに叩き付けてしまった。

 怒鳴りつけてやろうとするが、すでに友人は遥か彼方にいた。





「じゃあなー!」





 あの野郎……もうレジュメもらってやらん。

 しかし、まあ……捨てる必要もないか。

 俺はお守りを懐に入れて、昼の講義に赴くのであった。





 ♡





「ただいまー」





 スーパーで食材を買い込み、ボロボロの幽霊アパートに戻る。

 いつもは部屋を開ければ大抵霊子さんが佇んでいたり座っていたりするのだが、今日は本当に珍しく姿を消していた。

 うーむ、どうしたというのだろうか?

 初期のころであればともかく、最近は毎日犯してあげていたというのに。





「じゃあ、別に食材を買う必要はなかったなー」





 適当に冷蔵庫にぶち込みながら、そう一人呟く。

 料理ができないわけではないが、霊子さんのように美味いわけでもなければレパートリーもない。

 チャーハンくらいか、作れるのは。

 自分で作って食べてもいいのだが……自分のために料理をするのって、あまりやる気が出ないんだよな。

 やはり、隠しておいたインスタントでも食べようか。

 霊子さん、飯を作ってくれるようになってから、全然インスタント食わせてくれないからなー。

 結構美味いから、好きなんだよ。

 ただ、腹が減っているかと言われれば、そうでもないのである。

 だいたいこういうときは、霊子さんと一緒に布団の上で汗を流してお腹を空かせるのだが、そんな彼女が居なければどうしようもない。

 セフレの所に行こうかとも思ったが……どうにも眠い。





「はー……布団も出てるし、少し寝るか」





 久々に昼寝でもしよう。

 ここに霊子さんがいれば、ひんやりとした抱き心地の良い肉布団になってくれるのだが……ないものねだりをしても仕方がない。

 俺は布団の上に寝転がった。

 霊子さんが干してくれていたのだろう、良い匂いと温かさである。

 一時期、彼女の出す体液で色々と凄いことになっていた布団だが、綺麗になっている。どうやったのだろうか?

 そんなことを考えていると、自然に俺の意識はなくなっていくのであった。





 ♡





「お?」





 ふと目が覚めた。

 不思議に思いつつも身体を動かそうとするが……。





「……動けん」





 金縛りというやつだろうか?

 ……ということは、霊子さん?

 いや、でも初対面の時ですらそういったことはなかったし、何度も身体を重ねて調教してやった今にそのようなことをしてくるだろうか?

 うーむ……いったいなにが……。

 そんなことを考えていると、ふと胸の辺りに重みを感じた。

 すると、いつの間にか俺の身体に跨って座るような陰があるではないか。

 その陰はニヤリと笑って……。





「おう、小童」





 ……幼女?





2.シキ





『23』





 目が覚めたら幼女に馬乗りになられていたでござる。

 ……ええ、どういうことっすか?





「ふむふむ、意外とがっしりしておるのじゃな。ケツが痛いぞ」





 ぐにぐにと腰を揺らしてすわり心地を確かめるようにする幼女。

 ……プニプニと柔らかな感触が直に当たっているような気がするのだが……。

 幼女は今時ではなかなか見られない和服……着物を着ていた。

 少し歳をとった女が着ているのは見たことがあったが、こんな子供が着ているというのは初めて見た。





「うむうむ、男よな」





 どこか楽しげに俺の腹の上で身体を揺らす幼女。

 えーと……こいつ、なに?

 ニヤニヤと笑っているこの大きな花の髪飾りをつけた幼女のことを、俺は知らなかった。

 家族でもなければ親戚でもない。友人の妹……というわけでもないな。

 空き巣のような侵入者とも考えられるが、こんな子供がしているというのも不思議な話だ。

 しかも、俺の住んでいるアパートは幽霊アパートとして有名な所……らしいので、入居者も俺しかいないような場所に侵入してくる酔狂な空き巣がいるというのもおかしい。

 何も知らないで侵入してきたということも考えられるが……うーむ……。





「なんじゃ、難しい顔をしおって。ほれ、笑わんか」

「なんで笑えるんだよ、この状況で」





 目が覚めたら知らない幼女に馬乗りになられていたんだぞ。

 しかも、身体が動かせないという金縛りも続いている。

 この状況で笑うやつとか、ただの馬鹿だろう。





「それもそうじゃな。小童も不運よの。あのお守りを手に取ってしまったがために、ここで殺されてしまうのじゃから」





 あー……やっぱり、友人に押し付けられたあのお守りが原因なのか。

 確かに、霊子さんとエロいことする以外は非日常的なことは何もなかったからな。

 あの野郎……絶対に許さん。

 そんなことを考えて、俺はようやく幼女の言った言葉の重要性に気づいた。

 ……え、殺されるの?

 目を丸くする俺を見下ろし、幼女は鷹揚に頷いた。





「儂も生きていく? 存在していく?……まあ、そのためには精気をもらう必要があってな。人の魂を喰らって、それを得るのじゃ」

「そういう幽霊なのか?」

「うむ、まあそんな感じじゃ。座敷童じゃがな」





 こいつ、座敷童なのか……俺の知っている座敷童と違う。

 幸せ全然運んでくれないじゃん……。

 こいつの方が見た目童のくせに、俺のことを小童とか呼ぶし……。

 うーむ……しかし、殺されるのは困ってしまう。

 まだヤりたいことが色々あるので、もう少し生きていたい。

 さて、どうしたものかと考えていると……俺の目が、ある場所に引きつけられた。

 それは、悪戯気に笑っている座敷童の顔……ではなかった。

 いや、若干釣り目がちで気の強そうな感じが出ていても整った顔立ちは可愛らしいとは思うが……しかし、そこではない。

 俺が見たのは、彼女の顔……よりもさらに下にあった着物の奥である。

 俺の身体に跨るようにして座っているため、着物の奥が見えてしまっている。

 まあ、暗いのではっきりと見えるかと言われればそうではないが……しかし、俺の煩悩によって底上げされた視力は、確かに捉えることができた。

 座敷童の、幼い陰部を!

 そこは、ぴったりと閉じた美しい無毛の地であった。

 プニプニと柔らかそうで、厭らしさよりかは神々しさすら感じるようなツルツル感である。

 退廃的な生活を一緒に送っている霊子さんのそれと、思わず比べてしまう。

 霊子さんの陰部は、うっすらと毛も茂っており肉厚的な大人のそれである。

 じっくりと弄って突っ込みたくなるような厭らしいものだ。

 しかし、座敷童の陰部は陰毛が一切生えておらず、ぴったりと閉じた秘裂はとてもじゃないが男根を受け入れることができるようには思えなかった。

 思わず顔を寄せてむしゃぶりつきたくなるような、美しい陰部……。

 座られている場所がやけに柔らかいなと思っていたら、こいつノーパンだったのか……。





「うん? くくっ」





 俺の視線に気づいたのだろう。座敷童は悲鳴を上げて飛び降りる……なんてことはなく、むしろ楽しげに笑い出したではないか。

 強い。





「なんじゃ、ここに興味があるのか? 今から殺されようとしておるのに、なんとも豪気な男よな。感心したわ」





 座敷童はそんなことを言いながら、パタパタと着物をはためかせる。

 そんなことをするものだから、陰ができていてなかなか詳細には見られなかった陰部がはっきりと……うーん、スジマン。

 いかん。俺の息子の方に血が流れ始めている。

 金縛りにあい、今から殺すと言われているのにもかかわらず、あそこをビンビンにしているとか格好悪すぎる。

 しかし、座敷童はそれを見越したかのようにズリズリと身体の上で尻を擦り始める。

 おい、止めろ。勃起が止まらんだろ。





「小童は儂のような幼体にも興奮するのか? あれか、ろりこんとかいうやつか?」

「いや、それはないな」





 失敬な事を言ってくれる座敷童に即答する。

 申し訳ないが、俺にロリを性的対象とする趣味はない。

 外を駆け回っているガキンチョを見て性的興奮を覚えたことは一度たりともないし。

 ただ……。





「だが、お前は本当の幼女というわけではないんだろ?」

「うむ。儂は元禄生まれじゃ」





 元、禄……? それ何時代?

 俺の知っているのは明治からなんだけど……それ以上前ってことは百年以上前だよな。

 ……クソ婆じゃないか。

 とはいえ、俺は下限はあっても上限はない。エロければ余裕である。





「正直、精神的に幼い奴には興奮しないんだが……そこが大人だったら、俺的には余裕」





 中身は老齢の女でも、見た目はプリプリの幼女……うん、いけるな。





「くっ……かかかっ! 面白い小童じゃのう! 殺される直前だというに、儂を見て興奮するとは……!」





 俺を見て大笑いする座敷童。

 うーむ、俺も不思議である。人間、やっぱりエロいことには逆らえないんだなって。





「うむうむ、笑わせてもらった礼じゃ。最期なのじゃから、少しはいい思いをさせてやろうではないか」

「マジ? でも、大丈夫か? お前……」





 座敷童の言葉にぎょっとする俺。

 今までの流れから、いい思いというのは大体どういうことが想像できる。

 正直、嬉しい。一番望んでいる死因は腹上死だし。

 しかし……こんなロリを相手にしたことがないので、本当にできるのかと心配になってしまう。





「むっ、儂の見た目で判断しておるな? 小童の言う通り、見た目はちんまくとも中身は老齢の婆よ。男根なんぞ、容易く受け入れてみせ……る……」





 最初はムッとして頬を膨らませる座敷童。

 彼女はくるりと俺の上で反転し、ズボンを脱がしにかかる。

 おぉ……着物がめくりあがって、小ぶりながらも張りの良さそうなお尻とぴったりと閉じた陰部がハッキリと見える。

 そのせいで、男根はどんどんと大きくなり……座敷童はズボンを脱がすことに苦労していた。

 それでも、ふんっと力を込めてズリ下ろされてブルンと男根が露わになると……。





「……うむ。デカくないか、これ?」

「そうか?」





 座敷童の声が震えている気がする。

 かなり間近で男根を見ているのだろうか、生温かい吐息がかかってこそばゆい。

 しかし、平均より多少大き目程度だと思うが……霊子さんや他のセフレも普通に受け入れることができているし。

 まあ、確かに座敷童のようなロリからすれば、大きく感じるかもしれない。

 霊子さんみたいな大人の成熟した身体にはちょうどいいのかもしれないが……俺もこんな幼女を相手にしたことはないので、実際どうなのかはさっぱりわからなかった。





「いやー……無理じゃな、これ。儂、壊れるわ」

「そっか……」





 振り返って舌を出しながらおちゃめに言う座敷童に、俺は落胆する。

 徹底的にほぐして入れるのもいいのだが、金縛り状態の今何もすることはできない。

 あぁ……俺は最後にヤることもできずに殺されるのか……。





「そんな寂しそうな顔をするでない。ほれ、受け入れるだけが性交ではないじゃろ」





 座敷童はまた反転し、俺の頭を小さな手で撫でながらそんなことを言ってくる。

 ……ということは?

 俺の期待に応えるように、彼女は小さな口を開けて真っ赤な舌を垂らす。

 ねっとりと唾液がついており、とても温かそうな舌だ。

 それを見せつけながら、蠱惑的に微笑んだ。





「儂の口でしてやる」





2.シキ





『24』





「……できんの?」





 非常に魅力的な提案ではあるのだが、俺はこの座敷童が口でイかせてくれるのかと懐疑的であった。

 だって、見た目ロリだし。





「これ。儂を見た目通りの女だと思うなよ」





 むすっとした座敷童はズリズリと身体の上を移動し、俺の股倉に顔を埋めるような形になった。

 うーむ……シックスナインの形で陰部を見るというのもよかったが、ニヤニヤとしたロリが股に顔を埋めているというのもまた凄い光景である。





「おー、おー。いきり立たせおって。そんなに楽しみか?」

「楽しみ」

「お、おぉ……そんなあっさり認められるとこそばゆいの……」





 うっすらと赤く染まった頬を、指でポリポリとかく座敷童。

 ふっ、ちょろいぜ。





「さて、小童の逸物を品定めさせてもらおうかの」





 そう言って、座敷童は勃起した男根に顔を近づける。

 霊子さんと比べて小さいので、彼女からすれば非常に大きく見えることだろう。

 まあ、霊子さんの顔は黒い靄で隠れているから、実際どれくらいの大きさなのかさっぱりわからないのだが。





「ほー、大きいのう。やはり、儂の中に入れるにはちと大きすぎる」





 気のせいかもしれないが、座敷童の目がキラキラとしている。

 男がおっぱいなどを見て目を輝かせることもあれば、女も逸物を見れば目を輝かせることもあるのか……。





「この色合い……ずいぶんと女を弄んでいるようじゃの。ん?」

「あー、まあそれなりにな……」





 最近はもっぱら霊子さんが相手なんだけど。

 座敷童を幽霊に分類していいのかはわからないが、同類みたいなものを散々に犯していると知ればどのような反応を見せてくれるのだろうか。





「カリも大きいしえぐいのぉ。良い所を抉りそうじゃ」

「ふっ、試してみるか?」

「いや、いい。壊れそうじゃし」





 ……そんなすげなく断られると、少し落ち込んでしまう。





「匂いも雄臭いのぉ。頭にズガンと来るような匂いじゃ」





 座敷童は逸物に顔を寄せ、鼻をひくひくと動かしながら匂いを嗅ぐ。

 見た目ロリが股倉に顔を突っ込み、熱心にスンスンと匂いを嗅いでいる光景は、何とも背徳的であった。

 逸物の匂い……男からすれば臭い以外の何ものでもないのだが、女の中にはその匂いで興奮できる逸材が存在する。

 匂いを嗅いだだけで、身体の発情スイッチが入ってしまうようなエロい女。

 俺の周りでは、霊子さんがそれにあたる。

 そういう女は大好きなのだが、この座敷童は……。





「すー……はー……。うむ、ちょっと濡れてしもうた」





 夢中になって匂いを嗅いでいる座敷童は、霊子さんと同類の変態エロ女であった。

 顔を真っ赤にし、トロンと蕩けた表情を見せている。

 見た目のロリさからは想像もできないほどの色気を放っている。

 これは……いける!





「な、ちょっと入れて試してみないか?」

「な、何を言っておる。それはせんと言ったはずじゃ」





 俺の提案に、目を丸くして拒絶する座敷童。

 しかし、声も震えているし、今までのような鉄壁さはなくなっているように感じた。





「でも、使ってみたくないか? 自慢じゃないが、結構気持ちいいと思うぞ」

「う、ううむ……」





 ぐらぐらと揺れている様子の座敷童。

 普通の女ならば、こんなバカげた話で揺らぐことなんてありえないだろう。

 しかし、この女は逸物の匂いで興奮できる逸材である。潜在的にエロいのだ。

 であるならば、俺にも勝機が……!





「いや、惜しいが止めておこう。儂が壊れたら大変じゃし」

「…………」





 勝機、潰える。

 俺のエロストーリーはここで終わりを迎えるようです。来世にご期待ください!





「危ない危ない。甘言に惑わされる寸前じゃった。すまんが、良い思いをする前に死んでくれ」

「マジかー」





 座敷童は股倉からのそのそと這い上がってくる。

 名残惜しげに逸物を見ていたのに……使ってくれてもいいのよ?

 しかし、残念ながら座敷童は胸のあたりまで来て再び跨ってきて、首に小さな手を添えてきた。

 そして、徐々に強く締め付けられる。

 こんな子供に本当に窒息死させることができるのかとも思ったが、体重をかければ簡単に息を止めることができていた。

 今、超苦しいし。

 うーむ……絶体絶命である。というか、これ死んだわ。

 身体に自由が利くんだったら、跳ね起きて逃げることもできるのかもしれないが……金縛りはマジでズルくね?

 意識も大分ぼんやりとしてきたし……。

 掠れる視界の中で見えるのは、嗜虐的な笑みを浮かべている座敷童の顔である。

 くっ……この整った顔をアヘ顔に変えさせたかった……。

 そんなことを考えて、目を閉じた俺は命を落とし――――――ということはなかった。





「げほっ、げほっ!……あれ?」





 なんと、息苦しさから解放されているのである。

 軽くせき込んで、息を整える。

 ……何で?

 座敷童が首を絞めることを止めた?

 いやいや、止める理由がない。というか、先ほどニヤニヤしていたのを見たばかりである。

 ということは、誰かが助けてくれた?

 しかし、ここは幽霊アパートと名高い場所である。友人たちですら寄ってこない。

 唯一あり得るのは大家さんなのだが、彼もまた霊子さんと遭遇してからはほとんど近寄ってこない。

 ……まあ、こんなことを考える必要なんてなかったな。





「助かったよ、霊子さん」

「――――――」





 俺は目を開けて枕元に立つ女を見た。

 それは、俺と一緒にこのアパートで過ごし、最近は退廃的なエロい生活を送りまくっている幽霊、霊子さんであった。





2.シキ





『25』





「な、なななな何じゃこいつ!?」





 俺の身体に跨りながら、万歳をして驚愕している座敷童。

 なんて恰好しているんだ……と思ったが、これも霊子さんの力だろう。

 俺が金縛りで動けなくなったように、座敷童の身体も今動かすことができなくなっているのだ。





「わ、儂の身体を完全に制止させるとは、いったいどれほどの力を持っておるのじゃ!?」





 はー……座敷童ってそんな強いキャラなのか?

 驚いているということは、今までこういう経験がないということだもんな。

 じゃあ、そんな座敷童を拘束している霊子さんは、それよりも強いということで……。

 俺、よくそんな女をアヘアヘさせることができたな。自分をほめてあげたい。





「というか、小童! 貴様、こんな化け物に憑かれておったのか!?」





 俺を見て怒鳴ってくる座敷童。

 別にいいんだけどさ、俺の身体から降りてくれない?





「憑かれてるって言われてもなぁ。別に、悪影響を及ぼすようなことは何もされていないし」

「そんなはずがあるか! 儂を押さえつけることができてしまうほどの力を持つ悪霊じゃぞ!? それこそ、小さな集合体を破滅させてもおかしくないわ!!」





 えぇ……霊子さんがそんなことするはずないじゃん。





「俺の下でアヘアヘして、家事を一手に引き受けてくれてるのに……」

「貴様悪霊に何して何させておるんじゃ!!」





 めちゃくちゃ相性のいいカップルみたいな?





「舐めるなよ! たかだか悪霊になって数年の小童が、何百年も生きる儂にかなうと思うてか!! そこの小童を殺して、精気をいただくと決めておるのじゃ!!」





 座敷童が吼える。

 その顔は幼女とは思えないほど凶悪で、見た目からすると笑ってしまってもおかしくないようなことを言っているのだが、どうにも説得力というか迫力があった。

 本当に、俺が殺されるような迫力である。

 見た目と違って、本当にこいつも力のある幽霊なのかもしれない。

 さて、どうしようかと悩んでいると……。





「お?」





 座敷童の身体がふわりと宙に浮いたのである。

 逃げるのか、とも思ったが、彼女の顔を見れば自分でしたことではないことは明らかだった。

 ということは、これをしているのは霊子さんということで……。





「ぎゃああああああああああああああああああ!?」





 かつての大家さんを吹き飛ばしたように、座敷童の小さな身体も、まるでトラックに突っ込まれたかのように水平にぶっ飛ばしたのであった。

 えぇ…………。





 ♡





 少しの間離れていた途端に、あの男は女を連れ込んでいた。

 まったく信じられない。二人諸共殺してやろうと考えたのだが……様子がおかしいことに気づく。

 それは、女が男の首を絞めているのである。

 …………男がドMなのか? いや、今まで一緒に暮らしていて、彼が軽いSであることは理解している。

 尻を叩いてきたり、尻穴を犯してきたり……まったく、受け止める側の気持ちにもなってほしいものだ。

 自分も嫌々……そう、嫌々受け入れてあげているのだから。

 ……いや、それは今どうでもいいことだ。

 今気にするべきことは、女が男に馬乗りになっているということ。

 そして、嗜虐的な笑みを浮かべて彼の首を絞め続けていることである。

 これは、彼らの特殊プレイではない。男根を露出して匂いを嗅いでいる時は殺してやろうと思ったが……。





「くかかかかっ」





 女が笑う。男の首を絞めながら。

 それを見て、彼女の心はスッと冷たくなるのを実感した。

 最近は……あの男と暮らし始めてからは、温かい気持ちばかり感じていたのだが……。

 まあ、とにかく……。





「……む? 身体が動か……ん……」





 この女を殺そう。

 この男を殺すのは自分でなければいけないのだから。

 そう考え、彼女は……霊子と呼ばれる幽霊は、座敷童を金縛りにあわせ吹き飛ばしたのであった。





 ♡





「ちょっ!? ぶぎゃっ!? ま、待たんか……ふぎゃぁっ!?」





 俺の目の前で座敷童の身体が跳ねまくる。

 もちろん、彼女自身が動かしているわけではない。

 自分で動いていて、あんなにも激しく壁や地面にぶつかる馬鹿がどこにいるのだろうか?

 うわ、コブができそうなほど強く頭をぶつけた。

 ……あ、鼻血も出てる。

 目の前で独りでにボロボロになっていく座敷童。

 そして、それを為しているのが……。





「霊子さん、強くね?」

「――――――」





 俺の傍らに立つエロ幽霊こと、霊子さんである。

 普段、俺の逸物でアヘアヘしているとは思えないほどの強大な力を振るい、俺の身体を動けなくして命を奪おうとしていた座敷童を一方的にボコっていた。





「ぶへっ!? こ、小童! これを止めさせろ! 儂、本気で死んじゃう!」

「お前、俺を殺そうとしてきたくせに……」

「い、言いたいことは分かるが、ここは少し大人になってじゃな……ぐへぇっ!?」





 なんか都合の良いことを言いまくっている気がする。

 なお、その間も霊子さんによって身体を色々な場所に叩き付けられている模様。

 大家さんを一撃で沈めたポルターガイストをくらっても悲鳴を上げる程度には元気なので、やはり人間ではないのだなぁっと思った。

 さて、この座敷童をどうするか……。

 すでに、俺は金縛りも解かれており、布団の上で座り込んで考える。





「ふぎゃっ! ぶへっ! ふごぉっ!?」





 殺されそうになったから、俺もこいつを殺してやる……という気持ちはない。

 うーむ、どうしてだろうか? 別に、そう思ってもいいはずなのだが……。

 まあ、実際には霊子さんに助けられて死ぬことはなかったし、座敷童の見た目も幼女ということがネックになっているのかもしれない。

 流石に、見た目子供のやつに本気の殺意を抱くことはできなかった。

 それに、殺すにしても俺の力ではなく、霊子さんにやらせるということになってしまう。

 それは何だか……違うような気がする。





「ひぎぃっ! おぐぅっ!? げほぉっ!!」





 じゃあ、お咎めなしということで見逃す?

 いや、それもなぁ……。確かに、殺意は抱いていないが、ムカついていないと言えばうそになる。

 だって、俺何にもしてないのに殺されかけたのだから。

 本当に、霊子さんがいなかったらマジで殺されていた。

 こんな奴を野に放てば、また誰かが殺されるかもしれない。

 うん。やはり、何かしらの報復はしておかなければならないだろう。





「も、もう死ぬのじゃぁ……」





 では、どのような報復をするか?

 ボコボコに殴るような暴力的な報復? いや、それはやはり幼女の見た目もあって非常にやりづらい。

 ならば、どうするか……。

 この座敷童が嫌がりそうなこと……女が嫌がりそうなこと……?

 ハッと思いついた俺は、ポンと手を合わせた。





「よし、犯そう」





2.シキ





『26』





「は!?」

「――――――!?」





 俺の言葉を聞いて、ぎょっとしてこちらを見てくる座敷童と霊子さん。

 霊子さんは雰囲気で分かるし、座敷童はもう目を丸くして驚愕していた。





「霊子さん、お願い。あいつ金縛りにしてくれない?」

「――――――!?」





 何でだよ、という強い意思を感じる。

 まあ、彼女からすればそうなのだろうが……。





「ほら、流石に殺すのはやりすぎかなって」

「――――――」





 殺されそうになったんだから、殺してもいいという意思が送られてくる。

 うん、確かに理屈ではそうなのかもしれないんだけど、法治国家で割とまともな常識の元で育てられたからさ、そんな覚悟完了できてないんだよね。

 いくら幽霊とはいえども、殺すのはちょっとなぁ……。





「くっ、くかかか! 小童は相変わらず面白いのぉ。儂は構わんぞ? 殺すよりかは効率は悪いが……精気はいただくことができるしの」

「――――――」

「なに、お前には聞いていないじゃと? 儂も当事者なのじゃから、少しくらい勘弁してくれ」





 おや、二人は会話ができるのだろうか。

 俺も霊子さんの意思を何となく感じ取ることしかできないのだが……やはり、幽霊同士ということもあるのだろうか。





「ね、お願い?」

「――――――」





 霊子さんからは拒否の意思が伝わってくる。

 どうしても、この座敷童を殺したいらしい。

 うーむ……しかし、一度ロリを味わいたい俺としても、殺されては困ってしまう。

 いや、ほら……興味はないけど、味わえるんだったら味わいたいじゃん?

 まさか、精神的にもロリな本物を相手にするわけにはいかないので、まさに座敷童みたいなロリ婆は大歓迎なのである。

 はてさて、どういってお願いを聞いてもらうか……。





「霊子さんに、これ以上余計な人殺しをしてほしくないんだ……」





 なんだか、不人気になりそうなヒロインのようなセリフである。

 そもそも、座敷童は幽霊なのだから、人殺しというのもおかしな話だが……。





「――――――」





 しかし、こんな陳腐なセリフでも、霊子さんのどこかに響いたらしい。

 戸惑っているような雰囲気が醸し出される。

 今は、座敷童を色々な場所にぶつけまくるようなことはなく、身動きを封じる金縛りだけになっているようだ。

 まあ、あれだけボロボロになっていて逃げられるのかとも思うが……念には念をだ。

 霊子さんは悩んでいるようだ。

 俺は彼女が今までどれだけの人を殺してきたか知らないし、そもそもあんまり興味がない。

 俺と相性が良くて、エロくて、尽くしてくれるんだったら別にどうでもよくない?

 これが、人間だったら警察に連絡とかする必要があるのかもしれないが……幽霊をどうこうすることなんてできないからな。

 だから、別に霊子さんが俺以外を殺そうが殺すまいがあまり関心はないのだが……彼女は俺の言葉に揺れている。

 ここで、あと一押しすれば、俺の言うことを聞いてくれるだろう。

 さて、その一押しとは? まあ、これは相手によって変えるべきだろうが……俺と霊子さんの関係を考えれば、それはひどく簡単なものである。

 俺はニマニマと笑いながら霊子さんの背後ににじり寄る。

 そして……。





「――――――!?」

「おぉっ!?」





 ギュッと彼女の冷たくて柔らかい身体を抱きしめたのであった。

 霊子さんと座敷童が驚くが、俺はそんなことは気にしなかった。

 いやー、しっかし抱き心地が本当に良い。

 時折抱き枕にして寝させてもらっているが、その時の寝心地は最高だもんな。

 ……幽霊を抱き枕に良い夢を見るというのも不思議な話だが。

 困惑している霊子さんに畳み掛けるなら、今しかない!

 俺は彼女の長い黒髪をかき分け、青白い耳を露出させ……。





「――――――ッ!?」





 その耳をベロリと舐め上げた。

 抱きしめる柔らかな身体がビクンと跳ねあがるが、それを押さえつけて耳を舐める。

 耳は結構敏感で、弱い人が多い。

 霊子さんは大体身体のどこでも敏感というエロボディであるのだが、耳も弱かった。

 耳全体を口に含むようにして、歯で甘噛みしてやる。

 すると、面白いように身体を跳ねさせた。

 耳への愛撫で抵抗が弱まっている間に、薄汚れた白いワンピースを持ち上げる。

 むっちりと肉付きのいい安産型の臀部が露わになる。尻枕、最高でした。





「ぉっ――――♡」





 尻タブをこじ開け、すでに濡れていた陰部に指を突っ込む。

 グチュグチュと音を立てて膣内をほじくれば、どんどんと愛液を溢れ出してくれる。

 弄っていると、自然と霊子さんの身体が折れ曲がってお尻を突き出すような恰好になる。

 それを確認して、俺はしゃがみこんで霊子さんの尻に顔を突っ込むようにした。





「おっ、おっ――――♡」





 秘裂を指でこじ開け、厭らしく蠢く膣内が見えやすいようにする。

 顔を近づければ、雌の匂いがむわっと顔全体に覆ってくる。

 しかし、その匂いも男を刺激するだけであり、決して忌避するようなものではなかった。

 むっちりとした尻肉を揉みしだきながら、冷たい尻に顔を埋める。

 そして、舌で優しくピチャピチャと陰部を舐めるのであった。

 濡らしておく必要があるのだが……エロい霊子さんにはそのような気遣いは必要なく、すでにベトベトに濡れていた。

 うっすらと生えている黒い茂みもベチョベチョで、非常に厭らしい。

 間近で肉厚の陰部を見るが、先ほどチラリと見えた座敷童のツルツルと比べるとやはり違うなと思う。

 人はそれぞれ違うから、エロいこともバリエーションがあっていいんだよなぁ……。

 そんなことを考えながら俺もズボンを脱ぐ。





「おぉ……や、やはり、かなりの大きさじゃな……」





 金縛りにあいながらこちらを凝視していた座敷童が呟く。

 大きさに関してはそんなに自信はないのだが……まあ、女を泣かせる自信はあるからいいや。

 顔を愛液でベトベトに濡らしながらも、俺はむちむちのお尻から顔を離す。

 そして……。





「おっ♡」





 ズプン! と一気に奥まで男根を押し入れたのであった。

 もう何度も交わっているため、俺の形になっている膣内は濡れていたこともあってあっさりと受け入れてくれた。

 おぉ……相変わらず、冷たくも射精を促すように蠢く名器……。

 何度経験しても、すぐに出してしまいそうになる。

 しかし、上下関係を叩き込むためにも、ここは我慢我慢……。

 さらに、ワンピースを持ち上げて、豊満な乳房を露出させる。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 ズプ! ズプ! ズプ! ズプ!





 やはり、バックで霊子さんを犯すのは気持ちがいい。

 自分よりも凄い力を持つ女を屈服させている感じがするし……後ろからも盛大に揺れる乳房も見られるし……。

 霊子さんの弱点も知り尽くしているので、そこを擦ってやれば身体をビクビクと震わせて簡単に絶頂してくれる。

 相性バッチリだぜ。

 身体を「く」の字のように曲げてお尻を突き出している霊子さんの腕を掴み、上体を起こさせる。

 ダプダプと重たげに揺れる乳房に手を伸ばし……。





「おぉぁぁあぁぁぁあ――♡」





 勃起しかけていた乳首をつねってやる。

 すると、プシャッと温かい母乳を噴出させて、膣内に収めた男根を締め付けてくるのであった。

 うーむ……やはり、正面から弄って直に飲んだ方がよかっただろうか?

 まあ、いつでも飲めるからいいか。

 コツコツと子宮口を押し込んでやれば、ピュッピュッと母乳を噴き出させる。





「こっち向いて舌出して」





 子宮口にグリグリと亀頭を押し付けながら言うと、ゆっくりと霊子さんは振り向いて黒い靄の中から舌を出した。





「んぉぉぉぉぉ――♡」





 それを舌で絡め取って嬲ってやると、獣のような喘ぎ声を出す。

 甘くさえ感じる唾液を啜りながら、Gカップ並の巨乳を下から持ち上げる。

 おぉ、重いなぁ。こんなのつけて、よく動けると思う。

 ……いや、霊子さんは動くというより現れるという感じだし、大丈夫なのか。

 汗でしっとりとしているおっぱいに、彼女の乳首から溢れ出す母乳をこすり付ける。

 そうしたら、今度胸に顔を埋めたとき、甘い匂いがするかなっと思って……。





「あ、そろそろ出すね」





 俺はこみあげてくる射精感に、我慢することはしなかった。

 激しく腰を振って、肉厚の尻肉とぶつかり合って高い音を立てて……。





「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――♡」





 ビュルルルルルルルルッ!!





 パン! と腰を一際強く押し付け、霊子さんのお尻と密着させる。

 そして、そこから精液を注ぎ込んだ。

 一滴も漏らさないように、ギュッと強く密着して遠慮なく中出しする。

 はー……柔らかくて冷たくて……抱き心地最高だわ。

 ビクビクと震える霊子さんの身体を押さえつけ、最後の一滴まで注ぎ込む。

 ずるりと男根を引き抜けば、精液と愛液でグチョグチョになっていた。

 手を離すと霊子さんが崩れ落ちそうになったので、優しく抱き留めて地面に寝かせる。

 いつもなら、俺も彼女を抱き枕に眠りにつくのだが、今日は特別である。

 濡れた男根をブランブランさせながら、俺は振り返って座敷童にニッコリと笑いかける。





「さあ。次はお前の番だ」





2.シキ





『27』





「あ、悪霊と性交をして屈服させるじゃと……!? 小童、貴様おかしすぎるじゃろ!!」





 座敷童は酷く焦った表情を浮かべながら、そんなことを言ってくる。

 何もおかしくなんかない。霊子さんはエロい身体をしていて、俺と相性が良くて……ただそれだけである。

 俺は動けない座敷童ににじり寄って行く。

 どうやら、霊子さんは腰砕けになっても金縛りを維持してくれているらしい。ありがたいことである。

 彼女の力がなければ、逆に俺が金縛りにあって殺されてしまう。





「ま、まあ、儂はそこの悪霊と違って簡単な女ではないぞ? 小童から精を抜き取った後、殺してくれるわ」





 ギラリと鋭い目に見据えられて、思わず笑ってしまう。

 ふっ……そんな目をしても、今からこいつは俺に犯されるのである。ビビるはずがなかった。

 というか、先ほどまで霊子さんにぶん投げられていたガキンチョにビビるわけがなかった。





「そう言えば、お前名前はあるのか?」

「ある。……が、小童に教えてやる必要もあるまい」





 へー、あるのか。霊子さんにもあるのかもしれないが……彼女は話すことができないようなので、俺が付けた安易な名前呼びをしているが。

 そうか、座敷童には名前があるのか。

 生意気にもそっぽを向きやがったが……いつか自分から話すように調教してやればいい。

 さて、まずはやはり観察だろう。これは、しっかりとしておく必要があった。





「髪はサラサラだな」

「む? まあ、女の命じゃからな」





 いきなり襲ってこずに頭を撫でだしたのが意外だったのか、一瞬キョトンとする座敷童。

 しかし、褒められて嬉しかったのか、ふふんと胸を張っていた。ちょろいぜ。

 とはいえ、髪は本当にきれいだ。

 少し茶色が入った黒髪は、長くてサラサラとしている。

 長さで言えば霊子さんの方が圧倒的だが、サラサラ度で言えば座敷童の勝ちだな。





「髪飾りもつけているんだな」

「儂ほど良い髪をしていれば、飾りも映えるじゃろ?」

「まあ、確かに」





 自慢しているが、否定するつもりにはなれなかった。

 座敷童が髪に差しているのは、大きな花飾りであった。

 大学でこういう大きなアクセサリーをつけている女は大概地雷なのだが……彼女にはそれは当てはまらないようだった。

 ……いや、人のことを呪い殺そうとしてくるし、地雷は地雷か。

 長めの黒髪に大きな花飾り……よく映えていた。





「顔も可愛らしいよな」

「うむ!……お、おい。顔が近いぞ」





 間近で座敷童の顔を拝見するが、端正に整った美少女である。

 大人になれば、それは男を手玉にとりそうな小悪魔感もあった。

 ただ、まだ子供だからか、頬は薄く桜色に染まってぷっくりとしていた。可愛い。

 まあ、内面は元禄? 時代から生きているという婆なのだが。

 婆じゃないと俺も手が出せないので、それについては問題ない。





「よし、脱がすか」

「ほ、本当にやるのか!?」

「いや、そうしないと犯せないし……」

「わ、分かっておるわ」





 何をいまさら……とも思ったが、もしかして座敷童も経験が薄い、もしくはないのか?

 まったく……霊子さんといいこの座敷童といい……どうしてそんなおぼこ感が凄いのだ。

 俺としてはどちらでもいけるからいいのだが。性病は移さないでね。

 そんなことを考えながら、着物を脱がしていく。

 霊子さんのワンピースと違って薄汚れていないし、後脱がしにくい。

 いや、複雑なドレスのようなものと比べれば断然に脱がしやすいのだが、比較対象が簡素なワンピースの霊子さんだから……。

 しかし、衣服についてまったく知識のない俺でも脱がすことができ……。





「……あまりじろじろと見るでない」





 ついに、座敷童の裸体を拝むことに成功したのであった。





「おぉ……」





 思わず感嘆のため息が漏れてしまう。

 霊子さんの身体は、男なら誰しもむしゃぶりつきたくなり、獣になってしまうような肉付きの良いエロい大人の身体だ。

 一方、座敷童の身体は、まさにロリである。

 身体の起伏は乏しく、とても肉感的とは言えない。

 だが、神々しさというか、強烈に惹きつけられる何かがあった。

 これが、精神も幼ければ性欲を喚起されることもなかったのであろうが、頬を赤くしてそっぽを向きながら恥ずかしがる座敷童の様子も合わさって、とても興奮できるものであった。





「な、なんじゃ。言いたいことがあるのであれば、言うてみい」

「そう、だな……」





 酷く緊張した様子で、そんなことを言ってくる座敷童。

 ちゃんとした感想が聞きたいというよりかは、気持ちを落ち着かせる時間が欲しいということだろう。





「綺麗だぞ」

「そ、そうか……」





 とりあえず、素直に思ったことを伝えてみる。

 座敷童は照れくさそうにそっぽを向いた。

 ……あれ? こいつ、ちょろくね?

 下手をすれば、霊子さん並にちょろいのではないだろうか?





「ぺちゃぱいだけどな」

「ぺ、ぺ……ッ!?」





 ただ、どうしても肉感ということに限れば、座敷童は霊子さんよりも明らかに劣っている。

 やはり、抱き心地というものも重要なのだ。

 華奢で小さな座敷童は、お世辞にも抱き心地が良さそうには見えない。





「馬鹿者が!! ちゃんと見ろ! ぺったんこではなかろう!? ちゃんと膨れ上がっておろう!?」





 金縛りで動けないはずなのに、必死に背を反らそうとしている。ムキになっちゃって可愛い。

 しかし、そこまでアピールされて見ないというわけにもいかない。

 俺は、彼女の胸に目を向けるのであった。





2.シキ





『28』





 俺は霊子さんのそれと比べると天と地ほどの差がある座敷童の胸を見る。

 Gカップ近い霊子さんと比べて、座敷童の胸は間違いなくAカップだろう。

 下手をすれば、それよりも小さいかもしれない。





「でも……」





 思わず声に出してしまったが、意外にも座敷童の言う通りぺったんこではなかった。

 確かに小さい。だが、そこには確かな膨らみが存在していた。

 ぷっくりと膨れ上がった小さな双丘。それは、男の手に覆われればすっぽりと全てを隠してしまうような可愛らしいものであった。

 男の手からこぼれんばかりの乳房を誇る霊子さんとは比べものにならない。

 だが、この成長途上というか……小さいながらもぷっくりと膨れ上がった乳房は、男を惹きつける確かなエロさがあった。





「んっ……優しく弄れよ」

「おう」





 思わず手を伸ばして乳房を弄り始める。

 座敷童からのちょっとした注意はあったものの、そんなものは弁えている。

 霊子さんのそれと違って、とても乱暴できる感じではないからだ。

 彼女の乳房を揉むと言ったが、どうにもそれは正しくないかもしれない。

 俺は、指でぷにぷにと小さな双丘を挟むようにして弄っているだけだからだ。

 手のひら全体で乳房の感触を楽しむということではない。それほどの量感はない。

 しかし、なんというか……幼女の身体ってこんな感じなのかなと思う。

 実際の幼女を相手にしたことは流石にないから比べることができないのだが……成熟した霊子さんと比べると、柔らかさというよりかは張りが強いような気がした。

 ムニムニと指で弄っているぷっくりと膨れた小さな乳房も、霊子さんのどこまでも沈んでいきそうな豊満な乳房と違い、どこか硬さが残っている気がした。





「霊子さんより小さい……」

「あんな乳牛と一緒にするでないわ!」





 乳牛……まあ、母乳も出すしマジでそうかもしれない。

 それがいいんだけどな。

 さて、と次に俺が目を向けるのは、小さな乳房の頂点に君臨する乳首である。

 世の中には、グロ乳首なるものも存在する。

 どれほど胸が綺麗でも、乳首があれだったら手が出せないという男もいるはずだ。

 俺はいけるけど。

 座敷童の乳首は、それはそれは綺麗なものだった。

 霊子さんの乳首も綺麗なのだが、座敷童のそれはさらに色素が薄くツンと上を向いていた。

 乳房を揉みしだかれて、勃起をすでにしていたようだ。

 まるで、上を向いている乳首に引っ張られる形で乳房がぷっくりと膨れ上がっているような感じだ。

 霊子さんのはたっぷりとある乳房にちょこんと乳首が乗っている感じなので、そこも違っていた。

 まさに、成長途中というような形のおっぱい……元禄生まれの座敷童に、まだ成長があるのかは知らないが。

 見た目は完璧である。そして、次に重要なのは感度だ。

 やはり、男からすれば、色々と反応してくれる方が満たされる。

 マグロ女を快楽に浸らせるというのも、また楽しいのだが。

 そんなことを考えながら、俺は軽く乳首を摘まんだ。





「んひぃぃぃぃっ!?」

「!?」





 すると、俺も驚いてしまうほどの反応を見せた。

 座敷童は大きな嬌声を上げ、ビクンと身体を大きく震えさせたのであった。

 え、えぇ……感度良すぎない?





「や、優しくしろと言うたじゃろ……!」





 いや、全然強く弄っていないぞ……。

 霊子さんにするように、爪でカリカリといった刺激を与えるようなことすらしていない。

 本当、ただ摘まんだだけなのだ。

 それで、この苛烈とまで言えるほどの反応……思わず、頬が緩んでしまう。

 これは、良い女を見つけたものだ。





「んっ、ひぃぃっ! おぅっ……! い、弄るなぁ……!」





 クニクニと勃起した乳首をこねてみる。

 座敷童は面白いくらい簡単に反応してくれて……最高だな。

 ぷっくりと膨れ上がる乳房と乳首……霊子さんのように色々と楽しむことはできなさそうだが、これはこれでいいものだ。

 このままずっと乳首を弄り続けて座敷童をイかせ続けるのもいいのだが……やはり、一番観察しておきたいところが残っているので、それはまた後日にしよう。

 乳首から手を離すと、大きく息を吐いて整えようとする座敷童。

 その隙に、彼女のお腹などを見ていく。

 霊子さんのように引っ込んでいるというよりかは、なだらかな曲線を描いている。

 それが、子供らしさをさらに強調しているようだ。

 とはいえ、霊子さんのように肉付きがいいというわけではないので、あばら骨がうっすらと見えている。

 そして、俺が一番観察したかった陰部へと、視線を落とす。

 そこは、霊子さんのそれと違って一切の毛が生えていなかった。

 所謂、パイパンというやつだろう。

 おぉ……初めて見たかもしれない。

 全部剃っている女もいるかもしれないが、おそらく座敷童の無毛の丘は天然ものだろう。

 剃り跡や剃り残しも一切ないので、とても美しかった。





「んっ……無造作に揉むな」





 とりあえず、手でグニグニと揉みこんでみる。

 手のひらに陰毛がショリショリと当たる感覚も好きなのだが……このプニプニ感も堪らない。

 なまじ、一度も経験したことのない感触だから、いつまでも触り続けることができてしまいそうだった。





「いやー、綺麗なもんだ。ちょっと小さいけど……入るか?」

「入るじゃろうが……無理はするなよ。儂、痛いのは嫌いじゃし」





 人を殺そうとしていたくせに、何言ってんだこいつ。

 そんなことを考えながら、しゃがみ込んで彼女の陰部に顔を寄せる。

 指でぴったりと閉じた秘裂をこじ開けてみるが……綺麗なものだ。思わずむしゃぶりつきたくなるほどだ。

 とはいえ、逸物を受けいられるかと言われるとどうなのだろうか……と悩むが、まあ女は子供を産むことができるのだ。ちんぽくらいなんてことないだろう。

 それに、ガチの幼女ならあれだが、座敷童はロリ婆である。余裕だ。





「まあ、こんなに濡れてたらスムーズに入るだろ」

「ひっ、んっ! い、弄るな小童!!」





 スリスリと秘裂を指の腹で擦ってやれば、ねばっとした液体が付着する。

 これは、今陰部を弄られているから……ではなく、おそらく先ほどの乳首弄りが原因だろう。

 テラテラと光る粘っこい液体は、細くも張りのある太ももにまで垂れていた。

 ふっ……楽しみだ。

 さて、次はケツだ。





「むぷっ?」





 俺は座敷童を正面から抱きしめるようにしながら、お尻に手を伸ばす。

 霊子さんと違って身長差があるため、それなりに苦労しながら腕を持って行き……。

 プルンとした張りのある小ぶりな臀部に触れるのであった。





「はー……すべすべで気持ちいい……」

「んぶぶ。ぼぶでばろ、ぼぶでばろ」





 感想をもらせば、俺の腹のあたりに顔を突っ込んでいる座敷童が何やら自慢げな声音で呟いていた。

 もしかして、こいつは尻に自信を持っているのだろうか?

 まあ、確かにあの大きさで乳房が自慢ですとか言われてもあれだけどさ……感度は良いから自慢しても良いと思うぞ!

 しかし、座敷童ご自慢のお尻は……。





「いや、確かに良いわこれ」





 ずっとプリプリのお尻を撫でまわしていた。

 自慢するだけはある。これは、良いケツだ。

 小ぶりだが、乳房と同じようにまったく垂れることなく上を向いた臀部。

 その柔らかさと大きさでは霊子さんに劣るものの、張りだけならば彼女よりも上かもしれない。

 下から持ち上げるようにしてパッと手を離せば、尻肉がプルプルと揺れながらすぐに元の形に戻る。

 これも、良い尻枕になりそうだ。

 霊子さんのは柔らかくてどこまでも沈んでいきそうな低反発尻枕だが、座敷童のは固くて張りのあるしっかりとした尻枕だ。どちらも甲乙つけがたい。

 そして、何よりも座敷童と霊子さんで違うのは……。





「あったけぇ……」





 そう、人肌があるのである。

 霊子さんはひんやりとして冷たい身体なのだが、座敷童はしっかりと体温があり……むしろ、子供特有で体温が高めなくらいだ。





「何でお前、体温があるの?」

「ぷはぁっ! なに? 普通あるじゃろ。もしかして、悪霊にはないのか?」





 俺の身体から顔を離して、息を吸い込みながら逆に小首を傾げられた。

 へー、幽霊は皆体温がないと思っていたが、そういうわけではないようだ。

 まあ、座敷童を幽霊に分類していいのかはわからないが……。

 しかし、両方とも冷たいとかよりは、どちらかが温かい方がいいかもしれない。

 なんというか……サウナと水風呂みたいな関係?

 座敷童で火照った身体を、霊子さんの身体で冷やす。

 ……なんて素晴らしく贅沢なんだ。是非やってみたい。

 というわけで、だ。もう十分に座敷童の身体も観察することができたわけだし……。

 俺はニッコリと微笑みながら、彼女の肩を掴んで言った。





「よし、犯すぞ」





2.シキ





『29』





「ほ、本当にヤるのか?」

「もちろん。じゃないと、お仕置きにならないだろ」





 どうにも往生際の悪さを見せてくる座敷童に、俺はそう告げる。

 そう、これは決して俺がヤりたいからやっていることではないのだ。うん、本当本当。

 アパートの一室で裸になっている男女が向かい合っている……やることなんて一つしかないだろう。

 ……傍から見たら、俺はペドの性犯罪者になるのだが、中身は婆なので安心してほしい。





「名前を教えてくれるんだったら、ヤらなくてもいいぞ」

「はっ、どうしていつか殺す相手に儂の名前を教えてやらねばならん?」





 あからさまに俺を見下して馬鹿にしたように笑う座敷童。

 だが、全裸で身動きのとれていない今、彼女は滑稽であった。

 ……まあ、俺はこんな幼女に先ほど殺されかけていたわけなので、高らかに笑うことはできないのだが。





「それに、これを見てみろ。もう、お前を犯す気満々だぞ」





 そう言って、俺はいきり立つ男根を座敷童の眼前に差し出すのであった。

 ……幼女の顔面に逸物を寄せる男、明らかに犯罪者である。警察に厄介になりそう。

 しかも、精液と霊子さんの愛液でベトベトになったままだから、まだテラテラと光沢があった。





「先ほども見たが、えぐい形をしとるのぉ。大きさもかなりのものじゃ」

「どうも」





 男根を褒められて嬉しくない男がいようか?





「それに……匂いも雄臭い」





 座敷童は小さな鼻をひくつかせながら、スンスンと音を鳴らして逸物の匂いを嗅ぎだした。

 なんだ、こいつ。匂いフェチなのか?

 俺も、雌臭い匂いは大好きだが……やはり、相性のいい奴は惹かれあうのかもしれないな……。

 霊子さんが放心状態なので、今はそれほどがっちりと金縛りをされているわけではないようだ。

 少し顔を傾けたりして、匂いを嗅いでいる。

 うーむ……こうまでも熱心に嗅がれると、何だか気恥ずかしい。

 座敷童の荒い鼻息が男根に当たってこそばゆく、陰毛が揺れる。

 それほどまでに熱心に、彼女は男根の匂いを嗅いでいたのであった。

 顔はトロンと蕩け、小さく開かれた口から真っ赤な舌を覗かせて……。





「ん……」





 チロっと男根に触れた。

 おずおずと、それは様子を窺うような些細な接触だった。

 しかし、次第に慣れてきたのか、それとももっと味わいたくなったのか、座敷童は舌でねっとりと逸物を舐めはじめた。

 真っ赤で小さな舌を使い、亀頭を舐め、裏筋を這わせ、匂いを嗅ぎながら味を貪る。

 俺も霊子さんと違った熱い体温を感じながらのフェラに、思わず頬が緩んでしまいそうになる。

 危ない危ない。男のそういう顔ほど気持ち悪いものはないからな。

 いや、女でそういう顔をされるのが好きという者もいるだろうが、男からすれば男のそういった顔はキモイ。





「そういうのも良いけどさ、そろそろ咥えてくれない?」





 小さな舌でペロペロとされるのもいいのだが、興奮している今はもっとガッツリ愛撫してほしい。

 なんというか……おっかなびっくりという様子なので、なおさらである。





「……文句の多い奴じゃなぁ。あーむ」





 なんだかんだ言いつつ、座敷童は精一杯口を開けて男根を飲み込んでくれた。

 噛み千切られたらどうしよう……という一抹の不安はあったものの、まあ俺を傷つけても霊子さんがいるわけだし、彼女も馬鹿ではないからそのようなことはしないだろう……と思いたい。

 それほどの危険を覚悟してでも、この見た目ロリに口で奉仕してほしかったのだ。仕方ないね。





「んぐっ、んっ、んぶっ」





 必死に口を大きくして奉仕してくれようとはしているのだが……いかんせん口が小さすぎてあまり口に入っていない。

 無理やり突っ込んだら入るのだろうが……そんなことをしたら、本気で噛み千切られかねないので止めておく。

 霊子さんにするようになったのも、そうそう噛み千切られることはないだろうという確信を得てからだったし。

 まあ、いずれそれもやればいいや。





「んごっ、ぶっ、んんっ」





 ジュポジュポと音を立てながら、男根に吸い付いてくる幼女。

 彼女からすれば結構大きいので苦労しているようだが、歯に当たるようなことはなかった。

 流石ロリ婆。歯に当たったら背筋凍るからな。

 座敷童は目を細め、顔を紅潮させながら口での奉仕を続ける。

 口からは粘りのある唾液がだらーっとこぼれていた。

 霊子さんなら大きく張り出た乳房にかかっているのだろうが……残念ながら貧乳の座敷童の胸にはかからず、そのまま垂れてしまった。

 後で掃除よろしく。





「じゅぶっ、じゅぶっ、じゅぽっ、じゅぷっ」





 唾液がさらに分泌され、とてもスムーズに口での奉仕が進む。

 流石に全部含むことはできていないが、竿の半分程度までは飲み込むことができていた。

 物足りないと言えば物足りないが、ロリ体型の座敷童にこれ以上求めるのは酷だろう。

 それに、こんな幼い見た目の女に蕩けた表情で奉仕をされれば、射精感もこみあげてきて……。





「んんんんんんんんっ!?」





 座敷童の口内で、ドクドクと射精をしたのであった。

 目を丸くして驚く彼女であったが、とっさに顔を離そうとはしなかった。

 少し涙を溜めた目で俺を睨みあげながら、頬を目いっぱい膨らませて精液を受け止めた。

 まあ、俺も手加減して全部吐き出していないので、だからこそ逆流していないのだろう。





「んぁ……」





 男根を口から引き抜けば、ぽっかりと空いた口からねばねばの白濁液が見て取れる。

 赤い舌や口内に白い液体があるのは、何とも背徳的なエロさがあった。





「飲んでいいよ」

「ん……」





 俺が許可を出せば、小さな喉をコクコクと上下させて精液を飲み始める。

 まるで、味わうかのようにゆっくりとゆっくり……と思ったけど、ただ単に喉が細いから一気に飲み込めないのか。

 ちょっと顔にもかかっちゃっているが、それが気にならないくらい没頭して精液を飲んでいき……。





「ぷはっ……まったく、出し過ぎじゃ」





 全てを飲み干した座敷童は、蠱惑的に微笑むのであった。





2.シキ





『30』





「よーし、そろそろ本番だぞー」





 俺は座敷童の唾液でベトベトになった男根を立たせたまま、彼女を四つん這いにさせる。

 そして、俺は後ろに回る。

 うむ、後ろから見る座敷童の身体もなかなかエロい。

 大きな花飾りのついた髪が流れて、白い背中が見えているのがコントラストで良い。

 その白い肌にはうっすらと汗が浮かび上がっており、彼女の身体が火照っていることを教えてくれる。

 背後からでも、彼女の小さな膨らみは見てとれた。ぷっくりと乳首につられて膨れ上がったような乳房も、霊子さんのようなド迫力巨乳と違ったエロさがあった。

 そして、何よりも突き出された小ぶりのお尻は良い形をしていた。

 プリッとしていて、小ぶりながらも肉付きはしっかりとしているため張りが良さそうだった。

 これが、本当のロリと違って興奮できる点だろう。





「ちょ、ちょっと待て小童! お主、あの悪霊と儂にあれだけ出して、どうして大きいままなんじゃ!?」





 何だか慌てたように声をかけてくる座敷童。

 もしかして、口で抜いたのって犯させないようにするためだったのか?

 なんて酷い幽霊なんだ……。





「いや、だってまだお前の一番大切な場所犯してないし……」

「貴様悪魔か!? もういいじゃろぉっ!?」

「ダメです」





 人を殺そうとしたくせに、口で奉仕したくらいで許されると思うなよ。

 ちゃんと全部犯させてもらうぜ。

 ……もちろん、これは幽霊という超常の存在が相手だから許されることだ。

 これ、普通の人間を殺されかけたから犯したら俺も悪くなるからな。

 ……あれ? 何かそれも興奮するな。

 まあ、今はどうでもいい話だろう。

 張りのある尻タブを開いた先には、愛液でぬらぬらと光る陰部がある。

 よーし、霊子さんとの膣比べだ。どんな感じかなー?





「ま、待った! ほ、本当にその大きさで入れられたら壊れかねん! 何とか思いとどまってくれんか!?」





 往生際の悪い座敷童は、じたばたと暴れながらそんなことを言う。

 それでも、霊子さんの金縛りをどうこうすることはできないらしい。

 俺に犯されて布団に突っ伏している霊子さん、ありがとう。またいっぱい気持ち良くさせてあげるからね。





「いや、大丈夫だろ。確かに平均よりは大きいかもしれないが、何も黒人レベルじゃないんだし」

「儂にとっては大きいのじゃ!」





 うーん……まあ、座敷童の言わんとしていることも分からんでもないが……。





「でも、女って逸物より全然大きい子供産むことだってできるじゃん。じゃあ、平気だろ。けるいける」

「軽いわ! だいたい、それにも十か月近い準備をしてじゃな……!」





 ギャアギャアとうるさい座敷童の背中に覆いかぶさるようにする。

 小さく「ひっ」と悲鳴を上げる。まるで俺が悪いみたいじゃないか……。





「大丈夫だって。ほら、乳首もビンビンだろ?」

「いや、それは関係ないじゃろ……んひぃっ! んっ、おぉっ♡ ば、馬鹿者、話しておるときに弄るな……!」





 腕を前面に回し、小ぶりな乳房を揉みながらピンと勃起した乳首をコリコリと弄る。

 非常に感度の良いそこを弄られて、座敷童は小さな身体をビクビクと震えさせた。

 いつか、こいつの胸からも母乳が出るようになったらいいのにな。

 霊子さんと味比べができるし、何よりも貧乳から母乳が出るというのもエロい。





「ほら、ぐしょぐしょに濡れてるし」

「ば、馬鹿者! こすり付けるな!」





 尻の谷間を開いて男根をツルツルの秘裂にこすり付ければ、べっとりとした愛液が付着する。

 口ではどう言おうが、彼女の身体は俺を受け入れる準備は整っているのである。

 となると、入れないなんて嘘である。





「そんなに嫌?」

「嫌じゃ! んぁっ! だ、だから乳首を弄るのを止めろ!!」





 クリクリと乳首をこねくりまわしながら聞けば、即答で拒絶される。

 うーむ、悲しい。霊子さんなんかツンデレでも結局は受け入れて楽しんでくれるからいいんだけど……。

 そうだなぁ……そんなに嫌がるんだったら……。





「じゃあ、名前教えてよ。じゃあ、入れないということも考えるからさ」

「は、はぁっ!? どうして小童なんぞに儂の名前を教えねばならんのじゃ!」

「じゃあ入れるわ」

「よし、わかった。儂の名を特別に教えてやろう」





 変わり身はえーな。

 ドヤ顔で格好よく名前を言おうとしているようだが、四つん這いになって男に乳首をこねられている時点で滑稽である。





「儂の名前は……」





 ……溜めるな、おい。

 別にそんなに聞きたいってわけじゃないからな、お前の名前。





「儂の名はシキじゃ。ほれ、名前を言ってやったし、さっさと儂を解放――――――」

「よいしょ」

「んぉぉっ!?」





 座敷童――――シキがペラペラと話している隙をついて、俺は一気に男根を潤った秘裂に突き入れたのであった。

 油断していたから、すんなりと受け入れてくれた。どうも。

 しっかし、おぉ……キッツイなぁ。逸物がねじ切られそうだ。

 随分と濡れていてもこの締め付けなのだから、本当に凄い。

 霊子さんの膣内は、冷たくしかし精液を搾り取るように蠢く名器だ。

 一方、シキの膣内は、非常に熱くて締め付けがキツイ。精液を搾り取るというより、男根を引きちぎってしまいそうなほどだ。

 まあ、霊子さんも毎日犯していて俺好みの身体になっていったし、シキもこれからそうしていけばいいや。





「うわぁ、すっげえ広がってる。こんな感じになるのか」





 俺は尻タブを開いて、男根を咥えこむ秘裂を見て感嘆の息を吐く。

 そこは、ぴったりと閉じていたツルツルの秘裂が、限界まで男根にこじ開けられて隙間なく吸い付いているという非常に淫靡な光景があった。

 今までロリを相手にしたことがなかったから、こんな光景は初めてである。シキに感謝だ。





「な、何故じゃ……!? な、名前を言うたら見逃すと……!」

「え? 嘘に決まってるじゃん」

「人でなし!!」





 いや、人を殺そうとしてきた奴が何言ってんだ……。

 だいたい、抱いたことのある身体ならまだしも、シキのようにロリ体型は一度もお相手願ったことがなかったのだ。逃がすはずがないだろう。





「おっ、もうちょっと入るな」

「おごぉぉぉぉぉ……!?」





 ズズズっと男根を奥に押し込める。

 うーむ、ギチギチに締め付けてくるので、動かすのも大変だ。

 しっかりと肉付きの薄い腰を掴んで、男根を挿入する。

 シキは腹底から押し出すような声を搾りだし、舌を出して首を反らせる。

 ゴツゴツと子宮口に当たっているが、気にしない気にしない。

 ついには、ぴったりと下腹部が小ぶりでプリプリのお尻に密着した。





「ほら、入っただろ?」

「む、無理やりじゃろうが……!!」





 最初だからな。ずっと耕してやればすぐに受け入れることができるようになるし、安心しろって。





「気持ち良くない?」

「あ、圧迫感が凄いわ……! 息がしにくい……!」





 またまたー。

 たかだか20センチにもならない肉棒を突き入れられて、そんな感じになるわけがない。

 しかし、ただ痛みを与えるような性交はしたくないのは事実だ。

 これで、苦手意識とかもたれたら、また次ヤる時手間だからな。





「大丈夫大丈夫。入れられただけで簡単にイけるようにしてやるから」

「いや、小童が抜けば終わる話で……うぉうっ!?」





 さて、シキのロリ身体の開発といこう。





2.シキ





『31』





 挿入から十分近くが経っただろうか?

 それから、俺は激しく男根を出し入れする……というような強姦まがいのことはしていなかった。

 確かに、シキの秘裂は愛液で濡れていたが、彼女の言う通りそんな乱暴にすると切れて血が流れていたかもしれない。

 痛みも伴うし、そうすると彼女にトラウマができてしまい、この場はいいものの二度とヤらせてくれることはないだろう。

 そういうのはいいんだ。長いお付き合いをしたいから。

 だから、俺は動くことすらせず、ひたすら彼女の膣内に男根を納めたままじっとしていた。

 まあ、流石に何もしないというのはあれなので、小さなシキの身体に覆いかぶさって乳房を弄んでいたのだが。

 プニプニの小さな乳房を揉み、感度の良い乳首をこねくり回す。

 ビクビクと全身が震えてキツイ膣内をさらに締め付けてきても、ひたすらそれを続けて……。





「おぉぉぉぉぉぉ……♡」





 半分白目をむきつつよだれを垂らしたロリの出来上がりというわけである。

 ……焦らし過ぎたか?





「おーい、大丈夫か?」

「だ、大丈夫なわけなかろう! ち、乳房を弄びおって……!」





 胸を弄られまくってここまでトロトロになれるのは才能だと思う。





「でも、ほら。もうそんな苦しくないだろ?」

「そ、それは確かに……」





 締め付けは霊子さんよりきついのはそのままだが、しかしねじ切るほどの締め付けはなくなっていた。

 それは、シキの身体が男根を受け入れる準備がある程度整ったということだ。

 乳房をひたすら愛撫されていたため、愛液はとめどなく溢れている。

 ずっと密着していたため、下半身の熱気はかなりのものだ。

 実際、シキの小ぶりなお尻にも汗が浮かんでいる。





「さて、そろそろ動かすぞ」

「ほ、本当にやるのか?」





 不安げに振り返って見上げてくるシキ。

 人を殺そうとしていなかったら、可愛らしい子供なんだけどなぁ……。





「大丈夫だって。ほら」





 俺は怯える彼女を優しく宥めるため、下腹部をお尻に密着させながらグリグリと男根で子宮口をこねるように押し付ける。

 すると……。





「はぐぉぉぉぉ……♡」





 シキはその小さな口から非常に色気のある嬌声を漏らしたのである。

 ハッとする彼女だが、もはや痛みや苦しみではなく快楽だけを得ているのは明白である。

 もう十分と膣内はほぐれていた。今なら動いても傷つけることはないだろう。

 ちらりと彼女の顔を覗き込めば、顔を真っ赤にして目を垂れさせていることからも、彼女の感じている感覚が痛みとは程遠いものであることは明らかだろう。





「よし、動くぞ」

「ひっ、ま、待っ――――あぁっ!!」





 密着させていた身体を離していく。

 ギチギチと強く締め付けられるが、時間をかけてほぐしたことと愛液のおかげで比較的スムーズに動かすことができた。

 ドロドロに汚れた竿が見えてきて、後少しで男根が抜けるというころになって……。





「おうっ♡」





 パン! と再び押し込めたのであった。

 小ぶりながらも張りの良いお尻が、高い肉音を立てる。

 うむ、霊子さんほどではないが、跳ね返ってくる感触は見事だった。

 バックはこういう風に興奮する音を立てることができるのも、醍醐味の一つだ。





「おっ、ぐっ、ひぃっ、ひっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 シキの細い腰を鷲掴みにして、容赦なく男根を突き入れる。

 ぴったりと閉じていた膣内が、ゴリゴリとこじ開けられていくのが分かる。

 やはり、締め付けは非常にキツイ。精液を搾り取ろうとする霊子さんのそれとは比べて、ただ締め付けるだけだが……それも気持ちがいい。

 しかし……。





「ちゃんと感じてるだろ? 痛くないから、これからも俺と続けような」

「ふ、ふざけ――――おぐぅっ♡」





 否定しようとするので、奥深くに男根を押し込めてお仕置きである。

 子宮口をゴリゴリと圧迫してやる。

 霊子さんのようにほぐれたら、子宮内に入れたいな。





「でも、そうか。俺とこれからもヤりたくないって言うんだったら、仕方ないな」

「は? な、何を――――あっ♡」





 プリプリの小ぶりな臀部を鷲掴みにして、激しく腰を振りたくる。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 パン! パン! パン! パン!





 張りのある臀部は、良い音を立ててくれる。

 こんな音が立っていると、頑張って腰を振っている意味もあるというものだ。

 ジュブジュブと愛液が掻き混ぜられる音もして、大量に垂れてくる。

 激しく男根を出し入れするので、ぴったりと閉じていて秘裂が引っ張られたりおしこめられたりと大変なことになっている。

 その変貌もまたエロかった。





「今日のうちに全部味わいきらないとな。いやー、そうするとシキのことをまったく考慮できないけど、仕方ないよな。許してくれ」

「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パンパンパンパン!!





 どんどんと激しく犯していく。

 もう何度も達してしまっているのか、シキの小さな身体は面白いように痙攣する。

 ビクビクと震えて少し落ち着いたと思えば、またビクビクと震える。

 膣内も絶え間なく男根を締め付けてきて大変だ。気持ちいいからいいけど。

 白目をむいて唾液を垂らしまくっているその姿は、ちょっとヤバそうな雰囲気もあるが……人間なら気遣うが、座敷童という幽霊もどきだし気にしなくても平気だろう。

 まだ俺出してないし、止める気は毛頭なかった。





「ひっ、ぐぅぅぅぅぅぅっ♡ ま、待った! 待つのじゃ!」

「口に利き方がなってないな」





 俺はそう言って、またズパン! と腰を突き入れた。





「はぁぁぁぁぁぁっ♡ わ、分かった。待ってください!!」





 そう声を張り上げるシキ。

 俺はそれを聞いて、男根を膣内に収めたままピタリと動きを止めた。

 なに、俺だって鬼じゃない。お願いされたら、止めてあげるさ。





「おう、何だよ」





 俺はシキの小さな身体を見下ろしながら言う。

 彼女は肩を上下させて息を整え、ようやく口を開いた。





「……また相手してやる。じゃから、もう抜いてくれ。イきすぎて限界なのじゃ……」





 そうか細い声を漏らすシキ。

 あんなに傲慢不遜だった彼女とは思えないほど殊勝な態度だ。

 そんなにイき続けるのがきつかったのだろうか? 霊子さんは大喜びで失神するのに。

 ……霊子さんは話せないだけか。





「……そうか。まあ、限界を決めるのはお前じゃなく俺なんだが」

「鬼か貴様!!」

「とはいえ、そこまで言ってくるのに無理やりヤることはないさ」

「ほ、本当か?」





 まるで、俺を救世主を見るかのようなキラキラとした目を向けてくるシキ。

 俺は、そんな彼女にニッコリと微笑んでやる。

 うん、本当本当。俺、嘘ついたことないから。





「よし。じゃあ、ほら」





 俺は、彼女の身体に圧し掛かるようにして身体を密着させる。

 汗を噴き出させているシキの身体は、しっとりとしていて気持ちがいい。

 そして、端正に整った顔に俺の顔を寄せるのであった。

 ニヤニヤとしている俺の顔を見て、何を求めているのか悟ったのだろう。





「……小童が」





 シキもニヤリと苦笑して、口を寄せてきた。

 そして、小さく瑞々しい唇が、俺の唇と重なり合ったのであった。

 もちろん、触れ合うだけの可愛らしいキスではない。

 お互いの舌を絡ませ合い、唾液を啜り合う濃厚な接吻だ。

 それだけで、シキの身体はビクビクと震えて快楽を得ているようだった。

 なんだか随分と気を許してくれたようで、首に腕を回して縋り付いてきた。

 ……びっくりした。また絞められるのかと思ったわ。

 小さな口内を貪るように舐めまわし、啜る。

 二人の唇が唾液でベトベトになり、熱い鼻息がかかる。

 次第に身体を密着させ合い、四つん這いから向き合うようにして抱き合って……。

 ……これ、傍から見たら本当にアウトだよな。ロリに覆いかぶさってねっとりキスしてる大学生なんて、一発逮捕だ。

 正面から抱き合うと、汗でベトベトになっている身体が押し付けられる。

 霊子さんと違って、肉感的ではなく抱き枕には適さないであろう肢体。

 しかし、肉付きは薄くとも確かに女としての柔らかさはあり、ビンビンに勃起した乳首などもコリコリしていて気持ちがいい。

 彼女の汗もまた男をくすぐる良い匂いで……。





「……かかっ」





 至近距離で笑うシキ。

 それを見て、俺は……。





「はぐぅぉっ!?」





 ズン! といきり立つ男根を再び突き入れたのであった。

 油断していたこともあって、かなり奥深くまで突き刺さった。子宮口が凄くへこんでそう……。

 シキも身体をビクンと跳ねさせて、背筋を反らす。

 小さな乳房がプルッと揺れるほどの衝撃だったようだ。

 プシャッと潮を噴いて下半身を跳ねあがらせる。

 おぉ……こんな強い反応を……。





「な、何で……」

「すまん。なんか興奮しちゃって」

「そ、そんな軽い感じで……」





 というか、そもそも俺はまだ一度も射精できていないわけだ。

 まあ、一度くらいは出しておかないといけないだろう。

 というわけで……。





「はっ、がっ、うぁぁっ♡」





 腰をがっちりと掴んで、ガツガツと男根を突き入れる。

 面白いように身体が跳ねて背筋を反らしているが、プルプルと可愛らしく揺れる小さな乳房が可愛らしい。

 そんな淫靡な光景を見ながら腰を振っていると、射精感もこみあげてきて……。





「かっ、はっ……!!」





 一番奥まで男根を突き入れた。

 子宮口をめり込ませるほど強く。

 すると、肺から息を絞り出すようにシキは目と口を大きく開けて声にならない嬌声を上げ……。





「――――――♡!!」





 遠慮なく中出しさせてもらった。

 ドクドクと大量の精液を注ぎ込む。

 容量もないためか、すぐにゴプゴプと逆流してきた。

 男根を抜き取り、身体を痙攣させて倒れこむシキを見下ろす。

 精液を陰部から垂れ流しながら、息も絶え絶えなロリ……うむ、犯罪的だ。





2.シキ





『32』





「馬鹿か小童! 貴様は本当に……馬鹿か!!」

「はっはっはっ、痛い痛い」





 ポカポカと半泣きになりながら殴り掛かってくるシキをいなす。

 子供の体型なので、そんなに痛くない。





「ふんぬぅっ!」

「どわっ!?」





 全然効いていないと分かったのか、シキは小さな足を振り上げて逸物を狙ってきやがった。

 慌てて腕でガードする。

 もはや、霊子さんの金縛りは効いていないようだ。

 しかし……何の躊躇もなく急所を狙ってきやがって……。

 下手をしなくても大ダメージだぞ。





「そんなに怒るなよ。お前も潮噴きまくりで気持ち良かっただろ?」

「一度は止めると言ったのに続けたのが問題なんじゃ!!」





 ギャアギャアと罵声をぶつけてくるシキ。

 周りに誰も入居していないからいいけど、近所迷惑だぞ。





「何よりもムカつくのは、儂の中で精気が満ち満ちていることじゃ!」





 ……どういう意味?





「人を殺すより小童の精気をいただく方が儂にとって得じゃということじゃ」

「マジ?」





 人殺しするよりもセックスで精気を得られるんだったらそっちの方がいいじゃん。

 気持ち良くなれるし生きることができるし……最高じゃん。





「じゃあ、これからも俺とヤれるな。よろしく」

「うぐぐぐぐぐ……! さっさと逃げ出したいが、生きるためには……!」





 素っ裸でそんなことを悔しそうに言うシキ。

 俺はそんな彼女にニヤリと笑って近寄り……。





「んひっ!?」





 ビンビンに勃起したままの乳首を摘まんだ。





「な? 別にいいじゃないか。お前も人を殺したくて殺していたってわけじゃないんだろ?」

「そ、それはそうじゃが……ひんっ♡ 乳首を転がすなぁ……!」





 ビクビクと良い反応を見せてくれるシキが可愛くて……。





「ほら、相性も俺とシキは良いって。どうせだったら、気持ち良くて糧も得られたら最高じゃないか?」

「そ、それは……」





 悩む様子を見せるシキ。

 よし、ここは押せ押せだ。





「まだ悩むんだったら、もっと考える材料を与えてやるよ」

「えっ? ちょ、ちょっと待つのじゃ! もう散々イったから今日は無理……おぐぅっ♡」





 ギャアギャアとうるさいシキを押し倒し、俺はまたそのロリ体型を貪って味わうのであった。





 ♡





 ふと目が覚めた。

 そうだ、自分はあの男に犯されて、気を失って……。

 ……そう言えば、見慣れないクソガキがいたような。

 あの男を殺そうとしていたから、ついブッ飛ばしてしまったのだが……。

 のそりと起き上がると、身体にかかる負荷を感じた。

 チラリと横を見ると……。





「冷たい肉布団最高……」





 ヘンテコな寝言を言いながら、あの男が自分の身体に抱き着いていた。

 寝ながらも胸を揉んできているのは、流石ドエロ変態男である。

 まったく、のんきな顔を見せるものだ。

 その気になれば、今すぐにでも殺してやるというのに。

 そんなことを思いながら、男の髪の毛を撫でて何ともほんわかとした気持ちになっていた。





「貴様、本当に地縛霊か? 顔は見えんが、雰囲気はまるで熱い夫婦じゃのう」

「――――――」





 いい気分を害する虫が現れた。

 なんだ、まだいたのか。

 ならば、今すぐに処分してやろう。人の獲物を勝手に殺そうとした罪は重いのだ。





「ちょおおっ!? ちょっと待つのじゃ! まったく……貴様らはどうして人の話を聞かん!」





 聞く必要がないからである。

 この男を殺そうとしたことは許されることではない。さっさと死ね。





「べたぼれじゃのう……」





 違う、勘違いするな。自分の獲物だというだけである。

 特別な感情など、微塵も持ち合わせていない。





「愛おしそうに小童の頭を胸に抱きかかえておいて、何を言うておる……」





 これは、胸で男を圧死させようとしているのである。

 別に、このクソガキから男を守ろうとしているわけではない。





「もう儂には小童を殺すつもりはないから安心せい。というか、もう人を殺す必要もなくなったしの。貴様も小童に抱かれておるのじゃったら分かるじゃろ? 小童の精気が、非常に強いということを」





 確かに、幽霊は生者を殺して精気を奪い、それを糧にして存在していく。

 それは、シキも霊子も同じであった。

 だからこそ、彼女たちは男の……川路の異常な精気の強さを知っていた。

 彼に抱かれてしまえば、それこそ人を殺すことよりもさらに強大な精気を得られることを。





「じゃから、これからも儂はここに厄介になるからよろしくの、パイセン」





 死ね。





「ちょっ、待つのじゃ! というか、どうして生まれてすぐの地縛霊ごときに元禄生まれの儂が負け――――ふぎゃっ!?」





 シキは再び壁に叩き付けられるのであった。





 ♡





「なあ。もうビンタしないから出てこいよー。話しようぜー? ほら、お詫びに甘いお菓子用意したからさー」





 一方その頃、川路の友人はテレビの中で三角座りしている幽霊を釣り出そうと話しかけていたのであった。

ここで一区切りです。

やる気になりますので、下部から評価していただけると嬉しいです。

では!





2.シキ





『33』





「くわ……っ」





 俺は大口を開けて欠伸をする。

 いやー……平和だなぁ……。

 今日は大学での講義もないので、アパートでゆっくりと過ごすことができている。

 気温も最近は高くなってきたが、それでもまだ普通に過ごしていたら快適と言える環境である。

 温かな日差しに身体を当てていると、本当にいつまででも眠ることができてしまいそうだ。

 あぁ、ほら……また眠たくなって……。

 あまりの気持ち良さに誘われて、俺は目を閉じて……。





「これ、起きんか」

「んぁ?」





 トスッと膝に軽いものが乗る。

 寝ぼけ眼で見下ろせば、そこには不満そうに頬をぷっくりと膨らませたシキがいた。

 こいつ、何気に下着をつけていないから、プリプリの小ぶりな尻肉の感触がダイレクトに伝わるんだよな。

 まあ、俺は嬉しいからまったく変わってもらう必要はないのだが。

 そんな彼女が、ジト目で俺を睨みあげてくる。

 何だぁ、テメェ……。





「何だよ。休みの日くらいゆっくりさせてくれよ」

「疲れ切ったリーマンか、貴様は」





 月から金まで仕事して土日に家族サービス……世の男たちは大変だ。

 俺はそういうのはいいや。家族を持つというより、セフレで十分だ。





「てか、何で起こすんだよ。何かあるのか?」

「馬鹿者。そもそも、人というものは日の出と共に起き、日の入りと共に寝るのじゃ。お天道様が輝いておるというのに、惰眠をむさぼってどうする」





 元禄と平成は違うんだよ。





「で、用件は?」

「ほれ。小童に買わせた宝くじ……じゃったか? それの発表が今日なのじゃろ? 見ろ見ろ」





 紙切れで俺の頬をペチペチと叩いてくるシキ。

 この野郎……またアヘアヘ泣かせるぞ。

 しかし、彼女の言葉を聞いてそういえばと思い出す。

 先日、シキが珍しくおねだりをしてきたのだ。

 曰く、『運で金を稼ぐようなことはないか? 博打とか』と。

 博打……賭け事でいうなら、競馬とか競艇とか思い浮かんだが、俺はそういうことにはあまり興味がなかった。

 そのため、身近で完全に運勝負の宝くじを買ってやったのだった。

 といっても、俺も苦学生の身。百枚も千枚も買ってやることなんて到底できないし、そんなつもりも微塵もなかった。

 そのため、俺はたった一枚だけ宝くじを買ってやったのだった。

 嬉々としてそれを大切そうに持つシキを見ていると、もうちょっと買ってやればよかったとも思っていたが……。

 しかし、俺をたたき起こすほど結果が気になっているのか。

 ロリ婆のくせに、子供らしくて可愛らしいものだ。





「はいはい。当たってるといいな」





 俺はスマホを取り出し、ポチポチと確認してみる。

 何とも楽しそうにしているシキを見ると、何百円かの残念賞くらいは当たっていてほしいと思ってしまう。





「ふふん、当たっておるの決まっておろう。儂を誰じゃと思うておる」

「はいはい。えーと……」





 まだ結果も聞いていないのに自慢げなシキの頭をポンポンと撫でながら探す。

 えーと……番号がこれで、当選一位の番号が……。

 …………あれ?

 目を擦ってもう一度確認してみる。

 …………あれ?

 おっかしーな。俺の目、何か変になってる?

 何だか、シキの持っていた宝くじと当選の番号が一緒のような気がするのだが……。





「お、一位じゃな。まあ、当然じゃ」





 なかなか結果を言おうとしない俺に焦れたのか、俺の頬にプニプニの頬をこすり付けるようにしながら確認したシキは、やはり自慢げに頷くのであった。





「――――――」





 一方の俺はショック死寸前である。

 え? 一位? 何で?





「いや、儂座敷童じゃぞ? 幸運を与える可愛い存在なのじゃ」

「人殺ししようとしていたのに?」

「それは置いておけ」





 ……しかし、確かに座敷童というのは幸運をもたらすというのは、あまり幽霊とか妖怪に詳しくない俺でも知っている。

 だが、ここまでとは……。冗談だろ?





「ほれ、はした金にはなったじゃろ? 豪遊してもよいぞ」

「いやー……」





 正直、まったく思いつかない。

 学費に充てるくらいか?





「お前凄くないか? こんなこともできるのか……」

「儂は座敷童じゃしな。これくらいできなければ、座敷童としての意味がないわ。まあ、もっと褒めて良いぞ」





 ふふんと笑って頭をこすり付けてくるので、大きな花飾りに当たらないように注意しながら髪を撫でる。

 霊子さんと違ってサラサラだ。あっちのぼさぼさ感も好きだが。





「じゃが、儂が出て行った家は衰退する。気をつけろよ、小童。儂の気を損ねんようにな」





 ニマニマと笑いながら、そんなことを言ってくる。

 あー……そう言えば、座敷童ってそんな感じだっけか?

 なるほど、そういうことなら……。





「よし、霊子さんに相談してみるか」

「あの地縛霊を出すのは止めろ!!」





 すぐさま反応が返ってきた。





「あやつめ、あんなに若い幽霊のくせにとんでもない力を持ちおって……。いくら死なんとはいえ、ああも何度も壁に叩き付けられたら苦痛じゃ!」





 ブルブルと膝の上で震えるシキ。

 どうやら、力は霊子さんの方が強いらしい。

 幽霊というのは生きてきた時間の長さで力が変わってくるらしいのだが……霊子さんは特別だということだろうか?

 正直、幽霊の力関係には興味がないのであまりわからないのだが。





「まあ、確かに機嫌は取っていた方がいいな。何かしてほしいことはあるか?」

「うーむ……」





 悩む仕草を見せるシキ。

 俺にできる範囲で頼むぞ。





「そうじゃなぁ……。地縛霊が飯を作っておるじゃろ?」

「ああ、ありがたいな」





 シキの言葉に台所へと目を向ける。

 そこでは、薄汚れたワンピースを着た霊子さんが料理をしてくれていた。

 まな板を包丁が叩く音、ぐつぐつと何かが煮られる音……良い匂いもしてきて、本当実家みたいな安心感がある。

 誰かに飯作ってもらえることって、幸せなんだなぁ……。

 作ってくれているのが幽霊というのは、なかなかないと思う。





「儂も飯が食いたい」

「……食べればいいじゃん?」

「いや、そうじゃなくてじゃな……。というか、あの地縛霊、儂だけ露骨に無視するぞ。飯も儂の分を作ってもらったことないんじゃが?」





 あー……そうだっけ?

 どうにも、霊子さんとシキの相性がよろしくないようだ。

 二人とも、俺との肉体的相性はバッチリなのにね。不思議だね。





「じゃあ、俺から霊子さんに頼もうか?」

「いや、いい。小童のお願いは断らんじゃろうが、その後儂に矛先が向く」





 そうか? まあ、時々シキが霊子さんにポルターガイスト的な力でブッ飛ばされているのは見るけど。





「儂の飯と言えば、分かるじゃろ?」





 そう言うと、シキは俺の首の後ろに腕を回して抱き着いてきた。

 うーん……霊子さんと違って豊満な胸が当たらないのが寂しい。

 まあ、シキも小さいとはいえちゃんとあるし感度も良いしでいいんだけどさ。





「よし、じゃあするか」

「うむ。……手加減はしろよ? フリではないからの?」





 フリですね、わかります。





2.シキ





『34』





「よし、じゃあ立たせてくれ」





 俺は自然と声を小さくしてシキにそう言った。

 美味しい料理を作ってくれている霊子さんにばれないようにするためである。

 というのも、どうにも彼女はシキのことを快く思っていないようなのだ。

 俺とシキがヤることも、あまり良いことではないようだ。

 こっそり隠れてヤるというのも興奮するからいいんだけどさ。





「うむ、任せろ」





 シキはグイグイとズボンを引っ張って脱がせようとするので、腰を浮かせて手伝う。

 すると、半分勃起しているような逸物が露わになる。





「なんじゃ、期待しておったのか?」

「まあな」





 ニヤニヤと笑うシキに、とくに取り繕う必要もないので正直に頷く。

 彼女のようなロリに奉仕されることを想像すれば、興奮するのも当然だろう。

 また、霊子さんと違って顔に黒い靄もかかっていないことから、奉仕の様子がしっかりと見ることができるのも興奮する一要素となっている。

 まあ、霊子さんのように見えない場所で奉仕されるというのも、それはそれで気持ちがいいのだが。





「胸見せてくれ。さっさと立つし」

「儂みたいなちんまいのでも興奮するのか……。小童、儂以外のロリには手を出すなよ」

「出さねえよ」





 本物のロリは精神的にも幼いだろ。そういうのには反応しないんだ。

 シキのようにロリ婆なら余裕なのだが……。

 逸物を咥えようとしていたシキを立たせ、着物を脱がせる。

 案の定、下着を身に着けていないのですぐに裸体が露わになる。

 霊子さんとは比べものにならないくらいの、小さな膨らみ。

 ツンと上を向く桜色の乳首に引っ張られるようにして膨らんでいる小ぶりな乳房だが、感度も良いので俺はお気に入りである。





「あっ、く……馬鹿者。儂が立たせると言うておるのに、貴様が儂を弄ってどうする」





 乳首をクリクリと弄れば、ガクガクと腰を震わせて頬を膨らませるシキ。

 本当に感度良いな。そんなに反応してもらえれば、男として嬉しい。





「おう。じゃ、よろしく」





 彼女の頭を持ち、ゆっくりと股間に近づかせる。





「相変わらず臭いのう。頭にズガンとくる臭いじゃ。あーむ……」





 スンスンと鼻を鳴らして匂いを嗅いだ後、シキは精一杯口を開いて男根を含んだ。

 じゅるじゅると熱心に唾液の音を立てながら、口で奉仕してくれる。

 少しキツイ目がトロンと蕩け、うっすらと赤く染まった頬は可愛らしい。

 どんどんと大きくなる男根によって、その頬が形を変えるのが面白い。

 やはり、気持ち良さもあるが、心の充足感が大きいな。

 奉仕されていると、男としての満足感で満たされる。





「んっ、ちゅっ、んぶっ」





 声を漏らしながら口内で男根に奉仕するシキの頭を優しく撫でる。

 彼女を見下ろせば、小さな乳房も見える。

 その光景もなかなかのものだ。





「ぶはっ! 流石に、大きくなるのは早いのぉ。変態小童」

「指ではじくの止めろ」





 口から男根を離したシキは、ニヤニヤと笑いながら完全に勃起した逸物をピンピンと指ではじいてくる。

 地味に痛いから止めろ。

 しかし、シキの唾液でテラテラと光っている男根は、何とも淫靡であった。

 射精には至らなかったが、気持ち良かった。





「ほれ、接吻せんか」

「おう」





 顔を近づけてそんな要求をしてくるので、俺もあっさりと受け入れる。

 つい先ほどまで男根を含んでいた口とキスすることは、抵抗がないとは言えない。

 ただ、汚いと突き放してしまえば、あちらからすればそんな汚いものに奉仕させんなよ、となる可能性だってある。

 ということで、俺は女が求めてきたら大体キスをすることにしている。

 シキの背中に手をやって、自分の方へと抱き寄せる。

 すると、小ぶりな乳房が胸に当たってコリコリとした乳首の感触も楽しめた。

 じっとこちらを見てくる目を見返し、見つめ合いながら唇を重ねる。





「んっ、ちゅ……」





 口を開けて、舌を絡ませ合う。

 小さな舌を絡め取り、啜ったり舐めたりする。

 プルプルの唇を貪るように吸うことだってあった。

 中身はババアでも見た目ロリのシキに覆いかぶさるようにしてキスをしているのは、まさに犯罪的であった。

 それも興奮するからいいんだけどさ。





「ぷはっ……」





 顔を離せば、いくつもの唾液の橋が架かる。

 じっと見つめ合うシキの目は、いつもよりトロンとしていた。

 頬も紅潮しており、すっかり発情してしまっているようだった。

 キスでスイッチ入ってくれるのは楽でいいな。





「……手慣れておるのぉ」

「お前が来るまでは霊子さんと退廃的な生活を送っていたからな」





 それ以前にもセフレと色々とヤっていたので、経験だけは人並み以上である。





「まあ良いわ。経験のあるなしで一喜一憂するほどの歳でもないしの」





 元禄生まれだしな。

 シキはぬらぬらと光る陰部を見せてくる。

 ぴったりと閉じた秘裂は、本当に綺麗なものだ。

 そこに、男根を当ててゆっくりと腰を沈めていき……。





「ぐっ、おぉぉ……♡ 結構奥にくるのぉ……!」





 対面座位の状態で交わるのであった。

 小さなシキの身体は、背後から見たら俺の身体ですっぽりと隠れてしまっているだろう。

 そんな彼女が、男根を全てのみ込んでいるのだから、その淫靡さというものは非常に強いものだった。





「でも、もう痛くはないんだろ?」

「あれだけヤっていればのう」





 軽くゆすりながら、会話を楽しむ。

 この体位では、なかなか激しく動くことは難しい。

 ねっとりと、じっくりと、身体を触れ合わせるのが気持ちいい体位だ。

 身体も密着しているので、小さな胸の感触も押し当てられる。

 いつか、霊子さんほどとは言わないが、成長するのか?

 身体を調教して作り替えるというのも、なかなか興奮させられる。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 ゆさゆさと軽いシキの身体を上下に揺らす。

 ギュッと抱き着いてくるので、子供らしい可愛らしさを感じてしまう。

 ヤっていることは決して子供にできないようなことだが。

 しっとりと汗をかいた身体で密着していると、汗の酸っぱい匂いと女の甘い匂いが交じり合って男を興奮させる。





「んっ、ふっ、ふっ、ふっ♡」





 熱っぽい吐息を耳元で吐かれるので、背筋がゾクゾクとしてしまう。

 随分と俺も射精感が込み上げていた。

 今日はまだ一度も出していなかったからかな?





「そろそろ出すぞー」

「うむ、精気をよこせ」





 なんと不遜な言い方だろうか。

 まあ、俺からすれば気持ち良くなるだけの行為でも、シキからすれば存在するための食事みたいな意味だってあるのだ。

 ……エロいことして存在するって、サキュバスみたいだな。

 地縛霊も座敷童もいるんだし、サキュバスもいそうなものだが……もしいるんだったら、一度くらいあってヤってみたいものだ。

 殺されるのは勘弁だが。





「あっ、あっ、あっ、あっ♡」





 グチュグチュグチュグチュ!





 それなりに激しく動かすと、シキの嬌声と水音が大きくなる。

 とくに、下半身はベチョベチョになっている。

 シキの身体はさらに汗ばみ、甘酸っぱい匂いを醸し出す。

 強く抱きしめられ、柔らかな女体の感触も楽しみながら……。





「ああああああっ♡」





 ビュルルルルルルルルル!





 グッとシキの身体を下に押し付け、子宮内に精液を注ぎ込むのであった。

 無責任中出しができるのは、幽霊だからこそである。

 いやー、この気持ち良さを知ってしまえば、ゴムをするのが嫌になってくる。

 霊子さんとシキには中出しでもいいが、他の人間のセフレとするときはちゃんとしないとな。

 ゴプゴプと精液が逆流してくるのを感じる。

 相変わらず容量がないなぁ……。





「満足したか?」

「……うむ、まあまあじゃな」





 息も絶え絶えのくせに何言ってんだ、こいつ。

 まあ、俺も気持ち良かったしどうこう文句を言うつもりもない。

 華奢ながらも柔らかい身体を抱きしめて、軽く彼女の身体をゆすって最後まで精液を吐き出そうとしていると……。





「――――――」

「あ……」





 出来上がった料理を持ってきた霊子さんと目があった。と言っても、彼女の顔は靄で見えないのだが。

 ……なに、この浮気現場を見られてしまったかのような雰囲気は。





2.シキ





『35』





「おー、美味い。相変わらず霊子さんは料理が上手いなぁ……」

「――――――」





 冷え切った部屋の中、俺は何とかこの空気を打開しようとそんなことを言った。

 といっても、苦し紛れに嘘を言っているわけではなく、事実彼女の作ってくれた料理はおいしかった。

 ただ、その美味しさをかみしめることができないほど、空気が凍り付いているのが問題であって……。

 霊子さんは自分の分を食べようとはせず、ただ無言で正座している。

 うーむ……やはり、良いおっぱい……じゃなくて。

 こういう時にシキを生贄に捧げればいいのかもしれないが……。





「ぐぅ……」





 大きく口を開けて豪快に寝てやがった。

 精気を吸収することができたので、今度は眠るようだ。猫かな?

 欲望のままに生きているこいつが羨ましい。

 ……いや、俺も割と好き勝手生きているけどさ。





「――――――」

「うむむ……」





 さて、どうしようか。

 霊子さんの顔は黒い靄で相変わらず見ることはできないが、しかし不機嫌であることは雰囲気からして察することができる。

 しかし、こんな空気になっていても、命の危険が感じられないとは不思議なものだ。

 霊子さんは俺を殺そうとしていたはずなのになぁ……やっぱ、セックスって凄いわ。





「じゃなくて」





 俺は頭を振る。

 どうにも楽天的な頭お花畑の考えばかり浮かんでしまう。

 いかんいかん。しっかりしておかないと……女を翻弄はすれど、溺れることはあってはならないのだ。

 よし、ではどうやって霊子さんの機嫌をとるか。

 やはり、その人が喜ぶようなことをするのが、一番確実だろう。

 ちょろい女だったら、適当なプレゼントでも買って与えてやれば機嫌を直すだろうが……霊子さんはそれではうまくいきそうにない。地縛霊だし。

 はてさて、どうしようか……。

 考えて、考えて、俺が出した結論は……。





「はい、霊子さん、あーん」





 霊子さんが作ってくれた料理の一つを箸でつまみ、まったく食べようとしない彼女の眼前まで持って行くことであった。

 すなわち、『はい、あーん』! ラブラブのカップルのみができる行為!

 介護とかそういうことでもできそうだが、キャッキャウフフの雰囲気でできるのは、それはもう傍から見ていたら砂糖を吐きたくなるようなカップルしかいないだろう。

 俺と霊子さんの関係はもっと肉体的で退廃的なのだが……まあ、別にいいだろう。仲悪いわけじゃないし。

 プレゼントで釣ることができない女の中には、こういう風にイチャイチャしたら機嫌を直すとてもちょろい……もとい、可愛らしい子もいるのである。

 霊子さんは、どちらかといえばそちらに該当する……と勝手に思った。

 さあ、どう出る霊子さん! シキにしているみたいにブッ飛ばさないでくれたら嬉しい!

 ドキドキとしながら彼女の出方を見ていると、ピクリとも動かなかった彼女が動いて……。





「おっ」





 箸まで黒い靄に包まれた顔を近づけ、その中に食べ物を埋めて行った。

 スッと箸を抜き取れば、挟んでいた食べ物もなくなっていた。

 ちゃんと食べてくれたようである。

 青白い喉が上下に動いていることからも、それが分かる。

 どうやら、完全に無視されるということはないようだ。

 ということは、このままイチャイチャしていたら機嫌をとることもできるな。間違いない。





「はい、あーん」

「――――――」





 何度もそれを繰り返す。

 次第に、霊子さんの纏う雰囲気も柔らかなものになっていくのを感じた。

 顔が見られないのによく分かると自分でも思うが、それも何度も身体を重ねた間柄だからだろう。

 黒い靄の中に消えていく食べ物を見るのは、何だか面白かった。

 普通の人からすれば、その黒い靄は恐怖の対象なのかもしれないが、そこにちんこ突っ込んだこともある俺からすれば、怖いなんて思うはずもなかった。

 見えない奉仕というのも、なかなか乙なものですよ、男性諸君。

 まるで、ブラックホールのようにどんどんと食べ物を吸いこんでくれるので、つい楽しくなって箸の動きを速めてしまう。

 すると、霊子さんは俺の服を軽く引っ張って何か意思表示をしようとする。

 えー、なになに……?





「喉渇いた?」





 そう聞けば、コクリと頷く霊子さん。

 言葉にしなくても、だいたい分かるようになったから面白い。

 しかし、人間味が出てきたな。会った最初のころは、本当に幽霊らしい幽霊だったのに。

 今の方が好きだから、それでいいんだけどな。

 おっと、水だったか。よし……。

 俺は霊子さんの元にコップを持っていくのではなく、自分で水を口に含んでしまった。

 困惑気味の雰囲気を醸し出す霊子さんに、俺はニッコリと笑ってにじり寄る。

 俺が何をしたいのか察したのだろう、ビクッと身体を震えさせる。

 大きな乳房が揺れるのを見られて眼福である。シキでは絶対に見られない暴力的な光景であった。

 霊子さんの後頭部に手を回し、ボサボサの黒髪をかき分けて軽く撫でる。

 そうしながら、彼女が逃げられないように抑えるのであった。

 そして、ゆっくりと顔を近づけていく。

 霊子さんも観念したのだろう、彼女からも顔を近づけてきて……こんなに近くても顔見えないんだな。まあ、いいけど。

 唇の場所がいまいちわからないので、俺から動くことはできない。

 霊子さんが顔をさらに近づけてきて……。

 ふにゅりと柔らかい感触がした。霊子さんの唇だ。

 口が密着していることがわかれば、もう大丈夫だ。

 口を開けさせ、中に水を流し込んでいく。

 青白い喉がコクコクと上下して水が嚥下されていくのを確認する。

 俺が口の中に含んでいた水はなくなったが、ついでに霊子さんの舌を絡め取って啜っておく。





「はぁ……っ」





 口を離せば、唾液の橋が架かる。

 霊子さんの纏う雰囲気も、なんというか……ちょっと厭らしいものに変わっている気がする。

 口移しで喉を潤すって、結構エロいよなぁ。





「どう? もっといる?」





 俺がそう聞けば、霊子さんはしばし逡巡した後、コクリと頷いた。

 ふっ、大分ほだされてきているようだ。ありがたい。

 さて、ではもう一度水を含んで口移しを……と思ったが、やはり同じようなことをするのも面白くない。

 では、どうするべきか?





「――――――!?」





 俺は霊子さんのワンピースをたくし上げた。

 ブルンと飛び出してくる豊満な乳房。最高です。

 困惑している霊子さんを放っておき、そこに顔を近づけて……。





「んぉっ!?」





 薄い色素の乳首に吸い付いたのであった。

 乳輪を舐めまわし、むくむくと大きくなってきた乳首を甘噛みし、強く吸い上げた。

 たっぷりの量感がありながらも良い形をしている乳房を変形させてしまうほど、強く吸引する。

 すると、次第に霊子さんの身体がビクビクと震えはじめて……。





「おっ♡」





 ビクンと背筋を反らして震えた瞬間、口の中でプシャッと液体が弾けた。

 それこそが、霊子さんの母乳である!





「おぉぉ……♡」





 ズズズズズ! と音を立ててさらに乳首を吸引すれば、とめどなく母乳が溢れてくる。

 しばらく吸い続けると、口の中が母乳でいっぱいになる。

 そうして、ようやく乳首から口を離す。

 唾液でテラテラ光りつつも、強く吸引されたことで赤みを増して大きく勃起している乳首は、非常に厭らしかった。

 いつもならば、しばらく弄り続けてやるのだが……今は口移しである。





「――――――!?」





 霊子さんも気づいているので、母乳を吸われて脱力していたにもかかわらず、俺から逃げようと後ずさりする。

 しかし、逃がすはずもない。俺はゆっくりとにじり寄る。

 ……ポルターガイスト的な力を使えば、俺なんか一発なのに……そのことを考える余裕すらないのだろうか。

 逃げることもできず、霊子さんはまた後頭部を抑えられ……。





「――――――!!」





 自分の母乳を口の中に注ぎ込まれたのであった。





2.シキ





『36』





 コクコクと喉を鳴らして母乳を飲み下していく霊子さん。

 自分の体液を飲まされるとは、どういう心境なのだろうか?

 母乳とはあまりにも違う気がするが、もし俺が自分の精液を飲まされるようなことになったら……想像しただけで背筋が凍りつきそうだ。

 霊子さんにも、それほどのダメージを与えてしまっているのだとしたら、謝罪する必要があるだろうが……。





「それは、大丈夫そうだな」





 霊子さんを立たせてワンピースをめくりあげ、むっちりとした臀部を見る。

 そこを指で開けると、ムワッとした熱気が襲い掛かってくる。

 そして、そこから覗けるのは愛液でびしょびしょになった陰部であった。

 薄い陰毛もべったりと水けを含んでおり、内腿にまで液体が付着していた。

 霊子さんは、非常に興奮していた。

 屈辱的だから? 彼女はM気質があるのかもしれない。

 ケツを叩かれて興奮するような幽霊だしな。

 ……改めて考えると、なかなか凄い幽霊だな。

 指で秘裂を開ければ、桜色の淫靡な膣内が露わになる。

 そこに逸物を入れれば、大変気持ちがいい名器を味わうことができる。

 シキで一度吐き出しているのだが、また男根が反応して勃起してしまう。

 小さくすぼんでいる尻穴もいいなぁ……。

 いや、霊子さんの期待感からしても、ケツは今日は止めておこうか。

 俺も、名器の膣内で射精したいし。

 そういうことでだから……。





「霊子さんもシキと同じくらい気持ち良くさせてあげるからね」

「おぉぉぉ……♡」





 ズズズズズズッと腰を前に進ませ、男根を膣内に押し入れる。

 ゆっくり、ゆっくりと、冷たい膣内をかき分けて奥へと進む熱い男根。

 あー……ちょうどいい具合に冷えて気持ちがいい。

 霊子さんは腹の底から出しているような嬌声を上げて、身体をビクビクと震わせている。

 四つん這いになっているため、豊満な乳房が垂れて重たげに揺れる。

 浮かび上がった珠のような汗が、乳首の先から垂れる様は大変エロかった。





「おぉっ♡」





 ズン! と最奥まで男根を突き入れると、ビクン! と大きく反応した霊子さん。

 背筋を反らせて、ブルンと量感のある胸を揺らす。

 そして、男根をキュウキュウと締め付けてくることから、この一突きで霊子さんが絶頂に達したことを知ることができた。





「やっぱエロいよな、霊子さん。俺と相性もバッチリだし」





 ムチムチのお尻を撫でまわしながら、息を荒げている霊子さんを上から見下ろす。

 エロい身体の女を後ろから犯しているのは、どうにも征服感というものが満たされて興奮する。

 男としての快楽というのか、そういうものが霊子さんとヤるときは非常に強まるので気持ちがいい。





「おぉ、すっげえ広がってる。シキよりはマシだけど」





 たっぷりと肉ののった尻タブを揉みながら開ければ、男根を咥えこんでいる秘部が露わになる。

 綺麗な線をしている秘裂が淫靡に形を歪めて逸物を受け入れているのは、やはり何度見ても興奮してしまう。

 シキの方がロリということもあって、背徳感は凄まじかったが。

 しかし、霊子さんのようにムチムチのエロい身体をした女が、下半身を愛液や汗でぐしょぐしょにしながら、四つん這いで男に屈服している姿を見るのは、ロリ体型のシキを犯している時と同じくらいの快感を与えてくる。





「おっ、おっ、おっ、おっ♡」





 パン、パン、パン、パン!





 激しく男根を突き入れ始める。

 腰と臀部がぶつかり合って、高い肉音を立てる。

 冷たい膣内をかき分け、愛液を掻き混ぜる淫靡な音が響き渡る。

 霊子さんは四つん這いになりながら、豊満な乳房を下品なまでに揺らしつつ、ぼさぼさの髪を振り乱して快楽に浸る。





「おっおっおっおっ♡」





 パンパンパンパン!!





 腰の振りを速くして、霊子さんを快楽的に追い詰める。

 もうすでに、何度か絶頂を迎えているためか、膣内は時々キュウキュウと可愛らしく締め付けてくる。

 そのおかげで、俺も射精感はだいぶ高まっていた。

 身体を支える四肢も頼りなさげにガクガクと震え、霊子さんも限界に近いことは明らかだ。

 溢れ出す愛液の量も凄まじく、彼女の下半身だけでなく俺の下半身もぐしょぐしょになってしまっているほどだ。

 いやー、エロいなぁ、霊子さん。

 安産型の大きな尻を撫でまわしながら、こみあげてきた射精感を抑えることはしなかった。





「おぐぁっ♡」





 グッ! と奥に男根を突き入れた。

 むっちりとした臀部と下半身が隙間もないほど密着する。

 子宮口を大きく押し上げる男根。

 最奥まで押し入られた霊子さんは、エビのように背筋を大きく反らせ……。





「おぉぉぉぉぉぉぉぉ……♡」





 ビュルルルルルルルルル!





 きつく締め上げてくる冷たい膣内に、精液を遠慮なく注ぎ込んだのであった。

 ムチムチのエロい身体の女に無責任中出し……気持ちいいわぁ……。

 グッグッと何度も押し込んで残らず精液を出し切ろうとする。

 あー……やっぱ霊子さんと相性最高だな。

 そんなことを考えながら、俺は遠慮なく霊子さんを犯すのであった。





3.シキ2





『37』





「おう、小童。外行くぞ」





 ある日の昼下がり、寝転がっている俺の枕元に立って見下ろしながら、シキはそんなことを言ってきた。

 俺は隣で寝ている霊子さんの胸を揉みしだきながら、彼女を見上げる。

 ……相変わらずシキは下着を着用していないので、下からだと着物の彼女は陰部が丸見えである。

 ぴったりと閉じた若々しい秘裂は、下から覗くと良い光景だ。





「……何で外だよ?」

「ここ最近、ずっと部屋に籠って性交しかしておらんじゃろが。儂だって外に出たいわ」

「おっ、おっ♡」





 霊子さんの乳首を転がしながら、俺は衝撃を受けていた。

 今まで彼女たちを犯していて、そういうことを思ってもいなかったからだ。

 そうか、シキは……。





「青姦がいいのか……」

「殺すぞ小童」





 ベチンと頭をはたかれてしまう。

 違うのか……。まあ、俺はあまり露出趣味はないので、外でヤることが好きというわけではない。

 女から求めてくるのであれば、できる限り答えるが。





「儂が言っておるのは、純粋に散歩をしたいと言うておるだけじゃ」





 やれやれとため息を吐きながら首を横に振るシキ。

 そうか、外に出たいだけか。

 今まで霊子さんと一緒にいて、彼女からそんなことを言われたことがないので、幽霊も外に出たがるのかと驚いた。

 いや、彼女は話せないから雰囲気で察することしかできないが。





「……何で?」

「何でもクソもあるか。この地縛霊と一緒にいると、息が詰まるんじゃ。こやつ、小童がおらん時に強烈な殺気を向けてくるんじゃぞ。まったく休まる時がないわ!」





 俺は大学にも行かなければならないので、二人きりの時どうしているのか少し気になっていたのだが……仲悪いのかよ。

 霊子さんに殺気を込めてじっと見られていたら……まあ、確かに参ってしまいそうだな。

 俺と寝ている時の彼女は、こんなに可愛いのに。

 胸を揉んでいると身体をビクビクとさせ始めている霊子さんを見て、うっすらと笑ってしまう。





「まあ、外に出るのはいいんだけどな……お前、外出られるの?」





 幽霊が街中をうろうろしているというのはなかなか考えたことがなかったので、シキに聞いてみる。





「もちろんじゃ。まあ、こやつのような地縛霊だと動くことはできんが、儂はそういった類のものじゃないしの」





 ははぁ、幽霊にも種類があるんだな。

 ま、出られるんだったら問題ないな。





「よし、じゃあ軽く散歩でもするか」

「おう」





 嬉しそうに破顔するシキを見ていたら、俺も思わず笑みを浮かべてしまう。

 さて、と。昨日も霊子さんとヤっていたので全裸のため、服を着ないとなぁ。

 その前に……。





「おっ♡」





 乳首を摘まんで霊子さんをイかせておこう。

 ピュッと母乳を噴き出させながら身体を震わせる霊子さんを見て、満足して頷くのであった。





 ♡





「はー。いいのう。暑すぎず、寒すぎず……ちょうどいい天気じゃ」

「だなー」





 人がまったく寄り付かないアパートから出て、のんびりと並んで歩く俺とシキ。

 何となく手をつないでいるが、傍から見たら歳の離れた兄妹に見えていることだろう。

 今時和服ということで目を引いているシキだが、彼女の整った容姿のおかげで温かい目を向けてくる人が多い。

 何人かヤバそうな目を向けてくる大きなお友達もいたが、流石に俺がいるので声をかけてくることはなかった。





「そう言えば、和服とかって暑くならないのか?」

「うむ、きっちり着込んでいたら暑いじゃろうが……儂は緩いしの。下着も穿いておらんし」





 パタパタと裾をはたくシキ。はしたないから止めなさい。

 まあ、下半身がスースーしていたら、そんなに暑くならないのかもしれないな。





「で? どこか行きたいところはあるか? お前のおかげで、そこそこ金はあるし」

「うむ。……そう言えば、小童は何故宝くじとやらに名乗り出んかった? 億万長者じゃったのに」





 クリクリの目を向けて見上げてくるシキ。

 実を言うと、俺は一等の宝くじを届け出ることをしなかった。

 いや、座敷童としての幸運はズルというわけでもないので、別に受け取ってもよかったのだが……。





「いや、いきなり何億って渡されても困るわ……」





 俺は特に普通の大学生である。それで、いきなり何億も手にしてしまったら、色々とぶっ飛んでしまいそうで怖かった。

 あと、こういうのってどこからか嗅ぎつけられて金を無心されて壊れてしまうということも聞いたことがあったので、それが怖かった。





「まあ、ちょくちょくそこそこの宝くじ当ててくれてるし、それで十分だろ」

「ふーむ、そういうものかの?」





 だからと言って、せっかく座敷童が家にいてくれているのに、その幸運を利用しないというのもおかしな話だ。

 だからこそ、俺は何百万くらいの宝くじを当ててもらって、それをいただくということも何度かしてもらった。

 まあ、だいたいシキのわがままに消えるのだが、彼女の力なのだから不満があるわけがなかった。





「そういうわけで、お前の行きたい所に行っていいぞー」





 とんでもない高級料理店とかならまだしも、大概の場所は行くことができるだけの金がある。

 シキのわがままで出てきたわけだから、最後までわがままを貫き通してほしいものだ。





「ふむ……そうじゃなぁ……」





 うんうんとシキが悩んでいる時であった。





「あ、川路ー!」

「お?」





 名前を呼ばれてそちらを見れば、セフレの一人が駆け寄ってきていた。





「おう、久しぶり」

「ほんと久しぶりだよね。最近全然遊んでくれなくなったからさー」





 最近は霊子さんだけじゃなくシキともヤるようになったから、正直女には困ってない……なんて偉そうなことは言えない。





「あー……こいつの面倒を見ていてさ」

「え、なにこの子。可愛い!」





 手をつないでいたシキの頭を撫でて言えば、彼女は

Posted by 하얀라임
,

自称「女神様」により、2050年の近未来の世界に転生した男・河野。

その世界では、なんと国民に『意欲的性行為の義務』が課されていた!





週に一度、女性にデリバリーセックスをする義務が課された世界で、河野は気の向くままに女性たちとセックスをしていく。





目次





プロローグ~YowTuberゆきなの場合~

第1話 YowTuberゆきな後半戦

第2話 日常

第3話 ギャル系JK・佐山みゆ①

第4話 ギャル系JK・佐山みゆ②

第5話 ギャル系JK・佐山みゆ③

第6話 ギャル系JK・佐山みゆ④

第7話 ギャル系JK・佐山みゆ⑤

第8話 ギャル系JK・佐山みゆ⑥

第9話 国立ARウイルス対策センター支部

第10話~心理カウンセラー 吉村ななみの場合~

第11話 心理カウンセラー・吉村ななみ①

第12話 心理カウンセラー・吉村ななみ②

第13話 心理カウンセラー・吉村ななみ③

第14話 教室

第15話 ギャル系JK・佐山みゆ2-①

第16話 ギャル系JK・佐山みゆ2-②

第17話 異変

第18話 シカト

第19話 踊り場

第20話 相談

第21話~クラスメイト 木村ゆりの場合①~

第22話~クラスメイト 木村ゆりの場合②~

第23話 クラスメイト・木村ゆり①

第24話 クラスメイト・木村ゆり②

第25話 電話

第26話 お嬢様系JK・有坂ありす①

第27話 お嬢様系JK・有坂ありす②

第28話 お嬢様系JK・有坂ありす③

第29話 お嬢様系JK・有坂ありす④

第30話~お嬢様系JK・有坂ありすの場合~

第31話 お嬢様系JK・有坂ありす⑤

第32話 お嬢様系JK・有坂ありす⑥

第33話 終





『プロローグ~YowTuberゆきなの場合~』





「はーい、こんばんはぁ! みんな、今日もゆきなの『デリバリーセックス♡ライブ配信』に来てくれてありがとう~!」





 PCに接続したカメラに向かって呼びかけた。





 呼びかけと同時に、YowTuberのライブ配信の閲覧人数がどんどんと増えていく。

 コメント欄には『待ってたよ~、ゆきなっち!』『この日のために定時で帰ってきた』など、さまざまなメッセージが流れ始めた。





「さて、今回でデリバリーセックス実況も五回目だね! でも、はじめて来てくれてる人もいると思うので、もう一回、この動画のコンセプトをお話しておきまーす!」





 説明など不要なのは分かっている。

 このライブ配信に来てくれたスケベ女たちの中で、デリバリーセックス制度がどんなものか知らない者などいない。





 この説明は、ただ単純に場を保たせるだけのもの。





 このライブ配信の真の主役は――デリバリーセックス制度により、これから自分に種付けセックスをしてくれる『男』。

 男がこの部屋に到着する予定時刻までは、しばし時間がある。真の主役が登場する前に、場をあたためておきたい。





「この動画は、動画タイトルの通り、ゆきなのデリバリーセックス映像をライブ配信する実況です! 案件動画じゃありませんので、安心してねぇ」





『ゆきなんのデリセク配信、今日も楽しみにしてます!』





『私の前回のデリセクは、50歳のおじさまだったよー。加齢臭強めでフェロモンむんむんって感じで最高だったwwwww』





『↑お前の体験談とか聞いてないんだけど』





『↑嫉妬乙wwww』





『デリバリーセックス制度、一ヶ月に一回なんて頻度少なすぎない? 週一にしてほしい』





『女側は月一だけど、男は人数が少ない分、週一じゃん。しょうがないよー』





『前回のゆきなのデリセクは、相手の男の子が可愛い系のイケメンだったよね~ww 今回はどんな男の子が来てくれるか楽しみww』





 説明の合間にも、さまざまなコメントが流れていく。

 そのコメントに時折反応しながら、説明を続ける。





「みんな知ってると思うけど、デリバリーセックスは、その名前の通り、男の子が部屋に来て種付けセックスをしてくれます! 2030年から始まった四大義務のうち『国民の意欲的性行為の義務』だねー」





 ――デリバリーセックス制度。





 1969年に発生したARウイルスにより、世界各国で起きている人口減少に歯止めをかけるため、この国が設けた独自の制度。





「みんなも14歳になったら、お家に政府からの通知書類が届きます。この通知書類に描いてあるURLにアクセスすると、自分のデリセクの予定日が登録されてまーす。変更したい場合は、画面から申請できるよ! で、デリセク日の三日前には『ARワクチン』が自宅に届くので、これを必ず服用しておくように!」





 ああ、なんて素晴らしい制度だろう!





 これから起きることを思い、思わずぺろりと舌なめずりをする。

 部屋で待っているだけで、男が部屋にきて種付けセックスをしてくれるなんて、いい時代だとつくづく思う。





 とはいえ、1969年以前には、男女の比率は比較的釣り合っていて、不純異性交際なんていう言葉もあったそうだけど……なんだか非現実的すぎて、ぜんぜん想像がつかない。





 まぁ、はるか昔のことはさておき、ひとまず動画に集中しないとね!





 それにしても、二回目のデリセクの男の子は最高だったなぁ……♡





 なかなかチンポが勃起しなかったから、ここぞとばかりに口にくわえてちゅうちゅうとしゃぶってあげたら、涙目になっちゃって……♡

 かわいかったなぁ♡





 それで、涙目になった彼の上にまたがり、ビンビンになったおチンポをずぶずぷとマンコに挿入した時は、あっけなく「ああ~~~~っ♡!」と叫びながら、すぐにザーメンを発射しちゃって……♡





 自分はアクメには至れなかったけれど、まぁ、男の人にそこまでは求められないし、しょうがないよね。





 それに、それを差し引いてもなお、あの時の泣き顔と、ザーメンがぴゅるぴゅると吐き出される感覚はたまらなかったし♡ あれをオカズに10回以上はオナニーできちゃったもん♡





「ちなみに、自宅以外でしたいって人は、『国立ARウイルス対策センター』の認証施設が無料で使えますよー。いやあ、それにしてもいい時代だよねぇ~♡ 一ヶ月に一回、男の子が種付けセックスしにきてくれるなんて……でも、これも国民の義務だから頑張らないとね♡!」





 あの日のことを思い返すと、膣口からじゅんと愛液が漏れ出す。





 もぞもぞと太ももをすり合わせながら画面の向こうの皆に語り掛けていると、ふいに、玄関の方から「ピンポーン」とチャイムの音が鳴り響いた。





「あっ! 噂をすれば、さっそく来てくれたみたい!」





 慌てて立ち上がり、駆け足で玄関へ向かう。





 約束の時間には、まだ5分早い。ちょっとビックリだ。

 今まで来た四人のデリセクの男の子たちは、みんな時間ギリギリだったり、時には20分くらい遅れてきた子もいたのに。





 まぁ、それが普通だよね。いくら政府の制度、国民の義務とはいえ、男の子にしてみれば、見も知らない女に種付けセックスをしなければいかないのだ。気が進まないのは当然だろう。





 ちょっとドキドキしながら、玄関の扉を開ける。





「いらっしゃーい! 待ってたよぉ」





「……どうも、こんばんは」





 やってきたのは、いかにも真面目で大人しそうな青年だった。





 容姿は特にイケメンじゃない。いたって普通の……いや、普通よりもけっこう地味めな青年だ。

 なんだか真面目クンっぽい。でも見た感じ、もしかしてDKかな?

 それだったらかなりラッキー♡!





「ささ、どうぞ! あがってあがって~! もう準備万端だから」





「…………」





 玄関に立つ彼の手をとり、にこにこと笑顔を向ける。

 だが、青年は自分の顔をまじまじと見つめたまま、玄関先から動こうとしない。





 ……あ。もしかして、怖くなっちゃったのかな?





 三回目にきたデリセクの男性……四十代後半のおじさんがそうだったなぁ。





 私の顔を見るなり「こんな頭の悪そうな女に犯されるなんていやだぁ……」と言いながら、ぐすぐすと泣き出してしまったのだ。





 そうはいっても、国民の義務だから仕方がないよね~♡ なので、あの時は、おじさんの手を引いて強引に部屋に連れこみ、いつもの騎乗位スタイルで種付けセックスをさせていただきました♡





 まぁ、案の定その時もアクメはできなかったけれど。

 でも、泣くおじさんに無理やり種付けセックスをするのは、レイプみたいな感じでとても興奮した♡ あの時の行為も私の素晴らしいオカズであり、今ではもう二十回以上もオナニーしてる♡





「あの、違ってたら申し訳ないんですが……もしかしてYowTuberのゆきなさんですか?」





「え?」





 だが――怯えているだろうと思った真面目クンの言葉は、予想に反するものだった。





「えーっと……うん。私はYowTuberのゆきなだけど……?」





「あ、やっぱり! おれ、ゆきなさんのゲーム実況好きで毎回見てます! ダークオリジン実況、この前100万再生超えましたね、おめでとうございます!」





「あ、ありがと」





 思ってもみなかった言葉と、男の子の笑顔に毒気を抜かれる。

 同時に、自分がちょっと恥ずかしくなった。





 自分は日常系の配信とは別に、サブアカウントでゲーム実況の配信をYowTubeにあげている。

 にこにこと、自分のゲーム実況のファンだと語る彼は見るからに人がよさそうで。





 こんな彼に対して、「地味だ」「早そう」だのと、上から目線で値踏みをしていた自分が恥ずかしくなったのだ。





「あー……その、男の子で私のゲーム実況見てる人なんて珍しいね。私の実況って、下ネタ発言のオンパレードじゃない?」





「え、そうですかね? 別にそんなことは……ぁ、そうか。こっちの世界と元の世界じゃ、ゲーム実況の内容も違ってくるのかな」





「え?」





「ああ、すみません。気にしないでください」





 にこにことした笑顔で、靴を脱ぐ青年。

 脱ぎ終えた靴を丁寧に揃えると、彼は私をじっと見つめてきた。





 ……なんだろう、この子。

 今までデリバリーセックスにきた男達とは――なんとなく、雰囲気が違う……?





「それにしても、あのYowTuberのゆきなさんの自宅にお邪魔できる日が来るなんて、思ってもみませんでした」





「そ、そう? 私も、男の子のファンがいるなんて思ってなかったよ」





 玄関わきに置かれた上着かけに、着ていたパーカーを脱ぐ青年。

 あらわになったTシャツの半袖から伸びる二の腕に、ごくりと唾を飲みこむ。





 うわ~、DKの二の腕めっちゃいい……♡!





 ああ、今からあのTシャツをめくりあげて、あの胸板にしゃぶりつきながらチンポをしごいたら、あの真面目クンはどんな顔を……って、だめだめ!

 せ、せっかくの、そして貴重な男の子ファンだもんね!





 今までデリセクで来た男性にしたような、レイプまがいの種付けセックスじゃなくて……彼にはちゃんとした、優しいセックスをしてあげないと。





 だから、今日は自分の欲望はグッと我慢だ。

 動画的には物足りない絵面になるかもしれないけれど……でも、たまにはこんな回があってもいいよねっ。うん!





 そんなことを考えていたら、いつの間にか、真面目クンが私の目の前に来ていた。





 ハッと我に返って、私は彼の手をとる。





「あ、ごめん、ちょっとぼーっとしちゃってた」





 手を引いて彼を寝室に案内する。

 振りほどかれるかもと思ったが、彼は大人しく、私に手を握られたまま後についてきた。





 ……さっきも思ったけど、彼、男の子なのにちょっとガードゆるすぎじゃない?

 デリセク制度は国民の義務といえど、こんなに無防備で大丈夫なのかな?





『おっ! やっと帰ってきた!』





『今回のデリセク男子は、なんか真面目くんっぽい?』





『ちょっと待て、ゆきなんと男子、手ェ繋いでない? 羨まし!!!!』





 寝室のドアを開けると、コメントが流れ始めたのが見えた。

 私に手をひかれて寝室にやってきた青年が、デスクトップに映し出されたコメントの数々を見て、驚いたように目を見開く。





「え? この様子、今、リアルタイムで配信されてるんですか?」





「うん、そうだよ! 今回で私のデリセク実況は五回目かなぁ」





「……五回目……」





呆然と呟く彼に、私は小首をかしげて顔を覗き込む。





「どうしたの? 今どき、デリセクライブ配信なんて珍しくなくなぁい?」





「……珍しくないんですか? 公序良俗違反とか……」





「あはは、何十年前の話してるのぉ? 国民の四大義務くらい知ってるでしょ? デリセクライブ配信は『国民の意欲的性行為の義務』に基づく行為だよ? 男性への性犯罪抑止のためにもなる配信だし、問題あるわけないじゃない」





「……でも、それだと……今から、おれとゆきなさんがセックスする様子が、全世界に配信されてしまうわけですけど」





「? それって何か問題ある? もしかして恥ずかしくなっちゃった? ……あ! もちろん君の顔は自動モザイクがかかってるから大丈夫だよ!」





 私の言葉に、どこか呆然とした様子の青年。

 その唇から小さく「……すごいな、異世界。これは思った以上だ」と呟くのが聞こえたが……どういう意味だろう?





 まぁいいか。

 そろそろ始めないと、いい加減、画面の向こうの皆も待ちきれないだろうしね……♡





「じゃあ、こっちに座ってくれるー?」





 私は彼の手をひいて、ベッドに座らせた。

 無論、その様子はカメラに映し出されて配信される。





『なんかゆきなん、今回めっちゃ丁寧w』





『さっさとチンポ出させろよwww なにカマトトぶってんの?w』





 流れるコメントを横目に見たあと、彼をちらりと上目遣いで見上げる。

 だが、意外にも彼はコメントに心を乱される様子はなかった。むしろ、なんだか面白がっているような顔だ。





 なんだろう……真面目クンかと思ったのに、不思議なカンジ。





 意外とデリセクに慣れてるのかな?

 それなら、あまり手加減しなくてもいいのかな……って、ダメダメ! せ、せっかくのファンだし、それにいい子だし、嫌われるような真似は控えないとね!





 ひとまずキスをしながら様子を見ようと思い、私は顔を近づける。

 ちなみに、今までのデリセクで来た男性とキスをしたことは一度もない。というか、デリセク以外で男とセックスしたことがないから、今まで一度もないんだけど。





 キスをしようとしたら、みんな、顔をそむけて嫌がるのが普通だ。

 むしろ罵倒をされたことさえある。





『国民の義務だからお前なんかと寝てるのであって、恋人ごっこをしにきたわけじゃない!』





 もっともな意見だけど、アレはちょっと傷ついたなー……。





 だから正直、さすがの彼も嫌がるのではないかと思っていたのだけれど――





「んっ……♡」





 むちゅ、とやわらかい感触。





 ――し、信じられない! 今、私、男の子とキスしちゃってる……♡!





 真面目クンは私のキスを、嫌がらずに、大人しく受け入れた。私はすぐさま調子にのって、彼の唇の合間から、舌先をすべりこませる。





「んっ、ふっ♡ んちゅっ……♡」





 私はいつの間にか、ベッドの上に片膝をついて身を乗り出し、彼の両肩に手をまわしていた。

 舌先で彼の歯列をなぞり、舌をからませる。唇から溢れる唾液は、唇をつけてずるずるとすする。





 だが、やっぱり彼に嫌がるそぶりはない。

 それどころか、私の舌に自分の舌を絡ませるという積極さ……♡!





 な、なにこれ、夢?

 こんな、こんな女の理想みたいな、エッチな男の子がこの世にいるの……♡!?





『うわっ! すごい、めっちゃ濃厚ディープキス♡!』





『ゆきな羨ましい!!! マジそこかわって!!!』





『えっ、これ本当に? さすがにやらせじゃないの?』





『やらせでもいいわエロいし。やらせが嫌なら見なきゃいいじゃん』





 あまりに彼が積極的にキスにこたえてくれるため、「やらせじゃないか」とコメントがざわつき始めた。

 無論、やらせなわけがない。

 だって、一番驚いているのは、私なんだから……♡!





「んちゅっ、ふむっ♡ んーっ、むちゅうっ♡♡」





 ベッドの上に両ひざをついて彼におおいかぶさるようにして、私はより深く唇を重ねる。





 はぁ……っ♡

 キスってこんなに気持ちよかったんだぁ……♡





 彼の舌、美味しい♡

 もっと舌ぺろぺろしたい♡ ずっとずーっとキスしてたい♡





「ぷはっ……♡」





 そうして――どれぐらいキスを続けていただろう。

 お互いの唇がふやけそうなくらいの長いキス。それを終えた時は、私はすっかり身体の力がぬけて、ぐったりと彼に身体をあずけていた。





「はぁ……♡♡ キス、きもちよかったぁ……♡」





「大丈夫ですか、ゆきなさん?」





「だいじょうぶぅ……でも君、すごいね……? 男の子で、デリセクでキスOKってだけですごいのに、こんなエッチなキスのあとでも、平然としてて……♡ もしかしてデリセク、初めてじゃないのぉ……?」





 濃厚なキスの余韻に、下腹部がキュンキュンと疼く。

 あー、これ、ちょっとだけ甘イキしちゃったかも……♡





『うわっ、ゆきなんがすっげー雌の顔になってるwww』





『いいなぁ、あんなたっぷり長時間ディープキス……あたしのデリセク、あと一ヶ月先なんだよね』





『デリセク制度の対象年齢ならいいわよね。あたしなんか今年で31歳になっちゃったから、もうデリセク制度は年齢オーバーよ……(´・ω・`)』





 次々に流れるコメントと、私の顔を見比べて、彼は困った顔になった。





「ゆきなさん、次に行けそうですか?」





「ちょ、ちょっと休憩させて……んんっ♡」





「……困りましたね。視聴者の皆さん、待ってるみたいなんですが……」





『あの彼クン、うちらのこと心配してくれてるw 優しいww』





『めっちゃいい子やん』





『真面目ないい子クンが、ベッドの上ではめちゃエロなんて、女の妄想か二次元から出てきたの???』





 視聴者のみんなが盛り上がってくれているこのタイミングで、本番に進んだ方がいいのは分かっているが、さきほどのキスで甘イキがいまだに続いている。





 初めての男の子とのキスーーそれがあんなにエッチなキスだったから、身体がすっかり昂ってしまったのだ。そこからなかなか下りてこれない。





 どうしよう、と焦る私に、目の前の彼が優しく語りかけてきた。





「分かりました。じゃあ、ゆきなさんが復活するまでおれが頑張りますよ。こうして寝てるよりも、少しでも何かしていた方が動画的にはいいんですよね?」





「え? でも、そんな……」





「おれは大丈夫です。あ、でも、動画配信なんて初めてだからイマイチ勝手が分からないので……ダメなところはダメ、いいところはいいってそれとなく教えてくださいね」





『第1話 YowTuberゆきな後半戦』





「んァあぁああああぁああ~~ッ♡♡♡♡!!! そこっ、ゴンゴンするのやめてぇッ♡♡!! いったん止めてぇッ♡♡!! んァあッ、ふあああァッ~~~~~♡♡!」





ぐっちゅ、ぐちゅっ、ずっちゅずっちゅっ♡♡

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんぱんぱんっ♡♡!





 ――さて。あれから30分後。





 おれの眼下には、裸になってベッドの上で四つん這いになり、おれのチンポをそのマンコにずっぷりとくわえこんでいるYowTuber・ゆきなの姿があった。





「ゆきなさん、気持ちいいですか?」





「だめっ、いったんとまってぇッ♡♡! おねがいだからっ、おマンコするの、いったん待ってぇっ♡♡!」





「あれ、すみません、気持ちよくないですか? うーん、こっちかな?」





ぐっちゅ、ぐちゅぐちゅっ、ずっちゅずっちゅっ♡♡

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんぱんぱんぱんぱんっ♡♡!





「ちがうのぉっ♡♡!? そこぉっ♡♡ そこの、おマンコのざりざりしてるとこっ♡! おチンポでごしごしされるの、気持ちよすぎるのぉぉっ~~~♡♡!」





 おれのチンポをくわえこんで、瞳にハートマークを浮かべているゆきな。





 無論、そんな彼女のあられもない姿は今もYowTubeにライブ配信の真っ最中だ。

 先ほどからコメント欄にはぞくぞくとメッセージが流れ続け、もはや目では追いきれないほど。視聴者数も信じられないような数だ。





『なにコレ!? マジでやらせじゃないの!?』





『男に後背位セックスされるなんて、バーチャルAVでしか見たことないよ……これ、本当は私の妄想じゃないのw?』





『絶対に案件動画じゃんこんなの。見る気うせるわー、いくら払ってんのゆきな?w』





『↑嫉妬乙』





『↑そんなこと言って、アンタずっといるじゃんww 見る気うせたならさっさと視聴やめれば?w』





『ちょっと待って、視聴者数ヤバくない?w』





 ワンワンスタイルでのセックスは、意外と視聴者に――この異世界の女性には、ウケがいいらしい。

 よかった。無事にゆきなの動画に貢献できているようで何よりだ。





 そうとなれば、おれはさっそく、ゆきなの両手首を両手でつかんだ。

 そして、バイクの持ち手を握って機体を操るように、ゆきなの両手を後ろに引く。





ずちゅっ♡♡ ずぷっ、ぷちゅっ、じゅちゅっ♡♡!





「ひゃんっ♡♡!!!」





 根本まで埋もれていたチンポが、両手を引いてゆきなの身体を引き寄せたことで、さらにずぷずぷとマンコの中に埋まっていく。

 すると、チンポの先端が肉の壁にこつんと当たった。





「あっ♡♡ なにこれぇ♡♡ おマンコの一番奥が、おチンポでゴンゴンされてるぅっ♡♡」





 とろけきった顔のゆきなが、わずかに困惑したような表情を浮かべる。





 この体勢だと、おれからゆきなの実際の顔は見えない。だが、カメラに撮られている映像が、PC画面の一部分に映し出されているので、そこにゆきなの顔が映っているのだ。





 つまりそれは、おれのチンポを受け入れてトロトロになっているゆきなのメス顔や、ぶるぶるんと震えるおっぱいも、高く掲げられた桃尻も、すべて撮影されているということだ。





 おれのいた元の世界だったら、こんな映像をYowTubeにライブ配信したら、次の日から待っているのは社会的な死である。

 だが、この異世界ではそうではないらしい。





 ああ、なんて素晴らしい……!





 あの自称『女神様』とやらから、強制的にこの世界に転生させられた時はどうなるかと思ったが……しかし、蓋をあけてみればどうだ。





 週に一度、女に種付けセックスをすることを、法律で義務付けられたこの世界。





 いまだにこの世界のことは分からないことだらけだが――でも今は、ただこの状況を楽しみたい!





「んぁあああッ♡♡!! またっ♡♡! おチンポがゴンゴンきてるよぅっ♡♡! そこ、一回とめてぇぇっ♡♡! おチンポっ、ゴンゴンするの、一回とめてえぇぇっ~~~~♡♡!」





ぐっちゅ、ぐちゅぐちゅっ、ぷちゅっ、ずちゅずっちゅっ♡♡

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡!





 そんなことを考えながら、ゆきなの両手を引きながら腰を一心不乱にパンパンと動かしていたら、いつの間にかゆきなが顔を真っ赤にして絶叫していた。





 見れば、目からはとめどなく涙が流れ、唇からは真っ赤な舌をだらんと垂らしている。

 発情期のメス犬でさえ、こんなみっともない顔はしないだろう。





『ゆきな、すっごいアヘ顔wwww マジうらやま』





『ゆきなの顔、すっごいwww 鼻水まで出てるwww』





『マジでいくら出したんだよ、絶対やらせでしょこんなの』





 コメント欄も相変わらず大賑わいだ。

 おれはいったんピストン運動をゆるめ、ゆきなに声をかけてみた。





「どうしましたか、ゆきなさん? 何か、まずいことでも?」





「それっ♡♡!! いっかい、おチンポでゴンゴンするのとめてぇっ♡♡!? ゴンゴンされるたび、イっちゃってるのぉ~~ッ♡♡!?」





 見れば、確かに結合部からはどろどろとした真っ白な汁が垂れてきていた。

 おれはまだ射精をしてないので、ザーメンではない。どうやらゆきなの本気汁のようだ。





 結合部から滴る本気汁は、ベッドの上にぴちゃぴちゃと水たまりを作る。

 その小さな水たまりも、ばっちりとカメラに映る。すると、さらにコメント欄は盛り上がった。





『うわwww ゆきなのマン汁、量やっばいwwww』





『めちゃくちゃ臭そう~~www』





『あーあ、貴重なおチンポが、ゆきなのマン汁で汚されちゃった~~! お姉さんがお掃除フェラしてあげたーい〉〈』





 ふむ。ゆきなは止めて欲しがっているようだが……画面の向こうのみんながせっかく盛り上がっているんだし。

 ここで止めるのは撮れ高的によくないよな。

 何より、ゆきなはイってても、おれはまだイってないし。





「大丈夫ですよ、ゆきなさん。今、ぶつかってるのはゆきなさんの子宮が下りてきたからです」





「子宮……っ♡♡? だ、だって、今までのデリセクの男の子たちとは、こんなことなかったのに……っ、んぁあ、ふああァぁッ♡♡!」





 肉壁がきゅうきゅうと嬉しそうにチンポに絡みついてくる。





「あっ……♡ し、子宮ってことは……じゃあ、私、とうとう妊娠できるかもってこと……♡? ん、ぅうっ♡」





「そうですよ。妊娠できたら、ゆきなさんもとうとう名誉国民入りですね」





「め、名誉国民……わたしが……♡?」





「そうです、だからここで止めるわけにはいかないんです。それに、種付けセックスは国民の義務ですからね。義務をおろそかにするわけにはいきませんよ。だからゆきなさんも、あともうちょっと頑張りましょう!」





「……そ、それはそうなんだけど……で、でも、お願いだから、ちょっとだけでいいから休ませ……んぉああぉおおッ♡♡!?」





ばちゅんっっ♡♡♡♡!!





 まるでケモノのような唸り声をあげるゆきな。





 会話の終わりを待たず、おれがゆきなの両腕を引っ張り、同時に腰を音が立つほど打ち付けたからだ。

 そのため、とうとう、ゆきなの子宮口は、おれのチンポの先っぽ部分をずっぽりと咥えこんだ。





 最奥の最奥。いまだ誰も立ち入らせたことのない場所。





「おっ……♡ おっ、ぉっ……♡」





 子宮に吶喊を受け、結合部からはまるで間欠泉のように本気汁がほとばしる。





「ぁ、はぁっ……♡♡」





ぷしゃっ♡ ぷしゃっ、ぷしゃしゃっ、ぷしゃああああああッ♡♡





 割れ目から噴水のようにとびちるマン汁を潤滑油にして、おれは再びストロークを開始する。





「あ、んぁああ、ふあァああッ♡♡!?」





ぐちゅぐっちゅ、ぐちゅぐちゅっ、ぷちゅっ、ぐちゅずちゅずっちゅっ♡♡

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡!





 ラブジュースに満たされたマンコは、とてつもなくたまらない感覚だ。

 熱く濡れそぼり、おれのチンポがどこまで奥に押し進もうと、難なく受け入れてくれる。むしろ、チンポの先っぽが子宮口に出たり入ったりするのを助けるかのように、ますます本気汁を分泌させてくれるのだ。





じゅちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅちゅっ♡♡!

ずちゅっ、ぶちゅっ、ぐちゅっ、じゅちゅんっ♡♡!





「んぉッ♡!? んあッ、ッぁああぁああァ~~~~~ッ♡♡!」





 ぐるんと白目をむいて、舌を垂らした顔で、絶叫に近い喘ぎ声をあげるゆきな。





『ゆ、ゆきな、すっごい顔……今までこんなデリセク配信見たことない……!』





『こ、こんなすごいセックスしてくれる男の子がいるなんて……』





『彼、いくら出せば私のところに来てくれるの!? 三十万までなら出すから、今度の私のデリセクにどうにかして来てくれないかな~~~!?』





『↑デリセクの指名は双方できないでしょ。とはいえ、アンタの気持ちもかなり分かるわ……』





 大賑わいのコメント欄を横目に、おれはギリギリまでチンポを引き抜く。

 そして、一気に最奥までチンポを叩きつけた。

 ゆきなの子宮口はトロトロにゆるみきって、今度も難なくおれのチンポを歓迎する。そして、再び先端が子宮口に入りこむ。





ぶちゅっ、ずぷっ、じゅぷっ、どちゅんっ♡♡!

どちゅっ、どちゅっ、どちゅっ、どちゅんんんんんっ♡♡!





「んぁっ、ぁあッ、んぁああああァああぁ~~~~~~ッ♡♡!」





「っ……!」





びゅるっ、びゅるっびゅるっ、びゅるるるるるるるるっ~~~~♡♡!





 おれは、ゆきなの子宮に向けてたっぷりとドロドロのザーメンを注ぎ込んだ。

 ゆきなの子宮は注ぎ込まれる精子を歓迎するかのようにきゅむきゅむとチンポに絡みついてくる。膣道の肉ヒダも、精液を一滴もこぼすまいと、ぴっとりとチンポを締め付けた。





「はぁっ……」





 精液を吐き出し終え、呼吸を整えた後、しばらくしてからゆっくりとチンポを引き抜いた。





 チンポが抜かれると同時に「こぽっ♡」と空気音をたてて、ゆきなの割れ目からはドロリとマン汁とザーメンのミックスされた液体がこぼれる。

 いまやすっかりシーツはびしょ濡れだ。残念だが、このシーツはもう捨てるしかないだろう。





「……あれ。ゆきなさん、寝ちゃいました?」





 見れば、ゆきなは「ぉっ……ぁっ……♡♡」と小さな声をあげて、腰をひくひくと震わせたまま気を失っていた。

 少し考えた後、おれはゆきなの身体を仰向けにした。そして、その身体を背後から抱きかかえるようにしてM字開脚にさせる。





もちろん、カメラにはゆきなの裸が映し出される。





 気を失ったゆきなは白目をむいて、半開きの口からはよだれを垂らしている。

 M字開脚の足の間の陰唇は真っ赤にぷっくりと膨れ、そのマンコからはどろどろとしたザーメンと本気汁を絶えず流し続けている。

 マンコの上のクリトリスも、真っ赤になってビンビンにとがりきっている。ぶるんと揺れるおっぱいの上の乳首も、クリトリス同様にすっかりピンコ勃ちだ。





 こんなみっともない痴態をYowTubeにライブ配信しようもんなら、元の世界だったら即座に通報モノだろう。

 だが、視聴者のみんなはますます大盛り上がりだ。





『うわwww ゆきなのマンコやっばwww』





『マンびらめっちゃめくれてるww それだけ激しかったってこと!?w』





『ザーメンこぼれちゃってるよもったいない! ゆきなのマンコゆるすぎじゃない?w ちゃんとマンコしめろ、ゆきな!』





『あれっ、もしかしてゆきな、気を失っちゃってない? これ、本当にやらせじゃなくてマジなんじゃ……!?』





『あの男の子、どうにかして特定できない!?』





 あ、さすがに特定はヤバいな。

 遊ぶのはこれくらいにして、そろそろ動画はお開きにさせてもらおう。ゆきなも気を失っちゃってるし。





「ゆきなさんが寝ちゃったので、おれがゆきなさんの代わりに挨拶しますね。皆さん、今日はみてくださってありがとうございましたー。もしかするとこの先、デリセクで今度は視聴者の皆さんのところにお伺いすることもあるかもしれませんね。その時はよろしくお願いしまーす」





 背後からゆきなの片手をもって、カメラに向かってバイバーイと手を振らせる。

 うんうん、見て下さった人にはちゃんとお礼を言わないとな。





 ゆきなに手を振らせた後は、彼女を再びベッドに寝かせる。

 ベッドからパソコンのもとへ行き、録画と配信の終了操作をした。見れば、コメント欄は『待って、まだ終わらないで!?』『ゆきな、目を覚まして!!!終わっちゃうよ!?』と阿鼻叫喚状態だった。

 おれも名残惜しいが、さすがにこれ以上調子に乗るのはよくないだろう。





「さて……」





PCとカメラの電源を完全に切った後、おれはベッドを振り返った。

そこには、びしょぬれになったシーツの上で、裸のまま、カエルの解剖みたいな大股開きで、ぐったりと気をやっているゆきながいる。

そのあられもない姿に、ゴクリと唾を飲みこむ。





彼女に飛びつき、二回戦目を始めたのは言うまでもない。





『第2話 日常』





「――河野くん、次の段落を読んでみて」





「はい」





 教師にさされて、おれは席を立つ。

 そして、指定された段落を音読する。





「1969年に、突然、世界中で発生した新型ウイルスが猛威をふるう。アンチリプロウイルス と名づけられたこのウイルスは、致死性こそ低いものの、爆発的な感染力をもっていた。このウイルスに罹患した人間は、生殖機能が著しく低下。それで、2050年の今に至るまで、残念ながらまだその病気に対するワクチンは完成に至ってない」





「ありがとう、上手だったわよ」





 にっこりと微笑む女教師。

 おれは目礼をすると、もう一度、自身の席に座った。





 おれが席についたところで、女教師は教室をぐるりと見渡し、講義を続ける。





「今、河野くんが読んでくれた通り、 アンチリプロウイルス――ARウイルスが爆発的な猛威をふるったため、2000年以降からは、世界中で急激な少子高齢化が進んでいます」





 今は現代史の授業の真っ最中だ。

 普段なら、おれも他のクラスメイト同様、机につっぷして眠りこけているところなのだが、今日は違う。





 今のおれにとっては、この異世界の常識と、その歴史の変遷を知ることのできる貴重な授業である。

 自然と聞く姿勢にも力が入るのだ。





「また、ARウイルスにかかると、生まれてくる子どもはかなりの高い確率で女の子になります。そのため、現在の未成年者における男女の比率が2:8になりました」





 女教師が教科書を音読しながら、教室をぐるりと歩いてこちらに近づいてきた。

 そして、おれのすぐ傍らに立つと、そのまま立ち止まる。





「――それに伴い、男女の意識も変わってきました。男女の貞操観は比較的『女性は男性より弱くてかよわい、守るべきもの』という意識が強かったのですが、2000年代になると、その意識はだんだんと変わり、2020年に入る頃には、すっかりと男女の貞操観は逆転しました」





 そこで、女教師がふたたびちらりと視線をよこした。

 視線が合うと、再び名指しで指名され、次の段落を音読されるように指示される。





 椅子をひいて席を立ち、教科書を両手にもって、該当箇所を読む。





「えー……『また、貞操観の逆転にともない、各地では女性が男性に行う性犯罪――具体例を挙げると、「無職の女性が男子中学生に性行為を強制」「電車内で、OLがサラリーマンに痴漢行為をはたらく」「男子高校生を女社長が自宅に監禁」などといった性犯罪が、各地で多発するようになった』」





「うんうん、次も読んでみてね」





 立ち上がったおれの肩に、女教師がさりげない仕草で手を置いた。





 いや――さりげなくはないか。ちらりと横目でうかがえば、銀色のフレームの眼鏡の奥の瞳をらんらんと輝かせて、おれを舐め回すように見つめている。





 女教師は次の段落も音読するように指示してきた





 気が付けば、教室内の女生徒のうち何人かもいつの間にか顔を机からあげ、こちらを熱心に見つめていた。

 その顔には、ニヤニヤとした笑みが浮かんでいる。





「えっと……『勢いを増す人口減少と性犯罪に歯止めをかけるため、2030年、世界各国はそれぞれ少子化対策のための法律や制度を設けた。その中でも、我が国が設けた制度――それこそ「国民の意欲的性行為の義務」である。こうして、「教育」、「勤労」、「納税」に加えて……「性行為」の四大義務が誕生したのであった』」





「ありがとう、河野くん。着席して大丈夫よ」





 ゆっくりと椅子に座ると、女教師は黒板の方へ戻っていった。





 おれが席に座ったあとも、女生徒たちはいやらしい笑みを浮かべていた。

 中には隣同士でクスクスと笑みを交わしている子もいる。





 逆に、おれの隣の席に座る男子生徒――おれを含めてこのクラスでたった3人だけの男子生徒――は、心配そうな表情で、そっと囁いてきた。





「河野、大丈夫か?」





「うん? 別に平気だけど」





「高山のヤツ、ほんっと変態教師だよな。ああいうところばっか、河野に音読させて。いつも肩とかベタベタ触ってよー」





「そうなんだ」





「アイツ、河野のこと、ぜってーエロい目でみてるよ。あー、キモ。ほんっと、女ってサイテーだよな」





 その言葉には答えず、あいまいな笑みで答える。

 そして、再び前方に目を向ける。





 あの現代史の女教師は、高山というらしい。





 年は、24,5歳ってところかな?





 黒い髪を後ろに一つにまとめ、銀色のフレームの眼鏡をかけている。

 タイトスカートのスーツを着ているが、服の上からでも、その胸はたいそうなものをお持ちなのが、ありありと分かる。腰はきゅっとくびれて、その下につづく尻はもっちりと肉づきがよさそうだ。

 タイトスカートから伸びる黒ストッキングが、実になまめかしい。





 おれがジロジロと見ていると、視線に気づいたのか、高山先生がちょっといぶかしげな顔をした。





 目が合ったので、試しにこっそりと笑みを向けてみる。

 すると、高山先生は驚いたように、眼鏡の奥の瞳を丸くした。そして、その頬をほんのりとピンクに染める。





 うんうん。高山先生、なかなかよさそうじゃないか。

 おれのことをエロい目で見てるというなら、こちらこそぜひお相手願いたいものだ。





『第3話 ギャル系JK・佐山みゆ①』





「――ああ、三十年前とかは好きな女性と結婚して、その一人だけとセックスすればよかったんだろう? いい時代だよなぁ、僕もそんな時代に生まれたかったよ」





「まぁ、国民の義務だから、しょうがないっちゃしょうがないけどさ。それに週一回だけ我慢すれば、政府の支給金も出るし、公共の乗り物は使い放題で医療費もタダ。おまけに免税措置も受けられるんだし、将来的には良いことづくめなんだけどさー」





 ――昼休み。





 おれはクラスの男子生徒二人と机をくっつけて、もそもそと弁当を食べた。

 髪を明るい茶髪に染めたツンツンヘアーのスポーツ系男子生徒と、眼鏡をかけたインテリ風の男子生徒の二人。

 このうち、スポーツ系男子生徒がおれの隣の席、インテリ風男子生徒がおれの後ろの席に座っている。





 現代史の授業とあわせ、二人からそれとなく話を聞くことで、だんだんとこの世界の変遷が分かってきた。





 ――1969年以降に生まれた人間は、その生殖機能が著しく低下しているらしい。





 だが、低下しているだけで、その機能を失ったわけではないそうだ。

 また、病気を完治させるワクチンを開発するにはいまだに至っていないが、その対策となる薬を生み出すことには成功した。





 それが、対リプロウイルス型生殖機能活性薬――通称『ARワクチン』だ。

 この薬を摂取すれば、男女とも、摂取後から24時間だけ、着床の確率がぐぐっと上がるらしい。





 そして、16歳以上になった男子は、月に一回~三回、政府の指示に従って、女性と強制的にセックスをする義務がある。

 見事着床すれば、受精卵は『国立ARウイルス対策センター』の施設内の養育装置に移動され、以降そこで養育されるそうだ。無論、母親が望めば自身の胎内で子どもを育てることも可能だし、その場合には政府から支援金が支給されるそうだ。





 養育の義務は男女ともに発生しない。だが、誰が親かという記録はあるそうなので、親と子どもの両方が希望すればいつでも面会は可能らしい。

 養育装置に移動された子どもは、政府下の児童施設で育てられる。





 この政策のおかげで、人口減少問題にはギリギリ歯止めをかけることはできたそうだ。

 だが、依然として男女比率の極端化や少子高齢化問題は解決されていないため、国民が『国民の意欲的性行為の義務』から解放されることはほど遠いだろう。





 そう、『国民の意欲的性行為の義務』――それが、おれが昨日体験した『デリバリーセックス制度』。

 言い換えれば『月に一度の種付けセックス義務』という、納税ならぬ納精子な社会に、国民はすっかり意識が変わった。





 その代表的な変化が、先ほどの高山先生の授業でもあった『貞操観の逆転』である。





「今度の土曜、僕、デリセク日なんだよ。嫌だなぁ……前回なんか、大学生の女だったんだけどさ。涎たらしながらあそこにしゃぶりついてきて、ほんっと気持ち悪かったよ。帰ってからそっこーシャワー浴びた」





 ため息をついて、暗い顔をするインテリ風男子生徒。





 今までのおれならば「女子大生とヤれるなんて最高じゃん!」と言って、羨望の視線を送っていたところだが、ここではそんなリアクションをしたら、白い目で見られるのは明らか。

 なので、てきとうに同情的な表情を作って「それは災難だったなぁ」と話を合わせた。





 すると、今度は二人がおれに話をふってきた。





「そういえば、河野も……この前の土曜、とうとう初めてのデリセクだったんだろう?」





「河野、金曜日の時、めちゃくちゃ憂鬱そうだったもんなぁ。自殺でもするんじゃないかって、俺たち心配してたんだぜ?」





 気づかわしげな顔でおれを見る二人。

 おれは弁当のからあげを頬張りながら、笑顔を作ってみせた。





「あー、そうだったっけ? でも、行ってみれば、思ってたより大したことなかったぞ。心配させて悪かったな」





 おれの言葉に、二人はあからさまにホッとした顔になった。

 よっぽど『河野』を心配していたのだろう。





 ……ここで、「いやー、それが実は、本物の『河野』は、実はデリセクが嫌すぎるあまり、自室で首つり自殺を決行しまして! その境遇に同情した自称『女神様』が、並行世界のおれと入れ替わらせたので、ここにいるおれは本物の『河野』じゃないんだよね~。まぁ、あっちはあっちでうまくやってるんじゃないか?」って、本当のことを言ったら、二人はどんな反応をするだろう?





 まぁ、デリセクが嫌なあまり心を病んだと思われるだけか。

 そもそも、当のおれ自身がいまだにこの状況が信じられないし、誰にも言うつもりはないけどさ。





 それにしても、あの自称・女神様……『あちらの世界では男が男というだけでモテモテですよ! 一生モテ期!』とは言っていたけれど、まさかこんな極端な世界とは思わなかったぜ。

 もっと詳細を説明しておいて欲しかった。





 おれが転生した日――この前の土曜日だって……部屋でゴロゴロしてたら、いきなり『国立ARウイルス対策センター』の職員って名乗る人が迎えにきて、あれよあれよというまに、車でおれをどこかへと連れていったのだ。

 平静を装っていたものの、内心でめちゃくちゃ慌てた。





 でも、あの時の職員さんが親切な人でよかったな。

 デリセク制度対象の女性宅に向かう道すがら、あの職員さんが、車内でデリセク制度について懇切丁寧に説明してくれたおかげで、ゆきなの所に着いた時には、おおまかな事情を把握することができていた。





 あれがなかったら、せっかくのゆきなとのセックスもしり込みしてしまったかもしれない。





 ……にしても、まさか、おれがあの人気Yowtuberのゆきなとセックスライブ配信をする日がこようとは……





 あれから満足がいくまでゆきなとヤって――家に戻った後、ライブ配信のアーカイブを見てみたが、動画で見るゆきなの痴態もとてもたまらなかった。あれをオカズに、もう一度、自家発電に励んでしまったほどだ。





 願わくば、もう一度ゆきなとヤりたいものだが……デリセク以外の性行為は、この世界ではどういう扱いなのだろう?





 土曜日はゆきなの自宅でデリセクを行ったから、おれは既に彼女の住所が分かっている。

 この場合、おれがゆきなの家を尋ねたとしたら、個人情報の悪用扱いになるのだろうか?





 うーむ。こうしてみると、やはりまだ分からないことだらけだな。

 今日の放課後、学校の図書室にでも行ってみようかな。





 そんなことを考えながら玉子焼きを頬張っていると、ふいに、教室の一角から「ぎゃはははは!」という、品のない笑い声が響いてきた。





 見れば、うちのクラスの女生徒5人が、おれ達と同じように机をくっつけて弁当を食べている。

 彼女たちは、自身のスマートフォンの画面を見ながら、大興奮の様子だ。





「ぎゃははは! 見てよ、このゆきなのメス顔~! 涙とヨダレと鼻水とマン汁、ぜんぶいっぺんに噴き出してて、マジ笑える~!」





「それにしても、マジやっばいわ、このデリセク配信。リアタイで見たかったなー」





「この男の子って、本当にただの素人なのかなぁ?」





「そんなわけないでしょ、こんな激しいセックス、ただのデリセク制度で来た一般男性ができるわけないじゃん。きっと、政府からの依頼で、ステマ案件とかでしょー?」





「そっかー……でも、一生に一度でいいから、こんな激しい種付けセックスされてみたいよねぇ~♡ ……まっ、うちのクラスの男子には無理だろうけどさー」





 最後のセリフを言った女生徒が、ニヤニヤ笑いを浮かべて、こちらを見つめてきた。





 彼女の顔には覚えがある。確か……おれが高山先生に、音読を指示されている際、同じようなスケベ笑みを浮かべてこちらを見つめてきた女生徒だ。





 確か……彼女は、佐山みゆ、だったか?





 一限目の数学の授業の時に、教師に指名されていた時、そう呼ばれていたはずだ。





 佐山みゆは、金髪に染めた髪と、よく日焼けした褐色の肌の、典型的なギャル系JKだ。

 目鼻立ちはぱっちりとしていてなかなか可愛い。制服のシャツのボタンを上から三つまで開けていて、そこからちらちらと谷間がのぞく。けっこう大きいな。





 佐山は、からかうような笑みのまま、おれのことをジーっと見つめてきた。

 少し迷った後、おれは顔をそらす。





 あの動画にはモザイク処理がされていたが、身体にまでは入っていない。

 声質も多少変わってはいるが、何かのはずみで気づかれたらやっかいだ。





 しかし、おれが顔をそむけた後も、佐山はしばらくの間、なにか含むような笑みを浮かべて、こちらをじっと見つめ続けてきたのだった。





『第4話 ギャル系JK・佐山みゆ②』





 昼休みの後は音楽の授業であり、音楽室に移動だという。

 さっそく移動しようかと思ったら、なんと、インテリ風男子生徒くんが「具合が悪い」と言い出した。





 どうやら、先ほど、教室の一角でバカ騒ぎをしていた女子生徒たちが原因のようだ。

 直接何かをされたわけではないのだが、彼女たちはおれに聞こえるように大声でゆきなのライブ動画についての感想を口々に言いあっていた。それを聞いていて、気分が悪くなってしまったらしい。





 おれの元の世界でも、男子のそういう話を嫌がる女子生徒がいたから、きっとインテリくんもそうなのだろう。





「河野、一人で平気か?」





「ああ、教室移動くらい一人で大丈夫だよ。早く保健室、連れてってやってくれ」





 具合の悪いインテリくんは、スポーツ系男子生徒が保健室まで送っていくことになった。

 そのため、おれは一人でパソコン室に移動することとなる。





 スポーツ系男子くんは心配そうな顔をしていたが、おれが促すと、彼はインテリくんを連れて教室を出ていった。



 二人の姿を見送った後、おれは授業で使う教科書とノート、筆記用具をまとめる。

 気が付けば、そうこうしているうちに、クラス内のほとんどの生徒はもう教室からいなくなっていた。





「なー、河野ぉ」





 教科書類を持って教室を出ようとしたところで、おれに声をかけてきた奴がいた。

 声のした方を見れば、そこには、ニヤニヤ笑いを浮かべた女子生徒――褐色肌に金髪のJK、佐山みゆがいた。





 見れば、佐山はその手に教科書も筆箱も、なに一つ持っていない。

 もしかして、次の授業はサボるつもりなのかもしれない。





「なんだよ、佐山」

「河野さー、先月、誕生日だったじゃん?」





 おれはその問いに答えなかった。

 というか、答えられなかった。





 『河野』の誕生日なぞ、おれは知らないからだ。

 この身体は『河野』であるが、中に入っている人間はおれなのである。





 生徒手帳か保険証でも見ておけば良かったと後悔しながら、沈黙する。

 黙りこくるおれをどう捉えたのか、佐山がニヤニヤ笑いを深めて、おれに近づいてきた。





「先月、誕生日だったってことはさぁー、河野はデリセクは今月から始まるんでしょ? もうヤったぁ?」





 気が付けば、教室にはおれと佐山以外には、誰もいなくなっていた。

 もうみんな、パソコン室に移動してしまったようだ。





「……佐山は、おれの誕生日なんてよく把握してるな」





「そんなの当たり前じゃん。うちのクラス、男子三人もいるけど、それでもいつからデリセク開始なのかはもちチェックしておくっしょ」





 男子三人しか、じゃなくて、三人「も」なのか。

 どうやらおれが想像しているより、この世代の男女の比率はだいぶ偏っているみたいだ。





「なぁなぁ、河野。この動画、見た? YowTubeで急上昇ランク一位の動画なんだけどさぁ♡」





 佐山はますます近づいてきた。

 そして、おれの目の前に自身のスマホを突き出す。





 その画面には、昼休みに佐山たちが話題にしていたライブ動画――先日の、おれとYowTuberのセックスのライブ配信が映し出されていた。





『んぁあああッ♡♡!! またっ♡♡! おチンポっ、ゴンゴンするの、一回とめてえぇぇっ~~~~♡♡!』





 四つん這いでチンポを受け入れて、あえぐゆきなは、ほとんど白目をむいていた。そして、顔から涙とよだれを、股間からはマン汁をだらだらと零して、みっともなく喘いでいる。





「あはははっ♡! これ、すごいくなーい? 河野はこんなの見ないだろうから、参考までに見せてあげようと思って♡! 河野もデリセクの時は頑張って、背後からの容赦ないガン突きセックス決めてみなよ~♡ そしたら、女にイニシアチブとれると思うよー?」





 参考までに、と前置きしているものの、佐山の目的がこちらをからかうことであるのは明白だった。

 恐らくは、おれが慌てる姿を見たかったのだろう。





 ……そこに映っているのがおれなんだけど、とはさすがに言えねぇなー。





「あたしさ、今度の土曜がデリセク日なんだよねー♡ もしもアンタがうちに来たらさぁ、たっぷり可愛がってやるよ。まぁ、どうせ粗チンなんだろうけどね。キャハハッ♡!」





 スマホの画面を消すと、おれを小馬鹿にするように笑う佐山。

 きゃはきゃはと笑い続ける佐山を見つめて、おれは口を開く。





「そんなにヤりたいなら、土曜日と言わず、言ってくれればいつでもヤらせてやるけど」





「え?」





 おれの言葉に、虚をつかれたように目を瞬かせる佐山。





 しばらく沈黙が続いたが、ようやく言葉の意味が飲み込めたのか、佐山は目を真ん丸に見開いて「はっ……はああああ!?」と大声を上げた。





「佐山、少し静かにしないと。先生が来たら、おれらが授業サボってるのがバレるだろ」





「ぁ、ご、ごめん。……って、そうじゃなくて!? ア、アンタ、自分がなに言ってるのか分かってんの!?」





「もちろん分かってるよ」





「ッ……!」





 おれが淡々と返すと、佐山は目を見開いて、まじまじとおれの顔を見つめ返した。

 その視線が、おれの顔から下に移動する。首から胸元、腹部に視線が移動し――そして、最終的に股間に視線がとまる。





「っ……河野、今のヤツ、本当にマジで言ってんの? それとも、あたしがアンタたちをからかったから、その仕返しってわけ?」





 言葉とは裏腹に、おれの股間と顔にちらちらと視線を向ける佐山。

 どうやら、期待と疑いの気持ち半々のようだ。





「もちろん本気だよ。佐山がヤりたいなら、ヤらせてやってもいいと思ってさ」





「な、なんで、いきなりそんな……っていうか今日、アンタ、いつもと雰囲気違うよね……? なんかあったの? もしかして、デリセクが始まるからってヤケになってるカンジ?」





 期待と疑念を通り越して、佐山は心配げな顔でおれを見上げてきた。

 もしかすると、根はけっこういい子なのかもしれない。





 でも、彼女が「いい子」なら、むしろ用はないんだよな。

 おれは――佐山なら、おれが誘いをかけたらすぐにノってきそうで、なおかつ後腐れなくヤれそうな相手だと判断して、声をかけたんだから。





「デリセクはもう、この前の土曜に済ませたよ。それで、ヤってみたら、案外たいしたことなかったし、けっこう気持ちよかったからさ。だから、佐山がそんなにヤりたいなら、せっかくだからどうかなって思って」





「っ……そ、そう。そうなんだ……」





 たいした理由は思いつかなかったので、それらしいことを答える。

 かなり適当な理由づけだったが、効果はあった。おれの言葉に、佐山は再びその顔に期待をあらわにし始めたのだ。





 どうやら、おれが「デリセクを済ませた」と聞いて、俄然、興奮してきたらしい。

 おれも、同級生の女子が「この前、初体験を済ませたの」なんて聞いたら興奮するから、それと同じ気持ちなのだろう。





「ッ……!」





 しかし、佐山はあと一歩のところで踏み出してこなかった。





 その表情には「クラスメイトがヤらせてくれるかもしれない」という期待で満ちているものの、いまだに躊躇いがあるらしい。





 おれは肩をすくめ、佐山から一歩だけ距離をとる。

 押して駄目なら引いてみるしかない。





「でも、やっぱりいいや」





「え?」





 愕然とする佐山。

 おれは首を横にふってみせ、机に置いてあった筆箱と教科書に手を伸ばす。





「佐山ならヤらせてもいいかなと思ったんだけど……なんか、その気じゃないみたいだし。佐山が嫌なら、他のヤツを誘ってみるから、別に無理しなくてもいいよ」





 『他のヤツを誘う』――その言葉を聞いて、佐山は一気に顔色を変えた。

 そして、焦り顔で、教科書に手を伸ばしたおれの手首をがしりと掴む。





「い、嫌なわけないじゃん! た、ただ、今のはあんまりにもあたしに都合がいい話だったから……! ちょっと驚いただけだから!」





「そうか?」





「そうだよ! ……ちなみにさ、ヤるからにはタダってわけじゃないんでしょ? いくらなの?」





 佐山の言葉に肩をすくめる。





「別に、金はいらないよ。デリセク制度の給付金がおりるから、小遣いは不自由してないし」





「……本当に?」





 おれの言葉に、佐山は逆にいぶかしげな顔になった。





 うーん、もしかすると、ここは逆に金を貰っておいた方がよかったか?





 おれが金を必要としている姿勢をみせれば、佐山は「金目当てで自分とヤりたいんだ」と納得したかもしれなかったな。

 でも、小遣いに不自由してないのは本当だしなー。デリセク制度の義務を果たせば、男には給付金がおりる。なんと、その額は一度につき五万円! 小遣いとしては充分である。

 ちなみに女性の場合は300円らしい。安っ!





「…………」





 しかし、佐山はもうおれの手を離そうとしなかった。

 逆に、おれの手首に痕がつきそうなほど、まるで逃がさないと言わんばかりにきつく掴んでくる。





「……わかった。じゃあ、本当にお金なんかいらないなら――今、この教室であたしとセックスしてみせてよ」





「え、ここで?」





「時間が経てば、アンタが怖気づいて、意見を変えちゃうかもしれないじゃん! だから、気が変わらないうちにここでヤろうよ。ちょうどいい具合に、今の時間なら隣のクラスも移動教室だし……さっきの言葉が本当なら、別に教室だってかまわないでしょ?」





 一見、筋の通った意見のように聞こえるが――その瞳は、ギラギラとした激しい光で満ちている。

 まるで野獣のような眼光だ。





 どうやら、佐山は学校が終わるまで待てないようだ。





『第5話 ギャル系JK・佐山みゆ③』





 ――ゴクリ♡





 すぐ近くで、唾を飲みこむ音が聞こえた。

 見れば、佐山はおれがシャツの一番の上のボタンを開けるところをじーっと凝視していた。





 ためしに、見せつけるようにして、シャツの襟からゆっくりとネクタイを引き抜く。

 すると、佐山は「ぅわぁ……♡」と小さな声をあげて、再びゴクリと唾を飲みこんだ。





 うーむ、楽しい。

 昔見たスパイ映画で、ヒロインが色仕掛けで男を手玉にとるシーンがあったけれど、気分的にはあんな感じだ。





「佐山、デリセクはもう済んだんだろ? 別に男の裸なんて、珍しくもないんじゃないのか」





「え? いやー、デリセクに来た男って、上まで服を脱いでくれる人はそうそういないし。脱ぐとしても、ズボンと下着だけでしょ」





「そういうもんなのか」





 ふむ。昼休みの時に、男子たちから話を聞いて察していたが……やはり、国民の義務といえど、デリセクは最低限の接触で済ませたいと思う男が多いようだ。





 まぁ、そうだよな。おれの元の世界基準で考えたら、「ある日、政府からの命令で女子は週一で国中の男たちとセックスをしなければいけなくなった」って状況だもんな、この世界……。

 そう考えると、『河野』が思いつめて自殺をしたのも、あの『女神』様が彼に同情したのも、理解できるような気がするな。





 今ごろ、『河野』君はあっちの世界でうまくやってるかねぇ。

 彼のおかげで今のおれが楽しませてもらってるわけだし、彼も自分の人生を楽しんでくれればいいものだが。





「佐山はシャツは脱がないのか?」





「え、あたしの? 別に、あたしは脱がなくてもよくない? 女のおっぱいなんか見ても、あんただって何も面白くないでしょ?」





 しょうがなくないです。

 おれにとっては一番大事なんです。





「じゃあ脱がなくてもいいからさ。シャツの前だけあけて、胸触らせてよ」





「えー? なにそれ、めんどくさいなー……河野って、なんか変な趣味だね」





「触らせてくれたら、今度おれも胸、触らせてやるからさ」





「――今すぐ開けるからちょっと待って」





 試しに言ってみたのだが、効果はバツグンだった。





 だが、佐山を馬鹿にすることはできないだろう。おれも同じ状況で、女子から「今度おっぱい触らせてあげるから、胸触らせて」って言ったらホイホイのっちゃうと思うからな。





「どう? これでいーの?」





 佐山はシャツの前ボタンをすべて開け、その豊満な胸をあらわにした。





 どうやらキャミソールなどは着ていなかったらしい。恥じらいなどはなく、ブラジャーを胸より上にずらして、堂々と自分の胸をおれに見せる。





 おれもインナーを着てなかったら、シャツの前を全部あけて、胸くらい見せても良かったんだけどな。

 今はボタンを三つまで外して、ネクタイをとっただけだ。





 まぁ、せっかくの「同級生と教室内でセックス」というシチュエーションなんだし、むしろ全部脱がない方が、佐山は興奮してくれるかもしれない。

 それに、全部見せなければ、「次回」という約束を取り付けることもできるしな。





「佐山、けっこう胸デカいな」





「そう? 今、Cの85かな。おっぱいなら、うちのクラスなら有坂が大きいと思うけど……それより、女の胸なんか見て、アンタほんとに楽しいの?」





 うん、かなり楽しい。





 佐山は着やせするタイプなのか、予想以上におっぱいが大きかった。

 しかも、彼女が日焼けしているのは、サロンでわざと焼いたものではないようだ。ブラジャーを脱いだ下の素肌は、くっきりときれいな白い素肌が残っていたのである。

 褐色肌と白肌の、ビキニの痕のコントラストがたまらない。





 しかも、その胸の上でつんと尖った乳首は、きれいな桜色だった。

 思わず手を伸ばして、そのあわい色の乳首を指でつまむと、佐山はぴくりと身じろぎした。





「ぁっ♡ ちょ、ちょっと……」





「うわ、やわらけー」





 ふわふわとした柔肉は、手の中でぽよぽよと弾む。





 よく、「マシュマロ肌」なんてたとえを聞くが、マシュマロなんてもんじゃない。マシュマロなんかよりも、もっと芯がなくてやわらかくて、指がどこまでも埋まっていく。

 うわー、なにこれ。ずっと触ってたい。





「んっ♡♡ ぁっ、ちょっ、河野ぉっ♡ あ、あんた……んんっ♡!」





 ふわふわとおっぱいの柔肉を楽しんでいると、だんだんと乳首が固くなってきた。

 おっぱいをもにゅもにゅと揉みつつ、乳首を指先でつんつんと突っつく。すると、乳首が嬉しそうにふるふると震えた。佐山も顔を切なげに歪め、もじもじと腰をゆらす。





「んァっ♡! か、河野……あんた、大人しそーな顔して、とんでもないビッチじゃん……♡! 教室で自分からこんな風に、女の胸を触りにくるなんて……まるで、あの動画の男みたいな……、っ?」





 そこで、ふと、佐山が押し黙った。

 そして、まじまじとおれの顔を見上げる。





「――ゆきなの生配信は、この前の土曜日だった……もしかして、あんたが行ったデリセクって、あの実況動画の……?」





 呆然とした顔の佐山。

 おれは少し考えた後、佐山に「だったらどうする?」と尋ねた。





 佐山は驚愕の表情でおれを見つめていたが、それは一瞬だけだった。





「マジで、本当に、あんたがあの動画のスケベ男なの!?」





「まぁな。……幻滅したか?」





 佐山は首を横に振ると、今まで以上にギラギラとした瞳で、おれを食い入るように見つめた。





「ううん! そんなの、どう考えたって最ッ高じゃん……♡! 同級生の男が、マジもんのビッチでスケベなんて……今時、バーチャルAVでもそんなコッテコテのシチュエーションないよ!? うわぁ、マジで、本当に……♡!?」





 引かれるかもと思ったが、そんなことはなかった。





 それどころか、佐山はますますがっついた様子でおれのズボンに手を伸ばして、ベルトを外しにかかる。

 だが、あまり上手くいかないようだ。





「え、あれ? えっーと、ベルトってどうやったら外れるんだっけ?」





 興奮のあまり手元がおぼつかないのか、おれのズボンのベルトを外そうとやっきになる佐山。

 おれは彼女の手を掴むと、彼女の手を誘導して、ズボンのベルトを外してファスナーを下ろした。





「あ、ありがと……って、うわぁ♡」





 ぼろんとまろび出たチンポを見て、佐山はごくりと唾を飲みこんで、それを凝視した。





「うっ、うわぁ~……♡ 生チンポだぁ♡ あたし、マジで同級生のチンポ見ちゃってるっ……♡」





 佐山は目を爛々と輝かせて、チンポを見つめた。

 その唇の端からは、たらりと涎がたれている。





「すっご♡ 教室で同級生の男子の生チンポ拝めるとか……マジでエロ漫画の世界じゃん♡! うわぁ、この状況、あたしってホントついてるぅ~♡ やっぱり日頃の行いがいいのかなぁ~♡?」





 デレデレになっている佐山の顔は、JKというよりは脂ぎった中年オヤジのような表情だ。





 逆転世界とはいえ、さすがにどうかと思う表情だが、その気持ちはよく分かる。

 おれもまた「こんな真っ昼間から、教室で同級生のおっぱいを目の当たりにしているシチュエーション」に、内心で興奮しているからだ。





「あんまり大声ではしゃぐなよ。廊下まで声が響いたぞ」





「あっ、ごめんごめん。つい興奮しちゃってさぁ♡」





「興奮はいいけど、あまり大声出すなよ? じゃあ、とりあえず、そこにうつぶせになってくれ」





 おれは佐山に、机を指し示して、そこにうつぶせの体勢になるように告げる。

 無論、指し示したのは佐山の机だ。さすがにおれの机の上ではヤりたくないし、他の生徒の机を借りるのも罪悪感が湧く。





 だが、佐山の方はそこらへんの抵抗感はまったくないらしい。おれに言われるがまま、いそいそと自分の机にうつぶせの体勢で上半身をあずけた。





 上半身だけを机に預ける体勢のため、ぷりんとした尻がおれに向かって突き出される。

 その尻を覆うパンツは、先ほどのブラジャーと同じく、紫の地にヒラヒラとした黒レースのついたデザインのものだ。





「うわぁ……♡ しかも、後背位セックスとか、マジやっば♡! 河野、マジで好きモンなんだね~♡」





 こちらを振り返り、ニヤニヤとした笑みを浮かべる佐山。





 ゆきなとの動画実況の時も思ったが、この世界でのわんわんスタイルでのセックスは、やっぱり女性受けがいいようだ。

 おれにとって「騎乗位でえっちな女性にセックスをリードされる」的な憧れがあるのかもしれない。





『第6話 ギャル系JK・佐山みゆ④』





 机の上でうつぶせになって、尻を突き出す佐山。





 佐山のスカートの丈は、もともと膝よりかなり上の位置だった。

 そのため、すっかりとスカートがめくれて、黒レースのギャルチックなパンツがあらわになっている。





 せっかくなのでパンツはおれが脱がそうかと思ったのだが、佐山は後ろ手で自分のパンツにいそいそと手を伸ばし、それを太腿までずり下ろした。

 太腿のなかばまで落ちたパンツは、重力にしたがって、膝のあたりまでずるずると落ちていく。





「ほらほら、河野ぉ……♡ パンツ脱いだからさ、はやく来いよぉ♡ 言っておくけどさー、今さら、怖気づいたってのはナシだからね♡?」





 目にハートマークを浮かべて、むき出しになった尻をふるふると左右に振る佐山。





 いったい、どっちがビッチなんだか。

 どう見たっておれよりも佐山の方が好きモノにしか見えない。





 つくづく、デリセク制度以外の最初のお相手として、この女に誘いをかけた自分を褒めてあげたいものだ。おれの直感は正しかった。





 ぷちゅっ……♡





「ひゃんっ♡!?」





 開かれた足の間、その割れ目に人差し指をいれる。

 佐山のマンコはすっかりとマン汁で濡れそぼっており、おれの指を難なく受け入れた。マンコの中はとてもあたたかい。





「ぁっ♡ ちょっ、ちょっ!? な、なにしてんの?」





「うん? いきなり挿れたら痛いかなと思ってさ。少し慣らした方がいいだろ?」





 しかし、おれの気遣いはいらなかったかもしれない。

 佐山のマンコはおれが慣らすまでもなく、愛液でびっちょりと濡れていた。人差し指をくるくると半回転させてみれば、マンコから「ぴゅっ♡ ぴゅっ♡」と噴水のようにマン汁が噴き出てくる。





「んァっ♡! っ、マ、マジで……♡? 河野、うそでしょ、まさか手マンまでしてくれんの……!? うわっ、これってマジで現実の出来事? あたしの都合のいい夢じゃ……んぁ、ふああぁっ♡!」





 ちゅぷっ♡ つぷっ、ちゅぷぷぷっ♡





 人差し指に続き、中指もマンコに挿入すると、佐山は背中をびくびくと震わせた。

 二本の指をにゅこにゅこと動かして、熱く濡れそぼったマンコを掻きまわす。

 すると、佐山のマンコの肉ヒダが、きゅむきゅむと必死に指に絡みついてきた。





「ふあァッ♡ ぁっ、んくっ、ふあァっ♡♡!」





 マンコの中をくちゅくちゅと二本の指で掻きまわしながら、反対の手を、佐山のむき出しの尻に伸ばす。

 背中まできれいに日焼けしているのに、尻だけ白い素肌が残るそこは、シミやキズ一つない。





 掌でさわさわと尻を触ると、とてもなめらかで気持ちよかった。

 今度は指をつかってもにもにと揉んでみる。もっちりとした尻は、手に吸い付いてくるかのようだった。





「ふあァッ♡♡ ぁっ、それっ、そこっ♡! おマンコ、指でクリクリされるの、気持ちいいっ♡ 自分でやるのと全然ちがうっ……♡! こんなのされたら、あたし……ぁんんっ♡! ふぁっ、んあああぁ~~~ァッ♡♡!」





 佐山の尻を揉むのが気持ちよくて、ついつい夢中になって手マンと尻揉みを続けてしまった。





 気が付けば、佐山がひときわ大きな声をあげて、身体をビクビクと震わせていた。マンコにいれたままの人差し指と中指に、きゅむむむ~~~っ♡と肉ヒダがいっそう強く絡みついてくる。





 どうやら、うっかり佐山をイかせてしまったらしい。

 佐山のマンコからは、とろとろと白っぽく濁った本気汁が流れだしてきた。





「ぁっ……はっ……♡」





 佐山は身体の力が抜けたのか、白い桃尻をびくびくと震わせ、机にべたりと身体を預けた。





 見れば、手マンをしていたおれの手は、佐山のマン汁で手首までびっちょりと濡れている。





 いや、おれの手だけじゃない。机のわきにかかっている佐山自身のリュックや、その下の床にも愛液がぽとぽと垂れて、濡れてしまっていた。





 おれは、佐山のマンコにいれたままの二本の指を、そのまま大きく広げてみた。

 すると、ぱっくりと開いた佐山のマンコから、トロトロ~~ッとマン汁があふれてきた。あふれた愛液は、先ほどの本気汁と同様に、床にボタボタと落ちていく。





「あーあ、あとでちゃんと掃除しとけよ、佐山」





「ふぁ………♡?」





 イったばかりの佐山は、視点の定まらない瞳でおれを振り返ってきた。

 あどけない表情だった。普段とはぜんぜん違う、色っぽい女の子らしい顔に、おれのチンポがいっそう固くなる。





 おれは自身のチンポに片手を添えると、佐山のドロドロの割れ目に押し付けた。

 イったばかりのそこは、陰唇がぷっくりとやわらかく膨らんでいる。愛液をローションがわりに腰を動かしてみると、ふくれた陰唇やクリトリスが刺激となって、なかなか気持ちいい。





くちゅっ♡ ぬちゅっ、ぷちゅ、くちゅっ♡

くちゅちゅっ、ぷちゅっ、にゅちゅっ♡♡





「ふあっ♡ んっ、なに、これぇっ♡♡」





 素股を繰り返していると、佐山のマンコからは再び「ぴゅっぴゅっ♡」とマン汁が滴ってきた。

 おかげで、おれのチンポもすぐにマン汁でびちょぬれになる。こいつ、マジでローションいらずだな。





「あっ♡ ん、ぁああッ♡!?」





 びっちょりと濡れそぼったマンコは、おれが軽く腰を押し進めただけで、すぐにぬるんとチンポを咥えこんだ。

 先っぽを挿入しただけでも、熱く濡れそぼったマン穴の感触はかなり気持ちいい。

 我慢できずに、佐山の尻に向かって腰を打ち付ける。





ぬちゅっ、ぷちゅちゅ、くちゅ、ずちゅゅっ♡♡!

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡♡!





「ひゃんっ♡! ぁっ……きたぁっ、おチンポきたぁっ♡♡! んっ、ぁっ、ひあぁっ♡♡!」





 佐山のもっちりとした尻に両手の指を食い込ませて、腰をぱんぱんと打ち続ける。





佐山のマンコは、おれのチンポが突き入れられる度、肉ヒダを竿全体に絡ませてきた。そして、チンポを抜く時には、まるで「いかないで」と言わんばかりに、きゅむむむむっ♡と締め付けてくる。





じゅちゅっ、ぐちゅっ♡ ぶちゅっ、じゅぷぷぷぷっ♡!

ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ♡!





「んぁっ♡! ゃ、そこっ……奥っ♡! その、奥のとこ、ゴンゴンするのっ……♡!」





「うん? 痛かったか?」





 佐山がこちらを潤んだ瞳で見上げてきたので、おれは腰の動きをスローペースにした。

 すると、佐山がとたんに物足りなさそうな顔で、ぶんぶんと首を横にふった。





「ちがっ♡ その、いちばん奥のとこっ……ゴンゴンされるの、きもちいいっ♡♡ こんなの、初めてで……♡ こんな、こんな気持ちいいコト知っちゃったら、あたしっ♡ もう、デリセクじゃ我慢できなくなっちゃっ……んぁっ、んァあっ、ああああああッ♡♡!」





ばちゅんっ♡♡!!!!





 痛いわけではないそうなので、さっそくチンポを最奥まで突き入れる。





 チンポの先っぽが、佐山のマンコの一番奥――ぷっくりとふくれた子宮口に、ぶち当たる。

 その衝撃に、佐山は全身をビクンビクンと震わせて、結合部からマン汁をプシャプシャと噴き出し始めた。





「あっ♡ ぁっ、あッ♡ あっ、ぁ……ぁああ~~~~ッ♡♡」





 どうやら再びイったらしい。





 真っ白な桃尻をぶるぶるぶるっと震わせると同時に、佐山のマンコは、その肉ヒダでぎゅむぎゅむぎゅむ~~~っ♡とチンポを締め付けてきた。

 その強い締め付けに、おれもとうとう射精を迎える。





「くっ……!」





びゅるっ♡ びゅるるるっ、びゅるるるるるる~~~~~っ♡!





 佐山の最奥、子宮口にむかって精液を注ぎ込む。

 ARワクチンを摂取してない佐山が受精をすることはできないだろうに、それでも佐山のマンコは、おれの吐き出した精液を一滴たりとも逃さないといわんばかりに、健気にちゅぱちゅぱと吸い付いてきた。





びゅるっ、びゅるっ♡ びゅるるっ……♡♡





「ぁっ……♡ ぁーっ……♡」





 尿道に残った精液を一滴残らず、佐山のマンコに注ぎ込む。

 佐山は全身の力がぬけた状態で、ぐったりと机に身体を預けて、されるがまま精液を注ぎ込まれていた。





「ふぅ……」





 射精を終えた頃には、佐山の身体や机はひどい状態だった。





 机の上は、結合部からあふれたマン汁とザーメンのミックスジュースでびしょぬれだ。

 しかも、それらが机から垂れて、机脇にかけられた佐山のリュックを汚し、床には小さな水たまりを作っている。膝あたりに引っかかっていた黒レースのパンツも、ドロドロに汚れてしまっていた。





「おい、佐山。大丈夫か?」





「ふ、ぁ……♡」





 声をかけるも、佐山はとろんとした表情のまま、起き上がろうとしない。

 どうしたものかと悩んでいると、ふいに、遠くの方から人の話し声が聞こえてきた。





 どうやら、こちらにやってくる人たちがいるようだ。





『第7話 ギャル系JK・佐山みゆ⑤』





 廊下にカツカツと足音が響く。足音と話し声は、どんどんこちらに近づいてくる。

 どうやら二人組の女性のようだ。





『――ええ、そうなんです。国民の義務とはいえ、やはりデリセク制度は男子生徒たちに多大な精神的負荷を……』





『ではやはり、今年から、彼らの精神ケア対策に関して、学校側のケアも……』





 もしやクラスメイトが教室に戻ってきたのか、と思ったが、聞こえてくる会話の声音は、成人を迎えた女性のものだった。どうやら女教師二人が話をしながら、廊下を歩いてこちらにやってくるところのようだ。





 おれはひとまず、息をひそめて、身体を動かさずにじっとしていることにした。

 想定外の事態だが、見回りではないようだし、静かにして通り過ぎるのを待とう。





「っ、は……♡」





 ――待とう、と思っていたのだが。





 なんと、佐山のマンコ内の肉ヒダが、うねうねと蠕動を始めた。





 くちゅっ♡ ぷちゅっ、むちゅっ♡





 おれは腰を動かしてないのにも関わらず、結合部からは、小さな水音が響いてきた。

 マンコ内にとどまるチンポに対し、再び子種を迫るようにちゅぱちゅぱと肉ヒダが吸い付いているからだ。





 おれは身体をかがめ、佐山の耳元に顔をよせてヒソヒソと囁いた。





「佐山。廊下、先生がいるから、ちょっとじっとしてろ」





「っ……♡」





「……おい、佐山?」





「ぃ、いま、話しかけないでっ♡ ぁ、あんたがチンポ、まだナカに入れたままだからっ……! あたし、今、声めっちゃガマンしてるんだからっ……♡!」





 耳まで真っ赤にして、必死に自分の口を両手でおさえる佐山。





だが、そんな努力とは裏腹に、佐山のマンコは今もなお「ちゅぱっ♡ちゅぱっ♡ちゅぱっ♡ちゅぱっ♡」とチンポに全力で吸い付いてきている。しかも、無意識だろうが、佐山の腰はくねくねとゆれ始めた。





『そういえば、今月からこちらのクラスの生徒で、デリセク制度の対象になった子が――』





『ええ。ですから、学校側でも出来る限りのフォローを……』





 とうとう、廊下を歩く女性教師たちは、おれたちのいる教室の前にやってきた。

 彼女たちが物音に気付き、ドアのガラス窓から中をのぞきこめば、一発で見つかってしまうだろう。





「ぃっ……♡ ぁっ♡ ぁ♡ だめぇ、腰、うごいちゃうぅ……っ♡」





 耐えきれないというように、佐山が首を横に振る。





 ちゅむっ♡ くちゅっ……ぷちゅっ、くちゅっ♡

 くちゅっ、ぷちゅちゅっ、むちゅうっ♡♡





「ちっ……!」





 おれは片手で佐山の腰を抑えつけた。

 それで、佐山の腰が揺れるのを止めることはできたが、マンコが吸い付いてくるのが止まらない。教室内には、かすかにぴちゃぴちゃといやらしい水音が響いてしまっている。

 佐山は「ふーっ♡ ふーっ♡」と肩で息をしながら、必死で喘ぎ声をあげるのを我慢しているが、かなり限界に近そうだ。





『……? あら、気のせいでしょうか? なにか、人の声のようなものが……』





『え? この時間は、このクラスは移動教室のはずですが』





 っ―――!





 女性教師二人が、教室の真ん前で足を止めた。





 おれは片手で佐山の腰を抑えつけたまま、もう一方の手を佐山の上半身に伸ばした。

 そして、佐山自身の身体の下敷きになっている、Cカップのおっぱいに手を伸ばす。





「っ♡!?」





 おれは指先で佐山のおっぱい、その頂点でとがっている乳首をつまんだ。

 そして、大人しくしてろという意味をこめて、乳首に爪をたてて、強めにつねってやる。





「っ、ァ……っ♡♡♡!?」





しかし――叱ったつもりだったのだが、佐山のマンコはおれのチンポを「きゅむむむむむ~~~~っ♡」と今までで一番強く締め付け、じゅるじゅると吸い付いてきた。





「っ………♡♡♡!!!」





 だが、見上げたことに、佐山は声を一言も漏らさなかった。

 自分の手で口を抑えつけたまま、身体が跳ねかけるのを必死でガマンしている。





「っ………っ、ぁ♡♡♡!!」





 そうして――佐山は自分の手で口を押えたまま、一言も喘ぎ声をもらさず、三度目の絶頂を迎えた。

 身体を自由に動かすことができないままイった佐山は、その衝撃を逃がすことができなかったようで、かなり長い時間、アクメを迎えていた。





「ぉっ……っ……ぉ……っ♡♡♡!!!」





 もちろんその間、おれのチンポも再び「きゅむきゅむきゅむっ♡♡」「むちゅううううううう~~~~~ッ♡♡」と、マンコ内の肉ヒダによる蠕動で愛撫をされることとなる。

 まるでザーメンをせびるような、オナホ以上の肉の律動に、おれも二度目の射精を迎えることとなった。





ぴゅるっ、ぴゅるるるっ♡♡ びゅるるるるるる~~~~~っ♡♡♡





 一回目は、肉ヒダによる熱いマンコ接待を受けた末の激しい射精だった。

 それに対し、この二回目の射精は、まるでチンポをとろとろの弱火で煮られたような快楽だった。事実、そうだった。

 佐山の本気汁でたっぷりと濡れたマンコは、とてもあったかくて、ずっとここにチンポを埋めていたいとさえ思わせた。





『あら、聞こえなくなりましたわね』





『きっと、音楽室からの合唱が、こちらに反響していたのでしょう。それよりも、やはりデリセク制度は男子の負担が大きすぎると思うのですが……』





 佐山が喘ぎ声を我慢してくれたおかげで、女性教師は空耳だと聞き流してくれたらしい。

 彼女たちは再び歩き出し、教室の前から離れていった。





 おれはホッと息を吐いて、佐山のマンコからゆっくりとチンポを引き抜く。

 チンポをずるりと引き抜いた瞬間、その陰唇の奥からはボタボタボタッと、ドロドロにねばついた白っぽい汁があふれた。

 ザーメンかと思ったが、見れば、微妙に色や臭いが違う。どうやら、佐山のマンコからあふれた本気汁が、快楽のあまりにこんなにネバついた汁になったらしい。





「ぉっ……ぉ、ぁ……♡♡♡」





それからしばしの間、佐山は股間からドロドロの本気汁を零し続けたまま、机にぐったりと突っ伏していた。





『第8話 ギャル系JK・佐山みゆ⑥』





 佐山から身体を離すと、おれは自身の下着と制服を着直そうと――したのだが、チンポは佐山のマン汁でびっしょぬれだった。

 しかし、タオルなんて持ってきていない。教室の隅に雑巾はあるが、それはさすがに嫌だ。





「佐山、何か拭くものあるか?」





「っ……う、うん……」





 おれが尋ねると、佐山はよろよろと机から下りた。そして、覚束ない動作ながらもスカートのポケットに手をいれ、そこからハンカチを取り出す。





 ちょっと意外だった。見た感じ、佐山は、ハンカチを常備しているようなタイプには見えないのに。

 まぁ、JKなら今時はみんなハンカチの一枚くらいは持ってるのだろうか。





「ありがとう」





 貸してくれたハンカチを見る。

 ピンク地に黒猫のイラストが描いてある、ファンシーなデザインのものだった。





……これもまた意外だ。

 佐山は、もっとこう、ヒョウ柄とかゼブラ柄とか、そういう方が好きそうイメージだったのに。





 貸してもらったハンカチで下半身と、ズボンに飛んだ飛沫を拭く。

 すると、佐山がぎょっとした顔になったあと、食い入るようにおれが拭く様子を見つめてきた。





 あ、さすがに貸してもらったハンカチで股間を拭くのはナシだったか?

 状況的に、てっきり佐山もそれを分かってて貸してくれたかと思ったのだが……





「あー……悪いな。今度、買って返すから」





 どの道、ハンカチは最初から買って返すつもりだったが、佐山にもそれを伝えておくことにした。

 佐山に謝罪をいれると、教室の隅にあるごみ箱にハンカチを捨てにいこうとする。だが、ごみ箱の方に移動する前に、佐山がおれを制してきた。





「ううん。それでいいから、今、返して」





「え? これ、すっごいドロドロだし、今おれのチンコ拭いたばっかりだけど」





「うん、それがいいから♡」





 ギラギラとした目で、はぁはぁと荒い息を吐きながら、掌を差し出してくる佐山。

 ……さ、さすがにちょっと怖いぞ。





「まぁ、佐山がいいなら」





「ありがと♡!」





 なぜかハンカチを貸した側の佐山がお礼を言ってくる。





 佐山は鼻孔を膨らませてだらしのない顔を浮かべながら、おれから受け取ったハンカチを手にとると、それを丁寧にたたんで自身の通学用リュックにしまった。





「……そんなのどうするつもりなんだ? あとで別の場所で捨てるのか?」





「え、そんなことするわけないじゃん。あ、もしかして、マルカリとかで出品されるかもって心配してんの? 大丈夫、あたしのオナネタに使うだけだから安心して!」





「お、おう……」





 そんな心配はしてなかったけど……

 っていうか、オカズに使うことをおれに言っちゃうんだ?





「それにしても、マジで先生に見つからなくて良かったねー。でも……人生で一番濡れちったかも♡ 先生がすぐそこにいるのに、河野のチンポ入れながら乳首つねられるの、めっちゃ気持ちよかったぁ~♡」





 あっけらかんとした顔で笑う佐山。

 その顔はいつも通りの、教室でバカ騒ぎをしている彼女のものだった。なんだか、さっきまで机の上でアヘ顔をさらしていたとは思えないほどの立ち直りっぷりだ。





 タフだなー、こいつ。

 まぁ、そういうタフさ加減はおれの好みだ。





 やはり、この世界での二番目のセックス相手として佐山を選んだのは、大正解だったとつくづく思う。





「安心するのはまだ早いだろ。そろそろ授業も終わるから、ちゃんと後片付けしないと」





おれは佐山に背を向けると、教室の窓という窓を開け始めた。

締めきっていた教室内に、さわやかな風が吹き抜ける。





「河野さぁ」





「うん?」





「アンタ、マジで変わったね。前は、いつも猫背で、うつむいて、オドオドしててさー」





 振り返れば、自分の制服を着なおした佐山がじっとおれの顔を見つめている。

 その問いかけに内心でドキッとしながら、なんでもない風を装って答えた。





「言っただろ。初めてのデリセクが終わって、色々と吹っ切れたんだよ。こんな気持ちいいことが合法でできるなら、楽しまないと損だろ?」





「ぅわっ。そんなん、マジもんのビッチのセリフじゃーん♡」





 そう言いながらも、言葉とは裏腹に、佐山はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。

 そして、期待のこもった瞳をおれに向ける。





「じゃあさ、じゃあさー……これからもあたしが頼めば、ヤらせてくれるってこと?」





「いいぞ。まぁ、おれの気が向けばだけどな」





「っ、やった……♡! うわぁ、クラスメイトにこんなビッチがいるなんて、あたし、人生勝ち組じゃん……♡」





うっとりとした笑みを浮かべる佐山に、おれは苦笑いを浮かべる。

まぁ、佐山の意見にはおれも同感だ。こんなに都合よく、いつでもヤれる女をクラスメイトにキープできたことは、おれにとっても僥倖だった。





うん、お互い幸せでよかったよかった。





『第9話 国立ARウイルス対策センター支部』





 あの後、おれは佐山に教室内の掃除を任せて、自分は保健室へと向かった。

 あのまま大人しく教室内で授業を受ける気にはなれなかったし……おれ達が二人でいるところを、クラスの皆に見られるのは避けたかった。





 クラスメイトに淫行がバレることに羞恥心があるわけではない。





 ただ、こんな素晴らしい異世界に転生できたのだから、おれはこれから気の向くまま、自分の好きなように、好みの女とセックスライフを楽しみたいと思っている。

 そのためには、まだクラスメイトにはおれが『変わった』ことは秘密にしておきたいのだ。





 無論、佐山にも、そのように言い含めておいた。

 だが、佐山はおれが忠告するまでもなく、おれとのことを言いふらすつもりはなかったらしい。





『そりゃ、あたしだって自慢したいけど……こんなビッチがいるなんて知られたら、学校中の女が河野に殺到しちゃうでしょー? そしたらあたしがヤらせてもらえなくなっちゃうじゃん』とのことだった。助かる。





 そうして保健室に行ったおれは、ベッドで寝ていたクラスメイトのインテリ風男子くんを見舞った後、早退した。

 スポーツ系男子くんは、おれと入れ違いに教室に戻ったらしい。





 女性の養護教諭は、おれが「気分が悪い」と言っただけで、すぐに早退させてくれた。

 体温計で熱をはかりはしたが、体温はいたって平熱だったというのに。

 やはり、この世界は男というだけで、かなり優遇されるようだ。





 だが、その待遇は、こなすべき「義務」が存在するからこそ。





 そういうわけで。おれは翌日、この『国立ARウイルス対策センター』の支部に呼び出されたのだった。





「――河野さん、こちらのお部屋へどうぞ」





「ありがとうございます、島崎さん」





 黒いパンツスーツに身をつつんだ、焦げ茶色の髪の女性。

 年のころは20代なかばだろうか。くるんと内巻きにした髪型と、ぱっちりとした童顔のため、実際の年齢よりももっと若く見える。

 扉を開けてくれたことに会釈付きでお礼を言うと、彼女はにっこりとした笑みを浮かべた。

 そのスーツの左胸には、『国立ARウイルス対策センター サポート課 島崎ゆかこ』と記載された名札がつけられている。





 名札の通り、彼女はこの『国立ARウイルス対策センター』の職員だ。

 そして、おれが彼女に会うのは、これが二回目。





 最初に出会った時は、前回の土曜日だ。部屋でゴロゴロしていたおれを迎えにきて、YowTuberゆきなの元へと送迎してくれたのが、この島崎さんであった。

 ゆきなの自宅に向かう道すがら、おれは島崎さんが運転する車の助手席に座りながら、デリセク制度についてあれやこれやと質問を重ねた。島崎さんはおれを鬱陶しがることもなく、懇切丁寧に説明してくれた。

 そのおかげで、おれはこの世界のおおまかな事情を把握することができたのだ。ゆきなとの動画配信セックスを無事に終えられたのも、この島崎さんの助力あってこそだろう。





 そんな島崎さんに促されるがまま、おれは部屋に入ると、部屋の中央に置かれたソファーに座る。

 案内された部屋には、中央に応接用のテーブルとソファーが置かれて、壁の片側には一面の本棚になっていた。その反対側には、大きな硝子製の水槽が置かれて、中にはプカプカと半透明のクラゲが浮かんでいる。その隣には、背の高い観葉植物の鉢植えが置かれていた。

 明かり取りの窓からは、さんさんと陽射しが差し込み、テーブルとソファーを明るく照らし出している。





 なんだか、『心療内科』の診察室とは思えない。

 どっかの女社長の書斎といった方がしっくり来る部屋だ。それとも、おれが知らないだけで、心療内科の診察室っていうのはどこもこんな感じなのだろうか。





 ソファの傍らには、白衣を来た眼鏡姿の女性が立っていた。

 年のころは30歳だろうか。明るい茶髪にショートカットにして、切れ長の目が美しい女性だ。白衣の下はタートルネックに、タイトスカートという恰好だ。

 白衣で隠しきれないほど、胸はたっぷりとボリュームがあり、腰はくびれている。





 白衣の女性はおれの元に歩み寄ると、安心させるように微笑みかけてきた。

 見れば、この女性も白衣の胸元に『国立ARウイルス対策センター サポート課 吉村ななみ』と書かれた名札をつけている。





「こんにちわ、河野くん。私は吉村です。そちらにいる島崎と同じく、国立ARウイルス対策センター サポート課のカウンセラーです。河野くんのような、デリセク対象者となった男性の精神的なケアをお手伝いするのが主な仕事です」





「はい、よろしくお願いいたします」





 愛想笑いと共に、頭を下げる。

 すると、吉村先生はびっくりしたように目を見開いた。





「どうかしましたか?」





「ああ、ごめんなさい。ちょっとビックリしちゃったの。普通、男性の患者さんはものすごい警戒心を向けてくるから、河野くんみたいに挨拶を返してくれる子は初めてで……」





 え、そんな感じなのか?

 まぁ、クラスメイトの男子二人の普段の様子を見る限り、なんとなく想像がつくな。





「おれの場合は、ここに来る前に、島崎さんが車の中で丁寧に説明してくださいましたから」





 おれは背後にいる島崎さんを振り返る。

 島崎さんはいきなり話を振られて驚いた顔になったものの、おれの言葉にほんの少し頬をピンクにそめた。





 そういえば……これから吉村先生がおれの診察をしてくれる予定だが、島崎さんはずっとここにいるのだろうか?

 普通、心療内科の診察となると、医者と一対一になるものじゃないのか?





「ああ、そこにいる島崎だけれど、彼女は河野くんの診察が終わるまでこの部屋で待機することになっているの」





「そうでしたか」





「悪いわね、これも規則なの。男性と女性が密室で一対一になる状況は、NGなのよ。もしも診察の内容を島崎に聞かれたくなければ、彼女に耳栓をさせることも出来るから、遠慮なく言ってちょうだいね」





「いえ、大丈夫です」





 なるほど、島崎さんは吉村先生側の監視役らしい。公務員も大変だ。





「じゃあ、問題なければさっそく診察を始めましょうか。まず――……」





 さて。おれがこの『国立ARウイルス対策センター』にいる理由だが……なんでもデリセクの対象者の男性は、定期的に、この『国立ARウイルス対策センター』で診察を受ける決まりがあるそうだ。





 だが、これは強制や義務ではないので、本人が希望しなければ辞退もできる。

 おれも、診察なんて面倒だから辞退しようと思っていたのだが、タイミングわるく、おれは昨日学校を早退していた。





 そのため、昨日、担任教師と養護教諭が『初めてのデリバリーセックスで精神に多大なトラウマを負った可能性がある』と、『国立ARウイルス対策センター』に報告をしたらしい。

 昨日、学校から帰ったおれのケータイに担任教師から連絡があり、『学校を休んでかまわないので、その代わりに国立ARウイルス対策センター支部に行くように』と言われてしまったのだった。





 まぁ、おれもうわさの『国立ARウイルス対策センター』の支部が、どんな施設か興味があったし。

 合法的に学校をサボることができたし、これはこれで良かったと思おう。





「では、河野くん。夜眠れなかったり、食が進まないといったことは?」





「ありません」





「ふむ……むしょうに気分がイライラしたりすることは、一日に何回あるかしら?」





「そういったことは一度もありませんね」





 おれと吉村先生は対面で座った。

 そして、吉村先生から投げかけられた質問に、淡々と答えていく。

 中には、先日のデリセクでのゆきなとの性行為に関する質問も含まれていたが、それでも内容は単調なものだった。





 かなり退屈だったが、吉村先生のタートルネックにつつまれたおっぱいがたゆんと揺れるのを正面で見るのはなかなかよかった。というか、あまりに退屈すぎてそれに集中していなければ、あくびが出そうだった。





 そうして、吉村先生からの質問が終わったころには、入室してから一時間が経過していた。

 吉村先生は最後に「なにか質問はありますか?」と尋ねてきた。

 おれは少し考えた後に、この機会に気になっていたことを尋ねることにした。





「以前――デリセク制度には年齢制限があるって聞いたんですが」





 確か、あれはゆきなとの動画配信セックスの時だ。

 流れるコメントの中に、『デリセク制度の対象年齢ならいいわよね。あたしなんか今年で31歳になっちゃったから、もうデリセク制度は年齢オーバーよ……(´・ω・`)』というものがあったのだ。





 おれの質問に、吉村先生は顔を曇らせる。





「ええ。その……デリセク制度は、女性は30歳までが対象ね。ただ、最近は制限年齢引き上げを求める声が全国的にあがっているから、もしかすると、来年あたりに改正されるかもしれないけど」





「男はどうなんでしょう?」





「……河野くんには申し訳ないけれど、その……男性は基本的に制限年齢はないわ」





「え、そうなんですか?」





 確か前に、男も女性と同様に精子が老化するって話を聞いたことがあるんだけど。

 おれの疑問が顔に出ていたのか、吉村先生がすまなさそうな顔で説明を続ける。





「デリセク制度には、人口増加対策としての側面と同時に、増え続けている女性の性犯罪の抑止効果があるのよ。だから、男性側には基本的に制限年齢というものはないの。でも、もちろん持病や体力の問題でデリセク制度を継続するのが困難だって判断されたら、その時点ですぐに対象外になるわ。もちろん、精神的な負担でもね」





 どうやら、吉村先生はおれが「何歳になればデリセク制度の対象外になるのか?」という意味で、質問をしたと勘違いしているようだ。





 おれは吉村先生に向かって、首を横に振る。





「すみません、吉村先生。別におれは、デリセク制度が嫌なわけじゃないんです。単純に、制限年齢について興味があっただけなので、心配しないでください」





「そう? でも、河野くんが本当にデリセク制度が負担だと感じているなら、延期の申請をすることだってできるのよ?」





 吉村先生は、ぐぐっとテーブルの上に身を乗り出してきた。

 再び、おっぱいがたゆんっと揺れる。





「私は正直に言えば、現行のデリセク制度について反対なの。こんな制度……言い方は悪いけれど、まるで男性の方々を種馬扱いしているようで。ARウィルスによる人口減少には世界全体であたっていくべき問題だけれど、これでは男性側の負担があまりにも大きすぎるわ。先日の河野くんとゆきなとのデリセクの動画配信の件だってそうよ。『国民の意欲的性行為の義務』において、性行為に関する動画の配信や公開は推奨されるべきこととはいえ、あんな動画を、これみよがしに配信したゆきなはあまりにも身勝手だわ。それに――」





「吉村先生は、今、おいくつなんですか?」





「え?」





 おっと、いけね。

 おっぱいに見惚れるあまり、吉村先生の早口トークをうっかり聞き逃した挙句、ポロっと口から質問がついて出てしまった。

 だってこの先生の話、長いんだもんなー。





「さ……今年で31歳になったけれど、それが何か?」





 戸惑ったように、唇を震わせて答える吉村先生。

 あー、31歳なのか。惜しいな。





「それは残念ですね。あと一年早ければ、先生とセックスできたんだ」





「っ!?」





 吉村先生がその切れ長の目を真ん丸に見開く。

 そして、次の瞬間には、おれの顔を見つめる瞳が期待を込めるように湿った光を帯びた。





 だが、おれの背後には島崎さんがいる。

 第三者の存在に気づいた吉村先生は、すぐに我に返り、顔を赤らめてコホンと咳払いをした。





「あ、あまり大人をからかうもんじゃないわ、河野くん。そんなことを女性に言ったら、本気にされて襲われかねないわよ? 発言には注意するように」





 別に、襲ってくれても、おれは問題ないんだけどね。

 それにしても、この吉村先生の反応。もしかして……





『第10話~心理カウンセラー 吉村ななみの場合~』





「こんにちは、河野くん。私は吉村です。そちらにいる島崎と同じく、国立ARウイルス対策センター サポート課のカウンセラーです。河野くんのような、デリセク対象者となった男性の精神的なケアをお手伝いするのが主な仕事です」





「はい、よろしくお願いいたします」





 私の自己紹介に対し、にこやかな笑顔でぺこりと頭を下げる青年。

 その反応に、私は驚きを隠し切れずに目を見開いた。





「どうかしましたか?」





 私の顔に、青年――河野くんが不思議そうな表情を浮かべる。





「ああ、ごめんなさい。ちょっとビックリしちゃったの。普通、男性の患者さんはものすごい警戒心を向けてくるから、河野くんみたいに挨拶を返してくれる子は初めてで……」





 苦笑混じりに答える。

 たいていの男性は、警戒心剥きだしで、ビクビクと気を張っているものだ。中には、部屋に入った瞬間に涙ぐんでしまった人もいるほど。





 だから、河野くんのような反応は珍しかったし、気持ちが上向きになる。





 自分の仕事は、この『国立ARウイルス対策センター』で、デリセク制度の対象者となった男性の心のケアをすることだ。





 だが、正直に言って、スムーズにいったためしはない。

 たいていの男性は、私が『女』というだけで警戒心をあらわにする。それに、デリセク制度の話になれば、自然と性行為に対することに話題は及ぶ。すると、患者はますますこちらを警戒し、怯えてしまう。





 それどころか、過去には、患者からセンターに苦情をいれられたことさえあった。

「自分が嫌がっているのに、むりやりデリセク制度の話題を持ち出してきた」と言われてしまったのだ。

 幸い、あの時は診断に立ち合いをしていた職員が口添えをしてくれたため、厳重注意だけで済んだけれど、クビになったらどうしようかとハラハラしたものだ。





 そういったわけで、今のところ、ここに三度以上来てくれた男性患者はいないのが現状だ。





 まぁ、今ではそれも割り切ってはいる。

 男性患者からしてみれば、立ち合いの職員の存在があっても、女のカウンセラーにデリセク制度の話題を持ち出すのは抵抗があるだろう。男性のカウンセラーの方が適任だとは思うのだが、そも、男性の数が少ないからこそのデリセク制度だ。





 だから――目の前にいるこの河野くんは、私が出会った中で、初めての模範的な患者だった。

 いや、むしろ模範が過ぎるだろうか。





「おれの場合は、ここに来る前に、島崎さんが車の中で丁寧に説明してくださいましたから」





 そう言って、背後にいる島崎に視線を向ける。

 河野くんと視線があった島崎は、頬をピンク色にそめて、嬉しそうな笑みを浮かべた。





 そういえば、さっき、この部屋に入室してきた時も、なごやかに二人は話をしていたっけ。

 島崎は河野くんのサポート担当だが、なかなか良い関係が築けているらしい。





 その様子に安堵の気持ちを覚えると同時に、心の奥がいやにざわついた。





 ――うらやましい。





 自分はこんなに頑張っているのに――自分の方が、そこにいる島崎なんかよりも、ずっとずっと頑張っているのに。

 どれだけ頑張っても、自分は誰からも認められないし、褒められないのに。それに、唯一の楽しみだったデリセクだって年齢制限のせいで今年で終わって――





 そんな風に、心につぎつぎに嫌な気持ちが湧き上がってくる。

 どろどろとした思いを必死に押し込め、むりやりに笑顔を形作る。





「じゃあ、問題なければさっそく診察を始めましょうか。まず――……」





 私は河野くんと向き合う形でソファに座った。

 河野くんは警戒する様子もなく、大人しく座る。そして、嫌がる様子もなく、私の質問にはきはきと答えていった。





「では、河野くん。夜眠れなかったり、食が進まないといったことは?」





「ありません」





「ふむ……むしょうに気分がイライラしたりすることは、一日に何回あるかしら?」





「そういったことは一度もありませんね」





 あたりさわりのないものと、重要なものをおり混ぜて、質問をする。





 だが、河野くんは全ての質問に対して、淀みなく答えていった。とうとう質問が、先週の土曜日に初体験となったデリセクのことに及んでも、なんてことのないように、すらすらと答えていく。

 その態度は自然体で、虚勢をはっているようには見えない。





 ふむ……この調子であれば、今のところ、河野くんがデリセクを体験したことによって、心的外傷を負ったということはなさそうだ。

 昨日、授業を早退したということで学校から連絡があり、急遽カウンセリングを実施することとなったのだが、これなら問題はないだろう。





 しかし――問題がないからこそ、彼の特異性は際立っていると言える。





 国から強制される、見知らぬ女との性行為。

 それを終えたばかりで、彼はどうしてこんなにも普通にしていられるのだろうか?





 それだけではない。

 河野くんが行ったデリセクは――Yowtuberゆきなが実況配信をしていた。私も偶然、あの時のライブ映像を見ていた。

 今回、『国立ARウイルス対策センター』から渡された資料で、彼があの時のゆきなの相手だったと知って、心底驚いたものだ。





 あの時のゆきなとのセックスの映像を思い出して、私はゴクリと唾を飲みこんだ。





 私も、30歳になるまで、デリセク制度で数多くの男性と、幾度となくセックスを行った。

 けれど、その中の一度だって、あんな風に、男性から激しく求められたことなんてない。あんな風にイき狂いながら、男性のモノを受け入れたことなんて一度もない。





私――私だって、一度だけでいいから抱かれてみたかった。

私だって、あんな風に……





「以前――デリセク制度には年齢制限があるって聞いたんですが」





 そんなことを考えていると、正面の河野くんから質問を受けた。

 だが、その質問はますます私の胸を重苦しくさせた。顔がひきつらないように、必死で平静を装う。





「ええ。その……デリセク制度は、女性は30歳までが対象ね。ただ、最近は制限年齢引き上げを求める声が全国的にあがっているから、もしかすると、来年あたりに改正されるかもしれないけど」





 デリセク制度には、男性側の年齢制限がないが、女は30歳までと定められている。

 女だけに年齢制限があるのは、男性の数が絶対的に少ないからだ。





「デリセク制度には、人口増加対策としての側面と同時に、増え続けている女性の性犯罪の抑止効果があるのよ。だから、男性側には基本的に制限年齢というものはないの。でも、もちろん持病や体力の問題でデリセク制度を継続するのが困難だって判断されたら、その時点ですぐに対象外になるわ。もちろん、精神的な負担でもね」





 つまり、それは逆に言えば、「身体的にも精神的にも健康であると判断された場合は、ぜったいにデリセクの義務から逃れることはできない」という意味なのだけれど。





 現在、デリセク制度は男性側は「週に一回あるかないか」という頻度に対し、女側は「月に一回」である。

 年齢制限を設けている現状ですら、このように男女のデリセクの回数には隔たりがあるのだ。そのため、男性がデリセク制度を免除されるためには、医師からの診断にくわえ、色々と厄介な手続きが必要である。

 まぁ、これは言わなくてもいいだろう。河野くんを怖がらせても何の意味もない。





 私の言葉に、河野くんは首を横に振った。





「すみません、吉村先生。別におれは、デリセク制度が嫌なわけじゃないんです。単純に、制限年齢について興味があっただけなので、心配しないでください」





「そう? でも、河野くんが本当にデリセク制度が負担だと感じているなら、延期の申請をすることだってできるのよ?」





私は自然と、ぐぐっとテーブルに身を乗り出す。





「私は正直に言えば、現行のデリセク制度について反対なの。こんな制度……言い方は悪いけれど、まるで男性の方々を種馬扱いしているようで。ARウィルスによる人口減少には世界全体であたっていくべき問題だけれど、これでは男性側の負担があまりにも大きすぎるわ。先日の河野くんとゆきなとのデリセクの動画配信の件だってそうよ。『国民の意欲的性行為の義務』において、性行為に関する動画の配信や公開は推奨されるべきこととはいえ、あんな動画を、これみよがしに配信したゆきなはあまりにも身勝手だわ。それに――」





 早口になっている自分を自覚したが、止められなかった。





 自分の心の中には――あのYowtuberゆきなの実況動画の映像がまざまざと蘇っていた。四つん這いの体勢になって、まるで発情した雌犬のような顔で喘ぎ声をあげていた女。結合部に、ぐぷぐぷと抜き差しされる肉の杭……。





 ――ああ!

 どうして、あんな女がセックスをしてもらえてるのに、私はもうダメなの?





 私だって……私だって、あんなに気持ちよさそうなセックスをしてみたい!

 あんな風に、物みたいに扱われるような、強引なセックスをしてみたい……!





 あの動画を見てた時、私は思わず『デリセク制度の対象年齢ならいいわよね。あたしなんか今年で31歳になっちゃったから、もうデリセク制度は年齢オーバーよ……(´・ω・`)』というコメントを残した。

 自分の残したコメントが、時間を置いた今、ずきずきと自分の心に突き刺さる。





 私だって、目の前のこの青年に抱かれてみたいのに……!





 なのに、ようやく会えた時にはもう、私はデリセク制度の年齢制限をオーバーしているなんて。

 こんなの、あんまりじゃないの……!





「吉村先生は、今、おいくつなんですか?」





「え?」





 早口でまくし立てていた私の言葉を遮ったのは、河野くんの質問だった。





「さ……今年で31歳になったけれど、それが何か?」





 自分の年齢を答えると、胸に湧き上がるどす黒い嫉妬心が、ますます燃え上がるのを感じた。

 そう。私はもう31歳。だからもう、デリセク制度の対象者ではない。





 どんなに願っても、目の前のこの男性とセックスをする機会は二度と与えられない――





「それは残念ですね。あと一年早ければ、先生とセックスできたんだ」





「っ!?」





 だが、次の瞬間に目の前の青年の唇から告げられたのは、思ってもない言葉だった。

 河野くんの背後にいる島崎も、ぎょっとした顔になる。

 だが、河野くんは恥ずかしがるそぶりもなく、飄々とした態度のままだ。





「あ、あまり大人をからかうもんじゃないわ、河野くん。そんなことを女性に言ったら、本気にされて襲われかねないわよ? 発言には注意するように」





 もしもこの部屋に島崎がいなかったら、私は今すぐにでもソファから立ち上がり、河野くんに詰め寄っていただろう。

 慌てて咳ばらいをし、必死で平静をとりつくろい、彼を窘める。





 だが、河野くんは肩をすくめただけだった。

 冗談だとも本気ともつかないその態度に、知らず、ドキドキと胸が高鳴る。まるで十代の少女の頃に戻ったかのように、頬が火照っていた。

 今、私の顔を鏡で見たら、林檎のように真っ赤な顔をしているのではないだろうか。





 熱くなる顔を隠すように、私はソファから立ち上がると島崎に向かって声をかけた。





「島崎、河野くんのカウンセリングは今日はこれでおしまいよ。車で送ってあげてちょうだいな」





「はっ、はい! わかりました」





 見れば、島崎も頬が赤くなっている。そして、チラチラと河野くんの身体――主に下半身を中心――に視線を注いでいた。先ほどの河野くんの過激な発言のせいだろう。





……さっきはああ言ったものの、今、島崎に河野くんを車で送らせるのはマズかっただろうか?





 車中では二人きりになってしまう。社用車には、間違いを防ぐために通報装置も搭載されているが、万が一ということもある。





 どうしたものか、と頭を悩ませていると、不意に河野くんから声が上がった。





「吉村先生。もしもまだ時間があるなら、個人的に悩みがあるので、すこし相談にのってもらってもいいですか?」





「相談? え、ええ。もちろんいいけれど」





「ありがとうございます。それなら島崎さん、おれは帰りはタクシーでも呼んで適当に帰りますから、送ってくださらなくても大丈夫ですよ」





 なるほど。どうやら、河野くんも今の島崎の危うい空気を察知したのだろう。

 島崎に送られるよりも、自動無人タクシーを呼んで帰ったほうがよっぽど安全だ。タクシー代は私のほうで払い、あとで経費で落とせばいい。





「で、でも、規則がありますよね? 私が部屋を出るとなると、吉村先生と河野くんの二人きりになってしまいますし……」





「デリセク制度のカウンセリングにおいて、私が河野君と二人きりになるのはNGだけれど、彼が個人的にカウンセリングを受けるというなら話は別よ。河野くんのプライバシーにも関わることだもの。でも、万が一がないように、河野くんには通報ブザーを持たせるから安心なさいな」





 私はテーブルの上に置いてあった、通報ブザーを河野くんに手渡してみせる。

 スイッチをおせば、甲高いブザー音が鳴り響くと同時に、支部内にある支部長室とスタッフコールに通報がいく仕組みになっているものだ。





 島崎は未練がましそうだったが、河野くんに「島崎さん、ご心配いただいてありがとうございます。でも、おれも他人に聞かれるのは恥ずかしい相談なので……」と言われて、ようやくしぶしぶと部屋を出ていった。





 島崎が部屋を出て、扉が閉まって10秒ほど時間がたってから、河野くんは私に向き直った。

 先ほどの、個人的な相談があるというのは、ただのポーズ――島崎の送迎を円満に断るための理由付けのはず。きっと、その唇の先は、タクシーを呼んでほしいと続けるのだろう。





 しかし――私の予想は大幅に覆された。





「吉村先生。さっきの話ですけど、先生がよければおれとヤってみません?」





『第11話 心理カウンセラー・吉村ななみ①』





「吉村先生。さっきの話ですけど、先生がよければおれとヤってみません?」





 おれの問いかけに、吉村先生は目を真ん丸に見開いた。





「なっ、何を言ってるの!? もしかして、先生をからかってるのかしら? そういうのはやめておきなさいと、先ほど言ったでしょう?」





 その言葉とは裏腹に、吉村先生は頬をピンクに染めながら、おれの身体を舐め回すように見てきた。





 うむ、やはりおれの予想通りだ。

 先ほど、吉村先生は自分からベラベラと、まくしたてるように、現行のデリセク制度についての不満点を喋り始めた。

 口調こそおれのことを気遣うようなものだったが、その言葉の裏側にあるのが、吉村先生自身の不満であることは明らかだった。





 それに加え、吉村先生はデリセク制度の年齢制限の引き上げについて、とくに興味があるようだった。





『ええ。その……デリセク制度は、女性は30歳までが対象ね。ただ、最近は制限年齢引き上げを求める声が全国的にあがっているから、もしかすると、来年あたりに改正されるかもしれないけど』





 一見なんてことのない会話だったが、この世界の男側からしたら、女性側の制限年齢引き上げなんて、不愉快にしかならない話題のはずだ。

 それをあそこで持ち出したのは、吉村先生にとって一番興味のある話題だったからだ。彼女にとって重要な話題だったからこそ、ついうっかり口をついて出てしまったのだろう。





 現行のデリセク制度についての不満を持っている吉村先生。

 そんな彼女が、一番注目している話題が「デリセク制度の年齢制限引き上げ」とくれば、もはや彼女の心にあるわだかまりの正体は明らかだ。





「別に、吉村先生をからかってるわけじゃありませんよ。単純に、おれは先生とセックスしてみたいんです。でも、先生が嫌なら仕方がないですね……」





 あまり押せ押せでいくのも不自然かと思い、ちょっと引いてみることにした。

 落ち込んだ風に装い、肩を落としてみる。すると、吉村先生は目に見えて慌てだした。





「べ、別に河野くんが嫌ってわけじゃないわ。ただ、その……私はもう31歳だし、デリセク制度の対象外の年齢だもの。なにも好き好んで私となんてシなくても、河野くんなら、同級生の女の子たちからモテモテでしょう?」





 吉村先生は悲しそうに目を伏せる。





 やはり、先生は自分がデリセク制度の対象外の年齢になったことがコンプレックスになっているらしい。

 おれは少し考えると、先生に近づいてその手を握った。すると、先生が目を見開く。





「吉村先生はきれいですよ。それに、言われなければ30代には全然見えないですって」





「…………」





 先生は黙ったままだが、おれの掌の中の指先がぴくりと動いた。

 よしよし、あともう少しだな。





「吉村先生は自分の事を『もう31歳』って言うけど、むしろ、それがいいんじゃないですか。先生は見るからに大人の女性って感じで、同級生の女共とは全然違います。知的な感じで、すごくカッコいいですし」





「そ……そんなにおだてても、何もでないわよ?」





 そう言いつつも、先生は見るからに嬉しそうに頬をぴくぴくと動かしていた。

 よし、うまくいっている。自分の年齢のことを気にしている吉村先生だから、こう言えば、きっと響くだろうと思ったのだ。





 その証拠に、吉村先生はおれの手を振り払おうとはしない――いや。今しがた、吉村先生の指先が、やんわりと優しく、おれの手を握り返してきた。





 ここまで来れば、もう大丈夫だろう。





 おれは吉村先生の手を握るのとは反対の手を、彼女の腰に回した。

 そして、身を寄せてその唇にキスをする。





「んっ……♡」





 唇が触れあった瞬間、吉村先生はおれの手をぎゅうっと握りしめてきた。

 その手を握り返しながら、吉村先生の舌に自分の舌を絡める。





「んっ、ふ♡」





 最初はおれの舌を受け入れるがままだった吉村先生も、だんだんと大胆になってきた。

 自分から積極的に舌を絡め、おれの唇をぺろりと舐めてくる。気が付けば、吉村先生の片手もおれの腰に回されていた。そして、こちらを離すまいと言わんばかりに腕に力を込めてくる。





「ぁっ、はぁ……♡」





 キスを終えると、吉村先生は恍惚とした笑みを浮かべていた。

 お互いの唾液でべとべとに汚れた自分の唇を、吉村先生は愛おしそうにべろりと自分の舌で舐めぬぐった。





「……ふふ、ふふふっ♡ すごいわね……本当に、あの動画通りの積極的なベロチュー……♡ こんなキス、私、初めてよ……♡」





「本当ですか? 嬉しいです」





 おれはさっそく先生のタートルネックに手をかけて服をめくる。

 もちろん、先生の着ている白衣を脱がすつもりはない。タートルネックは薄手のものだったので、白衣を着たままでも、腹部から胸上まで簡単にたくしあげることが出来た。





「あっ♡」





 たくしあげたタートルネックから、ぽよんっと大きな二つの柔肉が飛び出してくる。

 吉村先生のブラジャーはあわい水色のレース地のものだった。背中側に手を伸ばして、ブラジャーのホックを外すと、ブラジャーも簡単に上へたくしあげることができた。





『第12話 心理カウンセラー・吉村ななみ②』





「ぁ……っ♡」





 ソファに押し倒した吉村先生の胸を、さっそく掌で揉む。

 たっぷりとした柔肉は、この前の佐山の胸より大きさもさることながら、だいぶふわふわとやわらかだった。

 その上でピンと勃起して自己主張している乳首も、くすんだ灰桜色だ。





「んっ、ふぁ♡」





 たっぷりとした胸をもにゅもにゅと揉みこむと、吉村先生は甘い吐息を零した。

 赤く色づいた目元がとても色っぽい。





 先ほど言った台詞は『知的な感じで、すごくカッコいい』という台詞は、吉村先生の警戒心を解きほぐすために言ったものだが……外見も若々しいし、おせじぬきで、吉村先生はぜんぜん30代には見えない。

 現行のデリセク制度は30歳までの年齢制限があるが、確かに、これならもっと年齢を引き上げてもいいように思う。

 吉村先生ならおれだって大歓迎だ。おっぱいもでかいし。





 そんなことを考えながら、吉村先生に馬乗りになって、ひたすらもにゅもにゅとおっぱいを揉み続ける。

 あまりにも揉む感触が楽しくて、気が付けば、短くない時間が過ぎていたようだ。いつの間にか、吉村先生ははぁはぁと息を荒くしていた。





「ね、ねぇ、河野くん……? そろそろ、その……♡」





 恥ずかしそうに頬をピンクにそめながら、物欲しげな顔でおれを見上げる吉村先生。

 おれは座っている位置をずらし、吉村先生の足元に移動した。そして、吉村先生のスカートの中に手を突っ込み、彼女の下着を脱がす。





 タイトスカートの中から引き抜いた下着は、ブラジャーとお揃いの、淡い水色のレース地のものだった。

 だが、そのクロッチ部分は、濃い色に変色している。股間に密着している部分が、マン汁でぐっしょりと濡れてしまったようだ。胸をいじっていただけだが、吉村先生の期待値はマックスに高まったようである。





 ならば、その期待に応えるしかあるまい。





「あっ♡」





 吉村先生の片足を抱え上げ、ソファの背もたれにかけさせる。

 ぱっくりと割り開かれた吉村先生の股間。おっぱいに反し、ビラビラはかなり小さくて、控えめだ。佐山のものよりも小さいかもしれない。黒々と変色していることもなく、色も乳首と同じように淡い灰桜色だ。





 そして、その奥からはトロトロと透明なマン汁があふれ出ていた。

 おれは指を伸ばすと、そのマン汁をすくってから、吉村先生に笑顔を向けた。





「吉村先生、もうこんなに濡れてる。すごいですね」





「だ……だって、わたし、男の人とセックスするの、一年ぶりなんだもの……♡ この一年間、どんなにおマンコが疼いても、玩具で慰めるしかなくって♡ Yowtubeの実況動画で、若いYowtuberの女の子がデリセクでおチンポくわえこんでるのを見ながらバイブオナニーしたんだけど、でも、それじゃあずっと物足りなくって……んあぁっ♡!?」





 吉村先生のオナニー体験に、おれは我慢できずに、人差し指をぐしょぐしょのマンコへと突き刺した。

 先生のマンコは、おれの人差し指にすぐさまちゅうちゅうと吸い付いてくる。





「あっ♡ こ、これっ、河野くんの指っ♡? 河野くんの指が、今、私のおマンコに入ってるの?」





「ええ、そうですよー」





 手首を半回転させて、吉村先生のおマンコにいれた指をぐるぐると中で回す。





 ちゅぷっ♡ くちゅっ、ちゅぷっ♡♡

 くちゅくちゅくちゅっ♡ くちゅちゅっ♡♡





 すると、吉村先生のマンコからはいっそうドロドロとマン汁があふれてきた。高そうなソファがマン汁で汚れていくが、吉村先生はそれを気にかける様子はない。それどころか、顔を嬉しそうにとろけさせ、瞳にハートマークを浮かべている。





「んあぁっ♡! わ、わたしっ……今っ、男の人に手マンされてるっ♡ しかも、現役DKからの手マンっ♡ デリセク制度でもないのに、こんなこと、してもらえる日がくるなんてぇっ♡」





「吉村先生、手マン初めてですか?」





「初めてぇっ♡ 初めての手マン、うれしいっ♡♡」





 おれの質問に対し、こくこくと何度も頷く吉村先生。

 その顔は、自分の割れ目にぶっすりと突き刺さっているおれの人差し指を注視していた。

 いったん指を引き抜き、今度は人差し指と中指の2本をマンコに埋めると、吉村先生は目をらんらんと輝かせた笑みを浮かべた。





 ちゅぷっ♡ くちゅっ、ちゅぷぷぷぷっ♡♡





「んぁあぁッ♡♡! 今度は指、2本きたぁっ♡」





 もはやおれが割り開くまでもなく、吉村先生は自分からがぱりと大きく足を開いた。

 先ほどの、凛としたクールビューティーな大人の面影はどこへやら、という感じだ。でも、そのギャップがたまらない。





 ぷちゅっ♡ くちゅっ、ちゅぷぷっ♡ くちゅちゅっ♡





「あっ、ぁあッ♡ 手マン、うれしいっ♡ 指でおマンコぐちゅぐちゅされるの、たまんないっ♡」





 ちゅぷっ、ぷちゅっ♡ くちゅちゅっ♡

 くちゅっ、にゅちゅ、ちゅぷぷぷっ、ぷちゅちゅっ♡

 にゅぷぷっ、ぷちちゅっ、ちゅぷっ、ちゅぷぷぷぷっ♡





「あっ、ァっ、ぁあッ♡ んぁっ、ぁああっ、ぁあッ~~っ♡♡……ふぁ?」





 ちゅぷっ……





 吉村先生のマンコから指を二本とも引き抜くと、先生はあっけにとられた表情を浮かべた。





「か、河野くん……どうしてぇ……?」





 その顔には、もう少しで絶頂できそうだったのに、という悲しげな感情がありありと浮かんでいる。

 おれは吉村先生に向かって、すまなさそうな表情を作ってみせる。





「すみません、吉村先生……でも、おれもそろそろ、我慢できそうになくって」





 吉村先生の手をとり、おれの股間へと導く。

 下着とズボン越しに盛り上がっているそこを触った吉村先生は、目を真ん丸に見開いた。ついで、ものすごく嬉しそうな笑みを浮かべる。





「か、河野くん……♡ これ、私で興奮してくれたってことかしら……♡?」





「そうなんです。先生が感じてる姿を見てたら、おれ……我慢できそうになくって。だから、もう、挿れてもいいですか?」





「もちろんよ! むしろ、私が手をついてでもお願いしたいわ……。ねぇ、河野くん」





 すると、神妙な表情になった吉村先生の瞳に、涙が浮かんだ。





「私、すごく嬉しい……デリセク制度が終わって……こんな風に、男の人ともう一度、セックスできる日が来るなんて思ってもみなかった……」





「吉村先生……」





「河野くんがいいなら、もちろん、今すぐに来てほしいわ……♡ 私のおマンコ、河野くんが手マンでほぐしてくれたおかげでたっぷり濡れてるもの……♡」





 おれはズボンの前をくつろげると、吉村先生の太腿に手を添えた。そして、その濡れそぼった割れ目にチンポを押し当てる。





 ちゅぷっ♡





「ふ、あぁっ!♡」





 ちゅぷっ、ちゅぷぷぷっ、じゅぷぅっ♡





「あっ、はぁっ、んぁあっ!♡」





 吉村先生の濡れそぼったマンコは、難なくおれのチンポをくわえこんだ。

 慣らす必要もなく、軽く腰を押し進めるだけで、あっという間にチンポは根本まで埋まってしまう。





「ぁっ! んぁあぁあっ♡ きたぁっ♡♡ 一年ぶりの生チンポっ♡」





 びしょびしょに濡れた肉壁が、おれのチンポにちゅうちゅうと吸い付いてくる。

 腰をパンパンと打ち付けると、マン圧の締め付けがよりいっそうキツいものになる。





 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ♡!

 じゅぷぅっ、ちゅむっ、じゅぷぷっ、じゅぷんっ♡♡!





「ふぁっ、ぁっ♡♡! んぁああッ♡♡」





 じゅちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅちゅっ♡♡!

 ずちゅっ、ぶちゅっ、ぐちゅっ、じゅちゅんっ♡♡!





 腰を打ち付けてチンポを出し入れさせていると、吉村先生のでかいおっぱいがそれに合わせてぶるんぶるんと揺れる。

 目の前で縦横無尽に揺れる胸に、思わず手を伸ばしてわし掴む。そして、顔を寄せてその灰桜色の乳首に吸い付いた。





「ひぁあッ♡!? ぁっ、か、河野くんっ、そんなところっ……!? ん、ふぁあぁっ♡♡!?」





 口に含んだ乳首を舌でベロベロと舐めしゃぶると、吉村先生のあげる嬌声はさらに甘くなった。

 それにともない、乳首は硬度を増して、コリコリに膨らんでくる。そんな勃起乳首を口内で弄ぶのも楽しかったが、乳首をじゅるじゅると吸う度、吉村先生のマンコが連動してきゅんきゅんとチンポを締め付けてくるのだ。たまらなかった。





「あっ、乳首ぃっ♡ わ、わたし、いまっ♡♡ DKに乳首しゃぶらせちゃってるのぉっ……♡♡!? こ、こんなことっ、デリセクですら一回もなかったのにぃっ……♡♡!?」





 吉村先生が驚愕の声を上げる。

 だが、その言葉とは真逆に、吉村先生は頬を真っ赤に染めて、口の端からはヨダレをこぼさんばかりの、だらしない笑みを浮かべていた。乳首をしゃぶってもらうのが気に入ったらしい。

 おれも女性のおっぱいは大好きなので、気が合うようで嬉しい。そうと来れば、こちらの乳首だけではなく、もう一方も味わわせてもらおう。





 おれは乳首から唇を離すと、腰を打ち付けるのを続けながら、もう一方の乳首にむしゃぶりついた。





 ちゅるるっ♡ じゅっ、じゅるるるっ♡♡

 ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ♡♡!





「ぁああッ♡♡!? あっ、乳首ぃっ♡♡ 乳首っ、それっ気持ちいいのぉっ♡♡!」





 なお、おれが先ほどまで味わっていた乳首はビンビンに勃起して、一回りほど大きさを増している。唾液に濡れた乳首が、蛍光灯の光を反射しててらてらと光る様子がなんともエロい。





 これはさっそく、もう一方の乳首も平等に育ててあげないとな。





 おれは口に含んだ乳首をレロレロと舌で舐めながら、前歯でかしかしと甘噛みをしてやった。

 すると、吉村先生がおれの身体の下でカクカクと腰を揺らし始めた。





「ひっ、ぁあッ♡! あっ、かっ、河野くん、それ、だめぇっ♡♡ そんなこと……そんなことまでされたら、私……っ、私、もうっ……ぁああぁあッ~~~~ッ♡♡♡!!!」





 ひときわ大きな嬌声と共に、吉村先生の股間からプシャアッと透明な液体が吹き出てきた。

 どうやら絶頂と同時に潮を吹いたようだ。そして、絶頂を迎えたマンコは、よりいっそう強いマン圧でチンポをきゅむむむむ~~~~っと締め付ける。





「っ……!」





 吉村先生の絶頂にあわせて、チンポを最奥へと叩きつける。

 瞬間、尿道をせりあがったザーメンが、その勢いのままに吉村先生のマンコへと吐き出された。





 びゅるっ、びゅるるるっ、びゅるるる~~~~ッ♡♡!

 びゅるるっ、びゅるるるっ……♡♡





『第13話 心理カウンセラー・吉村ななみ③』





「……吉村先生、いつまで落ち込んでるんですか?」





 セックスを終えて、乱れた服装を整えたおれは、やれやれとため息をつきながらソファの上の吉村先生を振り返った。





「…………」





 吉村先生はソファの上で座ったまま、両手に顔を埋めて項垂れていた。

 しかも、いまだに乱れた服装のままだ。ソファの上には、彼女の愛液とおれのザーメンの残滓が飛び散ってすらいる。

 正直、あんまりおっぱい丸出しのままでいられると、ありがたみが薄れるから早く服を着てほしい。





「わ、私は医者失格だわ……患者の、しかも学生に手を出してしまうなんて……」





 がっくりと項垂れている吉村先生。

 どうやら、今さらながら自分の行動に後悔をしているらしい。





 ……女性でも賢者タイムってあるんだな……。

 セックスの高揚感が落ち着いて、興奮が冷めてしまったからだろうか?





「そんなに落ち込まなくてもいいじゃないですか。おれの方から誘ったんですし」





「で、でも、あっさりと誘いにのったのは事実だもの……本来なら、私はハッキリと河野くんを退けて、しかるべき指導をして相談にのらなきゃいけない立場なのに……ううっ」





「じゃあ、これっきりにしますか?」





「え?」





 おれがそう言うと、吉村先生がバッと顔を上げた。





「吉村先生がそんなに嫌ならしょうがないですね。残念ですが、吉村先生とのセックスはこれっきりにしておきましょうか」





「ちょ――ちょっと待って。つ、次もあるの? もう一回、させてくれるの?」





「でも、吉村先生は嫌なんでしょ?」





 吉村先生は顔を真っ赤にした。

 そして、もごもごと口の中で何事かを呟く。





「い、嫌とは言ってないわ。だって、これからもさせてくれるとは思ってなかったし……」





「ちなみに、吉村先生が相手してくれないなら、おれは適当に誰か別の女性に声をかけるつもりです」





「っ!?」





「でも、おれだって別に相手が誰でもいいわけじゃないです、吉村先生が相手をしてくれるなら、喜んで吉村先生にお願いしたいです」





 まぁ、吉村先生が相手をしてくれようがしまいが、他の女性ともこれからセックスしていくつもりなんだけどな。

 なにせ、あの自称女神様と、自殺志願者の「河野」のおかげで、こんなヤりまくりな世界に転生できたんだ。もっともっと、気ままなセックスライフを楽しみたい。





「っ……」





 吉村先生はごくりと生唾を飲み込んだ。

 その瞳は、迷いに揺れている。どうやら、患者と寝るべきではないという倫理観と、おれとセックスをしたいという欲望がせめぎ合っているようだ。





「……もしも、私が誘いを断れば、河野くんは誰か他の女性とセックスをするのね……」





 そして、吉村先生はぽつりと呟いた。





「それなら――そうよ、それなら、むしろ私が河野くんの相手をしてあげるべきよね♡ だって、私は河野くんの担当医だもの♡ 変な女にひっかかって、河野くんが乱暴でもされたら私の責任になっちゃうわ。それに、患者の欲望を受け止めて解消してあげるのも、医者の役割だわ。そうよねっ?♡」





「ええ、そうですよ」





 軍配は、あっさりと欲望側が勝ったらしい。





 うんうんと頷きながら一人ごちる吉村先生は、興奮のせいか、再び頬をピンク色に染めていた。





「ふ、ふふふっ……それにしても、まさかこんなビッチな男子が現実にいるなんて……♡♡ しかも、デリセク制度の対象外になったオワコン女の私が、まさか、プライベートでDKとセックスできるようになるなんて、思ってもみなかった……♡ ああっ、なんて今日は最高の日なのかしら、うふふふ……♡」





 うっとりとした表情でつぶやく吉村先生。

 期待に浮かれた顔は、とても色っぽい。見た目だって20代にしか見えないし、おれの元の世界だったら、本当にモテモテだったろうなぁ。おれみたいな学生がおいそれとお近づきになれなかっただろう。





 ま、つまりはおれと吉村先生はウィンウィンの関係というわけだ。





 それから、立ち直った吉村先生は、先ほどの落ち込みっぷりが嘘のように、テキパキと服を着替えた。

 そして、ライン交換をした後で、おれに帰るためのタクシー代を渡してくれた。タクシー代を手渡す際、吉村先生は瞳を潤ませて、ぎゅっとおれの手を握ってきた。





「ねぇ、河野くん……デリセク制度が終わった時ね、私、自分がもう女として終わってしまったような気持ちになったの……」





「吉村先生……」





「だから、河野くんみたいな若い男の子が、私に興奮してくれて本当に嬉しかった……ありがとう、河野くん。私、河野くんと出会えて、本当に良かったわ……」





 その言葉に、ちょっとだけ居心地の悪い思いがした。

 おれが吉村先生とセックスをしたのは、別に、先生の気持ちを慮ったわけじゃない。だから、こんな風に真正面からお礼を言われてしまうと、逆にちょっと罪悪感がわいた。





「そんな風にお礼なんか言わなくていいんですよ、先生。おれはそんなにたいした人間じゃないんで、マジで」





「ふふっ、照れてるの? なら、お礼を言うのは今回だけにしておくわね。……本当にありがとうね、河野くん。もしも貴方がこれからなにか困りごとがあったら、私は全力で貴方の味方をするから、なんでも相談してちょうだいね。もちろん、担当医としても、吉村ななみ個人としてもよ」





『第14話 教室』





 あの後、おれはタクシーで家に帰った。





 なお、この世界のおれの住まいは、なんと32階建てのタワーマンションの一室である。





 ここに独り暮らしで住んでいるのだから、驚きだ。なお、「河野」の生物学上の両親は今もこの世に存命しているが、おれは一度も会ったことはない。どうやら「河野」も会ったことはないようだ。





 この世界では、恋愛結婚というのは非常にレアケースだ。





 調べたところ、「河野」もデリセク制度にて生まれた子どもだった。デリセク制度によって生まれた子供は、両親のどちらかが希望すれば、彼らが手元で育てることもできる。





 まぁ、希望するのはほとんどが母親で、男親が希望することは滅多にないらしい。

 残念ながら、「河野」の両親はどちらも彼を引き取らなかった。





 両親ともに希望がなければ、子どもは政府下の児童施設で育てられる。

 そこの施設で育てられるのは義務教育である中学生までだ。それ以降は、女子は学校の寮へ、男子は国の所有するマンションの一室に移る。





 女子の場合は、風呂トイレ食堂共有の相部屋だ。

 対して、男子の方はなんと、アパートやマンションの一室をあてがわれる。しかも、炊事や掃除洗濯は派遣される国の職員が行うため、家事をする必要はいっさいない。学校から家にもどれば食事が出来上がってあたためるだけの状態になっているし、部屋には埃ひとつ落ちてない。まさに至れり尽くせりの待遇である。





「まさか、こんな部屋におれが住める日が来るなんてなぁ」





 駅のロータリーに直通。窓の外を見れば、きらめくような夜景がいつでも広がっている。

 コップに注いだジンジャーエールを片手に、ひろびろとしたソファに座って、大型テレビでゲームを堪能する。





「文句があるとすれば、酒が呑めないことぐらいかな。しょうがないから、あと数年後の楽しみにとっておくか」





 かつての、元の世界でのおれとの暮らしを比べると、その生活レベルは雲泥の差だ。





 自称・女神様いわく……「河野くんがこのままではあまりにも可哀想だから、協力してほしい。見たところ、貴方ならうまくあちらの世界でやっていけそうだし、河野くんにとってもあなたの今の家族構成や、生活は理想的なもの。貴方にとっても悪い話ではない」だっけか?





 確かに悪い話ではなかったな。

 まぁ、おれが頷くかどうか迷ってるか間に、あの女神様が強制的におれと「河野」の魂の入れ替えとやらを行って、気が付いた時には、もうこの世界にいたんだけど。





「しかし、自殺ねぇ。おれからしたら贅沢な悩みだと思うけど……」





 でも、もしも河野がアセクシャルや、同性愛者だったとしたら、この世界は地獄みたいなもんか。

 なにはともあれ、あちらの世界で「河野」が幸せにやっていければいいものだ。ついでに、おれが出来なかった親孝行とかやっておいてくれるとありがたい。





 そんなことを考えていたら、いつの間にかゲームの三面はクリアしていた。

 ラスボス前にセーブを行っていると、傍らに置いたケータイが震えた。見れば、ラインに新しいメッセージがきている。





 見れば、相手は吉村先生だった。

 メッセージの内容は、土曜日のおれの都合を尋ねるものだった。土曜日は今回はデリセクは入ってないし、友人と遊ぶ予定もない。





 その内容で返事を返すと、すぐに既読マークがつき、一瞬にして返事がきた。





『なら、よければ金曜日の夜から出かけない? 先生が車出すから、ドライブでもしましょうよ』





 ……ずいぶんと婉曲的なメッセージだが、その下心はありありと伝わる文章だった。





 金曜日の夜からドライブに出かけるってことは、そのままどこかのホテルに泊る気満々だよな。

 つまり、完全にヤる気満々だ。





 うーむ。今日、おれたちは初めてセックスをしたばっかりなのだが、ずいぶんと吉村先生は元気なことだ。

 だが、断る理由もない。

 先日の早退の件が影響しているのか、今週はおれはデリセクが入っていないのだ。だから、なんなら土曜日といわずそのまま日曜日までお泊りでもかまわない。





 おれはラインで先生に了承の返事を出した。すると、やはり一瞬にして吉村先生から返事がくる。

 どうやらおれの住むマンション前まで車で迎えに来てくれるそうだ。





「……おれが、年上の美人な女医さんをアッシーにする日が来るとは、夢にも思わなかったな」





 なんにせよ、金曜日が楽しみである。

 足代のお礼に、せいいっぱい、吉村先生にセックスをしてあげようじゃないか。











 ――そして、週明けの月曜日。





 朝、おれが教室に入るなり、佐山が目をギラギラさせながら机の前にやってきた。

 挨拶もそこそこに、こちらを睨むと、親指で教室の外を指し示す。





「ちょっと、河野。ツラ貸して」

「……分かった」





 まだ早い時間だったので、おれ以外の二名の男子生徒はまだ来ていなかった。





 何名か女子生徒が来ていたものの、佐山が属しているギャル系のグループの女性ではなく、内向的なグループの子たちだった。

 そのため、中にはこちらを心配そうに見たり、好奇心にみちた顔で見つめてくる子もいたが、佐山に睨まれると、慌てて視線を逸らしてしまった。





「こっち来て」





 佐山に促され、二人で教室を出る。

 しかし、この不機嫌さはいったいどうしたんだろうか。





 不思議に思いつつも、黙って佐山のあとをついていく。





 佐山が向かった先は、おれたち生徒が勉強している南校舎とは逆の北校舎だった。こちらは視聴覚室や実験室が集まっている教室だ。そのため、朝方のこの時間はますます人気がない。





 佐山は勝手知ったる様子で、その内の『理科室』のプレートが出ている部屋に入った。

 彼女のあとに続いておれが入室すると、佐山はさっさと内側から鍵をかけてしまう。





 なお、教室からここに来るまでの間、おれたちの間には何一つ会話はなかった。

 おれはやれやれと肩をすくめつつ、佐山に問いかける。





「おい、佐山。いい加減、いったい何の用――」





「河野さぁ、ライン教えてよ!」





「……ライン?」





 おれが言い終わる前に、佐山の方が声を荒げた。

 見れば、佐山は頬をふくらませて、ぶすーっとした不機嫌そうな表情を浮かべている。





「ラインって、いきなりなんで?」





「なんでも何もないよ。アンタ、いつでもヤらせてくれるって言ったのに、ライン教えてくれないから連絡とりようがないんだもん!」





「あー、そういや教えてなかったっけ?」





 なるほど。佐山がおれをこの空き教室に連れてきたのは、このためか。

 教室内で佐山とおれがラインの交換をしていたら、かなり目立ってしまう。





「日曜日に連絡しようかなって思ったら、ラインの交換してなかったこと思い出してさぁ。もー、最悪。あたし、すっかり、日曜日は丸一日アンタとセックスしようって思って気分アゲアゲだったのに~。予定狂わされちゃって、ほんっとイライラムラムラしっぱなしだったんだからぁ」





「そ、そうか……」





 むすくれた佐山に話を合わせつつ、背中に冷や汗をかくおれ。





 吉村先生といい、佐山といい、ほんっと性欲旺盛だな。

 っていうか、ラインの交換してなくって本当に良かった。丸一日セックスまみれとかさすがに……いや、考えてみれば、土日の吉村先生との時間はそんな感じだったな。





 金曜日の夜の首都高をドライブして、その後は湘南にいってホテルにとまって、吉村先生と明け方までセックスをして……土曜日の朝は二人で海沿いを歩いたり、外で飯を食ったりして、ホテルに戻ったらやっぱり濃密なセックスタイムで……その後、日曜の朝にホテルをチェックアウトしたら、湘南から戻る道すがらにカーセックスをして……





 思い返すに、なんとも楽しい日々だったものだ。

 一昨日からのセックスライフを思い返していたおれは、ふと、あることに思い至った。





「あれ。そういえば、佐山だって土曜日はデリセクだったんじゃないのか?」





 確か前回、そんなことを言っていたはずだ。

 すると、おれの質問に対し、佐山はますます眉間の皺を深くした。





『第15話 ギャル系JK・佐山みゆ2-①』





「なんだ、デリセクは気持ちよくなかったのか?」





 佐山の険しい表情に、茶化すつもりでからかい混じりの言葉を投げる。

 だが、おれの言葉に佐山はぴくりと肩を震わせた。





「……ハァ。そうなんだよねー……」





 佐山は、ぽつりと呟いた。

 そしてガックリと肩を落とし、恨めし気におれを見上げる。





「この前のデリセク……相手の年は、たぶん大学二年生とかかな? 草食系男子っぽい可愛い感じのイケメンだったから、ベッドに行ってからすぐに服脱いで、騎乗位でセックス始めたんだけどさぁ……」





 思いがけず、佐山の口から土曜日に彼女が行ったというデリセクの体験談を聞く羽目になってしまった。

 しかし、クラスメイトのJKから、セックスの体験談を、朝っぱらからレポートしてもらえるとは……これはこれでちょっと興奮するな。





「最初は良かったのよ。相手のチンポを手コキしてあげたらすぐに『あん、あんっ♡』って声あげて、チンポをビンビンに勃起させてさ。で、あたしのマンコもいい感じに濡れてきたから、さっそく挿入したんだけどさぁ~」





「それで?」





「……入れた瞬間『あれっ?』って思ったの。『あれっ、チンポってこんなもんだっけ? もっとあたしの中をゴリゴリって強引に抉ってくるもんじゃなかったっけ?』って」





 話しながら、教室内にあった手近な椅子に腰かける佐山。

 おれも椅子を持ってきて、彼女の隣に座る。





「全然気持ちよくないから、腰をガンガン揺らしてチンポをめちゃくちゃ抜き差ししてたらさぁ、なんか、相手が『痛い、怖い』って泣き始めちゃって。なんかその顔見てたらアタシもガン萎えしちゃってさぁ……結局、相手もあたしもイけないまま終わっちゃった」





「ふーん」





 どうやら、前回のデリセクは、佐山にとってあまり楽しめないものだったようだ。





「そりゃ残念だったな。まぁ、たまにはそういうこともあるだろ」





 おれがそう答えると、佐山はジト目でこちらを睨んできた。





「他人事みたいに言ってくれちゃってさぁ。あんたのせいだからね、河野!」





「え、おれ?」





「当たり前でしょ。いつもなら、あの程度の単調なセックスでも満足できてたのにさぁ……あんたとのセックスを覚えちゃったから、物足りなくなっちゃったのよ! その後は連絡がとれないしぃ……あー、思い出したらまたムラムラしてきた!」





「うわっ」





 佐山はそう言って激しく椅子から立ち上がると、こちらに詰め寄ってきた。

 椅子に座ったままのおれの肩をがしっと掴み、ふうふうと鼻息を荒くして、顔を覗き込んでくる。

 完全に目が据わってるぞ、おい。





「おい、佐山?」





「ねぇ、いいでしょ? ここらへん、朝は誰も来ないしさ……あんたもある程度覚悟してたでしょ? あたしと二人っきりになるっていうのが、どういうことか……♡」





 そう言って、にやにやと笑う佐山。

 どうやら、嫌と言える雰囲気ではなさそうだ。





 でも、さすがにおれでも朝イチからっていうのは、ちょっとなぁ……。

 今日はこれから授業があるし、午後は体育だってあるし。





「佐山がシたいなら付き合ってやってもいいぞ。でも、セックスはせめて放課後じゃないとダメだ」





「え~~~!?」





「朝からやってられるかよ、この後は授業だってあるし。早退だってこの短い間に二回目ともなると、さすがにあやしまれるだろ」





 そのせいで、おれは先週のデリセクが免除になってしまったのだ。

 まぁ、そのおかげで吉村先生とたっぷりデートできたからいいんだけど。





「じゃあさー、せめて手マンだけしてくんない?」





「うーん……」





 佐山の言葉に少し悩む。

 佐山だけを悦ばせて、おれが気持ちよくなれないのも、それはそれで損した気分になるんだよなー。





「なによ、それもダメなの? んー、じゃあさ……その、もしも嫌だったら諦めるけど」





「なんだよ」





「フェラさせてくんない? 一回さ、やってみたかったんだよね~♡」





 その言葉に、少し驚く。





 まさか女の方からフェラチオがしたいと言われようとは思ってもみなかった。

 それに加え、フェラチオくらい、デリセク制度があるこの国ではそんなに珍しいプレイでもないと思っていたのだが……





「別に、それくらいならいいけど」

「いいの!? うわぁ、やったぁ♡!」





 目を輝かせて、満面の笑顔で喜ぶ佐山。





「まさかフェラチオまでオッケーしてくれるなんて思わなかったわ~。いやぁ、マジ河野ってビッチだね~♡ こんなスケベ男が同級生にいたなんて、今まで知らなくて損してたわー♡」





 佐山は、まるで中年オヤジがキャバ嬢にうざ絡みをするような口調で、やに下がった笑みを向けてきた。





「……フェラってそんなに嬉しいプレイか? てっきり、珍しくもなんともないと思ってた」





「ハァ、何言ってんの?」





 おれが首を傾げると、佐山は喜びの表情から一転、怪訝そうな表情になった。





 でも、言われてみれば確かに吉村先生とはしなかったな。

 あれはもしかして、フェラチオが嫌なんじゃなくて、おれに気を遣ってたのか?





「フェラっていうか……体外射精なんてデリセクの主旨から外れてるし、もっての他でしょ? そんなの男に無理やりしたら、『国立ARウイルス対策センター』から厳重注意だよ。いや、注意どころか、下手したらデリセク派遣対象外者に認定されちゃうっしょ」





 ああ、なるほど。そう言われてみればそうか。





 デリセク制度は、この国の超少子高齢化対策の一環としての政策なのだ。

 なればこそ、佐山の言う通り、口内射精――つまり精の無駄撃ちはもっともNG行為というわけだ。





「前戯でもやらないのか?」





「んー、男側からの同意か希望があれば、できるかもだけど……そもそも、セックスですら最低限の接触で済ませたいって男がほとんどだから、フェラなんかさせてくれるわけないじゃん」





 ああ、そうか。そういう問題もあったな。





 この世界の、この国の男にとって、セックスとは楽しむための行為ではなく、国に強制された義務行為。だから、デリセクを純粋に楽しめてる男はいない。





「ねぇねぇ、河野。それより、オッケーならそろそろしゃぶっていい? 早くしないと、一限始まっちゃうしさー。あたしはいいけど、あんたはサボりたくないんでしょ?」





 なるほどと一人頷いていたら、佐山の足元のほうから聞こえた。

 見れば、いつの間にか床にしゃがみこみ、おれの足の前ですでにスタンバっている。





 こ、こいつ、いつの間に……!





「ねー、もういいでしょ? ほら、もうズボン脱がせるよー♡?」





 そしてさらに、佐山はおれが答えるのを待たず、ズボンのファスナーに手をかけてきた。





『第16話 ギャル系JK・佐山みゆ2-②』





「うわぁっ……♡」





 ぼろんとまろび出たチンポを目の前に、佐山はよだれを垂らさんばかりの表情だ。





「これが河野の生チンポかぁ♡ そういや、こんなにじっくり見るのは初めてかもぉ……♡」





 つんつんと指先でそれをつついてくる。





「うわ~……朝から同級生の、男子の生おチンポ見れるなんてマジ最高♡ ほんと、こんなビッチな同級生がクラスメイトだなんて、あたしって超ツイてるよねー♡」





 にやにやとした笑みを浮かべた佐山は、ふと、何かを思いついたように自分のスカートのポケットをごそごそと探った。

 そして、そこからスマホを取り出す。

 パステルピンクのスマホケースには、片隅にデフォルメされた猫のイラストが書いてあった。





 そういえば、前に渡されたハンカチも猫の絵がかいてあったな。

 猫が好きなのか、それともこのキャラクターが好きなのだろうか。





「ねぇねぇ、写メとってもいい? 河野だって分からないようにするからさー」





「うん?」





 おれは佐山の言葉を聞き返したつもりだったのだが、佐山は「やりぃ♡!」と声を上げた。

 どうやら承諾の意味にとられてしまったらしい。





「じゃあ……んっ、ふっ♡」





 佐山は右手をおれのチンポに添えて、その先端にチュッとキスをした。

 そして、その先端にやわらかい唇を押し付けた状態のまま、左手で器用にスマホを操作する。





 カシャッ、カシャッカシャッ。





「んー、もっとこうかな……♡ んっ、ちゅむっ♡」





 佐山は今度は顔を傾け、ハーモニカでも吹くようにチンポの横に顔を添えて、再びチンポにチュッチュッとキスをしはじめた。

 そんなみっともない姿を、とても嬉しげに、自慢げにどんどん自らの手で連写していく佐山。





 カシャッカシャッ、カシャッカシャッカシャッ。





 JKが、制服を着たクラスメイトの女子が、朝から空き教室でおれのチンポとのツーショット撮影を自らの手で嬉々として行っている――それは、あまりにも倒錯的な姿だった。

 その姿に、自然とチンポはむくむくと大きくなる。それを見た佐山は、ますます嬉しそうな顔になった。





「あれれ~♡? 河野……アンタ自分のおチンポ撮影されて、興奮しちゃったのぉ♡? うわぁ、ほんっとアンタって好きモノだよねー♡」





 にやにやと意地悪気な笑みを浮かべて、おれを見上げる佐山。





 チンポを撮影されてというより、佐山がチンポツーショット写真を撮っていることに興奮したのだが――しかし、おれが説明するより前に、佐山がチンポへと頬をすりよせた。





「ふふ……♡ じゃあ、ビンビンに興奮してる河野のおチンポを、これ以上放っておいてもカワイソーだし♡ そろそろ、いただいたちゃおっかなー……はむっ♡」





 宣言通り、佐山はおれのチンポの先端に吸い付いた。

 やわらかい唇が亀頭をはむはむと食む。





「んむぅっ♡ ちゅっ、ちゅむっ♡」





 最初は先端のみをくわえていただけだったが、佐山はすぐにチンポを口内の奥へ奥へと飲み込んでいった。

 そして、半ばまでを飲み込むと、口内の舌がレロレロと竿に絡みついてくる。





「んーっ、んむぅ♡ んふっ♡ ふむぅ、んちゅぅッ♡」





 舌が亀頭に絡まったかと思えば、その舌先でつんつんと尿道口をつついてくる。

 それと合わせて、頬肉をすぼめて、頬全体で口内の竿をちゅうちゅうと締め付けてきた。





 おお、あまり期待していなかったけれど、なかなか上手いじゃん。





 それに、クラスの中でもかなり可愛い部類の佐山が、ひょっとこのお面みたいなみっともない面でおれのチンポに吸い付いてる絵面がたまらない。





「んじゅっ♡ んんっ、むちゅっ、ちゅうっ♡♡」





 だんだんと先っぽから我慢汁が滲みだした。だが、佐山は嫌悪するでもなく、うっとりとした顔でちゅうちゅうと我慢汁を飲み込んでいく。

 それどころか、両手の指先をチンポの根本に添えて、さわさわと弄り始めた。指の腹でやんわりと玉袋を触れられる感覚は初めてのもので、にじみ出る我慢汁の量がどっと増える。





「んんっ、むぅっ♡ ちゅるっ、ちゅうううっ♡」





 狙ってやったのかと窺うも、佐山は目をとろんととろけさせ、夢中でチンポに吸い付いていた。





 どうやら、チンポの根本や玉をさわさわと触ってくるのは、おれを気持ちよくさせるためというより、単純に自分が触りたいだけのようだ。





「んーっ、ふんっ♡ くんっ、んむっ♡ じゅううっ♡」





 佐山のエスカレートする行為はそれだけでは飽き足らず、次第に、その形のいい鼻先をくんくんとひくつかせ始めた。

 そして、とうとうその鼻先をおれの陰毛の中に埋める。ゴワゴワした陰毛に鼻先をうずめた佐山は、目にハートマークを浮かべながら、股間の匂いをすんすんと嗅いでいる。





「ん、じゅるっ♡ ちゅるっ、ちゅうっ、じゅるるっ♡♡」





 陰毛に鼻先を埋め、頬肉をそぼめたひょっとこフェイスで、チンポをじゅるじゅると吸い続ける佐山。





 チンポに吸い付く音も、いよいよ大きなものになっている。

 それに比例して、おれも段々と限界が近くなってくる。





 その時、ふと、あることを思いついた。





 おれは自身の制服の後ろポケットにしまっていたスマホを取り出すと、画面を操作してカメラを起動させた。

 佐山は、いまだにチンポにちゅうちゅうと吸い付いてフェラチオを続けているため、おれのやっていることに気づいている様子はない。





「佐山、ちょっと顔あげろ」





「ふぁ……?」





 おれは右手で佐山の後頭部をつかみ、彼女を上向かせた。

 そして、左手でスマホのカメラをかまえる。画面に、佐山が驚きに目を丸くする姿が映った。





「はい、チーズ」





「んむぅっ♡!?」





 瞬間、おれのチンポから「びゅるるるる~~~~っ♡」とザーメンが発射された。





 佐山はまだ心の準備ができていなかったようで、放たれたザーメンを一気に飲み込むことはできなかったようだ。





「んっ、ふっ、んうぅぅ♡」





 ザーメンを飲み込み切れなかった佐山の頬が、まるでハムスターの頬袋のように丸くなる。





 びゅるっ、びゅるっ、びゅるるるっ……





「ふぅ……」





 おれが佐山の後頭部を掴みながら、ゆっくりとその口内からチンポを引き抜くと、彼女の唇からドロリと白濁した液体がこぼれた。





「なかなか良かったぜ、佐山」





 気持ちよかった。

 というか、予想よりも佐山のフェラはうまかったな。





 フェラチオが初めてといっていたが、もしかすると、何かエロ動画や漫画で予習でもしていたのだろうか。

 おかげさまで、なかなかいい動画が撮れた。動画には、佐山がおれのチンポをひょっとこ面で頬張っている様子も、ザーメンを発射されて頬が丸くなっている様子もバッチリ映っている。





――カタン





 その時、おれは背後から何かが倒れるような音を聞いた。

 ハッとなって後ろを振り返る。だが、そこにはもちろん誰もいなかった。

 ただ、教壇と黒板、生徒用の机と椅子があるだけだ。





「…………」





「ねぇねぇ、河野ぉ? アンタ、もしかして今のやつ動画で撮影したの?」





「え? あ……ああ。そうだけど」





「やった! じゃあその動画、あたしにも送ってよ! あっ、ていうかライン交換して!」





 いつの間にか佐山はザーメンをすべて飲み込んだらしく、復活していた。

 自身のハンカチでぐしぐしと口元を拭った後、自分のスマホを取り出して、おれに連絡先と動画の送信を迫ってくる。





 おれは佐山の求めに応じつつ、もう一度、背後を振り返った。

 だが、やっぱりそこには誰もいない。





 うーん……? 確かに、誰かいたような気がしたのだけれど。

 まぁ、多分、おれの気のせいだったのだろう。





『第17話 異変』





 ――佐山と時間をずらして、理科室から教室に戻ると、男子クラスメイト二人も教室に来ていた。





 席に着くなり、二人から「鞄があるのに教室にいないから心配していた」と質問される。おれは適当に答えを返した。確か、職員室に用があったとか、そんな感じのことを答えたと思う。





 先に教室に戻っていた佐山も、とくに普段と変わった様子もなく、自身の所属するギャル系グループに加わって、談笑をしていた。





 そうして、その日はつつがなく終わった。

 おれも佐山も、教室ではお互いに素知らぬ顔のままで、会話をすることも一切なかった。





 だから――異変が起きたのは、翌日だった。





 その日。おれは出がけに吉村先生からラインがきていたため、それの返信をしていたら、いつもより教室に着くのが遅くなった。

 だから、教室に入った時には、男子二人も、そして他の女子たちも、ほとんどのクラスメイトが来ていた。





そして、おれが教室に入った瞬間――今まできゃあきゃあと騒いでいた女子たちの一部が、ぴたりと押し黙ったのだ。





 そして、これみよがしに、コソコソと囁き声を交し合う。何事かと見れば、そのグループは、いつも佐山が属しているギャル系女子のグループと、その取り巻きグループであった。クラスカースト的に言えば、上位に位置している派手系女子たちだ。





「……?」





 おれの顔を見て、こそこそと内緒話を交し合う女子たちをいぶかしげに思いつつ、席に着く。





 不愉快に思わないでもなかったが、だからといって声高に問いただすわけにもいかない。





 まぁ、あとで佐山に事の次第を聞けばいいか――と思ったところで、ふと、おれは教室内を見渡した。





 だが、何度見ても、佐山の姿は見えない。金髪褐色肌のギャルなんて女、このクラスにはあいつぐらいだし、見落とすことはないはずだった。部活をやっているわけでもないから、朝練というわけでもない。





「河野、おはよー」





「ああ、おはよう」





 男子二人にあいさつをかわして、自分の席に座る。

 すると、二人が心配そうな顔をおれに向けてきた。





「……なんかアイツら、今朝からカンジ悪くね? もしも河野が保健室とか行くんなら、僕、付き添うけど?」





「いや、大丈夫だよ。それより――」





 佐山はまだ来てないのか、と尋ねかけて、おれはその言葉をぐっと飲み込んだ。





 危ない危ない。おれが佐山と親交があることを、この二人にバレるのはまだ避けたい。





 それに、どうやら教室の端にいる女子たちはおれ達の会話に聞き耳を立てているみたいだ。おれが喋った瞬間、あからさまにこちらをジッと見つめている女子がいたくらいだ。

 ここで下手に佐山の名前を出すわけにはいかないだろう。





 ひとまず、派手系女子グループのことはシカトすることにして、一時限目の授業の準備をすることにする。





 男子二人と他愛もない会話をしながら準備をしていると、ガラリと音を立てて、教室の引き戸が開いた。

 会話を続けながら視線をそちらに向ければ、そこにいたのは佐山だった。





 そう、佐山だったのだが――なんだか、様子がおかしい。





「……っ……」





 こころなしか、佐山は顔を青ざめさせている。らしくなく、眉を八の字にして困ったような、自信なさげな表情を浮かべていた。

 しかし、勇気を振り絞るかのようにぐっと背筋を伸ばすと、いつもの馬鹿っぽい笑顔を無理やりに作った。





「ぉ……おはよー、有坂! ゆりりん! ねぇねぇ、昨日のデリセク配信見たぁ~?」





 明らかに、作り笑いと分かるぎこちない表情だった。

 見たことのない佐山の様子に、思わず、男子二人の会話に相槌を打つことも忘れて佐山を注視してしまう。





「…………」

「…………」





 だが――佐山の声に、言葉を返すものは誰もいなかった。





 一瞬だけ、有坂と呼ばれた女子生徒――ストロベリーブロンドの髪色の、色白で胸の大きい女子生徒だけが、佐山にちらりと視線を送った。





 だが、その有坂はパッと佐山から顔を逸らし、周囲の女子生徒たちに「それでさぁ、今度の週末なんだけどー」と話し始める。





 有坂は、あからさまに、佐山のことを無視していた。

 そして、周囲の女子たちは有坂のそんな態度に追随するように、佐山から視線を逸らして、有坂と会話をし始めた。





 つまり――完全に、佐山は「いないもの」扱いである。





「…………」





 有坂とその周りの女子生徒たちにシカトされた佐山は、表情を凍り付かせていた。





 おれは一瞬、佐山が泣いてしまうんじゃないかと思った。だが、佐山は泣かなかった。

 それでもかなりのショックを受けたようで、佐山は顔を俯けると、重い足取りで自分の席に向かった。





「…………」





 おれは息を呑んで、ただただその光景を見つめた。





 い……いったい、何が起きたんだ?





『第18話 シカト』





 ――有坂率いるギャルグループからの佐山への「シカト」は、それ以降もずっと続いた。





 佐山が話しかけても、誰も返事をしない。そして、佐山に誰も話しかけようとしない。





 教室内には、いくつかの女子グループが存在するので、ギャルグループに属さない女子たちも存在する。

 だが、彼女たちは「触らぬ神に祟りなし」とばかりに、佐山に話しかけようとも、近寄ろうともしなかった。とばっちりを食いたくはないのだろう。





 一昼夜にして異様な空気になった女子たちに、男子二人も早々に気づいた。





 彼らは困惑した様子であったが、「うわ、女子って怖ぇー」「まぁ、そのうち落ち着くんじゃないのか」といって、肩をすくめるだけだった。





「…………あ、あの」





 そして、昼休み。





 いつもは昼休みになれば、佐山の所属するグループは窓際の席に集まって、机をよせて弁当を食べる。

 だが、佐山はここでもあからさまに無視されていた。





「あ、あの、有坂……」





「ねぇねぇ、昨日の配信だけどさぁ、マジでやばかったよねー」





「あー、うん。前に見たゆきなの配信には及ばなかったけどさぁ」





 佐山は自身の所属していたグループのメンバーに、必死で声をかけようとしていた。

 だが、リーダー格である女子――有坂がその声を遮るようにして、他のメンバーにわざとらしく話をふる。そして、話をふられたメンバーは佐山から顔を逸らして、有坂の話に相槌を打ち始める。





 まるで、佐山と彼女たちとの間に、見えない壁があるようだった。





 佐山はしばらく呆然としていたものの、ぐっと下唇を噛みしめると、くるりと彼女たちに背をむけて教室を出ていった。





 おれは彼女の背中に視線をちらりと向けたが、すぐには後を追わなかった。

 窓際に陣取っている、有坂率いる女子グループが、おれの動向をちらちらと窺っているのを視界の端で感じ取っていたからだ。





 そのため、おれは佐山が教室を出ていったことに対し、意識してあまり注意を向けないよう振舞った。

 共にいる男子二人との会話に熱中しているふりをする。





 そうして、しばらく男子との会話に興じつつ、学校側から配られている弁当をゆっくりと食べ終えた。

 その頃には、佐山が教室を出ていってから20分ほどが経過していた。





「ちょっと図書室行ってくる」





「おー。午後、移動教室だから早く帰ってこいよ」





 弁当を教室の隅にある専用ごみ箱に捨てた後、教室の出入口に向かう。

 教室を出る直前に、ちらりと周囲を見渡すと、窓際にいる女子グループの一人とばっちり目が合った。





 ストロベリーブロンド色の髪と、色白の肌。制服のシャツの襟元からは、たっぷりとやわらかそうな谷間がのぞいている――派手ギャル系グループのリーダー格である、有坂である。





 有坂はおれと視線が合った後も、そのままじっとおれのことを見つめていた。





 彼女のことが気にならないでもなかったが、今は佐山を優先するべきだと思い、背中を向けて教室を出る。





「さて……教室に鞄はあるから、帰ったってことはないよな。じゃあ、またあそこか?」





『第19話 踊り場』





 ――佐山の後を追っかけるにあたり最初に向かったのは、先日、佐山にフェラチオをしてもらった『理科室』だった。





 だが、ここには佐山はいなかった。





 その後、図書室や保健室をのぞいてみたものの、そこでも佐山を見つけることはできなかった。

 途端にあての外れたおれは、どうしようかと悩んだ後、文明の利器の存在をようやく思い出した。佐山と交換したラインである。





 「今、どこにいる?」とメッセージを送ると、数秒後には既読になり、返事が返ってきた。





 さすが現役JK、恐るべきレスポンスの早さだ。





 佐山から届いた内容では、彼女は、屋上に向かう踊り場にいるとのこと。





 安全性のため、屋上に出る扉は封鎖されているので出ることはできない。だから逆に、その扉前の踊り場は人がめったに来ないのだという。

 佐山からの返事を読んだおれは、さっそくそこに向かった。





「佐山、こんなところにいたのか」





 佐山は階段に腰かけて、ぼんやりと宙空を眺めていた。

 いつも勝気で生意気な彼女とは正反対の姿に、一瞬だけ、なんと声をかけていいか分からなくなってしまった。





 当たり障りのない言葉を投げかけたおれを、佐山はちらりと見た。





「……あんたが、わざわざ来てくれるとは思わなかった」





「いや、だってどう考えても気になるだろ。それに、どうもおれに関係のあることみたいだし」





 朝の教室でみせた有坂たちの態度から考えて、佐山に対するシカトは、どう考えても同じ延長線上にある出来事だろう。





「えー? そこは『心配した』とかって、言ってくれればいいのにさぁ。可愛くないなー」





 佐山はからかうような笑みを浮かべたが、どう見ても虚勢を張っていた。





 おれは佐山の隣に腰を下ろした。ズボン越しに、尻に階段の硬さと冷たさを感じる。





「そんなの言うまでもないだろ。心配してるから来たんだろーが」





「っ……」





 佐山は驚いたように目を見開いた後、くしゃりと顔をゆがめた。





 あ、やばい。泣くか?





 ヒヤッとしたが、幸い、佐山は泣かなかった。





 ただ、パッと顔をそむけると、手の甲でぐしぐしと自分の目元をこすった。そして、おれの方に顔を戻した時には、目尻は赤くなっていたものの、涙は流していない。





 その様子に、ちょっとホッとしてしまう。

 ……女に泣かれると、別に自分が悪くなくても、かなり焦るもんだな……





「……で? なんで、いきなりハブかれることになったんだよ」





「…………」





「言いたくないなら言わなくてもいいけどさ……でも、おれに関係があることなんだろ? 有坂たち、おれのことめっちゃ朝からジロジロ見てくるし」





 佐山はしばらく黙りこくった後に、はぁ、と重いため息をついた。





「いや、まぁ、その……この前、理科室でアンタにフェラさせてもらったじゃん?」





「ああ」





「その時、気づかなかったんだけど、同じ部屋に木村がいたみたいなんだよね。なんか、バレー部の朝練サボって理科室の隅で寝てたみたい」





 重苦しい口調で説明された内容は、なかば、おれの予想通りのものであった。





「木村って、佐山のグループにいるあの茶髪の子か」





「そうそう。てか、なに、河野ってクラスメイトの名前も覚えてないわけ?」





「いや、ちゃんと覚えてただろ」





 むしろ、この短期間で木村の名前と顔を覚えていたんだから、褒めてほしいぐらいだ。まぁ、佐山にそれを言っても意味不明だろうけれど。





「それにしても、木村か……別のクラスの奴とか、他のグループの女だったら適当に誤魔化せたかもしれないけどな。まずったな……」





 そういえば、理科室で行為に及んでた時、物音と人の気配を感じたんだよな。

 でも、気のせいだろうと思ってスル―してしまった。





 ……あ、そうか。佐山が理科室じゃなくて、こっちに避難してきたのは、それが原因か。





 友バレした場所に再度来る気にはならなかったんだな。というか、そもそもあの理科室は佐山たちのグループのサボり場なのかもしれない。





「あんまし驚いてないね、河野」





「まぁ、どうせそんなことじゃないかなと思ってたからな」





「それで、その……あの場面を見た木村は、あたしと河野が付き合ってるんじゃないかって誤解したの。それで実は、昨日の放課後に、有坂たちからめっちゃくちゃ吊るし上げくらってさぁ……」





 あの場面を見た佐山グループの一人が、おれと佐山が付き合ってると誤解したと。





「否定しなかったのか?」





「し、したよ! でも、詳しい説明なんかできないじゃん!」





「え、なんで?」





「だって……河野がとんでもないビッチだなんて、あたしがバラしたら、河野が困ったことになるじゃん。いや、そもそも河野がそんな奴だなんて、あたしが説明したところで信じてもらえる雰囲気でもなかったし……」





 ……驚いた。





 どうやら佐山は、おれの立場を慮ったために、有坂たちに尋問されても、おれ達二人の現在の関係を説明しなかったらしい。

 正直、おれとしては全然バラされてもかまわなかったので、ちょっと心苦しい。

 それでクラス中から白い目で見られて、クラスの空気が悪くなったとしてもおれは全然気にしないのに。





「っていうか、あたしとしてもいまだに驚きなんだよねー……河野、ちょっと前まではマジで女嫌いだったじゃん。女子に話しかけられた時には、シカトか、必要最低限の返事しかしなかったし。それに、有坂だって……」





 佐山はそこで、言いづらそうな表情で口ごもった。





 ……ふむ。

 おれは、もともとこの世界で生きていた『河野』とは会ったことがない。『河野』について知っている情報は、人から聞いた断片的な情報と、データ上の経歴だけだ。





 だが、そもそもおれがこの世界の『河野』と魂が入れ替わったきっかけは、自称『女神様』が、この世界のデリセク制度が嫌なあまり自殺をはかった『河野』に同情したからである。





 その出来事と、今までの周囲の反応をあわせて考えるに、元の『河野』はよっぽどこの世界の女が嫌いだったようだ。





 まぁ、異性とのセックスが強制義務の世界に生まれた彼が、その制度を通して『女』に反発心を抱くのは、理解できないことでもない。

 おれからしたら、最高の世界なんだけどな。





「なるほどな。とりあえず事情は分かった。ひとまず今日は早退したらどうだ? あとで保健室に鞄とか持って行っていくから」





「で、でも……今日、早退したところで、明日もあの気まずい空気なのは変わんなくない?」





「要は有坂か、同じグループの女子の誤解がとければいいんだろ。佐山の話が聞き入れてもらえないなら、おれがグループの誰かに話してみるよ。全員との和解は無理でも、一人ぐらいは話の分かるヤツがいるだろ」





「だ、大丈夫なの? それって、有坂たちにあんたのことバラすってことじゃん」





「しょうがないだろ。ま、それでおれがクラスの皆からハブかれたら、佐山がおれとつるんでくれよ」





「……っ……」





 ぐす、と鼻をすする佐山。

 あ、しまった。今度こそ佐山が泣いてしまった。





 隣でぐすぐすと泣き始めた佐山から視線を逸らして、ぼりぼりと頭を掻く。





 さて、どうにも面倒なことになったが……これも身から出た錆みたいなもんだしな。

 さすがにこの状況を見て見ぬふりは、後味が悪い。





 あーあ。とはいえ、佐山にはああ言ったものの……どうすれば今回の件を丸くおさめられるかねぇ。





『第20話 相談』





『うーん、そうねぇ……やっぱり、被害者である佐山さんがどうしたいのかが重要じゃないかしら』





 佐山を保健室に送り届けた後、おれは、教室には戻らずに再び先ほどの場所へ向かった。

 屋上へ出る踊り場である。





 ちなみに、佐山の鞄なんかは保健室の先生が回収に行ってくれるという。

 おれが佐山の鞄を取りに行くと、また有坂たちの誤解を深めそうなので、その申し出はありがたかった。





 そして、保健室を出た後、おれは自身のケータイである人物に電話をかけた。

 相手は吉村先生だ。





 おれ一人で悩んでも、有坂たちの誤解をとくいい方法は思いつかなかった。





 そのため、吉村先生の意見を聞くことにしたのだ。





 吉村先生は『国立ARウイルス対策センター サポート課』に所属する心理カウンセラーだ。

 カウンセラーの資格を持っている彼女なら、おれが一人で悩むよりもきっといい。





 そして、餅は餅屋とばかりに吉村先生に電話し、これまでの経緯を詳細をぼかして相談させてもらったのである。

 そんな彼女から返ってきた言葉は、やはり専門家というべきものだった。





『話を聞くに、その佐山さんは、いじめグループの女の子たちとはもともと仲のいいお友達だったのでしょう? なら、誤解を解いた後は、佐山さんはグループの子達と仲直りしたいと思ってるんじゃないかしら』





「……そうですね。多分、佐山はそうしたいと思っているはずです」





『こういうケースだと――誤解を解いた後に、佐山さんがどうしたいと思ってるのかが重要よね。それで今後の動きが決まるわ。佐山さんがグループの女子と仲直りしたいと思っているなら、今回の件を大事にしたくはないはずよ。だからこの場合、先生に相談するのはやめておいた方がいいわね。教師に介入されたら、逆に問題が大きくなるし、その時点で加害者側も引っ込みがつかなくなるもの』





 吉村先生の言葉にふむふむと頷く。

 なるほど。もともとするつもりはなかったけれど、担任にこの件を相談するのはなおさらやめた方がいいな。





 先ほどの佐山の態度なら、相手からの謝罪が欲しいと思っているわけではない。

 あいつが望んでいるのは、有坂のグループにまた迎え入れてもらうことだ。





『ちなみに河野くんは、今回の件はなにが原因だと考えているのかしら?』





 吉村先生の質問の答えは、非常にシンプルだ。





「嫉妬、ってことですよね」





『ええ、そうね。河野くんと佐山さんの距離が縮まったことを知った女子たちは、きっと佐山さんのことを「自分達にだまって抜け駆けをした」と思っているはずよ』





「ふむ」





 そこで、今まで流暢に話していた吉村先生は言葉を淀ませた。





『……河野くん。私は正直、この状況から佐山さんが元のグループの女子たちに受け入れてもらうのは少し難しいと思うわ。そして、あなたが佐山さんとこれ以上仲良くなるのもオススメしないわ』





「それは、どうしてです?」





『あなたが佐山さんと距離をこれ以上縮めれば、今度は「シカト」なんて生ぬるいイジメじゃ済まなくなるのは確実だもの。むしろ、他のクラスメイトたちに知られる前に、佐山さんとはしばらく距離をおくべきよ。そうでないと、今はまだ「シカト」で済んでいるところが、攻撃的なイジメにシフトしかねないわ』





「…………」





 吉村先生の言うことも理解はできる。





 理解はできるが、承服はできなかった。

 この状況で、佐山を見捨てるような真似はしたくない。





 男という生き物がそうなのか、それともおれが単純なのか……一度セックスをした女をそんなにあっさりと見捨てるのは嫌だ。





 とはいえ、吉村先生の言うことはもっともだ。

 今日の有坂たちの態度を鑑みるに、おれが佐山と親しい様子を見せれば、今度は佐山に対して本格的なイジメが始まる危険性がある。





 うーん……つまり、有坂グループが佐山に対する蟠りをなくし、なおかつ、佐山に嫉妬しなくなって、グループに再び迎え入れる方法……





「――――あ」





『? どうかした、河野くん』





「いえ、すみません。お話、大変参考になりました。吉村先生に相談してよかったです」





『そ、そう? なら、なんとか良い妥協案が見つかりそうかしら?』





「はい、それはもう。なんていうか、考えてみればめちゃくちゃ単純なことでした」





『それなら良かったわ。それで、その……今度の週末は、また、会えるかしら……?』





 電話の向こうから響く吉村先生の吐息が、にわかに熱っぽさを帯びる。

 無論、おれは吉村先生のお誘いを快諾し、今度の週末のデートを約束すると、通話を切断した。





「ふう。さて、そうと決まれば教室に戻るか」





 灯台下暗し、とはよくいったものだ。





 有坂グループが佐山に対する蟠りをなくし、なおかつ、佐山に嫉妬しなくなって、彼女を再びグループに迎え入れる方法――あれこれ悩んだが、考えてみれば単純なものだった。





 有坂グループが佐山をハブいている理由は、佐山とおれの性行為を目撃したことによる、嫉妬にもとづく。





 ならば――おれが有坂グループの女子にセックスのお誘いをすればいいのだ。





 まぁ、グループの全員が誘いにノるとは限らない。頷かない女子もいるだろう。





 けれど、一人ぐらいは話に頷く女子がいるはずだ。

 そうすれば、佐山の抜け駆け問題をうやむやにできるし、そいつが佐山の味方になってくれれば、佐山はぼっちにならなくて済む。





 そう。名付けて――竿姉妹大作戦である!





 ……………………。





 ……いや、やっぱりこのネーミングはねぇな。





『第21話~クラスメイト 木村ゆりの場合①~』





 ――ふふん、いい気味♡





 もともと、あたしは佐山のことが、最初からあんまり好きじゃなかった。





 佐山は帰宅部で、あたしはバレー部。

 なのに、なんの努力もしてない佐山のスタイルは、あたしよりも断然良い。あいつの方が胸が大きくて、腰だってくびれてる。





 性格だって合わない。マンガや音楽の好みだって全然違う。笑いのツボは真逆。

 同じグループの仲間だからつるんでるけれど、一対一だったら、絶対に友達にはならないタイプ。





 あたし達のグループのリーダーは、有坂だ。





 彼女はこのクラスで唯一、血の繋がった『母親』と一緒に暮らしている女子で、その母親は、国内有数の化粧品メーカーである『六精堂』の女社長。





 そう。有坂は、あたし達のようにデリセク制度によって、国立ARウイルス対策センターの養護施設で育った『センター育ち』とは違う。

 デリセク制度によって生を受けたのは一緒だけれど、有坂の場合は、母親が認知をして自身の子供として育てた――いわゆる『家付き』の子なのだ。





 ……ちゃんとした『家族』がいるってだけで、自然と、そういう子はクラスのカーストのトップに属する。





 『家付き』の子って、なんとなく、雰囲気というか、まとってるオーラがもう全然違うんだよねー。

 自己肯定感、っていうの? そういうのがさ、もう全身から溢れてるのだ。





 まぁ、そんな風にして『家付き』イコール『勝ち組』である有坂と、あたしが苦手としている佐山は、もともと親友だった。

佐山はあたしと同じ『センター育ち』なんだけれど、二人はなんでも、小学校時代からの幼馴染らしい。





 だから、あたしも佐山と仲良くせざるをえなかった――今までは。





「やっぱり、佐山のやつ、早退しちゃたみたいだよー」





「……ふーん。そう」





 あたしの言葉に、有坂はつまらなさそうな表情を浮かべる。





 昼休みが終わろうかという頃、教師が佐山のカバンを取りにきたのだ。教師は「体調不良のため早退」と告げたが、それが嘘なのは明らかだった。





「河野の方はとうとう戻ってこなかったね。でも、鞄があるみたいだから、まだ早退はしてないみたいだけど……」





「…………」





「佐山からハナシ聞いたのかなー? だから、恥ずかしくて教室に戻ってこれないのかもね。でも、まさか河野が学校であんなコトするタイプだったとは思わなかったよねぇ。それとも……」





 有坂は無表情のまま、カバンに教科書をつめ、片付けを続けている。





 有坂は陸上部に所属しているから、これから放課後の部活動に向かうのだ。

 本当は、あたしも卓球部の放活があるんだけれど、最近はサボりがちだった。





「それとも、学校でフェラなんてさせちゃうくらいに、佐山のコトが好きってことなのかなぁ? そうだとしたら、二人はずいぶんラブラブだよねぇ~」





 ニヤニヤと笑みを浮かべながら言うと、ギロリと有坂に睨まれた。





 あ、しまった。ちょっと挑発しすぎたかも。





「……一応言っておくけど、私がみゆに対して怒ってるのは、河野と付き合ってることに対してじゃないからね」





「へ? そーなの?」





 有坂の言葉に、目をパチクリと見開く。

 驚いた。てっきり、有坂がキレてんのはそこだと思ってたのに。





 だって去年、有坂は――





「私は……みゆが、河野と付き合ってることを秘密にしてたことに対して怒ってるの。別に、彼女の口からそうと言っておいてくれたら、私はちゃんと受け止めたもの」





「へぇ」





「でも、みゆは私に秘密にしてた。それどころか、ゆりに写真を見せられて問い詰められても『自分は河野とは付き合ってない』って言って、しらを切り通そうとしたじゃない。……私に気をつかったつもりかもしれないけど、それが嫌だったの」





「あー……なるほどねぇ」





 確かに、あの時の佐山の態度は、有坂を逆撫でするような態度だった。





 河野と付き合い始めたというなら、ハッキリとそう断言すべきだったのだ。





 それなのに、佐山は「違う、あたしは本当に、河野と付き合ってはないんだって!」の一点張り。

 じゃあどうして河野にフェラなんてしてたんだ、と詰め寄っても、しどろもどろになるばかり。





 挙句に「それは……その、なんというか偶然の出来事みたいな……? えーっと、あたしが転んだ瞬間、あいつのチンポがあたしの口に入っちゃったみたいな……?」と答える始末。





 ……有坂がブチギレたのは、正直、佐山にも責任があると思う。

 あれじゃ、有坂のプライドを傷つけるだけだ。





「じゃあさー、もしも佐山が謝ってきて、正直に『河野と付き合ってる』って言ってきたら、許してあげるの?」





「……それは、その時になってみないと分からないわ」





「ま、それもそうだよね」





 苦々しい顔の有坂が、じろりとあたしを睨みつける。





「でも、言っておくけど、私はこれ以上はみゆに対して手を出すつもりはないから。あなた達もそのつもりでいて」





「はーい。りょーかいですよっと」





 有坂に釘を刺されてしまった。

 これ以上のこと、というのは、シカト以上の行為を佐山に対してするなという意味だろう。





 やっぱり、こういうとこ、有坂はお嬢様だよねぇ~。

 根が真面目ちゃんというか、イイ子ちゃんというか。





 あたしとしては、抜け駆けをした佐山にはもっと痛い目を見て欲しかったところだけれど……まぁ、リーダーである有坂のお達しなら仕方がない。

 それに……





「じゃあまた明日ねー」





「……ええ、また明日」





 有坂と別れの挨拶をかわしたが、私は卓球部の放活には行かず、教室に一人で残る。





 夕日の差し込む教室には、今はもうあたししかいない。

 みんな、自分の部屋に帰るか町に遊びに行くか、部活に行ったのだ。特別な理由がない限り、今から教室に戻ってくる人間はいないだろう。





 しかし、そんな教室の扉がガラリと開かれた。

 そこにいたのは、一人の男子生徒。そして、今しがた有坂との話に上がっていた渦中の人物である。





 その顔を見て、あたしは思わずにんまりとした笑みを浮かべた。





「河野ー♡ ねぇねぇ、今から帰るとこぉ?」





『第22話~クラスメイト 木村ゆりの場合②~』





「木村か。こんな時間まで残ってたのか?」





 河野から返ってきた反応に、内心で「あれっ」と思った。





 おっかしいなぁ……河野って、こんなに堂々としてたっけ?





 女子が近づけば舌打ちをして距離を置くとか、話しかけても、知らないふりでシカトするのがいつもの河野のはずだ。





 それに、佐山から話を聞いてるはずなのに。





 あたしが――河野が佐山にフェラさせているところを隠し撮りしたこと。その写真が今もなおあたしの手元にあること。





 佐山から聞いてないのかな?

 でも、昼休みには河野は佐山の後を追っかけるようにして教室を出ていったから、二人は話をしてるはず……





 佐山から隠し撮りの話を聞いてたら、河野はこんなに平静でいられないよね?





 自分のフェラ写真がクラスメイトの女子の間で出回ってるなんて知っていたら、男子なら、もっとビクビクして怯えてるはずだもんねぇ……?





「うん、まぁね。今日は部活は休みなんだ」





「ふーん」





 河野がじっとあたしのことを見つめてくる。





 けれど……なんだか、その視線は、こちらを値踏みするような視線だった。





 男子からそんな風に見られたことなんか一度もなくて、しかもそれがあの河野ということに、なんだか妙にどぎまぎしてしまう。なにこれ。

 ちょっと、調子狂うなぁ~……





 やっぱり、まだ隠し撮りの件を佐山から聞いてないとか?





「えーっとさ……河野はまだ、佐山から話は聞いてないカンジ?」





「ああ、聞いてるよ。あの時、木村も理科室にいたんだって?」





「――、――」





 しかし、平然と返してきた言葉に、あたしの方が絶句してしまう。





 え、えっ? どういうこと?





 あたしはてっきり、河野は隠し撮りの件をまだ知らないのだと思っていた。

 だから、こんなに堂々としているんだと思っていた。





 でも、今――河野はもう全部知っているのだと、そう言ったのだ。





 なら……なんでこんなに平然としてるの……?





「ねぇ、河――」





「木村も理科室にいたんなら、声かけてくれれば良かったのに。そしたら木村にもフェラくらいさせてやったのにな」





「……へっ!? えっ、えっ!!?」





 河野の唇から放たれた言葉に、私は口をあんぐりを開けた。

 その間抜けな顔のまま、まじまじと河野の顔を見つめる。





 だが、河野の表情はまったく変わっていない。

 冗談を言っているのか、それともあたしが何かを聞き間違えたのか、まったく判断がつかない。





「か、河野……? 今、あんた、なんて言ったの?」





「声かけてくれたら、木村も混ぜてやったのに、って言ったんだよ。……あ、そうだ。木村が撮影したっていう写真、今持ってる?」





「え、あ、うん。あるけど……」





「見せてくれよ。まだ持ってるんだろ?」





 あまりにも堂々とした態度の河野に気圧されて、あたしは思わず、制服のスカートのポケットからスマートフォンを取り出す。

 操作をして、該当の写真を画面に出すと、それを河野に向けた。





 だが、スマホ自体を河野には渡さない。もしかすると、今までの態度は全て河野の演技で、あたしのスマホの写真を削除するねらいなのかもしれないからだ。





 だが、あたしの心配はまったくの杞憂だった。





 河野はスマホの画面を一瞥すると、面白くなさそうな顔で肩をすくめた。





「なんだ。どんなものかと思ってたら、肝心のところは全然写ってねーのな。これなら、おれが撮影した動画の方がいいな。木村、見てみる?」





「河野が撮影?」





 河野が差し出してきたスマホの画面を、なにがなんだか分からないままに覗き込む。





「え――」





『んっ、ふっ、んうぅぅ♡』





 河野のスマホで再生されている動画――そこには、赤黒いチンポをひょっとこ面で頬張っている佐山の顔が映っていた。

 佐山のほっぺたは真ん丸に膨らんでいる。どうやら、チンポからザーメンを吐き出された直後らしい。





『んんっ、むぅっ♡ ちゅるっ、ちゅうううっ♡』





 佐山は目をとろんととろけさせて、ザーメンを吸い出すように、ちゅうちゅうとチンポを頬張り続けている。





「なっ、なっ、なっ……!?」





「な? さっきの写真よりこっちの方がいいだろ。この佐山の顔、ウケるよなー」





 そう言って、おかしそうに笑う河野は、あたしがパクパクと口を開閉させているのを尻目に、さっさとスマホをポケットにしまった。





 い……今の動画……あたしが理科室で覗いた時の、佐山にフェラさせてた時に撮影した動画だよね?





 か、河野が撮影したってこと? いったい、何のために?

 っていうか……つまり、あの動画の映ってたチンポ、河野のチンポってことだよね……?





 先ほど動画に映っていたチンポを思い返して、思わず、ごくりと生唾を飲み込む。

 視線がチラチラと河野の股間に向いてしまうのを止められない。





「か、河野はさ……」





「ん?」





「佐山と付き合ってるんじゃないの? 理科室であんなコトしてたから、あたし、てっきり佐山と河野は付き合ってるもんだとばかり思ってた……」





 あたしの言葉に、河野はにやりと笑って肩をすくめた。





「別に、佐山とは付き合ってないよ。あの時は、佐山がフェラしたいっていうからさせてやっただけ」





「っ!?」





「なんなら木村もヤるか? なんか、佐山とおれの仲が誤解されてるみたいだし。それで誤解がとけるなら、フェラぐらいかまわないぜ。あ、それとも手マンでもしてやろうか?」





 その表情と言葉に、あたしは先日読んだ、アダルト漫画のワンシーンを思い出す。





 あの漫画では確か、奥手で引っ込み思案な処女の女子生徒が、担任の男性教師に『じゃあ、先生の身体で花散らししてみるか♡?』と言われて、放課後の教室でセックスをしてもらうという内容だった。





 現実には絶対にありえないシチュエーション。

 このご時世に、女性にたいしてそんなに積極的にセックスしてくれる男がいるわけがない。放課後の教室でセックスを迫ってくるような、そんなビッチな男が世の中にいるわけがない。





 ――だが、今、あたしの目の前にいるのは……





「フェ、フェラでも、手マンでもヤってくれるって、マジで……?」





「いいよ。お望みなら、別にセックスでもいいぜ」





「っ~~~~~!」





 まるでエロ漫画の一ページから抜粋したような台詞を吐く、目の前の同級生に、私は声にならない歓声をあげた。





 ああ。どうやら、佐山は嘘をついていたわけではなかったらしい。





 本当に、佐山と河野は付き合ってるわけじゃない……!





 ただ――この河野という男が、とんでもないビッチなのだ!





『第23話 クラスメイト・木村ゆり①』





 さて、どうやって竿姉妹大作戦(結局、他の作戦名は思いつかなかった)を実行しようか考えていると、今回の事件の引き金になった木村とバッタリ教室で出くわした。





 しかも、どう声をかけたものか思案していたら、向こうから声をかけてきてくれた。ラッキー。





 まさに、鴨がネギを背負って来てくれたようなもんである。





 しかも木村は、おれに件の隠し撮り写真までお披露目してくれた。おかげで気になっていた写真も実際に見ることができた。





 写真は、おれが危惧していたようなものでは全然なかった。





 なにせ、おれの背中と股間に向かって屈んでいる佐山が映っているのは見えるが、肝心な局部は彼女の髪や手に隠れてしまって全然見えないのだ。そのため、おれと佐山の顔も映っていない。





 これなら、たとえ画像がネットにバラまかれたとしても、大した打撃は受けないだろう。





 一応、他にも決定的な画像があるのかもと思い、おれの撮影した佐山の写真を見せたり、ことさら「佐山とは別に恋人でも何でもありませんよ」というアピールを繰り返したが、木村はそれ以外の画像を出してくることはなかった。

 どうやら、画像は本当にあの一枚きりのようである。





 そうと分かれば話は早い。





 ここまで来れば、もはや、鴨がネギと椎茸と出汁と鍋一式を持って来てくれたようなものだ。

 しかも、放課後の教室に二人っきりという、これまたベストなシチュエーション。





 そういうわけで、おれは木村に対してさっそくお誘いをかけた。





 案の定、デリセク以外の、しかも同級生とセックスできると聞いた木村は、よだれを垂らす犬のような勢いでおれの提案に飛びついてきた。





 ここまで来れば、もはや苦笑いすら浮かんでしまう。





「んっ……河野っ、これでどう?」





「ああ、いい感じだ」





 その木村は、自身の机の上に座り、おれに向かって足をM字に開脚している。





 おれの提案に対し、木村が「そ、それなら最初は手マンやってみて欲しいんだけど……♡! い、いいでしょ? アンタが本当に佐山と付き合ってないっていうなら、あたしにも手マンできるよね♡!?」と言ってきた結果である。





「ん、はぁっ……♡」





 興奮のためか、まだ触っていないのにも関わらず、木村は顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でおれを見つめてくる。





 木村もまた、けっこうレベルの高い美少女だ。





 栗色の髪の毛をボブカットにして、肩口で切りそろえている。瞳の色も明るい茶色。佐山と比べると胸は小さいが、それでもBカップはあると思う。

 胸に反比例し、腰回りから尻にかけて肉付きがいい。色白でむっちりとした太腿や鼠径部の魅力は、肌を焼いている佐山にはなかったものだ。





 そんな鼠径部の奥――おれに向かってぱっかりと割り開かれている、股間の中央。





 そこの陰唇もまた、太腿と同じようにむっちりと肉が乗っている。薄ピンクの割れ目の奥からは、興奮のせいか、今やトロトロとマン汁が溢れていた。





「じゃあ入れるから。しっかり足開いてろよ」





「んあぁっ♡♡!?」





 まずは、人差し指をゆっくりと埋めていく。

 零れ続けるマン汁のおかげでローションいらずだ。





 ぬぷぷぷっ、と人差し指を根本まで埋めると、木村の太腿とがぶるぶると震え始めた。後ろ手についている腕もぶるぶると震えている。





 ちらりと木村の顔を見れば、彼女は顔をますます真っ赤にしていた。その視線は、おれの人差し指が埋まる自分のマンコを食い入るように注がれている。





 よし、この反応なら痛いわけではないようだ。

 ならば、今度は二本入れてみるか。





 ちゅぽんっと指をマンコから引き抜くと、今度は人差し指と中指の二本を揃えて、ゆっくりと割れ目に埋めていく。





 にゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅぷぷぷっ……♡





 ――よし、いい感じだ。

 この調子で慣らして、最終的にセックスにこぎつけた後に、佐山へのシカトの件をやめてくれるように頼んで――





「んあっ……んあァああぁ~~~~ッ♡♡♡!!!」





「え?」





 二本の指を根本まで割れ目に埋めた、その瞬間だった。

 木村のマンコがきゅむむむ~ッ♡♡♡と指を締め付けたかと思うと、身体をビクンビクンと振るわせ始めたのである。





「ん、ぁっ、あああ……ッ♡♡」





 痙攣が終わると、木村は恍惚とした表情で、唇から舌先をだらんと垂らしながら、教室の天井を見つめていた。

 え、えーっと……これはさすがに予想外だな。





「木村、もうイったのか?」





 あまりのことに、驚きながら、木村に尋ねる。

 すると、木村はハッとした表情に変わった後、あわてて顔をおれの方に向けた。





「イ、イってない! イってないから!」





「え、そうか?」





今のは完全に絶頂を決めていたのに、なぜか木村は必死の表情でそれを否定してきた。





「か、勘違いしないでくれる? 今ので、あれぐらいでイくわけないじゃん」





「ふーん?」





「あ……ああ、それとも、もしかして佐山はあれだけの刺激でイっちゃうの? なら、勘違いしてないでくれる? あたしは佐山なんかとは違って、早漏じゃないんだから」





「…………」





 へぇ、なるほど。どうやら、貞操観念が逆転しているこの世界では『早漏』というのは女性側に使われる言葉のようだ。





 なら、『あの言葉』も女性側に使われる言葉なのだろうか?





「そうだよなー。あれだけでイくわけないもんなぁ? だっておれ、まだ指突っ込んだだけだぜ? あの程度でイってたら、えーっと……こういうの、みこすり半って言うんだっけ?」





「ッ……!!!!」





 おれの台詞に、顔を耳まで真っ赤にする木村。





 ああ、やっぱりそうか。

 『みこすり半』というのは、おれの世界では、早漏の男性を揶揄する大変に不名誉な言葉だったが――こちらの世界では、すぐにイってしまう女性に対して使われるらしい。





「しょうがない。イってないなら、もうちょっと手マン続けるか」





「ひんっ♡!?」





 マンコに埋めた指をぐるぐると半回転させながら、反対の手も、木村の股間に伸ばす。





 見れば、マンコの上にある突起――クリトリスが、触れてもいないのにぷっくりと腫れて、包皮から先端をちょこんと覗かせていた。





 その真っ赤な肉芽を、人差し指でくりくりと撫でまわす。





「ふあぁッ♡♡!? か、河野っ、そこ、もっと優しくっ……!? ぁっ、んぁあああァッ~~~♡!?」





 人差し指に木村のマン汁をまぶしてローション代わりにし、クリトリスを指の腹でクチュクチュとさすってやると、木村がビクビクと身体を揺らして、獣のような喘ぎを上げた。





 どうやら木村はクリトリスが弱いらしい。佐山や吉村先生と比べても大きめだから、多分、普段のオナニーの時に自分でここを弄ってるんじゃないだろうか。





 それを裏付けるように、すっかり勃起したクリトリスは、おれが指で包皮をずり下げるまでもなく、膨れ上がった肉芯によってズル剥け状態になっている。





「か、河野っ、ちょ、ちょっと待ってっ。て、手マンしてくれるって約束だったでしょっ!?」





 そうやってクリトリスを弄り続けていると、おれの腕を木村が掴んできた。

 そして、真っ赤な顔で額に汗を浮かべて、焦ったように言い募る。





「ク、クリはもういいよっ。手マンなんだから、マンコいじってよ? ね? 忘れてるみたいだけど、あたし、佐山とアンタの写真持ってるんだからね? その気になれば、クラスの黒板にこの写真張り出せるんだからね! 調子に乗らないで、大人しく手マンしててよね!」





 ……ふむ。





 ネットにばらまかれてもいいとは思ったが、クラスの黒板に張り出されるのは困るな。

 クラスメイトはともかくとして、教師に見られた場合、おれと佐山には、なんらかのペナルティが下されるだろう。





 その場合――佐山へのペナルティが重くなることは容易に考えられる。





 この世界では『男』にはかなりの優遇措置が与えられているが、女に対してはそうじゃないことは、今までの生活で充分に理解している。





 だから、木村が写真を教室に貼りだすなどの行為に及んだ場合、おれはともかくとして、佐山の方が危ない。

他人が見てもなんともない写真でも、木村が教師に証言をすれば、教師も信じざるを得ないだろうし。

そうなれば、もしかしたら佐山が退学になるなんて可能性も――





 そこまで考えて、はたと気が付いた。





 ……っていうか、なんでわざわざおれが、こんなに小難しいことをグダグダ考えないといけないんだよ?





 せっかく、元の世界のつまらない日々から、この天国のような素晴らしい異世界に転生したっていうのに。

 それなのに、気が付けばこんな面倒ごとに巻き込まれている。





 それも――目の前のこの女が、余計なことをしたせいだ。

 そう思うと、なんか、無性に怒りが湧いてきたな。





 ピンッ♡♡♡!!!!





「――――んほぉっ♡♡!?」





 苛立ち混じりに、人差し指で木村のビンビンになったクリトリスを弾いてやる。





 すると、木村が目を見開いて、唇をとがらせて間抜けな悲鳴を上げた。





「ひっ、ァッ、河野っ!? そ、そこっ、やめてって言っ……ひぉおおッ♡♡!?」





「えー? でも、木村のマン汁すごいじゃん。あれ? もしかしてまたイっちゃった?」





「ち、ちがっ! イ、イってない、イってないから!」





「あっそ。じゃあ、続けてていいよな」





「へっ? ……んおっ♡!? ほっ、ぉおッ♡♡!?」





 とんでもなくみっともない悲鳴をあげて、マンコからプシュプシュとマン汁を噴き出す木村。

 その姿に、ちょっとだけ溜飲が下がる。





 ったく。お前さえ余計なことをしなければ、おれは今ごろはお気楽なセックスライフを楽しんでいたんだ。





 そして――あんな風に、らしくなく、ぐすぐすと泣く佐山の姿だって見ずに済んだんだよ。





 あいつは……馬鹿みたいに笑いながら、おれにセックスを迫ってくるぐらいでちょうどいいんだからさ。





『第24話 クラスメイト・木村ゆり②』





「ふぉおおっ♡♡! か、河野っ、そこだめェっ! もうやめてぇ♡♡!」





 怒りを叩きつけるように、木村のクリトリスを左手の指でくにくにと揉みこみ、右手の指をマンコに出し入れさせる。





 木村のマンコは先ほどから、マン汁をプシュプシュと噴き出しっぱなしだ。めくれあがったスカートや、床に落ちたパンツがびしょ濡れになっているが、いいのだろうか?





 ま、おれには関係ないか。濡れるのが嫌なら、木村がマン汁を垂らすのを止めればいいだけだしな、うん。





「いやいや、何言ってんだよ、木村。お前が、写真を公開されたくなけりゃ大人しく手マンしろって脅してきたんだろ。まだ、そう言ってから3分も経ってないぞ」





「ち、ちがっ♡! そ、そう言ったけどぉ、言ったけどぉっ♡♡! でも、もう手マンもクリトリスもいじるのやめてぇっ♡♡ もう苦しいのぉっ♡♡!」





 顔を真っ赤にしてブンブンと首を横に振りながら、両手で必死におれの腕を掴もうとする。





 だが、連続アクメで身体に力が入らないようで、全然おれの手を止めることができていない。

 おまけに、右手の人差し指でマンコの中のざらざらした場所――Gスポットをゴリゴリッと指先でこそいでやると、「ふきゃああッ♡♡!?」と悲鳴を上げて、腕が落ちた。





「ひっ……ひぉっ……♡♡ ふぁ……っ♡♡」





 肩で息をしながら、両腕をだらんと身体の脇に落とす。





 足はM字開脚のままだから、まるでカエルの解剖みたいな情けない恰好だ。





 カエルの解剖と違うところがあるとすれば、真っ赤になったクリトリスが、まるで小さなチンポのようにビンビンと宙にむけていきり勃っているところと、マンコからドロドロと白っぽい本気汁が零れているところだろうか。





「ふっ、ぁ…………ふにゃ♡?」





 本気汁をいまだに零し続けるマンコの中で、そこに埋めた三本の指をぐるりと半回転させる。





 すると、ざらざらした肉ヒダが指の節でぞりぞりと削れた。





 初めは「何が起きているのか理解できない」といった表情を浮かべていた木村が、マンコ内で指が動くのが再開されると、再びみっともない絶叫をあげた。





「ふにゃあああッ♡♡!? な、なんでぇ♡♡? 手マン、もうしないでって言ったのにぃっ♡♡」





 首を必死に横に振って、涙目ですがるような顔でこちらを見つめてくる木村。

 おれはそんな木村を見下ろし、答えた。





「え? いや、するなって言われたけどさー。まだ木村、一回もイってないんだろ?」





「…………ッ!」





「まぁ、手マン初めてまだ3分も経ってないもんな。よっぽどの早漏じゃなきゃ、女のくせにこんなに簡単にイくわけないかー」





「っ……ぅ……」





「だから、ちゃんと木村がイけるまで手マンしてやるよ。な?」





 ニヤニヤ笑いを浮かべるおれを、木村が悔しそうな、そして屈辱に濡れた瞳で見上げてきた。

 そして、唇を震わせながら、ゆっくりと開く。





「っ……イ……した……」





「え? 聞こえねーんだけど」





「~~~~~ッ! イ……イったのぉ♡! もう、十回以上イってるのぉっ♡♡! もう、イきすぎておマンコもクリトリスも限界なのぉっ♡♡!」





 あまりの屈辱と恥ずかしさにか、木村は目をぎゅっとつぶりながら、おれから顔を逸らして叫んだ。





 おれはそんな彼女を見下ろしながら、左手をクリトリスから離すと、制服のポケットに入っていたスマホを取り出した。





 そして、ビデオモードをオンにして、木村に向ける。





 目をつぶったままの木村は、おれの一連の動作に気づいていない。





「マジで、お前? まだ手マンして三分も経ってないのに、もう十回もイったのかよ? へぇー」





「っ……」





「人が質問してるんだから、答えろよ」





「ふみゃああッ♡♡!?」





 マンコに埋めた三本の指を、ぐるぐると半回転させながら出し入れさせる。





 指を引き抜く度に、粘土の高いマン汁がドロドロと割れ目から溢れてきた。机の上は、今やすっかり洪水状態である。せっかくなので、真っ赤になって本気汁をこぼす割れ目もドアップにして録画する。





「っ、ご、ごめんなさいっ♡♡ い、言いますっ♡♡! あたしは早漏女ですっ♡♡ 女のくせに、手マンとクリ弄りされて3分足らずで連続アクメ決めちゃった早漏ですぅっ♡♡!」





「うんうん。じゃあそれをもう一回、今度は学校名とクラス名、名前を一緒に自己紹介しながら言ってくれるか? そうだ。あと、ついでに……学生証……み……半……」





「え……? ッ、ふみゃあッ♡!? わ、分かりましたっ♡♡! 言いますぅっ、ちゃんと言いますうぅっ♡♡!」





 おれの言葉に一瞬だけ硬直した木村だったが、右手の指をマンコから引き抜き、勃起クリトリスに伸ばして、そこを指でぎゅううっと摘まんでやると、快く頷いてくれた。





 うんうん、よっぽどクリトリスを弄られたのが嬉しかったのだろう。スマホを左手で弄ってるから、さっきからクリトリスはおあずけにしちまってたもんな。





 お詫びの意味をこめて、今度は勃起クリトリスを指できゅむきゅむと揉み続けてやる。





「ふ……っ♡♡ ふ、ぅ……っ♡♡」





 木村は目を開けると、震える手で必死に自身のスカートのポケットをまさぐった。





 おれがスマホを持っているのは視界に入っただろうが、何も言ってこない。

 いつの間にか喋り方も敬語に変わっているし、おまけになんだか目もうつろだし、おそらくは連続アクメをキメすぎて、正常な思考が働いてないのだろう。





 木村はおぼつかない手つきでなんとかスカートのポケットから学生証を取り出すと、それを開いた。





 開かれたページは顔写真と学校名、クラス名、名前が書いてあるページだ。





 木村はそんな学生証を顔の横に掲げると、恥ずかしさと快楽によって真っ赤な顔になりながら、おれの命令通りに自己紹介を始めた。





「あ、あたし、陰乱学園二年B組、出席番号5番の木村ゆりはっ……ク、クラスメイトの男の子の弱みを握って、むりやりに手マンをさせましたが……ちょ、超絶スーパー早漏おマンコだったため、10分もしない内に何回もアクメしちゃって返り討ちにあいましたぁっ♡♡!」





 顔写真つきの学生証を顔の横に掲げ、足をぱっかりと大股開きで拡げて自己紹介を始めた木村を、スマホのビデオ機能で録画していく。





 おー、最近のスマホの画質はすごいな。

 木村の学生証の細かな文字も、そして、その股間でピンコ勃ちしているクリトリスや、割れ目から本気汁を垂れ流し続けているマンコも、ばっちりきれいに映っている。





「あ、あたしは、女のくせに、クラスメイトの男の子に手マンされて10分足らずで連続アクメ決めちゃった早漏女ですぅっ♡♡! みっ、みこすり半の早漏おマンコのくせして、調子にのってて、本当に申し訳ありませんでしたぁっ♡♡!」





「おいおい、嘘つくなよ」





「ひぉっ♡♡♡!?!?」





 この期に及んで木村がしょうもない嘘をついたので、そのペナルティとして、スマホを持っているのとは反対の指を木村のマンコに突っ込む。





 連続アクメによってぐちょぐちょに濡れていたため、そこは人差し指をなんなく咥えこんだ。





 これなら指を増やしてもいいなと判断し、いったん引き抜いて、中指と薬指もあわせて三本を突っ込む。





「おっ、ひぉぉっ♡♡!? ゆっ、指っ、かき回さないでぇっ♡!? イっちゃう、またイっちゃうのぉっ♡♡!」





「木村が嘘をつくのが悪いんだろ? ほら、“10分足らず”って、お前、そんなすぐバレる嘘を今さらついてんじゃねーよ。ほら、それを踏まえてもう一回自己紹介な」





「ご、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、嘘つきましたぁ♡♡! この期におよんで、見栄をはりましたっ♡♡! あ、謝りますからっ、正直に言いますからっ♡♡! 指、ぐちゅぐちゅするのとめてぇっ♡♡! イっちゃうの、もうイきたくないのにイっちゃうのぉ~~~~ッ♡♡!!」





 首を横にぶんぶんと振りながら、必死に腰をひいて指から逃れようとする木村。

 だが、身体に全然力が入ってないので、まったく動けていない。





 逃げるなという意味をこめて、マンコに埋めた指をナカでくぱあっと思いっきり広げると、「ふきゅうっ♡♡!?」という悲鳴をあげて、身体を硬直させた。そして、プシャアッと尿道から透明な液体を噴き出す。どうやら潮を噴いたらしい。





「ふっ、ふきゅっ……♡ ふぉっ……♡♡」





 ……ふむ。

 最初は、苛立ちの発散のためにやっていた行為だったが……なんか、だんだんと楽しくなってきたな。





 こんなに感じやすい身体の女、なかなかいないぞ。

 それでいて、本人は気づいてないようだが、木村は露出癖というかマゾっ気があるようだ。





 佐山へのシカト行為を止めるように頼んだ後は、それ以降は積極的に木村と関わるつもりはなかったのだが……ちょっと気が変わった。

 こいつは、これからはおれの「玩具枠」として遊ばせてもらおう。





 こういうプレイ、セフレ枠である佐山にはさすがにちょっとかわいそうで気が引けるし、よき相談役である吉村先生にはもってのほかだ。

 でも、この木村になら心おきなくできる。こいつになら、嫌われようが憎まれようが、別にかまわないしな。





「ほら、木村。もう一回、最初から自己紹介だ」





「はっ……はいっ♡ てっ、訂正しますっ♡! 嘘っ、さっきは嘘をついてましたぁっ……♡♡! 10分足らずじゃありませんっ♡! あたしは、男に手マンされて、3分もしないうちに連続アクメ決めちゃった早漏女ですぅっ♡!」





「うんうん、そうだろ。ったく、しょうもねー嘘つくなよなー」





「は、はいっ、すみませんでしたっ♡! あ、あたしは、女のくせに、手マンとクリ弄りされただけで三分足らずで10回以上連続アクメ決めちゃった、超・超・超早漏女ですぅっ♡♡! デリセク失格の激弱おまんこで申し訳ありませんっ♡♡! きょ、今日からはバイブとクリトリスを使ったオナニーで、頑張っておまんことクリトリスを鍛えまっ……んほぉおおおおぉぉッ~~~~ッ♡♡!?」





 自己紹介の途中だったが、木村の滑稽さに思わず悪戯心が働き、おれはマンコから指を引き抜くと、木村のピンコ勃ちのクリトリスを指できゅうううっと摘まんでみた。





 すると、木村の股間からは再びプシャアアアアアッと透明な潮が吹き出てきた。

 同時に、今まで以上にみっともない大声をあげた木村は、ガクンガクンと身体を痙攣させる。





「おっ、ほっ……ぉおっ……♡」





 じゅぷぷっ、とマン汁と潮で濡れた指を引き抜きながら、スマホの動画の撮影終了ボタンを押す。

 もちろん、最後に木村のマンコをどアップにして撮影してから終了をした。





 見れば、木村は白目をむいて、唇の端から舌先をだらんとのぞかせて、ピクピクと身体を震わせていた。どうやら気絶してしまったようだ。





「気絶したか……ま、別にこれでもいいか」





 おれは自分のズボンの前をくつろげると、チンポを取り出して、それを数回扱いた後に完全に勃起させた。そして、木村のぐちょ濡れマンコの中に突っ込む。





 ぬちゅうっ♡ にゅぷっ、にゅぷぷうううっ♡♡





「ふぉっ♡ ぉっ……♡」





「おー。これはなかなか……」





 木村は、マンコにチンポを突っ込んでも、目を覚まさなかった。





 だが、その喉からは自然に喘ぎ声が漏れており、マンコの肉ヒダもおれのチンポを嬉しそうにきゅむきゅむと締め付ける。

 だが、あまりにも連続アクメをキメさせたせいか、佐山や吉村先生ほどの締まりはなかった。





 ゆるいというわけではないが、マン汁で濡れすぎているせいで、ぬるぬるとどこまでもチンポが滑っていくような感覚だ。

 ローションの海にチンポを突っ込んだような感覚だ。これはこれで気持ちいいが、佐山や吉村先生ののマンコを知っている身としてはちょっと物足りないような気分になってしまう。

 ま、やっぱりこいつは玩具枠だな。





「ふぅ……」





 とはいっても、木村のみっともない姿にはなかなかクるものがあり、結局おれは、木村のマンコに二回ほどザーメンを吐き出してしまった。





 最初はピストンをぬぷぬぷと続けてる内に射精をしたのだが、二回目は、ふと思いついて木村のクリトリスを指でつまみながらピストンをしてみたのだ。





 おれがきゅむきゅむとクリトリスを指で摘まんだり、爪先でピンピンと弾いてみるたびに、それに連動して木村のマンコはおれのチンポをキュンッ♡キュンッ♡と締め付けてくるので、それが面白くなって何度も何度も続けていたら、二回目の射精を迎えたのであった。





 なお、そのせいで、おれが木村のマンコからチンポを引き抜いた時には、木村のクリトリスは真っ赤になって最初の時よりも二回りほど大きくなっていた。





 急激にデカくなったせいで、包皮はすっかりめくれあがり、木村のクリトリスを覆うことができない有様であった。





 なお、木村はおれが二回も睡姦セックスを行った後でも、とうとう目を覚まさなかった。





 おれはその間に、木村の制服から彼女のスマホを探すと、そこに保存されていた盗撮画像を消去した。





 盗撮したものとはいえ、彼女の写真を勝手に消してしまったお詫びに、今回の木村の自己紹介動画を代わりに彼女のスマホにデータ転送しておいてやる。

 ついでに、今後のために、木村とおれの連絡先をそれぞれ交換しておいた。





 そして、木村のケータイのアラーム機能を五分後にセットしておく。

 これで目が覚めなかったら、他のクラスメイトや先生が、木村のこのみっともない姿を見てしまうだろうが……ま、その時はその時だな。





「……よし、帰るか!」





 さて。何はともあれ、これで盗撮画像の件はクリアだ。





 そうしておれは、大股開きでマンコからマン汁と潮とザーメンをダラダラとこぼしてピクピクと震えている木村を後にして、意気揚々と教室を後にしたのであった。





『第25話 電話』





「――まぁ、そういうわけで佐山のことはなんとかなりそうです」





『――、――』





「先生?」





 電話の向こうから何も声が聞こえなくなってしまったので、いぶかしげに思って聞き返す。すると、ようやく慌てたような声で応えた。





『あ、ああ、ごめんなさい。まさかそういう方法で解決するとは思わなかったから、先生、びっくりしちゃって……』





「先生のアドバイスのおかげですよ。ありがとうございました」





『……そんなアドバイスをしたつもりはなかったけれど……でも、その佐山さんという子の問題が解決したのは喜ばしい限りだわ。その、木村さんっていう子は明日から佐山さんと仲良くしてくれそうなのかしら?』





「ええ、本人と先ほどラインでやりとりしましてね。問題なさそうです」





『そう……』





 相槌をうつ吉村先生の声には、どことなく嫉妬の響きがあった。





 なお、今までの会話を聞くと、吉村先生がおれと木村の間に起きた事情をすべて承知しているように聞こえるが、もちろんそうではない。

 おれが先生に話したのは、おれが木村と性行為をした際にどさくさに紛れて写真を廃棄したこと、そして、性行為の中で木村ときわめて『良好』な関係を築くことが出来たので、佐山のハブかれ問題について木村が尽力してくれると約束してくれた――ということだけである。





 逆におれが木村の動画を撮影したことや、彼女とどういうプレイをしたかなんてことは言ってない。

 嘘はついていないが、おれにとって都合の悪いことも言っていない、という感じ。





『そうなの……でも、先生は河野くんのことが心配だわ。そんな風に自分の身体を引き換えに、佐山さんを守ってあげるような真似をして……河野くんはつらくないの? 大丈夫……?』





 電話の向こうから心配げな声が響く。

 つくづく、美人女医が同情心に溢れた声音で囁いてくれるなんて、本当に前の世界のおれの立場じゃ考えられないな。





 このまま先生の同情をひいても良かったが、それをすると先生がこの問題に本気で首を突っ込んできかねないのでやめておく。





「おれなら大丈夫ですよ。木村の相手も、辛いってことは全然ありません。やっぱり先生と比べると、同級生の女なんて子供だし、テクニックも全然ないし。逆に先生と比べちゃうとマジで物足りなさ過ぎてどうしようかなって思って」





『っ! ……だ、だめよ、河野くん。そんなこと言っちゃ、その木村さんって子が可哀想じゃない』





 おれがわざと小馬鹿にするような声音で言うと、吉村先生がたしなめてきた。

 が、言葉の内容とは裏腹に、その声からは喜びが滲み出てしまっている。





『木村さんはまだまだ子供で、デリセクの経験人数だって少ないんだもの。ちょっとセックスが下手で、テクニックがなくたってしょうがないわ。ね?』





 木村をかばうようでいて、その実、彼女を貶める言葉を、すらすらと、もっともらしい口調で言う吉村先生。

 きっとこの電話の向こうでは、喜色満面でいるに違いない。

 先ほど先生が感じていただろう嫉妬心も、うまいこと霧散してくれたようだ。よしよし。





 一転してご機嫌になった吉村先生へ、改めて感謝の言葉と、週末の約束を楽しみにしていることを伝えると、おれは電話を切った。





 が、電話が終わった途端、すぐに新たなコール音が響く。

 吉村先生がかけ直しをしてきたのかと思ったら、着信画面に表示されていたのは佐山の名前だった。





「もしもし?」





『――ねぇ……あんた、ゆりりんになにかした?』





「なにかって、何が?」





 一瞬、佐山の言う「ゆりりん」が誰か分からなかったが、すぐに分かった。木村のことだ。





『……一時間くらい前にさ、グループラインにゆりりんからチャットがあって……「ごめんなさい、実は佐山と河野のフェラシーンを目撃したってのは私の嘘です。それっぽく見える写真が撮影できたから、佐山をからかうつもりで皆に見せたら大事になっちゃって……本当にごめん」って言うのよ』





「ふむ」





『それで「佐山もあたしがおかしなこと言い出したから、それで焦ってパニクちゃったんだよね? 本当にごめんなさい」って言ってきて……あたし、本当にびっくりしちゃって。本当はすぐにアンタに確認したかったんだけど、皆から次々にラインが来るから、いままで連絡できなくって』





「ふーん」





 へぇ、木村のやつ、そういう方向性で話を通したのか。





『……ねぇ、あんたがゆりりんになんか言ったんでしょ?』





「言ってないよ。それより、有坂のグループには戻れそうか?」





『う、うん。有坂も、みんなも、あたしに謝ってくれたから、たぶん明日からは大丈夫だと思う……』





「そっか、良かったな」





 うん。本当に、おれは木村に何か直接ああしろと指示を出したわけじゃない。





 ただ、自宅に戻ってから、木村のラインに





『今日撮影した動画、記念に送っておく。あ、ついでにクラスの皆にも見てもらおっか? この動画見て「早漏なのは私だけじゃないんだ!」って自信持てる人もたくさんいるだろうしw この動画見れば、おれと佐山のこともうやむやになるだろうしな。本当は佐山がグループの皆と仲直りができればいいんだけど……そんな方法はないだろうしなぁ』





と言っただけだ。





 しかし、佐山から聞いた内容だと、へたすれば木村の方がグループの女子からハブかれることになると思うが……よっぽどこの動画を見られたくなかったようだな。





 なんでだろう、こんなにしっかりきれいに撮影できてるのになー(棒読み)





 まぁ、木村はおれの玩具枠だから、木村がハブかれようが別にどうでもいいけど。





『あ、あの……河野』





「ん?」





『……ありがとね。あと、その……最初の時、変にウザ絡みしてごめん……』





 佐山のしゅんとした声音に、ちょっと驚いてしまった。

 一瞬、なんて言ったらいいか分からなくなる。





「言っただろ。別におれ、何もしてないから」





『う、うん。それでも、ありがと』





 なんか、いつもと違ってふにゃふにゃした佐山の声に、ちょっと調子が狂う。

 ……こいつって、こんな可愛い感じだったっけ?





『じゃあ河野、また明日、学校でね。おやすみ』





「ああ、おやすみ」





 どちらともなく電話を切る。





 電話を切った後、おれはしばらく佐山の声の余韻に浸っていた。





 が、その余韻はすぐに壊された。本日、三度目のコール音が鳴り響いたからだ。





 着信画面を見る――今度の電話の主は、くだんの木村からだった。





 木村からなら出る必要もないと思い、おれは電話を一回だけとった後、すぐに切電する。

 これなら相手もおれが電話に出る意思はないと分かるだろうと思ったのに、すぐさま新たに電話が鳴り始めた。

 めんどうくさくて放置しようと思ったが、電話がなりやむ気配はない。おれは溜息をつくと、しぶしぶ通話に応じた。





「ったく、こんな時間に何の用――」





『――これで動画は消してくれるんでしょうね!?』





「……はぁ?」





 いきなり響いたキンキン声は、スピーカーモードなのにかなりうるさい。





「動画を消すって、何の話?」





『だ、だから、今日の動画よ! 佐山から話は聞いたでしょう!? あたし、ちゃんとグループの皆に、あの写真はあたしのおふざけだって説明したんだから! これであの動画は消してくれるのよね!?』





 ……ふむ。

 どうやら木村は、おれに話が伝わった頃をみはからって電話をかけてきたらしい。





 けれども、言っている内容がまるで見当違いだ。





「お前、何言ってんの? 動画を消すなんて約束、誰がいつしたんだよ」





『――え?』





「おれはただ、佐山がグループの皆と仲直りができればいいなぁって言っただけじゃん。木村に何かして欲しいとか、してくれたら動画を消すなんて約束、一度もしてないぜ」





『そ、そんなの! あのラインの内容じゃ、絶対そう思うじゃん!?』





「知らねーよ、お前が勝手に勘違いしただけだろ」





『っ……!』





 電話の向こうで、木村がくやしさと屈辱にブルブルと震えているのが伝わってきた。





 かすかに『くそぅ、お、男のくせに調子にのりやがって……!』『あんなの、ちょっと気を抜いただけだし……! 私だって、普段はもっとちゃんとできるし……!』とブツブツ呟いているのが漏れ聞こえてくる。





「ふーん……そんなにあの動画消して欲しいのか?」





『あ、当たり前でしょ!』





「じゃあ、消してやってもいいぜ」





『……どうせ、タダじゃないんでしょ。いくら欲しいの?』





 おお、意外と察しがいいじゃん。

 でもおれは別に金には不自由していない。欲しいのは玩具だ。





「金はいらない。この動画を消すのに、おれとセックスするのが条件だ」





『――へっ?』





 おれの提案に、木村が驚いた声を上げる。

 一瞬だけ沈黙が続いたあと、つづいて、やにさがったような声が聞こえてきた。





『ふ、ふーん。なんだ、そう。やっぱり男って単純じゃん。そんなに、あたしとのセックスが忘れられないんだ?』





木村の言葉に、思わずズルッと椅子からずり落ちるところだった。

今度はこちらが絶句してしまう。





お、お前……今日のあの有様で、よくそんな図太いセリフが出てくるな……

意外とタフなのか?





「とは言っても、ただ普通にセックスするだけじゃないぜ。お前がイくよりも先に、おれを射精させることが条件な。それが一回でも達成できたら動画は消してやるよ」





『……えっ……』





「なんだよ、そんなに難しいことじゃないだろ? たったの一回だけだぞ」





再び、木村が電話の向こうで押し黙った。今度の沈黙は先ほどよりも長い。

そこで、おれは意図的にあざけるような声を出した。





「は、マジかよお前。別にそこまで難しい条件でもないだろ。そんなに自信がないのか?」





『っ! べ、別に自信がないわけじゃないわよ! た、ただ、あんたが本当に動画を消してくれるのか分かんないから……』





「おれは約束はちゃんと守るよ。まぁ……でも、勝ち目のない賭けにみすみす乗りたくはないよなぁ? ほんっと早漏だもんな、お前」





おれの煽りに、電話の向こうの木村がぎりりと歯ぎしりをする。





『~~~っ! い、いいわよ! そこまで言うなら乗ってやろうじゃないの! 見てなさいよ、その余裕そうな顔をぜったいアンアン言わせてやるんだからね、このビッチ!』





 そう言って、ぶつりと電話が切れた。





 叩きつけるような音が切電時に響いたので、おそらくは故意に通話を終わらせたわけではなく、木村が怒りのままに電話を床にでも叩きつけたのだろう。





 その証拠に、再び電話が鳴り始めた。

 今度は無視せずにきちんと電話に出る。





「もしもし。電話、壊れてないか?」





『ちょ、ちょっと画面が割れた……って、そうじゃなくて! 河野、あんたにもう一つ話があるのを忘れてたわ』





「話?」





『あたし……さっき、個別のラインで有坂から呼び出しくらったの。明日の放課後、例の教室まで来いって。今回の件、他の子はあたしの悪ふざけってことで納得してくれたんだけれど……有坂はたぶん、あたしの嘘に気が付いてるんだと思う』





『第26話 お嬢様系JK・有坂ありす①』





「…………」





 ――あくる日。

 すべての授業が終わった放課後、おれはくだんの『理科室』に一人で向かった。





 昨夜、あの後もう少し木村から話を聞きだしたところ、どうやらおれの知らないところで、木村は有坂と二人きりで話をした時があったらしい。

 その際の木村の態度と、ラインのグループチャットでの態度が合致しないため、有坂はグループチャットでの話のほうが嘘だと感づいているだろう、ということだった。





 まったく……せっかく揉め事がきれいに片付いたと思ったら、これである。





 しかもまたもや木村に足を引っ張られた形だ。

 木村と今度セックスする時には、前回の教室でのプレイ以上にあいつをいじめてやろうと決意した。





 電話でもそう伝えたところ、木村はあからさまに動揺していた。が、『そ……それで、今度はいつヤるつもりなの? 明日? 明後日? また教室でするつもり? それともあたしの家に来る?』と、こころなしか、期待のこもった声で聞かれたから、あいつも実はまんざらでもないのかもしれない。





 なお、心配していた佐山の件は、今日の教室の様子を見る限り、問題なかった。





 ギャル系グループの女子は、みんな、どこかばつの悪そうな顔で佐山に朝から謝罪をし、声をかけていた。

 佐山もホッとした顔で、グループの女子や、木村と話をしていた。

 また、被害者的な立場である佐山が、木村に屈託なく話しかけたことで、グループの女子たちも木村をハブくような空気は作れなかったみたいだ。よそよそしい態度ながらも木村を交えて会話をしていた。





 その様子におれも一安心したが――しかし、そのグループの輪に、やはり有坂だけは入っていなかった。





 皆から挨拶をされたり、話しかけられれば答えを返していたが、その反応はどれもそっけなかった。

 佐山もまたばつの悪そうな顔をしながら、自分から有坂に話しかけることは出来なかったようだ。





 しかし……今回、遠目に見てあらためて感じたことだが、有坂は、周りの女子と比べるとまとっている雰囲気がかなり違う。





 なんというか、クラスメイト達と比べて、まとっているオーラが違うのだ。





 昨日、木村に電話で聞いたところ、どうやら有坂は、おれこと”河野”や木村、佐山のような『国立ARウイルス対策センター』で育てられた人間ではなく、ちゃんとした『母親』がいるそうだ。





 デリセク制度を通して生まれた子供は、親は認知する必要はない。

 デリセク制度は国の政策だから『国立ARウイルス対策センター』が子どもを引きとり、養育してくれる。





 だが、有坂の母親は、有坂を実子として認知し、自身の庇護下で育てた。

 しかも、その母親は、国内有数の化粧品メーカーである『六精堂』の女社長だという。





『生まれながらにして、ちゃんとした“家族”がいるヤツってさ……もう見るからに、自己肯定感みたいなのがあふれてるんだよね~……。だから河野がもしも有坂とサシで話するっていうんなら、あたしや佐山みたいに上手くいくとは思わないほうがいいよ、マジで。特に去年のことだってあるし……』





「ふーん……ところでお前、あの後ちゃんと教室の掃除はしたんだろうな? 明日、教室がお前のマン汁臭かったら、罰として動画をYowtubeにモザイクして投稿するからな」





『ちゃ、ちゃんと掃除したわよ!  ……たぶん。だ、だいじょうぶのはず……』





 そんな風に、自信のなさそうな木村を尻目に、今度はおれが電話をガチャ切りしたのであった。先のお返しである。





 なお、もちろん、教室の掃除ができてない程度のことで動画をアップするつもりはない。

 こういうのはあっさり公開してしまったら面白くない。脅迫材料が手元にある状態の時が、イニシアティブをとれるんだから。

 公開するにしても、まずはモザイクありの動画を投稿して、徐々に……という予定だ。





 せいぜい、おれが飽きるまでは木村にはいい玩具役になってもらおう。





「…………」





 ――『理科室』のプレートの教室の扉の前で、おれはぴたりと足を止める。





 考え事をしながら歩いていたら、存外早く到着してしまった。





「――よし、行くか」





 この、有坂とのタイマンが成功するか否かで――おれと佐山の教室内での立場が決まる。





 そう考えると、おれは深呼吸をした後、ゆっくりと教室の扉を開けた。





「――有坂」





 教室内にいた有坂は、実験用のテーブルの前の椅子に座って、ぼうっと窓の向こうを見つめていた。

 しかし、おれが声をかけると、はっとした顔で立ち上がった。





 見れば、その瞳は真ん丸に見開かれている。





「え――、あれ……? 河野? じゃなくて、河野くん?」





 驚きの表情で立ち尽くす有坂に、おれは一つ頷いてみせながら、後ろ手で教室の扉を閉めて鍵をかけた。





「ああ」





「な、なんで、河野くんが……? えっ、ぁ、あれ? わ、私、ここに来いってゆりに連絡したはず、よね?」





 ……なんか、有坂が予想以上にあわあわとしている。

 その慌てっぷりは、なんかちょっとこっちが申し訳なくなるくらいだった。





「木村には、おれが無理を言って代わってもらったんだ。今回の件、有坂とサシで話したいと思ったから。色々と誤解があるみたいだし」





「そ、そうなの?」





「うん、そうなんだ」





「そ、そう……」





 そこまで言って、会話は途切れてしまった。

 椅子から立ち上がった有坂は、なんか、教室でのみんなへのそっけない態度はどこへやらという感じで、胸の前でもじもじと五指をいじっている。





 時おり、ちらりとおれの顔を見つめてくるが、視線が合うとすぐにパッと顔を逸らしてしまう。見れば、逸らされた有坂の顔は、頬から耳までピンク色に染まっていた。





 え、えーっと……あれ?





 なんか、有坂の様子がおかしいぞ?





『第27話 お嬢様系JK・有坂ありす②』





「…………ぅぅ」





 いつまで経っても有坂が口を開かず、おれの前でもじもじしているだけなので、ひとまず観察することにした。

 こうして見ると、やっぱり有坂はかなりの美少女だ。





 ぱっちりとした大きなアーモンド形の瞳に、色素の薄い、色白の肌。

 長いふわふわとしたストロベリーブロンドは、窓から差し込む夕日を受けて、きらきらと金色やピンク色に光っている。





 よく見れば、彼女のストロベリーブロンドは佐山や木村みたいに染めているものではなく、地毛のようだ。

透明感のある肌といい、もしかすると、ハーフやクォーターなのだろうか?





 それに何より、なんというか――有坂にはお嬢様然としたオーラがある。





 こうしているだけでも、どことなく、所作の一つ一つに気品があるのだ。

 顔立ちもレベルが高いのだが、まとっているオーラが華やかなのだ。





 それに何より――制服の上からでもハッキリと分かるほど、大きな果実をお持ちだ。





 たっぷりとした柔肉は、さきほどから有坂の動きにあわせて「たゆんっ」という感じや、「ぽよんっ」という感じでふわふわと揺れるのである。揺れまくっているのである。





 そういや前に、佐山のやつが「一番胸が大きいのは有坂」なんて話をしていたが……もしかすると、クラスどころか学年一、学校一の大きさじゃないか?

 ぜひ、その制服の下の果実を直に拝み、揉ませてもらいたいものだが……





「あの、河野くん……?」





「べつに、呼び捨てででいいけど」





「そ、そう? じゃあ、その……河野」





君付けでなくていい、と有坂に告げる。

すると、なんだか有坂は嬉しそうに唇をゆるめた。





「じゃあ……その、本題に入るけれど。河野は、ゆりの代わりにここに来たって言ってたよね? それはどうしてなのかしら」





「いや、別にたいしたことじゃないんだが。なんだか変な誤解をされてるみたいだから、有坂には一度、二人っきりでちゃんと話をしておきたかったんだ」





 おれの言葉に、有坂が小首を傾げた。





「誤解?」





「ああ。おれは本当に佐山と付き合ってるわけじゃない。あの写真だって、角度的にフェラしてるみたいに見えただけで、別になんてことないよ。佐山と二人で話をしてた時に、あいつがふざけて足元に来ただけだ」





「…………」





 おれの言葉に、やはり有坂は納得がいかないという表情であった。

 しばらく理科室には重苦しい沈黙が続く。





「……分かったわ。河野がそこまで言うなら、そういうことにしておきましょう」





 下唇を噛んで、両腕を組む有坂。

 納得はいっていないようだが、どうやら深い追及はせずに、ここで終わらせてくれるらしい。





 突然態度の変わった有坂をふしぎに思ったが、話が終わった以上、こちらから蒸し返すこともできない。

 おれは有坂に感謝の意を伝えた。





「ありがとう。有坂が分かってくれて良かったよ」





「……いいのよ。それよりも河野、悪いんだけれど、ちょっとこっちに来てくれない?」





「こっちって?」





「すぐ済むから、ちょっとだけ見て欲しいものがあるの。そこの机の下を、のぞいてみてくれる?」





 有坂に手招きされて、彼女のそばに置いてある実験机の下をのぞきこむ。

「もっと奥の方」と有坂に言われたので、不思議に思いながら床にしゃがみこんで机の下を見る。





 だが、どんなに覗き込んでもそこには何もなかった。

 空っぽの空間が広がっているだけだ。





「有坂、これが一体なんの――って、うわっ!?」





 首だけで後ろを振り返った瞬間、身体を突き飛ばされた。しゃがみこんだ体勢だったおれは、衝撃でそのまま床に倒れこむ。

 慌てて起き上がろうとしたが、間髪入れずに腰の上に馬乗りにのしかかってくる存在がいたため、それは叶わなかった。

 困惑と怒りを込めて、自分の上に馬乗りになった人物――有坂を睨む。





「有坂、お前っ、いったいなんのつも……っ」





 だが、その言葉を最後まで言い終えることはできなかった。





 おれの唇にやわらかいものがふにゅりと重なったからだ。





「――――!?」





すぐ分かった。これは、有坂の唇だ。





やわらかくて、ふにゅふにゅしていて、しっとりと濡れている。

目を見開くと、すぐ間近に瞼をぎゅっとつぶった有坂の顔が見える。





え、えーっと?

つまり有坂は今、おれを背後から突き飛ばして馬乗りになって、おれにキスしてるってことか?





…………なんで?





「んっ、ふっ……♡」





 おれの唇をこじ開けようとしているのか、有坂の小さな舌が唇の上をペロぺロと舐めてくる。

 必死な様子についうっかりキスに応じそうになってしまったが、慌てておれは有坂の両肩を掴み、彼女を引き離した。





「有坂! お前……いったい何のつもりだ?」





 怒鳴り声をあげたおれの顔の上に、ぱらぱらと透明な雫が降ってくる。



 思わず顔を上げて、ぎょっとした。

 細かな雨の正体は、有坂の大きな瞳からこぼれる涙だったからだ。





「お、おい? 有坂?」





「っ、やっぱり……河野は、みゆと付き合ってるんだ……」





「は?」





「だって、私とは、キスするのもそんなに怒るのに……それなのに、みゆにはフェラまでさせて……裏から手を回してまでみゆのことを庇って……」





 いや、今怒鳴ったのは、いきなりキスされたからであってだな……?

 っていうか有坂だって、いきなり突き飛ばされて無言のままわけも分からず他人からキスされたら、絶対に怒ると思うぞ?





「お前、なに言ってるんだよ? おれは佐山とは付き合ってないって言っただろ」





「そんなの嘘! みゆのことが好きじゃないなら、どうしてみゆのことをそんなに気にかけるの?」





「気にかけるって、それは……」





 おれが言いかけた言葉を遮って、有坂が涙目で叫んだ。





「一年の頃――私が河野に告白した時には、『そんなこと言ってどうせヤリ目的なんだろ、気持ち悪い』なんて言ったくせに! 私とみゆの、何がそんなに違うの!?」





 …………えっ?





『第28話 お嬢様系JK・有坂ありす③』





「こ――告白?」





 背中に冷や汗をダラダラとかきながら、有坂に聞き返す。

 聞き間違いであって欲しかったのだが、しかし、その儚い願いは涙目の有坂によってすぐさま否定された。





「そうよ……! 私がこの理科室に河野を呼び出して告白した時、河野はそう言って、私のことふったじゃない! それなのに、なんでみゆのことはそこまでして庇うの? なんで……私とみゆの、なにがそんなに違うのよぅ……ぐすっ……ひっくっ」





 そう言うと、有坂は馬乗りの態勢のまま、おれの胸元にしがみついてわんわんと大泣きしはじめてしまった。





 えー……どうしようコレ。





 と、とりあえず情報を整理しよう。えーっと、今の学年が二年生だから……つまり去年、有坂は『河野』にこの理科室で告白して、そしてこっぴどく振られたってことか?





 おい木村、聞いてねーぞ!?

 そんな重大なイベントがあったんならきちんと説明しておいてくれよ!





 ……い、いや、落ち着け。だいぶおれも混乱しているな。





 木村がおれに説明しなかったのも当然だ。

 だって、木村からしてみたら、当の『河野』本人であるおれにそんなことを一々説明するまでもない。『河野』が知らないわけないんだから。





「ぐすっ……ひっく、ぐす。みゆだって酷い……あの子のこと、私、親友だと思ってたのに……! 私に黙って河野と付き合い始めるなんて……せめて、ちゃんと正直に打ち明けてくれたら、まだ……ぐすっ」





「有坂……」





 しかし、まだ話がよく分からない。

 木村だけじゃなくて、佐山も、有坂の告白の件は知ってたのか?





「佐山は、その……去年、有坂がおれに告白した件は知ってたのか?」





「……ぐすっ」





 有坂は黙ったまま鼻をすすった。





 おれは少し迷った末に、泣いている彼女の肩にそっと掌を置いた。びくりと身体を震わせた有坂を、なだめるように肩から背中をゆっくりとなでる。

 すると、有坂が顔を上げておそるおそるおれを見上げた。





「河野……無理やりキスしたの、怒ってないの?」





「ああ。怒ってないから、ゆっくり答えて欲しい。佐山は、去年の件は知ってるのか?」





 涙目でこわごわとこちらを見つめる有坂は、教室で見るクールな印象とはひどくギャップがあった。

 なんというか、うさぎやハムスターみたいな、小動物系って感じ。





 しかし、この密着した体勢だと、有坂のおっぱいがダイレクトにおれの身体に当たってるな……。

 こんな時になんだけど、ちょっと幸せな感触だったり。





「……みゆや、グループの皆には……私が河野のことを好きだったことは知ってるけど、告白したことは言ってないの……。ゆりには、トイレで泣いてるところ見られちゃったから知られちゃってるけど」





「ふむ」





「だから、ゆり以外には、『ちょっといいなって思ったけど、話してみたらそこまでタイプじゃなかった』って言ってある……ぁ、えっと、その。べ、別に、河野のこと悪く言うつもりじゃなかったんだけど。でも、その……」





「いいよ、分かってるから」





 大丈夫だから、と言いながら、有坂の背中を優しくさする。

 すると、有坂がますます驚いたような顔でおれを見つめた。





 しかし、そういうことか。どうりで色々なことにしっくり来た。





 今回、佐山がグループの女子からハブかれたのは、一人で抜け駆けしたことだけが原因じゃなかったのだ。





 有坂が『河野』に告白した件は、木村以外の人間は知らなかった。

 だが、有坂が『河野』に対して、一時のこととはいえ好意を持っていたことは、グループの女子はみんな知っている。





 『河野』と佐山が付き合い始めたともなれば、グループのリーダー格であり、社長令嬢である有坂の怒りを買うと考えたのだろう。だから、佐山をシカトしたのだ。



 どうりで――抜け駆けした佐山に対して、嫉妬心にしては、随分と反応が苛烈だと思ったのだ。





 ならば。それを踏まえて、おれが今言うべき答えは――





「有坂――おれは本当に、佐山とは付き合ってない」





「……じゃあ、なんでみゆと? あの写真は細部までは写っていなかったけれど、でも、みゆとそういう行為をしたのは本当なんでしょう……?」





「それは……」





 ごくりと唾を飲みこむ。





 落ち着け、自分。

 まずおれが優先すべきは、有坂が佐山に対してネガティブな感情を持たないように誘導することだ。





 ここでおれが有坂を傷つけたり、または、プライドを逆撫でするような発言をすれば、有坂と佐山の関係がこれまで以上に悪くなるだろう。そうなれば、今までのおれの努力が水の泡だ。





 そのためには、『おれと佐山が付き合ってないこと』と『佐山にフェラをしてもらっていたことに対して理由』をうまいこと説明して、有坂に納得してもらうことが必要だ。





「有坂、ごめん」





「え?」





「去年、ひどい言葉で有坂を傷つけたこと、ずっと後悔してたんだ」





 頭を必死で働かせながら、まずは去年に起きたという『告白』の件について謝罪する。





 しかし、“河野”はおれの思っていた以上に女嫌いだったようだ。

 こりゃ、クラスの男子生徒二人からもっと情報を仕入れておいた方がいいかもしれない。今後もこんなことがあると困るぞ。





「あの時は、いきなり告白されてビックリして……ついカッコつけて、思ってもみなかったことを言った」





「河野……」





 おれの言葉に、有坂は信じられないというように目を見開いていた。

 そんな彼女の大きな瞳を見上げながら、おれは頭をフル回転させて言葉を紡ぐ。





「実は――佐山には相談にのってもらってたんだ。有坂にどうやって謝ればいいかって……」





「え……そ、そうだったの?」





「ああ。それにおれ、デリセク制度の対象者になっただろ? だから、有坂に謝るのに加えて、女性への免疫をつけるのに、色々とレクチャーしてもらってたんだ」





 説明をつけるのが難しいところは「皆まで言わなくても分かるだろ? 分かるよな?」的な雰囲気を出してぼかしておく。





 真剣な表情を取り繕って、目力を込めて有坂を見上げる。





「じゃあ、佐山はあたしと河野の仲を取り持つために……?」





 有坂は、困惑したような、そして感極まったような声でぽつりと呟いた。





 おれは思わず有坂に見えないように拳を握ってガッツポーズをとる。





 よし――よし!

 場の雰囲気に押されてか、有坂はおれのホワホワッとした説明を飲み込んでくれたようだ。





 多分、たとえばこれが人目のあるところとか、平静な状態で話していたら、有坂だっておかしい点や矛盾点に気が付いただろう。

 だが、ここは人気のない空き教室で、しかも有坂はおれを押し倒して無理やりキスをかました後という特殊なシチュエーションだ。

 くわえて、有坂はようやく泣き止んだところで、まだ心が冷静に物事を考えられる状態ではない。





 だから――今しかない!

 このまま、勢いで押し切る!





「有坂――だからおれは、本当に佐山とは付き合ってないんだ。信じてくれるよな?」





 手を伸ばして、おれの胸の上にのったままだった有坂の手を握る。





 有坂は驚いたようにぴくりと手を震わせたが、こちらの手を払いのけることはなかった。むしろ、頬をピンク色に染めて、瞳に期待にうるませながら、こくりと小さく頷いた。





……ん? 期待?





「うん、信じる……私こそごめんね。河野が、今までそんな風に思ってくれてたなんて、知らなかった……」





 恥ずかしそうに目を伏せる有坂。長いまつ毛が、彼女の頬の上に影を落としている。





 そして、有坂はおれが握っているのとは反対の手で、自分の髪をもじもじといじった。





 ……あれ? なにこの雰囲気?





「ねぇ、河野。その……やりなおししてもいいかな?」





「や、やりなおし?」





「……去年の告白のこと、私も本当言うと、ずっと後悔してたの。今思えば、河野だってほとんど会話してない女から空き教室に呼び出されて、いきなりすぎて怖かっただろうなって……私がもうちょっと気を遣ってれば、お互いにとってもっといい話し方ができたんじゃないかなって思ってたの」





「……う、うん」





 ストロベリーブロンドの毛先をいじりながら、ちらちらとおれの顔を見つめてくる有坂。





 やべ、どうしよう。





 有坂は――おれに再度の告白をするつもりだ!





 しまった、有坂を傷つけないようにするあまり、いい感じの空気を作り過ぎたか……!?





 というか、よく思い返せば、先ほどのおれの言葉は全部、有坂からしてみれば「素直になれなかっただけで、本当はおれも有坂のことが……」的なニュアンスにあふれまくっている!





 うかつだった、もっと言葉を選ぶべきだった……!

 この状況で告白されたら、もう断ることはできないぞ!? 有坂にとっては二度目の告白だ、どういう言い方をしたところで絶対に棘が立つ……!





「有坂、ちょっとおれトイレに――」





「私……その、実は、まだ河野のこと好きなの! よ、よかったら、私と……付き合ってください!」





 ――あ、詰んだ。





 なんとか会話を切り上げて理科室から出ていこうとしたが、間に合わなかった。



 くそっ、有坂に押し倒されている体勢じゃなきゃ、無理やりにでも部屋を出ていったのに……!





「河野……その、ど、どうかな?」





 両手で顔を覆いたい気分だったが、この状況ではそれもかなわない。

 しかも、有坂はおれに馬乗りの体勢のまま、期待と不安に満ちた表情で、おれを見つめている





……うん。この流れじゃ、もう絶対に断れないよなー……





 唇を開こうとした時、ふと、佐山の顔が頭をよぎった。

 あいつの馬鹿みたいに笑う顔を思い出して、自然と言葉が止まってしまう。





 だが、それは本当に一瞬のことで。

 おれは脳裏の幻想を振り払うと、有坂に向かって作り笑顔で頷いてみせたのだった。





『第29話 お嬢様系JK・有坂ありす④』





 ――異世界転生したら、JKの彼女が出来ました!





 ……うん、なんだ。

 普通なら喜ぶべきところなんだろうけど、いまいちテンションが上がんねぇ……





 はぁ~……せっかくデリセク制度なんていう楽しい制度のある世界なんだ、彼女なんて作るつもりはなかったのになぁ……





 しかも、クラスメイトだよ。クラスメイトの女子なんか彼女にしたら、もうおいそれと学校内にセフレが作れねぇじゃん。

 せっかく佐山という気軽なセフレと、木村っていう玩具が手に入ったところだったのに……





「……河野」





「うん?」





「あの……ごめんね、やっぱり、嫌だったかな……?」





 おずおずと声をかけてきた有坂に顔を向ける。





 おれと有坂は、あの後、理科室を出て二人で並んで廊下を歩いているところだ。





 なんでこうして二人で歩いているかというと、有坂から「一緒に帰りたい」とお願いされてしまったからだ。

期待に満ちた表情でこちらを見つめてくる彼女の誘いを断ることも出来ず、なしくずしにこうして一緒に帰ることになったというわけである。





 有坂と二人並んで歩いていると、すれ違う生徒や教師が驚いたように目をみはった。





 この世界では偏った男女比とデリセク制度のため、女嫌いだったり、女性が苦手な男が多い。

 だから、こうやっておれが有坂と並んで歩いている光景はかなり珍しいもののようだ。中には、嫉妬混じりの視線を送ってくる女子生徒もいた。





「ご、ごめんね。いきなり一緒に帰ろうなんて言い出しちゃって……迷惑だったよね? 私ばっかり浮かれちゃって……」





 理科室を出てからおれがずっと黙っていたからだろう。

 有坂はそう言うと、気落ちしたようにしゅんと肩を落とした。





「いや、そんなことないよ。ただ、有坂とこうして二人でいるのって初めてだから、ちょっと緊張しちゃって。ごめんな」





「う、ううん! 私も、せっかく誘ったのに変な事言ってごめんね」





 おれが謝ると、慌てたように有坂が首を横に振った。





 うーむ。今まで佐山のことがあったから、あまり有坂と接触をする機会はなかったけれど……こうやって話してみると、普通にいい子だな。

 だからその分、ちょっと罪悪感というか、気が引けるんだよな……





 なにせ――有坂が好きになったのは、ここにいる『おれ』じゃない。





 有坂が好きになって、告白したのは、おれと入れ替わりであっちの世界に行ってしまった“河野”なのだ。

 それに加え、おれは有坂とまさか恋人になる気だってなかった。さっきの告白だって、佐山の問題がなかったら、普通に断っていただろう。

 だから、おれは有坂のことを二重に三重にも騙しているわけである。





 そんなことを考えていたら、おれと有坂はいつの間にか校舎の一階にある生徒用の玄関口へと着いていた。

 部活のない生徒は皆帰ってしまった時刻のため、あたりには人はおらずがらんとしている。

 靴箱から靴を取り出して上履きを履き替えていると、おれはふとあることに気が付き、同じく靴に履き替えている有坂に顔を向けた。





「そういえば、有坂っておれのどこが好きになったんだ?」





「えっ」





 おれの質問を受けた有坂が、靴に履き替えようとしたポーズのままぴたりと硬直する。

 その二秒後、彼女の顔はみるみるうちに真っ赤になった。





「ど、どこがっていうか……えっと、その」





 足を下ろした有坂は、もじもじと指を絡ませながら頬をピンク色に染めている。





 なぜこんな質問をしたかというと、ただ単純に有坂が“河野”に惚れたきっかけが分からなかったからだ。





 なにせ、本物の“河野”は極度の女嫌いだった。

 有坂をフった際のエピソードを鑑みても、彼が女子生徒と良好なコミュニケーションをとっていたとは考えづらい。





 なら、いったい有坂は去年、どうやって”河野”と接点を持ち、“河野”に告白するに至ったのだろう?





「え、えっと……河野は覚えてるかな? その、去年、私がたまたま朝早く登校してた時に、河野が一番に教室に来てて……」





「うん」





 おお。朝の教室で偶然二人っきりなんて、なんか少女マンガっぽいシチュエーションじゃないか?





「そこで、私が『おはよう』って言ったら、河野がちらっと私の方見て『おはよう』って言ってくれて……それで……」





 そう言って、ますます林檎のように真っ赤になった頬を両手でおさえる有坂。





 ………………え?





 ちょっと待って、それで終わりか!?

 おはようって言って、おはようって返されただけ!?





 それで好きになっちゃうとか、恋愛観が幼稚園児かよ!?

 いや、でも今どきの女児でももうちょっとマセてるぞ!?





 ……いや、待てよ。こっちの世界の男女観で考えればありなのか……?





 ”河野”の性格を考えれば、有坂をシカトしないで、返事をしただけでもすごいことかもしれないし……いや、でも……





 ま、まぁ、有坂に対する罪悪感はおかげさまでちょっと減ったかも。

 あいさつ返すだけでいいなら、このおれでも全然大丈夫だろうし。うん。





「そっか。教えてくれてありがとう」





「う、ううん」





「そういや、おれはいつも自動運転タクシー拾って家まで帰るんだけれど、有坂はどうしてるんだ? 寮だっけ?」





「私の家も、河野と同じ駅前のところのマンションだよ。だから、良ければ、その……一緒にタクシーに乗ってもいい? せっかくだから、まだ、河野と話がしたくて……」





 再びもじもじと指を絡ませて、期待を込めてじっとおれの顔を見つめてくる有坂。





 ……うーむ。今の話を聞いてちょっと罪悪感が薄れたからか、なんか、だんだんと有坂が可愛くみえてきた。





 っていうか普通に美少女なんだよな、こいつ。顔もすっごい小さくて、色が白いし。

 胸が大きいのもポイントだ。今も有坂が小首をかしげるのに合わせて、その大きな二つの果実がふよんっと揺れた。





「じゃあどうせならおれの家に来ないか? たいしたもんはないけど、飲み物ぐらいなら出せるし」





「え? ……えっ!?」





『第30話~お嬢様系JK・有坂ありすの場合~』





 し――信じられない。





 あの河野が――私のなかば勢いだけで行った告白を受けいれてくれたのも驚きなのに!

 まさか私を、自宅に招いてくれるなんて……!





「ソファに座ってて。コーヒーでいいか?」





「う、うん。なんでも大丈夫」





 落ち着きなくキョロキョロと部屋の中を見回しならが、促されるままにソファに座った。





 私が今いるのは、クラスメイトである河野の自宅である。





 部屋の中は思った以上にきれいだった。大きなテレビの前にゲーム機とゲームソフト数本が散らばっているくらいで、あとは整理整頓されている。





 ちょっと興味を惹かれて、ソファから立ち上がってテレビの前にしゃがみこみ、ゲームソフトを見てみる。置いてあるゲームソフトはパズル系とファンタジーっぽいアクションゲーム、格闘ゲームと、ジャンルはばらばらだった。





 タイトルを憶えておいて、家に帰ったら自分でも買ってみよう。ゲームはやったことないけれど、でも、彼が好きなものはなるべく知っておきたいし。今後の話題にできるかも。

 ふむふむと必死にタイトルを覚えていると、不意に、背後から声をかけられた。





「なにしてんの?」





「きゃっ!?」





 慌てて立ち上がり、背後を振り返る。

 そこには、カップを二つ手に持って、けげんそうな顔をしている河野がいた。





「ご、ごめんね。置いてあったからつい見ちゃって……」





「ふーん? 有坂はゲームとかするのか?」





「う、うん、たまにね! 時々、すっごくたまにだけど!」





 ゲームなんて全然やったことないけど、それを言うと、彼が気分を悪くしたり、面白くない女だと感じるかもしれないと思ったので、必死で話をあわせる。





「そうなんだ。あ、これコーヒー」





「あ、ありがとう」





 どきどきしながら、河野から手渡されたカップを受け取る。





 ……このカップ、普段、河野が使ってるものだったりするのかな。

 もしも、そうだったら、間接キスってことだよね……!?





 先ほど以上に心臓が早鐘を打つのを感じながら、カップをしっかりと両手でもつ。





 河野がソファに座ったのをみて、私もおそるおそるその隣に、すこし距離をあけて座る。





 ……それにしても……





 あの河野が、まさか、私の告白にオーケーしてくれるなんて思ってもみなかった。





 っていうか、まさか私が、河野に二回目の告白をすることになるなんて、考えてもみなかった。





 ……河野という男子生徒は、私が今まで出会ってきた男の人の中でも、とびきり女嫌いだった。





 クラスメイトの女子が話しかけた場合は「ああ」「うん」っていう返事が返ってくればまだいい方。

 基本は無視。クラスメイトどころか、女性教師が話しかけた場合も億劫そうな態度で無視をすることが大半。





 でも、こんなご時世なのだから、河野がそこまで女嫌いになるのも分からないでもない。





 そんな彼が――去年、私が「おはよう」という挨拶をした際に、挨拶を返してくれたのだ。



 だから私は、浮かれた。





 「もしかして彼って私には他のクラスメイトよりは好意を持ってくれているのかな?」という自惚れは、いつの間にか「もしかして彼は私のことが好きなんじゃ!?」という思い上がりに変わっていった。





 ……多分、あの時の私は、本気で河野に恋をしていたわけではなかった。





 ただ、自分が”恋”をしているという状況にのぼせていたのだ。





 ……自宅のママの書斎には、数十年前の少女マンガがいくつか置かれている。

 デリセク制度なんていうものがなく、そして、世界的な男女数の比率も、さほど大きな偏りのなかった時代の漫画だ。





 クラスにいるかっこいい男の子がヒロインのことをいつも気にかけて、助けてくれて――最終的には二人は結ばれて、ハッピーエンドで終わる。





 私はその少女マンガを読んで、「こんな恋物語は今の時代ではありえない」と思いつつも、心のどこか奥で「こんな素敵な恋がしてみたい」と思っていた。





 だからあの日、河野に挨拶を返されて――私は一気に”恋に恋する女の子”状態になってしまった。





 そして――だからこそ、結果は惨敗だった。





 けれど、それも今思えば当然の結末だ。

 私が恋をしていたのは河野自身ではなく、“恋”という現象そのものだったのだから。





 でも、振られた直後は、私は自分のそんな醜い思いに気づかなくて、河野を憎みさえした。

 のぼせあがっていたのは認めるけれど、何もあんな酷い言葉で振らなくても、と逆恨みをして、その後は、そんな自分が恥ずかしくなって、必死で河野のことを意識にいれないようにした。





 そして、私が玉砕した日から一年が経過し――ようやく河野を視界にいれても心がざわつかなくなって。





 でも、ある日から、なんとなく河野がまとう空気が、こころなしか穏やかなものになって。

 不思議に思っていたら、なぜかみゆがチラチラと河野のことを視線で追っているのを目にするようになって―――そして、ゆりから、あの写真を見せられて。





みゆに裏切られた、という思いと共に――胸の奥に溜まっていたものが一気に爆発した。





 ――どうして? なんで? だって私をあんな酷い言葉で振っておいて、どうして、よりにもよってみゆと? 私の何がいけなかったの? みゆとそんなことができるくらいなら、私でも良かったじゃない、だって私のほうが河野のことを先に見てて好きになって、ママだっているしママはお金持ちで社長だしみゆは親がいなくて私のほうが、違う、こんなこと考えちゃ駄目なのに、みゆは大事な友達で幼馴染なんだからこんなことを考えるなんてダメ、でも、こんなことを考えさせるみゆなんて本当に友達って言えるのかな、河野のことを好きになったならなんで私に言ってくれなかったのかな、去年私が河野のこと好きでいたのは知ってたはずだしもしかして本当は私のこと友達と思ってなかったってことなのかな、みんなには内緒にしているけれど実は今もずっと河野のことが好きなのに、なんで、河野はみゆなんかを選んだのかな、私のほうが先に好きになったし、ずっと前から河野のことを見てたのに、なんで、どうして――





「――有坂? 話、聞いてる?」





「えっ!? あ、ご、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてた……!」





 河野に呼びかけられ、ハッと彼に向き直る。

 が、その瞬間、慌てすぎたせいで、私は持っていたカップを傾けてしまった。気が付いた時には、カップからこぼれたコーヒーが私のスカートに零れてしまっていた。





「あっ……!」





「うわっ、有坂、大丈夫か?」





「ご、ごめんなさい!」





 慌てて持っていたカップをテーブルに置いたが、時はすでに遅かった。

 私のスカートはコーヒーでぐっしょりと濡れて、滴った雫が、ソファに垂れてしまっている。慌ててハンカチでソファを拭いたものの、シミが残ってしまった。





 恐る恐る河野の顔をちらりと窺うと、彼は顔をしかめていた。小さく「うわ、どうするか」と呟いている。

 そんな彼の表情に、さあっと血の気が引く。





 ど、どうしよう……! せ、せっかく河野が自宅に呼んでくれたのに、こんな失敗をしでかすなんて……!





「ご、ごめんなさい! せっかくお家に呼んでくれたのに、ソファを汚しちゃって……! い、今すぐクリーニングの業者を手配するから!」





「え、ソファ? いや、それより有坂のスカートの方が大惨事だろ」





「それより、ソファ買いなおした方がいい? あっ、でもこのソファになにか思い入れがあったりするの? ほ、本当にごめんなさい……」





 大失態をおかしてパニック状態になった私は、しどろもどろに河野に思いついた提案を述べていく。

 いつの間にか、目からはぼろぼろと涙が零れていた。





 うう……本当に最悪……せっかく河野が二度目の告白をオーケーしてくれて、自宅に招いてくれたのに……こんなことじゃ私、また振られちゃうかもしれない……





「ごめんなさい……私、なんでもするから……だから、私のこと嫌いにならないで……」





 ぐすぐすと涙声で河野に懇願する。

 ふと、目の前が暗くなった。





 見れば、いつの間にか、河野が私のすぐ至近距離にきていた。

 河野、と名前を呼ぼうとしたところで、その声が音になる前に、彼の唇が私の唇に重なった。





『第31話 お嬢様系JK・有坂ありす⑤』





 ――お、重いなぁ、こいつ……!





 有坂という女は、どうにも扱いにくい女だ。





 別にソファにコーヒーこぼしたくらいで、怒りゃしないのに。っていうか。言われるまで気づかなかったくらいの飛沫だし。そもそもおれ、このソファの上でさんざん飲み食いしてるから、その程度の汚れは今さらじゃないかとも思う。





 それより有坂のコーヒーでびしょぬれになったスカートの方が大惨事だろうに。まぁ、涙ながらに「嫌いにならないで」と言ってくる有坂はちょっと可愛かったけれど。





「んっ……!?♡」





 どうフォローすればいいか分からなかったので、とりあえずキスをしてみる。

 すると、有坂はびっくりした顔で固まった。





「んっ、ふ♡」





 有坂とのキスは、佐山や吉村先生とは違って、ぎこちないキスだった。

 舌で有坂の唇を舐めてみるが、彼女は身体を硬直させたまま唇を開こうとしない。





 うーん……とりあえずキスしてみたけれど、この先どうするか。





 元の世界だったら、付き合って初日にセックスに持ち込もうなんてしたら、即フラれるだろうが――有坂はどうだろう?





 元々の”河野”を好きになったくらいだから、今の固まった様子をみるに、大人しい性格の男が好きなんだろうか。

ならば、こんな風に男側から積極的にいくタイプは好みじゃないか?





「んっ――あ、あの、河野っ!」





 そんなことを考えながらキスを終えると、有坂が困ったような表情でおれを見上げてきた。

 身じろぎをしている様子は、おれから距離をとりたがっているようにも見える。





「どうかした?」





「あ、あの、その……い、意外と慣れてるのね。河野は、ほら、女嫌いだったから、こういうのは好きじゃないと思ってたんだけれど……」





 戸惑ったような有坂の問いかけに、おれは肩をすくめてみせた。





「最近は考え方が変わったんだ。デリセク制度は国民の義務だし、それなら楽しんだ方がいいだろ?」





「そ、そう……」





おれがそう言うと、有坂はさっと顔色を変えて視線を逸らした。

そして、青ざめた顔で俯いてしまう。





 ふむ。この様子から察するに、やっぱり有坂は自分から積極的にいくような男は好みじゃないか?

 思ってたのと違う、と幻滅したのだろうか。まぁ、それならそれでもかまわないが。





「有坂? どうしたんだ」





「その……わ、私、河野に言わないといけないことがあって」





 太腿の上で拳をぎゅっと握りしめる有坂。





 そして、しばらくの沈黙の後に、有坂はおれに視線を合わせないまま、苦い表情で告げた。





「実は……私、処女なの……」





「えっ?」





 思いがけない言葉に、びっくりして、まじまじと有坂を見つめる。





 えーっと……聞き間違いじゃないよな?





「処女って……だって、デリセク制度は?」





「その……処女はデリセク制度の対象外だから」





「えっ、そうなのか?」





 こくりと頷く有坂。





 思いがけない言葉と、デリセク制度の知らなかった部分に、おれは彼女に説明を続けるように促した。

 有坂は少し不思議な顔をしながらも、丁寧に説明をしてくれた。





 ――処女がデリセク制度の対象外になる理由としては、破瓜による痛みと出血による心的外傷を避けるため、だそうだ。





 個人差もあるが、女性は破瓜によって激しい痛みを感じるものもいるし、逆に、あまり痛みは感じず、出血もほとんどない人もいる。

 初めてのデリセクが痛い思いで終わってしまっては、その後、女性側がデリセク制度に快く臨めなくなってしまう。

 そして、男側も、挿入によって痛がり、出血をしている女性を見れば、デリセク制度に対してますます忌避感を抱いてしまう。





 ひいては、男性と女性共にセックスを抵抗なく受け入れられるようにするために、処女はデリセク制度の対象外となっているそうだ。





「デリセク制度の対象年齢になった女性は、まず国立ARウイルス対策センター系列の病院にいって、検診と破瓜の処置を受けるの」





「処置……」





「そう。局部麻酔で処置をしてもらうから、今はまったく痛みもなく破瓜できるらしいわ。まぁ……ほとんどの女の子は、もう対象年齢になる頃には、自分で一人で玩具とかで済ませちゃってるから、病院で処置してもらう子はあまりいないらしいけれど……」





「じゃあ、なんで有坂は処置はやってもらわなかったんだ?」





「そ、それは、その……」





 おれが尋ねると、有坂は言いづらそうにもごもごと口ごもった。

 その気まずそうな表情から、なんとなく理由に検討がついてしまった。





「あー……もしかすると、去年おれにフラれたってのが理由だったりする?」





「……そ、その……」





 有坂は気まずげな表情のまま、しかし、おれの言葉を否定しようともしない。





 うーん、やっぱりか。有坂がデリセク制度の対象外者のままである理由は、去年”河野”にこっぴどくフラれたことが理由だったようだ。





 まあ、初めて異性に告白した結果があんなひどい終わり方だったなら、デリセク制度で男とセックスする気になれないのも分かるな。





「でも、処女っていう理由で、女はデリセク制度の対象外になれるんだな。もっと強制的な制度のイメージがあったんだけど」





 有坂が言葉に困っている様子なので、話題を変えてやる。

 おれが出した助け舟に、有坂はほっとした顔に変わった。





「う、うん。女性は比率が多いから、持病なんかの理由があると、比較的簡単にデリセク制度の辞退や延期ができるの。だから、私もママに頼んで、脱処女の措置とデリセク制度を延期してもらったの」

「へぇ……有坂の場合はどんな理由で?」

「私の場合は、生まれつき人より白血球の数が少なかったから、それを理由にして……あっ、日常生活を送るのには問題はないし、別にデリセク制度の対象外になるほどのことでもないんだけれどね」





「そうなんだ」





 有坂の説明を聞きながら、もう一度、彼女をじっと見つめる。





 が、有坂は逆に、おれと視線が合うと顔を曇らせてしまった。





「……ごめんなさい。河野、びっくりしたよね? こんな風に河野と付き合える日がくると知ってたなら、勇気を出して、早く脱処女したのに……」





「え?」





「まさか私が処女だったなんて知って、幻滅したでしょ? 本当にごめんなさい。明日朝一番に病院に行って、処置してもらって、河野が恥ずかしくないような彼女になるから……」





「ちょ、ちょっと待て!」





 とんでもないことを言いだした有坂に、慌てて詰め寄り、彼女の両肩を掴む。





 病院で処置をしてしまうなんて、もったいない。

 この世界の価値観じゃ、有坂みたいなケースはかなり珍しいはずだ。





「か、河野?」





「幻滅なんかしてないよ。だって、おれが有坂の初めてをもらえるってことだろ? 嬉しいよ」





 薄汚い欲望はひた隠しにして、耳障りのいいきれいな言葉を吐く。





 すると、有坂は目を真ん丸にしておれを見つめた。





「……嘘みたい。まさか河野が、あの少女マンガみたいな台詞を言ってくれるなんて……」





「少女マンガ?」





「あ、ごめんなさい、それは私の個人的な話で……」





 ふるふると首を横にふる有坂。

 そして、彼女は期待のこもった瞳でこちらを見上げた。





「……本当にいいの? 本当に、私なんかの処女をもらってくれるの……?」





「もちろん。おれも、できる限り優しくできるように頑張るから」





「っ……!」





そう言うと、有坂はますます感極まったよう表情へ変わった。

そして――今度は、有坂の方からおれにキスをしてきた。





『第32話 お嬢様系JK・有坂ありす⑥』





「んっ♡ んっ、んむ……♡」





 有坂からキスをされるのは今日二回目だが、やっぱり、お世辞にも上手とは言えないキスだった。

だが、一生懸命なのは分かる。

 たどたどしく舌をおれの舌に絡めてきたり、顔を傾けてなんとか角度をあわそうとしたりという仕草が、なんとも健気だ。





「河野……ぁっ♡」





 キスをしながら、おれは有坂のシャツに手を伸ばしてボタンを開ける。

 シャツの前を開けると、胸に実った大きな果実がますます揺れた。思わずごくりと唾を飲みこみつつ、今度はシャツの下にあるブラに手を伸ばす。





 幸いにも背中側にフックがあるタイプではなく、前で留めるタイプのフロントホックのブラだったので、

 シャツを脱がせる必要もなく、ブラの前を開けることができた。





「うぉっ……」





 ブラのフロントホックを外すと、ふよんっと大きく果実が揺れた。

 その大きさに、思わず声を上げて驚くと、有坂が恥ずかしそうに頬をピンク色に染めた。





「ご、ごめんね河野、無駄に大きいでしょ? 見るのが嫌なら、別に無理しなくても大丈……んぁっ♡!?」





 有坂が言い終わらないうちに、おれは欲望が抑えきれず、あらわになった有坂のおっぱいに触ってしまっていた。



 うわ、すごいな。

 こうして触ってみるとめちゃくちゃでかい。そしてめちゃくちゃやわらかい。

 下から包み込むように持ち上げると、掌の上に柔肉が乗り切らず、指の隙間から零れてしまう。





「あっ、んっ♡ 河野っ……んんっ♡!」





 あまりにも楽しすぎる感触に、おれは魅入られたように、有坂の胸をぽよぽよと弾ませるようにして触ってしまう。

 さすが、佐山が『クラスで一番胸がでかい』と評していただけだあるな。というか、クラスどころか学校一じゃないだろうか。





 それに、ただでかいだけじゃない。

 有坂のおっぱいはきれいな釣鐘型で、形もいい。かなりの大きさの胸だが、垂れ下がることなく、乳首に向かってぴんと張りがある。





「んぁっ♡ ぁっ……きゃんっ♡!?」





 しかも――これはパフィーニップルっていうんだったか?





 淡い桜色の乳首は、乳輪自体がふっくらと膨らんでいたのだ。

 話しには聞いていたが、初めて見たな。





「あっ、ぁっ、か、河野っ♡? そ、そんなところまで触るのっ……♡? んぁあっ♡!?」





 物珍しさに、思わず指先でふにふにと乳輪をつまんでみると、その先端の乳首がぴくぴくと震え、固くなり始めた。

 コリコリと固く、とがっていく乳首の感触が面白くて、そのまま乳輪と乳首を指でいじってみる。





「っ~~~~ッ♡♡!」





 乳首を指でコリコリと揉みこんでいると、有坂がびくびくと身体を痙攣させた。

見れば、顔を真っ赤にして、両手で必死に自分の口元を抑えている。両足にも力が込められ、そのせいで太腿ががちがちに強張っていた。

 どうやら、懸命に快楽を耐えているようだ。





 多分、前回の木村と同じ気持ちなのだろう。

 この世界では男女の貞操観念が逆転している。だから、男性よりも先に女性が絶頂したり、または、あまりにも早い絶頂を迎えてしまうと、女性側が『早漏』扱いになってしまうのだ。





 有坂も処女といえど――いや、多分、処女だからこそ、プライドがあるのだろう。

 そのため、必死にイキ我慢をしているのだ。





 おれはすこし考えた後、今回は有坂を先にイかせるのは止めることにした。





 有坂は、木村とは違う。

 恋人との初経験が嫌な思い出になってしまっては、さすがに可哀想だ。

ただでさえ、昨年の“河野”との件で異性との性行為に忌避感を覚え、デリセク制度を延長までしているのだし。





 名残惜しいが、ゆっくりと手を有坂のおっぱいから離す。





「っぁ♡…………ふぁ?」





「有坂、大丈夫か?」





 おれが声をかけると、有坂がハッとした表情に変わった。

 そして、顔を一気に真っ赤にして、慌てたように首を横に振る。





「だ、大丈夫! ご、ごめんねっ、ちょっと気持ちよくて、ぼーっとしちゃってた!」





「そっか。有坂が気持ちよくなってくれたなら良かった」





「ご、ごめんね、本当は私がリードしないといけないのに、河野ばっかりに頑張らせちゃって……」





 しゅんと肩を落として項垂れる有坂。

 おれは手を伸ばして、膝の上に置かれた彼女の手をそっと握った。すると、有坂は目を見開いてこちらを見つめてきた。





「別にいいよ。こういうのって、どっちがリードしなきゃいけないとかじゃなくて、最終的に気持ちが通じればいいんじゃないかな。もしも有坂がまだセックスが怖いなら、別に今日、本番まで行かなくてもいいしさ」





「河野……」





 耳触りのいい言葉を吐いているが、元の世界でこんなことを女の子(しかも処女)に言っていたら呆れられているところだろう。

 そう考えると、有坂が再び潤んだ瞳で嬉しそうにこちらを見つめてくるのに、罪悪感を覚えないでもなかった。





「……ありがとう。私、河野のこと好きになって良かった」





 有坂は瞳を涙で潤ませて、ぎゅっと手を握り返してきた。

 そして、決心したような面持ちでおれの顔を見つめる。





「その……わ、私は、河野がよければ、今日、最後までしたいな。河野と恋人になれた記念日だから!」





「本当? 無理してないか、有坂?」





「だ、大丈夫だよ! ただ、あまり上手くはできないかもしれないけれど……私も女だもん! 河野のこと気持ちよくできるように頑張るから!」





 うーむ。こうまで言われては、断るのも野暮か。





「分かった。ま、あんまり気張らないようにな」





「う、うん……じゃあ、その、さっそくなんだけれど……私も、河野の服を脱がせてもいい?」





 いいよ、と了承すると、有坂は待ちかねたようにおれの服に手を伸ばしてきた。

 一生懸命な様子でおれのシャツのボタンに手をかけ、脱がしてくる。もともと器用なのだろう、そう間を置かない内におれは上半身裸になった。





「わっ……お、男の子のハダカって初めて見た……♡」





 おれの身体を見て、有坂がごくりと唾を飲みこんだ。





 そして、おれの身体に視線をちらちらとやりながら、自分のスカートに手をかけ、下着ごと脱いだ。これで有坂は完全に生まれたままの姿になったわけだ。とはいえ、素っ裸になったことに対して、有坂が恥ずかしがる様子はない。





 おれもまた、自分自身でズボンを下着ごとずり下ろし、同じように裸の状態になる。あらわになった股間に、先ほど以上に有坂の視線がつきささるのを感じた。





「じゃあ、河野……ソファの上に横になってもらってもいい?」





 有坂に促され、おれはソファの上に寝転がる。

 どうするのかと思っていると、おれの身体の上に、すぐに有坂が跨ってきた。





「んっ……♡」





 有坂は腰を下ろすと、その割れ目をおれのチンポにぬるぬると擦りつけてきた。

 先ほどのおっぱいへの愛撫で濡れ始めていた割れ目。その肉ビラにぬちゃぬちゃとマッサージされる感触に、おれのチンポはすぐにムクムクと頭をもたげてしまう。





「あはっ……♡ 嬉しい♡ 河野のチンポ、私で興奮してくれてるんだね……♡」





 勃起したチンポの感触に、うっとりと瞳をとろけさせる有坂。

 そして、彼女の手がおれのチンポに伸ばされ、支えたかと思うと、チンポの先端を割れ目の間にぴったりと押し付けた。





「ん、んんっ………!♡」





 そして、ゆっくりと腰を下ろしていく。





ぬぷぷぷぷっ……♡





 咄嗟に手を伸ばして有坂の腰を支えたが、寝転がっている体勢のせいで、たいした支えにはならなかった。

 だが、有坂的にはおれが支えようとしたことが嬉しかったらしく、頬をピンク色に染めて「河野、ありがと……♡」と小さな声で礼を述べてきた。





「んっ、んーっ……♡!」





 そして――チンポが有坂のナカに埋められたところで、不意に、先端が膜に当たった。

 有坂はいったん瞳をぎゅっと閉じた後に、ぐっと腰を下ろす。すると、ぐっと何かをこじ開けるような感触の後、結合部からわずかに鮮血が流れた。





じゅぷっ、じゅぷぷっ♡――――ぶちゅんっ♡♡!





「あはっ……♡ 嬉しいっ♡ 私の処女、河野がもらってくれたんだぁ……♡」





 痛みがあったのではないかと心配して有坂を見上げる。



 が、今の有坂は痛みよりも興奮が勝っているようで、嬉しげな声を上げていた。





「有坂、大丈夫か? 痛いなら、少し休んでも……」





「うん、うんっ♡ 私は大丈夫っ♡ ……河野って、思ってたよりも、ずっと優しいんだね♡ 私のこと、さっきからずっと心配してくれて……♡」





 胎内へチンポが最奥まで埋まったところで、有坂は身体をかがめ、おれの顔にキスをしてきた。

 まるで子犬がじゃれつくように、頬や唇、目尻におでこなと、さまざまなところにチュッチュッと音を立ててキスをしてくる。





「えへへっ♡ こんなに優しくしてもらってたら、私、ますます河野のこと好きになっちゃうかも……♡ ねぇ、河野っ♡」





「んっ……なんだよ?」





「私、河野のこと、気持ちよくできるように頑張るから♡ みゆよりも、もっとずっと好きになってもらえるように頑張るからね……♡」





「? なんで、佐山を引き合いに出すんだ? ……うぉっ!?」





じゅぷぷぷぷっ♡ じゅぷんっ♡





 有坂はふたたび身体を起こすと、一気に腰を持ち上げた。

 その動きに合わせて、おれのチンポもズルルルル~~~っ♡と胎内から抜け出る。





「はぁっ……ハっ……あはっ、あはははっ♡! デリセク制度、延長しといてよかったぁ♡ 河野のチンポで処女膜ぶち破ってもらえるなんて、思ってもみなかった♡ この日のために、処女膜大事にとっといてよかったぁ……♡」





 どうやら、有坂は処女を失った喜びと、初体験による興奮によって、トランス状態に入っているようだ。

 先ほどの、おれの顔色を逐一うかがっていた時とはうってかわって、淫らに腰をカクカクと前後させる。





「あっ、はぁっ♡ 河野のチンポ、やばぁい……♡ 河野のチンポ、きもちいいよぉっ♡」





ぬぷっ、じゅぷっ♡ じゅぷっ、じゅぷぷぷぷっ♡





 数分前まで処女だったとは思えない淫らさで、有坂はガクガクと腰を動かし続ける。





ぐちゅっ、じゅぷっ♡ ぶちゅっ、ぐちゅっじゅぷぷっ♡





 なお、マンコの中はマン汁たっぷりのびちょ濡れ状態で、ローションいらずの状態だ。

 だから、有坂が腰を振るたびに、結合部からはぷしゃぷしゃと透明なマン汁が噴き出す。おれの腰もソファも、有坂のマン汁でびしょぬれだ。





「はぁ、はぁっ♡ こうやって、んっ♡ 腰を動かすと……お腹の一番奥にびりびりってくるぅ……♡」





 有坂が身体をわずかに前かがみにした状態で腰を振ると、チンポがぞりぞりとマン肉をえぐった。

 腹側の肉をこぞられた有坂が、びくびくと身体を震わせる。

 そうして彼女が身体を震わせるたび、おれの目の前で、彼女の巨大な美乳がばいんばいんと跳ねた。





「んぁあッ♡♡ これっ、気持ちいいっ♡ これ、すっごく好きぃ♡……ふあァっ♡♡!?」





 目の前で跳ねるおっぱいの魅力に居ても立っても居られず、おれは有坂の胸に手を伸ばした。

 そして、上半身を起こして、有坂のおっぱいに吸い付く。





 桜色のふっくらとした乳輪をつまみ、乳首をちゅううううっ♡と吸ってみると、有坂のマンコが連動してキュウウウウ~~~ッ♡♡とチンポを締め付けた。





「ぁっ、だめっ、だめぇっ♡ そんなとこちゅうちゅうされたら、私、気持ちよくなっちゃうっ♡ 河野に気持ちよくなってもらわないといけないのにっ、私が気持ちよくなっちゃうからぁっ♡」





くちゅっ、じゅぷっ♡ ぶちゅっ、ぷちゅっ、じゅぷぷぷっ♡





 有坂の言葉通り、おれが有坂の大きな胸を掌でもみ、乳首にちゅむちゅむと吸い付く度に、有坂のマンコは嬉しそうにきゅむっ♡きゅむっ♡とチンポに吸い付いてくる。





 同時に、結合部からぶしゃぶしゃと溢れるマン汁はますます勢いをまし、今はすっかり噴水のようになっていた。





ぷちゅっ、くちゅっ、じゅぷぷっ♡♡

じゅぷんっ、ぶちゅっ、くちゅっ、じゅぷんっ、じゅぷっ♡♡





「あっ、だめっ、だめぇっ!♡ イっちゃうぅっ、イっちゃうのぉっ♡! 女なのにっ♡ マンコでおチンポを気持ちよくしてあげないといけない立場なのにぃっ♡ 男の子より先にイっちゃう~~~~~ッ♡♡♡!」





 有坂はしがみつくようにおれの首に両腕をまわすと、身体をがくんがくんと震わせた。





 そして、一際大きな声をあげて、おれのチンポを今まで以上にきゅむむむむむむ~~~ッ♡♡♡と締め付け、絶頂した。





「あっ、はぁっ……ぁ……♡」





 有坂の絶頂により、マンコの肉ヒダにきゅうきゅうとチンポを締め付けられ、吸い付かれ、おれもまた有坂から一歩遅れて射精を迎えた。

 びゅるるるる~~~ッ♡と音を立てる勢いで発射されたドロドロのザーメンが、有坂のマンコの中に一滴残らず吸い込まれる。





 ついでとばかりに、腰を軽く動かして、マンコ内の肉ひだにザーメンを擦りつける。ザーメンをこすり付けられるた肉ヒダは、喜ぶように柔肉を震わせた。





「あっ……ご、ごめんね、河野ぉっ……私、女のくせに、河野より先にイっちゃった……」





 と、やわらかな胸から口を離したところで、再び有坂がしょんぼりと肩を落としていた。





「そんなことないよ。ほら、分かるだろ? おれ、有坂と同じタイミングで射精してたし」

「え……? ほんとっ?」





 おれの言葉に、一転してぱあっと顔を輝かせる有坂。





 実際には、有坂が絶頂をしたのはおれが射精するよりも前だったが……本当のことを言っちゃかわいそうだしな。





「ぁ……本当だ、よかったぁ♡ 私、河野のことちゃんと気持ちよく出来てたんだね」





 えへへ、と嬉しそうに顔をほころばせる有坂。





うーむ……セックスの後だからか、健気な言葉とあいまって、だんだんと有坂のことが可愛く見えてきたな。





 ……客観的にみれば、有坂っておれにゃあ勿体ないくらいの美少女なんだよなぁ。お金持ちの一途で巨乳なお嬢様JKなんて、元の世界じゃお近づきにすらなれないタイプだし。

 ただ、ちょっと重いんだよなぁ、こいつ。





「ねぇ、河野……私、もう一回、リベンジしてもいい?」





「ん? リベンジって?」





 不意に、有坂がちょっと恥ずかしそうな表情でそんなことを言ってきた。





「こ、今度は河野のこと、ちゃんと気持ちよくしてあげたいの。それで、今度はちゃんと、河野のこと先に射精させてあげられるように頑張りたいなって……だ、だから、もう一回だけいいかな……?」





 快楽に潤んだ瞳で、そんなことを尋ねてくる有坂。

 おれに同意を求めている態度とは裏腹に、有坂のマンコは、チンポを離すまいときゅむきゅむっ♡と締め付けてきた。





 そんなおねだりをされては、応えない道理もない。

 肉ヒダがぴっとりと竿に吸い付いてくる感触に、言葉で答えるよりも前に、おれのチンポは再び臨戦態勢をとり始める。





「――あっ♡ 河野……っ♡!」





 おれは身体を起こすと、今度はこちらが主導権を握るべく、有坂をソファの上に押し倒した。

 もはや零したコーヒーの染み以上に、二人の体液でソファはドロドロになっている。まぁ、金は充分にあるしクリーニングに出せばいいか。





「あっ、河野っ♡ だめぇっ、そんなに激しくされたらっ……♡! 私、また、河野より先にイっちゃうからぁっ♡」





 ――その言葉通り、間を置かない内に有坂は二回目の絶頂を迎え。





 そうしておれ達二人は、夜が更けるまで互いの身体を貪りあったのであった。





『第33話 終』





「――はぁ……」





 太陽の光が目に痛い。





 昨日は、さすがにヤりすぎた。





 有坂との身体の相性が良かったのもあるけれど……後半は、むしろ、おれよりも有坂の方が欲望にとめどなかった。





 結局、有坂が自分の家に帰ったのは夜中の10時過ぎだった。

 有坂の制服はコーヒーやら汗やら体液やらで汚れていたので、おれのジャージを貸して着替えてもらい。汚れた制服は紙袋にいれて、自動運転タクシーによって有坂は帰っていった。





「そういえば、帰りがけにもらったコレ、どうするか……」





 有坂が帰る間際に「今日は、ソファも汚しちゃった上に、遅くまでお邪魔してごめんね。ジャージまで貸して貰っちゃって……これ、クリーニング代だから貰っておいて」といって、財布から金を出して渡してきたのだ。





 もちろん固辞したのだが、有坂は玄関の靴箱の上にさっとお金を置いて、行ってしまった。あとで金をとって見てみると、なんと、その額10万。





 クリーニングどころか、もう一台ソファが買えてしまう。

 っていうかアイツ、財布にこんな大金いれてんの? すごいなおい。





「返しても遠慮されそうだしなぁ……クリーニング頼んだら、残りの金を返せばいいか」





「河野、アンタ、朝からなに一人でぶつぶつ言ってんの?」





「ん? ……ああ、お前か」





「ちょっと。人の顔見て、『お前か』ってなによ。あたしの名前覚えてないわけ?」





 玄関の靴箱の前で上履きに履き替えていたところで、声をかけられ振り向く。

 そこにいたのは、木村だった。不機嫌そうに唇をとがらせて、腕組をしている。





「名前くらい覚えてるよ。おはよう、木村」





「っ! け、今朝はやけに素直じゃない……ふん。その調子なら、有坂との件はうまくいったの?」





驚いたような顔をした後、木村はひそひそと声をひそめて問いかけてくる。





「んー……事態が丸く収まったのか、って意味ならイエスだな。おれ的には半々って感じだけど」





「はぁ? それ、どういう意味なの?」





「いや、話せばややこしいんだけど、実は――」





「おはよー、河野、ゆりりん! 二人とも、なんでこんなところで立ち止まってんの?」





「おはよう、河野。それに、ゆりも……二人とも、ずいぶんと仲が良さそうね?」





 実は有坂と付き合うことになった、と説明しようとしたところで、新たに声をかけられた。

 見れば、そこにいたのは、佐山と――くだんの有坂だった。





 有坂がいるのに気づいた木村が「っ!」と息をのみ、おれと有坂の顔をちらちらと交互に見つめる。

 そんな木村にかまわず、おれは二人に挨拶をした。





「おはよう、有坂、佐山。二人とも、今朝は一緒に登校か?」





 おれの質問に答えたのは有坂だった。





「うん、そうなの。私が、みゆと仲直りしたかったのと、話したい事があったから、登校時間を合わせてもらって……でも、ゆりもいるならちょうど良かったわ」





 そう言って、にこりと微笑む有坂。

 口元だけで上品に微笑む有坂は、いつもの教室で見る雰囲気の彼女だった。昨日、おれの家のソファで騎乗位で腰とおっぱいをゆさゆさと振っていたのと同一人物とは思えない。





 おれはちらりと佐山に視線をやる。

 おれと視線があった佐山は、ふにゃりと顔をほころばせた。そして、口パクで「ありがとう」と声に出さずに伝えてくる。有坂と仲直りができたことに対するお礼なのだろう。

 その笑顔に、なぜかよく分からないが、ちょっと胸があたたかくなる。





「――河野」





 その時、不意に、おれと佐山の間を遮るようにして、有坂がおれの前に進み出てきた。

 そして、再びにっこりと微笑む――が、なんだろう。微笑んでいるのだが……なんだか、目の奥が笑っていないような。





「ここに河野がいてくれて、ちょうど良かったわ。ゆりにも伝えておきたかったから、今ここで話すわね」





 そう言って、有坂が隣にならぶと、おれの左腕にぎゅっと自分の両腕を絡ませてきた。

 それを見た木村と佐山が、目を真ん丸にして驚いている。





「えっ……え、有坂? いった、何を――」





「私と河野、付き合うことになったの。二人には、今日はそれを伝えようと思って」





「は――はぁ!?」





 木村が口をあんぐりと開けて素っ頓狂な声をあげた。

 対し、佐山は信じられないというような表情で有坂を見つめ――ついで、おれの顔を見つめる。





「河野……有坂の言っていること、本当なの?」





「……ああ、本当だ」





「そ、そうなんだ……」





 そう言ったきり、ショックを受けたように黙り込み、俯く佐山。

 思わず、そんな佐山に声をかけようと足を踏み出し――だが、おれが動こうとした瞬間に、有坂がおれの腕をぎゅうっと握って引き留めた。





「河野。さ、教室に行こう?」





「あ、ああ……」





 微笑む有坂に促され、おれは教室へ向かって歩き出した。

 最後にもう一度、背後を振り返る。





「……っ……」





 佐山と、再度、視線が絡み合う。佐山は困惑と悲しみをない交ぜにした顔でこちらを見つめていた。

 木村はその隣で、いまだにあんぐりと口を開けたままでいる。





「…………」





 佐山の元に行きたい気持ちがこみ上げたが、しかし、有坂にいまだに腕を握られたままのため、どうすることもできない。

 有坂はおれの視線に気が付くと、再び花開くような微笑を浮かべた。

 その笑顔は大変に可愛らしいのだが、なぜか薄ら寒い心地がする。





……お、おかしいな?





佐山へのイジメが収まって、有坂とも良好な関係を築くことができて、万事上手くいっているはずなのに――なんだか、ますます面倒な事態になった気がするんだが?





異世界では種付けセックスが国民の義務でした


著者

アイーダ龍央

小説ページ

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初回配信日

2021/04/16

最終更新日

2022/02/10

保存日

2022/07/08






Posted by 하얀라임
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