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카테고리 없음 2022. 7. 17. 16:19

今から少し昔の田舎町、ある夏の日に、風来坊の土方が自分のねぐらに忍び込んでいた小学生の美少女と、春までセックスしまくる小説です。





以前書いた「小学5年生の私は土方とお父さんに中出しされました」の土方を主人公にしていますが、1章は同じシーンを土方視点で書き、それ以降は完全新作です。





章ごとに時が進んでいき、それぞれ違った場所、服装、体位、行為でとにかくセックスしまくります。

今後の予定は以下のとおりです。





1章 初めて出会った美少女といきなりセックス

2章 夏祭りの神社で、浴衣の少女と外でセックス

3章 スクール水着で川遊びする少女と川の中でセックス

4章 黄色の通学帽とランドセルの少女を下校途中でソフト緊縛セックス

5章 運動会でブルマ姿の少女を教室でセックス

6章 ある秋の日、少女の家に侵入してセックス

7章 秋祭り、巫女服で神楽舞をする少女とセックス

8章 学芸会でメイド服を着た少女と体育館でセックス

9章 混浴公衆浴場で、うっすら毛の生えてきた少女とセックス

10章 少女が輪姦される

11章 初詣、神社の拝殿の中でセックス

12章 バレンタインデー、チョコを使ってセックス

終章 卒業式の日、セーラー服を着た少女と学校でセックス。妊娠発覚





可能であれば週に1章は進めたいと思っています。

そのほか、何かリクエストがあれば新たに章を作ることを検討したいと思いますので、感想欄にご記入ください。春の花見でワカメ酒とか、流れから外れているものは外伝で書いていきたいと思います。





応援してくださると、エタることなく書き続ける力になります。ぜひお楽しみください!





目次


初めて出会った美少女といきなりセックス


帰ってきたら小学生がセックスしていたのでフェラチオを教える

小学生たちと4Pをする

小学6年生の美少女に中出しする





夏祭りの神社で、浴衣の少女と外でセックス


浴衣姿の美少女にフェラチオをさせた後肛門を徹底的に舐める

浴衣の美少女に立ちバックで中出しする





スクール水着の美少女と川の中でセックス


スクール水着で川遊びをする女子小学生を裸にする

川の中で美少女に駅弁で中出しする





黄色の通学帽とランドセルの少女を下校途中でソフト緊縛セックス


路地の影で下校途中の美少女小学生を手マンする

古びた小屋の中で美少女に口内射精したあと2回中出しする。





運動会でブルマ姿の少女を教室でセックス


ブルマ姿の少女を教室でとりあえず中出し

美少女小学生と初めてのアナルファック





ある秋の日、少女の家に侵入してセックス


家族が留守のときに少女の家に忍びこんでラブラブセックス

父親が部屋の中にいるのに押し入れの中で美少女が手コキしてくる





秋祭り、巫女服で神楽舞をする少女とセックス


巫女服の美少女が自分でオナニーするようになる

巫女服半脱ぎの美少女に抜かずに2回中出しする





学芸会でメイド服を着た少女と体育館でセックス


メイド服を着た美少女と体育倉庫でシックスナイン

メイド服を着たままの美少女にマン繰り返しで中出し





混浴公衆浴場で、うっすら毛の生えてきた少女とセックス


貸し切り状態の混浴温泉にうっかり美少女が入ってくる

美少女とマンズリしてから騎乗位で中出しする





初めて出会った美少女といきなりセックス





『帰ってきたら小学生がセックスしていたのでフェラチオを教える』





 浅田朝次(あさだちょうじ)は、カンカン照りのたんぼ道をひとりで歩いていた。

 手には、缶ビールが数本と柿ピーの入ったレジ袋をぶら下げている。

 今日から盆休みで、飯場(はんば)の同僚たちは昨日から帰省していた。





 浅田に帰る場所はない。小学校に上がる前、空襲で家族が全員死に、浅田だけが生き残った。親戚中をたらい回しにされ、中学校を卒業してすぐに土方を始めた。

 そして、二十年。全国を転々とし、今は名も知らぬ田舎町にいた。田舎の割には大規模な工事で、新しい県道を通すのだと聞いている。来年の春に終わる予定だった。





 何の感慨もない。日銭は酒か女に使い、貯金もない。結婚できるとも思えなかった。未来に何の希望もないが、突然未来を絶たれた家族のように、何もなさず野たれ死ねばいいと思っていた。

 寝るだけのプレハブが見えてくる。この田舎町は広大な水田が広がり、木陰ひとつもない。プレハブは水田のど真ん中にあった。遠くに集落が見えるが、農作業でもなければ通る人影もない。雑貨屋まで行くのも一苦労だった。





「あちいな……」





 ため息をついて、プレハブの引き戸に手をかける。扇風機があれば外よりは少しましだろう。

 と、プレハブの中で人の気配がする。盗むものなど古布団ぐらいしかないが、身体が緊張する。ゆっくりと、音をたてずに戸を開けた。





「はっ……あっ、あっ、ああっ……佑介(ゆうすけ)ぇ、好きだよう」





 女が喘ぐ声が聞こえた。いや、女というには幼すぎる。

 土方たちが寝る古布団を勝手に敷いて、小学生の高学年か、中学生くらいの少年が、小麦色の脚を抱えて腰を振っていた。子供だから当たり前なのだろうが、腰の動きはいらだたしいほどぎこちない。





 それでも、少年に組み敷かれている少女は、慣れた女のように声をあげている。そして、少女の顔を観察するように、低学年と思われる少年が少女の顔を凝視していた。

 全員全裸である。そして誰も浅田に気づいていない。





 こんな田舎では女を買えるところもない。水商売の女と遊ぶ店さえない。婆さんがひとりで切り盛りしている居酒屋が二、三件あるだけだ。

 浅田の股間がむくむくと力を持ち、凶暴な気持ちが湧いてきた。この少女を犯してやろうと思っていた。





「おまえら、勝手に入ってなにしてんだ」





 ドスの効いた声だったかもしれない。三人とも、びくりと身体が跳ねると氷漬けのように動かなくなった。どすどすと、日に焼けた畳を踏んで三人に近寄る。





「ひいっ……」





 少年が、少女から離れて立ち上がった。毛も生えていないちんこが、ピンと立っている。ぬれぬれとてかっていた。

 少女が、広げた股を浅田に見せていた。やはり毛は生えておらず、大人と違ってやる気を失わせる黒ずみもない。肌と同じ色の襞(ひだ)が、うっすらと開いていた。





「おまんこしてんのか」





 少女はぱっと脚を閉じる。

 古布団に横たわった少女にはスクール水着の跡がくっきりと残っていた。日焼けした手足から真っ白に浮かび上がる胸はふくらみかけで、腰もそれほどくびれていない。幼い身体だった。

 少女の大きな瞳は恐怖で潤み、視線を浅田へ固めていた。唇は薄めで、肩まで伸びた黒髪がさらりと布団に広がっている。眉で切りそろえた前髪は、汗で額にくっついていた。





 浅田は息を呑んだ。

 少女は美しかった。東京のお嬢様でも、ここまで整った顔立ちはそう見るものではない。水着で隠れた部分以外の、手足と顔がしっかり日焼けしているのが、純朴な田舎娘といった雰囲気を作っている。





 それにしても、この幼さで軽率にセックスをしていながら、将来あばずれになりそうな気配はまるでない。これが田舎のおおらかさなのか。

 浅田の喉が鳴る。この少女を犯したいという欲望はますます高まってきたが、それ以上に好奇心が湧いてきた。少女の枕元に膝をつく。





「姉ちゃん、中学生か? いつからおまんこしてんだ」





 さすがに、小学生がセックスはしていないだろうと思っていた。

 少女の眼が怯えに震える。口を開きかけるが、何も言葉は出てこなかった。

 ふと、察する。





「黙ってプレハブに入っただとか、おまんこしてただとか、誰にも言わねえから安心しな」





 できるだけ優しく話しかける。それに、告げ口する相手もいない。

 まさに心配していたことだったのか、少女の眼に安堵が現れる。そして、ゆっくりと身体を起こした。





「私、中学生じゃないよ。六年生」





 さすがに驚く。浅田が小学生だったころは、セックスをしている同級生のことなど、知りもしなかった。進駐軍に乱暴されたとか噂になっていたのは何人かいたが、その意味が判ったのはずっと後のことで、公然と語られることもなかった。





 少女の声は甘える子猫のように、高くて耳に残るものだった。自分の逸物で鳴かせてみたい思いが強くなっていく。興奮で乱れてきた鼓動を鎮めるように、ゆっくりと口を開いた。





「それで、毛も生えてねえんだな」





 少女が、さっと両手で胸と股間を隠す。今度は、眼に警戒が浮かんだ。





「服、着ていいだら?」





 このあたりの方言で、少女が懇願する。東京で育った浅田にとっては、女が喋るにはひどく乱暴に聞こえるが、この可憐な少女から発せられるとその落差もまた惹きつけられるものがあった。

 浅田は、もっと楽しみたくなった。





「ダメだ。まだ質問に答えてねえ。いつからおまんこしてんだ?」





 にやりと笑うと、少女は諦めたようにうつむく。





「……夏休みになってから。弟の智(とも)や、友達の佑介と」





 少女とセックスしていたのが佑介で、じっと見ていたのが弟だろう。それにしても、弟とは。外見とのギャップに、ますます嬉しくなってくる。





「ほう、弟としてんのか。そりゃいいや」





 呆然と全裸で立っている少年ふたりに眼を向ける。佑介がびくりと肩を震わせ、唇をぎゅっと引き締めると浅田の側に立った。





「黙って入って、ごめんなさい。すぐに帰ります」





 佑介が深々と頭を下げた。膝が震えている。勇気を振り絞って、少女を守ろうとしているのか。

 だが、必ず少女を犯すと決めていた。どうせなら、こいつらも巻きこむことにする。





「いいって、いいって。みんな盆休みで帰っちまったが、俺は帰るところなんかねえからよう、ひとりでここに泊まってんだ。気にするこたあねえよ」





 浅田は手を振り、ずいと佑介に顔を寄せる。





「おまえ、おまんこのやり方知ってんのか?」

「え……ちんぼをまんこに入れやあいいだら?」





 唐突な問いに、佑介は方言に戻った。あの下手な腰の使い方では、その程度の認識でもしょうがない。





「違うんだって。おまんこにゃあ、それは色々なやり方があってな、姉ちゃんが白眼ひん剥いたり、おまえの腰が抜けるくらい気持ちよくなれるんだ。よおし、俺が全部教えてやる」





 いよいよ、始まりだ。ほぼ商売女だが、抱いた女は絶対に千人を超えている。小学生に仕込むことなど雑作もない。

 汗の染みた作業服を手早く脱ぎ、全裸になる。すでに逸物は、はち切れんばかりに天をついていた。

 子供たちは、浅田の屹立したモノを、眼を見開いて見つめていた。





「サツマイモみたい」





 弟の智がつぶやく。言い得て妙だった。太くごつごつとしていて、黒紫色の浅田の逸物はまさに芋である。これがこれから少女の幼い膣を蹂躙(じゅうりん)することを想像すると、それだけで射精してしまいそうだった。

 プレハブの中にいる四人が、全員素っ裸である。滑稽さに笑いがこぼれた。





「姉ちゃん、しゃぶったことあるか」

「え……何を?」

「チンポだよ、チンポ」





 自分で逸物をぴしゃりと叩くと、バネ仕掛けのように跳ね上がり、頼もしくへそを打った。





「うん……ちょっと」

「あるのかよ。やるじゃねえか。これにもやり方があってな、とりあえずここに膝立ちになんな」





 逸物の下を指さす。少女は釈然としない様子だったが、結局言うとおり布団の上に膝立ちになった。いきり立った逸物を、少女の鼻先に突きつける。





「うっ……」





 少女が顔をそむけた。小便をするたびにモノを洗う男はいないし、さっきまで炎天下を歩いてきて汗まみれだ。相当臭うに違いない。





「飴みたいに、舐めてみな」





 声を低くする。有無を言わせるつもりはなかった。

 少女はしばらく横目でちらちらと逸物をうかがっていたが、覚悟を決めたのか、その小さい手に逸物をつかんだ。浅田のモノは、少女の手では指が回らないほど太く、半分も隠せないほど長かった。





 声が出そうになった。汗に湿った手に、こわごわと握られている。一瞬、このまま手で果てたいと気持ちが噴き上がるが、必死でこらえた。

 逸物を握ったまま、少女は横を向いていたが、浅く開いた唇からは吐息が規則的にこぼれ、薄い胸は上下していた。興奮しているのは明らかだった。





「どうした、早く舐めろよ」





 自分の声が、わずかに震えていた。

 急かされた少女が、ぎゅっと眼をつぶる。小さな舌をおそるおそる出して、つかんだ手を頼りに顔を逸物へ近づけていく。

 舌先が、ちろっと亀頭にふれた。歓喜が脳を貫いた。ついさっき出会ったばかりの美少女に、もう逸物を舐めさせている。





「いいぞ、もっとだ」





 少女は、半ばやけ気味に舌全体でぺろっと裏筋から亀頭を舐め上げた。





「うおっ」





 あまりの刺激に、声が出てしまった。少女が、長いまつげのくりくりした眼で、浅田を見上げる。





「それでいいんだ。その調子でやってみろ」





 再び逸物に向き直り、少女は小さな口を精一杯に開いた。すっぽりと、生温かい感触が逸物を包みこむ。気を抜くと暴発しそうだった。尻に力を入れて耐える。





「うめえな。ちゃんと歯を立てないのは偉いぞ」





 佑介を相手に、そういうことも学んだのだろう。小学生を相手に、嫉妬心が湧く。佑介を睨むと、呆けた顔で逸物を口に含む少女を凝視していた。少しだけ満足する。





「次はそのまま、ベロで舐め回してみるんだ」

「ん……」





 うなずく代わりに、少女が吐息をもらすと、亀頭が熱く濡れたゴムではたかれるかのようになぶられる。





「あ……いいぞっ」





 逸物と少女の口の間から、唾液が落ちる。もう我慢できず、口の中へ出してしまおうと思ったとき、少女が離れた。痛そうに、細いあごを揉んでいる。





「太すぎて、舐めれん」





 口を開けすぎて疲れたのだろう。男冥利に尽きる言葉だった。

 とはいえ、あの調子で舐められていたらすぐにいってしまう。別の提案をした。





「それじゃ、サオの横を舐めろ。アイスキャンディーを横から咥えるようにな」

「うん……」





 少女は素直に、逸物の胴に唇をふれる。さすがに、これだけで射精することはなさそうだった。はむはむと口を動かし、根本から亀頭まで舌を滑らせる。本当に、アイスキャンディーを食べるようにやっていた。





「ん……ちゅっ」





 少女はさほど嫌がる様子もなく、逸物を左右からまんべんなく舐めていった。少女の唾液で、てらてらと逸物が光る。快感はあるのだが、むしろくすぐったく、もどかしさが凶暴な感情をかきたてていく。





「こら、ボウズども。ぼーっと突っ立ってんじゃねえよ」

「え、え……」





 佑介も智も、怯えた顔になる。佑介のピンと立っていた幼いモノは、完全にしぼんでいた。





初めて出会った美少女といきなりセックス





『小学生たちと4Pをする』





「おい佑介、おまえは下から姉ちゃんのまんこを舐めてやれ」





 佑介が自分を指さす。少しの間迷っていたが、立ち膝の少女の背後から、仰向けになって頭を股の間に突っこんだ。





「わ、すげえ……濡れて光っとる」





 少女のまんこを見上げた佑介は、興奮した声をあげる。ちんこがピンと立ち直った。





「逸物を横から含みながら、少女が腰をよじる。恥ずかしいのだろう。

「姉ちゃん、佑介の顔に腰を降ろしな」

「え……け、けどが……」





 逸物から口を離し、少女は耳まで赤くしてためらう。





「やれよ」

「……うん」





 厳しめの声に、少女はおそるおそる腰を下げていく。





「おっ、おっ」





 近づいてくるまんこに、佑介の眼が見開いた。待ちきれなかったのか、佑介は少女の両腿を抱えてまんこを顔に引きつけた。





「ひあああっ……べろが、入って……にゅるにゅる動いとる……ああっ」





 少女が、こみあげてくるものに耐えるように眼を強く閉じる。落ちる身体を支えるためか、逸物をつかむ手に力がこもった。

 浅田は、少女の前にあぐらをかいた。少女が正座の姿勢では、逸物を舐めるには立ったままでは高すぎる。あぐらの中から、凶悪な太い肉塊がそそり立っていた。





「これなら、姉ちゃんもしゃぶりやすいだろ」

「う、う、うん……んんんっ!」





 佑介から与えられる刺激に耐えながら、少女が身体を倒して亀頭を咥える。弟の智が、丸見えになった少女の尻を、瞳を輝かせて見つめていた。





「おい智、姉ちゃんのどこが好きなんだ?」

「尻の穴! でれえ、どじょうの口みたい」





 智が元気よく即答する。どじょうの口とはなかなか上手い表現だった。





「はははっ、そりゃいいや。思い切り気持ちよくしてやれ」

「うん!」





 智は、まんこを舐めている佑介の腹に、容赦なくまたがった。





「ぐふっ」





 カエルをつぶしたような声が漏れたが、佑介は構わず一心不乱に少女のまんこを舐めている。





「んっ、んっ、あむっ」





 少女は小さな口で、太い亀頭を精一杯に咥えている。





「かんちょう!」





 智がためらいなく、少女の尻に人差し指を根本まで挿しこむ。





「うううんっ!」





 亀頭に、鈍い痛みが跳ねた。





「痛っ、こら噛むな。もう少し我慢しろ」

「ううっ……んんっ! ふうっ……ううっ」





 智は嬉しそうに肛門に指を出し入れする。佑介は必死でまんこを舐める。少女は唾液をこぼしながら亀頭をひたむきに咥えている。

 ふたりに責められ、浅田に奉仕している少女が、何か神聖な存在に見えた。

 少女がどこまで行くのか、見てみたくなった。





「姉ちゃん、もっと頑張って奥まで飲みこんでみな」





少女はうなずく余裕もないが、手を逸物の根本に添えて、限界まで開いた口をじりじりと押し込んでいく。1センチ。2センチ。少女の小さな頭蓋骨の、喉の奥まで逸物が届いたかと思ったときだった。





「げほっ……!」





 少女が激しくえずき、逸物から口を離す。佑介と智の刺激から逃れるように横へ倒れ、何度も咳きこんでいた。

 この何か超越した感のある少女も、身体のつくりは普通の子供と同じだった。少しだけ、罪悪感が心に染みる。犯したいという気持ちはいささかも揺るがないが、少女にもっと快感を与えたいという思いが生まれていた。





「悪い悪い、ちょっと無理させちまったな。今度はおじさんが姉ちゃんを気持ちよくしてやる。おまえら、しっかり見てろよ。どうしたら女が感じるのか、よおく教えてやるからな」





 ぐったりと横たわった少女を、持ち上げる。身長は140センチ程度だろうが、それなりに重い。肌はしっとりと汗で湿っていて、手のひらに吸いつくような肌理(きめ)の細かさがあった。

 少女の肌への感動は押し隠しつつ、幼子と飯を食べる祖父のようにあぐらの上へ少女を座らせる。逸物が、少女の背中にぴたりと当たっていた。この肌の感触を全身で味わいたいが、もう少し後にとっておく。





「姉ちゃん、脚を開きな」

「う……ん」





 ぼんやりと、少女が言われるがままに脚を開く。佑介も智も、血走った眼で少女の中心へ視線を凝縮させていた。





「いいか、これがおまんこだ。このビラビラで普段は穴を覆ってる。コレを開いてやって……見ろ、このちっこい穴にちんぽを入れるんだ」

「あっ……」





 親指と中指で、少女の小さな襞を開くと、かすかな声が漏れる。





「このビラビラが感じる女もいるし、穴の周りが感じる女もいる。ひとそれぞれだ。姉ちゃんはどうかな」





 人差し指の先で、軽く襞を撫でる。





「う……うん……」





 次に、襞をつまみながらしごいていく。





「ふう、ふうっ……あ……」





 可愛い声を出しているが、まだ余裕がありそうだった。





「よおし、これならどうだ」





 人差し指と薬指で膣を開き、中指の第一関節まで沈める。熱い泥のような感触に、鼓動が速くなってきた。





「あっ……!」





 少女がびくりと震える。

 きつい穴を広げるように、指先でゆっくりと小さな円を描いていく。





「そ、それっ……う……はあっ、はあっ……ああっ!」





 少女の身体が小刻みに跳ね、肩まで伸びた髪が鼻先にふれる。石けんと、ほのかな汗の匂いがした。背中が薄桃色に染まり、どんどん熱を持ってくる。

 指先が、くちゅくちゅと音をたてるようになった。蜜が溢れているのだ。

 感じさせている悦びが、じわりとせり上がってくる。





「姉ちゃんは、ここが好きなんだな」

「うん……うんっ」





 こくこくと、何度もうなずく。自分の胸が、大きく上下していることに気づく。浅田もまた全身に熱を帯びてきていた。

 ずぶりと、中指をさらに深く入れる。





「あ……っ! ふうっ……!」





 甘く、濡れた声が漏れる。大人では、もうこんな声は出せないだろう。

 まんこはますます蜜に溢れ、指が滑らかに出し入れできるようになってくる。それでいて、幼い穴はとても狭く、きゅうきゅうと指を締め上げる。逸物を入れたら、ひとこすりで果ててしまう予感がした。





「んっ、うんっ、あんっ……」





 出し入れしながら、ときどき入口をくるくる回してやる。佑介と智が、かぶりつくような間近でまじまじと眺めていた。と、大事なことを忘れていたことに気づく。

 少女の膣から指を抜く。にちゃりと水音がした。





「え……?」





 少女が、とろんとした瞳で振り返る。





「そうそう、まだおまんこにゃあ秘密があるんだ。おまえら、よく見てみろ。おまんこの上にちょっとぽちっとしたもんがあるだろ。クリトリスってんだ」

「へえ、そう言うだかん」





 佑介はそれこそ鼻が付きそうな距離だった。

 少女の背が硬くこわばる。ここをさわると、どうなるかは知っているようだった。





「普段は何枚か皮に包まれてるけどな、こうやって剥いてやるんだ」





 まんこを開いたまま、自由な親指を包まれたクリトリスに当て、ずるっとずらして皮を剥く。





「ひいっ……!」





 少女が甲高い声をあげた。よほど刺激が強かったらしい。





「一番感じるところだけどな、力任せじゃ痛いだけだ。感じさせるにはほどほどでなくちゃいけねえ」





 膣から溢れる蜜を親指でぬぐい、クリトリスへ軽く揉みこむように滑らせる。





「ちょう……それっ……あかんっ! 強い……いいっ!」





 少女の身体が反り返り、髪先が顔をなぶる。あまりの感じぶりに、嬉しすぎて射精しそうになる。しかし、出すなら少女の中しかない。今は耐える。





「いいか、ここでほかの指を遊ばせてちゃもったいねえ。このまま、おまんこを可愛がってやるんだ」





 人差し指と薬指で膣を開き、親指でクリトリスを揉み、そして中指をずぶりと奥深く挿しこむ。





「あううううっ!」





 少女の身体が大きく跳ねる。もはや、手のひら全体が粘液で濡れていた。しかし、まだ終わりではない。





「でな、おまんこの天井をこすってやるんだ。どっかに感じるところがある」





 中指の先をくいと曲げて、秘められたポイントを探す。





「……っ!」





 声も出せず、息が詰まる音が少女からこぼれる。

 もう充分だろう。感じるにしても、指でイカせたくはない。逸物でイカせたい。指を、ゆっくりと膣から抜いた。





「さあ、お待ちかねだぜ」





 自分の声が、期待で震えているのが判る。少女をあぐらから下ろすと、ぐったりとうつ伏せになってしまう。膣から溢れた液で、内腿まで濡れ光っていた。





「はあ……ふう……」





 少女は、もう動く力さえ無くしてしまったようだった。





「姉ちゃん、これからもっと気持ちよくなるんだぜ。尻をあげな」

「うん……」





 少女はもじもじと、素直に尻を突き上げた姿勢になる。膣は薄く開き、充分に潤っていた。浅田の逸物を待ちかねているかのように、ひくひくとうごめいている。

 金も払わず、今日出会ったばかりの浅田に、今まさに身体を許そうとしている少女に感謝以上の崇拝に近い念を抱いていた。家族を失ってから三十年、ここまで無条件に浅田を受け入れた者はいなかった。





「いくぜ……」





 喉がからからに乾いていた。震える手で、くびれのほとんどない腰をつかむ。上からみた尻は引き締まっていて、幼いながらに脳を揺さぶられるような丸みを帯びていた。

 いよいよ、剛張した逸物を、少女の入口に押し当てる。ちゃぷっと、ねばる音がした。

 少女の穴の大きさでは、とても受け入れられるようには見えない。だからこそ、入れたときの快感は想像もできなかった。





初めて出会った美少女といきなりセックス





『小学6年生の美少女に中出しする』





 確実に入るよう、手で逸物の位置を修正する。きちんと引っかかった。

 少女の背中が、きゅっと縮まった。





「や、やめ……」





 少女が言い終わる前に、腰をつかんで逸物を挿入する。

 締まるなどというものではない。肉の壁だ。亀頭が半分ほど入っただけで、もう浅田を拒むように押しだそうとしている。





「ちっ」





 意地になって、力づくでさらに押しこむ。亀頭を全部飲みこんだとき、みちっと音がした。





「痛い! 痛い痛い痛い! やめて、やめてぇ!」





 ずっと続いた愛撫で軟体動物のようになっていた少女が、鋭い正気の声をあげた。

 犯したい欲望より、拒絶される恐怖が勝り、浅田は慌てて引き抜いた。





「まだ先っぽしか入ってねえぜ。まあ六年生じゃしょうがねえか」





 大人ぶってみせるが、胸は喪失の予感に冷え始めている。





「ねえ、何かびりっていった」





 少女は眼いっぱいに涙を溜めて、見上げてくる。





「どうもなってねえよ。さっきの調子じゃあ、何回もおまんこしてんだろ」

「ほだけどが……おじさん、大きすぎるもん。そんな大きいちんぼで、したことない」





 少女の言葉に、冷えかかった胸が誇らしさで満ちる。少女は佑介と智としかしたことがないのだろうが、小学生と比べて大きいと言われても喜んでしまうのは仕方がない。





「あのな、おまんこの付き方で入りやすい姿勢があるんだ。姉ちゃん、仰向けに寝てみな。たぶん入ると思うぜ」

「痛いの、やだ」





 少女は布団に女座りに膝を崩し、胸を守るように腕を交差していた。眉をひそめ、今にも泣きそうだ。





「後ろがきついときにゃ、前から入れればたいてい楽なもんだ。まあ、痛かったらやめてやるから安心しな」





 本当はやめたくなかった。少女の膣が浅田を受け入れられることを、本気で祈った。





「絶対、痛かったらやめてね」

「おうよ」





 大きくうなずく。少女は、布団の上にゆっくりと仰向けになった。

 痺れるような衝撃が、身体を叩く。あらためて見る、少女の身体はあまりに美しかった。





 手脚と顔はしっかりと日焼けしているが、スクール水着に隠れていた胸からへそ、そして膣は神秘的なまでに白かった。

 成長が始まったばかりの乳房のふくらみはささやかで、先端にぽつりとついた米粒のような乳首は肌の色そのままだった。まだ、丸く盛り上がるほど完成された乳首ではない。





 乳房の下にはわずかにあばらが浮いているが、痩せすぎというほどでもない。腰にくびれはあまりないが、尻から太腿にかけては脂肪が少なくすらりとしている。

 そして、膣にはうぶ毛も生えていず、襞も大人のように色づきもしていなかった。もし、膣に清純という言葉を当てはめるなら、それはまさにこの少女に送られるべきものだった。





「おじさん、どいだん(どうしたの)」





 動きを止めてしまった浅田を、少女が大きな瞳で不思議そうに見上げる。





「いや、何でもねえ」





 小学生相手に、いや大人相手でも、美しさにみとれていたなどとは言えるものではない。

 ごまかすように、浅田は少女の両膝を下からすくい上げ、カエルが裏返ったような姿勢にさせた。濡れた幼い膣が、陽光にさらけ出される。





 少女の顔が、不安に曇る。

 浅田は見ないふりをして、いきり立った逸物を少女の入口へと当てる。手を添えて軽く揺すると、くちゅくちゅと音をたてて襞が広がり、少女の穴と対面した。





 ここで腰を押しこめば、入る。

 鼓動が再び、壊れそうなほど速くなる。乾いた喉を唾で湿らせ、浅田はいつものやり方で逸物を沈めていった。





「うううっ……!」





 少女が眉を下げ、苦悶の表情を浮かべる。が、さっきのように痛がったりはしない。亀頭が半分ほど膣をくぐっている。きついことはきついが、拒絶するような肉の壁はない。充分潤っていることもあって、まだまだ飲みこめそうだった。

 浅田はさらに深く、少女の中へ沈めていく。





「ふうっ、ふうっ……! はああっ」





 よほど息苦しいのか、少女の息が荒くなる。両手で、浅田の毛むくじゃらな腿を押し返そうとしているが、本気の力は感じない。痛いとも言わない。

 すでに、少女の膣は亀頭を飲みこんでいた。その熱い葛湯(くずゆ)のようなぬめりと、硬ささえ感じる締めつけに、浅田の昂奮はこの上もなく高まっていく。さらに奥へ進んだ。





「ああああっ」





 それ以上、先に進めなくなる。浅田の逸物は、まだ三分の一ほど外に出ていた。少女の幼い膣は、まだ浅田をすべて飲みこめるほど深くはなかった。





「まだ全部入らねえか。けど、すげえ締めつけだし、よおく濡れてるぜ。姉ちゃん、将来有望だな」

「ふう……ふう……ふう」





 少女は答えることもできず、苦しそうに呼吸を繰り返す。





「まんこてやあ、こんなに広がるだかん」





 佑介が、少し怯えのこもった声でつぶやいた。





「そりゃあ赤ん坊が出てくる穴だからな。どうだい姉ちゃん、痛えか?」

「えらい(苦しい)……けどが、痛くは……」





 そうは言っているものの、顔にはうっすらと恐怖が浮かんでいる。





「や、優しく……してね」





 少女の精一杯のお願いに、暴発しそうになる。





「判ってるって」





 ゆっくりと腰を引く。逸物をみっちりと包む肉が、逃がすまいと絡みついてくる。かなりの抵抗だった。





「あううううっ!」





 カリで天井をごりごりと擦(こす)られて、少女が大きな声を出す。

 亀頭を残し、入口で止まる。すごい膣だった。何も考えずにむさぼりたかったが、そんなことをしたら次のひと突きで出してしまうだろう。

 身体は最高潮に昂ぶっているが、この奇跡のような少女の身体を、できるだけ長く味わいたい。

 慎重に奥まで入れる。強く締められながらも、たっぷりの愛液で滑らかに沈んでいった。





「うふうっ……!」





 逸物を突き上げるたび、少女の肺を圧しているかのように呼気がもれる。

 うかつに射精してしまわないように、ゆっくりと前後に動く。





「ふうっ……ああっ……うんっ……ああんっ」





 何度も動くうちに、少女の顔から恐怖が薄れていく。声には苦しさよりも、濡れた甘さが混ざり始めていた。

 シンプルな前後動を、慎重に繰り返す。





「あっ、あっ、あんっ、んんっ、ああっ」





 少女の両手が、ゆらゆらと虚空を漂う。両手は浅田の首を、すがるように抱えた。

 歓喜が、頭の中で爆発する。浅田は、身体をぐっと倒した。逸物が、行き止まりのさらに奥へずぶずぶと入っていく。





「きゃあああっ!」





 少女が悲鳴をあげる。首にまわした手に、必死の力がこもっていた。

 顔が近い。薄く開いた小さな唇から、甘い息がもれている。衝動的に唇を奪った。





「ん……っ!」





 そのまま、舌をねじこむ。唾液の甘さを感じる。湧き出る唾液を舐め尽くすように、少女の口中を蹂躙(じゅうりん)した。





「んんっ、ううんっ、んううっ、んぐっ!」





 少女が流れこんだ唾液を、喉を鳴らして飲み下す。

 浅田は、キスをしながら腰だけを前後させる。舌と、逸物で少女を味わっている。余裕は、ドライアイスのように消えていく。





「うふぅ……んっ……んんんっ……」





 口を塞がれた少女が、喉の奥で甘い声をくぐもらせる。

 もう無理だった。

 少女から口を離す。そして、ぎりぎりまで抜いた逸物を、全力で押しこんだ。





「ふっ!」





 ずるりと寒天をこじ開けていくような強烈な感触が、浅田の逸物を絞り上げる。





「ゔゔうああっ!」





 少女が眼を見開き、すさまじい声をあげる。外に聞こえたかもしれない。もう、どうでもいい。

 この美しい少女を、狂わせたい。過去の記憶から、有効だった方法を思い出す。

 深く突いたあと、入口付近をつつくように浅く出し入れする。





「あっ……?」





 少女が、覚悟を空振りしたような顔になる。そのまま、浅い出し入れを続けた。





「あううん……嫌あっ」





 首を激しく振って、いやいやをする。





「おねだりかよ」





 六年生だというのに、少女はもう求めるようになってしまった。浅田の胸に、充実したものが満ちる。





「そらよっ」





 浅田は突然、奥まで突きこむ。少女の腹が、ぎゅっとへこんだ。





「あ゛あ゛あっ! ぎいっ……ふうっ」





 獣のように少女が呻いた。美しい顔から、こんな声が出てくることにますます昂奮する。再び、細かな動きに戻る。俗に言う、九浅一深という動きだが、感じる女が多かった。





「ああっ、あんっ、あっ、あああっ」





 浅い動きのときは、少女は可愛らしく喘ぐ。深く入れる。





「ぐふうっ……がっ……はあっ」





 芋のような逸物に内臓を突き上げられて、肺から空気を絞り出す。

 もう、浅田の逸物に限界が訪れようとしていた。大歓喜の予感で、止めようもない獰猛さが湧き上がる。





「姉ちゃんっ……そろそろ、いいかい」

「うん……うんっ」





 少女は必死でうなずくが、何に同意しているのか判っているとは思えない。





「生理、来てんのかい」

「ううんっ……!」





 首を横に振る。たとえ来ていたとしても、中に出そうという気持ちが揺らぐとはこれっぽっちも思えなかった。





「よおし」





 少女の、くびれはないが細い腰を、両手でぐっとつかむ。

 全力で、腰に引きつけた。

 ぬめりながらも強い締めつけが、逸物の根本まで咥えこむ。もう、止まることはできない。





「がはあっ……!」





 少女が、盛大に息を吐き出す。

 力の限り、少女の膣から快楽をむさぼっていく。今まで買った何人もの女よりも、少女の膣が噛みつく快感は遙かに上だった。





「ぐっ……」





 何度も何度も、無我夢中で、少しでも早く少女の中へ出すために、少女の股の底へ腰を叩きつける。





「あ゛っ、あ゛あ゛あっ、あ゛あっ……! があっ……ぐうっ……んんんんうっ!」





 少女は浅田の力で人形のように翻弄され、獣のような呻きを繰り返す。

 高まりが、逸物の隅々まで充填(じゅうてん)されていく。そのまま、爆ぜてしまいそうだった。もう限界だ。





「姉ちゃんっ、いくぞっ。いいか、中に出すぞっ」

「ううっ……うんっ……うんっ! い、いいよおっ!」





 少女は強く眼をつぶり、何度もうなずく。

 最後の一撃を、少女の一番奥に叩きつけた。

 同時に、すべてがほとばしる。





「うおおああっ」





 魂が、少女の子宮に吸いこまれていくような解放だった。

 しばらく女を抱いていなかったとはいえ、逸物はびくんびくんと跳ね続け、いつまでも精液を絞り出し続ける。





「くうっ……」





 腹に力を入れて、最後の一滴を絞りきる。





「ああああ……!」





 少女から、力の抜けた震える声がこぼれる。

 膣の中で逸物が力を失っていくのを感じながら、少女を抱きしめた。少女もまた、浅田の背中を抱き返す。

 汗まみれの腹と胸が、浅田の身体と重なる。お互いに濡れた身体は、そのままひとつに融けてしまいそうだった。それは、泣けてしまいそうなほどの安らぎだった。





「ふう……ふう……ふう……」





 少女の呼吸が、浅田の下で落ち着いてくる。名残惜しく、身体を持ち上げた。





「姉ちゃん、最初はちょいと浅いと思ったが、締まりもぬめりも最高だったぜ」

「そうやあ……?」





 少女は放心した眼で、浅田を見上げている。これほど充実したセックスは初めてだったかもしれない。





「さて、と」





 狂熱も冷め、浅田は硬さを失った逸物をずるりと引き抜く。ぐちゅっと音がして、黄味がかった精液が大量にこぼれてくる。自分でも驚くほどの量だった。





「まんこがでれえ広がっとる……この甘酒みたいなの、何やあ?」





 佑介が、すっかり毒気が抜かれた顔で、少女のまんこをのぞきこむ。まんこは、ぽっかりと穴を開けていて、浅田の逸物が侵入した痕を生々しく残していた。





「これがおれの子種だ。これをおまんこの中に出すと、子供ができるんだぜ」





 これほど判りやすく印象的な性教育はないだろう。





「私、おじさんの赤ちゃん産むやあ……」





 少女の言葉にどきりとする。無理に、笑ってみせる。





「生理が来てなきゃ、産めねえよ。安心しな」





 そう、自分に言い聞かせた。

 窓の外を見ると、夏の日は盛りを過ぎ、夕方が迫っている気配を感じた。





「おっと、だいぶ時間が経っちまったな」





 裸のまま、プレハブの隅に転がっている箱ティッシュを持ってくる。何枚か抜いて、少女の膣から垂れている精液を軽くぬぐった。





「ふぐっ……」





 少女がぴくりと身体を動かす。





「そろそろ帰らんと、怒られる」





 智が、心細い声でつぶやいた。





「そうだな、今日は帰んな。お盆の間はおれひとりだからよ、また来たらいいや」





 胸が、少年のときのように早く打っている。もう一度、いや何度でも少女を抱きたかった。心残りを、濡れた逸物と一緒にティッシュでぬぐい去る。

 作業服を着直した。しかし、少女は布団から起き上がってこない。





「立てん……」

「しょうがねえな」





 少女のくしゅくしゅになった木綿のパンティを拾い、赤ん坊のように履かせてやる。少女はよろよろと立ち上がり、白いTシャツと桃色の短パンを履いた。





「おじゃましました」





 服を着た佑介と智も、三人が並んでぺこりと頭を下げる。思わず笑ってしまった。三人が、背中を向けたときだった。





「姉ちゃん、名前は何てんだい」





 少女が、首だけを後ろへ向けた。





「……桜井ねね」

「おれは、浅田朝次ってんだ」





 ねねと名乗った少女は、こくんとうなずくと、歩きにくそうながに股でプレハブを出ていった。浅田はひとりになる。

 今まで名前も知らなかった小学生の少女と、あれほど激しいセックスをしたことを思い出す。逸物が、再び硬く張りつめる。今から追いかけて、道端で犯したい衝動に駆られる。





「ははっ」





 首を振り、忘れ去られていたレジ袋から、缶ビールを取り出す。すっかりぬるくなっていた。

 浅田は、ねねと出会ったことに、ひとりで祝杯をあげた。





夏祭りの神社で、浴衣の少女と外でセックス





『浴衣姿の美少女にフェラチオをさせた後肛門を徹底的に舐める』





 盆休みの中日、八月十四日。

 浅田は、敷きっぱなしの古布団に寝そべって、壊れかけた扇風機の風を浴びている。

 昨日の、桜井ねねという少女。

 あのぬめりと締まり。肌と肌がひとつになってしまいそうな滑らかさ。苦しそうに喘ぐ幼く美しい顔。脳までとろかしそうな甘い声。





「ううん……」





 トランクスを、逸物が高く押し上げている。

 ねねの身体は、浅田にあまりにも鮮烈な記憶を刻みつけた。このまま眼を閉じて手淫を始めれば、すぐに射精してしまうだろう。

 下着の中へ、手を伸ばす。すでに逸物は、張りつめるほどに硬くなっていた。





「はっ……」





 苦笑して、手を元に戻す。

 小学校六年生の子供に、心を奪われている。

 昨日、また来たらいいと言った。来てほしいと思っている。行き違いになるといけないと思い、朝からずっとプレハブにいる。





 もう昼もだいぶ過ぎた。ねねは来る気配もない。

 来ないだろう。初めて出会った、父親の年齢のような男に、裸を見られたあげくに挿入され、中に出されたのだ。勢いではあったが無理矢理ではなかったと思っているが、ねねの考えは判らない。





 浅田とのことを、バラすことはないと思う。なぜプレハブにいたのかを説明しなくてはならなくなるからだ。ねねは、それを何より怖れているようだった。

 この出会いは奇跡だったのだ。ねねの記憶で、あと三十年は慰めていける。これ以上、とらわれているのは時間の無駄だ。





 眼を閉じる。

 浅田に組み敷かれて、身体ごと突き上げられるねねの姿が、頭の中で繰り返し再生される。あまりに生々しい記憶を幾度も再生するうちに、頭は重く疲れていた。

 それでも少しは眠っていたのか、眼を開けると日が沈みかかっていた。窓の外は紫色の夕闇に沈み、カエルの合唱が読経のように響いている。





「あーあ、ダメだな」





 記憶だけで、耐えられるものではない。ねねはこの集落にいる。見つけ出して、もう一度思い切り突きまくって中に出したい。いや、一度と言わず何千回でも何万回でも。





 カエルの合唱に混じって、別の音が聞こえてくる。祭り囃子だった。外を見ると、水田の向こうにある森がぼうっと光っている。たしか、あそこには神社があったはずだ。

 夏祭りをやっているに違いない。





 ねねに会える。

 小学生がプレハブでセックスするほど娯楽のないこの田舎なら、祭りというイベントに来ないはずはない。





「よおし」





 浅田は作業服を身にまとい、プレハブを後にした。





 神社は、小さな集落には不釣り合いなほどの規模だった。入口には見上げるほどの石でできた大鳥居があり、広大な地域を鎮守の杜が囲っている。参道沿いには色とりどりの出店が並んでいた。裸電球のあかりが煌々と照り、発動機の音が響いている。





 この集落のどこにこれほど人がいたのかと思うほど、人で溢れていた。老若男女が、出店をのぞきながら楽しそうに笑いあっている。参道の奥には二段のやぐらが組まれ、盆踊りの輪が太鼓とお囃子に合わせてゆっくりと回っていた。





 やぐらの周囲にひとつめの輪。やぐらの一段目にふたつめの輪。櫓の二段目には、太鼓を叩く若者の姿が見える。

 薄汚れた作業服で、ぼうっと立っている浅田は、誰からも孤立していた。





 と、鳥居の柱に、ひとりの少女が背をもたせかけて立っていた。

 緑地に朝顔をちりばめた浴衣を着て、黄色の帯を締めている。足元は赤い鼻緒の下駄を履いていた。両手で提げた桃色の信玄袋を、身体の前で揺らしている。

 髪は肩で切りそろえ、少し顔を伏せたまつげが長い。

 ねねだった。





「あ……!」





 思わずあげた声は、喧噪にまぎれて誰も聞いていない。ほとんど裸の姿しか見ていないので、浴衣を着ている姿に気づかなかった。

 それにしても。





 鄙にも稀なという言葉は学のない浅田でも聞いたことがあるが、浴衣姿のねねは、ひとりだけうっすらと光を放って見えるほど美しかった。

 昨日、あの浴衣の下の幼い身体をむさぼり尽くし、精液を最後の一滴まで小さな子宮に流しこんだのだ。





 喉がごくりと鳴る。すでに、作業服の下の逸物は痛いほどに勃起していた。 ざくざくと玉砂利を早足で踏みつけ、ねねの前に立つ。ねねが、はっと顔を上げた。





「よう」





 声が震えていた。





「あっ……」





 ねねが両手で口を押さえる。





「来なかったじゃねえか」





 首筋まで染めて、ねねがうつむく。





「だって、お客さん来とったもん。うち、本家(ほんや)だで」

「お客さんがいなかったら、来たのかい」





 ねねは耳まで赤くして、顔を上げなかった。





「佑介と、遊ぶ約束しとるもん」





 浴衣の裾が乱れないように、小股でねねが去って行く。

 が、それは雑踏の中へではなかった。出店の裏、光の届かない森の奥へ。

 参道が光りで溢れている分、その影は深く暗かった。





 ねねは、光が届かないところまで入ると、不意に立ち止まった。くるりとこちらを向く。

 じっと、浅田を見つめていた。

 理解した。ねねは浅田を待っている。闇の中へ誘っている。





「へっ……」





 悦びと獰猛な感情が、腹の底から湧いてくる。浅田がねねを渇望していたのと同じように、ねねもまた浅田を求めていたのだ。

 ねねと同じ心が判って、感動すら胸に満ちる。





 短い下草を踏んで、影の森へ入っていく。ねねは、浅田がついてきたことを確認すると、さらに奥へと進んでいった。盆踊りの灯りの位置からすると、神社の拝殿をぐるりと回りこんで、裏に回っているようだった。

 やがて、ねねが止まる。もう、祭りの光は届かない。月光が、木立を通って青いまだらの影を作っていた。祭り囃子はかすかなものになり、葉のざわめく音と虫の声だけが響いている。





 ねねが振り返った。青白い月光の中でも、顔に血が昇っているのが判る。唇をきゅっと引き締め、小さく肩を上下させていた。ゆっくりと、ねねに近づいていく。逃げようともしない。ついに、ねねから発する熱を感じられるほど接近した。

 ねねの頭は、浅田の喉より下にある。石けんと、ほのかに汗の匂いが漂った。





「昨日から、姉ちゃんのことが頭から離れねえんだ」

「え……?」





 誰かに聞かれることを怖れるような、小さな声でねねがつぶやく。





「朝から、ずっとこの調子なんだよ」





 浅田はベルトを外し、下着ごとズボンを下げた。邪悪な逸物が、天を衝いて跳ね上がる。





「あ……っ」





 ねねが、喉を鳴らす音が聞こえた。すぐに顔をそむける。しかし、耳が月夜でもはっきり判るほど赤く染まっていた。

 横を向いたまま、湿った手がすくい上げるように浅田の逸物にふれた。

 歓喜が、ばあっと舞い上がる。

羽根が撫でるように、ねねの小さな手が浅田の逸物を前後に行き来した。





「は……」





 射精するほどの刺激ではないが、浅田の逸物はますます膨らんでくる。





「いいぞ……姉ちゃん」

「うん……」





 ささやくような声で、短い言葉を交わしあう。

 ねねが、真下から浅田を見上げる。大きな瞳が、月光で濡れていた。





「おじさん……舐めてほしいだらあ……?」

「もちろんだ」





 力強くうなずく。ねねは浴衣のまま膝立ちになり、両手でそっと逸物の根本をつかむ。

 そして、亀頭に口づけをした。





「ちゅっ……」

「うおっ」





 唇が、尿道の入口にふれる。跳ねるような刺激だった。

 ねねは、短い舌で亀頭を舐めまわし、唾液をまとわりつかせていく。





「ん……ちゅっ……れろっ……んっ」

「う、上手くなったな」





 ねねは、昨日覚えたとおりに、逸物の茎を横から含んでいく。





「はむっ……んっ……うふんっ」





 ねっとりとした熱い舌が浅田の逸物を這い回り、次第に狂おしく求める気持ちが高まってくる。





「姉ちゃん、頑張って咥えてくれよ」





 ねねは、唾液で唇を光らせて、浅田を見上げる。





「うん……」





 精一杯口を開けて、ねねが亀頭を口に含む。





「ん……んぐっ……じゅるっ……」





 歯を立てないように、深く飲みこみすぎないように、ねねは慎重に前後に動く。口の中に溜めきれなくなった唾液が、口元から垂れていく。





「おお……」





 技巧はぎこちないが、幼いねねが自分の逸物に奉仕する光景は強烈だった。

 ねねの髪を優しく撫でる。さらさらと、絹のような手ざわりだった。うっとりと、ねねが眼を閉じる。





「んっ……ん……んっ」





 確かな熱の塊が、逸物の内に満ちてくる。このまま口の中に出してもいいし、ねねの美しい顔を精液で汚してみたい好奇心もあったが、膣内射精をしたときの魂を抜かれるような快感は忘れられなかった。





「もういいぜ、姉ちゃん。今度はおれが気持ちよくしてやる」





 そっと、ねねの口を逸物から外す。





「う、うん……」





 ねねがうつむく。浴衣を着たねねがひざまずくと、上からうなじが見えている。襟からのぞくうなじが、真っ赤に染まっていた。





「立ちな」





 浴衣の膝を払って、ねねは言われたとおり立つ。





「裾、持ち上げてみな。おまんこがよおく見えるようにな」

「えっ……」





 ねねは胸の前で手をもじもじと組んでいたが、やがて顔中を染めて、両手で浴衣の裾をつかんだ。

 するすると、浴衣が持ち上がっていく。ふくらはぎが、膝が、太ももが見えてくる。浅田は、ごくりと唾を飲んだ。

 もう少しで、下着が見えそうなところで止まる。見えなくても、頬を染めたねねが浴衣を持ち上げてすらりとした脚を丸見えにしている姿は、充分に扇情的だった。





「ま、まんだやあ……?」





 泣きそうな声で、ねねが訊ねる。裾を持ち上げた両手が、小刻みに震えていた。





「まだだ」





 浅田の声も震えている。ねねは短い逡巡のあと、諦めたように裾を持ち上げた。





「……っ」





 木綿の下着が、月光に青く浮かんでいる。よく見ると、染みが大きく股についていた。今度は、浅田がねねの前にひざまずく。

 まじまじと、ねねの下着を凝視した。確かに、股の底の部分が湿っている。





「み、見んで……」

「判ったよ」





 浅田は、ねねの小さな恥丘に鼻を押し当てた。汗のような、尿のような匂いのほかに、ムスクのような動物性の芳香がする。





「きゃっ……か、嗅がんでっ」





 ねねが悲鳴のように訴える。浅田は完全に無視して、すうっと思い切り芳香を肺の中へ吸いこんだ。





「姉ちゃん、濡れてんだろ」

「し、知らん」





 ねねが激しく首を振る。





「じゃあ、確かめてみねえとな」





 浅田はゆっくりと、失敗しないように、木綿の下着の両端をつまむ。





「あっ……」





 ねねは声をあげたが、浅田の動きを止めようとはしない。

 するすると、下着をおろしていく。日焼けから逃れた、雪のような肌が月光に浮かびあがる。なおも下げていくと、清純そのものと言っていい割れ目の先端が見えた。





「たまんねえ」





 浅田の鼓動が、とてつもなく速くなっていた。





「うう……」





 夏だというのに、ねねの身体が小刻みに震えている。

 浅田は、小学生らしい質素なパンティを、完全に引き下ろした。

 透明な糸が、つうっと下着に貼りついて伸びていく。





「糸引いてんじゃねえか。姉ちゃん、舐めてるだけで濡れちまったのか?」

「ち、違うもん」





 ねねはぶるぶると首を振るが、裾を戻そうとはしない。

 白い肌に通った割れ目に、鼻息がかかるほど顔を近づける。大人よりはずっと爽やかな、女の匂いが漂った。





「いい匂いだぜ」

「いやっ……」





 そう言いながらも、ねねの白い下腹部がうっすらと染まってきている。

 指をそうっと持ち上げ、ねねの膣に浅く沈める。熱い沼が、そこにあった。





「あんっ……」





 子猫のような声で、ねねが鳴く。

 指先にたっぷりとねねの愛液を絡め、襞を滑らかになぞっていく。





「うっ……んっ……あっ」





 外にいることを意識しているのか、ねねは声を抑えようと必死だった。

 祭りの喧噪でも誰かが気づくくらい、思い切り声を上げさせてみたい。いじめたい気持ちがむくむくと湧いてきた浅田は、いきなり中指を挿しこんだ。





「ああああっ! んっ……くうっ」





 不意打ちに大きな声を出してしまったねねは、懸命に息を止めて刺激に耐える。このまま、天井を擦ってもっと乱れさせてもいいが、浅田の頭にある考えが浮かんだ。





「姉ちゃん、尻をいじられるのも好きなんだろ? 智にやられても嫌がってなかったもんな」

「ううん……ううん……」





 膣を指で貫かれながら、ねねは弱々しく首を振る。





「へっ……まあいいや。木に手ぇついて、尻突き出しな」

「……うん」





 ねねは否定しながらも、素直に裾から手を離して赤松の巨木に手をつき、馬乗りのように腰を突き出した。





「へへ……」





 浅田はねねの浴衣をまくり、下半身を露出させる。





「んっ……」





 白い尻は、小さいが引き締まっていて丸い。濡れた膣の入口が、月光に照らされてきらきらと光っている。そのすぐ上に、イソギンチャクのような穴が、ふるふると浅田を待っていた。

 神聖な尻の前に、浅田はひざまずく。双丘をつかんで、ぐいっと広げる。排泄をするためだけのものとは思えない、美しい穴が夜気にさらされた。





「はあっ……んっ」





 相当昂奮しているのか、ねねが熱い吐息をこぼす。

 浅田はいきなり、肛門の中へ舌をねじりこむ。





「ひうううっ! ちょう……おじさんっ……! 汚いっ……」





 ねねが悲鳴をあげる。智には、尻を舐めさせてはいないらしい。誰よりも先んじた誇りが、脳で弾ける。

 肛門の出口を、舌で強くねじ回す。刺激のある苦みが、舌で跳ねた。





「んんんんっ……や、やめてえっ……」

「苦えな。きちんと尻拭いてんのかい」





 奇跡のような美少女が、当たり前だが人間であることに、ますます昂奮が高まる。





「ふ、拭いとる……あかん、出ちゃう……」





 ねねが、全力で尻に力を入れる。

 ぷうううっ。

 らっぱのような音とともに、浅田の顔に湿った空気が吹きつける。





「や、やだあ……」

「こら、顔に屁をかけるな」





 ふざけた気持ちで、ねねの尻をぴしゃりと叩く。





「あうっ……」





 叩かれたのに、妙に色っぽい声だった。叩かれて悦ぶ趣味があることは知っているが、まさか小学生でそれはないと信じようとする。





「罰だ。おれが姉ちゃんの尻を、舐めてきれいにしてやる」

「やめ、てえ……」





 弱々しい、言葉だけの拒否だった。

 肛門を、ぐいと広げる。襞のすみずみまで、舐めてやるつもりだった。

 まずは入口を、丹念に舐めていく。苦みが消えるまで、何度も何度も舐める。





「あうっ……んうっ……あううんっ」





 ねねがつかまる松の皮が、ぽろぽろと落ちる。尻を舐めているうちに、膣から溢れた粘度の高い滴が、ぽたりとこぼれた。

 さらに、舌を肛門の奥へ侵入させる。





「ひいいっ」





 ねねの身体にある汚いものを自らの手ですべて取り除き、人間から至高の存在にする。ほとんど信仰のような熱心さで、浅田はねねの出口にこびりついた汚れを舐め取っていった。





「うあああっ、あ……いいっ……お、おじさん……出そうっ」

「屁なら、別にいいぜ」

「ち、違うっ……う、うんこ……」





 消え入りそうな声で、ねねがようやく口にする。

 さすがに浅田も我に帰り、尻から顔を離した。





「そりゃあいけねえな……姉ちゃん、尻でもよっぽど感じてんだな。もうまんこがぐちょぐちょだぜ。将来有望すぎんだろ」

「……っ」





 ねねは、背中を大きく上下させたまま、何も言わなかった。

 もう、充分だろう。

 浅田は、はち切れそうな逸物を、膣の入口に引っかけた。改めて見ると、ねねの身体は小さい。浅田の逸物がすべて飲みこまれたとしたら、膣は肛門まで裂け、みぞおちまで達してしまうのではないかと思える。





「う、後ろやあ……」





 ねねの声が怯えていた。





「大丈夫だって。昨日は前から入ったじゃねえか。もう姉ちゃんは、おれのちんぽが入るおまんこになってんだよ」

「……痛く、せんでね」





 入れてもいいということだった。

 浅田の心臓が、トップギアで回転し始める。





夏祭りの神社で、浴衣の少女と外でセックス





『浴衣の美少女に立ちバックで中出しする』





「いくぜ……」





 ゆっくりと、しかし力強く、腰を押し出していく。

 昨日はまるで肉の壁に阻まれているようだったが、今日は亀頭がじりじりと飲みこまれる。





「あっ……はあああっ!」





 ねねが叫んだ。万力のような締めつけだった。本気で力を込めないと、これ以上奥に進めそうにない。





「姉ちゃん、締めすぎだぜ。入っていかねえよ」





 歓喜だった。このきつい肉で限界まで擦り上げて、子宮の奥に放ちたい。制御不能の黒い熱情が、一気に湧いてくる。





「ま、まんだ大丈夫……おいでんっ」





 ねねが苦しそうに、浅田を誘う。ねねから求められるとは思わずに驚いたが、獰猛な笑みが口元に浮かぶ。





「知らねえぞ」





 月光に浮かぶ白く幼い尻を両手でぐっとつかみ、力をこめて引きつける。ねねの身体の中で、めりめりと音が聞こえそうな肉の抵抗だった。





「ぐうううう……っ!」





 ねねが必死で松の皮をつかむ。松の皮は次々と剥がれ落ち、ねねはとうとう身体を支えられなくなった。

 ねねの膝が折れる。





「おっ……と」





 浅田もねねの落下に合わせて腰を落とし膝立ちになる。どんな状況でも、ねねから逸物を抜きたくなかった。

 ねねの緑の浴衣は、上半身は帯で留まっているが下半身は完全に丸出しで、赤い鼻緒の下駄は脚から外れそうになっている。

 全裸よりもあまりにエロティックな姿に、膣の中の逸物がさらに膨らむ。





「ああっ……」





 ねねは草むらに倒れ、尻だけを突き上げている。その尻と、浅田の逸物がつながっている。





「まだ、全部入ってねえぞ……」

「ふうっ……! ふうっ……! ふうっ……!」





 ねねは答えず、大きく背中を上下させていた。

 膣内は、充分に潤っている。にもかかわらず、大人の握力のような締まりが、簡単に侵入させるのを拒んでいた。

 こじ開けるように、浅田は腰を沈めていく。





「ううううっ……! はあっ」





 ねねが歯を食いしばって耐え、我慢しきれなくなると溺れる者のように息を吸う。

 そして、とうとうそれ以上先に進めなくなった。正真正銘の肉の壁だ。





「姉ちゃん、頑張ったな。奥まで行ったぜ」

「うん……」





 ねねが、息も絶え絶えにうなずく。

 膣内が、湯のように熱い。幼いころ、葛湯で火傷したことを思い出す。





「よいしょっ……と」





 ずるずると、引き抜いていく。亀頭のカリに絡みついた肉が、逃がすまいとさらに締め上げた。





「あああああっ!」





 ねねの背中がびくんと跳ねる。浅田でさえすさまじい感触だったのだ。ねねが受けた刺激は想像もできない。亀頭が入口まで戻ってくる。ねねが、うつ伏せのまま腕を持ち上げて、ひらひらとはためかせた。





「は、早う……」

「判ったよ」





 ねねの渇望を受け止める証のように、しっかりと華奢な手を握りしめる。

 そして、一気に熱い寒天を奥まで引き裂いた。





「うぐううっ」





 食いちぎられそうな締めつけは、溢れる愛液でさらに射精感を高めていく。





「はは……」





 あまりの快感に、笑うしかなかった。

 浅田はできるだけ長くねねの身体を味わいたくて、ゆっくりと出し入れを開始する。





「ああっ、あはあっ、あんっ、ああんっ」





 ねねの声が、甘く濡れている。小学生でも、こんな声が出せるのだ。

 祭り囃子が遠い。人がくる気配もない。来たとしても、とても途中で止められるとは思えなかった。

 腰を動かすたび、ぐちゅっ、ぐちゅっと粘りけのある音がする。突くごとにねねの身体から湧いてくるようだった。





「すげえ濡れてるぜ。これなら全力で動いてもいいよな」

「う……んんっ、そんなっ……ことっ、したらっ、私っ……死んじゃうっ」





 身体を後ろから突き動かされながら、ねねがきれぎれに言葉にする。





「女は、おまんこで死にゃあしねえよ。じいさんが心臓麻痺で死ぬことはたまにあるが、おれもそんな年齢じゃねえ」

「んんっ、うんっ……ああっ」





 浅田の言葉が届いているのかいないのか、ねねは返事にならない喘ぎを繰り返す。





「いくぜ」

「うんっ……!」





 いつのまにか、何かしようとするときには、ねねの許可を得ようとしていることに気づく。苦笑しつつ、腰を思い切り小さな尻に叩きつけた。





「うああああっ! ううううっ……」





 身体を貫いた稲妻に耐えるように、ねねが歯を食いしばる。





「我慢しなくていいんだぜ。思い切り声出せよ。人が来たって構やしねえ。そのときはそのときだ」

「うんっ……うんっ!」





 ねねが必死に答える。





「うおおおっ」





 浅田は、ねねの膣からもたらされる悦びを、一瞬たりとも逃すまいと、何度も何度も腰を打ちつける。





「はぁっ! はっ、はあっ! あっ、あんっ! あああっ、い、いいっ……!」





 ねねの喉から絞り出される喘ぎが、夜の森に響く。

 逸物を包みこむ肉が、焼けるように熱い。

 少しでも早く、精液を搾り取ってやろうとするかのように、ねねの膣が収縮する。

 ねねの尻と、浅田の腰が、ぶつかりあって拍手のような音をたてる。





「くうっ……出すぞ、姉ちゃん。おまんこの中になあ、全部出してやる。おれの子を産めっ……!」

「あはあっ、うんっ、はあっ、うんっ……! 出しん、全部出しんっ! あはあああっ!」





 ねねの華奢な手が、全力で浅田を握りしめる。

 来た。亀頭まで登った。まだ耐える。最後まで腰を動かす。

 浅田の我慢は、腰が抜けそうな快感とともに打ち砕かれた。





「うおおおおっ!」

「あああああっ!」





 ねねと浅田は、つながり合ったまま、氷像のように動きを止めた。

 びくびくびくっと逸物が魚のように跳ね、ねねの幼い子宮へ精液を注ぎこんでいく。最も大きな奔流が過ぎ去ると、逸物のが跳ねるリズムが次第に緩やかになっていった。





「くっ……」





 腹に力を入れて、最後の一滴を絞りきった。





「ふう……ふう……はあ……」





 ねねは草むらに顔を伏せ、大きく息を繰り返している。

 逸物がねねの中でしぼんでいく。名残惜しく、ねねからずぼりと抜く。





「んあっ……」





 抜かれたときの刺激で、ねねが声をあげた。

 ねねの膣は、その小さな身体に不釣り合いなほど大きく口を開いていた。大量の精液が、ぼとぼととこぼれ落ちる。裂けてしまうのではないかと思っていたねねの膣は、無傷のままだった。

 少し、ほっとする。





「姉ちゃん、大丈夫かい」





 射精をした後は、心に余裕も出てくる。





「ううん……動けん」

「イったのかい」

「……判らん」





 浴衣を汚してしまうのが申し訳なくなり、ズボンにねじ込んだタオルで、膣から流れる精液を拭き取ってやる。





「ふぐぐっ」





 ごわごわなタオルで拭かれて、ねねが顔を跳ね上げた。





「さ、これで浴衣を戻しても大丈夫だ」

「うん……」





 ねねは膝まで下りた木綿のパンティを履き、立ち上がって浴衣の裾を戻した。





「パンツのゴム、ゆるゆるになった」





 ねねが居心地悪そうな顔になる。額と頬に、少し土が付いていた。





「顔、汚れてるぜ」





 普段はタオルばかり使っているが、ポケットにハンカチがないわけではない。ねねの顔を拭いてやると、くすぐったそうに眼をつぶる。さすがに、精液を拭いたタオルを使うのはかわいそうだった。





「ありがとう」





 ぺこりと、頭を下げる。田舎ではあるが、礼儀正しく躾けられているのだろう。急に身体がむずがゆくなる。





「まあ、おまんこして女に礼を言われるなんてのは、男冥利に尽きるってもんだ」

「ち、違うよ! 顔拭いてくれて、ありがとうて言っただもん」





 ねねが真っ赤に頬を染める。





「はは……まあ、気をつけて帰んな。おれと一緒にいるところを見られたら、ろくな噂にならねえ」





 というより、ねねを犯していることが発覚したら、袋叩きにされかねない。





「うん……じゃあ」





 ねねが、背中を向けようとしたときだった。





「姉ちゃん、またおれとおまんこしてくれよ」

「……いいよ」





 ねねが、ほとんど聞こえない声でつぶやく。浴衣の襟からのぞくうなじが、染まっていた。

 ねねは、祭りの灯りの方へ歩いていく。と、くるりとこちらを向いた。





「おじさん、私に赤ちゃん、産んでほしいやあ?」





 確かに、熱にうかされてそんなことを口走ってしまった。小学生に自分の子を産めと言ってしまうのは、さすがに恥ずかしさで身体が熱くなる。





「バッ……バカヤロ。生理も来てねえガキが何言ってんだよ」





 今度は、浅田がねねに背を向けた。光とは反対側へ、早足で歩いていく。

 ねねはまだ、背中を見ているだろうか。

 確かめるのが怖かった。





 神社の杜を抜けると、一面の青い稲が月光にさらされて波のように揺れていた。

 月を見る。浅田は、満ち足りた思いを感じていた。





スクール水着の美少女と川の中でセックス





『スクール水着で川遊びをする女子小学生を裸にする』





 盆が明けて、最初の日曜日。

 道路工事は再び始まり、炎天下を浅田と同僚の土方たちは、朝から晩まで毎日穴を掘り、砂利を運び、道路をならした。

 休みになれば、プレハブに居残る者はほとんどいない。電車に乗って競馬場に行ったり、ボートレースに行ったり。昔の赤線で今も細々とやっている妓楼に行く者もいれば、奮発して都会の歓楽街に行く者もいる。





 浅田は昼前までプレハブに残っていたが、五、六人がごろごろとエロ本を読んだり、朝から缶ビールをあおったりしている。ねねが来ても、ここでセックスはできない。

 むくむくと、ねねに会いたい気持ちが湧いてきた。

 会って思いきりセックスしたい。あの幼い膣に最後の一滴まで射精したい。





 ねねを探すことにした。旅行にでも行っているのでなければ、この集落のどこかにいる。

 浅田は、唯一の私服である白いランニングシャツと、麻の半ズボンを履いてプレハブを後にした。

 水田地帯のど真ん中に、夏の太陽がぎらぎらと照りつけている。

 こんな暑い日に、浅田が子供のころはどんな遊びをしたか思い出してみる。





 雑木林の木陰で虫取り。川で水遊び。

 今どきの子供はそういう遊びをしないかもしれないが、こんな田舎なら浅田と同じことをしているような気がした。

 資材を運ぶためトラックの荷台に乗っていたときに、川遊びにちょうどいい河原を見かけたことがある。ここからそう遠くもない。

 まずはそこに行ってみることにした。





 記憶を頼りに、砂利道の県道をてくてくと歩いていく。いつも炎天下で働いているので、暑さには慣れているが額にじわりと汗がにじむ。やがて、短い石の橋が架かった川に出る。

 川幅は短いが、水量は豊かでここで遊んだらさぞかし涼しいだろう。ねねがいるいないにかかわらず、水浴びがしたくなった。





 堤防を下りて、砂礫の多い河原に立つ。河原と言えば石がごろごろしている場所が多いと思っていたが、ここの河原は砂ほど細かくもなく、言うなれば小石の砂浜だった。

 と、橋の下の影に、何かがいる。スクール水着の少女が背を向けていた。少女の前にはヨシの繁みがあって、前方からは身を隠せるが浅田のいる方からは丸見えだった。





 よく見ると、前方の川の中では少年ふたりが声をあげて遊んでいる。少女はその少年たちから見えないようにしているようだった。

 きょろきょろと、少女はあたりを見回す。横顔を見た浅田は、声をあげそうになった。ねねだった。





 ねねは、スクール水着の肩紐を両方とも外すと、ぐいっとずり下げた。水着に隠れていた白い背中が、輝くほど白い。そのままスクール水着を、さらに脱いでいく。

 丸い尻があらわになった。ねねは昼間の河原で、ほとんど全裸になってしまった。残っているのは、膝に巻きついたスクール水着だけだ。





 ねねは、そのまま砂礫の砂浜にしゃがんだ。脇腹から尻にかけての曲線が、大人のような艶めかしさで、尻を最も美しく見せる姿勢はこれではないかと思った。

 ねねの足元から、透明な液が流れていく。小便をしているのだ。

 浅田は、ねねのような美少女が野で用を足すことに頭を揺さぶられるような衝撃を受けた。これが田舎のおおらかさというものか。





 放尿を終えたねねは、ぶるっと背中を震わせると立ち上がり、再びスクール水着を身につけていった。

 浅田は、ざくざくと砂を踏んで近づいていく。ねねがびくっとして振り向いた。そして、浅田の顔を見ると何ともいえない羞恥の表情を浮かべた。





「見とった……?」





 ねねは、足元の砂に尿が吸いこまれるのを確認していた。





「ああ。最初から最後までな。スクール水着で小便するにゃあ、全部脱がなきゃいけねえんだな。女は大変だな」

「……っ」





 ねねがうつむく。濡れた髪の先から水滴が落ちている。水着の胸には白い布に「桜井」とマジックで書かれていた。





「佑介たちと、遊んでんのかい」

「うん」





 ねねは、野外での小便から、話題が移ったことにほっとしているようだった。





「おれも暇だし暑いしよう、川で遊ぼうかね」

「い、いいよ」





 浅田は上着を脱ぎ捨てると、川へざぶざぶと入っていった。以外と深く、すぐに腰まで水につかる。真夏とはいえ、川の水は充分に冷たく、思ったより流れが速い。こんなところで毎日遊んでいたら、相当鍛えられるだろう。





「おうい」





 上流で遊ぶ佑介と智に手を振る。気づいたふたりは、駆け足で浅田のところにやってきた。





「おじさん、お姉ちゃんは絶対来るなて言っとったけど、いいやあ」

「ああ、もう姉ちゃんは小便が終わったからな」





 智の言葉に素直に答えると、ねねは真っ赤になった。





「お、おじさん……そういうこと、言わんでよ」

「ねね、しっこしとったやあ」





 佑介が、鼻息を荒くして訊ねる。





「知らん」





 子供たちと童心に帰って水遊びをするのも魅力的だったが、この四人は共有している秘密がある。





「今から、おまんこするか。ここで」

「そ、外じゃん」





 佑介が顔を赤くして狼狽する。





「橋の下なら判んねえよ。姉ちゃんは、外でするのは初めてじゃねえもんな」

「……うん」





 消え入りそうな声で、ねねがうなずく。





「えっ、いつしたやあ」

「盆踊りの、とき」





 ねねの言葉に、ふっと佑介と智の表情が消える。子供相手だというのに、浅田の背中がぞくりと冷えた。





「いや、姉ちゃんをひとり占めする気はねえんだ。たまたま神社で会ったから、な」





 ねねが、ぱっと浅田を見上げる。





「おじさん、私が他のひととしてもいいやあ」

「姉ちゃんがそうしたいのを、おれは止めらんねえだろ」





 大人の卑怯な責任逃れだった。





「私、そんなことを言っとるじゃないよ。おじさんの気持ちを聞いとるだよ」





 まいった。小学六年生にして、一人前の女だった。





「……ねね」





 佑介が、ぼそりとつぶやく。





「な、何い……?」

「俺としとるとき、好きだって言っただらあ? 俺は、本気にしとるぞ」





 確かに、プレハブで三人がセックスをしていたとき、そんなことを言っていた。浅田にとっては、ねねが身体を開けばふたりの関係がどうであろうと構わなかったが。





「あ、あれは……」





 ねねが、困った顔でうつむく。





「佑介、安心しな。おれは工事が来年の春に終わったら、またどっかに行くんだ。何年あとも姉ちゃんと一緒にいられるのは、佑介なんだぜ。おれは短い間、姉ちゃんとおまんこしたいだけなんだよ」

「そ、そうやあ」





 佑介がほっとしつつも、複雑な表情になる。





「おじさんは、私としたいだけやあ」

「姉ちゃんは、おれとおまんこしたくねえのかい。他になんかしてほしいことがあるのか?」

「うーん……」





 ねねは考えこんでしまう。一人前に三角関係になろうとしているのがおかしかった。





「お姉ちゃん、みんなでしようよう」





 智が、いさかいの雰囲気を中和しようと甘えた声で提案する。





「そうだそうだ、みんなで仲良くおまんこすりゃあいいんだよ」

「……判った」





 ねねは納得しきれない顔ではあったが、しぶしぶうなずいた。





「よおし、おまえらも川の中に入れよ。橋の下にいりゃあ遊んでるように見えるぜ」

「う、うん」





 佑介が、早くも昂奮に鼻の穴を広げて川に入ってくる。智もざぶざぶと続く。ねねだけが、水際に立っていた。





「早く来いよ」





 まだ逡巡の見えるねねを、お姫様だっこで持ち上げる。





「きゃっ……」





 セメント袋一個半というところで、充分余裕がある。スクール水着というのは独特の感触で、濡れた厚手の布地が素肌の腹をこする。





「さすがに、小学生は軽いな」

「そ、そうやあ」





 ねねは浅田の腕に抱えられてぎゅっと縮こまりながら、頬を染めた。

 そのまま川に入る。ねねの身体が水につかると、浮力でさらに軽くなった。橋の橋脚まで来ると、ねねを下ろした。水は胸の高さまで来ている。





「……来たよ」





 ねねがうつむき、ぽつりとつぶやく。

 浅田がスクール水着の肩紐に手をかける。





「……っ」





 ねねは身体を硬くするが、浅田の手を払おうとはしない。胸の高鳴りが、次第に強くなっていく。

 肩紐をずり下げる。太陽から隠されていた胸が、ひときわ白かった。





「うう……」





 ねねは日焼けしても明らかに判るほど、顔を赤くしていた。佑介が眼を剥いて横から凝視している。





「ねねのおっぱい、白いな」

「や、やだあ」





 ねねがいやいやをする。それには構わず、水着をへそまで下げた。ねねが肩紐から腕を抜き、胸を隠して肩まで水に沈む。





「やっぱり、恥ずかしいよ……」

「なんだよ、この前は外でおまんこしたじゃねえか」

「だって、あん時は夜だもん。今は丸見えじゃん。誰かに見つかるかもしれんし……」

「それが昂奮するんじゃねえか」





 浅田は素早くねねの額に手を当てて顔を上向かせると、間髪を入れず唇を奪った。





「んっ……」





 ねねが驚いたのは一瞬で、すぐに眼を閉じた。





「ん……ちゅっ……あむっ……」





 スイッチが切り替わったのか、ねねは浅田の唇を不器用についばんでくる。さっきまでの恥じらいや戸惑いは、どこかに飛んでいってしまったようだった。

 一方的に攻めるのも悪くはないが、ねねが自ら快感を求めてくるのは違った満足感があった。





「んんっ」





 小さな口をねじ開けて、舌を差し入れるとねねがうめく。半裸の浅田にしがみついてきた。

 ねねの唾液がうっすらと甘い。ねねも懸命に、舌を絡ませようとしてくる。





「んっ、うんんっ、ぷはっ」





 苦しくなったのか、ねねが離れる。唾液の糸がふたりの間に現れて、すぐに消えた。





「はあっ……」





 ねねの眼は熱く潤み、白い胸がうっすらと上気していた。





「お、おじさん」





 佑介が、何か言いたげな眼で見つめている。





「そうさな、ひとり占めしねえって言ったもんな」

「ねね、おっぱいさわってもいいかん」

「……うん」





 ねねがこくんとうなずく。佑介は急いでねねの背後に回ると、胸を背中に密着させてねねの前に手を持ってくる。





「あっ……」





 水の中で、佑介の手がねねの胸を覆っている。





「や、柔らけえ」

「ちょう……強いっ」





 ねねが身体をよじる。





「こりこりが、硬なっとる」

「いっ……ううんっ」





 佑介は、昂奮した面持ちで夢中になってねねの胸を揉んでいた。





「さあて、おれはどうしようかねえ」





 浅田は、股だけを隠しているスクール水着に手をかけた。





「あっ、やっ、やめっ」

「よっ……と」





 ねねの身体を背泳ぎのように水面まで持ち上げ、一気にスクール水着を引き抜いた。





「や、やだあ……」





 ねねは、川の中で素裸になった。白い腹が、ゆらゆらと水中で光っていた。妖精のような美しさとは、このようなものを言うのだろうか。





「ほう……」





 浅田から、思わずため息がこぼれた。





「佑介君ばかりずるいよ。ぼくもお姉ちゃんにさわりたい」





 智が、首まで川に浸かって抗議する。





「おうおう、いいとも。やっぱりケツか?」

「うん!」





 智は、どぶんと川に頭を沈めた。





「んあああっ! と、智! やめりん」





 ねねが、水の中で暴れる。





「水中かんちょう」





 共が水面に顔を出すと、勝ち誇った顔で笑った。





「本当はまっとさわりたいだけど、息が続かん」

「こうすりゃいいんだよ」





 浅田はねねの腰を抱えて水面に出す。真っ白な股にぴしっと通った筋が、陽光にさらされた。





「は、恥ずかしいよ」





 ねねがすらりとした脚をもじもじさせると、水しぶきが舞った。佑介は、熱にうかされたような顔で、ねねの幼い胸を揉み続けている。





「智、おれがまんこを可愛がるからな、おまえはケツをいじってやれ」

「うん!」





元気に智が返事をする。浅田は左腕でねねの腰を支えていた。水中では充分に軽い。





「お姉ちゃん、いっくよう」

「んううっ! と、智ぉ……深いいっ」





 智は水中の肛門をあやまたず貫いたようだった。ねねが、眉間に皺を寄せてぎゅっと眼をつぶる。





「だ、だめだめだめ! おなか冷えとるし……本当に出ちゃうっ……!」

「いいじゃねえか。自然の水洗トイレだ。すぐに魚のエサになっちまうぜ」

「あかんっ……やだっ……! みんなの前でうんこなんかできんっ……あああっ、本当にだめっ……!」





 ねねは、泣きそうな声で必死に訴える。





「うわあ、お姉ちゃんの尻の穴、でれえ力で噛んでくるよ。お姉ちゃん、本当に一生懸命に(いっしよけんで)我慢しとるだね」

「さっき、おれの前で小便してたじゃねえか。今さら何てことねえよ」





 この美しい少女が、腹の中から糞をひり出すのを想像すると、あまりのギャップにくらくらする。





「お願い……本当に、んんうっ! もう、限界……!」





 ねねの強く閉じた眼から、涙がすべり落ちる。さすがに哀れになり、浅田は智の腕をつかんで引き抜いた。





「はああっ……」





 ねねが、安堵のため息をつく。





「えーっ、ぼくお姉ちゃんがうんこもらすとこ見たかった」

「まあ、本気で泣いてっからな、勘弁してやれ。それにしても智、いい趣味してんな」

「えへへ」





 智は褒められたと思ったのか、嬉しそうに笑う。





「もう……ぐすっ」





 ねねが鼻をすすり上げる。





「ははっ、今度はおれが気持ちよくしてやっからよ。佑介、あんまりうっとりしてねえで、ちゃんと可愛がってやれよ」

「あ、うん」





 佑介は胸をさわりながら、心ここにあらずの返事をする。浅田は、左腕で腰を抱えたまま、右手で水中の膣にそっと指先をふれた。





「んっ……」





 まだ指を中には入れず、膣の入口を少しずつ緩めるようにこすっていく。





「うんっ……ふっ……つ、冷たい……水が、入ってくるよう」





 ねねの声が、だんだんと濡れてくる。





「そろそろ、いいかな」





 浅田は、中指の第一関節まで、ねねの中に沈めた。





「あんっ」





 可愛い声で、ねねが小さく叫ぶ。指先だけなのに、締める強さはなかなかのものだった。

 ゆっくりと、指の出し入れを開始する。





「あっ、はっ、んっ、うっ、あっ、あっ、あっ」





 指のリズムに従って、ねねから甘い吐息がもれる。初めて会ったときは、指さえ太いと言っていたが、今は苦痛を訴えることもなく、浅田が送りこむ快感を味わっているようだった。

 浅田が手を動かすたび、ねねの股間で川の水が跳ねる。

 腕と脚はこんがりと日焼けしているが、胸から股にかけて水着の跡が真っ白に残っている。川に身体を浮かべながら、喘いでいる様子は何とも言えない感情を掻き立てた。





「お、このぬめりは水じゃねえな」

「だって……んんっ」





 指の前後動を繰り返すうち、浅田の中指が新たな温かさに包まれてきていた。





「よおし」





 浅田は、中指を根本までずぶずぶと沈めていくと同時に、親指でクリトリスを探った。





「ひうっ……ああああんっ」





 ねねが、びくりと身体を動かす。浅田は、クリトリスを包む皮を一枚一枚剥ぐように、指を動かしていく。





「ひいっ……冷たっ……んんんっ」





 ねねは、佑介に身体を支えられながらも、もう抵抗する力を失っているように見えた。





「どうだい姉ちゃん、そろそろおれのちんぽが欲しいんじゃないのかい」

「そ、そんなこと……智も佑介もおるのに、言えん」





 ねねがいやいやをするように首を振る。浅田の股間は、川の流れにも負けずに半ズボンの下でそそり立っていた。





「こうしたら、言えるようになるんじゃねえか」





 きつく締めつけられる中指の先を、くいと持ち上げて天井を擦る。もちろん、その間も親指でクリトリスをなぶり続ける。





「うあっ、ああんっ、んっ、んぐぅっ」





 ねねが顔を反らして白い喉を見せた。





「へへ……おれの方が我慢できねえや」





 凶暴な感情に従って、川の中で逸物を出そうとしたときだった。

 橋脚が、激しい音と共に揺れる。





「んんうっ!」





 ねねが、潰されたような声をあげる。その瞬間の締めつけは、中指まで食いちぎられそうだった。





「車が、通っただよ」





 佑介が、多少怯えた顔で橋を下から見上げる。





「や、やめよう……おじさん。見られたら、えらいことになる」





 ねねが、半分蕩けながらも不安な表情を見せた。





「いやいや、おれが入れてるときに、車が通ってみろ。姉ちゃん、すげえ締めつけで絞ってくるだろうぜ。やらねえわけがねえだろ」

「そんな……」





 ねねは泣きそうな顔になったが、智のときに見せた義侠心はいざ欲望を満たすのが自分の番になってみると、一瞬で消し飛んだ。

浅田は、ねねの膣から指を抜く。





「あんっ……」





 そして、そのまま水中でズボンを下げた。隆々と立った逸物は、川の流れにも負けずに屹立している。





「さあ姉ちゃん、入れるぜ」





スクール水着の美少女と川の中でセックス





『川の中で美少女に駅弁で中出しする』





「や、やあっ」





 さすがに、ねねが拒む。初めて会ったときのように屋内でもなければ、夏祭りのときのように夜でもない。先ほどのように、車も通る。見られる可能性は大いにあった。

 見られて困るのはむしろ浅田の方で、村人に袋叩きにされても文句は言えない。しかしそれ以上に、陽光の下ですべてをさらしたねねを、逸物で貫いて乱れさせたかった。

 水中で、逸物の先端を膣の入口に押し当てる。





「あっ……本当に、やめっ……」

「いくぜ」





 ねねの脇腹をつかみ、ぐっと逸物を押し入れる。冷えた川の中から、湯のような膣の中へ入っていった。





「あああああっ!」





 ねねが、眼をきつくつぶって声をあげる。セミが鳴き、川のせせらぎがあるとはいえ、充分に聞こえる声の大きさだった。





「おいおい、そんなでけえ声出してたら、バレちまうぜ」

「だ、だって……んんんっ!」





 佑介がとろけた顔で胸を揉み続けている。





「こりこり、痛いっ……佑介えっ」





 乳首をいじられているのか、ねねが身体をよじる。しかし、浅田に腰をつかまれ、逸物を打ちこまれているため、大きくは動けない。





「相変わらず、すげえ締めつけだな。川が冷てえもんだから、熱さがたまんねえ」





 ゆっくりと、川の中で腰を動かし始める。歯のない口で噛みつくような締めつけと、水と愛液の充分な潤いが、すぐに射精の予兆を呼び起こす。





「あんっ、んんっ、うんっ、んぐううっ」





 ねねが声を出さないよう、両手で口をふさぐ。それでも、浅田が腰を突き上げるたびに、声がもれてしまう。





「いやあ、俺は川の中でおまんこするのは初めてだけどな、なかなか新鮮で悪くねえ」

「うふうっ、んむっ、んんっ、あはあっ」





 ねねは、浅田のひとりごとに付き合う余裕はとてもなかった。

 腰をねねの股に打ちつけるたび、ばしゃばしゃと水しぶきが上がる。それが面白くて、腰を動かす速度を上げていく。





「んんんっ、んんーっ、あ、あかんっ」





 ついに、ねねが口から手を離した。





「おじさんっ……おじさんっ」





 ねねが水の中から、何かを求めるように両手を持ち上げる。





「なんだい」

「ぎゅって……ぎゅって、してっ」





 浅田が身体を倒して首を差し出すと、ねねは必死の力でしがみついた。





「よいしょっと」





 背筋を使って身体を起こすと、ねねの身体が水中から持ち上がっていく。去っていくねねの身体を佑介が呆然と見つめていた。

 いわゆる駅弁という姿勢で、ねねは自分の重さでますます深く浅田の逸物を飲みこんでいく。





「ああああっ! ふ、深いよう」





 ねねは落ちてしまわないように、浅田の首にすがりつく。

 腰から下は水に浸かっているが、浮力があまり効かずけっこう重い。

 懸命に噛んでくるねねの膣に逆らうように、腰を突き上げる。





「ああっ、あっ、あんっ、んんっ、ううんっ」





 突き上げられ、自重で奥まで突かれるねねは、もはや声を隠すこともできない。

 ねねの幼い顔に、明らかに女の悦びが浮いている。濡れた前髪が額に貼りつき、若い肌が水を弾きかえしていた。

 小さな唇がうっすらと開き、感じてきた女特有の甘い匂いがもれている。

 浅田は、唇を奪った。





「んむっ……」





 驚いたことに、ねねから舌を絡ませようと浅田の口に侵入してきた。求められているという歓喜が、快楽そのものよりも逸物を硬くする。





「れろっ……ちゅっ……んっ……」





 繋がりながら、ねねはむさぼるように首を引きつける。浅田は、ねねに教えるように舌で口を蹂躙する。

 本当に、ねねとひとつに溶けあってしまいそうな快感だった。息が続く限り、いや息が止まってもねねとむさぼり合いたかった。

 突如、頭上で轟音が響いて遠ざかっていく。

 危うく、ねねの舌を噛みそうになる。車が通っていったに違いなかった。





「はむっ……んんっ……んくっ」





 ねねは気づきもしなかったのか、ひたすらに浅田の唇をしゃぶっていた。

 浅田は、身体を倒してねねの背中を川につける。





「ひゃあっ」





 白昼夢から覚めたように、ねねがキスをやめた。





「姉ちゃん、車が通ったの気づいたかい」

「え……ほんとに?」





 ねねの眼は、熱で潤んでいる。





「見られたら嫌だろ。もうやめるか」

「いや……!」





 ねねは激しく首を振った。





「見られてもいいで、最後まで、して。私の中で、出して」





 ねねはきれぎれに、しかしはっきりと言った。浅田は、硬いつばを飲みこむ。





「中に、出してほしいのかい」

「うん……おなかん中が、どわあって温かくなって、身体中が痺れる」





 その感触を思い出したのか、ねねの膣がきゅんと締まる。





「へへ……おれも、姉ちゃんの中に出したくてたまんねえんだ」





 女から中に出してほしいと頼まれたのは、初めてだった。あまりの昂奮で、心臓が爆発しそうだった。





「お、おじさんのちんぼ……膨らんだ」





 ねねが、うっとりと戸惑う。





「さあ、いくぜ。激しいからな、しっかりつかまってな」

「う、うん」





 浅田が身体を起こすと、ねねはぎゅっとしがみついてきた。ねねの重みで、再び深く逸物が飲みこまれる。





「んんうっ」





 浅田は、ねねの硬さの残る尻を、鷲づかみにする。





「いっ……」





 うめきも聞かず、ぬるぬると締め続ける膣をぐいっと突き上げた。





「あああああっ!」





 ねねはあたりもはばからない声を出す。もはや、浅田もそれどころではなかった。





「そらっ……!」

「んぐうっ、ああんっ、あいっ、んんんっ!」





 逸物に貫かれたまま何度も突き上げられ、ねねの身体が水を跳ね飛ばしながら上下する。





「ふ、深いいっ……壊れるっ」





 突き上げるたび、ねねの重さで深々と沈む。ねねは言われたとおり、落とされないように必死で首筋にしがみついている。





「はあっ、はあっ」





 小学生とはいえ、抱えながら腰だけで跳ね上げるのだ。大変な重労働だった。

 それでも、ねねの膣は離すまいと壺全体で絡みついてくる。





「お、おじさん……! 私っ、どうにかなっちゃうっ……! 出してっ、私の中に出してっ」

「いいぞっ、姉ちゃんの中に出すぞっ」

「うんっ……うんっ!」





 ねねが上下に揺さぶられながら、激しくうなずく。

 浅田は力を振り絞って、ねねの尻をぎゅっとつかみ、何度も腰を突き上げる。大魚が暴れるように、川の水が飛び散る。





「ああっ、ああっ、あああっ! んんっ、むうっ、もうっ、だめぇっ」





 充分に潤んだねねの膣が、断末魔のように締めつける。ふくらみきった浅田の逸物も、もはや限界だった。





「いくぜえっ、姉ちゃんっ」





 逸物が、びくんと跳ねた。同時に、精液を一滴もこぼすまいと、ねねの尻をぎゅっと子宮の入口へ押しつける。





「うおおおっ」





 途方もない奔流が、意識が遠のくほどの快感とともに、ねねの子宮へと注ぎ込まれていく。





「んんっ、ああああっ」





 ねねが、必死に浅田の首にかじりつく。身体が、ぶるぶると震えていた。ポンプのように精液を流しこんでいた律動は、次第に弱まっていく。





「うむうっ」





 浅田は腹筋に力を入れて、最後の一滴をねねの中へ注ぎこんだ。





「はあっ、はあっ、はあっ」





 ねねは、激しく息をついていた。

 川の冷たさを、急にはっきりと感じる。ねねの身体が、やかんのように発熱していた。





「気持ちよかったぜ、姉ちゃん」





 浅田は、ねねの小さな背中を抱く。





「うん……」





 ねねの膣に納まったままの逸物は、多少硬さを失っていたが、まだ抜けるほどしぼんではいなかった。

 とはいえ、浅田の腰はもう限界だった。





「すまねえ、姉ちゃん」





 ねねの膣から、ずぼりと逸物を抜く。





「あんっ……」





 川の流れの中に、ねねの膣から漏れた浅田の精液が混ざっていく。

 ねねが、川底に足をつく。ほとんど焦点の合わない、潤んだ眼をしていた。





「大丈夫かん、ねね」





 佑介が、毒気を抜かれた顔で訪ねる。





「……ん」





 ねねは、ろくに答えない。





「お姉ちゃん、帰ろうよう」





 智の言葉に、ねねの視線がしっかりとしてくる。





「うん……帰ろまい」





 ゆっくりと、ねねが川岸へ上がっていく。そして、尻が完全に水の上に来たところで、すごい勢いで後ろを向いた。





「お、おじさん……! 私の水着は?」





 ねねはさっきまでの茫洋とした態度が嘘のように、はっきりと声をあげた。顔を真っ赤にして胸を右腕で、股間を左手で隠し、前かがみになっている。





「あ……悪い、流しちまった」

「えええっ、嘘っ、信じられん」





 赤くなった顔を青くして、ねねが叫ぶ。





「嘘だよ」





 浅田が脚を持ち上げると、水着が足首に引っかかっていた。





「もうっ」





 ざぶざぶとねねが川の中に入ってくると、水着を奪い取った。そして、水中で悪戦苦闘しながらなんとか水着を着てしまう。





「もう、おじさんとは遊ばん」





 ねねが崩れた声で、耳を赤くしながら川を上がっていく。佑介と智は、川の中に佇立する浅田を振り返りながら、ねねを追いかけていった。





「遊ばん、か。ガキじゃねえっての」





 川の流れに立ち尽くしながら、浅田は懐かしさと寂しさを噛みしめていた。





黄色の通学帽とランドセルの少女を下校途中でソフト緊縛セックス





『路地の影で下校途中の美少女小学生を手マンする』





 あれからねねの姿を見ないまま、八月は終わっていた。

 夏の暑さはまったく緩む気配もない。珍しく仕事が午前中で終わり、浅田は集落の酒屋で冷えたビールを買った。いつものことだが、店番をする婆さんは昼間から酒を飲むよそ者の土方たちに冷たい視線を向ける。今さら気にすることでもなかった。





 古い家が建ち並ぶ集落の道を歩いていると、ふと路地に入りたくなる。どんな小型の車でも通れない、本当に人が通るためだけの道だ。左右に炭壁が迫り、日陰になってひんやりと涼しい。

 と、前から人が歩いてくる。黄色い通学帽に、赤いランドセルを背負った少女だった。ランドセルの横には、桃色の巾着袋が紐に結わえられて揺れている。





 少女は、何か考えごとをしているのか、うつむいて歩いていた。帽子のつばに隠れて、顔はよく見えない。浅田が前にいることには、気づいていないようだった。

 上着は学校指定の体操服らしく、胸に校章らしきものが描かれた半袖だが、下はチェックのスカートを履いていた。田舎の小学生は、体操服と私服を組み合わせて通学するのだと、どうでもいいことで感心する。

 とぼとぼと歩くたび、スカートが揺れて膝がちらちらと見える。その日に焼けた脚の形に、見覚えがあった。





「姉ちゃんか……?」





 少女がびくりと歩みを止め、顔を上げる。確かにねねだった。





「あ……っ」





 怯えたような、細い声が出る。通学帽にランドセルのねねを見ると、本当に小学生だったのだと実感する。この小学生の膣に何度も逸物をねじこみ、何度も中に出したのだ。

 ねねと出会った八月のできごとを思い出すだけで、何時も津がむくむくと力を持ってくる。





「もう、おれとは遊ばねえのかい」

「……っ」





 ねねは、顔をそむける。首筋が、うっすらと染まっていた。

 炭壁に押しつけ、路地の外から浅田の背中しか見えないようにする。





「あっ」





 ねねが、小さく叫ぶ。





「おれは、姉ちゃんと遊びてえんだ」





 ビールの入ったレジ袋を、道へ落とす。ごんっと鈍い音が鳴った。内ももへ、指をすっと当てて撫で上げる。





「ん……!」





 ねねは突然のことに肩をこわばらせるが、ももにふれる手をのけようとはしなかった。

 拒否されないことに勇気づけられた浅田は、さらに大胆に手のひら全体で太ももを撫で回す。子供特有の、きめの細かい肌の心地は、何にも形容しがたい気持ちよさだった。





「ん……ん……ん……」





 ねねは棒立ちになったまま、声を出すのを耐えるように両手を胸の上で重ねている。

 浅田の手は、スカートの中に潜り、小ぶりな尻を木綿の下着の上からがっしとつかんだ。





「んあっ」





 ねねが驚いた顔で浅田を見上げる。





「どうした?」





 浅田はこみ上げてくる笑みをそのままに、ねねを見下ろす。





「こんなとこで、するやあ……」





 ねねが、消え入りそうな声で問う。浅田は、答える代わりに下着の中へ手を滑りこませた。





「あ……」





 ねねの尻が、きゅっと引き締まる。小学生らしく、垂れる気配もない硬さの残る尻だが、手ざわりは抜群だった。

 双丘を味わうようにじっくりと撫で、ときおり尻の穴を隠している谷間へ指を沈める。しっとりと汗で湿っていた。





「ん……や……」





 そう言いながらも、ねねは逃げようとも大声をあげようともしない。くすぐったそうに、腰をもじもじと揺らす。

 浅田は、自分の呼吸が荒く鳴り始めていることに気づいた。荒ぶる感情をそのままに、下着に差しこんだ手を、ぐいっと前に持ってきた。





「んんんっ!」





 ねねが、ばっと両手で口を押さえる。ねねの股は、尻よりもさらに熱を持ち、そして湿っていた。鼓動が激しく高鳴ってくる。

 中指で、ねねの下腹部をさぐる。毛が生えている気配もない、つるりとした感触だった。すぐに、小さな割れ目を探り当てた。





「そ、そこ……おしっこの、とこ……」





 黄色い通学帽の影から、ねねがきれぎれにつぶやく。

 割れ目に沿って、ゆっくりと指を股の底へ這わせていく。ぬるっと、指が滑った。





「もう濡れてんのかい」

「おじさんが、さわるでだもん」





 ねねの肩が、静かに上下している。薄く開いた口から、はあはあと息が漏れている。

 中指の先が、ちゃぷっとわずかに沈む。





「あっ……」





 入口にたどり着いた。浅田はたっぷりと愛液の絡んだ指先で、ゆっくりとくすぐるように襞を撫でる。





「あっ、んっ、あっ、はあっ」





 ねねの声が、ぼんやりと湿ってくる。膣の入口をくるくると回るたび、さらに愛液がまとわりついてくる。ぐいっと手を差しこみ、濡れた指を尻の穴へと滑らせた。





「ああっ、そこはっ、あかんっ」





 肛門の襞を、愛液で洗うように、指先で揉みこんでいく。





「くふっ、んうっ、くっ」





 ねねの快感と戸惑いが、ぎゅっと締める肛門の力に込められている。膣の真下にある手のひらは、べっとりと愛液で濡れていた。

 浅田は、ねねが必死で締める肛門をこじ開けようと、指先に力を入れる。第一関節までが、ずぶっと沈んだ。





「や、やめ……痛いっ……」





 ねねは黄色い通学帽を左右に振る。浅田も、どうしても尻の穴に執着があるわけではない。あっさりと肛門から指を抜いた。





「ふう……ふう……」





 ねねが、ほっとした息をつく。浅田は肛門から再び、膣の入口へと撫でていく。





「ううっ……」





 予測される刺激に耐えるように、ねねが力む。浅田の指は膣を越え、その前にある小さな突起にふれた。





「んんっ!」





 ねねの身体がびくんと跳ねる。ゆっくりと指先を回し、一枚ずつクリトリスを包む皮をめくっていく。





「ああっ、ああんっ、んんんんっ」





 ねねが必死で口を押さえる。脚が小刻みに震え始め、立っているのも辛そうだった。





「姉ちゃん、辛そうだな」

「んんっ、ううんっ」





 否定とも肯定ともとれない返事だった。





「支えてやるよ」





 浅田の太い指が、いきなり膣の奥まで侵入した。





「んんんーっ!」





 ねねが声をこらえる。浅田は指を差しこんだねねを、じわじわと持ち上げていく。





「んんっ、うんんっ、あああっ」





 ねねはつま先立ちになって、脚を震わせている。ももから、冬瓜汁のようなとろみのある液が、幾筋も垂れていた。

 ふっと手の力を抜く。ねねのかかとが地上に着いた。





「はあっ、ふうっ、はあっ」





 ねねが、炭壁に赤いランドセルをもたせ掛ける。休ませず、浅田はずるりと指を入口まで抜き、また挿し入れる。ゆっくりと抽送を始めた。





「あはっ、んうっ、あっ、んっ、んっ、んんっ」





 ねねが、声を耐えながら鳴き始める。

 背後が気になる。路地の外に人の気配はないが、見つかれば何の申し開きもできない。ねねの来た方から、誰か来ないとも限らない。

 しかし、指を締めつける濡れた膣と、通学帽の下でちらつくねねの刺激に耐える顔が、身の安全を図る理性すら奪い去ってしまいそうだった。





「これが、好きなんだろ」





 膣に挿した指先を、くいっと曲げる。





「うふうっ」





 ねねが上半身を曲げた。浅田はそのまま、膣壁の最も敏感な場所を探そうと、擦りあげる。





「ふうっ、んふうっ、んんっ、はあっ、ああんっ」





 必死で声を出すまいと我慢するねねの脚が、がくがくと震えている。





「ここか?」





 ねねの反応を観察していた浅田が、ついに目的の場所を探り当てた。





「んんんんんんっ」





 ねねの身体がびくんとのけぞる。

 そのまま、ねねは糸が切れたように座りこんでしまった。ずるりと、指が膣から抜けていく。





「はあっ、はあっ、ふうっ」





 激しく息をつくねねを、浅田はたまらない気持ちで見下ろしていた。

 もうどうなってもいい。今すぐここでねねを犯したい。





「姉ちゃん……」





 浅田が座りこむねねに手を伸ばしたとき、耳障りな金属音が響いた。

 心臓が止まりそうなほど驚く。

 おそるおそる振り返ると、古びた自転車にまたがった老人が、路地の外から浅田をじっと見ていた。金属音はブレーキの音だった。





「何だよ、爺さん」





 震える声で、ぎりぎりの虚勢を張る。浅田は自分の身体でねねを隠していて、建物の影で薄暗くはなっているが、気づかれたら終わりだった。





「よそ者の土方かん」





 老人は軽蔑を鼻息に込めると、ペダルをこいで去っていった。あの様子では、ねねには気づかなかったようだ。

 安堵のあまり、しゃがみこんでしまう。





「おじさん、大丈夫?」





 尻を地面についたねねが、潤みの残った眼でのぞきこんでくる。





「いや……まあな」





 小学生の少女に自分の小心さを心配されたことが、無性に恥ずかしかった。





「んしょっ……と」





 ねねが、ゆっくりと立ち上がる。





「あ……お尻に、砂、付いとる」





 スカートの中に両手を入れ、尻をはたくと砂がぽろぽろと舞った。パンティは膝まで下げられたままなので、浅田の眼の前で幼い割れ目が揺れるスカートに見え隠れする。





「見んでよ」





 浅田の視線に気づいたねねは、急いで木綿の下着を上げた。





「何回でも見てんじゃねえか」

「ほういうことじゃないもん」





 ねねが耳まで赤くして視線をそらす。

 浅田も立ち上がった。再び、ねねを浅田が見下ろす形になる。

 ふたりは、何も喋らなかった。路地の影を、ぬるい風が通り過ぎる。遠くにツクツクボウシの声が響いていた。

 先ほどの破滅的な欲望は、少しだけ収まってきていた。あのように驚かされるのはもうこりごりだ。





「じゃあな」

「あ……」





 指に残ったねねの匂いで、皆が寝静まった後に慰めようかと思い、レジ袋を拾ったときだった。

 ねねは、もと来た路地の奥へと歩き出す。ねねの帰る方とは、反対のはずだった。





「お、おい……」





 しばらく進んで、ねねが路地の影の中で振り返る。

 固い視線をうつむかせ、口はきっと引き結んでいた。頬は赤く染まっている。





「おいでん」





 やっと聞き取れる声でねねはつぶやくと、再び背を向けて歩き出した。赤いランドセルに結わえられた桃色の巾着袋が、影の中で揺れる。





「へっ……」





 浅田の中で、歓喜と欲望が再び力を持ち始めていた。





黄色の通学帽とランドセルの少女を下校途中でソフト緊縛セックス





『古びた小屋の中で美少女に口内射精したあと2回中出しする。』





 ねねは路地を抜け、そのまま集落の外に向かって歩いていく。浅田は、端から見てもねねを尾行しているように思われないよう、かなり距離をとって後をついていった。

 ときおり、ねねが振り返る。ついてきているかを確かめているようだった。

 どこへ行こうというのか。





 どう考えても見つかりにくい場所に行って、たっぷりとセックスするつもりなのだろうとは思ったが、小学生をそんな風にしてしまうとは罪作りだと笑いが浮かぶ。

 もちろん、ねねが知恵を働かせて、浅田を袋叩きにしようとする罠を張っている可能性もある。それならそれでいい。それだけのことをしている。人生の最後に、何度も小学生の美少女とセックスができた思い出を抱いていけば、たとえ地獄でも自慰ができそうだった。





 自虐的なことを考えているうちに、ねねは集落を抜けた。

 すっかり成長した逞しい稲が、海のようにたなびいている水田が広がっている。車が通れるほどは広くないが、しっかり踏み固められた農道をねねはひとりで歩いていく。

 百姓はだいたい朝の涼しいうちに作業を終えてしまい、昼からは休むことが多いと聞いていたが、あたりには作業をする者の姿も見当たらなかった。





 やがて、農機具でもしまってあるのか、古ぼけた小屋が田んぼの端にぽつんと建っているのが見えた。ねねが、小屋の前で立ち止まる。一度だけ遠く離れた浅田に顔を向けると、引き戸を開けて小屋に入っていった。

 浅田はごくりと唾を飲む。後ろを振り返った。

 誰もいない。暑い風が稲を揺らしているだけだ。早足で、ねねが入った小屋に向かう。





 近づいてみると、小屋は物置よりは大きく建坪は四坪ほどに見えた。現役で使えそうではあるが、築六十年は経っていそうだった。

 引き戸に手をかける。力を入れるが、ガタピシと引っかかってなかなか開かない。自分が昂奮のため、無駄に力が入っていたことに気づいた。





 思い切り戸を開けきる。薄暗い小屋の中に、ねねがぽつんと建っていた。中には、錆びた備中鍬やスコップが乱雑に立てかけられ、穴の開いた箕(み)や竹かごがいくつも転がっていた。これだけ古びたものを、今も使っているとは思えなかった。

 農作業の休憩にも使っていたのか、上がりかまちの上に四畳の広さがとってある。





「……閉めて」





 ねねがぽつりとつぶやく。





「……おう」





 苦労して戸を閉めると、熱気がむわっと満ちてくる。壁板は乾燥してところどころ隙間やひびがあり、差しこんだ日光が舞い散る埃をきらきらと映し出していた。

 ねねは、ランドセルの肩帯を両手でつかみ、身体をこわばらせてうつむいていた。

 浅田も、まるで童貞中学生のように鼓動を高鳴らせている。





「んっ……」





 ねねが、喉を鳴らす音が聞こえる。と、手が肩帯から離れ、スカートの中にもぐりこむ。





「う……」





 少しの躊躇のあと、ねねが前かがみになって、手を下げていく。

 白い木綿のパンティが、膝の下まで現れた。





「む……」





 浅田は、ほとんど感動していた。小学生が、ここまでするのか。

 ねねの動きは止まらなかった。

 スカートの両端をつかみ、つうっと持ち上げていく。





「ん……」





 顔が真っ赤だった。

 それでも、じわじわと日焼けした太腿があらわになっていく。

 そしてスカートは、股の上まで達した。

 すっきりした割れ目が、姿を現す。

 粘性の高い滴が、股から長い糸を引いて落ちる。





「しよ……おじさん」





 ねねの声は、ほとんど聞こえなかった。

 心臓が恐ろしい速さで跳ね回る。理性が欲望であっという間に燃やされていく。

 もどかしく、ベルトを外そうとする。普段簡単にできていることが、これほど難しかったかと思うほど、ベルトは外れてくれない。ねねに醜態を見せているのを恥じる余裕もなかった。

 やっとのことで、ズボンを下着ごと下ろすと、凶悪な逸物がびんとそそり立った。





「ん……」





 ねねが、つばを飲む。

 そのまま襲いかかろうとしたが、全部脱ぎきっていないことにさえ気づかず、前のめりにつまづき、転びそうになる。





「きゃっ……」





 ねねの後ろの壁に手を突き、何とか転ばずに済んだ。顔が近い。通学帽の下で、ねねの顔が薄暗がりの中でも判るほどに赤い。肩が上下するごとに、震える唇から甘い息が漏れる。





「んんっ……」





 急いでねねの唇を奪った。





「ん……んむっ……ちゅっ」





 小さく細い唇を、ついばんでいく。頭が蒸発していくような快感があったが、もどかしさはさらにつのっていく。





「ぐっ……んんっ……んぐっ」





 舌を挿し入れようと押しこむが、ねねの小さい口は歯が邪魔してなかなか入らない。ねねが、浅田の首をぎゅっと抱える。





「んんんっ」





 懸命に、短い舌を浅田の口にねじこんできた。脳がじいんと痺れる。お互いの舌で、お互いの口中をなぞりあう。舌が絡む。淫らな唾液の音がぴちゃぴちゃと鳴った。





「あんっ……はっ……ぷはっ」





 苦しくなったのか、ねねが離れる。眼が寒天のように潤んでいた。





「はあ……はあ……」





 ねねが下を向く。浅田の逸物が、ねねのみぞおちを突いていた。すでに亀頭は粘液が絡みつき、ねねの体操着を汚している。

 構わず、ねねはすくうように逸物にふれた。





「う……」

「熱い……どくんどくんしとる」





 うわごとのように、ねねがつぶやく。そして床に膝立ちになると、ためらわず亀頭を口に含んだ。





「はむっ……」

「お……」





 亀頭に生まれた熱さに、声が漏れてしまう。





「んちゅっ……ちゅるっ……ちゅぷっ」





 ねねは歯が当たらないように精一杯口を広げ、亀頭を咥えながら顔を前後させる。





「だいぶ……上手くなったな」





 小学生のねねでは、浅田の逸物を根本まで飲みこむことはできないが、舐めることでねね自身が快感を貪ろうとするようにひたむきに奉仕している。

 黄色の通学帽と、赤いランドセルが顔を動かすたびに揺れる。





 経験したことのない背徳に、射精の前兆が一気にやってきた。快感を求める残酷な感情が、浅田を染め尽くす。

 ねねの通学帽をつかむと、狭い口中へぐいっと押しこんだ。歯が逸物を掻いていくが、痛みは更なる快感をもたらした。





「んぐううううっ」





 ねねが絞め殺される獣のようにうめく。亀頭が硬い壁に当たった。喉まで達したのだろうが、まだ浅田の逸物の半分も飲みこめていない。





「姉ちゃん、出すぞ、全部飲めよ」





 浅田の命令に、口をふさがれたねねは答えることもできない。

 通学帽をつかんだまま、急きたてられるように逸物でねねの口を蹂躙する。





「ぐうっ、うぐっ、んんうっ、んんんっ」





 ねねは苦しそうに呻くことしかできない。もう限界だった。





「うおおっ」





 細く白い喉の奥へ、全力で精液を放出する。





「んんーーーーっ」





 ねねがぎゅっと眼をつむり、声のない悲鳴をあげた。

 逸物がびくんと跳ねるたび、精液がねねの喉へ流しこまれていく。最後の一滴まで出し尽くすと、次第に逸物が緩んできた。





「えほっ、えへっ、えへっ」





 ねねが激しく咳きこむと同時に、口から大量の精液がこぼれ落ちる。

 射精が終わって少し頭が冷えてきた浅田は、先ほど生じていた残酷さが霧消し、ねねの苦しむ姿に罪悪感が湧いてきた。





「……悪い」





 その場にしゃがみ、腰の手ぬぐいでねねの口を拭いてやる。





「おじさん、ひどいよ。どえらいえらかった(苦しかった)」





 ねねの眼が涙に潤んでいた。





「悪い。本当に悪かった。な、じゃあ面白いことしようか」

「面白いこと……?」





 ねねは鼻をぐすぐすさせながら、浅田を見上げる。





「何か、紐みたいなもんねえか」

「……紐じゃないけどが、こいなら」





 ねねはランドセルの側面にぶら下がっている巾着袋から、給食用のナフキンを取りだした。広げれば、五十センチ四方ほどのものだ。





「ちょいと短いな。これと繋ぐか」





 浅田は精液を拭いた手ぬぐいと、ねねのナフキンと結び合わせる。ねねは嫌な顔をしたが、伸ばすと一メートルほどになった。





「それを、どうするやあ……」





 ねねが不安そうな顔で眺めている。





「ちょっと両手をそろえて出しな」

「こう……?」





 ねねが素直に両手を差し出す。いくら田舎の子供とはいえ、純朴すぎて心配になった。





「そうそう、そのままにしとくんだぜ」





 浅田は、すばやくねねの両手首を縛り上げた。





「お、おじさん……?」





 ねねが不安そうな顔になる。





「遊びだよ、遊び」





 浅田はいきなりねねを抱え上げた。





「きゃっ……」





 驚くねねに構わず、畳敷きの上に転がすと、真ん中に立っていた柱にナフキンを縛りつけた。

 ねねは、万歳をしたような形で柱に拘束されたことになる。





「何、するやあ……?」





 ねねの顔に不安が濃くなってくる。脱ぎかけたパンティはすねに絡まり、スカートはまくりあがって細い割れ目が見えていた。

 浅田の逸物が、たちまち力を取り戻す。





「このまま、姉ちゃんに突っこむんだよ」

「え……!」





 ランドセルを背中に敷いたまま、ねねが眼を見開く。浅田はパンティを乱暴に脚から引き抜いた。





「あ……」





 古畳の上に膝立ちになり、ねねの細い脚をがばりと開いて身体をねじ込む。

 下腹部は水着の跡がくっきりと残り、太陽から隠されていた白い肌に割れ目がまっすぐ線を引いていた。服を着たまま水着の跡が見えるという奇妙な姿に、浅田の逸物は出したばかりだというのに極限まで硬くなった。





「もう我慢できねえ」





 急いで赤黒い逸物の先端を、ねねの入口に押しつける。先ほどまで浅田の逸物を咥えていたせいか、ねねの潤いはいささかも乾くことなく股を濡らしていた。





「んっ……!」





 ねねが、両手を縛られたまま身体を硬直させる。腰に力を込めると、ねねの小さい膣が強く締めつけながらも浅田を飲みこんでいった。





「ああああ……あっ!」





 このときを待ち焦がれていたかのように、ねねの声が裏返る。

 感動的なまでのぬめりと締めつけだった。入れた瞬間に出してしまいそうだったが、ねねの中でなら何度でもすぐに蘇る予感があった。

 薄暗く、熱に蒸した小屋の中で、浅田は貪るように腰を打ちつけ始めた。





「あっ、あんっ、ああっ、あはっ、あああんっ」





 ねねがきつく眼を閉じ、世界はこの部屋しかないような大声で鳴く。

 拘束されたまま貫かれている少女が快感に身体をうねらせる姿は、浅田の脳を熱く溶かすほどに昂ぶらせた。





「姉ちゃん、どうだっ……俺はっ」





 ねねの脚を抱え、股と股がぶつかるたびに湿った音が響く。





「ふ、太いっ……硬いよおっ……もっと、してえっ」





 充分に満足な答えが返ってきて、浅田はあまりにも早い射精へ向かって動きをさらに早めた。





「あああっ、んんっ、はあっ、はっ、あああっ、いやっ、何かっ、変だよっ、私っ、おかしいっ」





 ねねが、怯えたうわごとのように声を絞り出す。





「はあっ、はあっ、出すぞ、姉ちゃんの中に出すぞっ」

「出してっ……早くうっ」





 ねねの膣が、浅田の逸物を絞るようにうねった。





「うおおおっ」





 限界を越えた太い快感が、ものすごい勢いでねねの中へ放出される。





「いやああああっ」





 ねねが叫んだ。体操服を着た幼い身体が、びくっびくっと大きく震える。

 尻に力を入れ、最後の一滴までねねの膣に注ぎこむ。逸物の律動は次第に小さくなっていき、やがてすべてを出し尽くして止まった。





「ふう……」





 すさまじい快感だった。途方もない満足と、心地よい虚脱が浅田の身体を包みこむ。





「うっ……うっ……」





 見ると、ねねは両手を縛りつけられたまま、ぽろぽろと涙をこぼしていた。





「……どうした? 強すぎたか」

「怖かった……頭が真っ白になって、心がどっかに行っちゃいそうになっただもん。怖いで、おじさんにぎゅっとしたかったのに、できんだもん」





 ねねが涙に濡れた眼で、恨みがましげに見上げる。胸の奥が、締めつけられた。少なくとも二十代の間は一度も感じたことはなく、最後にこの感覚を覚えたのは中学生のときだった。





「悪かったな」





 ぽんぽんと通学帽を軽く叩くと、ねねを拘束していた手ぬぐいをほどいてやった。





「ふんと(本当に)に怖かっただよ」





 ねねは自由になった両手で顔を覆う。





「姉ちゃん、それはイッたんだよ。これを覚えたら、もうやめられねえぜ。いやあ、小学生でイクのを覚えるなんて、有望すぎだろ」





 浅田はねねが自分の逸物で達したことに、深い満足を覚えていた。そして、まだぐすぐすと泣くねねを見て、放ったばかりでやや硬さを失った逸物が、ねねの中で再び力を蘇らせていった。





「あ、また……」





 ねねの顔が、うっとりと蕩ける。





「さあ、このままいくぜ」

「えっ……あああんっ」





 浅田は精液で満たされたねねの中を、再び押し進む。長靴で泥を踏むように、ぐぼっ、ぐちゃっと音がする。ねねの潤みだけでなく、浅田の精液も加わって、ますます滑らかに動けるようになった。それにもかかわらず、締めつけの強さはまったく減じていない。





「ああっ、ううっ、あんっ、あんっ、いいっ……さっきよりっ……痺れるようっ」





 ねねは絶頂で敏感になっているのか、喘ぎが大きくなっている。





「最高だぜ……姉ちゃん」





 すでに二回出しているが、逸物の芯はいまだにがっしりと残っている。そして、さっきよりも長く持ちそうだった。





「おじさんっ、おじさんっ」





 ねねが両手を空に揺らめかす。





「姉ちゃん、しっかり捕まってろよ」





 浅田が身体を倒すと、さらに逸物がねねの奥へと入っていく。ねねが、しっかりと頭を抱えた。浅田も、首を抱きしめて身体を密着させる。ふたりとも服を着ているのがまどろっこしかった。汗まみれの身体を抱きしめあい、本当にひとつになってしまいたかった。





「ああああっ、ああっ、ああっ、深いよう……っ」





 ねねを抱きしめながら、腰だけを激しく動かす。ねねの薄い唇から、熱い吐息が漏れている。





「はむっ……」





 唇を奪う。ねねが自ら求めるように、浅田の頭を引きつける。





「れろっ……ちゅるっ……」





 夢中で舌を絡ませあう。ただ必死なだけで、何がどうなっているのか自分でも判らない。もうそんなことはどうでもよかった。





「ぷはっ……」





 息が限界になったねねが、口を離す。





「またイッちまえ、姉ちゃん。落ちるなよ」





 浅田はねねの両脚を抱えると、削岩機のような速度で腰を打ちつけた。





「あああああっ、ダメっ、ダメえっ……またっ、あれがっ、おじさんっ、ぎゅってしてっ」

「おうよ」





 浅田は身体を倒し、ねねを抱きしめる。ねねも、必死の力で浅田の背中に爪を立てる。





「うおおおっ」





 三度目の前兆が近づいていた。浅田は、ねねの膣で絞りきるように腰を動かす。





「おじさんっ、あれがっ、来るよっ、来ちゃう、来ちゃ……あああああああっ」

「うむうっ」





 ねねの身体が、浅田の中でぴんと突っ張る。硬直した膣が、逸物を万力のように締めつけた。魂ごと、快感がねねの子宮へ吸いこまれていく。

 ねねと浅田は抱きしめあったまま、しばらく動けなかった。





「ふう……」





 連続して三回出して、浅田の逸物はようやく鎮まった。ずるりと、ねねから逸物を抜く。





「う……」





 ねねが呻く。マラソン大会を走りきった後のように、大きく息をついていた。まくりあげたスカートから丸見えになった膣から、驚くほど大量の精液が流れ落ちている。自分の中からこれほど出てきたのかと、浅田は感動した。





「ふう……ふう……」





 ねねは、いつまで経っても身体を起こしてこなかった。





「姉ちゃん、大丈夫か」

「ううん……立てん」





 少しかわいそうになり、手ぬぐいで膣から流れる精液を拭き取ってやった。





「ふぐうっ」





 ねねがびくんと身体を反らす。





「敏感になってんのか」

「判らん……どえらい痺れる」





 ねねは、かすれた声で答えた。浅田は結んであったナフキンと手ぬぐいをほどき、ナフキンをふわりとねねの胸の上に放り投げた。





「う……ん」





 ようやくねねが身体を起こす。ゆるゆるとナフキンをきちんと畳み、赤いランドセルに結ばれた巾着袋に入れた。こんなちゃんとした小学生と、自分が激しくセックスしていたのだと思うと、また昂奮してきたが短時間に三回射精した今は、その気持ちが逸物に伝わることはなかった。





「しばらく休んできな」





 そう言うと、浅田はズボンを立ち上がってズボンをはいた。





「うん……」





 ねねは寂しそうに、こくんとうなずく。





「まだいてほしいのかい」

「……うん」





 浅田は、ねねの横に座りなおす。

 薄暗い小屋の中で、むっとした熱気と、腐ったエビのような精液の匂い、動物性の香水のような愛液の匂い、香ばしい汗の匂いが満ちている。

 夏はもうすぐ、終わりだった。





運動会でブルマ姿の少女を教室でセックス





『ブルマ姿の少女を教室でとりあえず中出し』





 すでに蝉の合唱は聞こえなくなり、浅田が参加している県道拡張工事は黄金色に染まった稲の海に囲まれていた。

 浅田の頭は、常にねねにとらわれている。ねねとのセックスは、もはやそれ無しでは生きられないと断言できた。ねねとセックスができるなら、村人に袋叩きにされて一生を終えてもいいと思っている。





 ねねと出会えるのは、偶然に頼るしかないのがもどかしかった。平日は仕事が終わるのが夜で、ねねが外を歩いている時間ではないし、休日にあてもなくさまよってもこの前のように鉢合わせする可能性は低い。

 家も知らないし、もちろん電話番号も知らない。知っていたところで、見知らぬ男から小学生の娘相手に電話がかかってきたとして、取り次ぐ家族などいないだろう。ましてや「セックスしに来ました」と家に行くわけにもいかない。





 浅田は布団の中で、初めて会ったこのプレハブ、夏祭りの神社、川の中、倉庫の中でのセックスを思い出しながら、自分で慰める以外になかった。

 ねねとの思い出は、鮮烈だった。この思い出だけでこの先も生きていけるぐらいだと思う。しかし、ねねと同じ村にいるのに、自分の手で抱き、逸物をねじ込み、小さな子宮に射精することを諦めるのは考えられなかった。





 そんな初秋の日、今日は休みである。朝からポンポンと花火の音が聞こえる。





「なんだい、ありゃあ」





 浅田は、薄布団の上で猿股に手を突っこみ、ぼりぼりと掻いている隣人に聞いた。





「ああ、今日は村の運動会らしいぜ。今日はやりますって合図だってよ」

「へえ」





 淡泊に答えたが、浅田の脳裏にひらめくものがあった。運動会なら、ねねがいるかもしれない。





「運動会って、どこでやってんだい」

「何だよ、出たいのか? 自由参加の種目もあるかもしれねえな。小学校だって聞いたぜ」





 股を掻く隣人は、簡単に答えてくれた。

 浅田はさっと着替えて、外出した。すでに、逸物はズボンの中で芯を持ち始めている。





 小学校へは、何度か行ったことがある。もしかしたらねねに会えないかと思って行ってみたのだが、浅田の休日は小学校の休日でもある。無人の校庭を見て、虚しさを抱えて帰ってくるばかりだった。





 集落のはずれにある小学校は、三方を黄金の稲が揺らめく田んぼに囲まれている。正門が、集落と接しているのだ。近づくにつれて、この小さな村ではなかなか聞くことのない歓声が近づいてきた。

 フェンスで囲まれた校庭をのぞくと、すでに運動場を取り囲むように人々が集まっている。広いござを敷いて、児童の家族だろう老若男女が座りこんでいた。徒競走なのか、低学年くらいの児童が一生懸命に運動場を走っている。





 一升瓶をぶら下げた赤ら顔の中年男が数人、競馬のつもりか声を張り上げていた。娯楽の少ない村にとって、数少ないイベントなのだろう。これだけ人がいれば、保護者を装って学校に入るのは簡単だった。





 浅田が校門をくぐると、五、六年生の女子が徒競走をやっていた。全員裸足である。そして見覚えのある体操服に、紺色のブルマを履いていた。

 ブルマというものは、太ももを非常に強調するつくりになっていると思う。大人になりはじめの少女たちの脚は、この時期しかない清らかな色気があった。その脚が、何の遠慮もなく躍動する。いつしか浅田は少女たちに見入っていた。





 よく見ると、硬い視線で少女たちの姿を見る男が何人もいる。共通しているのは、家族の席にはおらず離れた場所にいることだ。浅田もそのひとりだった。

 ねね以外の少女と、セックスしてみてもいいと思う。かつてはこんな少女趣味はなかったように思うが、ねねとの出会いが浅田を目覚めさせてしまった。





 ふっと、きらめくような美しい脚が、運動場を駆けていく。その脚は、最初はトップを走っていたが、だんだんと下がっていき、最後には三位でゴールした。

 ねねだった。ねねは、赤いはちまきをカチューシャのように巻いていた。体操服にブルマ、そして赤いはちまきに、浅田の胸はどくんと打った。





 浅田は、ねねの姿に釘付けになった。ねねの姿を見失わないよう、凝視していた。

 走り終えたねねたちは、五列縦隊で駆け足で赤白の門から出ていく。大勢の中でも、浅田の眼はねねを捉えていた。





 一緒に走った児童たちは、それぞれの家族の席へ散っていく。と、ねねだけが外れて校舎へ向かっていく。トイレにでも行くのだろうか。

 浅田は、早足で校舎へ向かった。昇降口の周りには、誰もいない。みんな運動会に夢中になっている。次の競技のアナウンスと、軽快な音楽が流れる中、浅田は校舎の中へ入る。





 ちょうど、ねねが正面の階段を登っていくのが見えた。靴を脱ごうとして、少しためらう。子供たちの靴箱が並んだ昇降口に、浅田のずた靴があるのは怪しまれるのではないか。

 しかし、このままではねねを見失ってしまう。怪しまれてセックスしているところを見つかって叩き殺されてもいい。浅田は己の欲望を確認すると、靴を脱いで上がった。もう学校でセックスするつもりでいる。





 正面の階段を一段跳ばしで登り、二階に上がる。左右の廊下を見渡しても、ねねの姿はない。もうどこかの教室に入ってしまったのか。胸が焦がれてくる。浅田は、三階に上がることにした。廊下を見ると、ねねがちょうど教室に入っていくのが見えた。チャンスだった。





 急いで、ねねが入った教室に向かう。中をのぞくと、ねねひとりだった。水筒のコップに麦茶を注ぎ、細い喉を鳴らして飲んでいる。反らした胸が、うっすらと体操服を持ち上げている。

 浅田は、教室に入った。





「よう」

「きゃっ……」





 ねねは、高い声をあげた。





「おじさん……びっくりしたわ」

「惜しかったな、三位で」

「見とったやあ……」





 浅田は無遠慮に、ねねに近づいていく。ねねは唇を引き締め、うつむいている。頬が耳まで染まっている。何かをごまかすように、水筒のふた兼コップを締め、机の上に置いた。

 ねねの前に立った。頭から、シャンプーの匂いとうっすら汗の匂い、そして子供特有のミルクのような匂いがした。すでにズボンの中の逸物は最大限まで勃起している。

 ねねが、手を胸に当てる。





「学校で、するやあ」

「ああ」

「……いいよ」





 ねねが、消え入りそうな声で答える。

 浅田の頭から、冷静さは蒸発した。ねねの両肩をつかむと、机の上に押し倒す。





「きゃっ」





 小学生の小さな机は、当然ねねの身体をすべて横たわらせることができない。腰から上だけが天板に乗り、ブルマから突き出た締まった脚は、ぶらりと垂れ下がっている。

 いきなり、浅田はブルマを正面からつかむと、一気に引き下げた。





「ああっ」





 ねねが、小学生らしくない声を出す。浅田は、上履きごとブルマを引き抜いた。木綿の下着が、机の上で呼吸に合わせて上下している。走ったばかりのねねのパンティは、それだけで熱気を感じさせる。

 浅田はためらわず、パンティの上に鼻を押しつけた。湿った熱気が、はっきりと伝わってくる。





「あ、あかん……ほんなとこ、嗅いじゃ」





 ねねが懇願するような声を出す。構わず、思いきり鼻から息を吸いこむ。少し酸っぱい汗の匂いと、ムスクのような女の香りが、鼻の奥をくすぐる。脳が揺さぶられるような感覚だった。





「い……やあ」





 ねねが両手で顔を隠す。しかし浅田を退けようとはしない。ねねの意志は明らかだった。

 浅田の逸物は限界まで硬くなっていた。今すぐにねねへ挿入したい。

 挑むように木綿の下着をずり下ろす。





「私……学校でこんな格好……」





 白のパンティが上履きに引っかかって揺れている。ブルマに隠された部分だけが、日焼けから逃れて光るほどに白い。その白い肌にぴしっと一本、きれいな筋が通っていた。

 体操服は着ているが、下半身は丸裸になった姿は、全裸よりも欲望を掻き立てる。

 前戯さえもどかしい。まだ湿ってもいない膣に、猛りきった剛直をねじいれようと試みる。





「い、痛い痛い痛い!」





 ねねがびっくりするほどの声をあげる。いくら人がいないとはいえ、いつ見つかるか判らない。





「声がでけえよ」

「だって、おじさん、痛いもん」





 ねねが目尻に涙を浮かべて見つめる。確かに乾いた肉は、浅田にも相当の痛みをもたらす。少しでも早く挿入したいが、浅田は先走りで濡れた亀頭をねねの膣に押しつけた。そして、ぐりぐりとぬめりを入口に塗りつける。





「んっ……うんっ……」





 先ほどまで悲鳴をあげていたねねが、すぐに濡れた吐息を漏らす。変わりようの速さに、ねねも求めているのだとはっきり判る。





「へへ……」





 気持ちは確かに昂ぶっているが、教室でねねが喘いでいるのを見るのは深い満足をもたらした。くちゅくちゅと音が立ってくる。浅田のぬめりだけではなかった。





「う……んくっ……あ……」





 ねねが眼を閉じ、自然に喘ぎ始めた。





「姉ちゃん、濡れてきたのかい」

「知らん……あっ」





 浅田が強く押しつけると、亀頭がちゃぷっと音をたてて少し沈んだ。





「もう我慢できねえ」

「えっ……あああああっ」





 ねねの細い腰をつかみ、ぐいっとねじこむ。先ほどよりは滑らかに、逸物がねねの膣へと潜りこんでいった。狭く小さな膣は、浅田の逸物を万力のように締めつける。

 それでいて、充分なぬめりと硬さの残る若々しい膣壁は充分以上の快感をもたらした。それだけでもう、射精の兆候を根本に感じる。





「ふうっ、ふうっ……」





 逸物に貫かれたねねの薄い胸が、大きく上下していた。

 思うさま貪りたいという獣欲と、ようやく見つけたねねを犯した悦びが、狂熱となって脳を焼く。





「いっぺん、出すぜ」





 腰をつかんだまま、いきなり大きく前後動を始める。





「ああっ、ああっ、強いっ」





 幼い膣が、逸物をしごきあげる。溜めに溜めた精液が、あっと言う間に先端まで達した。





「うおうっ」





 逸物を、子宮の入口に押しつける。魂を脳天から抜かれそうな快感とともに、浅田は大量の精液を膣内に放っていた。





「あ、熱い……ううっ」





 まさに三擦り半だった。同僚に知られたら馬鹿にされることは間違いない。大人の女だったら嘲るだろう。そんな女は殴るが。

 残余の律動とともに、ねねの小さな膣の中に納めきれない精液が、こぼれてくる。粥のような液体が、ぽたりぽたりと床に落ちた。





「今日、まあ終わりやあ……」





 とろんとした眼で、ねねが浅田を見つめる。





「そんなわけねえだろ」





 出したばかりなのに、浅田の逸物が硬さをやや失ったのは射精の直後だけで、すぐに硬さを取り戻していた。そして、出したことによって心に余裕が生まれている。





「姉ちゃん、俺とおまんこしてること、みんな知ってんのかい」

「わ、私、言っとらんよ。智と佑介以外、知らんよ」





 ねねが眼を見開き、はっきりした声で否定する。





「みんなに、見せてやろうぜ」

「え……!」





運動会でブルマ姿の少女を教室でセックス





『美少女小学生と初めてのアナルファック』





ねねの声が引きつる。浅田がねねから逸物を引き抜くと、大量の精液が流れ落ちた。





「こっちに来いよ」

「きゃっ」





 浅田は机に横たわったねねを楽々と抱え上げると、窓際まで運んだ。運動場では、低学年の玉入れが行われている。





「み、みんなに見られちゃう」

「もっとケツを上げな」





 窓の桟に手を掛け、尻を突き出した姿勢でねねが振り返る。浅田は敢えて無視した。

 赤く充血した無毛の膣は、うっすらと口を開けて先ほど放った精液の滴をこぼしていた。





「いくぜ」

「こ、ここで?」





 ねねの驚きには頓着せず、浅田は背後からねねの膣に逸物を押し当てると、力強くねじこんだ。





「んああああっ」





 ねねが体操服の背中を反らして声を上げる。赤いはちまきが、背中で揺れていた。





「ああ、これだよ、これ」





 後ろからの挿入は、恥骨の圧迫がさらに強いものになる。挿入も困難なことは夏祭りの神社でよく知っていたが、一度放って膣内が精液で潤っているので、スムーズでありながらきつく締め上げるという最高の状態だった。

 ねねの小さな尻をぎゅっとつかみ、股へと引き寄せる。幼い膣は、浅田の逸物を六割ほどしか飲みこめない。





「ああっ、ううっ、んんっ!」





 ねねが窓ガラスに顔を押しつけ、桟に指をかけて必死で耐える。もしかしたら、外からねねの姿を見ている者がいるかもしれない。そんな危機を思うと、ますます昂ぶってくる。





「くうっ、最高だぜ姉ちゃん」





 浅田が膣の中を行き来するたび、先ほど放った精液が膣と逸物の隙間から押し出され、奇妙な音をたてる。





「あかんっ、もう……立てんっ、やめっ、やめ……てえっ」





 ねねの締まった太ももが、ぷるぷると震えている。





「やめていいのかい」





 ねねが激しく首を振る。赤いはちまきがひらひらと舞った。浅田は、小学生のねねが己の逸物に溺れていることに、この上ない満足を感じていた。

 だが、浅田は動きを止めた。もちろん、挿入したままだ。





「はあっ、はあっ、ふうっ」





 ねねはしばらく息をついていたが、落ち着いてくるとゆっくりと後ろを向いた。とろけそうに潤んだ眼をして、口はぼんやりと薄く開いている。





「どいで、やめるやあ……」

「姉ちゃんがやめてって言ったんだろ」





 にやにやと笑いを浮かべる。





「おじさん、いじわる……」





 ねねの声は、本当に泣きそうに崩れていた。





「へへ……判ってるって」





 浅田は繋がったまま、前からねねの股間へと手を伸ばす。そして、クリトリスのある位置を一発で探り当てた。





「んんっ!」





 ねねの背中がびくんと跳ねる。





「これならどうだ」





 ひび割れた指先でクリトリスを擦りながら、抽送を再開する。





「うああっ、んうっ、つ、強いよおっ……おかしくなるっ……ああああっ」





 ねねが、廊下まで響きそうな声をあげる。膣の締めつけはますますきつくなってくるが、膣内に溜まった精液とねねの愛液が、痛みを伴う肉の摩擦をただ快楽のみに純化している。

 ブルマに隠されて日焼けから逃れた白い尻が、浅田の武骨な手にしっかりとつかまれ、腰を打ちつけるたびに揺れる。そのたびに、膣と逸物のつなぎ目から、愛液が混ざって半透明になった精液がぽたぽたと落ちる。





「姉ちゃん、友達が外から見てんじゃないのかい」

「いやあっ……」





 ねねが窓の桟に手をかけながら首を振る。そう言いながらも、ねねも自ら快楽を貪るように浅田の出し入れに合わせて腰を動かしていた。





「ああっ、はあっ、はあっ、あんっ、んんっ」





 ねねの白い尻が、赤みを帯びてくる。丸見えになった肛門も、うっすらと色づいていた。





「そういや姉ちゃん、ケツが好きだったよな」





 浅田は親指を、尻の谷間に這わせて無遠慮に肛門をえぐった。





「んぐうううっ! そ、そこ……あかんっ」





 ねねの尻穴が、きゅうっと親指を締めつける。小さな尻が、耐えるように小さく震えていた。

 浅田が、ごくりと唾を飲む。生まれて初めての試みに、激しく胸が高鳴っていた。親指を肛門に挿したまま、ずるりと逸物を抜く。





「え……あ……?」





 ねねが、とろんとした顔で振り向いた。





「なあ……ケツ、入れるぜ」

「え……!」





 ねねの眼が見開かれる。答えを聞く前に、浅田は栓をしていた親指を抜くと、ぬれぬれとてかる逸物をねねの肛門に押し当てた。





「ちょう、本気やあ……!」





 快楽に濡れていた声が、突然正気に戻る。





「姉ちゃんがケツを好きなのは知ってんだ。ほら、力抜けよ」

「け、けどが」





 力を込めて、ねねの大腸へ侵入しようと試みる。





「んぐっ……あっ……は、入らんて」





 ねねは必死で尻に力を入れて、浅田の侵入を拒む。さすがに、膣とは締める力が段違いで、ただでさえ太い浅田の逸物はねねの筋力に阻まれていた。





「さあて、どうしたら入るのかね」

「お、おしりはやめてよう……おまんこに、して」





 自分の言葉で、ねねの背中が桜色に染まる。





「いやだね」





 とはいえ、いきなり逸物は無理そうだった。浅田は、愛液で沼のようになった膣に、指をこすりつける。





「んんうっ」





 ねねの肩がびくんと震えた。浅田は、充分に粘液をまぶした人差し指を、ねねの肛門にずぶずぶと沈めていく。





「あっ……はあっ!」





 弟の智に何度も入れられているためか、第二関節まで飲みこんだ。





「なんだよ、ずいぶん入るじゃねえか」

「あ、あかん……」





 ねねの声が、哀訴のように震えていた。





「ちょっとほぐしてやるからな、そうすりゃ入るようになるだろ」





 ねねの肛門は、膣よりもずっと強い力で指を噛んでくる。指が体内へ飲みこまれているさまは、妙に昂奮する。

 穴を広げるように、ゆっくりと円を描いていく。





「ああっ……んんっ!」





 丸出しになった小さい尻が、くびれのない細い腰につながって震えている。





「どうだい」

「ど、どうって……んむうっ」





 指をいくら動かしても、ねねの尻はかたくなに浅田の指を離さない。





「そんなに力を入れてっから入らねえんだよ。もっと力抜いて、楽になれよ」

「け、けどが……力抜いたら、出ちゃう」





 ねねが、弱々しくつぶやく。





「何がだよ」

「う……」





 ねねは、耳を真っ赤にして黙ってしまう。浅田は判っているが、ねねに言わせたかった。





「何が出るんだよ」

「……う、うんこ」





 消え入りそうな声で、ようやく口にする。





「大丈夫だって、俺が栓をしてる間は出りゃしねえよ」





 本当かどうかは知らない。男であれ女であれ尻でしたことはなかった。





「そ、そうやあ……」





 ガチガチに固まっていたねねの背中が、わずかに緩む。





「ん……こう?」





 強く噛まれていた指が、少しだけ弱くなった。





「おうおう、いい感じだ」





 浅田はさらに深く指を沈めていく。





「うううう……」





 ねねは、膣に入れられているときとはまた別の、不安の混じった濡れた息を吐く。

 ゆっくりと、指を尻の奥へ前後させる。まだまだ逸物を受け入れられるほどほぐれてはいないが、さっきよりは動きやすくなっている。





「んっ、ぐっ、んんっ」





 ねねが、膣への挿入よりは苦しげな声を漏らす。





「ほら、川で智にケツに入れられたろうが。少しはよくなってきたか?」

「わ、判らん……おなかがぐるぐるする」





 そういいながら、ねねの膣から愛液のしずくがぽたりと落ちる。





「おうおう、ケツに突っこまれておまんこ濡らしてんじゃねえか。感じてんだよ」

「違う……判らん……ふううっ」





 ねねの呼吸が大きく、荒くなってくる。肛門から出し入れする指は、最初のころよりずっと柔らかくなっていた。





「もういいんじゃねえか」





 浅田は、ねねの肛門からずりずりと指を抜いていく。





「んあああっ、あかんっ、出ちゃうっ」





 ねねが必死で尻を締める。肛門から抜いた指は、動物的な香ばしい匂いのする液で濡れていた。ねねは、全身に力を入れて排出を耐えている。





「お願い……おトイレ、行かせて」





 ねねは、消え入りそうな声で眼に涙を浮かべていた。





「大丈夫だ。今からこれで栓してやるからよ」





 浅田が逸物をぴしゃりと叩くと、ぴんと跳ね上がった。





「うう……早くして」





 ねねは、ここで漏らすよりも逸物で蓋をする方がましと決めたようだった。





「よおし」





 浅田は、いつも入れている膣からは位置をずらし、ふるふると耐えている肛門に先端を押し当てた。ねねの尻をぐっとつかみ、じわじわと大腸の中に侵入していく。





「あっ、あっ、ああっ」





 ねねが、窓の桟をぎゅっとつかむ。膣とは比べものにならない硬さと力で、逸物が本当に食いちぎられてしまいそうだった。亀頭が、なんとか肛門をくぐる。ねねの尻の穴は、驚くほど広がっていた。





「いや、痛えな」





 そう言いながら、こぼれる笑みをおさえられない。





「お尻っ、広がりすぎて、痛いっ……ふうっ……破れちゃうっ」

「人間の身体はな、そんなにヤワじゃねえよ」





 言ってみたが、浅田もかなり痛みに耐えている。しかし、ぐぐっと逸物を押しこんでいく。めりめりと音がしそうなほどの抵抗だった。





「んぐううっ」





 感に堪えない、といった呻きがねねの口からこぼれる。

 尻は締めつけは強烈だが、大腸の中は空洞で膣のように逸物全体を包みこんではこない。そこが正直物足りなく、試しにやってはみたもののそれほど魅力的ではなかった。





「ふうっ、はあっ、はあっ」





 自分の頭が冷えてくると、苦しげにあえぐねねに少し哀れみを感じる。とはいえ、入れてしまったからには中に出さなければならない。





「もう少し、頑張れよ」





 浅田は半分ほど飲みこまれた逸物を、ぐいっと引き抜く。入口の肉が、外までついてきた。





「んんんんっ!」





 脱肛になってしまいそうで、焦る。浅田は、小刻みに腰を揺らして逸物に刺激を与えていく。





「んむっ、んんっ、ああっ」





 幸いにも、射精の前兆が高まってくる。浅田は、いつものように快感を貪ろうと我慢はせず、身体の反射に身を任せた。





「だ、出すぞっ、姉ちゃん」

「うんっ……!」





 大腸の中へ、音をたてて精液が放出される。





「出とる、やあ……」





 あまり感触がないのか、ねねは膣のときのような反応ではなかった。

 短時間の間での二回の射精で、浅田の逸物がようやくしぼんでくる。おそるおそる逸物を引き抜いたが、勃起状態よりは格段に抵抗がなかった。ねねの尻も無事である。





「ああああ……んふうっ」





 ねねが、膝を床につく。尻と膣から、大量の精液がこぼれて精液溜まりを作っていた。





「どうだい、尻は」

「う、うんこ」





 ねねが、ぷるぷると丸裸の尻を震わせている。





「行ってこいよ」

「立てん……」

「マジかよ」





 さすがに、教室で排便させるわけにはいかない。浅田は自らの精液で服を汚しながら、ねねを抱えて立ち上がった。





「ゆ、揺らすと出ちゃう」

「本当に、あと少しだけ我慢しろ。このまま漏らすんじゃねえぞ」





 火事場の馬鹿力で、ねねは藁束のように軽い。そのまま駆け足で、廊下に出る。人がいないか確認する余裕もないが、幸いなことに誰もいなかった。そのまま、教室の正面にある女子トイレに入る。





「ほら、やれ」





 下ろすと、ねねは脱兎のごとく個室に入り、勢いよく扉を閉めた。数秒して、遠雷のような音が響き、糞臭が漂ってきた。

 浅田は苦笑して、女子トイレから出る。そして、自分も下半身を丸出しにしていることに気づいた。どこからどうみても変質者であり、今までしていた行為も弁解のしようがない。





 教室に入ってズボンをはいていると、真っ青な顔をしたねねが戻ってきた。

 眼に涙をいっぱいに溜めた怒りの表情で、浅田を見上げる。罪悪感もあり、浅田はひるんだ。





「もう絶対、お尻には入れさせんでね」

「お、おう」





 ねねは急いでブルマを履くと、よろよろとした足取りで教室を出て行った。

 あの状態で運動会は大丈夫だろうか。友達や先生に何か言われないだろうか。

 罪悪感のせいか、愚にもつかないことが気になる。





「ちぇっ」





 浅田は掃除ロッカーから雑巾を取り出すと、床に溜まった己の精液をきれいに拭き取った。





ある秋の日、少女の家に侵入してセックス





『家族が留守のときに少女の家に忍びこんでラブラブセックス』





風から夏の気配は完全に去り、ひんやりとした風が田んぼを渡ってくる。コンバインが葉を食べる芋虫のように、稲をきれいに刈り取っているのが見える。今日は日曜日で、仕事は朝から休みだった。





 運動会のとき、興味本位で肛門でしてみたが、充実感よりは罪悪感の勝るものだったので、たぶんもうやらないと浅田は考えていた。プレハブから、集落へと続く道を歩いている。道路の拡張工事は計画どおりに進んでいて、ちょうど半分が終わったところだ。





 工事が終わればここから去る。どこに行くかも判らない。ねねと会えるのも、あと半年だ。そう思うと、たまらなくなった。小学六年生とはいえ、ねねはすでに忘れられない女になっていた。

 恋などという青臭いものではない。忘れがたい快楽を与えてくれる少女だった。浅田の足が集落に向いているのも、ねねとの遭遇を期待しているからだ。やがて、古びた炭壁の家が建ち並ぶ集落に入る。





 日曜の昼前ということもあり、それほど住人は歩いてはいない。乳母車を押す老婆とすれ違ったが、会釈すらしなかった。ときどき買い物や飲みにも来るのだが、よそ者という扱いは初めて来たときから変わらない。





 集落の、軽自動車も通るのがやっとの道をあてどもなく歩いていると、自分がどこからも切り離された気分になる。悪い感覚ではなかった。

 ふと、ある家の前を通りかかったときだった。





「あ……」





 驚いた声に首を向けると、ねねがちょうど玄関から出てきたところだった。白いブラウスに赤のプリーツスカートを身につけ、サンダルを履いている。田舎の子供らしいシンプルな服装だった。

 歓喜が、じわりと脳と股間に流れこんでいく。





「よう。ケツは大丈夫かい」





 ねねは顔を真っ赤にして浅田を睨みつけ、両手で尻を慌てて押さえる。





「知らん」





 ねねは急いで玄関の郵便受けを確かめると、手紙をつかんだ。





「家、ここなのかい」

「ほだよ」





 ねねは顔をこちらに向けない。しかし、耳が赤くなり肩が小さく上下している。





「智は?」

「お母さんと街へ買い物に行った。お父さんは仕事。じいちゃんとばあちゃんは畑」





 ねねは小さな声で、早口で言った。





「ひとりで留守番なのか」

「……うん」





 ねねは、顔をそむけたまま、家にも入らずたたずんでいた。

 晴れた空に、小鳥の声が響く。それだけで、誰も道を歩いていない。





「姉ちゃん、家でおまんこしようぜ」





 その提案をするだけで、浅田の喉は乾き鼓動が速くなってくる。ねねが、完全に背を向けた。風が吹き、おかっぱの裾を揺らす。首筋まで染まっていた。





「……おいでん」





 ほとんど聞き取れない声で、ねねがつぶやく。家に入っていったが、戸を閉めない。浅田を導いているのだと確信した。





「へへ……」





 浅田は玄関をくぐり、後ろ手に引き戸を閉めた。

 久々に、他人の家の匂いを感じる。醤油の匂い、ぬかみその匂い、線香の匂い、畳の匂い、老人の匂い。そんな様々な匂いが一体となって、その家の匂いを作っている。

 ねねは、薄暗い廊下に立って、浅田が来るのを待っていた。





「おじゃまします……っと」





 雪駄を脱いで、廊下に上がる。みしりと板のきしむ音が鳴る。ねねは、廊下を奥へと歩いていったが、すぐに部屋に入った。浅田も後に続く。





 八畳の部屋だった。ねねと智のものだろう、勉強机がふたつ並んでいるだけのシンプルな部屋だ。窓には薄手のカーテンが引いてあり、秋の陽光が弱々しく室内を照らしていた。





 布団がすでに敷いてある。まさか浅田が来るのを予期していたわけではないだろうが、鼓動が速くなり、つばを飲んだ。





「襖、閉めりん」

「あ、ああ」





 後ろ手に、襖を閉める。ねねは、胸の前で手をもじもじさせながら、耳を赤くしてうつむいていた。掛け時計の音が、静かに時を刻む。

 ふう、と浅田は息をつく。いつもより、緊張していた。ねねの家に招かれて、と言っていいのだろうが、こんなうぶな中学生のような逢瀬をするのは初めてだった。

 ゆっくりと、ねねに近づいていく。ねねの肩が、こわばるのが判った。その小さな細い肩を、すっと抱く。





「ん……」





 ねねが、唇と眼をぎゅっと閉じて、顔を上げた。身体が、小刻みに震えている。口づけを待っているのだと、数瞬して理解した。

 神社で、教室で、川でするよりも、遙かに心臓は激しく打っている。他人から、このように受け入れられたことはなかった。

 身体を低くかがめて、薄く小さな唇を重ねる。じわりと、暖かな感情が全身に広がっていく。





「んっ……」





 お互いの感覚を失わない強さで、唇を触れあわせる。しばらくして、離れた。ねねの眼が、熱く潤んでいた。

 もう一度、キスをする。今度は深く。





「んうっ……」





 浅田が舌を差しこむと、ねねが首に手を回してくる。ねねも短い舌を、一生懸命に浅田の口内で踊らせる。





「あ……」





 再びふたりが離れたとき、銀色の唾液がふたりの間に橋を作り、すぐに消えた。

 すでに、浅田の逸物は力を持ち始めている。黙って、作業服を脱ぎ始めた。





「ん……」





 ねねもそれを見て、スカートのホックを外し、ブラウスのボタンを外し、服を脱いでいく。

 浅田は猿股一枚になり、ねねは肌着とパンティ姿になった。何の飾りもない、簡素な木綿の下着である。





「お、おじさん……脱がせて。自分で脱ぐの、恥ずかしい……」

「あ、ああ」





 子供にするように、万歳をして肌着を脱がせる。夏にあった水着の日焼け跡は消え、みずみずしい白い肌が表れる。乳房は夏よりも少し大きくなった気がする。もう少しすれば、ブラが必要になるだろう。





「姉ちゃん……」

「あっ」





 ねねを抱きかかえて、布団に押し倒す。裸のねねが、不安なような、待ち焦がれているような潤んだ眼で見つめていた。

 胸の奥が、じわりと熱くなる。

 仰向けになると、ほとんど平べったくなってしまう乳房を、すうっと撫でる。





「うっ……」





 米粒のような乳首を、浅田のがさついた手が通り過ぎたとき、ねねがびくんと顔をしかめた。





「どうしたよ」

「最近、こすれると痛い……」





 ねねが、哀願するようにささやく。





「へっ……」





 浅田は、幼い乳房を口に含んだ。





「んっ……!」





 舌先で、まだかすかなふくらみでしかない乳首を、小突きまわす。





「あっ、あっ、うっ……」





 ねねの息が、少しづつ荒くなっていく。

 乳首から離れ、すべらかな胴へと唇を這わせていく。





「んん……」





 ねねが身体をくねらせる。木綿のパンティに、鼻先がふれる。むっとする熱気と、濃いミルクのような甘い香りが鼻孔に滑りこんできた。すうっと音をたてて、存分にねねの幼い香気を味わう。





「ああ……いい匂いだ」

「いやあ……」





 そう言いながらも、ねねは浅田の顔をのけようとはしない。

 この白い布のすぐ下には、清らかな無毛の恥丘がある。そう思うだけで、浅田の頭は一刻も早くそれをむさぼりたい欲望だけになった。

 両手で下着の端をつかんで、するすると下ろしていく。





「ああ……」





 ねねが、脱がせやすいように尻を持ち上げる。ゆがみのないまっすぐな割れ目が現れた。浅田はパンティを足から抜き取り、一糸まとわぬ姿となったねねをじっと見つめる。





 美しかった。胸のふくらみも、腰のくびれも、無毛の丘も、大人のものではない。しかし、子供からは少しずつ離れていっている。これから大人になっていく少女の、ちょうど萌芽の時代。今しかない造形だった。





 きれいだ、という言葉を飲みこみ、ごくりと喉を鳴らす。自分のことはよく判っている。三十過ぎの中年男が、女子小学生にそのような言葉を向けるのは、あまりにも恥ずかしい。

 自分の中に生じた恥ずかしさをごまかすように、ねねの両脚をぐいと広げる。





「ああっ」





 ねねが、両手で顔を覆う。あらわになった秘部を、隠そうとはしない。小さく薄い入口が、すでにしっとりと湿っていた。

そして、そのすぐ下には肌色の肛門がきゅっと閉じている。おかしなことになっていなくてほっとした。

 いきなり、膣にむしゃぶりつく。





「んううっ」





 ねねの甘い声が、楽器の音のように伸びる。舌全体を使って、薄い襞をていねいに舐め上げていく。





「んっ……うっ……くっ……」





 顔を覆った手で、声を必死に抑えていた。昼間である。どこで誰が聞いているか判らなかった。しかし、浅田の頭の中からはそのような配慮は一瞬で消し飛んでいた。

 やがて襞が柔らかく開きはじめ、唾液以外の粘る液体がにじんできた。





「へへ……姉ちゃん、濡れてきたぜ……」





 低い声で、ささやく。





「ううん……!」





 顔を押さえたまま、ねねが首を振る。

 浅田は襞を両手の親指で押し開き、舌先を膣に侵入させた。





「んんうっ」





 ねねの腰がびくんと跳ねる。そのまま、舌を奥へ奥へと伸ばし、そして吸い上げる。





「あ、あはあっ」





 ねねがついに顔から手を離した。小さなクリトリスを唇に含み、くにくにとうごめかす。





「あかんっ、強いっ……はあっ」





 浅田が、周囲を気にしてしまうほど、思いきりのいい声だった。しかし、浅田も高まってきている。今やめることなど、到底考えられなかった。

 クリトリスから口を離し、代わりに親指で押さえる。親指を小刻みに震えさせ、そのまま舌を膣ににゅるっと滑りこませる。





「あ、ああああっ! んっ……!」





 ねねの身体が、びくんと引きつる。





「はっ……!」





 息を吐いたきり、ねねが身体をこわばらせていやいやをする。

 ねねの様子がおかしいので、浅田は指と口を離した。





「どうした……?」

「はあっ、はあっ、はあっ」





 ねねは腕で眼を隠し、激しく息を切らせていた。





「頭が、白く光って、息ができん……」





 きれぎれに、ねねが言葉をこぼす。





「気持ちいいのかい」

「……おそがい(怖い)。けどが、まっとしてほしい。おじさんの……」





 それきり、ねねは横を向いて口を閉ざす。顔はこれ以上なく赤く染まり、身体全体が桜色になっている。そして、薄い胸が大きく上下していた。





「俺が、何だよ」

「ん……」





 ねねが、ちらっと浅田を見る。





「おじさんの、ちんぼでしてほしい」





 ねねは、ぱっと両手で顔を覆った。身体が、みるみるうちに濃く染まっていく。





「はは……」





 浅田は、感動していた。女から、ここまではっきりと求められるのは初めての経験だった。浅田の遍歴は、ほとんど商売女である。払った金以上に浅田を求めてくる女などひとりもいなかった。

 浅田を求めるねねが、たまらなく愛おしかった。





「いいぜ」





 逸物は、すでに破裂寸前に高まっていた。入れた瞬間に、射精しそうだった。それでも構わなかった。一突きでねねは達すると確信できたし、ねねの小さな子宮は浅田の大量の精液を受け入れるはずだった。

 逸物を、ねねの膣に押し当てる。昂奮のあまり、手が震えていた。あらためて見ても、赤黒い醜悪な逸物と、ねねのうっすらとしか色気のない清楚な身体は、あまりにも対照的だった。





「んん……」





 くちゅくちゅと、亀頭が濡れた膣を広げる音がする。





「いくぜ……」





 くびれの少ない腰を抱えて、ゆっくりと逸物が侵入していく。





「あああ……あ」





 ねねが眉間に皺を寄せて、ぎゅっと眼を閉じる。身体の幼さゆえの締まりのきつさは、初めて会ったときからまったく変わらないが、浅田の大きな逸物を受け入れることにねねは苦痛を感じなくなっているようだった。





 愛液が、煮える泥のように熱い。滑りがよく、それでいてほどよく硬い膣が全力で浅田を絞り上げる。動けなかった。ひとこすりでもしたら、射精してしまう確信がある。





「はあっ、はあっ、はあっ」





 浅田に逸物を打ちこまれているだけで、ねねは呼吸を荒くしていた。

 動かない浅田に気づき、ねねがうっすらと眼を開ける。そして、両手を持ち上げた。





「おじさん……ぎゅって、して」





 心臓が、どくんと跳ねる。





「ああ」





 浅田は身体を倒し、ねねの頭を抱えた。逸物が、さらに深くねねの中に入っていく。胸と胸が、ぴったりと合わさる。





「あああああっ!」





 ねねが、浅田の首を引きつけた。細い脚が、浅田をさらに奥へ導くように腰を抱える。

 急激に、射精感が高まっていた。このまま出す前に、少しでも多くねねをむさぼりたい。





「うおおっ」





 浅田は、腰を激しくねねの股に叩きつけた。ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と柏手のような音がする。





「ああっ、ああっ、いいっ、いいようっ、もっとおっ」





 ねねが、誰に聞こえても構わないような大声で鳴く。

 精液が、亀頭の先から漏れた。急いで、浅田はねねの子宮の入口に押しつける。





「で、出るぞっ」

「うんっ……!」





 その瞬間、我慢しきった太い精液の奔流が、一気にねねの子宮へと注ぎこまれた。





「んぐううっ」

「ああああっ」





 浅田の身体が硬直する。ねねの身体が、びくっ、びくっと跳ねる。

 最後の一滴を絞りきるまで、浅田はねねの身体をすがるように抱きしめた。ねねもまた、快楽に堕ちていくのを耐えるように、浅田を抱きしめる。

 浅田の中から狂熱が過ぎ去り、秋の静寂が訪れた。時計の針の音が、ひっそりと時を刻んでいる。





「ふう……」





 ねねの中で少し硬さを失った逸物を抜こうと、身体を起こそうとしたときだった。ねねが、強く身体を引きつける。





「まっと、このままで、おって」





 ねねの身体が、うっすらと汗で湿っていた。小さな背中を、つうっと撫でる。





「あんっ……」





 また、ねねの身体がびくっと震えた。





「……悪かったな」

「何があ……?」





 早くてよ、と言おうとしたが、かろうじてこらえた。小学生相手に大人が詫びるようなことではない。

 繋がったまま、抱きしめ合う。ねねは、安らいだ顔で眼を閉じていた。





「姉ちゃん……」

「何い……?」





 俺のこと好きなのか。





 そう問いたい衝動を、胸の底に秘める。

 ふたりは黙って、お互いの肌の感触と体温を確かめ合っていた。

 やがて、身体から熱が引き、肌寒さを感じるようになってくる。





「もう、いいだろ」





 浅田は、硬さの残った逸物を引き抜く。





「んっ……」





 切ないうめきが、ねねからこぼれる。

 大量の精液が、ぽっかりと開いたねねの洞穴からこぼれ落ちて、布団に染みを作っていた。

 ぼーん、ぼーんと、柱時計の音が小さく聞こえる。

 ねねが、身体を起こした。





「まあ昼だもんで、おじいちゃん達(たあ)がご飯食べに帰ってくる……」

「そりゃいけねえな、帰るわ」





 急いで散らかった服を着る。ねねが、裸のまま布団の上にしどけなく座り、潤んだ眼で浅田を見上げていた。





「ねえ、おじさん……」

「なんだよ」





 少し、ねねが黙る。





「夜も、来て。智と、三人でしたい」





 ねねの声が濡れていた。





「いや、親父さんとか、いるだろ」





 堂々と上がって来たら、その場で叩き殺されかねない。





「そこの窓、叩いて。そっから上がっといでん。十時にゃ、みんな寝とるで」





 ねねは、ふっと顔を伏せる。耳が赤くなっていた。





「判ったよ、行くぜ」





 求められることが、嬉しかった。





「……うん」

「じゃあな」





 浅田は、ねねの部屋を出た。誰もいない廊下を足音に気をつけて進み、玄関をそうっと開けて、周囲に誰もいないことを確かめる。

 秋の日は、まだ高かった。

 浅田は、ねねに対する気持ちが、夏からは確実に変わっていると感じていた。





ある秋の日、少女の家に侵入してセックス





『父親が部屋の中にいるのに押し入れの中で美少女が手コキしてくる』





 土方たちが寝起きするプレハブは特に消灯時間などは決められていないが、九時を過ぎるとほとんどの者はいびきをかき始める。たっぷり寝ておかないと、月曜日からの肉体労働は厳しい。そして、気づいた者が最後の灯りを消す。





 浅田はせんべい布団に横たわり、窓から差しこむ月光が天井を白く照らすのを眺めていた。

 九時半を過ぎた。もう起きている者はいない。浅田は、ゆっくりと身体を起こした。そして、酒臭い空気の中を寝相の悪い同僚たちを踏まないように歩を進める。音をたてないように、プレハブから出た。

 満月が冴えざえと光り、さえぎる雲もない。地面には、くっきりと影ができるほどだった。





「ふう……」





 秋の夜は、肌寒さを感じるほどである。浅田には外出用の服などなく、作業着しかない。防寒着はそのうち支給されるだろう。

 刈り終わった田んぼの中で、秋の虫が鳴いている。当然、歩いている者など浅田以外にはいない。集落への道を、砂利を踏みながら歩いていく。





 胸が高鳴っていた。女との待ち合わせの場所へ向かうのは、これほど心躍るものだったか。しかも相手は小学生なのだ。

 昼間、ねねの家で交わったことを思い出すと、むくむくと力がみなぎってくる。





「ははっ」





 笑みがこぼれる。ねねとの思い出だけで、この後の人生で笑っていけそうだった。

 しかし、今からそんなに枯れる必要はない。まさにこの後、ねねを抱けるのだ。もしかしたら、浅田をはめる罠かもしれない。小学生とセックスしたくてのこのこと家を訪れた浅田を袋叩きにし、警察に突き出すことなど造作もない。





 罠でもよい。夏に出会ってから、ねねの中に何度も射精した。ねねが浅田をはめる機会は何度もあった。親や教師に訴えることもできるだろう。しかし、今までそれはなかった。そして昼間、浅田を抱きしめたねねの必死の力は、そんな悪意などみじんも感じさせなかった。





 いや、ここから裏切るのが女なのだ。

 ねねの想いに溺れきれるほど、浅田は若くはなかった。いつ裏切られてもいい。それまでに何度セックスできるかだ。

 考え事をしているうちに、いつしか集落の中に入っていた。昼と夜とでは、まるで雰囲気が違う。昼間来たばかりの場所を探し当てるのに、しばらく時間がかかった。





 裸電球の街灯の周りには、小さな蛾が舞っている。午後十時近くになって、煌々と灯りをつけている家はない。田舎は夜が早いのだろう、誰も歩いていなかった。警察が見回りをしているかもしれない。見つかれば間違いなく職務質問されるだろう。

 気が少しだけあせる。青い月光に照らされた集落できょろきょろしていると、見覚えのある家の前に着いた。鼓動が激しく高鳴っていく。





 家族が寝ている家に忍びこんでセックスしてくるのだ。こんな田舎では、夜這いの風習もまだ残っているのかもしれないが、そうだとしても相手が小学生ではないだろう。

 注意深く周囲を見回し、足音を立てないようにつま先から地面に足を置いて、庭の中に入っていく。玄関を避けて、家の周囲を歩く。ねねの部屋はどこだっただろうか。間違えて家族の部屋に入ってしまったらお陀仏だ。





 セックスの期待を、緊張による動悸が上回っていく。外から見ると、ねねの部屋が判らない。なんとなく東側だったような気がするが、窓はふたつある。何か合図でも決めておけばよかったかと後悔したところで、カーテンがしゃっと開いた。

 心臓が止まりそうになる。逃げようと思った瞬間に、足は動かなかった。

 人影が立っていた。ねねが、月光に半身を照らして窓際にたたずんでいた。ほうっと息を吐く。





「おどかすなよ」





 声をひそめて、にやりと笑う。

 ねねが、音をたてないように、ゆっくりと窓を開けていく。表情はこわばっていたが、月光でも判るほど頬が紅潮していた。





「上がっといでん」





 ほとんど聞こえない声で、ねねがささやく。浅田は雪駄を脱ぎ、窓に両手をかけて身体を引き上げた。雪駄で浅田がいることがバレてしまわないかと心配になったが、そのときはそのときだ。

 畳の上に、そっと足を下ろす。部屋の中は、オレンジ色の小さな常夜灯がぽつりと光っている。ねねが、うつむいたまま、胸の前で手をもじもじさせていた。





「来たぜ」

「うん……」





 浅田がねねの肩を抱こうと近づいたとき、窓がからからと音をたてて閉まった。飛び上がりそうになる。





「おじさん、入ったら閉めんといかんよ」





 智がカーテンを引く。月光も遮られ、部屋はぼんやりと暗くなった。





「おまえもいたのかよ。心臓が止まるかと思ったぜ」

「だって僕もこの部屋で寝とるもん」





 床には確かに、布団がふたつ敷かれている。





「ん……」





 ねねがいそいそと、パジャマのボタンを外していく。





「へへ、そんなに俺としたかったのかい」

「ほだよ。お姉ちゃん、僕とじゃたるい(つまらない)て言うだよ」

「智……!」





 ねねが、押さえた声で叱る。小学三年生の智の逸物とは比べるのも馬鹿らしいが、ねねが自分以外の男と交わっていることに、ちりっと嫉妬を覚えた。





「じゃあ、期待に応えて俺のちんぼで姉ちゃんのおまんこをごりごり擦ってやるぜ。智、おまえは見学だ」

「やだ」





 智は、ねねよりも手早くパジャマを脱ぎ出す。





「じゃあ、姉ちゃんのおまんこは俺だ。おまえはケツの穴な」

「いいよ」

「勝手に決めんでよ」





 そう言いながら、ねねはパジャマを脱いだ。半袖の肌着と、木綿のパンティだけの姿になる。ねねはそのまま肌着に手をかけて、上半身裸になった。昼間の陽光のもとで見るよりも、輪郭がぼやけて白い肌がうっすらと光っているように見える。





「ん……」

「どうしたよ」





 ねねが最後の一枚を履いたまま、もじもじと内股をすりあわせる。





「自分で全部脱ぐの、恥ずかしい……」





 ねねの白い肌が、染まっていく。





「判ったよ」





 浅田はねねの前にひざまずき、パンティをゆっくりと下ろしていった。無毛の割れ目が姿を現し、かすかな熱気と女の匂いが漂う。浅田の息も荒くなっていた。





「あ……」





 パンティが膝まで下りると、ねねが顔を覆った。顔は見えなくても、秘部はあらわになっている。





「これでいいかい」

「うん……」





 ねねが、布団に横たわる。幼い胸が、ゆっくりと上下していた。

 浅田は、手早くしかし音をたてないように気をつけて、作業服を脱ぎ捨てる。すでに逸物は、へそを打たんばかりに反り返っていた。





「わあ、おじさんでれえデカい」

「当たり前だ」





 六畳の部屋の中で、子供ふたりと大人ひとりが全裸である。その三人は、今からセックスをしようというのだ。異様な空間になっていた。





「さあて、どうしようかね」





 高鳴る期待を抑えかねて、声がかすかに震える。





「おじさん……」





 ねねが、浅田を迎え入れるように両手を広げた。瞳が、薄暗がりの中でも潤んで光っているのが判る。





「へっ……」





 浅田はねねに添い寝するように横たわると、頭を抱えて唇を重ねた。





「んっ」





 ねねが眼を閉じる。唇を軽くこすり合わせ、お互いについばんでいく。ねねの小さな唇は、ほんのりと歯磨き粉の匂いがした。





「ん……ん……」





 少しずつ、浅田の舌がねねの口に侵入していく。ねねも応えるように、短い舌を頑張って絡ませてくる。ずいぶんと、ねねはうまくなった。

 ねねが、耐えかねたように太ももを浅田の股に差し入れてくる。ふたりは、さらに密着した。逸物の先から粘液がしみ出し、ねねの柔らかな腹にこすりつけられる。早く入れたいという欲望が、後戻りできない強さで高まっていく。





「んくっ……」





 ねねがさらに深く舌を入れようと、浅田の頭に両手をまわす。

 小さなねねの身体を抱きかかえる。





「ん……ちゅっ……あふっ……」





 キスが長くて苦しくなったのか、ねねが離れて息を吸う。





「んむっ……」





 そしてまた、唇を重ねる。そのまま、ねねが浅田の逸物をすくうように撫であげた。

 自分でふれるのとは異質な快美が、静電気のように走る。





「うっ……」





 そっと撫でられただけで、逸物が爆ぜてしまいそうなほどに膨張した。薄皮一枚で、かろうじて欲望が抑えられている。





「んん……」





 ねねはうっとりと眼を閉じ、先走りに濡れた浅田の逸物を、手のひらで愛おしむようにさする。ねちゃねちゃと、卑猥な音が暗い部屋にうっすらと響く。

 そのまま射精してしまいそうだった。しかし、どうしてもねねの小さな膣の中に出したい。





「姉ちゃん……」





 浅田が顔を離す。ねねの顔が、薄闇の中でも上気してぼんやりとしているのが判る。





「うん……おいでん」





 かすかにねねがささやいたときだった。





「んっ……!」





 ねねの眼が大きく見開かれる。





「僕をほっとかんでよ。僕は尻でいいだらあ。入れるでね」

「ま、待ち……」





 意識の外にあった智が、ねねの肛門にずぶりと指を挿し入れた。





「あいいいいっ!」





 闇を切り裂く甲高い声が響き渡る。

 浅田もいきなり現実に引き戻された。





「お姉ちゃん、うるさいよ」





 智は、それでも尻から指を抜かない。





「はっ……んっ、と、智……やめて……えらい(苦しい)」





 ねねが眉間に皺をよせ、苦しそうに懇願する。

 と、廊下から重い足音が聞こえてきた。





「ねね、どいだあ」





 くぐもった男の声が、襖の向こうから呼びかける。父親に違いなかった。





「や、やべえ」





 全裸である。見つかれば何の申し開きもできない。慌てて服を探すも、薄暗くてよく判らない。





「くっそ……」

「おじさん、こっち」





 ねねが服をまとめて布団の下にねじ込むと、急いで押し入れを開けた。





「早よ入りん」





 声は小さかったが、有無を言わせない強さがあった。





「お、おう」





 それ以外に道はない。慌てて、四つん這いで押し入れに潜りこむ。慌てて中から襖を閉めた。

 中は手のひらも見えない真っ暗闇だ。すぐに、部屋に誰かが入ってくる音がした。





「何だん、犬が絞め殺されるような声出いて。智、ねねはどこだん」





 低い声が、襖の向こうから聞こえてくる。全身を縮めて、息をすることさえ恐ろしかった。





「ん、便所……」





 智が、さらりと嘘をつく。父親が、簡単に騙されてくれることを心から願った。





「あ? すれ違わんかったぞ」

「えっと……」





 心臓が、恐怖で跳ね上がる。胸を内側から叩く音さえ、父親に気づかれてしまいそうだった。





「ん……」





 いきなり、ねねが浅田の逸物をつかんだ。背中が引きつる。何を考えているのか。

 こんな状況なのに、ねねにふれられた逸物はたちまち硬くなっていく。





「あ……」





 うっとりとしたため息が、闇の中でそっと聞こえた。そして、ゆっくりと上下にしごき始める。





「な……」





 声が出そうになり、慌てて口をつぐむ。





「ん……ん……」





 ねねの手が往復するうちに、先走りがねちゃねちゃと音を立て始める。そんなかすかな音さえ、押し入れの中では響く。





「おじさん……さわって……」





 ねねが、蝶の羽音よりもかすかな声でささやく。

 もうやけだった。闇の中に手を伸ばすと、すぐにねねにふれた。





「あっ」





 形からして、おそらく太ももにさわっている。そのまま手探りで、脚のつけねへと指を進める。指先が、熱いぬめりに沈んだ。





「んんっ……」





 ねねが極限まで声をおさえ、身体をこわばらせる。逸物を握る手に、ぐっと力がこもった。

 中指を伸ばし、さらに奥へと進めていく。





「んんんっ」





 どきりとするほど、明瞭な声だった。





「ん、何か聞こえたか?」

「猫だらあ」





 まだ父親がいる。ねねが帰ってくるまで待つつもりか。絶望的な気分になる。しかし、逸物は隆々と立ち上がり、ねねの小さな手でひたむきにしごかれている。





「あっ……おじさん、口、おさえて」





 ほとんど聞き取れないほどの声で、ねねが訴えた。

 浅田は勘で、己の口でねねの口をふさぐ。





「んむっ」





 ねねの満足げな吐息がもれる。すぐに舌を絡ませてくる。

 もういい。

 ねねが声も上げられないほど、深く舌を挿し入れる。





「ぐっ……」





 そして、ねねの膣にうがたれた指を、大きく出し入れする。





「んぐっ……」





 逸物をつかむねねの手が、さらに速さを増していく。

 射精への高まりが増していくのに合わせて、浅田の指の動きも激しくなっていく。





「んっ、んっ、んーーーーっ」





 浅田の口の中で、ねねの声が吸収される。挿し入れた指が、きゅうっと締めつけられた。





「ううっ!」





 逸物の根本に溜まっていた精液が、ついに耐えきれず暴発した。

 たっ、たっ、と精液が襖に当たる音がする。父親に気づかれたら最期だ。最期の射精は、ねねの子宮へと放ちたかったと浅田は心を残したが、もう運命に身を委ねるしかない。





「早よ寝ないかんぞ」

「うん」





 父親はそう言うと部屋を出たらしく、廊下を踏む音が遠ざかっていく。

 音がまったく聞こえなくなってから、浅田はようやくねねと口を離した。そして、そろそろと襖を開け、這い出てくる。





「まったく、今度こそ殺されるかと思ったぜ。すげえ度胸してるな、姉ちゃん」





 逸物はすっかり力を失っている。





「うふふ」





 ねねが四つんばいの姿勢のまま、小学生らしくない笑みを浮かべた。ぞくりと背中のうぶ毛が立つ。それは昂奮なのか恐怖なのか、よく判らなかった。





「じゃ、じゃあ帰るぜ」





 浅田は布団の下から作業服を引きずり出すと、手早く着替えた。





「またねえ」





 智があくびまじりの声で小さく手を振る。





「おう」





 静かに窓を開け、右左を確かめて誰もいないことを確かめると、裏庭へ飛び降りた。

 砂を踏む音もたてないように、そっと歩く。振り向くと、ねねと智が顔を出していた。

 軽く手をあげ、生け垣の外に出る。





「たまんねえな……」





 浅田の口からこぼれた言葉を、月だけが聞いていた。





秋祭り、巫女服で神楽舞をする少女とセックス





『巫女服の美少女が自分でオナニーするようになる』





 浅田たちが寝泊まりしているプレハブを囲む田んぼは、もう稲刈りが終わって寒々しい切り株を見せていた。渡る風でさらさらとなびく稲穂もなく、その冷気は秋が深まっていることを感じさせる。

 ある日曜日の朝、遠くから妙にリズミカルな太鼓の音が聞こえてきた。祭り囃子のようにも聞こえるが、浅田が今まで聞いたことのないほどのスピード感で叩いている。





「なんだい、ありゃあ」

「ありゃあチャラボコって言うんだよ。このへんじゃ祭りや正月にやるんだぜ」





 布団の上で朝から茶碗酒を飲む同僚が、臭いゲップを吐きながら教えてくれた。

 今日は祭りらしい。この集落には神社はひとつしかなく、おそらくはそこで秋祭りが行われるのだろう。

 帰る家もなく、現場を渡り歩いてきた浅田には、妙に心にしみる。子供のときにも、行ったことがあったか思い出せない。





 ねねは来ているのだろうか。

 夏のときのように、大鳥居の側で立っているのだろうか。胸の奥がむずむずとし、座っていられなくなった。

 浅田は、作業着の上に薄っぺらなジャンパーを羽織り外に出た。





 空は抜けるように青い。人生で溜めてきた鬱屈も、空へはらはらと飛んでいってしまいそうだった。

 田んぼ道を抜けて集落に入ると、スピーディな太鼓の音が近づいてくる。

 見ると、小型の山車の後ろに、ドラムセットのように太鼓を据えつけたものを、法被を着た少年が細いバチで軽快に叩いている。よく見ると、それは佑介だった。





 山車を十人くらいの法被を着た小学生が前と左右にとりつき、集落の中を進みながら練り歩いていく。

 佑介は浅田には気づかず、浅田も声をかけて祭り囃子を止める度胸はなかったので、去って行く山車を見送った。家からぞろぞろと住民が出てきて、朗らかな顔で太鼓の音を聞いていた。

 浅田は、こういうものを見るのは初めてだった。これがチャラボコというものか。





 山車は、神社とは反対の方へと進んでいく。浅田は、山車に背を向けて神社へと向かった。

 近づくにつれ、人波が増えていく。やがて香ばしい匂いと甘い匂い、そして雅楽の音が大鳥居の向こうから届いてきた。

 参道の両端には屋台がずらりと並び、チョコバナナだとか綿飴とか、射的だとか金魚すくいに子供たちが集まっていた。浅田が食べるようなものではない。と、焼き鳥の屋台があった。一緒に、カップ酒も売っている。





「串五本と、酒をくれ」





 千円札一枚をテキ屋の若者に渡し、浅田はどこか座るところを探した。人が多く、落ち着けそうなところはない。参道から外れた森の中に、大きな石碑が建っていて、そこには誰もいなかった。

 浅田はそこに腰を下ろす。忠魂碑と書いてあった。小さな文字で、浅田が子供のころの戦争でこの村から出征して戦死した若者の名前が刻んであった。





 なんとなく腰を下ろすことに気が引けたが、供養だと思って座ることにした。

 固い鶏肉を串から引き抜きながら、朝から酒を飲む。参道を行き来する楽しそうな人々を、浅田は外側から見ているだけだ。それでも、祭りを見にきたのは何年ぶりか。ねねと出会わなかったら、来ようとも思わなかっただろう。





 食べ終わった串を草むらに投げ捨て、飲み残しの酒を石碑の前に置いて手を合わせる。

 と、雅楽の音が高くなった。見ると、能楽堂で何人もの少女が、白い着物に赤の袴で神楽舞を舞っていた。

 ああ、間違いない。ねねはあそこにいる。浅田は確信をもっていた。ふらふらと、導かれるように歩いていく。





 能楽堂の周りには、観客がぐるりと集まっていた。少々酔いの勢いを借りて、人々を押しのけて一番前に出る。

 数人の神楽巫女が、手に黄金色の扇子を持ってゆったりと舞っていた。全員が、おそらくは小学生であろう少女たちである。彼女らの後ろで、ひちりきや横笛などを奏する大人が、羽織袴で座っていた。





 ねねはすぐに判った。同じ服、同じ化粧でも、神々しいほどに際だっている。化粧をしているのを見るのは初めてだった。おしろいをたっぷりとはたき、唇には紅をさしている。

 舞妓でもなければ街を歩くような化粧ではなかったが、衝撃を受けるほどの美しさだった。

 舞に集中しているのか、ねねは浅田に気づいたそぶりもない。





 ねねの流れるような舞を、浅田は呆けたように見つめていたが、あの巫女服のままねねを犯したいという欲がむくむくと起き上がってきた。

 やがて舞が終わり、少女たちは観客に向けてゆっくりと深く頭を下げた。拍手がわき起こる。浅田も無意識のうちに拍手をしていた。





 ねねたちは能楽堂の奥へと消える。散らばっていく観客の間をすり抜けながら、浅田はねねを探しに能楽堂の裏へ回った。

 少女たちが、神楽巫女の姿のまま、小学生らしくはしゃぎあっている。ねねは、浅田のいないところではあんな笑顔を見せるのだと思うと、自分は本来ねねのいる世界には存在してはならないのだと柄にもないことを考えた。





 能楽堂を離れた少女たちは、着替えもせず屋台をめぐる。りんご飴をかじり、綿あめにぱくつき、金魚すくいに嬌声をあげる。神楽巫女が日常にいる風景は、まさにハレの日といった趣だった。

 とはいえ、ひとりになってくれないとねねとセックスできない。浅田は人混みにまぎれながら、粘り強く待った。





 やがて、ねねが友人たちに手を振り雑踏を離れた。どくんと心臓が跳ねる。浅田は、振る舞われている御神酒の升をもらい、一口飲んで慎重に後をつける。

 ねねは、しめ縄が張られた社務所の中に入っていった。着替えなのかトイレなのか判らないが、チャンスがやってきた。中に人がいたら間違えたふりをすればいい。





 社務所のまわりは屋台もなく人がほとんどいない。浅田は、するりと戸を開けて中に入った。十畳ほどの二間になっていて、ちょうどねねが奥の間の襖を閉めるのが見えた。

 鼓動が激しく高鳴っていく。入口の鍵をかけた。

 靴を脱いで畳に上がり、襖を勢いよく開ける。





「ひっ……」





 ねねが、赤い袴をほどこうとしているところだった。眼が驚愕に見開かれている。近くで見ると、額に平安時代の女がするような太い殿上眉が描かれていて、本来の眉と合わせて四つ眉毛がある。それが何ともいえず面白かった。





「よう」





 立っているのが浅田だと判ると、ねねはほっとした顔になる。





「何い、びっくらこいたじゃん」

「踊り、かっこいいじゃねえか」





 浅田は、ぐびりと升酒をあおる。





「ようけ練習したもん」





 褒められて、ねねの首筋が赤くなる。





「佑介が、なんか太鼓みたいなもん叩いてたけど、ここは子供が祭りで活躍するんだな」

「ほだよ。先輩たあもずっとやっとるもん」





 巫女服でもじもじするねねは、何ともいえず新鮮だった。





「俺が何でここに来たか判るかい」

「……判るよ」





 ねねが、うっすらと笑った。





「入口の鍵、しといたからな」

「……うん」





 こくりと、ねねがうなずく。





「そこも、閉めて」

「ああ」





 入ってきた襖を、浅田は後ろ手に閉める。

 部屋には窓があるが、白いカーテンが閉められていて外から見ることはできない。

 沈黙が、小さな部屋を満たす。ねねの鼓動までも聞こえてきそうだった。

 そろりと、ねねに近づく。





「んっ……」





 ねねが、身体をこわばらせる。

 残りの升酒を、口に含み空になった升を放り投げる。片手が不自由では、楽しめるものも楽しめない。

 浅田はねねの両肩を引き寄せる。





「ん……」





 ねねがおねだりするように、眼を閉じて浅田に唇を向けた。ねねに求められているという喜びが、じわりと全身を満たす。

 浅田は背の低いねねに、腰をかがめて口づけをする。いたずら心で、口にふくんでいた酒を、少し流し入れてやった。





「んんっ……!」





 ねねが眼を見開いて、離れようとする。逃すことなく、握った小さな両肩に力を入れる。

 普段、唾液の交換をするように、口の中の酒を飲ませてやった。口元から、飲ませきれない酒が落ちる。





「ううんっ」





 ねねは、喉をこくんと鳴らして飲んでしまった。





「お、お酒やあ」

「そうだぜ。父ちゃんに少しは飲ませてもらわねえのか」





 もっと咳きこんだりするかと思ったが、意外とねねは落ち着いていた。





「何か、変な味。頭がくらくらする」





 早くもねねは、ぼんやりとした視線になって、頬が染まっていた。





「来いよ」

「うん……」





 巫女服のねねが、浅田の腕の中にすっぽりと包まれる。もう一度、口づけをした。





「んっ……くっ……」





 今度は、ねねの短い舌と絡み合わせる。お互いの酒の匂いが、鼻の奥までしのびこむ。

 ねねの唇をじっくりとねぶっているうちに、浅田の逸物は確実に力を持ってきていた。





「うん……」





 ねねが、見計らったように浅田の股間に手のひらを当てる。そして、ゆっくりと上下にさすり始めた。ズボンの上からのもどかしい感触が、さらに浅田の欲を加速させる。巫女服の衿の合わせから、無遠慮に手を差し入れた。





「あっ」





 すべらかな素肌にふれた。そのまま、乳首を探ろうと手のひらを滑らせようとするが、和服を着ていると正面からはさわりにくい。





「そらよ」

「きゃっ」





浅田はねねに後ろを向かせると、そのまま一緒に座りこんだ。幼子を膝の上に乗せてテレビを見るような姿勢である。この体勢なら、肩越しに衿から手を差し入れるのが楽だった。

 味わうように、ゆっくりとねねの薄い胸をまさぐっていると、小さなしこりが手のひらをこすった。





「あっ……」





 ねねが、びくっと身体を震わせる。





「最近、おっぱいのこりこり、痛くなってきた」





 酔いに潤んだ眼で、浅田を振り返る。





「そうかい。じゃあこれでいいか」





 浅田は、指先でつんつんと幼い乳首をつつく。





「んっ……それ、くらい」





 ねねの声が、だんだんと湿ってくる。浅田は、ふくらみかけた乳房の周辺を撫で回しながら、ときおり指先で乳首に軽くふれる。





「あっ……はっ……ふう……お、おじさん」





 ねねが切なげに振り返る。すぐに唇が深く合わさった。





「んっ……んっ……んくっ」





 舌を絡ませながら、たかぶってきた浅田はさっきよりも強く乳首をこすった。





「んんっ……ぷはっ」





 ねねが苦しそうに口を離す。頬は薄紅色に染まり、眼は潤んでいた。





「おじさん……暑い」





 酒を飲まされたせいか、襟元からのぞく肌も桜色になっている。ねねは、赤い袴の紐を急いでほどくと、脚を使って乱暴に脱ぎ去ってしまった。下着をはいておらず、小さな割れ目がくっきりと見えていた。





「ははっ、ノーパンかよ」

「神様の前じゃ、つけちゃいかんって」





 全国でそんな風習があるのかは知らないが、この神社の神様はよほど女好きに違いないと浅田は思った。

 袴で押さえられていた上衣は豪快にはだけ、下半身は丸出しで、浅田の欲望を嫌がうえにも煽る。

 めくれた上衣の中に手を入れ、へそから胸にかけてなめらかな肌を存分に味わう。





「ん……はっ……」





 吐息をこぼしながら、ねねが唇を求める。浅田も応じ、舌を蛇の交尾のように絡め合わせた。

 と、ねねの手が股へと伸びる。





「くっ……」





 指先が、膣の中に入っていた。





「ん、ん、ああっ」





 キスをしながら細かく指を動かしていたねねは、耐えきれなくなったのか口を離す。





「姉ちゃん、自分でもしてんのかい」





 正直、驚いていた。





「だって……んんっ、これなら、おじさんにおっぱいさわられながら、まんこいじれるもん」





 ねねは、話ながらも指を止めない。ねねのような美少女が、人前でオナニーをしてみせるようになってしまったことに、浅田は感動していた。

 かといって、ねねにオナニーをさせてそれを見物するだけで満たされるほど、浅田は枯れていない。





「よおし、いっぱいさわってやるから、思いきりいじりな」

「うん……」





 浅田は、ゆっくりと薄い胸を揉みながら、耳たぶを口に含んだ。





「ひゃうっ……んんうっ」





 ねねの身体がびくんと跳ねる。勢いで、指が奥まで入ってしまったようだ。

 そのまま、ねねの耳をついばむように舐めていく。





「んんっ……ああうっ……くっ」





 ねねのうなじに、鳥肌が立っている。次第に、ねねの指の動きが遠慮のないものになっていった。





「あっ、あっ、あっ、ううんっ」





 ねねの呼吸が、速くなっていく。両手で乳首を、きゅっとつまみ上げた。





「んんっ、ああーーーっ」





 ねねの身体がぶるりと震えた。外に聞こえそうな声だった。ねねの手が止まる。ぐったりと、浅田にもたれた。





「はあ……はあ……はあ……」





 ねねの肩が、大きく上下している。





「イッたのかい」

「うん……けどが、おじさんとしてるときと、全然違う」





 ねねは、訴えるように浅田を振り向いた。

 すでに、逸物はねねの背中を強く押し返している。





「へへ……じゃあ、ホンモノを教えてやるよ」

「うん……」





 ねねは這うように浅田の膝を離れ、脱ぎ捨てた赤い袴の上に仰向けに横たわった。





「おいでん……」





秋祭り、巫女服で神楽舞をする少女とセックス





『巫女服半脱ぎの美少女に抜かずに2回中出しする』





ねねが、潤んだ眼で呼びかける。白い着物の前は大きくはだけ、喉元から股間まで肌をさらけ出している。すらりとした脚を丸出しにして、ねねは両膝を立てると浅田を迎え入れるようにゆっくりと股を開いた。薄暗がりの中で、脚の根本が濡れて光っていた。

 浅田の心臓が、どくんと跳ねる。ベルトをいそいで外す。はち切れんばかりに立ち上がった逸物が邪魔をして、ズボンがなかなか脱げない。





「くっそ」





 下着をずり下ろすと、逸物が勢いよく上へ跳ねた。作業服のボタンを引きちぎり、浅田は全裸になると、餓鬼のようにねねへのしかかった。





「おじさん……」





 まだ入れてもいないのに、ねねが首に手を回してくる。浅田もねねの頭を抱え、胸と胸を密着させる。硬い感触が、浅田の胸に走った。





「あっ……こりこりが、ぴりってきた」





 ねねが、切なげに眉間に皺を寄せる。乳首を強くこすってしまったらしい。浅田は、ねねを抱えたまま下半身の動きだけで侵入を試みる。手で狙いを定める時間さえ惜しかった。





「んっ、んっ」





 入口を突かれて、ねねがくぐもった声をあげる。頭が沸騰しきった浅田は、女を知らぬうぶな少年のように、やみくもに腰を振っていたが入るわけもない。





「ちくしょう」





 一刻も早くねねの中に出したいのに、気持ちが昂ぶりすぎてうまくいかない。





「お、おじさん……」





 ねねが、もぞもぞと動く。ひたりと、小さな手が逸物を包みこんだ。





「ちょう、貸して……んっ」





 浅田が突いていた位置から、少し下がったところで亀頭がつぷりと沈んだ。





「……いいよ」





 息を吐くような声で、ねねがささやいた。

 ぐぐっと腰に力を入れる。湯のように温かな、ねねの膣へと逸物が入っていった。





「あああああっ」





 ねねがぎゅっと眼をつぶり、歓喜の声をあげる。浅田を逃がさないように、首を抱え両脚で腰を締めつける。





「おお……」





 ねねの小さな膣は奥まで充分に濡れていて、ぬるぬるとしながらも逸物を強く絞めあげる。これだ。これが浅田がすべてを犠牲にしてもよい最高の快楽だ。





「はあっ、はあっ」





 ねねの吐息に、酒の香りがする。唇を唇でふさぎ、舌を絡ませながら腰を突き上げる。





「んうっ……ちゅっ……あはあっ」





 ねねが、こらえきれずに口を離す。

 浅田はねねの小さな両手をしっかりと絡み合わせた。必死の力で、ねねが握り返してくる。





「おじさんっ……!」





 おしろいを塗ったねねが、眉間に力をこめてぎゅっと眼を閉じる。一瞬、ねねが小学生であることを忘れてしまうような、なまめかしさだった。





「うおおっ」





 浅田は、ひと突きひと突きで、ねねの膣からすべての快楽を貪ろうと、全身全霊で集中する。





「ああっ、んうっ、あんっ」





 ねねもまた、浅田が送りこんでくる快楽を、少しでも逃すまいとするように喘いでいた。





「姉ちゃん、出すぞっ」

「やだ、やだ、もっと、してっ」





 ねねが激しく首を振る。

 浅田は構わず、力強くねねの頭を抱えた。同時に、逸物が深々とねねの一番奥に到達する。





「あああああっ」





 浅田の背中に回したねねの手に、強く力がこもる。逸物の根本で限界まで溜められた、力が一気に放出された。





「うううっ」





 逸物が膣の中で大きく跳ねる。精液を膣内に放つ律動に合わせて、ねねの膣が収縮する。まるで浅田の精液を、ねねが搾り取ろうとしているようだった。





「ああ……」





 ねねが陶酔したような、残念なため息のような声をもらす。





「最高だな、姉ちゃんのおまんこはよ」

「やだ……」





 そう言われて、ねねは両手で顔を覆う。顔を隠しても、耳や首筋まで赤く染まっている。

 その姿を見て、膣内へ出したばかりだというのに、みるみるうちに浅田の逸物に鉄のような硬さが戻ってきた。





「姉ちゃん、俺が早すぎて物足んねかっただろ」

「え……?」





 ねねが、驚いた顔で顔から手を離す。





「出すぞって言ったら『やだ、もっと』って言ってたじゃねえか」

「ほ、ほんなこと……言っとらんもん」





 ねねが再び顔を覆う。今度は、全身が染まっていた。





「俺もまだ、姉ちゃんの中に出し足りねえんだよ」

「う……」





 ねねはわずかにうなずいたように見えた。

 つながったまま、ねねの身体を回していく。





「ああああっ」





 強い摩擦で逸物がねじ切られそうだったが、たっぷり出した精液が潤滑油になって、うまく後背位の姿勢になることができた。





「ふうっ、ふうっ、ふうっ」





 すでに、ねねは汗でしっとりと濡れた白い着物を上下させていた。羽織った着物の下から、幼く硬い尻が丸見えになっている。たまらない光景だった。

 正常位には包みこむ柔らかさがあったが、後背位は歯茎で噛んでくるような強さがある。それだけに、ねねの膣はより強い摩擦を感じるのだ。





「いくぜ……」





 一回射精して、浅田には余裕が生まれていた。抜けるぎりぎりまでゆっくりと引き抜くと、精液と愛液の混ざった液体がごぼりと赤い袴の上にこぼれ落ちた。





「ああっ……こ、こすれる」





 ねねが、敷いた袴をぎゅっとつかむ。逸物のカリが、引き抜くときに狭い膣の天井をしっかりと掻いていくのだ。





「ふうう」





 浅田はねねの細い腰をつかみ、静かに沈めていく。奥に溜まっていた精液が、卑猥な音をたてて押し出される。





「あううううっ」





 ねねは腕を伸ばすこともできず、尻だけを突き上げて顔を袴に押しつけている。落ちていくのを必死で耐えるように、袴をぐしゃっとつかんだ。





「へへ……」





 浅田は挿入したまま、中指をねねの肛門に押し当てた。





「ひっ……」





 ねねが小さな悲鳴をあげる。尻が、ぷるぷると震えていた。しかし、ねねは拒絶の言葉を発しなかった。

 ごくんと、ねねの喉が動いた。

 中指を、ずぶずぶと押し入れていく。指先が、すばらしい熱さに包まれた。





「んぐううっ」





 ねねの背中が硬直する。

 肛門に逸物を入れるのは怖かったが、指ならまだ安心できる。

 ゆっくりと、中指を沈めていく。





「うっ、ふっ、んあっ」





 ねねが、震える声であえぐ。ついに、中指の根本まで尻の中に入った。





「姉ちゃん、ケツに指が全部入ったぜ。どうだい」

「……っ」





 ねねは、声を出すこともできずに首を振る。中指を、ねねの括約筋が食いちぎらんばかりに締めつける。





「姉ちゃん、ずいぶん鍛えてんのか。ケツの穴で指の骨が折られそうだぜ」

「ちがっ……はあっ」





 ねねは何か言おうとしたが、口から出てくるのは荒い呼吸ばかりである。

 浅田は肛門に指を穿ったまま、腰を動かし始める。膣の力強い締めつけが、浅田の欲をさらに搾り取ろうとしていた。





「ああああっ! ああっ! あああんっ」





 ねねが、周囲もはばからない大声で叫ぶ。祭り囃子と喧噪が、窓の外に満ちている。

 肛門と膣が、交互にきゅっきゅっと締めてくる。





「姉ちゃん、もっとケツに力入れねえと、クソ漏らしちまうぜ」

「い、いやあっ」





 ねねの肛門が、必死に浅田の指を咥える。持ち上げれば、ねねの身体を支えて浮かせられそうな力だった。





「イケよ姉ちゃん。ケツにぶっさしたまま、ケツでイッちまえ」

「ううんっ、やあっ、おしり、いやあっ……うそっ、もっと、してえっ」





 浅田が、前後動の速度を上げていく。





「ああっ! んんっ! あああっ……! 来た、来たよおっ……もうすぐっ」





 ねねの声が、さらに高くなる。





「姉ちゃん、俺もいくぞ。なあ、一緒にいくか」

「うんっ……うんっ!」





 ねねが、ひらひらと背後に左手を伸ばす。浅田は、しっかりと小さな手を握った。





「うおおおぅ」

「あああああああっ」





 浅田が、ねねの子宮に二回目の精液を注ぎこんだのと同時に、ねねが電気に打たれたようにぶるりと震えた。





「おお……お」





 最後の一滴まで、ねねの中に出し尽くしたかった。





「ふうっ、はあっ、はあっ、はあっ」





 ねねが、顔を赤い袴に埋めて、激しく呼吸をしていた。





「はは……姉ちゃん、ケツでイッたな」





 そう言いながら、浅田は肛門から指をずぽんと抜いた。





「んふうっ」





 ねねの幼い肛門は、すぐに閉ざされる。





「はあ……」





 この上ない満足に、逸物が次第に力を失っていく。浅田は、膣から逸物を引き抜いた。





「あんっ……」





 最後に、ねねが甘い吐息をもらす。突き上げていた尻が、ころりと倒れる。膣からは、大量の精液が流れ落ちていた。

 もう欲は完全に満たされていたが、まだ名残惜しかった。

 ねねの背中に沿うように横たわり、背中からねねを抱きしめる。すっぽりと抱えられてしまうほど、小さかった。やはり小学生なのだ。





「ん……」





 ねねが、抱きしめた浅田の腕に、手を添える。

 社務所の暗い部屋の中で、ふたりはいつまでも祭り囃子を聞いていた。





学芸会でメイド服を着た少女と体育館でセックス





『メイド服を着た美少女と体育倉庫でシックスナイン』





 風は、完全に冬のものになっていた。

 何の娯楽もない村だが、寒くなってくるとその侘しさもひとしおである。

 日曜日であった。浅田はつまらない休日を酒でごまかそうと、集落の飯屋に入る。小さな居酒屋は夜にならなければ開かないが、飯屋では頼めば酒を出してくれる。もっとも、昼間から酒を飲む浅田に対する視線はつめたく、賄いの老婆は金を払っていなかったら塩でもまきたそうな顔をしていた。

 青椒肉絲をつまみながら、冷えたコップ酒をちびちびとやっていると、店の奥から中年女がめかしこんだ格好で現れた。





「母さん、ちょう学芸会行ってくるわ」

「ほうか。わしも客がおらなんだら行きたかったけどが」





 老婆は、じろりと浅田を見た。

 この店の子供が小学生で、中年女はその母親なのだろう。女はいそいそと店を出て行った。

 今日は学芸会らしい。

 ねねも当然出ているだろう。どんな衣装で、どんな役をしているのか。着物のお姫様なのか、それとも木とかやっているのか。ねねが木をやっている姿を想像して、笑いがこぼれた。





「くくっ」





 老婆の顔が、ますます険しいものになる。

 浅田は酒を飲み干し、半分残した青椒肉絲の横に千円札を投げると店を出た。

 酒を飲んだものの、身体の表面は寒い。仕事用の防寒着しか着るものはない。ちらほらと、集落の中を学校へ向かう大人が見える。みんな学芸会を見に行くのだろう。





 小学校の学芸会でさえ、この村では大した娯楽なのだ。

 集落のはずれにある小学校へ向かう。正門から運動場へ入ると、体育館の方から人が出入りしている。あそこで学芸会をしているらしい。浅田は、保護者のふりをしてすっと体育館に入った。

 中は暗いが、人の熱気が満ちている。床にはござや毛布が敷かれ、明るい舞台が浮かび上がっていた。





 部隊の上では、洋装の子供たちが男女ひと組で踊っていた。舞台の後方には、召使いというのかメイドの服装をした子供たちが何人か並んでいる。

 おそらく、セリフが覚えられないか目立つのが嫌いなのだろう。

 話の筋を追っていくと、どうやらシンデレラらしかった。浅田が来たときには、ちょうど舞踏会の時だったのだ。そして、ガラスの靴の持ち主を国中から探すシーン。主役の少女が、ガラスの靴を履く。





「まあ、ぴったり!」





後ろに並んでいたメイドのひとりが、一歩前に出て、それだけを言って下がる。

 脳が揺さぶられた。

 ぼんやりと見ていたが、今のは確かにねねの声だった。

 慌てて、そのメイドを凝視する。まぎれもなくねねだ。





 よく見れば、ずいぶん凝ったメイド服だ。黒い長袖の上に白いエプロンドレスを着ている。頭にはフリルのヘッドドレスに、脚には黒のストッキングを履いていた。

 今まで見たこともない姿に、浅田の逸物は力を持ち始めていた。

 やがて劇が終わり、ステージの幕が閉じる。浅田は慌てて外へ出た。今から教室へでも戻るのだろう。裏に出入り口があるはずだった。





 外に出ると、思ったとおり体育館の舞台側から衣装を着た子供たちがぞろぞろと出てくる。子供たちは、浅田を父兄のひとりとでも思っているのか、全く関心を払うことはない。舞踏会の姿で何十人もの子供たちが歩いている姿は、なかなか壮観だった。

 人波の中に、ねねを見つけた。さすがに手を振ったりはしないが、視姦するようにじっと見つめていると、念が通じたのかこちらに顔を向けた。一瞬立ち止まったねねだが、後ろから押されてそのまま進んでいった。





 あのメイド服姿のねねとセックスしてみたかったが、そんなにうまくはいかない。昼飯を食べ残してきてしまい、わびしい気持ちで体育館の裏へとまわる。どうも、自分がいるべき場所ではないという気持ちを抑えられなかった。

 体育館の裏手は、思ったとおり誰もいなかった。フェンスの向こうは枯れた田が寒々と広がり、冷や酒の酔いも醒めてしまいそうだった。





「ふう……」





 ため息が、白くかすんですぐ消える。帰ろうか、と思ったとき、背後に人の気配がした。





「おじさん……」





 ねねだった。まさにメイド姿のまま、冬の寒さに頬を赤くしている。いや、寒さのためなのか。ねねは胸の前で手をもじもじさせ、うつむいていた。





「ずいぶんと可愛い格好じゃねえか」

「ほんなこと……」





 ねねが、耳まで赤くなる。





「教室に戻らなくていいのかい」

「トイレて、言ってきた……」





 ねねが、なぜ戻ってきたのか聞くまでもなかったが、聞いてみたかった。





「姉ちゃん、俺とヤリてえのかい」

「……っ」





 ねねは答えなかった。否定も肯定もしなかったが、今ここにいることが答えだった。





「じゃあ、やるか。今、ここで」

「えっ……!」





 ねねが顔を上げる。眼が驚きに見開かれていた。





「そ、外じゃん」

「外でなんて、何度もしてんじゃねえか」





 神社や川で、ねねを思う存分貫いたことを思い出すと、早くも逸物が張りつめてきた。





「さ、寒いじゃん」

「中ならいいのかい」

「うん……」





 消えいりそうな声で、ねねがうなずいた。





「中と言ってもよう、体育館ぐらいしかねえぞ」

「……こっちおいでん。外から倉庫に入れるで」





 ねねが、体育館の重い扉を引く。確かに、そこは倉庫だった。うっすらとゴムと埃の匂いが漂い、バレーボールやバスケットボールが満載されたカートに跳び箱など、そして体操用のマットが何枚も重ねられていた。





「へえ……」





 浅田はマットを見てこの後どうするか決めたが、体育館の内側にも倉庫へと続く扉がある。当然今は閉まっているが、劇の音が扉の向こうから聞こえてくる。





「すげえな」

「何が……?」





 苦笑した浅田に、ねねがきょとんとした顔になる。





「扉の一枚向こうに、何百人といるってえのに、俺とヤリてえのかい」

「い、いいじゃん。入りんよ」





 ねねは首筋まで赤くして、そそくさと倉庫の中に入っていく。浅田も後に続き、外の扉をぴったりと閉める。さすがに、鍵をかけた。しかし、中へ続く扉の内側は、鍵がない。考えてみれば鍵がある必要がないが、万が一コトの最中に入ってこられることもありうる。





「へっ……」

「どうしたやあ」





 ねねが積まれたマットに腰かけ、手をもじもじさせながら聞いてくる。誰に見られるか判らない場所で、何度もセックスしてきたではないか。浅田はねねの隣に座った。短いさらさらな髪に、ヘッドドレスはよく似合っている。メイド服のようなファッションも、こんな田舎の少女は生涯身につけることはないだろう。

 ねねの肩を、引き寄せる。





「ん……」





 気温は低いが、ねねの身体はすでに熱を持っていた。身体の力を抜き、浅田にしなだれかかる。しばらくねねの温かさを感じていたかったが、逸物はすでに限界まで硬くなっていた。

 マットに倒し、華奢な身体に覆いかぶさる。





「きゃっ……」





 ねねは小さく声を上げたが、すぐに下から首に手を絡ませてきて、浅田にキスをした。





「む……ん……ん……」





 最初は軽くふれあい、やがで互いの唇をついばみ始める。

 耳たぶを口に含み、首筋へ唇を滑らせていく。しっとりとした頬が、熱い。





「あ……あっ……」





 ねねが小さく震えながら、声を漏らす。小さな手が、迷わずに浅田の張りつめた股間をしゅっしゅっと撫で上げる。





「んう……」





 ねねにさわられているだけで、もうこのまま暴発していいと思う。何度出しても、ねねがふれれば無限に力が湧いてくると信じられた。





「んっ……れろっ……ちゅっ……」





 次第に、舌が深く絡みあってくる。浅田は、ねねのスカートに手を入れ、滑らかな腿をなぞりながら、パンティに包まれた秘部に指をふれる。





「んんっ」





 ねねは唇をむさぼりながら、身体を少し硬直させる。下着の上からでも、ねねの膣が熱い湿りをにじみ出させていることがよく判る。ねねが、手探りで浅田のズボンのチャックを下ろす。そのまま、湿った手が侵入してきて、浅田の逸物に直接ふれた。





「おおう……」

「おじさん、ねちょねちょ……」





 唇を離して、ねねがとろんとした顔でつぶやく。

 浅田から漏れた先走りを使って、ねねが逸物を小さな手でしごき上げる。





「うむう」





 たちまちに、逸物が暴発の気配に満ちてくる。しかし、ズボンの中で射精してしまうなどともったいないことはできない。

 浅田は、こねまわしていたパンティをつかむと乱暴に引きずり下ろした。





「ああっ」





 ねねが、驚きと期待のこもった声を出す。メイド服姿のねねのスカートの下には、何も履かれていない。浅田は丸まった木綿のパンティをマットの下に放り投げた。





「姉ちゃん、その格好は召使いなんだろ」

「ん……ほだよ」

「じゃあ、俺の召使いになれよ」

「な、何するやあ」





 ぼうっと火照った顔のねねに、わずかな不安が浮かぶ。





「俺の言うこときけよ」

「いつも聞いとるじゃん。今だって……」





 ねねが、耳を赤くしてうつむく。それもそうだった。





「気分なんだよ。命令されたら『はい、ご主人様』とか言うんだろ」

「そんなセリフないもん」

「あれか。『まあ、ぴったり』だけか」

「見とったやあ……」





 ねねの語尾が弱々しく消える。





「まあいいや。俺のチンポしゃぶってくれよ」

「う、うん」

「違うだろ。『はい、ご主人様』って言えよ」

「は、恥ずかしいよ……」

「体育館の倉庫でやるのは恥ずかしくねえのかよ」

「うう……はい、ご主人様」





 浅田は素早くズボンを脱ぎ、マットの上に仰向けになる。冷たい空気の中に、熱くなった逸物が隆々と立った。





「あむっ……」





 ねねが、ためらいなく亀頭を含む。小さく熱い口の中で、舌が飴をしゃぶるように丁寧に動き回った。口だけではなく、暖かく湿った手が軽く逸物をしごき、ときに金袋をやわやわと揉む。





「ね、姉ちゃん……だいぶ上手くなったな」

「ん……」





 浅田の褒め言葉には答えず、ねねはひたむきに逸物を呑み込もうと頭を上下させる。





「んぐっ……んっ……ちゅっ……」





 ねねの口に溜まった唾液が、顔を上下させるたびに卑猥な湿った音をたてる。ねねは一生懸命でありながら、歯を立てないように細心の注意を払っていて、その奉仕は充分に満足のいくものだった。





「う……おっ」





 逸物の根本に力が溜まってくる。このままねねのフェラチオに身を委ねてもよかったが、こちらがマグロになっているのも物足りなかった。





「姉ちゃん、尻をこっち向けろよ」

「ん……?」





 ねねは咥えたまま、上目使いで浅田を見た。





「姉ちゃんのまんこ舐めてやるからよ、尻を俺の顔に乗せろよ」

「ん……!」





 メイド服の肩が、ぶるりと震えた。ねねの口が、逸物から離れる。





「は、はい……ご主人様」





 熱に潤んだ眼と、唾液に濡れた口で、ねねが言った。





「ははっ……!」





 浅田はほとんど感動していた。癖になってしまうかもしれない。

 ねねは逸物から手を放すことなく、じりじりと身体を回してくる。浅田の顔の前に背中を向けて、身体をまたぐ格好になった。





「んぐっ」





 ねねが再び逸物を咥える。浅田は、メイド服のエプロンドレスをまくりあげた。白い小ぶりな尻が、倉庫の冷気にさらされる。

目の前には、わずかに濃い肌色の肛門と、ほどよく濡れてうっすらと口を開いた無毛の膣があった。暖房もない倉庫なので、尻には鳥肌が立っている。

 浅田は、硬さの残る双丘をつかむと、ぐいと拡げた。





「んんっ」





 ねねは呻いたが、逸物をしゃぶる口が止まることはない。

 浅田は、膣の前から肛門まで、ゆっくりと舐め上げた。





「んんんんっ」





 ねねの尻が、ぴくぴくと震える。わずかに、逸物を含む口に力がこもった。

 舌先で襞をこじ開け、内壁をこするように舌を挿入していく。





「んっ、んっ、んっ」





 ねねの動きが止まった。





「こら、サボるんじゃねえよ召使い」

「ん……」





 浅田が叱ると、再び奉仕が始まる。

 舌が膣の入口を這い回るたび、ねねが身体を硬直させる。





「ん……む……ん」





 浅田は、肛門をいきなり舐めた。





「ひゃいっ」





 ねねが逸物を放す。





「どうしたよ」

「だって……汚い……恥ずかしい」





 弱々しい声で、ねねが抗議する。





「ちんぽだってケツに入れてんじゃねえか」

「ほだけど……」

「じゃあ、やめるか?」





 しばらくの沈黙のあと、ねねは尻を差し出した。





「ん……」

「そうそう、気持ちよくなっときゃいいんだよ」





 浅田は肛門を両指で開き、舌を挿し入れた。少し苦みがあったが、すぐに唾液の味になる。





「あんっ……んうっ……はむっ」





 ねねは尻からの快感に耐えるように、逸物を咥えた。

 浅田の唾液と、ねねの愛液によって膣は絶え間なく潤っている。

 膣に舌を這わせながら、浅田は親指でクリトリスにふれた。





「んんんんんっ!」





 びくんとねねの身体が跳ねる。今までで最高の反応だった。





「姉ちゃん……このままイカせてやるからよ、頑張れよ。一緒にイクぞ」

「うん……んっ」





 ねねが呻きで答える。一段と、ねねが口腔でしごく動きが大きくなった。痺れるほどの射精感が高まってくる。





「おおう」





 浅田は親指でクリトリスをいじりながら、もう片方の指をずぶりと指に差しこんだ。





「んんーっ!」





 天井の感じる部分を、ひび割れた指先でこすりながら、さらに膣の入口をひたすらに舐める。





「んんっ、んぐっ、んっ、んっ、んんんっ」





 ねねは必死で、逸物にすがるように顔を動かし続ける。刺激を与え続けられた逸物の限界が、すぐそこまで迫っていた。





「ね、姉ちゃん、出すぞっ。全部飲めよ」

「んっ……!」





 ねねがうなずいたと思った瞬間、太い奔流が逸物の中を打ち上がっていった。





「おおおっ」

「んううっ」





 ねねは逸物を離さなかった。熱い口の中へ、びくんびくんと精液が注がれていく。やがて律動が収まると、ねねの身体からぐったりと力が抜けた。





「ん……こく……こく……ふう」





 ようやく、逸物がずるりとねねの口から出た。





「よいしょ……っと」





 腹の上にあったねねの小さな身体を、やさしく下におろす。





「ふう……ふう……ふう……」





 ねねは、顔を紅潮させて苦しそうに息をついていた。口の周りには、精液がべったりとついていて、黒いメイド服の肩にも白いしみが跳んでいた。





「ちゃんと飲んだのかい」

「うん……どえらい飲みにくかった……」





 潤んだ眼で、ねねが見上げる。





「頑張ったな」





 さらさらした黒髪を撫でてやると、ねねは安らいだ笑みを浮かべた。





「ねえ、おじさん……」

「なんだよ」

「まんだ、私の中に出しとらんよ……」





 ねねが横たわったまま、スカートを持ち上げる。

 滑らかな恥丘は、浅田を待ち焦がれているように濡れていた。

 浅田は、ごくりと唾を飲む。





「できる……?」





 ねねが、うっすらと挑むように笑う。





学芸会でメイド服を着た少女と体育館でセックス





『メイド服を着たままの美少女にマン繰り返しで中出し』





「見ろよ、これを」





 浅田がマットの上に膝立ちになる。先ほど精を吐いたばかりの逸物は、早くも硬く反り返っていた。





「うふふっ」





 ねねが膝を立てる。幼い膣がぬれぬれと光って、あらわになっていた。





「くうっ」





 浅田がねねの脚の間に割りこむ。そして、膝裏に手をかけてぐいっと持ち上げた。





「ん、ああっ……」





 ねねの膣が、真上を向く。浅田は、火花が散るような焦燥とともに、亀頭を膣の入口にこすりつけた。熱いぬめりが、途方もない快楽を予感させる。





「は……あっ」





 待ち焦がれて潤んだ眼で、ねねが下から見上げる。





「いくぜ……」

「うん……おいでんっ」





 くさびを打ちこむように、ずぶりと逸物をねねの膣に沈めた。





「あああああっ!」





 驚くほど大きな声だった。もしかしたら鉄扉の外まで聞こえたかもしれない。

 しかし、そんなことを気にしてはいられないほど、浅田の逸物を包みこむねねの膣内は素晴らしいものだった。





「ああ……」





 浅田は、思わず陶酔のうめきをもらす。熱さ、ぬめり、締まり。

 この小学生の持つ膣が、すべてをなげうっても惜しくないほどの悦びをもたらす。





「はあっ、はあっ、はあっ」





 まだ動いてもいないのに、メイド服を着た薄い胸が、激しく上下している。

 むさぼりたい。飽きるまでむさぼりたい。とても、飽きるとは思えなかった。





「うおおっ」





 最初から、大きく腰を動かす。





「ああっ! はあっ、ああんっ、んううっ」





 膣の入口から子宮まで、大きなストロークで何度も何度も打ちこむ。

 今まで身につけた技巧など何の意味もない。ただ全力でむさぼることが、浅田とねねに最高の悦びをもたらしていた。

 腰と腰を打ちつけ合う肉の音に、湿った泥を踏むような音が混ざる。

 ねねの子宮に逸物を突き上げるたび、ヘッドドレスをつけた髪が揺れる。





「お、おじさんっ」





 ねねの手が、浅田を探すように揺らめく。





「おう」





 手四つになるようにつかむと、ねねは女子小学生とは思えない力で握り返してきた。





「ね、姉ちゃん……言えよっ」

「な、何を……? ああっ」





 浅田は、熱病の中で見る夢のように語りかける。





「召使いらしいこと、言えよっ」

「ああっ……うんっ……!」





 腰を叩きつけながら、ねねもおぼろげな意識で返事をする。





「まあ……ぴったりっ!」





 ねねが、唯一のセリフを言った。





「そうだ、俺と姉ちゃんはぴったりだ……俺と姉ちゃんは、ちんぽとまんこで繋がってんだ、ぴったりなんだよお!」

「うんっ、うんっ……!」





 極端に語彙が貧しくなった浅田に、ねねがわけも判らずうなずく。

 ねねの熱い膣が、浅田の逸物を絞り上げる。

 先ほど出したばかりだというのに、逸物の根本には鮮烈な射精の予兆が力強く溜まってきていた。





「おおおっ、姉ちゃん、出すぞっ」

「おじさんっ、おじさんっ、出してえっ」





 ねねは固く眼を閉じ、頭を激しく振る。

 快感が逸物を駆け上がると同時に、浅田は逸物を最奥に打ちこんだ。





「あああああっ」

「うううっ」





 熱いほとばしりが、ねねの小さな子宮に注ぎこまれていく。

 鉄の扉の向こうから、盛大な拍手が沸き起こった。

 浅田は一瞬、自分たちが祝福されたのかと思ったが、そんなわけはないと狂熱が去って行く冷たさとともに思い直した。





「ふう、ふう、ふう……」





 メイド服姿のねねが、大きく息をついている。スカートをまくり上げられた下半身は、いまだに浅田の逸物を咥えこんでいた。





「おじさん……」

「なんだい」





 繋がったまま、ねねが潤んだ眼で見上げる。





「私のこと、好き……?」





 心臓がどくんと跳ねた。

 適当にごまかしたり心にもないことを口にするのは何千回とやってきたが、条件反射的に口にしてきたその場しのぎが、出ない。





「あ……」





 口が固まっていた。それは、罪悪感だと自分でも判る。身体だけが目当ての女相手では、決してわき起こってこない感情だった。

 何も言えなかった。ねねの身体が好きなのだ、と本音を言うのは憚られた。しかし、この小学六年生を女として好きなのかと問われて、浅田は答えを見つけられなかった。





「ん……」





 浅田は、答えの代わりに口づけをした。先ほど浅田の精液を飲み尽くした口ではあるが、何も味は感じなかった。





「あ……」





 離れていく唇と唇の間に、粘液が糸を引く。

 不意に気まずくなり、逸物を抜いた。





「んうっ……」





 ぽっかりと開いた膣から、大量の精液が流れ落ちる。





「拭いとけよ」





 浅田は投げ捨てたズボンから手ぬぐいを引き抜き、ねねに投げ渡した。そして、背を向ける。





「うん……」





 ねねが拭いている間、鉄扉の向こうからはコミカルな音楽が聞こえてきた。

 この鉄扉を開けて、すべての秘密をさらしてやりたいとやけなことも考える。何か、自分を罰したい気持ちだった。





「おじさん」





 ねねが、マットから降りる。顔が紅潮し、メイド服が多少しわが寄っていることを除けば、まさかセックスしてきたとは思うまい。





「ああ」

「私、戻るわ」





 好き、と聞いてきたときと、今のそっけない物言いの差に、浅田の心臓が締めつけられる。





「気をつけろよ」

「何があ」

「バレねえように」





 ねねは、首まで赤くなる。





「バレるわけないじゃん」





 それだけ言って、ねねは外につながる扉をがらがらと開けた。そして、すぐに出ていった。

 浅田は、外から流れこむ晩秋の冷気に、下半身をぶるりと震わせる。

 ひとつため息をつき、作業服のズボンを履いた。





混浴公衆浴場で、うっすら毛の生えてきた少女とセックス





『貸し切り状態の混浴温泉にうっかり美少女が入ってくる』





 十二月になった。

 県道の工事は計画どおり進んでいて、防寒着を着ながらつるはしを振るっていると、全身が熱くなる。真冬だというのに、休憩のときにはシャツ一枚になると、全身から湯気が立ち上った。

 田んぼは霜柱ができるほどに固まり、冬の空は澄んでいてどこまでも青い。真上を見上げていると、そのまま空へと落ちていきそうな気がした。小学生のときにも似たようなことをやっていたなと思い出し、浅田は苦笑する。





 その日の作業が終わるころには、すでに日は暮れている。アルマイトの洗面器にタオルと石けんを入れ、集落で唯一の風呂屋に向かう者たちがぞろぞろとプレハブから出てくる。

 せっかく温まっても、冬の夜道を歩くのが嫌だという理由であまり風呂に入らない者もいる。浅田もそのひとりだった。湯飲みに安い焼酎を注ぎ、お湯割りにして飲む。つまみはあたりめだった。飯代は支給されているが、夕飯はこれですませることも多い。





「おい、風呂いかねえか」





 同僚が、浅田の肩をぽんと叩く。





「行かねえよ。こんな日に風呂に行ったら風邪引いちまうぜ」

「おめえ知らねえのか。ここにゃもうひとつ風呂があるんだぜ」





 同僚が、いやらしい眼で笑う。





「へえ」

「小屋みてえなボロ屋だけどよ、温泉なんだよ」

「そりゃいいな」





 いいとは思ったが、行く気にはならない。





「それだけじゃねえよ。混浴なんだよ、そこ」

「ほんとかよ。けどよ、どうせババアとガキしかいねえんだろ」





 浅田の混浴のイメージは、年寄りと子供しか入らないというものである。混浴だからといって、性欲がそそられるということはなかった。





「ババアでも女だぜ」

「そりゃそうだがよ」





 同僚は、早くも作業服のズボンをテントのように高く張っていた。苦笑するが、ねねとセックスしている自分が笑う資格はない。





「じゃ、俺は行くわ」





 浅田が来る気がないのを感じたのか、同僚はひとりでプレハブを出て行った。

 湯飲みのお湯割りに口をつける。お湯の温かみと焼酎で、身体が温まってくる。

 酔いがほどよく回ってきて、もう今日は外出したくなかった。

 しかし、自分で言った言葉を思い出す。





 ババアとガキしかいない。

 ねねは子供になるのだろうか。小学校六年生なら、もう混浴の風呂には入りたがらないだろう。といっても、浅田が小学生の気持ちを知っているわけではない。こんな田舎では、まだ混浴に抵抗がないのかもしれない。

 ねねの裸体が、心に浮かぶ。





 何回も見てきた。しかし、思い出すたびに胸が強く打ち始める。今もだった。

 逸物が、作業服のズボンを持ち上げていた。

 裸のねねを、他の誰にも見せたくなかった。下卑た同僚の顔に、急に腹が立ってくる。

 どうにも落ち着かなくなってきて、浅田は湯飲みに残った焼酎をぐいと飲み干した。喉から胃に落ちる酒が、痛いほどに染みる。





「ちぇっ、どうしちまったんだ、俺は」





 浅田は立ち上がり、洗面具を抱えると、防寒着を羽織って外に出た。





 風呂に行くには少し遅い時間だった。ぞろぞろと、洗面器を持った土方たちとすれ違う。普通の風呂屋なら、ねねを見られることはない。問題は混浴の温泉とやらだった。

 なんとなく、心当たりはあった。神社の裏に、湯気をもうもうと上げている古い木造の建物があるのだ。今まで気にもしていなかったが、そこかもしれない。





 冬の夜は、骨まで届くほどに寒い。せっかく飲んだ酒も、冷たい酔いに変わっていく。それでも、浅田の心は焦っていた。

 ねねが今日、そこにいるわけではない。普通の風呂屋があるのに、ねねが混浴の風呂に行くはずもない。そもそも家に風呂があるだろう。

 それなのに、浅田は夜道を早足で歩いている。





 自分に、初恋というものはあっただろうか。あったとしたら、似たようなことをしたのかもしれない。思い出せなかった。

 ねねが、初恋なのか。





「バカかよ」





 思わず口に出して、立ち止まってしまう。三十をいくつも越えた中年が、小学生に恋をする。人に言えるどころではない。思うだけでも石で頭を打ちつけたくなる恥ずかしさだった。

 帰ろうという気持ちが、ふっと浮かぶ。

 あまりに、自分がやっていることはおかしい。

 すでに、神社の大鳥居の前に立っていた。鎮守の杜をぐるりと回っていけば、目的の場所はあるはずだ。





「何してんだ」





 街灯の陰から声をかけられて、あやうく飛び上がりそうになった。灯りの下に出てきたのは、浅田を温泉に誘った同僚だった。





「なんだ、驚かすなよ」

「結局来たのか」





 風呂上がりでつやつやになった顔で、同僚が笑う。





「まあな。どうよ、女はいたのか」





 ねねがいないようにと祈りながら、聞いた。





「ダメだな。番台のジジイしかいねえよ。貸し切りでのんびり入れたけどよ」

「……そうか」





 ほっと息をつきそうになるのを、こらえた。





「じゃ、ごゆっくり」





 同僚は浅田の心に気づいた様子もなく、闇の中へ去って行った。

 もう温泉とやらに行く意味もないのだが、ここまで来ておいてそのまま帰るのは、本当に自分の愚かな心配のために出てきたことになってしまう。





「たまにゃあ、いいか」





 浅田は、鎮守の杜を左手に見ながら、ぽつぽつと裸電球の街灯が灯る道を歩いていく。やがて、闇の中に古びた小屋といっていい建物が姿を見せる。

 玄関先には、球形のグローブをはめた電灯がともり、紺色ののれんが掛かっている。電灯の影になって、屋号は読めない。二階があり、ガラス窓がはまっていた。風呂上がりに休憩でもできるのだろうか。

 大正時代ごろには、こんな田舎にしてはたいそうハイカラな建物だったのだろうが、長い年月を経た今は、趣というには朽ちすぎていた。





「大丈夫かよ」





 ぼやきながら、のれんをくぐる。同僚の言ったとおり、番台にはみすぼらしく禿げ上がった老人が、こっくりこっくりと船を漕いでいた。





「じいさん、金置いとくぜ」





 浅田が小銭を番台に乗せても、老人は気づかなかった。

 混浴だと聞いていたが、男と書いたのれんと女と書いたのれんに別れている。そもそも、ここは混浴なのか。まあ、誰もいなければ混浴だろうが関係ない。

 男側に入ると、やはり誰もいない。階段があり、ここからさっき外から見た二階に行けるのだろう。薄暗く、なんとなく近寄りたくなかった。





「まあいいや」





 作業服を脱衣かごにいれる。部屋の隅に、石油ストーブの上に乗ったやかんが湯気を立てているが、寒いことは寒い。





「風呂、風呂っと……」





 風呂桶と手ぬぐいを持ち、浴場へと入る。滑り止めに砂を練り込んだコンクリートの床に、黒く変色した木の浴槽がある。浴槽は五メートル四方はあり、壁から突き出た樋から、湯が流れ続けている。床に埋めこむような形になっており、段差はほとんどない。浴槽から湯が溢れ、コンクリートの床を濡らし続けている。

 灯りはそれほど明るくない。うっすらと湯気が漂い、雰囲気は悪くなかった。





「ふうん」





 浴槽から湯を汲み、肩から掛ける。いい湯かげんだった。適当に身体を洗ってから、肩まで湯につかる。とろりとした感触のある湯で、身体中の筋肉がほぐれていくようだった。脚も伸ばすことができ、ぜいたくな気分になった。





「いいじゃねえか」





 そのとき、背後でからからと戸が開く音がした。せっかくの風呂が貸し切りでなくなり、舌打ちをしながら後ろを向く。

 入ってきたのは、女だった。





「え……」





 よく見ると、戸はふたつある。着替えは男女で別れていても、中は同じなのだ。





「お、おじさん?」





 女はねねだった。胸と股間を、慌てて手ぬぐいで隠す。





「マジかよ……姉ちゃん、何してんだよ」





 あまりの巡り合わせに、胸が早鐘のように打っていた。そして逸物が湯の中で立ち上がる。





「家のお風呂、修理しとるだもん。風呂釜から水が漏って」

「それにしたって、ちゃんと男女別れてる風呂屋があるじゃねえか。なんでこっちに来るんだよ」

「みんなはそっちに行っとるよ。私はここのお湯が好きだもん」





 ねねは、前を隠しながらもじもじとうつむく。





「姉ちゃん、混浴でもいいのかよ」

「みんな小さいころから知っとるもん」





 そういうことではない。いくら小さい村で全員知り合いとはいえ、ねねの身体は充分に男を惑わすことができる。現に、浅田がとりこになっている。そして今は、浅田も含め飯場の土方が十数人も来ているのだ。





「いやいや、道路工事の連中だって来るぞ」





 先ほど鳥居の前で、同僚とすれ違った。もしあいつがもう少し粘っていたら、ねねとこの薄暗い風呂でふたりきりだったのだ。それを想像しただけで、掻きむしられるような焦燥が生じる。





「……おじさんみたいに?」

「……そうだよ」





 浴場の中に、沈黙が降りる。流れる水音だけが、聞こえている。

 ねねは身体を隠したまま、うつむいている。胸と股間は隠れているが、すらりと伸びた脚は薄暗い浴場でぼんやりと光ってみえるほど白かった。





「こっち、来いよ」





 浅田の声が、かすれていた。期待と欲望で、緊張しているのが自分でも判る。





「うん……」





 ねねが、ゆっくりと近寄ってくる。湯船の中から、ねねを見上げる形になる。手ぬぐいがちらちらと揺れ、割れ目がときおり見えた。浅田の逸物は、ますます硬さを増していく。





「入れよ」

「まんだ、身体洗っとらん」





 浅田の視線に気づいたねねが、太ももをよじる。





「俺が洗ってやるよ」

「きゃっ」





 浅田が湯船から立ち上がると、隆々と立った逸物を見てねねが顔を逸らした。





「悪い悪い、隠せばいいんだろ」





 浅田は逸物に手ぬぐいをかけた。のれんのように、手ぬぐいが揺れている。





「知らん、ほんなこと男子でもせんよ」

「小学生のガキは、手ぬぐいかけられるようなちんぽじゃねえだろ」





 笑いながら、浅田は端に積んであった木製の風呂椅子を持ってくる。高下駄のような椅子も、やはり長年使い込まれて黒ずんでいた。





「座れよ」

「……ん」





 浴槽のそばに、ねねがちょこんと座る。持ってきた洗面器で湯をすくい、背中に優しくかけてやる。





「熱っ」





 ねねが、びくんと身体を震わせる。浅田は石けんを手ぬぐいにこすりつけ、少し泡立ててからねねの背中をこすり始めた。

 ねねの細く小さな背中は、白玉のように滑らかだった。





「家じゃあ、洗ってもらったりしねえのかい」

「智の身体は洗うけどが、私は自分で洗う」





 ねねのささやくような声が、浴場に小さく反響する。





「よおし、たっぷりサービスしてやるよ。昔は三助をやってたこともあるんだ」

「番台のおじいさんも、頼めばやってくれるだよ」





 今は来なくていい。浅田はねねの左腕を持ち上げ、丁寧に洗っていく。





「くすぐったい」





 恥ずかしそうに、ねねが笑う。右腕も洗ってから、湯をかけて石けんを流す。





「どうだい」

「気持ちいい」





 ねねが振り向く。楽しそうな笑顔だった。初めて出会った夏の日のことを思うと、こんな笑顔を向けてくれるようになるとは思いもしなかった。





「次は前だな」

「えっ……前は、自分で洗うでいい」





 ねねが、胸と股間を手で隠して身体を折り曲げる。





「遠慮すんなって」





 浅田は素早く前に出ると、ねねのふくらはぎをつかんで左脚を伸ばす。





「んっ……」





 ねねが息をのむ。浅田は石けんを手ぬぐいには塗らずに、両手で揉みこんだ。

 そして、幼い足首から太ももまでを、一気に撫で上げる。





「はああっ」





 いきなり与えられた刺激に、ねねが声をあげる。何もしなくても滑らかなねねの肌だが、石けんをつけて肌と肌がこすれあうと別種の快感が生まれる。





混浴公衆浴場で、うっすら毛の生えてきた少女とセックス





『美少女とマンズリしてから騎乗位で中出しする』





「気持ちよかったのかい」





 ねねの耳元で、息をかけるようにささやく。





「び、びっくりした」

「やめるかい」





 ねねは答えなかった。首筋が、みるみる薄桃色に染まっていく。





「おじさん、どいでほんなに意地悪やあ」





 ねねが眼を潤ませながら、ふくれっつらをしていた。





「判ってるって」





 浅田は石けんを追加しながら、ねねの脚を素手で丹念に洗っていく。





「あっ……んっ」





 ねねは時折身体をこわばらせ、切ない吐息を漏らす。ねねの身体を、こうやって撫で回し、昂奮させる反応が返ってくることが、なにより満足だった。

 右脚に移り、太ももの根本まで洗っていく。





「ん……」





 ねねの割れ目の周囲に、うっすらとうぶ毛が貼りついていた。この前までは、確かに無毛だった。





「姉ちゃん、毛が生えたのかい」

「えっ……う、うん……」





 ねねが顔を染めてうつむく。浅田の成長は止まったが、ねねはこれから大人になっていくのだ。それが妙に寂しく、妙に昂ぶらせた。毛も生えていない、生理も来ていないような小学生と、何度もセックスしてきたのだ。

 太ももの内側を、撫でながら洗っていく。





「んふうっ」





 膣の手前まで来るが、わざとふれない。





「んう……」





 ねねが、期待を外したような息をつく。





「どうしたよ」

「何でも、ないよ」





 ぷいと横を向いてしまう。本当に判りやすくて、愛おしくなる。





「さあて」





 浅田は、ねねの股の間に身体を入れる。





「えっ……」





 石けんをたっぷりまぶした手で、身体の前を洗う。あばらの感触のする脇腹、くびれのない腹を、円を描くように撫でていく。





「んっ、うっ」





 米粒のような乳首が、いつのまにか立ち上がっていた。浅田は、待ちかねたように薄い胸へと手のひらを走らせる。乳首の確かな感触が、手のひらを抜けていく。





「ああんっ」





 ねねがぴくんと震えた。





「すごい、ぴりってきた」

「痛かったかい」

「……ううん」





 ゆっくりと首を振る。浅田は続けて、小さな乳房に刺激を与えていく。手のひらだけでなく、指先で軽くつまんだりすると、ねねは敏感に反応した。





「んっ……んうっ」





 ねねの手が、浅田の逸物に伸びる。たまらない悦びが、胸にじわりと湧いた。石けんのついた小さな手で、ねねが逸物を前後にこすっていく。





「おお……」

「おじさん、熱くて、硬い」





 ひそやかなねねの声に、熱がこもっていた。

 浅田は、ねねの股間に指を滑らせていく。





「あっ……」





 割れ目の下に指を潜りこませると、石けんとは違うぬめりがあった。

 ねねは、ぼやっと上気した顔で、浅田の逸物をこすり続ける。にちゃっ、にちゃっと浅田も石けんだけでは出ない音を立て始めた。





「ふくらんできた……」





 ねねの眼が、熱で潤んでいる。浅田は湧き上がる高まりを、指先の力に込めた。ぬるりと、指が熱い沼に沈む。





「ああんっ」





 ねねの漏れた声が、風呂の中で反響する。一瞬、あの番台の老人に見つからないか、誰か入ってこないだろうかと怖じ気が生まれたが、ねねとセックスできればいつ死んでもいいと思っていた。

 逸物を握るねねの手に、力がこもる。





「う……ちんぽさわるの、慣れてきたな」





 浅田はそう言いながら、指先をくいと曲げて側壁を掻く。





「ああっ、そこっ……」





 送りこまれる快感に耐えられなかったのか、ねねは身体を折り曲げる。浅田の逸物に、すがるようにつか

まっている。





「姉ちゃん、サボるなよ」

「う、うん……あはあっ」





 浅田は探るようにねねの狭い膣内を行き来する。ねねは必死で逸物を扱こうとするが、快感に耐えるのに精一杯で、手つきは頼りない。

 それでも、ねねの膣を指だけで味わっていることに、浅田は耐えられなくなっていた。指を抜くと、ねっとりと粘液がからんでいる。





「ふう……ふう……ふう……」





 くさびを抜かれたねねは、ぐったりとしている。逸物は握ったままだ。





「姉ちゃん……」





 ねねを床に横たわらせようと思ったが、床は滑り止めの砂を練りこんだコンクリートである。ねねの肌に傷をつけるのは嫌だった。





「何い……」

「俺の上に、乗れよ」





 浅田が仰向けに寝る。背中はちくちくと痛いが、耐えられないほどではなく温泉の湯も溢れ続けていて温かい。そして逸物は天を突いている。





「え……」





 ねねは、浅田が何をしようとしているのか判らなかったのか、少しの間とまどっていた。





「来いよ」





 浅田が両腕を広げると、ようやく理解したのか石けんまみれの身体で、覆いかぶさってきた。





「うふふ」





 ねねが笑う。あらためて上に乗られてみると、ねねが本当に小さいことが判る。その華奢な身体を、浅田は下から抱きしめた。温かくすべらかな肢体が、石けんの泡でぬるぬると滑る。





「おじさん、温かくて、頑丈だね」





 石けんのためか、肌の前面と前面がぴったりと合わさる。挿入しなくても、ひとつに溶けあったような気持ちになる。





「父ちゃんは、温かくて頑丈じゃないのかい」

「お父さんと裸でほんなことせんもん」





 弟とセックスするねねは、父親ともしているのではないかと心のどこかで思っていたが、ねねの言葉は浅田を本当に安心させた。





「あっ、おじさんのちんぼが動いた」





 浅田の逸物を、ねねの腹で押しつぶすような姿勢になっている。ねねが身体をよじると、石けんでぬるぬるになった腹で強くこすられて、素晴らしい快感が脳へ送りこまれてきた。





「なあ、姉ちゃん。俺も洗ってくれねえか」

「うん、いいよ」





 ねねが立ち上がろうとするのを、腰をつかんで止める。





「姉ちゃんの身体で、洗ってくれよ」

「どうやって……?」

「こうだよ」





 浅田はねねの両肩をつかみ、身体の上を前後に滑らせた。





「ああっ、これ……」

「おおう」





 逸物がねねの肌でこすられることはもちろん、肌と肌がふれあって強く刺激されるのは、全身が逸物になってしまったかのような快感だった。





「おじさんっ、おっぱいが……ああんっ」





 乳首がこすられるのか、ねねが眉根を寄せて快感に耐える。

 ねねの体重がかかった強さで刺激を受けているうちに、射精の予兆が強くなってくる。





「姉ちゃん、一回出すぞっ」

「えっ……あかんっ、あかん」





 ねねが強く首を振る。思いのほか拒絶が強かったので、浅田は動きを止めた。





「……どうしたよ」





 ねねは、浅田の胸にしがみついたまま、ぼそりとつぶやいた。





「あたしの、中で、出して」





 最後はほとんど聞こえなかったが、確かにねねはそう言った。





「俺のちんぽを、姉ちゃんのおまんこに入れて、その中で出してほしいのかい」

「……うん」





 ため息のように、ねねは小さくうなずいた。その言葉だけで射精してしまいそうなほどの悦びがこみ上げてきたが、ねねの希望に応えなくてはならない。





「へへ……姉ちゃん、このまましようぜ」

「このまま?」

「そうだよ。ちょっと腰を持ち上げて、姉ちゃんが自分でちんぽを入れるんだよ」

「えっ……」





 ねねの全身が、ぱあっと桜色に染まる。





「早くしろよ」

「ど、どうしたらいいか判らん」

「俺の言うとおりにすればいいんだ。腰を浮かして、俺のちんぽを姉ちゃんのおまんこにあてがう。そうしたら腰を下ろすだけだ」

「う、うん……」





 ねねはおそるおそる、浅田が言ったとおりに腰を上げた。そして手探りで浅田の逸物を見つけ、膣の入口にひたりと当てる。亀頭に熱いぬめりをしっかりと感じ、浅田は歓喜に胸が高鳴っていた。





「そこで腰を下ろすんだ」

「こ、怖い」





 ねねは、治りきっていないかさぶたを剥ぐときのような、怯えた顔になる。





「入れてくんなきゃ、中で出せねえよ」

「んっ……」





 その言葉に、ねねは覚悟を決めたのか、ゆっくりと腰を下げていく。逸物が熱い肉に包まれ、きつく締め上げられる。





「おお……」

「んうううっ」





 ねねは強く眼をつぶる。





「はあっ、はあっ、はあっ」





 まだ動いてもいないのに、ねねの息が荒くなっている。





「この格好はな、姉ちゃんが好きなように動けるんだ。やってみな」

「ほんなこと言っても……ああっ」





 少し身体が動くだけで、ごりごりと逸物が膣壁をこすり上げる。





「ん……ん……んっ」





 ねねは身体をこわばらせ、わずかに身体を揺らすだけである。さすがに浅田は物足りない。





「しょうがねえな、手伝ってやるよ」





 浅田はねねの小ぶりな尻を両手でつかむと、下から突き上げた。





「ああああっ!」





 ねねが眼を見開いて叫ぶ。正常位とも後背位とも違い、ねねの重さが圧迫を強くする。





「ほらっ、ほらっ、自分で動けよ」

「あうっ、ああっ、あんっ、つ、強すぎるよう」





 浅田は息を荒げて、人形のようにねねを翻弄する。





「まあ、あかんっ」





 ねねが身体を支えられず、前へ倒れこんでくる。浅田はしっかりと受け止め、下から逸物を膣内へ送りこ

んでいく。





「あっ、あっ、ああっ、んううううっ」





 ねねが浅田の頭を抱える。浅田もまた、ねねの尻をがっちりとつかんだ。射精の予兆は固形物のように確かなものになり、絶頂へ向けて浅田は全力を出す。





「姉ちゃん、出すぞ、出してやるぞ、姉ちゃんの子袋に全部出してやらあ」

「うん、うん、うんっ……!」





 ねねは、うなずくことしかできない。





「うおおおおっ」





 ついに、限界が打ち破られた。





「あああああっ」





 ねねが、身体を思いきり反らす。

 熱い奔流が、次々とねねの膣内に注ぎこまれていく。





「ううっ、ううっ、あああっ……」





びくんびくんとねねの腰が震える。





「う……ふう……」





 最後の一滴まで絞りきり、浅田はねねを抱きしめる。





「ああ……」





 感に堪えない声で、ねねも浅田の頭を抱く。

 浅田の狂熱が、射精によって静められていく。





「どうだい、姉ちゃん。上に乗るのは」

「ふう……ふう……ふう……」





 ねねは大きく息をつきながら、答えることもできない。





「気持ち……よかった」





 ねねが、ぼんやりとした顔で浅田を見つめる。





「へへ……」

「ん……」





 浅田とねねは、深く口づけをした。





「なあ姉ちゃん、まだ風呂に入ってねえだろ」

「うん……」

「俺と入ろうぜ」

「……うん」





 少しだけ硬さを失った逸物を抜く。





「立てん……」





 ねねは、膝を崩したまま立ち上がることができなかった。





「しょうがねえな」





 浅田は桶でねねの身体についた石けんを洗い流すと、軽々と抱き上げた。





「あ……」





 ねねが、首に抱きつく。

 そのまま、湯船に入っていく。浅田は、ねねを股の間に入れ、すっぽりと後ろから抱きしめた。





「あったかい」

「そうかい」





 ねねが、浅田の腕に手をかける。





「ん……」





 眠るように、ねねが眼を閉じた。

 湯の中で、ねねの生えたばかりの陰毛が、うっすらと揺らめいていた。





夏に出会った美少女小学生と、春までセックスしまくります!


著者

龍淵灯

小説ページ

https://ncode.syosetu.com/n4652gn/


初回配信日

2020/09/30

最終更新日

2022/06/18

保存日

2022/07/17






Posted by 하얀라임
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作者:広東封建

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59/65
最終章
59-現実逃避


 ひとまずのところタイムリープは行わず、高根と星宮はほとぼりが冷めるまで俺の家には来ないことになった。

 高根の方は急に俺と距離を置けば、記事の内容が本当だと周りに示すことになってしまうため、大学が始まれば今までどおり俺と一緒に過ごすつもりだ。



 先日、テレビでインタビューを受ける星宮の姿が映った。

 そこでは記事に関する質問が飛び交ったが、星宮は笑顔で「私と高根ルイザさんの、共通の友人です。先輩とは今も親しくさせていただいております」とだけ答えていた。

 一方で高根の方も、各メディアに対して記事の憶測を否定する文面を送っており、星宮しずくとは今も親しい間柄だと主張した。



 それによりドロドロの関係という憶測は和らぎ、メディアの盛り上がりはすぐに収束した。だがそうなると、今度はネットがあれやこれやと騒ぎ立てるようになった。



〜〜〜



「高根ルイザと星宮しずくが仲良いってことは、公認三股ってことか」

「うらやまけしからん」

「女の敵!!あのルイルイとほっしーをたぶらかすなんて最低!!」

「特定班急げ」

「ほっしーと淫行したヤリチン東大生を許すな」



 ネットでは俺を叩くコメントで溢れかえった。

 俺は今日本で話題の美女二人を侍らすプレイボーイとして、世間中の怒りや嫉妬を買っている。

 ヤリチン、クズ、淫行東大生、二股男……罵詈雑言が飛び交い、反論のしようもない暴言の数々が俺の背中に重くのしかかった。



「満保君……大丈夫?」



「あ、ああ……」



 リビングで携帯を眺めながら俯く俺に、中山さんが優しく寄り添う。

 こんなことになっても、世間が淫行大学生と称する俺にたぶらかされた当事者である中山さんは、俺から離れずにギュッと抱きしめてくれた。



「きっと大丈夫だよ。ルイルイもほっしーも、険悪だなんて誤解は解けたし、満保君のことだって、きっとすぐに収まるよ。

 皆望んで満保君と一緒にいるんだから、満保君が皆とエッチするのだって、悪いことなんか何一つないよ。

 満保君の辛い気持ちは―――私が忘れさせてあげるから」



 そういいながら中山さんは、俺のズボンに手を伸ばした。だが―――



『スッ―――』



「満保―――君?」



 俺は中山さんの手にそっと触れ、首を横に振った。



「元々は―――俺の節操のないスケベ心がすべての原因なんだ……

 中山さんもそれを望んでくれたし、皆も楽しんでくれているけど……皆を巻き込んだのは俺だ」



 俺は中山さんから始まり、アプリを使ってスケベな欲求を満たすためにやりたい放題ヤッてきた。

 そのツケが、今回のように世間からのバッシングという形で回ってきたのだ。

 こんな自分のスケベな行動をここまで批判され、なおもエロいことをする気分には、少なくとも今の段階ではなれなかった。

 俺は自分の行動を悔いながら、申し訳なくうなだれる。すると―――



「スケベで―――なにが悪いの?」



 中山さんは目を潤ませながら、肩を震わせていた。

 絞り出した言葉には、言いようのない怒りが込められているのが伝わる。



「人は皆、スケベだから70億人もの人が世界中にいるんだよ?

 私だってスケベだよっ! 満保君とエッチすることばっかり考えてるよっ!

 それのなにが悪いのっ!?

 私の大好きな満保君、それにルイルイ、そしてほっしーと、皆で楽しくエッチなことをするのが、なにが悪いのぉっ!?」



 中山さんの声が、部屋に響き渡る。



『グイッ』



 中山さんはおもむろに、俺を押し倒して上に跨がる。



「な、中山さっ―――」



 戸惑う俺のことなど構わず、中山さんが俺の服を乱暴に引き剥がしていく。



「満保君はっ、エッチが嫌いになったの!?」



「そ、そうじゃないよっ」



「なら満保君がエッチを我慢するのは、誰のためなの……?」



 中山さんがガチャガチャと、俺のズボンを脱がせる。

 そして俺は返す言葉もなく押し黙った。



「皆満保君に嫉妬してるだけだよっ……!

 自分自身のエッチな欲求から目を逸らして、人のことばっかり悪く言う人達のことなんかっ―――どうでもいいよっ!

 そんな人達のせいで、満保君からエッチを奪わせたりなんて―――私が絶対にさせないっ!!」



 中山さんが俺のチンポに勢いよくしゃぶりついた。

 そしてムクムクと大きくなったそれをマンコに当て、ズチュッと音を立てて膣内へと飲み込んだ。



『パンッパンッパンッ』



「皆っ……甘い物が好きだったり……人と違う趣味にのめり込んだりしてるのに……!

 好きな人とエッチするのが好きな私達だけ恥ずかしいなんて、間違ってるなんてっ……そんなのおかしいっ!

 周りの人がなんて言おうとっ―――私がっ……スケベな満保君のままでいさせてあげるっ!」



 中山さんは涙ぐみながら、激しく腰を振り乱した。

 俺は中山さんから与えられる快感に、ただ身を任せることしかできなかった。

 こんなに切ない気持ちでセックスをするのは、初めてだ―――





 翌日も、その翌日も―――俺は中山さんと二人で、ひたすらセックスにのめり込んだ。

 まるで俺に罪悪感や後悔を抱かせないよう振る舞っているのか、中山さんは俺に四六時中エロく迫り続けた。



「好きなだけイッていいんだよっ! 死ぬほどイキまくって満保君っ! 頭真っ白になるまでチンポ汁出しまくって!」



『レロレロレロッ!』



『ドピュルルーーッ!』



 中山さんに玉を舐められ、前立腺を責められ、チンポを際限なく擦られる。



「気持ちいいねっ。すっごく気持ちいいねっ!

 気持ちいいことしまくって、頭の中エッチまみれになろっ!?」



 中山さんのマンコに幾度となく射精し、快楽だけに満たされていく。



「ぎもぢいいっ! つっ、次は5倍にしてぇっ!

 頭壊れたままどんどん強くしてぇーーっ!」



 コピーした時間も消さず、極限の快楽の影響を残したまま、どんどん快楽にのめり込んでいく。



「イッグウゥゥンッ! イッギュウゥゥゥンッ!」



 人外の雄叫びを上げながら、ただひたすらに快楽を貪る。

 何度も射精し、エロ以外の感情が失われていく。



「んびぃぃーーーつ! んぎっ! んひっ! ンヒイィィーーッ!」



 絶頂を無限ループさせ、真っ白な空間に留まり続ける。

 そうすることで、嫌な気持ちから離れられる。現実を忘れられる。

 中山さんと二人だけの世界に―――堕ちていける。



 俺は自分に向けられた憎悪から逃げるように、中山さんとの情事に没入した。



 だが現実は無情にも―――俺を更に苦しめる方向へと突き進んでいた。



〜〜〜



 とあるネット掲示板にて―――



「ガリ勉東大生に入れ込むとか、どうせ二人とも学歴しか見てないだろ」

「彼氏って噂の男の格好いかにもウェーイ大学生って感じのリア充感満載だったわ」

「は? 秀才な上にリア充とかふざけんなタヒね」

「キョロ充乙」

「ガリ勉野郎を俺のワンパンでぶっ飛ばしてほっしーの目を覚まさせてやる」

「俺東大生だけど、噂の彼氏は入学生代表な上にマッチョだぞ。お前程度速攻返り討ちだわ」

「嘘乙」

「本人乙」

「東大にマッチョなんているわけねーだろwww」

「東大アメフト部に喧嘩売ってる?」

「今年の入学生代表ってこいつ?」

「スーツ越しにも伝わるマッチョ感」

「イケメンでワロタwww」

「東大生1位合格でイケメンでマッチョでルイルイとほっしーと二股とか勝ち組すぎてワロエナイ」

「素材は凡人。体格と髪型と服装で誤魔化してる雰囲気イケメン」

「少なくともお前の100倍はイケメン」

「鍛えられた首筋でワロタwww」

「これは細マッチョレベル。本物のマッチョには大胸筋の厚みが足りない」

「筋トレエアプ。本物のマッチョは広背筋に出るから」

「つーか本名出てんじゃん。東大に電凸待ったなし」

「電凸祭りキターーー!」

「おたくの学生がJ○と淫行しています! 即刻退学を求めます! でいいか?」

「ルイルイとほっしーをたぶらかしたウェーイ東大生を許すな! 退学するまで追い込め!」

「他人の不幸で飯がウマいwww」

「ニートの嫉妬見苦しい」

「新参か? 祭りは全力が基本」

「電凸してきたったwww」

「うはwww電話繋がらねえwwwお前ら電話かけすぎwww」



〜〜〜



 よもや俺の個人情報がネットに晒され、大学にまで苦情が殺到する事態にまで発展してしまったことを、俺は大学からの呼び出しによって知ることとなった―――

なるべくちょっと昔の掲示板の感じを出してますが、時期の被らないスラング等が混在していたらごめんなさい。

掲示板にて一般的に使用されない句読点は、小説用として付けております。

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作者:広東封建

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60/65
最終章
60-処分


「満保時生さん、単刀直入に聞きます。

 あなたが18歳未満の女性芸能人とみだらな行為を行っているという申告が大学に届いておりますが、本当ですか?」



 俺は今、大学関係者から騒動に関する尋問を受けていた。

 いかにも厳格そうな大人達の風貌に、俺は冷や汗を垂らす。

 とうとう記事の男が俺であることが、世間にバレてしまったのか―――



「じ、実年齢については確認していませんが、星宮しずくという女性とお付き合いしているのは本当です。

 自分も未成年ですし、お互い了承の上付き合っていることに何か問題があるのですか?」



 スーツの男達から問い質され怖気づきつつも、俺は毅然と反論を述べる。

 星宮が何歳だろうと互いに愛し合って付き合っているのだから、法的にはなにも問題はないはずだ。

 だが大学関係者達の訝しげな表情は、未だ崩れないままだった。



「確かにあなたの言うとおり、互いに了承し合った男女が健全な恋愛を行うことについては問題ないでしょう。

 しかしながら、あなたは他の女性とも関係を持っていると聞き及んでおります」



「そっ、それは―――」



 言い逃れのできない追及を受け、俺はただ閉口するしかなかった。



「確かに両者が同意の上での恋愛であるならば、とやかく言うことはできませんが……もしそれが事実なのであれば、健全な行動とは言えないでしょう。

 なにやらその女性を連れて、いかがわしい店に出入りしていたという話もありますし」



「い、いや……いかがわしいとは言っても、店の半分は年齢制限のない、普通の書店ですし……

 彼女は店内に入っていないので、な、なにも問題は―――」



 俺は苦し紛れの言い訳を述べようとするが―――



「実際にそのようなエリアに足を踏み入れたかどうかというのは関係ありません。

 あなたが女性を連れ歩く最中に、いかがわしい店と広く認識されている場所に訪れたという事実は変わりません。

 写真に写っていたのは、学生服を着た年端も行かない女性ですよ?

 あなたが記事に書かれている行動を取ったのが真実だというのであれば、18歳未満と思しき女性を含む複数人の女性と、日常的にみだらな行為を行っていると見られても仕方のない、あまりに軽率な行動です」



 厳しい言葉を返され、俺は返す言葉なく俯く。

 実際に淫行しているのは事実であるし、星宮を制服姿のままアダルトショップに連れて行ったのは確かに軽率すぎた。



「今も大学に苦情の電話が殺到していてね、いやはや皆様酷くお怒りだよ。

『東大の品位を下げるような学生を大学に置くな』とか、『複数人の女性を二股にかけ、平気で淫行するような行為は女性蔑視も甚だしい。即刻退学させるべき』とかなんとか」



「はじめはどの学生のことかわからなかったんだけどね―――最近になって君を名指しで苦情を申告される方が増えてね。

 それで今回―――真偽を確認するため、夏休み中だが急遽、君を大学に呼びだしたのだが……

 いやはやまさか本当に女性と二股していたとは……」



 大学に苦情の電話が殺到。しかも俺を名指しで―――

 これは俺がネットで特定されたとみて間違いない。

 前の人生でも、調子に乗った大学生なんかがネットで特定され、炎上騒ぎとなる出来事が何度もあった。

 正直あの時の俺は、溜飲を下げる思いで見ていたが、いざ自分が当事者となると身が震え上がる程の恐怖を覚える。



 なんでこんなことになったんだ。

 俺はただ皆と楽しく過ごしていただけじゃないか―――



 そう言いたくて仕方がなかったが、話題の美女二人と二股し、かたや一人は俺より年下の現役アイドル。しかもアダルトショップにまで連れて行く関係。

 これが世間に知れ渡って槍玉に上げられないわけがない。



 いくら法的に問題なかったとしても、こうも世間から苦情を受け、犯人も特定されているとなれば、大学側もなんのお咎めもなしというわけにはいかないのだろう。



「な、なんらかの処分が―――あるということでしょうか……」



 俺は恐る恐るスーツの男達を見る。すると中心にいるお偉いさんらしき人物が「フゥ」と溜息を付きながら、ゆっくり口を開いた。



「まぁ君は入学生代表を務めた程優秀な学生だ。授業も欠席することなく、勉学に対する姿勢も至って真面目。

 あの高根君の論文も、君の助力が不可欠だったと―――本人から聞いている。

 君が取った行動はいささか軽率ではあるが、今のところ法的に問題があるわけではなく、本人達の了承があってのことであれば、本校も優秀な学生の未来を摘むような重い処分は考えていない」



 俺が勉強に協力していたことを、高根が大学にも話していてくれたらしい。

 俺は高根によって救われたことに、心から感謝の念を抱いた。だが―――



「とはいえ―――これだけ世間を騒がせる事態となり、これほどお怒りの声を受けながら、大学側がなんの処分も下さない、というわけにもいかない。

 ゆえに満保時生一回生―――君は今年度後期の間、停学処分とする」



 停学―――その重い言葉が俺の肩にズシリとのしかかる。

 退学や丸々一年停学と比べたら遥かに優しい処分だが、それでも自分の取った行動によって大学から咎を受けるというのは、あまりに堪える出来事だった―――





 大学からお叱りを受けた後、落ち込みながらキャンパスを歩いていると―――



『ヒソヒソ』



「ほら……あの……」



 遠くから俺の方を指差し、眉をひそめる女子学生達の姿があった。

 俺とは面識のない学生だったため、恐らく大学中に知れ渡っているのだろう。



「―――あ」



 その近くには、恐らくサークルに顔を出しに来たであろう、俺の友人達が歩いていた。

 あちらも気付いたようだが、皆複雑な苦笑いを浮かべると、そのまま俺に声をかけることもなく通り過ぎていった。

 完全な無視ではなかったため、友人達の中にはそこまでの悪感情はないようだったが、さすがにこれだけ嫌われ者になった俺と、積極的に関わることは憚られたのだろう。



 また―――ボッチか。



 かつて人生をやり直す前と同じ状況に、孤独感が襲いかかる。

 いや、むしろ今の方が酷い。

 当時は俺を知る者は誰もいなかった。

 だが今は―――皆が俺のことを知った上で、蔑みの視線を送ってくる。



 俺は―――当時の俺のように、背中を丸めた姿勢で、トボトボと大学を後にした―――



〜〜〜



 その数日後、ネット上では―――



「なにやら噂だと、満保時生が停学になったらしいwww」

「は? 退学じゃないのかよ」

「東大無能過ぎだろwww」

「ルイルイとほっしーの処女を奪った罪が停学程度で済むわけないだろ」

「家を燃やせ。そして末代まで呪うべき」

「誰か家を特定しろ」

「絶対見つけてぶっ○す。俺からルイルイとほっしーを奪ったこいつだけは許さない」

「特定班まだー?」

「こんな記事だけで自宅特定とかコ○ンでも無理だろwww」

「多分このサイトの物件。ここの近くでバイトしてて特徴的だからすぐ分かった」

「うはwwwお前ら優秀すぎwww」

「マジでそっくりだな」

「こんなマンションくらいどこにでもあるだろJK」

「これ金持ち族の高級マンションじゃねーか。さすがに大学生がこんなところに住んでるわけねーだろwww」

「近くに住んでるやつ誰かスネークしろよ」

「実家が太いボンボン東大生か……ますます許せんな」

「はえ〜……てことはルイルイもほっしーも金目当てってわけか」

「俺を裏切ったクソビッチ達もこのクソ男も全員シネ猿ども」

「猿の論文がNationalに掲載されるわけないだろ」

「男の金で賄賂でも渡したんだろ。あるいは股でも開いたか」

「ニートが芸能人になに夢抱いてんだよ」

「気持ちはわからんでもない。あの美女二人を奪った男には正直殺意しか芽生えんし、金持ち東大生にホイホイ股開くルイルイとほっしーには幻滅したわ」

「非モテ非リアの醜い嫉妬乙」

「↑タヒね」



 ……



〜〜〜

明日は二話投稿いたします。

投稿時間は、7時と19時です。

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61/65
最終章
61-幸せ


 夏休みが終わった。

 大学を停学となった俺は、その後も自宅に引きこもっていた。

 そしてその間の俺は―――



『パンッパンッパンッ』



 昼も夜も関係なく、ただひたすらに中山さんとセックスし続けていた。

 本来ならば、中山さんは大学に通わなければならない。

 だが大学を停学となり、落ち込む俺を一人にはさせられないといって、自分も大学を休学すると言い出した。

 俺は大丈夫だから、中山さんはちゃんと大学に行けばいいと何度も伝えたが、中山さんは断固聞かなかった。

「満保君のお陰で大学に通えているのに、私だけが大学に行くことなんでできない」

「絶対に満保君を一人にさせない」

「満保君が取った行動や、今までにしてきたことを悩む必要なんて一つもない」

「私が満保君の傷付いた心を癒してあげる」



 友人すら失った俺の傷心を慰めようと、中山さんはずっと俺の傍に寄り添ってくれた。

 そして俺の気持ちを暗くさせないように、常に明るく振舞ってくれた。

 また嫌なことを考えてしまわないように、後悔に苛まれないように、今まで以上にスケベな姿を俺に見せ続けた。



「ほら満保君、見て……私のオマンコ。

 満保君のチンポが欲しくて、こんなに涎を垂らしてるの」



 俺の顔の前で『クパァ』とマンコを拡げ、淫らに誘惑する。



『パチュンッパチュンッパチュンッ』



「あぁんっ、セックス大好きぃっ。エッチなことだけ考えて、頭空っぽにしよぉ」



 俺の上で腰を振りまくり、セックスを求めて乱れ狂う。



「ねぇ満保くぅん。もっと気持ちよくなろぉ? ずーっと魔法をかけたままですんごいきんもちいぃセックスしよぉ?」



 快楽中毒となり、快感を倍増したセックスに溺れまくる。



「もう大学なんて行かなくていいよっ。私とずーっとセックスしてよぉ?

 いつかルイルイが夢を叶えたら、皆であの国に住んで、セックス以外全部捨てよ?」



 皆で行ったバカンスに思いを馳せ、なにもかも捨ててセックスに没入することを望んだ。



「ほらこれっ、どう? チンポ気持ちいいでしょ? 気持ちいいの幸せだねっ。

 幸せって気持ちいいことをいうんだよ。一番気持ちいいことが一番幸せなんだよっ。

 だから一番気持ちいいことしてる私達が、世界で一番幸せなんだよぉっ」



 俺に快楽を与えながら、ただただ幸福の中にいさせてくれる。



「私を幸せにしてくれた満保君を―――今度は私が幸せにしてあげるからっ」



 ああ、もういい。

 これさえあればいい。

 幸せだ―――



 俺は来る日も来る日も―――中山さんと味わう快楽の幸福に溶けていった。



 だが、その幸せは―――ある日突然、最悪な形で終わりを告げることとなった。



 ある日俺は、近所のコンビニへ食料品を買いに、一人で外に出ていた。

 いつもならば中山さんが買い物に行ってくれているが、今は俺との激しいセックスを終えた後のため、中山さんはベッドでぐっすり眠っている。

 適当な弁当やカップ麺、それに飲み物や消耗品を買い揃えると、俺はマンションへと踵を返した。

 いまだ日中は暑い日が続いているとはいえ、夕暮れになると秋らしく冷たい風が吹く。

 薄いパーカーのポケットに手を入れ、黄昏時の街並みを歩いていると、何やらマンションのエントランスから走って出ていく配達員の姿が見えた。

 あれ、ひょっとしてうち宛ての荷物だっただろうか―――そう思いかけたところで、首を左右に振った。

 俺達はもう、セックス以外なにもしていない。もしその間になにかを注文していれば、このように外へ買い出しに出る必要などない。

 たとえ書留等の郵便物の配達だったとしても、家には中山さんがいるから不在票を入れられることもない。

 とはいえ中山さんも寝てるから、インターホンが鳴ったとしても気付くかな……



 マンションに着くと、俺は念のため郵便受けに不在票が入っていないか確認する。

 よかった―――どうやら急いで配達業者に電話する必要はないみだいだ。俺はひと安心し、自分の部屋へと戻った。

 

 エレベーターを降り廊下に出ると、ふとそこで、自宅の扉が開いていることに気が付いた。

 出る時はキチンと戸締りしたことを覚えている。ならば中山さんが起きて玄関を開けたのか。

 さっきの配達は、やっぱりうち宛てだったらしい。

 良かった。中山さんがちゃんと起きて受け取ってくれたんだな―――



 そう思いながら部屋に向かう途中で、玄関前に妙な黒い物が置かれていることに気が付いた。

 あれ、重たい荷物でも届いたのだろうか。



 扉に近付くにつれ、段々と黒い物がはっきり見えてくる。



 それは―――明らかに人の頭だった。



「―――え!?」



 突然のことに、俺は慌てて玄関へと駆け寄る。

 そこには―――薄いシャツを羽織った中山さんが、横たわっていた。



「なっ中山さん!?」



 一体何があったのか。

 無理しすぎて、突然気を失ったのだろうか―――



 俺は中山さんの体を慌てて抱え込む。すると―――



『ニチャアッ』



「えっ―――な、なんだ……これ」



 手に纏わりつく生温かい感触。

 鉄のような臭い。

 そして足元に広がる赤い水溜まり。



 俺は―――ぶるぶると震えながら、恐る恐る中山さんを見る。

 するとその腹部には、深々とナイフが突き刺さっていた―――

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62/65
最終章
62-決意


 俺は今―――病院の集中治療室の前で座りながら、茫然自失となっていた。

 中山さんは出血多量により危険な状態で、緊急手術を受けている。

 先程警察も俺のところに現れ、犯人と思われる者が自首したと報告を受けた。

 犯人は数日前から俺の自宅を探っており、計画的な犯行であったことを仄めかしている。

 また、高根ルイザと星宮しずくのファンであったことを公言し、「家から出てきた人間を誰でもいいから殺すつもりだった。そしたら知らない女性が出てきて、刺してしまったことにパニックとなり、その場で逃げ出した―――」と供述している。

 そして当時の犯人の風貌は、配達員を装っていた―――



 警察からの説明を受け、俺はその場に泣き崩れた。

 俺の行動が高根や星宮のファンの怒りを買い、なんの関係もない中山さんが惨い目に遭ってしまった。



 俺はただひたすら、後悔の念に押し潰されていた。

 このままでは、中山さんが死んでしまうかもしれない―――



 迷っている場合ではない。

 タイムリープして事件をなかったことにするんだ。

 アプリを使って犯人への報復を考えたところで、残酷なネット民達の更なる怒りを買うだけだ。

 同じような悪意の行動や嫌がらせは永遠に続く。

 敵は無数におり、情報開示や誹謗中傷を裁くだけの法律も整備されていない今の時代に、どれだけアプリを駆使したところで匿名の相手を全員見つけ出すことはできない。

 一度標的になった者はボロボロになるまで晒され、特定され、ネット住民達はなんの罪にも問われず平気な顔で人の人生を破壊し尽くす。

 今はまだそんな時代だ。

 

 記者に写真を撮られる前に戻すしかない。中山さんの命には替えられない。



 そう考えてアプリを開いたところで、俺の指は止まった。



 もとはといえば―――俺の生き方が悪かったんじゃないか……?

 たとえ週刊誌の掲載をなかったことにしたところで、このようなことが再び起きないと、果たして言えるだろうか。

 また中山さんや、それに高根、星宮の身に危険が及ぶことはないと、どうして言い切れるだろうか……

 高根や星宮は有名人だ。どうしたって発覚は免れない。

 その度にタイムリープして元に戻したところで、中山さんが刺された記憶は残り続ける。

 そんな状況で、果たして今まで通り皆で楽しく暮らせたりなど、できるだろうか。



 ならば、俺以外の三人から記憶を消して戻す――――



 いつ―――どの時点に?



 どこからやり直せばいいんだ?

 旅行の前?

 論文を書く前?



 論文を書く前に戻したとして、記憶のない高根に、どうやって論文を書くなと説得すればいいんだ。

 そもそもそんなこと、高根のあの涙を見てしまったからには絶対にやりたくない。



 そして星宮とアダルトショップに行く前に戻したとして、何も知らない星宮は、パパラッチの目を警戒してビクビクと星宮の行動や愛情表現を制限する俺のことを、どう思うだろうか。



 俺は皆に能力を打ち明けており、既に一心同体だ。

 俺だけが記憶を残して戻れば、皆すぐに俺の態度の違和感に気付くだろう。

 事件のことを説明すれば納得してもらえるかもしれないが、それでも皆には俺が内緒で時間を戻したことを知られることとなる。

 俺からすれば仕方がないと思って取った行動でも、皆はそれをどう思うだろうか。

 自分がその立場になった時―――どうして記憶を残してくれなかったのかと、問い詰めはしないだろうか。



 そして皆に黙って時間を戻すような行動は、危険回避のためだから仕方ないとはいえ、俺がそれをやってしまう人間だと分かったとき、その後の皆は心の底から俺のことを信用してくれるだろうか。

 だって―――皆は何も知らないのだから。

 下手をすれば日常的に後ろめたいことを隠していないだろうかといった、俺への疑念が芽生えたりしないだろうか。

 

 なにより―――仮に俺以外の三人から記憶を消したとして、俺は何度も彼女達の身が危険に晒される光景を、見続けなければならないのか?



 そんなの嫌だ。

 もう二度と、中山さんが血を流す光景なんて見たくない。

 辛くて、怖くて、怒りと悲しさで全身が震え上がった。

 あんな思い、もう二度としたくない。

 中山さんにも、もう二度とこんな辛い思いをさせたくない。

 

 もし―――ふしだらな三股関係がダメだったというのなら、高根や星宮と出会ったことを、なかったことにするのか……?

 俺はもう、二人を心から愛している。

 二人も俺を愛してくれている。

 やり直して―――二人のことは忘れて、中山さんとだけ付き合うなんて、今の俺にできるのか……?



 間違っていたのはどこからだ。

 どこで選択を間違えたんだ。

 俺のなにが間違っていたんだ。



 すべてが―――間違っていたのか?



 俺は病院の廊下で一人、思い詰めていた。すると―――



「―――時生!」



「ご主人様ぁ〜〜! 美玖しゃ〜〜ん!」



 向こうから高根と星宮が走ってくる姿が見えた。

 二人には先程俺からメールを入れていた。中山さんが刺されたと―――



「美玖の容態は!?」



「今手術を受けているんだけど、出血が酷くて気を抜けない状態らしい……」



「そ、そんな……」



 俺が中山さんの容態を伝えると、高根と星宮の顔が青ざめる。

 星宮に至っては、顔が涙と鼻水でグシャグシャになっていた。



「―――許せないっ……!

 私達に嫉妬して、なんの関係もない美玖をこんな目に遭わせるなんて……!

 もし美玖になにかあったら、ただじゃおかないわ……!」



 高根が怒りのあまり、わなわなを身を震わせる。

 その隣で星宮は、ヒックヒックと涙をこぼす。



「俺は、全部―――やり直そうと思う」



 そんな二人に向けて、俺はぽつりと呟いた。

 高根は驚いてこちらを振り向くが、すぐに安堵の表情に切り替わった。



「そ、そうね! 美玖がこんな目に遭ったんだもの、私の論文なんてどうでもいいわ!

 時生としずが記者に写真を撮られる前に戻して、全部やり直しましょう!」



「ご主人様ぁ〜〜っ! 美玖しゃんを助けてくださぁ〜〜い!

 しずのせいで美玖しゃんが死んじゃうなんてぇっ……そんなの絶対嫌ですぅ〜〜〜っ!」



 二人も俺の意見に賛同する。

 だが俺は静かに目を瞑り―――首を横に振った。



「違う―――全部だ。

 はじめから全部―――やり直そうと思う」



「はじめからって―――ど、どういうこと?」



 俺の言葉の意味を汲み取れず、高根と星宮は首を傾げた。



「時間も皆の記憶も全部―――俺が能力を使い始める前の頃に戻す。

 皆には黙っていたけど、実は俺―――あの能力を使って、一度人生をやり直していたんだ」



「えっ―――」



 俺が真実を打ち明けると、二人は驚きのあまり、その場で立ち尽くした。



「俺は元々33歳だった。それがある日突然この能力を手にしてから、高校3年生まで時間を戻した。

 元々の人生では、中山さんとも、ルイザとも、しずくとも、誰とも付き合っていないんだ。

 でも人生をやり直したことで中山さんの彼氏になって、ルイザやしずくとも出会った。

 元々は皆―――俺と関わることなんてなく、それぞれの人生を歩んでいたんだ。

 それを―――俺が全部変えてしまった。

 その結果、中山さんをこんな目に遭わせてしまったんだ。

 だからもう―――ぜんぶやり直して、この能力は二度と使わないでおこうと思う」



 皆、本来は俺と関わる余地もない程明るい人生を送っていた。

 卒業後の中山さんがどうだったかまでは知る由もないが―――少なくとも今ほどに乱れた生活は送っていなかっただろう。

 きっと―――いい人と出会い、誰もが羨むような人生を―――



「そ、それで―――私と時生が出会ったことも、その記憶も全部、なかったことにするっていうの……?

 そんなの絶対に嫌よっ!」



「そ、そんなぁ……ご主人様の前の人生とかよく分かんないけど、でも……そんなの嫌ですぅっ!」



 二人は涙を溢しながら、俺の出した結論に反対した。



「俺も二人のことを心から愛しているし、本当は離れたくない。中山さんとだって、能力を使わなきゃもう二度と付き合えない。

 それくらい元々の俺は、なんの取り柄も才能もない、小太りの凡人なんだ。だけど俺は―――

 そんな誰にも愛されない、冴えない俺よりも―――中山さんをこんな目に遭わせてしまった今の俺の方が、何倍も許せないんだっ……!」



 大好きな中山さんを、守れなかった。

 俺のために寄り添ってくれて、俺を守ろうとしてくれた中山さんを、酷い目に遭わせてしまった。

 たとえ数ヶ月前に時間を戻してやり直したって、この後悔は消えない。

 中山さんを抱き上げた時の―――残酷なまでに生温かい血の感触は、俺の記憶から一生なくならないんだ!



 俺は手に残った血の跡を見つめながら、奥歯を噛みしめた。その姿に―――高根と星宮は、かける言葉もなく俯いた。

 しばらくの間、不気味なまでの静寂が、俺達の周囲を覆った。





 そして―――高根がゆっくりと口を開き、長い沈黙を破った。



「時生―――あなたの決意は固いのね?」



「うん……ごめん……」



 高根から再び意思を問われ、俺はただただ申し訳なく頭を下げる。

 これだけ共に過ごしてきて、記憶を残さずにすべてを消そうというのだ。普通の人間ならば受け入れられるわけがない。

 だが高根は、「ふぅーっ」と長い息を吐くと、ニコリと微笑んだ。



「なら、そうしなさい」



 高根の口から出た同意の言葉に、俺と星宮が驚いた顔を向ける。



「ル、ルイ先輩っ! それでいいんですか!?

 ご主人様や美玖さんと過ごした思い出も消えて、もう二度と会えないかもしれないんですよぉ!?」



 星宮が涙を散らしながら、高根に向けて必死に訴える。その姿に、俺の心臓がズキンと痛む。



「時生―――すべてを実行する前に、私達にちゃんと話してくれてありがとう。

 大丈夫よしず。私達が愛した男だもの。絶対にまた会えるわ」



 高根は俺に感謝の言葉を述べると、星宮に向かってニコリと微笑みかける。それはまるで我が子を諭す母親のような、慈愛に満ちた笑顔だった。

 その姿に―――俺の心はズキズキと痛み、罪悪感を募らせる。



「い、いや……その……多分、もう会えないと思う……

 俺には能力を使わずに東大に受かる頭なんてないし、なんの才能もない。

 ルイザもしずくも、そして中山さんも―――かつての俺に惹かれるようなことは、きっとない……」



 俺は本来の自分の姿を思い出しながら、あまりにも寂しく、惨めな感情に襲われ、泣きそうになる。



「そんなわけないじゃない。だって、私は信じてるもの―――」



 高根はなおも優しい笑顔を見せると―――目から一筋の涙をこぼした。



「時生と出会った時っ……心が引っ張られるようなあの気持ちはっ、絶対に―――運命だって……信じてるものっ……!」



 一筋のしずくが、大粒の涙へと変わる。



「だからっ……! 絶対、絶対に出会うんだからっ!」



 高根が肩を震わせながら、まるで自分に言い聞かせるように―――強く、必死に訴えた。



「時生がっ、どんな姿で、どんなことをしていようともっ!

 絶対にあなたを―――好きになってみせるんだからぁあっ!」



 高根がボロボロと泣く姿に、俺の目からも涙があふれる。



「し、しずもぉお〜〜〜っ! 絶対にご主人しゃまを好きになりましゅぅ〜〜〜っ!」



 星宮もわんわんと泣き崩れる。



 無理だ。

 昔の俺のことなんて、スターの二人が絶対に好きになんてなるわけない。

 俺は誰にも愛されない、無価値な男なんだ。

 きっと中山さんにも愛されない。



 俺は劣等感に苛まれながらも、二人から向けられる最大限の愛情に、涙が止まらなかった。



「だからぁっ……絶対、絶対に会いに来てよ、時生ぉっ!」



「まだじずに会いにぎでくだざいっご主人じゃまぁあ〜〜〜っ!」



 二人は泣きながら俺の体にしがみ付いた。

 再びやり直した俺は、皆の眼中にも入らないかもしれない。むしろ皆の人生を狂わさないためにやり直すのだから、それが一番いいはずだ。

 だが―――涙を流しながら再会を願う二人の気持ちを、今ここで無下にできるはずもなかった。



 せめて―――皆には、もう一度会いに行こう。



「ああ、約束する……! 約束するよ……!

 絶対皆に、会いに行くよ……!」



 俺は二人を強く抱き締めながら再会を誓うと、ゆっくりとスマホを手に取る。

 そして―――アプリに保存したすべてのファイルを消去した。

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R18 時間を保存しコピー出来るアプリを手に入れて人生バラ色
作者:広東封建

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63/65
最終章
63-二度目のやり直し


 目を開けると、俺は実家の自室に立っていた。

 日付を確認すると、高校3年生の時の4月。俺が最初にアプリを使って人生をやり直した―――そのスタートラインに再び立っていた。



 鏡を見ると、そこには懐かしい姿が映っていた。

 デブで、髪はボサボサで、眉毛も伸び放題。

 あまりにも冴えない自分の姿に、俺は溜息が出た。

 念のためポケットを確認すると、そこには例のスマホが入っていた。



 もう―――高根と星宮には会えないのか。



 あまりの寂しさに、俺は嗚咽する程泣き崩れた。



 だが―――これがすべての元凶なんだ。

 このアプリを使って、俺はすべてを手にした気になっていた。

 だが、いくら時間をやり直したところで、心に残る後悔は消えない。

 俺が一生背負わなければならない十字架なのだ。



 中山さんは―――元気にしているだろうか。



 時間を戻したため、例の事件はなくなっている。

 つまり今日学校に行けば、中山さんの元気な姿を見れる。



 俺は居ても立っても居られなくなり、すぐに身支度に取り掛かった。

 長い髪が邪魔で仕方がない。

 伸び放題の眉毛が醜くて仕方がない。



 俺は当時よりかなり時間をかけて身なりを整える。そして―――



「これはもう……締まっておこう」



 俺はポケットに入ったスマホを取り出し、机の奥深くへと放り込んだ。

 アプリを使えば、高根や星宮と再び出会えるかもしれない。

 だがそれをする気にはもうなれなかった。

 どれだけ理想の自分を手にしたとしても、どれだけ自分に都合のいい人生を歩んだとしても、自分自身を許せなくなってしまったらおしまいだ。

 そんな自分は、理想でもなんでもない。

 ただ単に自分に都合よく欲求を満たし、身勝手に他人を巻き込んでいただけだ。

 アプリを使って、誰かを俺の欲望の道連れにするような人生を送るのは、もうやめにしよう。



 そう決意し、俺は勢いよく玄関の扉を開けた―――





 逸る気持ちに急ぎ足となり、学校に着く頃には汗だくとなっていた。

 まったく―――贅肉に包まれた肉体が憎々しい。



 俺は今日からダイエットに励むことを決意し、教室の扉を開ける。

 すると早く来すぎたのか、そこには誰もいない―――いや、一人だけいた。



「あ―――おはようっ。満保君今日は早いねっ」



 聞き慣れた可愛らしい声が耳を貫く。

 そこには―――天使のような笑顔で俺に手を振る中山さんの姿があった。



 よかった―――無事だった。



 当たり前のことだが、元気な中山さんの姿を見て、俺は思わず涙ぐんでしまう。



「ど、どうしたの満保君っ!?」



 急に涙ぐんだ俺を見て、中山さんがあたふたと慌てる。



「い、いや、その……ゴミが目に入っちゃって」



 俺は言い訳を述べながら、必死に涙を拭う。



「そ、そっか……あ! よかったらこれ使って!」



 すると中山さんは鞄からハンカチを取り出し、俺に差し出してくれた。



「あ―――ありがとう!」



 中山さんの優しさに触れ、俺は再び涙ぐむ目を中山さんのハンカチで拭う。

 だがそこで―――ハッと気付き、俺はハンカチを顔から遠ざけた。



 しまった―――こんなキモい奴が、中山さんのハンカチに触れるなんて……



「こ、ごめん! ハンカチは弁償するよ!」



 中山さんと付き合っている時の感覚で、つい当たり前のようにハンカチを受け取ってしまったことを後悔した。

 このまま返してもキモいし、家で洗って返すのだってキモい。

 ならば弁償するしかない。



 俺は当時の見た目に戻ったことで、すっかり根暗な性格を取り戻してしまった。

 だが中山さんは驚いた表情を見せ―――

 

「そんな、全然気にしないでっ!

 もう目は大丈夫?」



「あ、ああ……大丈夫だよっ」



 俺から汚れたハンカチを笑顔で受け取ると、綺麗にたたんで鞄に仕舞う。

 中山さんは、相変わらずの天使だった。



 中山さんと―――もう一度付き合うことはできるだろうか……



 中山さんの可愛らしい顔を見つめながら、自分の体を見下ろす。

 こんな体じゃ―――無理だ。

 中山さんは筋肉フェチだった。

 こんな俺の体など、理想から一番かけ離れているに違いない。



 アプリを使えば簡単に痩せられる。だがそれはもう使わないと決意した。

 ならばすべて自分の力だけで、理想的な肉体になることなど―――果たしてできるだろうか。

 中山さんは、他の男子達に理想的な肉体を持つ者はおらず、俺だけが理想の肉体だったと言っていた。

 現にあの時の俺は、運動部の奴らよりも引き締まったシックスパックを有していた。

 単なるダイエットだけならなんとかなるかもしれないが、自力で運動部にも勝る肉体を得る―――その道程はあまりにも険しい。



 それができなければ、お互いの歩む人生は交わることなく、中山さんは地元の国立大学へ通い、俺は名もない大学へと進む。

 コミュ力は身に付いたし、痩せて身なりを整えれば、それなりに楽しい大学生活を送れるだろう。

 だがそこに―――中山さんはいない。



 嫌だ……

 中山さんと、離れるなんて―――嫌だっ!



 もう一度―――中山さんに見合う男になりたい。

 たとえ東大生にはなれなくとも、せめて中山さんと同じ大学に行き、中山さんの隣に立ちたい。



 俺は―――決意に心を燃やした。





 その日から俺は、勉強と筋トレにひたすら励んだ。

 アプリで増やした経験はすべて消してしまったため、教科書を見てもどこか見覚えがあるだけで、単語の意味や公式など、ほとんど忘れてしまっていた。

 俺の地頭はよくない。物覚えが悪く、通常の勉強時間だけではすぐに忘れてしまう。

 その度に俺は、自分の頭を叩いて悔しさを滲ませた。



 筋トレの方も困難を極めた。

 腕立て伏せは5回で限界。ランニングも5分で息切れ。

 だらしない体が俺の足を引っ張り、道の険しさを思い知らされた。



 勉強も上手くいかない。筋トレも上手くいかない。

 今の俺にとっては目指す理想があまりにも高く、何度も心が折れそうになる。



 だが、毎日中山さんの顔を見るたびに、俺の心は奮い立たされた。



 負けるもんか―――絶対にっ、中山さんのっ、彼氏になるんだっ……!



 俺は情けない程に才能のない自分に涙を溢しながら、昼夜勉強と運動に明け暮れた。すると―――





「―――あれ? 満保君……最近痩せたよね?」



「ああ、ちょっとダイエットに目覚めたんだよね」



 中山さんが俺の体の変化に気付き、驚いた表情を見せた。

 痩せたとはいっても、スリムにはまだほど遠い。だがそれでも俺の体型の変化に気付いてくれたことを、俺は心から喜んだ。



「ふふっ、ひょっとして好きな子でもできたのかな?」



「いやいや、単に健康のためだよ」



 中山さんが毎朝一番に登校していることを知った俺は毎朝早起きをして、こうやって中山さんと二人きりの時間を過ごしている。

 かつて中山さんから聞いた好きな本の話を振ってみたり、中山さんの好きなアイドルの話をしてみたりと、仲良くなりたい一心で中山さんに話しかけた。もちろん適切な距離感を保ちつつではあるが。

 こんなキモい奴と話しているところを見られたら、中山さんのイメージを悪くしてしまう。

 だから控えめに、少しだけ会話をし、誰かが登校してくれば自分の机に付き、ひたすら勉強する。



 本当は―――君のことが好きだと、言いたくて仕方がなかった。

 でも―――俺みたいな奴が中山さんのことを好きだなんて、知られるわけにはいかない。



 胸が張り裂けそうな程の痛みと、堂々と会話できない自分の惨めさに、参考書を眺める目が潤む。

 ただでさえ頭に入ってこない文章が、余計に読めなくなってしまう。



 畜生、畜生っ……!



 本にボタボタと涙がこぼれる。

 俺は必死に目を拭い、自分に鞭打つ思いでノートを書きなぐった。





 そんな生活がふた月程過ぎた。

 成績は多少の成長が見られ、クラスでは真ん中程に位置していた。

 見た目に関しては腹が多少へこんできたといったところだが、まだまだスリムと呼ぶには到底及ばない。

 だが、その頃から俺の環境は少しずつ変化していった。



「ちょっと時生〜、あんたまた勉強してんのー?

 バカが勉強したって無駄無駄〜」



「うるせぇ、お前に言われたくねーよバーカ」



「おい時生! お前が貸してくれた漫画すっげー面白いじゃん!」



「だろ? 次の巻はもっと面白いぞ」



 俺はクラスのリア充軍団と、仲良く会話できるようになっていた。

 前回人生をやり直した時に、皆の性格はあらかた知っている。そのためコミュニケーションを取るのには苦労しなかった。

 イケてる見た目の秀才には遠く及ばないが、それでも小綺麗に見た目を整え、明るく振る舞えば皆も仲良く接してくれた。



 人は理想の自分を得られずとも、多少の努力で環境を変えられることを知り、俺の気持ちは以前の前向きさを取り戻していった。

 そして俺が和気あいあいと話すその和には―――中山さんの姿もあった。

 俺の発したジョークに、クスクスと笑みを浮かべる中山さん。

 それだけで、俺の心が満たされる思いがした。



 それから更に2ヶ月も経つと、俺はかつて人生をやり直した時のような見た目にグッと近付いていた。

 成績も中の上程には向上し、もう誰も俺のことを馬鹿にすることはなくなった。それどころか―――



「つかさー、最近の時生めっちゃ痩せたよね!?

 あんた痩せると結構イケてんじゃん!」



「フッ……葵もようやく俺の魅力に気が付いたか」



「こら、調子に乗んなっつーの。とはいえ―――その服どこで買ったんだよ! 俺にもその店教えろよ!」



「ああ、今度一緒に行こうぜ孝宏。でも結構お高いぜ〜?」



 皆と休日にカラオケへ足を運ぶようにまでなり、俺はとうとうリア充の仲間入りを果たした。

 前にやり直した時もこのような機会はあったが、俺は前回よりも充実した気持ちに満たされていた。

 今回はすべて俺の努力によって得たものだ。だから毎日が濃厚で、自分の人生を歩んでいる実感が大きい。

 俺は一人ひとりの人間と向き合い、一つ一つの思い出を大切に、一歩ずつ前に進んでいた。

 

「ねーねー、美玖は最近の時生のことどう思うー?」



 すると葵が隣の中山さんにも、俺への印象を訊ねた。

 葵め―――余計なことを聞きやがって。

 俺は心の中で頭を抱えた。すると―――



「私は時生君が頑張ってるの、前から知ってたから」



 中山さんは笑顔で、あの時と同じ言葉を述べた。

 いや―――当時とは異なる点がある。

 それは、付き合っている間も苗字で呼び合っていた中山さんが、俺のことを下の名前で呼んでいることだ。

 あの時は、ある日突然始まった二人の関係。

 はじめからぎこちなく、不器用に――――そしてやや暴走気味に互いの関係を深めていった。



 だが今は、お互いに愛し合う前の状態から、仲の良い関係を築いている。

 以前の俺も中山さんのことは心から愛していたし、中山さんのことは隅から隅まで見て、知って、味わってきた。

 今の俺は、中山さんの姿の表面しか見ることができない。だがその分、内面から徐々に中山さんに近付いていく心地がした。

 それはそれで、当時とはまた違った喜びを感じさせてくれた。



 中山さんが再び俺のことを見てくれていたこと、そして未だ慣れない名前呼びに、俺は照れ臭く視線を逸らした。



「ちょっと時生〜、なに赤くなってんのよーっ。

 あんたひょっとして美玖のこと好きなんじゃないのー?」



 すると俺のあからさまな反応に、葵がニヤニヤと茶化してくる。



「そりゃあ……成績優秀な美玖に褒められた方が嬉しいに決まってるだろ」



「なにそれーっ」



「ハハッ、確かに時生の言うとおりだな」



 俺は照れる気持ちを抑えながら、名前呼びを返す。

 まだ中山さんの理想には程遠いが、中山さんと少しずつ関係を深め、今までと違った間柄で接する日々に、小さな喜びを噛み締めていた―――





次回は最終回です。

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R18 時間を保存しコピー出来るアプリを手に入れて人生バラ色
作者:広東封建

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64/65
最終章
64-再会


 月日は流れ―――



「やった……あった!」



 俺は大学入試の合格発表のホームページ画面を見ながら、歓喜の声を上げた。

 あれから必死に勉強し、なんとか地元国立大のA判定まで成績を上げ、こうして合格を手にすることができた。

 正直東大に比べれば偏差値はかなり劣るが―――それでも合格したときの喜びは、東大に受かったときの何倍にも勝った。



 なんの取り柄もなかった俺が、自分の努力だけで最初の大学よりずっといいところに合格できたのだ。

 しかも翌日には学校で中山さんも合格したことを知り、「来年からもまたよろしく」と、笑顔で互いの合格を祝い合った。

 中山さんと同じ大学に通える―――そのことに俺は涙を流して喜んだ。



 今の俺なら―――もう一度中山さんの彼氏になれるだろうか。



 必死に頑張って、ようやく中山さんと同じところに来れた。

 自分のお腹をさすると、以前ほどとはいかずとも、しっかりと腹筋の割れを確認できる。

 まだ中山さんの理想には遠く及ばないかもしれないが、俺の想いを真剣に伝えれば、ひょっとしたら―――振り向いてくれるだろうか。



 伝えよう。

 今度は俺から中山さんへ―――



 ずっと―――ずっと好きだったと……



 積年の思いを告白し―――もう一度二人の時間を取り戻すんだ。



 俺は自分から中山さんに告白することを心に決め、その時を待った。



 そして、卒業式の日がやってきた。



 皆と肩を組みながら写真を撮り、「卒業してからもずっと友達でいよう」なんて、臭い言葉を交わしあった。

 初めはなんの思い出も残らず、二回目は踏み台でしかなかった高校3年生の一年間が、俺の中で大切な思い出と変わっていた。



 皆と涙ながらに別れの言葉を交わし合った後校舎を出ると、そこには一人感慨深げに校舎を見つめる中山さんの姿があった。



「―――誰か、待ってるの?」



 俺はかつて―――中山さんが俺の第二ボタンを貰ってくれた時のことを思い出しながら、恐る恐る訊ねた。

 今回もまた―――俺のボタンを貰ってくれるのだろうか。

 そんな淡い期待を寄せながら、中山さんの様子を伺う。だが―――



「ううん―――ちょっと感傷に浸ってただけだよっ。

 満保君は同じ大学だけど、他の子達は皆離れ離れになっちゃうから……」



 そういうと中山さんは、寂しげな笑顔を浮かべた。



「じゃあね、時生君っ。また皆と遊ぼうね!」



 無情にも―――中山さんは俺に別れを告げ、校門へと歩いていった。



「待って―――中山さん!」



 俺は去りゆく中山さんを、必死に呼び止める。

 今の中山さんは、俺の第二ボタンなんて望んじゃいなかった。

 だからって―――諦められるか……!



「中山さん……こ、これを見てくれ!」



「えっ―――」



 気付けば俺は―――シャツをまくり上げ、中山さんに鍛え上げた腹筋を見せ付けていた。

 あまりに唐突な出来事に、中山さんはポカンと固まる。



「お、俺っ―――君の理想の男になりたくてっ、ここまで鍛えてきたんだっ!

 中山さん―――いや、美玖っ!

 俺はずっと、君のことが好きだった!

 俺と―――付き合ってくれ!」



 腹を出しながら告白という、なんとも間抜けな光景に、周りからクスクスと笑みが聞こえる。



「お、おいっ……時生のやつなにやってんだ!?」



「うっそ〜〜っ! 腹筋見せながら告白なんて、時生最高にバカじゃーん!」



 気付けば友人達からも後ろ指をさされ、俺はシャツを握る手がプルプルと震える。

 やっぱりこんな告白はダメだったか―――



 俺はあまりの恥ずかしさに、顔が真っ赤に染まる。すると―――



「―――ふふっ、あはははっ」



 中山さんまでも、お腹を抱えて笑いだしてしまった。

 終わった―――俺の夢は潰えた。

 消えてなくなりたい。



 俺は絶望に打ちひしがれ、ガクリと肩を落とす。

 すると中山さんが、ゆっくりと俺の方に近付いてきた。そしてなぜか俺のお腹をペタペタと触る。



「う〜〜ん、確かに引き締まってるけど、私の理想のお腹にはまだまだかなぁ」



 中山さんに腹筋を品評され、くすぐったさと情けなさに涙が出そうになるのを必死に堪えていた。

 ふと―――頭にポンとなにかが乗る。

 恐る恐る顔を上げると、中山さんが笑顔で俺の頭をよしよしと撫でていた。



「でも―――こんなに頑張ったんだねっ。

 時生君があれだけ努力していたのが私のためだったなんて、私―――すっごく嬉しいっ」



 中山さんは満面の笑みを浮かべながら、俺の頑張りを褒めてくれた。

 そしてそれを―――嬉しいと言ってくれた。

 その言葉に、俺の目が更に潤んでしまう。



 本当に頑張ったんだ―――

 才能のない自分が辛くて、どうしようもないくらい惨めで……毎日心が折れそうだった。

 でも―――やれた。

 君のそばに立つためなら、どんなに辛くても、諦めずにここまで来れた。

 君のおかげで、今の俺があるんだ。



 今までの思い出が走馬灯のように蘇り、今の中山さんと重なる。

 俺の記憶にある中山さんが―――「ありがとう、大好きだよ」と言って、今の中山さんの体に覆いかぶさるような―――そんな幻覚すら目に映った。

 

「不束者ですが―――よろしくお願いします、時生君っ」

 

 中山さんが告白を受け入れてくれたと同時に、俺はその場に泣き崩れた―――





 あれから俺達は、カップルとして仲睦まじく大学生活を送った。

 アプリを使っていないせいか、中山さんは以前ほどの狂った変態さは見せないが、それでも愛くるしく俺の体をそこそこ頻繁に―――というより毎日求めてくれている。

 中山さんのエッチな側面は、以前も今も変わっていなかった。

 初めての日は「本当に初めてなの?」と疑われるくらい、中山さんを前戯でイかせまくった。

 俺は必死に童貞であることを伝えたが、中々信じてもらえず、その後の対応に苦労した。

 しかしそれが功を奏したのか、俺達は以前のようにセックス三昧の生活を送ることとなった。

 初めて結ばれた時と同じ―――中山さんの部屋で、来る日も来る日もセックスに明け暮れた。

 それはまるで―――魂の記憶の奥底にある、未曾有の快楽を思い出そうとしているかのようだった。



 以前とは一つだけ異なった点がある。それは中山さんは割と強気で、俺に当たるようになったことだ。



「ほらもっと頑張って! そんなのでへこたれてたら、まだまだ私の理想には遠いよっ?」



 俺は毎日中山さんのスパルタコーチを受けながら、ひたすら筋トレに励んでいる。

 中山さんは俺を理想の体型にしようと、躍起になっているようだ。

 これは中々に堪えたが、それでも中山さんが俺を愛してくれている事実に変わりはなく、俺は喜んで筋トレに励んだ。



 そして大学1年生の夏休みを迎えた頃―――



「時生君急いで! 早くしないと場所がなくなっちゃうよっ!」



「そんなに急がなくても、開演までまだ時間はあるだろ〜?」



「何言ってるの! あのほっしーの路上ライブだよっ!?

 そんな悠長に構えてたら、ほっしーを近くで見れなくなっちゃうよ!」



 俺達は夏休みを利用し、星宮しずくの路上ライブを観る目的で、東京へ旅行に来ていた。

 人生をやり直した後も、星宮は相も変わらずスターアイドルの道を駆け上がっていた。



 俺は見る景色に懐かしさを覚えながら、中山さんの跡を追う。

 しずくのやつ―――俺に気付いてくれるだろうか。



 俺はあり得ないことと知りながらも、期待を膨らませてしまう。



 会場に付くと、そこは超満員の人で溢れていた。



「ほら〜、だから言ったじゃん!」



 頬を膨らませて怒る中山さんをなんとかなだめ、俺達はわずかに見える隙間を探し出し、星宮の登場を待った。

 そして程なく、星宮の路上ライブは開始された。



「皆ー! 今日はしずのために集まってくれてありがとー!」



 星宮の登場に、会場は大歓声に湧く。

 遠くから見る星宮は、あの時と変わらず、可愛らしい笑顔を振りまいていた。



「それじゃあ早速一曲目いくよー!」



 ライブが始まると、中山さんは先程までの怒りも忘れてウキウキとはしゃいだ。

 俺も懐かしい曲に耳を傾けながら、心地良いリズムに身を揺らした―――





「皆ありがとー! また会おうねー!」



 ライブはあっという間に過ぎ、星宮は颯爽とステージを後にする。

 会場は星宮を惜しむ声援と、大きな拍手に包まれた。



 やっぱり、ここからじゃ見えないか―――



 俺は心に寂しさを覚えながら、去りゆく星宮を目で追う。すると―――



「―――ッ」



 不意に星宮の足が止まった。

 そしてチラリとこちらに顔を向ける。



 その瞬間―――俺は星宮と目が合ったような気がした。

 ほんの数秒間だが―――確かに俺達は見つめ合い、その時星宮は、小さく笑みを浮かべた。

 そして再び観衆へと手を振り、ステージ袖へと去っていった。



「今っ―――ほっしーがこっちを見て笑いかけたよね!?」



 隣で中山さんが大興奮しながら、俺に訊ねてくる。

 そうだ―――俺を見ていたとは限らない。

 きっと気のせいだ。



「そうかもしれないね。

 それじゃあライブも終わったし―――次のところへ行こうよ、中山さん」



 俺は淡い期待を振り払い、中山さんの手を取った―――





「―――ねえ満保君、どうしてこんなところに来ようと思ったの?」



 次なる目的地を歩きながら、中山さんが不思議そうに訊ねてくる。



「それはね―――昔の約束を果たすためだよ」



 俺はニコリと笑い、中山さんの疑問に応える。

 すると中山さんは、未だ解せない様子で首を傾げた。



 俺達は今―――東強大学のキャンパスの中を歩いている。

 ここはかつて、俺が通っていた場所だ。

 今はもうここの学生ではないが、毎日通った場所に様々な記憶が思い起こされる。

 講堂に食堂、サークル棟……

 どれも俺の思い出の場所であり、見るものすべてに感傷的な気持ちが呼び起こされる。



 すると目の前に、見慣れた男達の姿があった。



 あっ―――あいつらだ。



 当時俺と仲良くしていた友人達が、楽しそうに談笑しながら歩いていた。

 その場に俺はいないが、皆仲良くやっているようで、俺は複雑な感情を覚える。



「満保君、どうしたの?」



 中山さんが心配して俺に声をかける。どうやら感情が顔に出ていたらしい。



「ううん―――なんでもないよ。

 もうちょっと歩こうか」



 俺は中山さんに笑顔を向けると、再びキャンパスを散策し始めた。



 いない、いない―――

 どこにもいない。



 俺が探している人物の姿は、どこにも見当たらなかった。



 やはり―――夏休み中に来たのは間違いだったか。



 普段ならばいざ知らず、夏休み中で学生も少ない時期に来たところで、会えるわけがない。

 隣を歩く中山さんも、興味のない場所で歩き回らされ、さすがに疲れが見て取れた。



 仕方ない―――諦めて帰るか。



 俺は名残り惜しい気持ちを抑え、大学を去ろうと踵を返す。と―――その時だった。



「そこのあなた―――ちょっといい?」



 不意に懐かしい声が後ろから聞こえ、ハッと振り向く。すると―――



 求めていた彼女の―――



 可憐に佇む姿が、そこにあった―――









『ピコンッ』



『〜アプリがバージョンアップされ、新たな機能が追加されました〜』





これで物語は終わりとなります。

次回はエピローグです。

アプリ開発者の物語となります。



作者のあとがきは、エピローグの後書きに記載させて頂きました。

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作者:広東封建

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65/65
最終章
エピローグ〜開発者の夢語〜


 70年間生きてきて、私はそのほとんどを研究に費やしてきた。

 35歳でノーベル物理学賞を受賞し、それからも数々の賞を手にした。

 私の研究分野は量子力学で、とある発見に基づいて書き上げた論文が世の注目を浴びることとなり、それからというものの―――私は量子力学の分野において第一人者となるにまで至った。



 私の研究が量子力学の発展に大きく貢献し、私が主導する研究チームによって、実用的な量子コンピューターの開発に成功した。

 量子コンピューターの出現は世の中の技術を目まぐるしく進歩させ、誕生以前と以後では、科学技術における成長速度が数十倍規模に加速した。

 

 私も自分が開発した量子コンピューターを使い、様々な理論や技術を次々に構築し、AIの技術も格段に進歩した。

 量子コンピューターとAIを駆使し、長年の研究を重ね、私はある答えを導き出した。



 量子は人の意識を用いて状態を変化させられるという、これまで眉唾扱いされてきた理論が真実であることを―――



 この事実に気付いてからというもの、私は如何にして量子が人の意識と関わっているか、それによりどこまで変化をもたらすことができるか―――その研究に明け暮れた。

 気付けば私はこの研究分野における母と呼ばれるまでに至り、女性科学者として昼夜科学の発展に尽くしてきた。



 そして遂に―――大規模な量子スピンの制御と、その制御を人の意識によって行う技術を確立させた。



 はじめは極僅かな範囲内における作用だけだったが、私は長年の研究を重ね、量子の状態を変化させる領域を拡大し、遂に地球規模でそれを実現する理論を導き出した。

 この理論が意味するところは―――応用次第では実質的なタイムリープすら可能となるものだった。



 量子コンピューターの計算結果が、私の望む答えと一致したとき、私は喜び舞い上がると同時に、このことを絶対に他言してはならないと―――固く心に誓った。



 もしこのような技術が世に知られれば、他の誰かに世界を自由にできる術を奪われてしまう。

 そのようなことは絶対に認められない。

 私が生み出した技術は、私が私のために使いたい―――

 その時私は、科学者としてあるまじき―――エゴに満ちた欲望を抱いてしまった。



 それから私は自分の願望をどのように実現するか、長い間思慮に耽った。

 私といえば、長年研究だけに人生を費やし、とうとう生涯独身のまま70歳の老婆になってしまった。

 昔は異性に好意を持たれることも多かったが、これまで誰とも恋愛することもなく、ただ科学だけを愛して生きてきた。

 今まではそのことになんの不満もなかったが、こうして自分のやりたいことを思い描くと、私の胸には後悔ばかりが残った。



 もし人生をやり直せるなら―――誰かと愛し合ってみたい。



 そんな乙女じみた欲求に、私の心は突き動かされしまった。



 そして私は今―――自分が実現したい夢の数々を、量子コンピューターにプログラムしていた。



「そうね―――昔の私が好きになるような男性って、どんな人かしら」



 私は若い頃の自分を想像しながら、私が求める恋人を思い描いていた。

 タイムリープした暁には、自分の記憶は消そうと思っている。

 なぜなら記憶を残して戻ったところで、若い男性と対等に恋愛できるとは思えなかったからだ。

 そもそも私はずっと高飛車な性格で生きてきて、周りの男達なんて皆性欲に支配された愚かな生き物だと見下していた。

 だが―――改めて自分が恋愛するとなると、男性に求められたいという気持ちが不思議と沸き起こる。

 私は生まれてこの方、男性と交わったことがない。

 そんなもの自分には不要だと思って生きてきたが、もし愛する人と結ばれたら、それは一体どれ程幸せな心地なのだろうか。



 私は年甲斐もなく、まるで少女のように異性との情事に妄想を募らせた。



「ちょっとばかし、他の人よりもエッチな子がいいかもしれないわ。

 それでいて見た目も良くて、優しくて、一所懸命努力ができる人……って、そんな男の子が果たしているのかしら?」



 私は自分の思い描く理想が、あまりにも現実離れしていることに気付き、自分自身に呆れてしまう。



「そうだ―――この技術を誰かに託してみようかしら」



 ふと、私は自分が生み出した技術を、他人に委ねることを思い付いた。



「でもこんなものを手にして、悪いことに使う人だったら困るわね……」



 タイムリープ技術を使えば、どんな犯罪行為だってできてしまう。

 自分の都合のいいように現実を改編し、世の中を滅茶苦茶にしてしまうかもしれない。

 そんな人の手にこの技術が渡っては困る。



「もしこの能力を手にしても、自分を磨くことにそれを使える人―――そんな人がいいわ。

 そしたら私の理想の男性にだってなれるわ」



 これを使えば、元々はあまり冴えない人でも、きっと素晴らしい男性になってくれるはず。

 そして、自分の研鑽のためにこれを使える人ならば、この技術を託すに値する。



 私はどのような人物にこの技術を与えるか、その情報を量子コンピューターに打ち込んだ。

 コンピューターはすぐさま計算を始め、それに該当する人物が少なからずいることを導き出した。



「でも―――エッチな子だったら、これをエッチなことに活用しちゃうかしら」



 不意に私は、邪な感情が本人や他者に害を及ぼさないか心配になる。

 この技術は本来であれば一度しか行っていない行動を、二度も三度も行ったようにできてしまう。

 そんなものを淫らな行為に使えば、常人では味わえないような快楽に溺れてしまうかもしれない。



「―――ま、多少エッチなことに使うくらいなら、別に問題ないわね」



 私は少々のお・い・た・には目を瞑ることにし、再びプログラミングを続けた。



「でも―――こんなに理想的な男性だったら、他の女の子にもモテちゃうかしら……」



 ふと、ライバルの存在を想像し、コンピューターに打ち込む手が止まる。

 これだけ理想的な男性を思い描けば、それはきっと他の女の子の目にも魅力的に映ることは間違いない。

 ひょっとしたら私より先に、誰かと恋に落ちてしまうかもしれない。

 これは参ったと、私は頭を抱えた。



「―――そうだ。もし私より先に他の女の子と恋仲になったとしても、私の理想の女の子であればいいわ」



 私は万が一私以外の女性と付き合ってしまった時のことを想定し、相手の女性に保険をかけることにした。



「素直で、優しくて、私に負けず劣らず魅力的な女の子で、それでいて一途で―――」



 私が並べる理想の女性の姿は、まさしく私とはかけ離れたものだ。

 私は頑固で意地っ張りでプライドが高くて―――自分でも嫌になるほど高飛車な女だった。



「あ―――どうせなら、昔の私のファンだったらいいわね」



 私は昔、子役女優をやっていたことを思い出し、名案を思い付いた。



「私のファンだったら、きっと私のことも迎え入れてくれるわ」



 私は理想の男性と理想の女性を想像しながら、ウキウキと作業を続ける。そこでふと―――昔のことに思いが過ぎった。



「あの子も―――こんな男性だったら愛せたりするのかしら」



 私は大昔に私を慕ってくれていた、事務所の後輩のことを思い出していた。

 あの子はずっと男性を嫌っていて、女の子とばかり仲良くしていた。

 そういった点で私ともよく似ていたが、私が芸能界を引退してからというものの、彼女は様々なプレッシャーに押し潰されてしまい、アイドル活動を休止してしまった。

 更にその後は、休止中になにやら良からぬ道へと走り、芸能界を去ってしまったと聞いている。

 あの時私が彼女のことを助けてあげられれば―――



 昔の記憶から、かつての後悔が私の心を襲った。



「もし―――こんな人がいたら、あの子のことも救ってくれるかもしれない……」



 私は淡い期待をプログラムに乗せていく。



「さて―――こんなものでいいかしら」



 プログラムが出来上がると、あまりにも膨大な情報量に、さすがの私も苦笑いが漏れた。

 こんな人、果たしてこの世にいるのかどうか―――



 私はダメ元のつもりでコンピューターに計算を命じる。

 すると、たった1名だけ該当する人物がいた。



「よかった―――この人に、この技術を授けましょう」



 私は最後の仕上げに取り掛かる。コンピューターが導き出した該当の時代を鑑みるに、その当時はスマートフォンが普及している頃だった。

 ならばアプリという形で提供するのがいいだろう。

 後の細かいことは量子コンピューターとAIに任せるとして―――



「この人が、ちゃんと私と出会えるように導いてあげてね」



 私は自分が作ったアプリに願いを込める。

 きっと大丈夫。

 彼なら私を見つけ出してくれる。

 そのようにプログラムしたというのももちろんあるが―――私は私自身が思い描いた理想の人物に、必ず会えると信じて疑わなかった。



「私とあの子―――それにひょっとしたらその前に出会う子……

 ここまで沢山の美少女に囲まれたら、いくらなんでも調子に乗っちゃうかしら」



 このアプリを手にしただけでも、とてつもないことだ。

 そこへ更に美女に囲まれる生活となれば、どれだけ真面目な人間でも、時にはハメを外しすぎて失敗してしまうかもしれない―――



「でも―――大丈夫よね。

 私と、私の理想の女の子が付いているんですもの。

 彼ならきっと、なんとかなるわ」



 私はまだ見ぬ初恋の相手に想いを寄せながら、タイムリープのスイッチを押した―――

 



長らくご愛読いただき、誠にありがとうございました。

ここまで毎日投稿できたのは、読者様方の温かい応援のお陰です。

文才に乏しく、稚拙な文章に恐縮ではございましたが、初めて日間ランキング1位にもなり、誠に感謝の念に堪えません。

しかしながら皆様のご期待に添えなかったことに、自分の至らなさを悔いております。

読者の皆様には誠に申し訳無く、深くお詫び申し上げます。

作品の内容や結末に関しましては、皆様色々思うところは多々あるかと存じますが、どうか、何卒ご了承下さいますことを心よりお願い申し上げます。



余談といたしまして、最後に追加された機能だけほんのちょっとご説明させていただきますと、「編集・上書き保存」の機能となります。保存したファイルの文面を編集し、上書き保存することで――――



といった具合ですが、後日談やアナザーストーリーについては、また機会があれば……書く―――かもしれませんが、なにぶん愚才の駄作でありますので、あまり期待しないで頂けると助かります。

念頭には、二度目のやり直しをしない高根ルイザエンドと星宮しずくエンドや最後の機能を駆使した堕落エンドも構想にございますが、このエピローグを書くことが当初からの目標だったので、一応正規ルートといたしまして今回の中山さんエンドで締めくくらせていただきました。

時間があればゆっくり書いていきたいと思いますが、しばらくは執筆から離れたいと思います。





今後また次の作品を書くことがあれば、その時は皆様にご笑読頂ければ幸いです。

最後に、作者の愚作にここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。



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目次

Posted by 하얀라임
,

n8900hn 30

카테고리 없음 2022. 7. 9. 22:53



三章





『30-天才』





「―――で、どうだった?

 快楽はルイザにとって無用だったか?」





「うっ……ううっ」





 俺の目の前には、ベッドの上で正座する高根の姿があった。

 長い絶頂の肉体経験がゴミ箱行きとなり、高根はまともな思考を取り戻している。

 だが先程までイキ狂い痴態を晒しまくったことは高根の脳裏に焼き付いており、あまりの羞恥心に言葉もなく縮こまる。

 一方中山さんはというと―――





『ズチュッヌチュッグチュッ』





 全裸姿で俺のチンポに跨り、嬉しそうに腰を振っていた。





「気持ちいい、気持ちいいよぉっ。

私っ、ルイルイの目の前でっ、セックスしてるぅっ!」





 流石に時間はコピーしていないが、それでも憧れのルイザの前でセックスしている状況に、この上ない興奮と快楽を味わっているようだ。





「―――ッ!」





 あられもない光景に高根は赤面しつつも、チラチラと視線を送ってくる。

 その姿にはもはや、昨日までの影はどこにも見当たらない。





「こっ、こんなに心地いいことがこの世に存在するなんて、し、正直驚いたわ……」





 高根はボソボソと自身の心中を語り始めた。





「ほ、本当に変なものは使っていないのよね……?」





「当たり前だ。さっきも言ったが、そんなものを使って人間を辞めるつもりはない。

 それに頭がイカれるようなものは使っていないってことは、ルイザも分かっているはずだろ」





「え、ええ……そうね……。

 だ、だとしても、あ、あんなにすごい幸福感がずっと続くなんて、し、信じられないわっ!

 あんなものが当たり前だったらっ……人間は皆っ、四六時中セックスの虜になっちゃうじゃないっ! き、危険すぎるわっ!」





 どうやら快楽の良さを、体が認めたようだ。もじもじと股を抑えながら、自身が感じた悦びに、必死に抗っているのがうかがえる。





「あんっ、ああっ!

 あっ、当たり前じゃないよっ。満保君にしかできない、すっごい魔法なんだよっ。

 頭が壊れちゃうくらいすごい快感を味わわせてくれてぇっ、何事もなかったように戻してくれるのぉっ」





 中山さんが腰を振りながら、俺の特別な力を説明する。





「ね、ねえ満保君っ! ルイルイの前で、わっ、私にもあの魔法かけてっ! 一番すっごいの!」





「ああ、分かったよ」





 俺はスマホを開いて未来時間のコピーを4倍に増やす。

 一応後でゴミ箱に入れた時に高根の中にもその間の記憶が残るよう、高根にも適用した上で―――





「ぁあああああっ!! ああーーーーーーっ!!」





 すると先程までのエロ可愛い表情から一転、中山さんは舌を丸出しにしながら喘ぎ狂い始めた。





「あぁああっ……グッ! あぁぁぁあぁぁっーーー!!





 俺も堪らず声が漏れる。

 二人で天井を見上げ、キチガイのように叫びながら頬を弛ませた。





「ぎんんんんもぢいいぃぃーーーっ!! しゃいっごぉぉおおおーーーーっっ!! ぎんもぢっっ!! ぎんんっっもぢっっっ!! んおっんおっんおっんごっんほっンホォオオオーーーッッ!!」





『ブシャアアーーーッ! ブシャッブシャッ!』





「あ……あ……」





 まるで断末魔のような叫びに、高根は呆然となる。

 だが今の高根は目を逸らすことができず、頬を赤らめ、先程の快楽を思い出しているかのように、ただ黙って見つめていた。





「イイィィッッグ! 出るぅぅーーーっ!!」





『ドッッッビュルルルーーーッッ!!』





「んヒィィーーーッッ!! イヒヒッイッッギュウウゥゥーーーッッ!!」





 強烈な刺激にすぐさま精液が放たれる。それを中山さんは狂気じみた笑顔を浮かべながら子宮へと飲み込んでいく。

 そしてすかさずスマホを弄り、再び10分のタイムリープを繰り返した。





「あぁっ! ああぁっ、あひっ、あひゃっ、あへっ」





「イヒッ、イグッ、イッ、出るっ、あぐっ」





『ドビュルル! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ!』





 そして止まらない精液の放出が始まった―――





「うぐっ……ひっ……」





 ようやく10分の絶頂を終えた後、俺は強過ぎる快感に息も絶え絶えとなりながら、必死にスマホの画面を触る。そしてコピー分をゴミ箱に投下した。

 すると一瞬で呼吸が落ち着き、一回分のセックスで受ける疲労感と満足感が心地よく体内を漂った。





「ふう―――こんな感じで、終わった後に快楽の影響が残ることはない。

 あれだけ射精を繰り返しても、脱水症状に陥ることもない。

 頭もさっきまではぶっ壊れていたけど、今は至って普通に思考も会話もできる」





「はぁ〜っ……スゴかったぁっ」





 中山さんも先程までの気をやった表情から、いつもの可愛らしい笑顔に戻る。





「こっ、こんなのっ……あ、あり得ないっ!

 これが時生の魔法だっていうの!? そ、そんなのあるわけないじゃないっ!」





「別にどう認識してくれても構わないが、狂っていた俺達が単なる演技じゃないのは、お前もよく分かっているだろ?

 頭が壊れちゃいないことも」





「そっ、それにしたって……こ、こんなもの味わったら……!

 か、快楽にかまけて、大切な時間を無駄にしてしまうわっ!」





 既に快楽にかまけてしまいそうなことは、本人も予見しているようだ。

 人生観がひっくり返るような快楽を知り、その表情は当初より随分と弛んでいる。だが復活した理性が、快楽に溺れることを拒否しているのだろう。

 ならば更なる安心感を与えてやればいい。





「―――なあ、ルイザの服を脱がせてから大体どれぐらい時間が経ったか分かるか?」





「そ、そんなこと聞かれても……あ、あまりにすごすぎて時間なんて……に、2、30分以上は経ったかしら……?」





「いや、6分だ」





「う、嘘っ……6分!? あなた達も長い間、し、していたのよっ!? そんなのどう考えてもおかしいわっ!」





 時計が示す時間を見て、高根は驚愕する。

 無理もない。実際は高根が言っていることが正しいのだから。

 だが俺達がタイムリープを繰り返して味わった計20分の時間は、ゴミ箱に捨てられてなかったことになっている。

 その他の時間を合わせても、俺達はすぐに絶頂に達しているため、ほとんど時間を要していないのだ。





「嘘じゃないよ。満保君は短い時間の中で、まるで永遠みたいに長い間イかせてくれるの。

 だから時間を無駄になんてしてないんだよっ」





「そうだ。頭も壊さない。時間も無駄にしない。大学に行っている間はしっかり勉強しながら、家では最高に気持ちいいセックスを味わえる。

 どれだけ快楽を貪ったところで、なにも失わないし、なにも犠牲にならない。

 それでもなお―――お前は俺達の幸せを否定するのか?」





 俺は高根に向かって鋭く問い詰めた。すると―――





「私が―――あなた達と出会ったのは……間違いだった」





 高根はポツリ、ポツリと心情を語り始めた。





「こんなもの……こんな快楽、知ってはならないものだった。

 こんな快楽を憶えてしまったら、人生が滅茶苦茶になってしまう。

 こんなこと、すべきじゃなかった。

 あなたに惹かれてしまったことは―――私の間違いだった」





 粛々と語る言葉に、高根の様々な後悔を感じさせる。

 快楽を認めながらも間違いだったと結論付ける高根が取る行動は、決別か、拒絶か、失意か、それとも―――





「さっきは―――そう思ったわ。

 でももしあなたの言うとおり、時間や才能、そして今まで積み重ねてきた努力が無駄にならずに、この幸福感を味わえるのだとしたら―――

 それを否定するなんて……できないわ」





 高根から出たのは、肯定だった。

 その言葉に、俺と中山さんはニヤリと笑みを浮かべた。

 そして高根自身もまた、ゾクゾクと身を震わせながら、湧き上がる笑みを抑えられないでいた。





「否定なんて、む、無理よこんなの……

 人生でこれ程の幸福感を味わえるなんて、他にあるわけないっ。

 こんなに気持ちいいことが味わえるなんて……! さ、最高だわっ!

 こ、こんなにすごいのっ、ノーベル賞を取ったって無理よ! セックスに夢中になっちゃうに決まってる!

 気持ちいいなんてもんじゃないわっ! き、究極よっ! こっこんなにすごい快楽を、何も失わずに味わえるなんてっ、わ、笑っちゃうわ!」





 高根が手の平で腕をさすりながら、身の粟立ちに堪える。





「あっ、あなた達っ、な、なんてすごいことしてるのっ!? すごすぎるわっ!

 あはっ、あはははっ! 爽快だわっ!」





 高根はとうとう腹を抱えて笑い始めた。





「あ〜、おっかしい。

 表ではあんなに優秀な人間を装っておきながら、裏でこんな快楽に興じてたのねっ。

 それを可能にしてるだなんて……時生、あなた、すごすぎるわっ! 世界一―――いえ、宇宙一の才能……まさに魔法だわっ!」





 先程は底辺だのクズだの言っていたのに、俺をとうとう宇宙一にまで持ち上げた。その変わりように、俺はなんとも言えない達成感を覚えた。





「そうだよルイルイッ。満保君は宇宙一すごいんだよっ。

 ルイルイが満保君のすごさを知ってくれて、私とっても嬉しいっ!」





 高根の体に中山さんが優しく寄り添う。

 二人の美女が裸で抱き合う光景は、なんとも素晴らしい。





「他の何を持ってしても得られないような快楽に溺れながら、名声を欲しいままにするなんてっ……これ以上の愉悦があるかしらっ!

 やっぱり―――私はなにも間違ってなかった……! 全部正しかったのよ!

 あなた達が狂ってるってことも、あなたが私の見込んだ才能の持ち主だってことも、あなたを好きになったことも!」





 高根が歓喜の声を上げる。そして俺にこの上ない羨望の眼差しを送った。





「一つだけ間違っていたのは、私が意地っ張りで、嘘つきで、浅はかな女だったってことね……

 時生―――お願い、美玖と一緒に私もあなたの女にして。そして―――

 私をあなたと同じ、淫らな天才にして。

 こんなにすごいものを味わわせておいて、今更ダメなんて嫌よ」





 その言葉に、ようやく俺の溜飲が下がった。

 そして新たな女―――それもとびきりの美女を獲得したことに、この上ない喜びを感じた。





「俺の愛する中山さんが、そう望んでくれたんだ。ダメなわけないだろ。

 これからお前に、極限の快楽で脳みそをグチャグチャにブチ壊しながら、天才の道を歩ませてやるよ」





 俺が笑顔でそういうと、高根は目から一筋の涙をこぼしながら、最高に歪んだ笑みを浮かべた―――





三章





『31-魔法の真実』





********************************************





「これから二人には、俺の”魔法”について詳しく知ってもらおうと思う」





 未だ全裸でベッドに座る二人に向かって、俺は真剣な顔を浮かべる。





「魔法って……さっきのアレはやっぱり、特別な何か(・・)をしているの?」





「ああ。物理的にあり得ないことを行っているから、魔法と認識してもらって構わない。

 なぜこんなことが可能なのか、俺自身も分からない。ただ何ができるかだけは分かっている。

 それを今から二人に見せようと思う」





 俺はもし高根が堕ちたときは、アプリを使った能力について全て打ち明けようと思っていた。

 その理由は三つある。

 まず一つ目は、高根程の天才を相手にアプリを使いまくれば、いずれ違和感の正体に気付くかもしれないと考えたからだ。

 いずれなんらかの違和感に気付かれるとしたら、初めから説明しておいた方がいい。





 そして二つ目は、これからアプリを使って、二人と最高にエロいことを満喫するためだ。

 初めから分かっていれば、どんなことでも挑戦できる。

 特に中山さんは、もっと変態的なセックスを楽しみたがっていた。

 アプリを活用すれば、もっともっと色んな変態行為に手を染められる―――





 俺は今後に行うであろう、様々な変態行為に想いを馳せながら、スマホを手にした。





「二人とも、まずは時計の時間を確認してくれ」





「えっと……部屋の時計は19時30分ね」





「私の携帯も同じ時間だよっ」





「二人ともそのまま時計を見ていてくれ」





 俺は二人に時間を確認させ、アプリを開いて5分前を指定し、時間を保存する。そして、できたファイルをゴミ箱に入れた。すると―――





「あ、あれ? 私今、ちゃんと時計を見ていたはずなのに……」





「あれ? 私の携帯は……?」





 視線が突如時計から逸れたことに、高根が驚く。

 そして中山さんも、急に手の平から携帯が無くなったことに戸惑いを見せた。





「二人とも、もう一度時間を確認してみて」





「えっ……う、嘘よっ……19時……25分!?」





「わ、私の携帯もっ……!」





「そう。俺達の世界は今、5分前に時間が巻き戻ったんだ。

 俺が指定する時間を変えれば、もっと何年も前にも戻れる。

 このタイムリープ能力が、俺が使える魔法の一つだ」





 高根はそんなばかなと首を振り、中山さんは納得したように頷いた。

 本来高根の反応が普通だが、中山さんは幾度となくこのアプリの効果を味わっている。

 ゆえにタイムリープしていると聞いてもすんなり理解できたのだろう。





「そ、そんなの……物理法則が滅茶苦茶だわっ!

 じっ、時間は不可逆なのよっ!?」





「どういう物理法則に従ってそうなっているのかは分からん。

 ひょっとしたら俺の魔法を引き金として、過去、あるいは別時間軸の量子ともつれ状態にある全ての量子が、瞬時に量子テレポーテーションを起こしているのかもしれないが……

 そのためには未だ仮説段階である多元宇宙論の証明と、いかにして瞬時に万物の量子テレポーテーションを引き起こすのかを解明する必要があるが……その説明は今の科学力では不可能だ。

 ただ実験的に現象を証明することは可能だ。

 二人とも、ベッドを降りて服を着てくれ」





 未だ訝しげに頭をひねりながら、二人は俺の指示に従う。

 そして二人とも服を着たところで、もう一度5分前のタイムリープを起こした。





「えっ!? ふっ、服がっ……!」





「またベッドに戻ってるっ!」





 二人はまたもや全裸の状態でベッドに戻され、驚きおののいた。

 中山さんは感激に目を輝かせ、高根は目をパチクリと開きながら呆然としている。





「これが一つ目の魔法だ。

 そしてもう一つの魔法だが、これに関しては二人とも既に体験している」





「それって、まさか……」





「あの……ずっごく気持ちよくなれる魔法のこと?」





「そう。実はあの魔法は、俺が指定した時間内の肉体経験を、指定した分だけ倍増させているんだ。

 勉強なら勉強にかけた回数や時間、運動なら肉体への運動経験、セックスならその疲労と快感。

 それらを過去に経験したものや、これから経験するもの全てを、好きなだけ倍増できる」





「そっ、そんなの……もはやっ、は、反則じゃないっ」





「まあ、そうだな……我ながら反則だと思う」





「あなたひょっとして……東大の入試で満点を取れたのも……それを使ってカンニングしたからなの?」





 ここまでの話を聞けば、誰だってそう思うだろう。高根から疑惑の目を向けられ、俺は気まずく顔を掻いた。





「いや、一応試験はきちんと受けた。

 タイムリープはケアレスミスがないか確認するために、一度だけ使用した。

 元々の俺の学力だと、仮にカンニングしたとしても問題の意味すら分からず、解答を一人で導き出すこともできなかったと思う。

 もしネットとかで質問して解答を得たところで、問題流出が発覚して問題の差し替えが起これば、永遠に合格に辿り着けないことになってしまうし。

 ただまぁ……反則級の能力で今の学力を身に付けたのは確かだから、チートを使って満点を取ったのは間違いない」





 俺がチート能力で東大に満点合格したことを知り、高根は驚きと共に言葉を失う。

 まあ、そりゃあそういう反応になるよな。





「だから―――中山さん。実は中山さんが理想だと言ってくれたこの体も、この能力を使って得たものなんだ。

 今まで黙ってて、ごめん」





 中山さんは先程、俺に真実を打ち明けてくれた。だから今度は俺の方が本当のことを話す番だ。

 これが―――全てを話そうと思った三つ目の理由だ。





 俺は中山さんに向かって頭を下げる。すると―――





「満保君がどんな魔法を使って今の満保君になったかとか―――そんなこと、関係ないよ」





 中山さんは優しい笑顔で、そう言った。





「私、知ってるよ。

 満保君がある時から一所懸命、授業のノートを取るようになったこと。

 周りには寝ている子も居たのに、そんな中満保君は、一所懸命教科書を読んで、先生の話を聞いていたこと。

 最初は大変そうにしていた体育も、一所懸命走っていたこと。

 私と付き合ってくれた後も、毎日欠かさずトレーニングしていたこと」





 中山さんの言葉に、俺は衝撃を受けた。

 中山さんはそんな風に、俺を見てくれていたのか。





「どれだけ経験を増やせるかとか、そんなの関係ないよ。それだって満保君だけの素敵な才能だもん。

 それに―――どれだけすごい才能を持っていても、毎日一所懸命努力を続けるなんて、誰にでもできることじゃないよ」





 俺が毎日続けたタスクなんて、些細なものだ。だが中山さんはそれを、俺の努力だと言ってくれた。

 そのことに心から嬉しさが込み上げ、思わず目が潤んだ。





「どんな力を使っていたとしても、そんな満保君を好きになったのは私。

 満保君とお近付きになりたいと思って、満保を誘ったのも私。

 そしてこんなにすごい能力を持っていたんだって知って―――私、やっぱり満保君を好きになって本当によかったって思ってる!」





「俺もっ……君に好きになってもらえてっ、本当によかったと思ってる……!

 ずっと、中山さんの彼氏になれたらって思いながら、君をずっと見ていたんだ……!」





 俺は涙を滲ませながら、中山さんをギュッと抱きしめた。

 本当のことを話しても受け入れてもらえたことがあまりにも嬉しくて、涙がこぼれた。すると―――





「ち、ちょっと……あ、あなた達だけで盛り上がらないでよ……

 わ、私だって時生のことが、す、好きなんだから……」





 二人の世界で盛り上がる俺達に、高根が一人寂しく嫉妬心を募らせていた。





「ルイザは、俺が能力を使って今の学力を得たことを知っても、軽蔑しないのか?」





「軽蔑? とんでもないわ。

 改めてあなたの特別さを思い知らされたところよっ!

 いい? あなたがやっていることはとんでもないことなのよ!?

 誰だって特別な能力で特別な人間になりたいと思ってるの! 私だってそんな力があったら、色んなことに使いたいわっ!

 だけどあなたはその能力を、自分の学力向上や身体を鍛えることに使ったのよ!?

 普通そんな力があったらそんな努力なんてせずに、適当に試験問題を覗き見て、自分の都合のいい結果だけを得ようとするわっ!

 それが自分の力で東大を満点合格!?そんなの卑怯のうちにも入らないわっ!

 そんなの第三者からすれば、単にあなたが優れた能力を使って、普通に満点を取っただけじゃないっ!」





 そうか。

 他人からすれば、俺がなにを使って能力を駆使しているのか分からない。

 肝心のスマホやアプリだって俺にしか触れないし、俺にしか見えない。

 俺にとってはこのアプリを駆使すれば、望む結果を得やすいと分かっていたから小さなタスクを重ねられたわけだが、他人からすればアプリを使ったチートも、俺の身に備わった一つの才能に過ぎないのだ。





 要するに真実を知ったところで他人から見た俺は、ある日突然ものすごく物覚えがよくなり、ものすごく運動の結果を得やすい体質に変わったという認識でしかないのだ。





「それに―――さっきの話だと、その能力を他人にも使えるわけよね?」





「あ、ああ。俺がやっていることと同じことを選んだ人に適用することで、同じだけ肉体経験を増幅したり、記憶を残してタイムリープさせたりできる」





「だ、だったら―――今後私が学ぶ時間についても、同じことができるのね……?」





 高根がやや期待の籠もった目で見上げてくる。

 その視線に俺は、高根が一体なにを考えているのか、おおよその察しがついた。





「ああ……さっき言った通りだ。誰も及ばない程、天才科学者としての道を歩ませてやるよ」





 単に勉強ができれば良い科学者になれるわけではない。

 長年の研究を重ねた科学者が、突発的な偶然や一瞬のひらめきによって、新たな発見を導き出す例も多々ある。

 だがこのアプリは単なる学習時間の積み重ねに留まらない。

 俺が短時間で量子力学やフランス映画の知識を身に付けられたように、人生を懸けて費やすような研究を、短時間に凝縮することだってできる。もしそれを実行すれば、最年少でのノーベル物理学賞の受賞だって夢じゃないかもしれない。





「あなたって本当に……恐ろしいくらい、すごい男ね……

 でも、そんなあなたに運命を感じた私も、我ながら誇らしいわ」





「運命……?」





 唐突にスピリチュアルな言葉が飛び出し、俺は首を傾げた。





「あなた達も色々秘密を打ち明けたみたいだから、今度は私の番ね……」





 そう述べると高根はギュッと目を瞑り、ふぅっと息を吐く。

 そして、意を決したように目を見開いた―――





三章





『32-高根ルイザの真実』





「私、時生には優秀な話し相手が欲しいとか、見た目も合格だとか、偉そうなこと言っちゃったけど―――本当はそんなんじゃないわ。

 もちろんあなたが入学生代表だったことや、見た目が良かったこともそのきっかけではあるけど。

 でもあなたを入学式で見たあの時の感覚は―――そんな言葉では言い尽くせないわ」





「というと……?」





 俺は未だ意図が読めないでいた。それのどこが今までの内容と違うというのか。すると―――





「ひとめぼれ……だったんだよね?」





 代わりに中山が高根に向かって問いかけた。高根はその補足にコクリと頷く。





「私もあんなの……人生で初めての感覚だったから、最初はそう思わなかったわ。

 自分でいうのもなんだけど、私ほどの天才美女が、いくら多少お洒落に着飾った入学生代表だからって、ひとめぼれなんてするわけないって」





 本当に「自分でいうのもなんだけど」な言葉が飛び出し、俺は思わず苦笑いする。

 だが、対する高根はその後も真剣な目だった。





「でも―――あの日あなたを見たときに感じた、まるで私の心臓があなたの重力に引っ張られるような感覚……あれがどうしても気になって、毎日勉強や趣味も手につかなくなったの。

 それであなたがどれだけ優秀な人間なのか、確認しようと思ったの。

 あなたの科類で、他に優秀な人を探して、満保時生が何点で代表に選ばれたのかまで調べて……

 そしたら恐らく満点合格だったってことが分かって、驚いたわ」





 高根は今までとは全く異なる、実に感情豊かな表情で、俺と出会うまでの経緯を語り始めた。





「いくら受験科目が違うとはいえ、私ですら満点を取れなかった科目を、あなたが満点を取っていたなんて。

 しかもたまにキャンパスで見かけた時の体格はガッチリしていて、服装もオシャレにしてて、勉強だけに時間を費やしてきたわけじゃないことがひと目で分かったわ。

 その時確信したの。

 きっと、この人の隠れた才能に惹かれたんだわ! って―――」





「それで、俺に近付いて来たのか……」





 あのぶっきらぼうな態度の裏に、まさかこれ程の感情を湧き起こしていたとは露知らず、俺は驚きを隠せなかった。





「ふふっ、笑っちゃうでしょ?

 あなたに話しかける時なんか、もっと上手く会話してあなたの気を引くつもりだったのに……あまりの緊張で、あんなぎこちない態度になっちゃって。

 それでも約束通り待ち合わせ場所に来てくれた時なんか、嬉しくて心臓が張り裂けそうだったわ。

 その後他愛もない会話でもしながらゆっくりあなたと歩きたかったのに、私一言も喋れずに早歩きで進んじゃって。

 それでもあなたが、私のお気に入りのお店を褒めてくれて、先にドアを開けて待っててくれた時なんて、もう好きで好きでどうしようもないくらい、あなたに恋してしまったわ!」





 まるで聞いているこっちが小っ恥ずかしくなるような真実。

 高根が顔を真っ赤にして喋る傍ら、俺も耳まで赤くなって俯く。

 そんな俺達の姿を、中山さんだけがニコニコと嬉しそうに聞いていた。





「私の話ばっかりして、それなのに全部真剣に言葉を返してくれてっ!

 私の趣味なんかっ、あなたが詳しくなくても当然なのにっ!

 それでもちゃんと全部合わせてくれてっ!

 こっ、これであなたを好きにならないなんてっ、無理よ! ゾッコンよゾッコン!

 ああもうあなたと語リ合ったフランス映画みたいに、すべてを投げ出して恋の旅に出たいっ!

 今までのすべてを捨ててでも、あなたと添い遂げたいっ!

 そんな気持ちで一杯だったわ!」





 やばい。なんだこの女子は。

 最初のイメージが崩れまくっていく。

 可愛すぎるだろっ。

 なんだよそれっ、言葉と本音が全然違うじゃねーか!





 先程まで憎たらしい高飛車だった女が、どんどん愛おしく見えていく。





「でも―――プライドだらけのいじらしい言葉だったけど……勇気を振り絞って、あなたに告白した時……彼女がいるって言われて……

 急に心が真っ暗になったの。

 他に女がいる……当然よね。私がこれだけ恋に落ちた男だもの。

 私より先に好きになっている女なんて、いくらでもいるわ。

 でもそれが悔しくて、悔しくてっ……!

 私以外の女があなたと付き合っている現実が、受け入れられなくてっ……!

 それで、醜い嫉妬心に駆られた私は……つい、あんなことを口走ってしまったの……」





 高根は俺の逆鱗に触れた例のやり取りを口にし、下を向いた。それは怒りではなく、後悔の表情だった。





「あなたが見初めた女なのだから、そんな女性じゃないとは、正直思ったわ。

 それにあなたをとても怒らせてしまったことも……

 でも覆水は盆に返らない。あなたが怒って、もう二度と私と会ってくれないかもしれない……そう覚悟したわ。

 でも、あなたは怒って去るどころか、再び私が関心を持っている物理の例え話から、私を諭してくれたわ。

 それなのに私は、自分の発した暴言に引っ込みがつかなくなって……それにどうやらあなたと彼女が、に、肉体的な関係にあることもあなたの態度で分かって……更に嫉妬に狂ってしまったわ。

 わ、私だって、あなたとそうなることを妄想していたのに。

 あなたがさっき私に聞いた、じ、自慰の件だって、本当は最近の話よ……

 今までは全くそういうことに興味もなかったのに、あなたを想像して、み、淫らにアソコを掻き回していたわっ!」





 あの高根ルイザが、俺をオカズにオナニーしていた。

 あまりに衝撃的すぎる言葉に、俺の股間がムクムクと盛り上がる。





「ほっ、本当はっ、快楽の有用性なんて、実証するまでもなかったのよ!

 でも時生に出会うまでの私は、快楽や自堕落な行為に溺れて生きている人間を軽蔑の目で見ていた……

 だからそんな私自身があなたに性的な関心を向けている事実が、あまりにも恥ずかしくて、こんな自分を認められなくて……

 でも話は、あなたが私の悶々とした肉体的欲求を満たしてくれる流れになったの。

 その時に実証実験なんていう都合のいい言葉に乗って、あわよくばあなたに抱かれるついでに、その彼女と別れさせてやればいいなんて卑劣な考えを思い付いてしまって、ここまで来てしまったわ……」





 高根は心底気まずい表情で中山さんの方を見る。

 だが中山さんはそれを許すように、ニコリと微笑んで高根の肩に手を添えた。





「でも……美玖の姿を見て、美玖と話をしてみて、完敗だと思ったわ。

 可愛くて、料理も上手で、優しくて、素直で、私みたいな女が急に上がり込んできても笑顔で受け入れてくれて、私のファンだなんて言ってくれて、そ、それに、とても魅力的な体も持ってて……

 ああ、この子を差し置いて時生と恋人になるなんて、無理だと悟ったの。

 それであなた達に失言を謝って、帰ろうとしたの。

 でもそれから、あ、あんなことになって……突然、夢にまで見た、好きな人のい、陰茎を見させられて、あなた達二人が愛し合う姿を目の前で見せ付けられて―――

 自分が一番見たかったものと見たくない光景を、同時に見させられたのよ?

 じ、自分でもわけわかんないくらい取り乱してしまったわ……」





 高根があそこまで性を拒絶していたのは、プライドの高さと、自身が生まれて初めて抱いた性欲への羞恥の思い、そして年頃の乙女らしい嫉妬心ゆえの態度だったのだ。

 俺、そして中山さんは、自分達の舞い上がった行動にバツ悪く苦笑いを浮かべた。





「でも今、改めて思うわ。

 あなたと出会えて、本当によかった……って。

 そして美玖が私のファンだと言ってくれて、私を受け入れようとまでしてくれて、感謝の言葉しかないわ」





 高根の屈託のない笑みに、俺達も笑って寄り添う。そして―――





「だからね、時生。

 もう一度ちゃんと、私を抱いてくれるかしら?」





「そりゃあ願ってもない話さ」





「美玖……私も一緒に愛してもらっても、いい?」





「もちろんっ。憧れだったルイルイと一緒にエッチなことしたいって、私から満保君にお願いしたんだからっ」





 俺達の了承を受け、高根は再びニコリと微笑んだ。





「あっ、で、でも……は、初めては、その……ふ、普通にして欲しいわっ。

 時生の魔法は、痛いのも二倍になっちゃうんでしょ……?」





「そ、そうだな。

 だったら、うんと気持ちよくしてから挿れるか、一回挿れた後にその経験だけ後から増幅すれば、痛いのは一瞬だけですぐに慣らすことも―――」





 俺が破瓜の痛みを緩和しようとあれこれ提案すると、高根は首を振って俺の手をギュッと握りしめた。





「いいの―――初めての痛みは、全部覚えておきたいから……」





 そういうと高根はそっと目を閉じ、俺の抱擁を待った。

 俺は余計な気遣いだったことを悟り、高根の唇にそっとキスをする。

 そしてそのまま細い体をベッドにゆっくりと横たわらせ、上から覆い被さった―――





三章





『33-多目的トイレ』





 あれから俺達は、三人でセックス三昧の生活を送っていた。

 三昧―――とはいっても、高根は毎日自分の家に帰るため、俺達の家では相変わらず中山さんとのラブラブ生活だが。

 一応中山さんから高根と一緒に住みたいとの提案もあったが、実家通いで門限もあるため、それは難しいとのことだった。

 なので学校が終われば即二人で俺の家に直行し、三人でとにかくセックス。

 高根も自分の本心を打ち明けてからは、素直に自身の性的欲望をさらけ出してくれている。

 しかも中山さんのルイルイ大好き攻撃により、少しその場を離れれば、俺抜きでも二人でレズプレイを始める始末だ。





「ああんっ、みっ、美玖っ」





「ルイルイッ! 可愛いよぉルイルイ〜ッ!」





『ヌチュッヌチュッグチュッ』





 二人の美女が激しくディープキスを交わしながら、股を擦り合わせる光景は、この世のどんなオカズよりも情欲を滾らせる。

 俺達は三人で愛し合いながら、グチャグチャに混ざり合う日々を満喫していた。





 そんな日常を送っていれば、否応なく高根の性欲も増していき、しまいには―――





「B棟の多目的トイレに今すぐ来て」





 学校にいる時にすら、メールで急な呼び出しが来るようになった。しかも場所はトイレときた。

 周りをキョロキョロと見回しながら中に入ると、そこには高根が頬を赤らめながら立っていた。





『カチャカチャッ』





 入るなり何も言わず、俺のズボンを下ろしにかかる。

 俺は無言でトイレの鍵を締めた。





「なんだ、家まで待てなかったのか?」





「ええ、待てなかったわ。というより……待つ意味なんてないから、待つのはやめにしたの」





 時間が無駄にならず、体への影響も残らないため、高根は堪えるという理性すら捨て去り、いつでも好き放題に俺を求めてくるようになった。





「こんなところでヤッてたら周りに気付かれるぞ?」





「そんなの、あなたの能力でなかったことにすればいいじゃない。

 私声我慢しないから、時生もガンガン突きまくって。

 もちろん快楽も倍増させてね」





 そう言いながら高根はスカートを上げ、既にショーツを脱いだお尻をこちらに向けてきた。

 マンコからはグチョリと愛液が滴る。





「まったくスケベな女だな」





「あなたがこんな女にしたのよっ」





「これを俺のせいにするかぁ? まあ否めないけど。

 それじゃあ何回イキたいのか言ってみろよ」





「最大何回繰り返せるのだったかしら」





「回数だと一応999回だな」





「なら999回イかせて」





 こいつはとんでもない女になったと―――末恐ろしく思いつつ、内心では喜びを禁じ得なかった。





「それじゃ、999回イキまくるとします……かっ!」





『ズチュッ!』





「んぁアアッ!!」





 勢いよくマンコを打ち付けると、高根は高い鳴き声を響かせた。





「ああ……やっぱ高根のマンコっ、マジで気持ちいいよ……っ!」





 快感を二倍にしているとはいえ、この名器には思わず称賛が漏れる。





「ンァアッ! だっ、ダメよっ!? あなたは美玖のものでもっ、あるんだからぁっ!」





「中山さんもっ、最高に……決まってるだろっ!」





「あぁあん! でっ、でもっ……! 時生のオチンポもっ……きっ、キモチイイわぁあーーーっ!」





『パンパンパンパンッ!』





 卑猥な破裂音と共に、高根の喘ぎ声が響き渡る。

 やはり隠す気はまったく無いようだ。むしろバレたがってる節すらある。

 案の定トイレの外の方が、ざわざわと騒がしくなってきた。





「ほらっ! 脳細胞がブチブチ潰れていくのを感じろっ!

 天才からどんどんバカになっていくぞ!

 狂えっ! 脳汁垂らしまくってぶっ壊れろっ!」





「あぁあんっ! 脳味噌ぶっ壊してぇえーー! 天才脳味噌ぶっ壊すのぎんもぢいぃーーーっ!

 私っ……! 高根ルイザはぁっ! みっ、満保時生とぉっ、トイレでバカみたいにセックスしてるのぉおーーー!」





 高根はわざと外に聞こえる声で叫んだ。

 その声に反応し、外は更に騒がしくなる。

 当然だろう。あの大学いちの美女と称される高根ルイザが、大学のトイレで男とセックスしているなんて、大スクープだ。





『パンパンパンパンッ!』





「あぁーーーっ! スッゴイ! こんなのっ……最高に興奮しちゃうぅーーーっ!

 もっとぉ! もっとオチンポで私のオマンコメッチャクチャに突きまくってぇえーーー! 私のスケベなオマンコグチャグチャにしてぇーーー!」





 高根は更に卑猥な言葉を吐きまくり、自身の興奮を高める。

 その声を受けて、外では携帯のシャッター音や、録音する音がピロピロと鳴りまくった。

 これには俺も頭が沸騰しそうな程に気持ちが昂ぶった。





「あぁあっ……いっ、イクぞっ……! で、出るっ!」





「わっ、私もイクッ! イクイクイクッ! ちょうだいっ! すんごい気持ちいいのちょうだいっ! イッ……クウゥゥーーーーッ!」





『ドビュルルーーッ!』





 すかさず俺はマクロを再生する。快感を三倍に増やし、回数は高根のお望み通り、999回を指定した。





『ドビュッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ! ビュルルッ!』





「かはっ……あがっ、うぎっ、イグッ、出る、イグッ、うぐっ」





「いんぐっ! いぐっ! んおっ! んほぉっ! ぎもぢっ! まらぎもぢっ! いんぐっ! イグゥッ!」





 絶頂地獄なんてよくいうが、こんなの地獄なわけあるか。

 天国だ。ひたすら天国。

 もうわけ分からないくらい気持ちいい。

 永遠に終わらない。

 気持ちいいのが終わらない。





 俺達はそのまま長い間、トイレで絶頂し続けた。

 そして体感二、三時間にも及ぶ射精を終えると―――





「ハァーッ、ハァーッ、し、しゅっごっ……しゅごしゅぎっ……」





 高根の髪や服は乱れまくり、汗とよだれと涙でグシャグシャ。完全にイカレた目でヘラヘラと笑顔を浮かべている。

 対する俺も床に崩れ落ち、息も絶え絶えだ。

 トイレの外では恐らく大勢の人間が騒然となっており、中には女の声も混ざってキャーキャーと騒ぎ立てていた。





「こら! そこをどきなさい!

 一体何の騒ぎだ!」





 すると遠くから守衛か大学職員か、大人の男の声がし、流石にまずいと思った俺は慌ててアプリを操作して、トイレに入る前の時間にタイムリープした。

 俺は急いでトイレの方へと向かうと、中から高根が平然とした顔で出てきた。





「すごく……よかったわっ。

 それじゃ、また帰りにね」





 高根はまるで何事もなかったかのように、さらりと別れを告げる。

 いくら体への影響は失っているとはいえ、あまりにも早い切り替えに、俺はなんだかやるせない感情を覚える。





 これじゃまるで性欲処理マシンじゃないか……





 そう思いつつも、高根が去り際に見せた妖艶なウィンクに、俺の心はほだされる。そして不意にピロンと携帯がなり、メールを開くと―――





「とっっっっっても気持ちよかった♡♡♡♡

 皆に聞かれながら大好きな時生に激しく責められて、快感と興奮でもう元に戻れないかとおもっちゃった♡♡♡♡♡

 思わずこのまま時間を戻さずに時生とのエッチな関係を皆に知ってもらいたいなんて考えちゃった♡♡♡♡♡でもそれはダメよねっ

 それに周りにはナイショで時生と隠れてグッチャグチャにセックスするのも、禁断の行為って感じが増してドキドキしちゃうっ♡♡♡♡♡♡

 あ、でも美玖には申し訳ないから、今日は二人でたくさん美玖を可愛がってあげましょ♡♡♡♡♡♡

 愛してる♡♡♡♡♡♡」





 なんっっっつーーー愛しいメールを送ってくんだよこの娘はーーー!!





 表には見せない愛くるしい一面をメールで見させられ、俺は愛おしさでその場に転げ回りそうになる。





 ダメだ。

 日に日に高根ルイザという女が可愛くてどうしようもなくなってくる。

 しかも中山さんのことをいつも気遣うところも、中山さんラブの俺にとってはポイントが高すぎる。

 こんな一面を最初から知っていれば、俺は速攻で高根に惚れていただろう。





 このように大学ですらセックスに励む日常へと変わったが、そんな中でも俺達は、セックスばかりをしているわけではなかった。

 昼休みや互いに講義のない時間があると、大学の図書館に通ったり、大学論文のデータベースを閲覧して高根の勉強に付き合っている。

 俺の能力が勉学にも役立つと知った高根は、約束通り俺を引き連れてはひたすら学術書や論文を読み耽った。

 勉強時間をコピーしたり、あるいはゴミ箱に入れて時間を節約するために、その間は常に手を繋いでいる。

 そんなバカップル丸出しのような行為をしていれば、当然ながら俺達二人の中には、途中に高根の手が俺のチンコに伸びてきたり、俺の手が高根のおっぱいやマンコを弄ったり、果ては高根が俺の上に跨り図書館でおっ始めた記憶も、長時間分含まれているが。

 まあ基本的には飽きるほどセックスをして、集中が続く限り他のことをするといった感じだ。





 そしてそれを抜きにしても他の学生の中でも、俺達が仲睦まじく一緒にいるところはそこかしこで目撃されており――――





「な、なぁ時生っ! あの後結局高根さんと付き合ったってマジかよ!」





 とうとう俺の友人からも問い詰められる事態となってしまった。





「あー……まぁ、そんな感じかなぁ」





 中山さんとは互いに付き合っているという認識を持っているが、高根との関係は未だになんと呼んでいいのか分からず、曖昧に返答する。

 まああそこまでしておいて付き合っていないというのは、高根に対して誠意がなさすぎるため、付き合っていると言っていいだろう。

 とはいえ二股を認めることが、果たして誠意と呼べるのかは甚だ疑問だが……





「か〜〜〜っ! やっぱり本当なのかよ〜〜〜!」





「ほら! 高根さんがそう言ってたって噂なんだから、間違いないって言っただろ!」





 どうやら高根の方も、俺と付き合っていることを周囲に認めているらしい。

 二股に関してはひとまず置いておき、それならば俺も安心して彼女と呼べる。

 それにしても、仲のいい友人達にも知られてしまったとあっては、やはりボッチ生活確定だろうか……

 なんていう不安を抱いたところ―――





「ちっくしょ〜〜〜時生なら仕方ねえか〜〜〜」





「時生が相手だったら、諦めざるを得ねえよなぁ」





「モテる男が羨ましいぜ! おい時生、今度高根さんの友達紹介してくれよっ!」





 友人達は俺を妬んで無視したりすることなく、今まで通りに接してくれた。

 俺は不安が杞憂となったことに安堵したが、そういえば―――と、昔高校や大学にいたモテ男やリア充の奴らの姿を、ふと思い出した。

 あいつらはモテるからといって周りから避けられたりなどしていなかった。

 それどころかモテる男の周りには、異性だけでなく同性もたくさん集まっていた。

 単におこぼれにあやかりたいのか、あるいはイケてる奴と一緒にいることで自分もリア充集団の一員になりたいのか、あるいはモテる男は同性の人望を集める性格になりやすいのか。

 いずれにせよモテる男でボッチな奴なんて、一人もいなかったことに、今更ながら気が付く。





 知らないうちに俺は、夢に見たリア充集団の中心になっていたんだな。





 未だに実感は湧かないが、昔の俺からは想像も付かない今の生活に、俺は生まれて初めて自分の人生を喜べた気がした―――





四章





『34-デート』





 家に帰った後、俺と高根は中山さんを嫌というほど可愛がった。

 快感を増幅した状態で中山さんの体を二人がかりで愛撫し、ひたすら中山さんを突きまくってよがらせてあげた。

 その後は高根ともセックスし、最後には三人とも無我夢中で混ざり合う肉団子状態でイキ狂った。





 そして今俺達は、高根が家に帰るまでの残りの時間を、三人で三角の形で寝そべりながら、互いの股間をペロペロと舐めあっていた。





「あぁんっ、ね、ねえっ……! 明日土曜日だからっ、みっ、皆でお出かけしたいなぁっ」





『ジュルッジュポッジュポッ』





「そういえばっ、そういう約束してたねっ……うっ!

 いっ、色んなところで変態セックスがしたいんだったよね」





『レロッレロッピチャッ』





「んぁっ、あら、いいじゃないっ!

 美玖はどこでどんなセックスがしたいのっ? んんっ」





『ジュルルッレロロッ』





 三人とも目の前の性器にしゃぶりつきながら、当たり前のようにセックスの話をしている。

 この貞操観や理性を捨て去った思考と行為が最高に淫らで、この上ない幸せを感じさせる。





「私はぁ〜、お買い物中に隠れて試着室でエッチしたりいっ、細い路地とかでしてみたりぃっ……!

 あっ、あと駅から家までずっとエッチしながら歩いてっ、人が来たら時間を戻してっ、おうちに着くまでどれだけかかるかゲームとかどうかなっ!」





「中々楽しそうねそれっ!

 でもっ、じ、時間を戻すなら隠れる必要なんてないんじゃないっ?

 電車の中で堂々とセックスしたり、渋谷の交差点のど真ん中でセックスしましょうよ」





「そんなことしたらすぐに警察とかが駆けつけて、止めに入られて続けらんないだろっ」





「あらそうかしらっ? 日本人なんて皆事なかれ主義で自分が関わるのを嫌うんだから、どうせ遠くから携帯でも構えて眺めてるだけよっ

 そこで何回イケるかゲームしましょうっ」





「私は人に見られちゃうかもっていうところで隠れてするのはドキドキするけどぉっ、ひ、人の前で堂々とエッチするのはなんだか恥ずかしいなぁっ……

 み、満保君以外の男の人に自分から見せるのも、ちょっと……」





 二人が異なる趣向で卑猥なゲームの案を出す。

 正直どちらもぶっ飛んでいてサイコーだ。





「時生はどう思うっ?

 時生はどっちのセックスがいいのかしら?」





「そうだなぁ〜っ、おっ、俺はっ、どっちも興奮するけどっ、でもやっぱり二人のエロい姿を色んな男に見られるのは癪かな」





「そ、そうっ……なのねっ」





「なんだか嬉しいっ」





 俺が他の男に見せたくないと言うと、二人は嬉しそうに頬を赤らめた。





「でっ、でも私が時生としてる時はっ、たとえ誰に見られようとも途中で止めたりしないわよっ!

 どうせなかったことにできるのにっ、誰かに見られたくらいで快楽を止めるなんて馬鹿げたこと、絶対にしないからっ!

 時生もちゃんと付き合いなさいよっ!」





「わっ、分かったよっ……!」





「あっ、でも私もっ、中高生でエッチなことに興味がありそうな女の子とかだったら、見せてあげてもいいかなぁっ」





「なっ、中山さんのそれは一番ヤバいからっ……!」





 もはや俺がたじろぐ程に、二人の暴走思考がヒートアップしていく。





「え、どうしてぇ? 私は私みたいなエッチな女の子が増えてくれた方が嬉しいなぁっ」





「それは別にいいんじゃない? むしろセックスの良さを教えてあげてもいいくらいよっ」





「いやいやダメだろっ!」





「「ええ〜っ」」





 俺がキツく制止すると、二人はふて腐れて不満を漏らす。

 いくらタイムリープできるとはいえ、超えちゃいけないラインというのが俺の中にはあるのだが、どうやらこの二人には伝わらないらしい。





「とりあえずっ! 明日はいつでもどこでも好きなときにセックスするから!

 倫理的にヤバいと思ったことは全部なかったことにするからなっ!」





「はぁい」





「分かったわよっ」





 ひとまず二人は納得してくれたようで安堵する。やれやれ。明日は二人の願望に付き合わされて、アプリを何度も開く羽目になりそうだ。

 とはいえ明日はどんな変態行為をしてやろうかと、思わず期待に胸と股間が膨らむのも事実だ。

 その後も俺達はああしよう、こうしようと、実に歪んだ趣向に気持ちを昂ぶらせながら、今日最後の快感を満足のゆくまで味わった―――





 翌日、俺達は表向きにはショッピング、その裏では公然わいせつ行為という目的の元、三人で若者の街へと繰り出した。

 行きの電車では三人でボックス席に座り、周りの目を伺いながら卑猥な行為を楽しんだ。





『ジュルッジュブブッ』





「ちょ、な、中山さんっ……音がデカいよっ」





 俺の股には中山さんの頭があり、下品な音を立ててチンポを頬張っている。





「ンンッ……だ、大丈夫よこれくらいっ……誰も見ちゃいないわっ」





 そういう高根の方は、椅子の上でM字開脚をしながら、バイブでアソコを掻き回していた。

 中山さんの方にもバイブが入っており、両方とも俺のポケットに入ったリモコンにより操作されている。

 もちろんいつでもセックスできるように、二人とも自ら進んでミニスカートを履いている。





 バレても時間を戻せるが、バレるたびにいちいちいタイムリープしていてはいつまで経っても駅に到着しないため、一応バレないように気を遣いながら性行為に及ぶ約束だ。

 だが中山さんも高根も、行為に全く遠慮が見られない。

 果たしてこれは幸先が良いのか悪いのか―――





 その後俺達は、何度かのタイムリープを繰り返しながらも、なんとか街へと辿り着いた。





「―――わぁ〜っ、この服可愛い〜!」





「そうかしら。こっちの方が美玖に似合うんじゃない?」





 だが気付けば中山さんも高根も、当初の目的も忘れて表向きであったショッピングを普通に楽しんでいた。

 あれだけ変態したいと盛り上がっていたはずなのに、こうなると妙な肩透かしを食らってしまう。





 やはり二人とも性根は普通の女子なんだな。





 俺とのセックスに心酔しているとはいっても、別に肉体的な依存状態となるような影響は何も残っていない。

 ゆえに初めてのデートで、しかも仲のいい女子と共に買い物となれば、そっちに意識が向いて当然だったのだ。





 俺は一人ポツンと取り残され、二人がキャッキャと楽しむ様子を、喪失感満載の状態で眺めていた。





 こうやって二人とデートを楽しむのもいいけど、こうなると中途半端に残った性欲が辛いぞ……

 仕方ない。

 楽しい雰囲気を壊すのも気が引けるが、二人には当初の目的を思い出してもらおうかな―――





 そんなことを考えながらポケットに手を突っ込み、バイブのスイッチを触ろうとしたその時だった―――





「みなさーん! こんにちはー!」





 店の外から大きな声が鳴り響き、思わずそちらに目が向く。

 するとそこには移動式のステージに立つ、一人の少女の姿があった。





四章





『35-アイドル』





 派手なヒラヒラ衣装と、どデカいリボンを頭に付け、ピンク色のボブヘアーを揺らしながらマイクを片手に笑顔を振りまく。





「キャッー! しずくちゃーん!」





「ほっしーだ! ほっしーがいるぞ!」





 その姿を見た通行人達が、驚きと共にステージの方へと集まっていく。





「突然ですが、今からここでゲリラライブを開催したいと思いまーす!」





 どうやらアイドルのイベントが行われるらしい。

一帯が大歓声に包まれ、人の波がステージへと押し寄せる。





「えっ……嘘っ! ほっしー!? ほっしーが来てるのっ!?」





 先程までショッピングを楽しんでいた中山さんまでもが、ステージの方へ注目する。

 すると何やら昔テレビで聴いた覚えのある曲が流れ始めた。





「ほっしー……ああ、あの星宮しずくか!」





 耳に残るキャッチーなメロディと、特徴的な名前に、俺もすぐにそのアイドルのことを思い出した。

 俺が学生の頃、一人のアイドルが日本に旋風を巻き起こす。

 ネット動画サイトに配信されたデビューソングのMVが、日本だけでなく海外の一部でも話題となり、トップ歌手として一気にスターダムを駆け上がった。





 派手なメイクにポップな衣装、そして意味不明な歌詞をリズムよく歌い上げる彼女のスタイルは、当時の若者の流行最先端となり、日本のKYAWAII文化を代表するアイドルとして国内外で持て囃された。





 俺が三十を過ぎた頃にはすっかり鳴りを潜めてしまったが、彼女の功績はその後のアイドル・女性歌手業界に多大なる影響を遺した。





「へぇ〜、中山さんは星宮しずくも好きだったんだ」





「当然だよぉ〜! ルイルイに続く、私にとって第二の憧れの女の子だよ!

 私ちょっと、行ってくるね!」





 すると中山さんは手に持っていた洋服を戻し、外へと走り出してしまった。

 気付けば店員すらも仕事を放棄し、窓に張り付いてステージを眺めている。

 そして店内には俺と高根だけがポツンと取り残されてしまった。





「ど、どうする? 俺達も見に行くか?」





「い、いえ……私はいいわ」





 一応高根も誘ってみるが、高根は何やら気まずそうにステージから視線を逸していた。





「そ、そっか。それじゃあ……誰も見てないし、ここでセックスでもするか?」





「え、ええと……こ、こんなところでしたら、す、ステージから見えちゃうかもしれないじゃない」





「でも見つかったら無かったことにすればいいんだろ?」





「そ、そうだけど……でも、今はちょっと……」





 見つからずにセックスするという当初の目的からすれば、絶好のタイミングのような気もするが、高根は歯切れの悪い言葉を述べて乗ってこない。

 あのアイドルに何かあるんだろうか。

 そう思いながらステージの方を見ると、そこで歌っている星宮しずくが、なにやら驚いたように目を見開き、笑顔でこちらに手を振っている。





「お、おい……星宮しずくがこっちを見て手を振っている気がするんだが」





「き、気のせいでしょ。終わるまで美玖のことは放っておいて、さっさと他のところに行きましょっ」





 高根は星宮のライブなどお構いなしに、そそくさと出ようとする。すると―――





「おっ、おい……なんだか星宮しずくがスンゲー泣きそうな顔でこっちを見てるぞっ。

 あ、今なんかちょっと小さい声で『行かないで』って言った気が―――」





 星宮は明らかに高根の行方を目で追っかけている。しかも先程から一向に反応を示さない高根を見て、歌声すら震えているように聞こえる。





「わ、分かったわよ! 見ればいいんでしょ! 見れば!

 時生っ! 見終わったらすぐに美玖を連れてここを離れるわよ!」





「お、おう……」





 高根が心底煩わしそうに、腕を組みながらステージを見やる。

 すると再び星宮の表情は笑顔に変わり、楽しそうに一曲を歌い上げた―――





「―――はぁ〜、すごかったぁ〜。

 生で観るほっしー、とっても可愛いかったなぁ〜」





 ゲリラライブが終わると、中山さんはご満悦の表情で俺達のところへ戻ってきた。





「な、中山さんって、ルイザだけじゃなく星宮しずくのこともそんなに好きだったんだ……」





「当然だよぉっ! ほっしーはルイルイがいた事務所と同じところに所属してたんだよ!

 最初はルイルイが圧倒的に人気だったけど、ルイルイが引退してからはほっしーが事務所の看板を背負って大活躍してたんだよぉっ!」





 中山さんが本人を前に、高根ルイザと星宮しずくのプロフィールを熱く語り始めた。

 この様子から察するに、どうやら中山さんは可愛い女の子に目がないようだ。





「そうだったのか……てことはやっぱりさっきのは、星宮しずくがルイザに気付いてたってことか。

 ならどうしてルイザはその場から逃げようとしてたんだ?」





「え!? さっきほっしーが手を振ってたのって、ルイルイに向けてだったの!?

 すごーーい! ほっしーとルイルイのコラボなんて、超レアなシチュエーションだよぉー!」





 俺と中山さんから注目を受け、高根はバツが悪そうに視線を逸した。





「わ、私……あの子ちょっと苦手なのよ……」





「ええーーー!? そんなっ、ルイルイあんまりだよぉ〜〜〜っ!」





「うわ〜、芸能界の裏を知ってしまった気分だ……」





 高根の爆弾発言に中山さんはショックを受け、俺はやや引き気味に視線を送る。





「ちっ、違うわよ! 確かにしずは事務所の後輩だし、私を慕ってくれていたから別に嫌っているとかじゃなくて……

 ただ、ちょっと面倒なところがあって―――」





 高根がなにやらモゴモゴと言葉を濁していると―――





「ルイせんぱぁ〜〜〜い!」





 向こうから手を振りながら走ってくる少女の姿があった。

 キャップを深く被り、ダボダボのスウェットにジーンズ、更には太い黒縁の眼鏡にマスクまで付けている。

 これはどう見ても怪しい風貌だ。というより―――





「し、しずっ……!?」





 高根は怪しい人物の姿に、分かりやすく狼狽えた。

 これは確実に、星宮しずく本人で間違いない。





「えっ!? ほ、ほっし――モガッ!」

『ガバッ』

「ち、ちょっと美玖……! 大声で呼ばないで……!」





 その少女が星宮しずくであることに気付いた中山さんは、テンションが上がって一瞬その名前を叫びそうになるが、すぐさま高根の手によって遮られる。





「ルイせんぱぁいっ! しずのライブ観に来てくれたんですねぇ〜!

 すっごく嬉しいですぅ〜〜!」





「あ、ちょっと……しずっ、は、離れなさいっ!」





「はぁ〜〜っ、久々のルイ先輩の匂い〜〜〜っ! クンカクンカッ」





 高根が星宮を引き剥がそうと頭を押さえるも、星宮は強く抱き着き離れようとしない。





 あ、こいつ変態だ。

 変態の類いだ。





 高根の匂いを嗅ぎながら光悦の表情を浮かべる星宮に、俺は怪しい気配を感じ取る。すると―――





「あ〜〜っ! こっちの女の子も可愛い〜〜っ!

 しっ、しかも爆乳ッ……! デヘッ、デヘヘッ!」





 次はあろうことか、中山さんにターゲットを向けた。





「ほ、ほっしーがっ、わっ私に迫ってる……!?

 すっ、すごい……! おっ、おいでおいでっ!」





「ハッハッハッ……! バクニュウ……バクニュウ……!」





 ダメだ。

 こいつは危険な奴だ。

 このままじゃ二人ともこの場で発情して、乱痴気騒ぎを起こしてしまう。





 二匹の獣が鼻息荒く迫ろうとしている状況に焦り始めると―――





「お、おいっ……あそこにほっしーがいるぞ!」





「な、なんでこんなところに……って―――あれ高根ルイザじゃね!?」





「ほ、ほんとだ! おい! 星宮しずくと高根ルイザのツーショットだ!」





 すると周りの人間達が高根と星宮の存在に気付き始め、場が騒がしくなってくる。





「ああっもう! だから言わんこっちゃない!

 時生! 美玖! 逃げるわよ!」





「え、あ、うん」





「ええ〜っ! せっかくほっしーと会えたのにぃ〜!」





 人集りができ始める中、俺達は高根に先導されて慌ててその場を離れた。





「―――はぁっ、はぁっ……よ、ようやく撒けたわねっ」





 ようやく人の多い場所を抜け、俺達は人気のない街路へと辿り着いた。





「てっ、ていうかっ……時間をゲリラライブの前に戻して、他の場所に行けばよかったんじゃ―――」





 どんなピンチな状況だろうと、アプリを使えば乗り切れる。

 こんな風に逃げ回る必要もなかったのではと、俺は提案するも―――





「そっ、そんなのダメだよっ!

 せっかくほっしーをあんな近くで見れたのにっ!」





 どうやら中山さんは、星宮しずくとの出会った事実を消滅させられることに反対のようだ。





「―――まぁひとまず、どこかで休憩でもするか……」





「それじゃあ、あそこに行きましょ」





 俺が休憩を提案すると、高根がとある建物を指差す。

 それはピンクの看板が光る、どう見ても明らかなラブホテルだった。





「へえ、高根が普通にラブホテルに行きたがるなんて意外だな。昨日は人前でしたいとか言っていた癖に」





「さ、流石にあんなハプニングがあった後では、人前でする気になんてなれないわよっ!」





 俺がニヤニヤと目配せすると、高根は顔を真っ赤にして目を背ける。





「でも私も、皆でああいうところに行ってみたいと思ってたんだぁ〜」





 中山さんもラブホテルには興味があるようで、妖艶な雰囲気を醸し出す建物を興味深そうに眺めている。

 そういえば俺もラブホテルは初めてだな……

 生まれて初めてのラブホを美女と三人で……これは中々に胸が躍る展開だ。





「そ、それに走ったせいで、あ、アソコがもう……」





「わ、私も……もう我慢できないよぉ〜」





 そういえば二人とも、バイブを挿れっぱなしにしていたことを忘れていた。

 二人がモジモジと体をくねらせる姿に、俺も股間が滾る。





「そ、それじゃあここで休憩しよっか」





「うんっ! 楽しみだなぁ~っ」





「OK。でもゆっくり休ませたりなんかしないわよ?」





「さんせー」





 俺は三人の意思を確認し、人生初のラブホテルに入ろうとしたところで―――





「え……三人?」





 一人謎の声が入ってきたような気がして、思わず振り向く。

 中山さんと高根も気付いたようで、同じ方に顔を向ける。すると―――





「ん? どうしたのー?

 皆でホテル行くんでしょー?」





 なぜか星宮しずくの姿が、そこにあった。





四章





『36-先輩と後輩』





「え!? ちょ、ちょっと、なんであなたがここにいるの!?」





 高根がものすごい勢いで迫り、星宮を問い詰めた。





「えー、だってせっかくルイ先輩と会えたのにいなくなっちゃうんだもん!

 だから皆の後を追いかけちゃいましたー!」





 星宮は無邪気な笑みを浮かべながら、平然と答えた。





「そっ、それにあなた、今私達と一緒に行くって……」





「だってこれから皆でエッチなことするんですよねー?

 だったらしずも一緒にしたーい!」





「えええ!?」





 突然、俺達の情事にトップアイドルが混ざると言い始め、俺達は驚愕する。





「え、いや、ちょっと、星宮しずく……さん?

 君、ルイザの後輩なんだよね?

 そ、その、年齢とか……」





 俺達は全員大学一年生。つまりその後輩となると、その下となる。

 流石にそれはマズイ。

 というより出会って間もないアイドルとラブホテルでセックスなんて、とんでもない状況だ。





「えーでも私一応4月生まれですよー? ラブホテルに入れるのって確か15歳? 16歳でしたっけー?」





「18歳だよっっ!」





 大事なことなので俺は大声で叫ぶ。だが星宮は未だすっとぼけた顔で首を傾げていた。

 4月生まれということは、18歳か……? でも仮にそうだとしても高〇生……

 い、いやいやルイザの後輩とはいってもあくまで事務所のだ!

 まだ年下と決まったわけじゃない! うん! そう信じよう!





 俺が危険な可能性から逃げる言い訳を必死に考えていると―――





「私の年齢なんてどうでもいいじゃないですかー。

 ていうかさっきからぁ―――あなた誰ですかー?」





「―――は?」





 いや、誰って……さっきから一緒にいるだろ。

 急に冷たい目で睨みつけられ、俺は思わずたじろぐ。





「知らない男が、私とルイ先輩の間に割り込まないでもらえますかー?

 ていうかあなたルイ先輩のなんなんですかー? ひょっとしてストーカー?」





「ええぇ……いや違うけど……」





 突然犯罪者扱いされ、俺は思わずムッとしてしまう。

 すると高根が「ハァ」と溜息をつきながら腕を組み―――





「その人は満保時生。私と同じ大学の1年生で、私の……か、彼氏よ」





 俺に代わって高根が俺達の関係を説明してくれた。

 すると星宮は一瞬ポカンとするが、すぐさま笑顔を取り戻す。





「え、いやいやー。まさかあのルイ先輩が彼氏とかー。

 悪い冗談はやめてくださいよー。あ! あれですか?

 変な男が寄ってこないように連れ歩いてる、仮面彼氏とか彼氏(仮)ってやつですよね!?

 あのルイ先輩が男なんかと付き合うとかー、絶対あり得ないですもんねー? ね?」





「ち、違うわよ! ち、ちゃんと付き合ってる、せ、正式な彼氏よ……

 そ、そうよね時生……?」





「あ、ああ……そうだよ」





 あまりにも全否定されたせいか高根が不安そうに確認してきたため、俺からも肯定する。

 だが星宮は未だ信じられない様子で、いやいやと首を振る。





「いやー絶対信じないですよそれー。

 だってもし付き合ってるとして、他にも可愛い女の子を連れてデートとか、絶対あり得ないじゃないですかー。

 流石に嘘が下手すぎますよルイせんぱーい。

 本当はその爆乳美少女と付き合ってるんですよねー? しずは最初から分かってましたよーっ!

 女子同士の恋愛への理解に乏しいクソ社会のせいで、一応の体裁として男を連れてるだけですよね!?

 本当は二人だけでホテルに入るつもりだったんですよね!? そうですよね!?」





 すると星宮は中山さんの方を指差しながら、勝手に納得したようにウンウンと頷く。





「え、えっと、一応……っていうか、元々この子の方が先に、時生と付き合ってるわ……」





 高根が真実を打ち明けると、中山さんは照れ臭そうにエヘヘと笑った。





「―――は? え? なんですか、それ。てことは二股?

 二股で、なおかつ三人で堂々と付き合ってるってことですか?」





「そ、そうなるわね……」





 高根が気まずそうに肯定し、中山さんも恥ずかしそうにコクリと頷いた。





「あ、あり得ない……そんなの絶対あり得ない……!

 あ、あの、あのルイ先輩が……男と付き合った挙句に、二股男の、に、二番手に甘んじるなんて……」





「ち、ちょっと……じ、事実だけど、いくらなんでもその言い方は失礼じゃない?」





 高根は二番手という表現に思わず不満を漏らすが、そんな言葉は耳に入らない様子で、星宮はわなわなと肩を震わせた。





「―――ルイ先輩っ……このクソ男からどんな酷い脅しを受けてるんですか!?

 卑怯な脅しでこんなに可愛い女子二人を侍らせてっ……許せない!

 私の力で社会的に抹殺してやるー!」





「ええぇ!? し、社会的に抹殺って……!

 いやいやっ、そんなことしてないからっ!」





 とうとう身の危険を感じる言葉まで発し、俺は慌てて弁明する。だが―――





「うるさいうるさいうるさーい!

 こんな冴えない醜男にルイ先輩がたぶらかされるなんてあり得ないんだからー!

 顔写真と本名をネットにアップして炎上させてやるー!」





「や、やめてくれーーー!!」





 俺は携帯を構える星宮を必死に制止する。

 脅したりなんかしていないが、二股なのは事実だ。

 もしそんな状況であることないこと色々書かれたら、俺の第二の人生はおしまいだ。

 やむを得ない……中山さんには悪いけど、ここはタイムリープして―――





「やめなさいしず。時生に失礼よ、謝って」





 高根が真剣な顔で星宮の暴挙を止めに入った。





「でっでもルイ先輩っ! こんな二股男と付き合うなんてっ、そんなのルイ先輩じゃないですよー! きっとこの男に騙されてるんですっ! 目を覚ましてくださいー!」





 星宮は涙目になりながら高根の肩をグラグラと揺らす。

 だが高根は真剣な表情を崩さなかった。





「時生は元々美玖と付き合ってた。そんな二人の間に私が無理やり割り込んで、私からお願いして付き合ってもらったの。だから私のことは好きに蔑んでくれていいわ。

 でも私がこの世で一番尊敬していて、一番愛している人に対して、失礼なことを言うのは止めて。

  そんな風に時生をけなしたら、この関係を許してくれた私の大切な親友の美玖にも失礼だわ。今すぐ謝って」





「ル、ルイザ……!」





「ルイルイッ……!」





 高根の俺達への想いが詰まった言葉に、俺と中山さんは目に感動の涙を浮かべる。

 対する星宮は、未だ納得できない顔で奥歯を噛みしめていた。





「……嫌です。そんなの絶対認められませんっ! 私はルイ先輩に憧れてこの世界に入ったんですっ!

 なんでも完璧にできちゃうほど才能に溢れてて、皆に愛される美少女で、男なんか目もくれずストイックに努力するルイ先輩に少しでも近づきたくて、これまで頑張ってきたんですっ!

 それなのにっ……男なんかと付き合っただけじゃなく……二股男の愛人に自ら成り下がるなんてっ……! そんなのっ……私が知ってるルイ先輩じゃないですっ!」





 星宮は涙を散らしながら、高根に向かって訴えた。

 対する高根の方は、視線を地面に逸らしながら、

「だからしずには会いたくなかったのよ……」

 と、ポツリと呟いた。





 それからしばらくの間、場には無言が流れた。

 星宮は涙を堪えるように下を向き、高根は目を逸らしながら腕を組む。

 そんな二人にかける言葉が見つからず、俺も中山さんも、ただ黙って二人を見つめていた。





「―――分かりました。あのルイ先輩がそこまで入れ込むってことは、よっぽど特別な男なんですよね、その人」





「ええ―――そうね。この私が二番手を甘んじて受け入れる程の男よ。

 唯一無二、史上最高、オンリーワン、ナンバーワン、他のどの男……いえ―――どんな人間も及ばない圧倒的宇宙一のスーパーヒューマンだわ」





 星宮の強い視線に、高根はニヤリと笑って応える。





 いや、流石にそれは褒めすぎだろ……

 俺は内心で謙遜するも、中山さんもコクコクと激しく頷いて同意している。

 しょせんはアプリの力によるものだが、ここまで褒め倒されると、照れるあまり全身が痒くて仕方がない。

 すると星宮は、高根の言葉になにか決意めいた表情を浮かべた。





「分かりましたっ。なら―――満保時生、私と勝負してくださいっ!」





「へ―――勝負?」





 突然なにを言うかと思えば、勝負とは一体どういうことだ?





 意味の分からない言葉に、他の二人もポカンと口を開ける。





「私もルイ先輩に負けないよう、必死に努力してここまで登りつめたんですっ。

 もし私と勝負して、私に勝てないような男なら……ルイ先輩とは別れて、今後一切ルイ先輩には近づかないでくださいっ!」





「え、ええ~……なにそれ……急すぎるんだけど」





「ち、ちょっとしずっ! なに勝手なこと言ってるのよ!」





 あまりにも一方的な申し出に、三人ともあたふたと困惑する。





「それとも……私にも勝てないような男なのに、ルイ先輩はその人を宇宙一だとかオンリーワンだとか思い込んでるんですか?」





「い、いや、そうじゃないけど……あなたと時生が勝負だなんで、あ、あまりにも急すぎるから……」





「私がこの男に勝って、ルイ先輩の目を覚まさせてあげますっ!」





 どうやらもう、高根の言葉も耳に入らないようだ。

 俺に向かって敵意丸出しの顔を向けながら、ファイティングポーズを取り始めている。

 一体なんの勝負をしようというのか。まさかボクシングじゃないだろうな……





「えっと……もしほっしーが負けたら……?」





 すると中山さんからも質問が飛ぶ。

 そうだ。勝負だというなら、もし星宮が負けた場合はどうなるのか。

 星宮の方だけ一方的な要望を言って、負けたら好きに付き合えとか言われるのであれば、こんな奴のことなど無視すればいい。

 だが星宮の方はまったく動じる様子もなく―――





「もし私が負けたら―――この星宮しずくが、その男の犬にでも何でもなってあげますよっ!」





 よほど絶対的な自信があるのか、星宮は小さな胸を張りながら、とんでもないことを豪語した―――





四章





『37-勝負』





 結局俺達は成り行きのまま、星宮に先導され決戦の場へと向かっていた。

 揚々と歩く星宮の表情は、自信とやる気に満ちている。

 俺は訝しく、高根は溜息混じりに、中山さんは不安そうにその後を追う。

 幾ばくか道を歩いていると、不意に星宮が立ち止まり振り返った。





「ここが勝負の場所です! ここはルイ先輩が息抜きに、私を何度か連れてきてくれた思い出の場所でもあります!」





「えっと、ここって……」





『カキーン』





 渇いた打撃音に上を見ると、そこにはバッティングセンターの看板があった。





「どっちが先にホームランを打つか、それで勝負を決めましょう!」





「い、いやいや、なんで野球!?

 俺野球なんかほとんど経験ないんだけど!?」





「ちょっとしず! 勝負するにしたって、あなた一人でなんでも勝手に決めないでよ!」





 俺の野球経験なんて、小学生の時に友達と公園で遊んだり、高校の体育でソフトボールをやった程度だ。

 そんな競技で勝負するなんて、たまったもんじゃない。だが―――





「えー? 高根先輩が宇宙一とまで称した男がぁー、女子との野球勝負にすら勝てないんですかぁー?

 そんな男の二番手で満足するとかぁー、ルイ先輩落ちるとこまで落ちちゃった感じですかぁー?」





「な―――なんですってぇ!?」





 星宮の見え透いた挑発に、高根はわかりやすく腹を立てる。すると高根はわなわなと身を震わせ―――





「……時生。しずを叩きのめしなさい」





「ええ!?」





 高根から勝利を命ぜられ、俺は堪らず狼狽える。





「時生ならなにがどう転んでも負けないわ。絶対にね。

 いい? 絶(・)対(・)に勝つのよ?」





「は、はい」





 高根の口ぶりだと、アプリを使って勝てということなのだろう。

 だがアプリを使ったところで、今から野球の猛練習をするわけにもいかない。

 何回もひたすら挑戦すれば、勝てないこともないかもしれないが―――





「ホ、ホームランが出るまでやれと……」





 高根からの恐ろしい指令に、俺は思わず身震いした。





 中に入ると、星宮は最速ピッチングマシンが置かれたコーナーへと一直線に進んでいく。

 そして勢いよく扉を開け、バッターボックスへと入っていった。

 俺も渋々ながら横のバッターボックスに立つ。





「もちろん球速はマックスだから! 先にあのホームランの看板に当てた方が勝ちってことで!」





 そういいながら星宮はヘルメットを被り、ブンブンと勢いよくバットを振り回す。





「時生! 腰を低く構えるのよ! 下半身で振るのよ、下半身!」





「満保くーん、がんばってー!」





 二人の彼女から励まされるも、俺は陰鬱に苦笑いを浮かべることしかできない。

 備え付けの機械にコインを入れ、バッターボックスに立つ。すると―――





『ドスン!!』





 俺の目の前に白い残像を残しながら、剛速球が通り過ぎて行った。





「は、速ぇ……」





 こんなの打てっこない。

 体は鍛えているから、当たればなんとかなるかもしれないが、こんな豪速球に初心者がバットを振ったところで、恐らくはかすりもしない。

 俺は完全に怖気づきながら、チラリと隣のバッターボックスを見ると―――





『カキーン!』





「えっ―――」





 星宮の鋭いスイングに弾かれ、あわやホームランという高さまでボールが飛んで行った。





「ふっふー。あれぇー? どうしたんですかぁー? 随分腰が引けてるように見えますけどぉー。

 これじゃああと数球で勝負はついちゃいますかねー?」





 星宮はニヤリと笑みを浮かべ、次のボールを待つ。

 やれやれ……これはかなり骨が折れるぞ。





 俺はすぐさまポケットに手を突っ込み、アプリを駆使する作戦を実行した―――





『カキーン』

『ガァーン』

『ホームラーーーーン』





 何百回、何千回と時間を繰り返した後、ようやく俺の打球はホームランの看板にまぐれ当たりした。





「な、なんでぇー!? た、たった一球でホームランなんて、あ、あり得ないぃーーー!」





 俺以外の人間にとっては俺が一球でホームランを仕留めたことになっており、星宮は愕然と崩れ落ちた。





「流石だわ、時生」





「満保君すっごーい!」





 今回は俺だけの完全なタイムリープを使ったため、二人の目にも一発で勝負が決したように映っている。

 だが俺が何をしたのか分かっている高根は、ニヤリと笑みを浮かべながら満足そうに頷いた。





「あ、当たった……! 当たった……!」





 対する俺は、幾度となくバッティングを繰り返したことで、精神的な負担に思わず膝をついた。

 体に疲労はまったくないが、あれだけ何度もバッティングを繰り返したのだから、もうたったの一球だって打ちたくない。





「こんなのまぐれに決まってる! も、もう一回! もう一回だけ勝負してぇー!」





「まぐれだろうがなんだろうが、時生の勝ちよ。

 さっさと負けを認めなさい」





 納得のいかない星宮に対し、高根は仁王立ちできっぱりと告げる。





「うぅ~~~っ! わ、分かりました……野球で負けたことは認めます……」





 すると星宮は渋々と負けを認め、悔しそうに項垂れた。





「それじゃあ次は……別の競技で勝負です!」





「はぁ~? ちょっとしず! 流石に往生際が悪いわよ!」





「こんな野球に勝ったくらいで、史上最高オンリーワン宇宙一だとは認められません!

 もしそうだとルイ先輩が言い切るなら、他の勝負に勝ってからにしてください!」





「ええぇ~……まだやるの?」





 俺以外は皆一瞬しか経っていないが、俺にとっては地獄の時間だ。

 こんなことをやらされるなんて、たまったもんじゃない。だが―――





「し、仕方ないわね……時生! しずが納得するまでケチョンケチョンに倒してあげて!」





「私も満保君のすごいところもっと見たーい!

 そ、それに星ルイペアと色々遊べるなんて……! 激レアすぎるよぉ~~っ」





 頼みの綱である彼女達にも煽られ、俺は無限バトル地獄へと真っ逆さまに落ちていった―――





 次なる場所は、複合アミューズメント施設へと移る。





「次はビリヤードで勝負です! ルールはナインボールでいいですね!?」





「いや、俺ビリヤードなんてやったことないんだけど……」





 バットの次は細長い棒を持たされ、俺は心底ウンザリと立ち尽くしていた。





「簡単よ。あの白い球を突いて、番号の小さい球に当てるの。小さい番号から順に落としていって、球が一つも落ちなかったらプレイヤー交代。そして9番の球を落とした方が勝ちよ。

 ちなみに当てた球が9番を弾いて落ちれば、その時点で9番を落としたプレイヤーの勝利となるわ」





「なるほど……」





 ルールは分かったが、これまた途方もないタイムリープを繰り返しそうなゲームだ。





「それじゃあまずは私がブレイクショットを打ちますね!」





 星宮が球に向かってキューを構える。

 そして綺麗なフォームで白球を弾くと―――





『パキンッ!』





 球が勢いよく四方に発散し、一つのボールが穴へと落ちていく。





「チッ、ブレイクエースは逃したかー」





 なにがなんだかよく分からないが、星宮は不満そうに舌打ちをする。





「ブレイクショットで9番を落とすことよ」





 俺が首を傾げていると、高根が横から説明を入れてくれる。





「でもまぁプレイは継続なので、このままブレイクランアウト狙っちゃいますからねー!」





「ブ、ブレイクラン……?」





「ブレイクから一度もミスせずに、すべての球をポケットすることよ」





 果たしてこんな状況で俺が勝てるのだろうか……

 一抹の不安を覚えながら、俺は球の行方を追い続けた―――





『パキュンッ』





「わー、ルイルイ上手ーっ」

「美玖も中々筋がいいわ」





 俺と星宮が勝負している隣で、中山さんと高根もビリヤードを楽しんでいた。

 ちなみに時折チラチラと見える二人のパンツには、既に卑猥な物体は取り払われている。

 こんな状況になってまで、なおもバイブを挿れながら遊ぶ気には、流石の二人もなれなかったようだ。





 かたや俺の方はというと、さっきから一向に俺の番が回ってこず、ひたすら星宮のプレイを眺めているだけだった。

 結局星宮が一人で6つの球を落としたところで、ようやく俺の番が回ってきた。





「ちぇっ。ちょっと浅かったかぁ……

 でもその位置から7番を落とせるかなぁー?」





 星宮は俺にプレイヤーが回っても、クスクスと余裕な笑みを浮かべていた。

 すると高根が俺の元に近づき、ヒソヒソと耳打ちをする。





「見て時生、9番がポケットの近くにあるわ。だからここは7番を使ってあの9番を落としなさい」





「え……でも初心者の俺に他の球に当ててから別の球を落とすなんて、そんなこと―――」





「落ちるまでやりなさい」





「は、はい」





 俺は言われるままに球を打つ。





『カツンッ』





 だが俺のキューは虚しい音を立てて白球をかすり、コロコロと横に転がっていった。





「……プッ! あははっ! なにそれーーー! 超絶へったくそじゃーん!」





 俺の情けないファウルに、星宮はゲラゲラと笑い転げる。

 俺は恥を堪えながらチラリと高根の顔を見る。

 すると高根は腕を組んだまま、クイと顎でなにかを指示する。





 はいはい分かってますよ。タイムリープすればいいんでしょ……





 俺は深々と溜息をつきながら、ズボンのポケットからスマホを取り出した―――





「な、なんでぇーーーー!?」





 長い、長い時空のはざまからようやく抜け出すと、再び星宮の絶叫が鳴り響いた。

 一体今日だけで何回球を打ったんだ……

 本来ならば手の平が豆だらけになっているだろう。

 だがこうして体にはなんの負担もなく、一発でのまぐれ勝利を手にした。





「……つ、次はボウリング! ボウリングで勝負ですー!」





「ええ……もう勘弁してくれよ……」





 次はまさか、パーフェクトを出すまで球を投げさせられるんじゃないだろうな……





 結局俺の予想通り、その後も色んなところに連れ回されては、ひたすらタイムリープを繰り返す羽目になったのは言うまでもない。





四章





『38-約束』





 ボウリング―――

『ストラーイク! ストラーイク! ストラーイク!……』





「どうしてえぇーーー!?」





 ダーツ―――

『ブル! ブル!スリーインザブラック!』





「そんなばかなぁーーー!?」





 麻雀ゲーム―――

「ククク……ロン! 四暗刻単騎っ……!」





「ひっ……! ひっ……! ひっ……!」

『ぐにゃあ〜〜っ』





 その後すべてのゲームを全勝し、星宮しずくを完膚なきまでに叩きのめした。





「―――あー楽しかったぁ〜」





「そうね。こんなに遊んだのは久々だわ」





 帰り道。

 中山さんと高根の二人は当初の目的も忘れ、初めてのデートを充分満喫した顔で歩いていた。

 完全にグロッキー状態の俺は、よろよろとその後を追う。

 皆は一日分の遊びを楽しんだだけだが、俺は一年毎日通っても遊びきれない時間を、先程のラウンド・ツーで過ごした気がする。

 何度も繰り返したことでフォームは矯正され、ある程度まぐれで結果を出せるようになったが、そのまぐれを出すために何度トライ&エラーを繰り返したことか……





 だがそんな俺の後ろには、星宮が俺よりも深く沈みながら、トボトボと歩いていた。





「あ、あり得なぃ……一つも勝てないなんてぇ……」





 すべての勝負において完璧に負かされ、星宮はまるでこの世の終わりのように落ち込んでいる。





「これで分かったでしょ? 時生がいかに特別で最高でナンバーワンの男か」





 前を歩く高根が得意げに微笑む。

 タイムリープを繰り返したことによるほぼ反則勝ちみたいなものだが、高根は清々しいまでに勝ち誇っている。





「ううっ……は、初めてルイ先輩以外に負けた……それも全部……悔しいっ〜!」





 よほど全敗したのがショックなのか、星宮は目に涙を浮かべながら喚いた。

 でもまぁ星宮の気持ちも分からないでもない。

 正直俺はすべての競技において素人同然だった。

 タイムリープを繰り返したことである程度上達したとはいえ、ほとんどはまぐれ勝利するまでひたすらやり直したに過ぎない。

 対する星宮の方はどの競技においても高い実力を誇っていた。

 それだけ色んなことをハイレベルにこなすには、並々ならぬ努力があったはずだ。

 そんな星宮をズルみたいな方法で負かしたのは、なにやら申し訳ない気持ちすら湧いてくる。





「でも……負けは負けです……

 あのルイ先輩が入れ込む理由も、少しは分かりました……もう別れろなんて言いません」





「よろしい」





 星宮がようやく負けを認めると、高根は満足そうに頷いた。

 まったく―――人生をやり直してからというものの、他人から俺の恋愛に茶々を入れられて、相手を納得させるために悪戦苦闘するシチュエーションばかりだ。

 正直うんざりではあるが、それ程までに贅沢な相手と付き合っているということなのだろう。

 しかもその相手が二人ともなれば、多少他人にとやかく言われても致し方がない。





 今日のところはひとまず相手を納得させられたし、良かったということにしよう。

 そう安堵の溜息をついたところ―――





「―――あっ、そういえば……」





 今度は中山さんの方が、なにやら言いたげに指を立てた。





「ほっしーが負けた時は、どうするんだっけ……?」

「あっ―――」

「げっ……」





 そういえば忘れていた。

 確かに中山さんの言うとおり、お互いの勝敗で約束を決めていた気がする。

 星宮が勝ったときは、俺は高根と別れて金輪際近付かない。

 そして俺が勝ったときは―――





「ふふふっ……しずの首にはどんな首輪が似合うかしら。

 ねえ―――ポチ?」





 そうだ。

 確か星宮が俺の犬になるとか言ってたような……って、あの星宮しずくが俺の犬ぅ!?





 高根の意味深な笑みに、俺と星宮の顔が青ざめる。





「い、いやいや流石に犬なんて、ねえ? ルイザ……さん?」





「あら、約束は約束よ。自分から言ったんですもの。

 自分が負けたからその約束を反故にするなんて、虫がいいにも程があるわよ。ねえポチ?」





「ふっ……ふえぇ〜〜〜っ!」





 高根に煽られ、星宮は堪らず泣き出してしまう。





「いやいや! 流石に現役アイドルの、し、しかもルイザの後輩が俺の犬だなんて、ヤバすぎるだろっ!?

 ち、ちょっと……な、中山さんからも何か言ってあげて!?」





 いくら約束とはいえ、犬なんて……星宮が不憫すぎる。

 しかもそんなことが人に知れては、それこそ本当に社会で生きていけなくなる。

 ここは中山さんに取り持ってもらって、なんとか止めさせないと!





 そう思いながら中山さんの顔を見ると―――





「ほ、ほほほほっしーが……満保君の犬に……!

 えっ、えへへへっ……! 可愛い……! 可愛すぎるぅ〜〜〜っ!」





 中山さんは犬になった星宮しずくを想像しながら、めくるめく妄想の旅に出ていた。





「うえぇ〜〜〜ん! そんなぁ〜〜〜っ!」

「ほらポチ! 鳴くときはちゃんと犬らしく鳴きなさいっ!」

「えへへっ、ほっしーがワンちゃんに……えへへへっ……!」





 この日より俺の生活は、初恋の学園アイドルと天才元子役女優、そして現役プロアイドルによる謎の四角関係に翻弄されることとなった―――





「―――あら、似合ってるじゃない」





「ほっしー可愛い〜!」





「う、うう〜〜っ」





 その後俺達は雑貨屋に訪れ、今後俺の犬となる星宮に付ける首輪を購入した。

 ギザギザのトゲが突き出ており、まるで暴れ犬にでも付けられていそうな―――実にパンクなファッションへと様変わりしていた。





「さて、それじゃあ時生の家に行きましょう」





「え……ここで解散とかじゃなくて?」





 なおもイベントが続きそうな気配に、俺は恐る恐る訊ねる。





「なに言ってるの。これからしずに、時生の犬としての躾と弁えを教えてあげなきゃいけないでしょ」





 なんと。高根は星宮を本当に俺の犬として扱う腹づもりらしい。

 高根は実に不敵な笑みを浮かべており、危険な香りがプンプン漂ってくる。





 高根は元々プライドの高い性格もあってか、実はかなりSっ気があるのかもしれない。





「あー、えーっと、ルイ先輩。

 実は私明日も県外で早くからイベントがあって……

 今日は早く帰らないといけないから、それはまたの機会にということでぇ〜」





 対する星宮は冷や汗を垂らしながら、逃げる算段を立てているようだ。だが―――





「あらそう? マネージャーに確認してみるわね」





「え゛っ」





 すると高根は速攻で携帯を取り出し、どこかに電話をかける。





「もしもし鈴木さん、ご無沙汰しております。

 急で申し訳ないのですが、明日のしずの予定を教えてもらってもいいですか?

 はい……なるほど。明日は終日フリーと……」





 どうやら昔のツテを使って、真実を確かめたようだ。そしてそれが嘘であることも。

 高根の笑顔が恐ろしく引きつっていく。

 星宮が涙を浮かべながら、「ごめんなさい、ごめんなさい」と早口に、ひたすら謝罪の言葉を呟く。





 正直ここまでするかという思いもあるが、先程受けた星宮の煽り文句に、高根は相当腹を立てたようだ。

 高根の冷酷な瞳から、絶対に許すつもりのないことが嫌でも伝わってくる。





「あの後しずは一応私のところで預かってますので、ご心配にはお呼びません。

 ……いえいえとんでもないです。引退した身ではありますが、先輩として私からもしっかり指導しておきますので。はい。それでは」





 高根が電話を終えると、脱走しようと背を向ける星宮の肩を掴み、ニコリと笑みを浮かべた。

 万策尽きた星宮は、ブルブルと震えながら後ろを振り返る。





「どうやら明日はフリーみたいね。

 というわけで……私も家族には、昔の事務所から後輩への教育的指導を頼まれたから今日は帰らないことを、事務所の人に伝えてもらうことになったから―――

 今夜はペットとしてのイロハをみっちり指導してあげるわ、し・ず」





 恐らく星宮がゲリラライブの後即抜け出して俺達を追いかけてきたことで、事務所の人にも迷惑をかけたのだろう。

 そしてルイザの言葉から察するに、それが一度や二度ではないことも。

 高根の作り笑いには、積年の怒りが込められている気がしてならない。





「うぇえ〜〜っ! 許してぇ〜〜〜ルイ先輩〜〜〜っ!」





 泣いて詫びる星宮を無視し、高根はその体を抱えながら、暗闇へとズルズル引きずっていった―――





四章





『39-お手本』





 帰宅後。

 俺の自宅に三人目となる女子が連行―――もとい招き入れられた。

 高根の指示で、ベッドに腰掛ける俺の前に、あの星宮しずくが鎮座している。

 その表情はまるでペットショップから連れてこられた犬そのもので、ぷるぷると震えながら不安そうに、仁王立ちの高根を見上げていた。

 ちなみに頭には中山さんが(なぜか)持っていた犬耳を付けられ、首輪から俺の手まで手綱が伸びている。

 中山さんは目をハートにしながら、鼻息荒くその姿を眺めていた。





「ええと……い、いくらなんでもこれは可哀想なんじゃないかな?」





 俺が助け船を出すと、星宮はものすごい勢いでコクコクと頷き、俺の意見に賛同した。





「私、時生のそういう優しいところ好きよ。

 そうやって私のことも許してくれたし、時生と美玖がいつも優しく私を受け入れてくれることに、私は何度も救われているわ」





 高根は俺と中山さんに向かって、いつもの可愛い微笑みを向けた。





「だ、だったら―――」

「でもそれとこれとは別よっ」





 高根は俺の言葉を遮り、再び厳しい表情で星宮を睨み付けた。





「自分のことを悪く言われても、時生や美玖は最後には笑顔で許してあげるのかもしれないけど……それは自分が言われただけだから許せるのよっ!

 現に時生だって私が美玖のことを何も知らずに悪く言ったら、ものすごく怒ったでしょう? それと同じよっ!」





「そっ、それは……確かに」





 俺は以前の出来事を思い出し、口をつぐむ。

 自分が悪く言われるよりも、好きな人を悪く言われる方が腹が立つ―――人はそういうものなのかもしれない。

 ただ高根が一番怒ったのは、星宮に「落ちるところまで落ちた」と言われたときだったようにも思うが―――





「そして私が時生や美玖の良さを嫌というほど叩き込まれたように、この子にもワカラセてやるわっ!

 自分がいかに愚かだったかを!」





「ひ、ひいぃ〜〜〜っ! な、なにをするんですかぁ〜〜〜っ!?」





 怯える星宮に、不敵な笑みを浮かべながらグイグイと高根が迫る。

 犬としてのイロハなんて言っていたし、一体どんなことを込ませるつもりなのか。





「とはいえ、私も鬼じゃないわ。あなたといえど大切な後輩ですもの。

 覚えることはたった一つだけよ」





 すると高根は星宮に顔を寄せ、優しく微笑んだ。





「ほっ、本当ですかぁ〜〜〜っ!?」





 その笑みに、星宮が必死に縋り付く。





「ええ。あなたが覚えるべきことは―――

 チンチン。

 たったそれだけよ」





「ち、チンチン……?」





 高根から出された指令に、俺と星宮は揃って首を傾げる。





「そ。チンチン。

 チンチンだけ覚えて、チンチンのことだけ考えて、チンチン以外なにもしなくていいの。

 ね? 簡単でしょ?

 どんなバカ犬にだってそれくらいできるわ」





「ほ、本当に……それだけ?」





 チンチンといえば、犬が立つだけの簡単な芸だ。

 あまりにも拍子抜けな内容に、星宮は力が抜けたように肩を落とす。

 とはいえ高根の本性を知る俺は、チンチンというワードに怪しい雰囲気を感じ取る。





「ええ、本当にそれだけよ。

 それじゃあ早速やってもらうわ」





 すると今度は高根が俺の方へと近付く。そして―――





「時生、ズボンとパンツを脱いで」





「やっぱり……」





 予想通り滅茶苦茶な指示を受け、俺は頭を抱える。





「いやだからそれはやばいって……!」

「いいから早く。美玖、私と一緒に時生のズボンを脱がすわよ」

「はぁーい! ワクワクッ」





 戸惑う俺などお構いなしに、高根と中山さんが俺のズボンを無理矢理引き剥がしていく。

 中山さんは既に高根の意図を掴んでいるのか、実に楽しそうな笑みを浮かべながら高根の指示に従っている。





「ああっ……!」

「ひぃっ……!」





 勢いよくズボンを引っ張られ、とうとう俺のチンポが露わになる。

 眼前に晒された卑猥なソレに、星宮は恐怖の悲鳴を上げた。





「さぁ、このオチンポを時生の満足ゆくまでご奉仕するのが、これからしずが果たすべき務めよ。

 ちゃんと満足させられれば、ご褒美に時生がとぉっても気持ちよくしてくれるかもしれないから、頑張りなさい」





「そっ、そんな……! こんな汚いものに奉仕するなんてぇ……絶対嫌ですぅーーーっ!」





 あまりにもぶっ飛んだ命令に、星宮は涙を撒き散らしながら拒絶する。





「ルイザ! 星宮しずくは現役アイドルだぞ!? そんな子にっ―――」

「いいから時生は黙ってて。美玖、代わりにお手本見せてあげられるかしら」





「はぁいっ。ああむっ」





『ジュルルッジュプッジュポッ』





「はうぅっ……!?」





 なし崩しに中山さんのフェラチオを受け、俺は堪らず悶える。





『ジュルルッ! ジュプッジュプッ! グッポグッポグッポ』





 中山さんは激しいディープスロートを開始する。





「ああっ……! くうぅっ……!」





 その間も金玉を優しく揉まれ、菊紋をクリクリと弄られ、俺はあまりの快感に顔をしかめる。





「そう、いいわ。さすが美玖ね。あれぞ一級品のご奉仕よ。

 さすがの私も美玖のテクに比べたらまだまだだわ」





「あっ、あわわわ……」





 中山さんはチンポを喉で激しくしごきつつ、舌を縦横無尽に這わせ、時折捻りを加えたり、甘噛みしたりと、様々な刺激を与えてくる。

 しかも前立腺すら程よく刺激され、とてつもない快感が押し寄せる。

 中山さんの超絶テクニックは、恐らくそこいらの風俗嬢ですら足元にも及ばないレベルにまで達している。経験はないためあくまで予測ではあるが。





「あぁっ…! いっイクッ!」





『ドピュルルッ! ビュルルッ!』





『んくっ、んくっ、ゴキュッ』





 即時射精。

 強制搾精。

 一滴残らず飲み干される。

 あまりの快感に、快感を倍増せずとも頭が真っ白になる。

 もはや中山さんよりも俺の方が、どんどん中山さん無しでは生きていけない体にされているように思える。

 中山さんの手によれば、俺の体なんて一瞬で骨抜きだ。





「ふぅっ……ご馳走様っ」





 そして唇から垂れる精液をペロリと舐め、満面の笑みを浮かべる中山さんの可愛さとエロさときたら……

 再びムクムクと沸き起こる情欲に、俺のチンポは再び硬さを取り戻す。





「さあ、次はしずの番よ。

 まぁ最初からこのレベルを求めるのはさすがに酷だから、少しずつ練習しなさい」





 すると高根は勃ったままのチンポを掴み、星宮の首紐をグッと引っ張った。





「む、無理無理無理無理っ!

 こんなの絶対に無理ぃーーーっ! 嫌だぁーーーっ!

 汚い男の股間を口に入れるなんて死んでもやだぁーーーっ!」





 とうとう星宮の精神は決壊し、まるで駄々っ子のように手足をバタバタさせて抵抗を始めた。





「はぁ……しずの男嫌いは相変わらずの根っからね」





 泣きながら暴れる星宮の姿に、高根は深々と溜息をつく。

 いや、こんなことを急にやれと言われれば、男嫌いでなくとも無理だろうとしか思えないが。





「仕方ないわね……しず。

 あなた、女子ならイケるわよね?

 確か昔、何人かファンの女の子に手を出してたでしょ」





「おにゃのこ!? おにゃのこのオマンマンならいくらでも舐めます!

 むしろ舐めさせてください!

 バター犬のように舐めまくってみせます!」





 女子と聞いた途端、星宮は野犬のごとく息を荒げ、よだれを垂らした。





「そう。なら―――美玖。

 最初のセックスはあなたに譲るわ」





「やったぁーっ!」





 高根に頼まれ、中山さんが嬉しそうに俺のチンポへと跨がる。

 そこに俺の意思を確認する素振りはまったくない。





『ズチュッ』





「あぁんっ!」





「うぐっ……!」





 そのまま中山さんの騎乗位による、生ハメセックスが開始されてしまった。





『パンッパンッパンッパンッ』





「あぁんっ! あぁあんっ!」





「あぁあ……可愛いおにゃのこのオマンマンが……オマンマンが汚されるよぉお〜〜〜っ」





 当たり前のように行われる淫行。

 倫理の失われた光景に、星宮は悲鳴を上げた。





四章





『40-雌犬調教』





『パチュンッパチュンッパチュンッ! バンパンパンパンッ!』





 中山さんの動きがどんどん激しくなる。

 快感を倍増していない状態では、中山さんは物凄い口技や腰技を、当たり前のように駆使してくる。

 俺と中山さんはセックスしているのが普通の状態。より快楽に狂いたくなったときにコピーによって快感を倍増させる。

 もはや普通のセックスなど、中山さんにとっては”常態”なのだ





「あっ、きもちっきもちっ! イッ、イクッ! もうイッちゃうね!? ……ッッイクッうぅ〜〜っ!」





 脳味噌の絶頂までの回路はガバガバとなり、いつでもどこでもすぐにハメてすぐに達する。

 最短で最高の快楽を得るための動きをマスターし、欲しい絶頂をすぐに味わう。

 情緒? ムード? 段取り?

 そんなの関係ない。

 快感が欲しいのだから快感を求めるセックスをし、肉体の欲するままに快感を貪る。





「え、えへっ、き、気持ちイィ〜〜〜ッ」





 頭空っぽにチンポをハメて、手軽に絶頂を楽しむ中山さんの姿があまりにも淫らで、先程イッたばかりだというのにもう射精しそうになる。





「あー、結局今日できなかったから、すっごくムズムズするわね……

 美玖っ、そのまま腰を上げてっ」





「うんっ。実は私も、もう限界だったんだぁ。先に挿れさせてくれてありがとうルイルイッ」





『グチュッ』





 中山さんがチンポを抜き取ると、マンコから大量の汁がボタボタとこぼれ落ちる。

 あまりの量に俺は面食らう。

 チラリと自分の股間を見ると、そこには愛液による水溜りができていた。

 そういえば俺達は、今日色んな変態セックスをするつもりで街に出たのだ。

 二人にはバイブで我慢をさせ、結局セックスできずに終わったのだから、どうやら中山さん達の欲求不満はとんでもないことになっていたらしい。





「はいっ。これならしゃぶれるでしょ? しず」





「え、あ、えと……えぇえええ!?」





 高根が中山さんのマン汁でヒタヒタになった俺のチンポを、星宮に向かって差し出す。





「しずの大好物なんでしょ? 女の子のお汁。

 蜜でたっぷりコーティングしてあげたんだから、遠慮せずに舐めなさい」





「え、う、え、うぇええ!?

 こ、これ!? これぇ!? 嘘っ、な、舐めたっ……いいいやいやそれでも無理無理無理無理! ああっ、で、でもっオマンマンジュースがっ……! ああっ……うえっ」





 とんでもないものを差し出され、星宮は欲望と嫌悪感の狭間で、情緒不安定なリアクションを見せた。

 とはいえ先程からチラリと見るその顔は、目の前で繰り広げられる淫猥な行為に少なからず興奮を覚えているようで、真っ赤に火照っている。

 ゆえに性的なスイッチは入っているのだろうが、いかんせん男のソレへの抵抗心がどうしても拭えないのだろう。





「ほら、自分から時生の犬になるって言ったんでしょ。

 なら犬らしくさっさと舐めなさい。

 ほらっ、ほらぁ〜っ、舐めなさいって言ってるでしょお〜っ?」





 高根が星宮を見下ろしながら、首紐をグイグイと引っ張ってフェラチオを促す。

 こうして見ると、完全にS嬢のそれにしか見えない。





「うぅ〜〜〜っ!」





 対する星宮は、羞恥心と嫌悪感と興奮と屈辱で涙を滲ませ、どうすべきかと判断に迷っている。すると―――





「じ、じゃあ……っ!

 ルイ先輩の蜜も舐めさせてくださいっ!

 そっ、それなら私……ソレ、舐めます!!」





 星宮は条件を提示することで、とうとう覚悟を決めたようだ。

 その言葉に高根はニヤリと笑みを浮かべ、中山さんはキラキラと目を輝かせる。





 俺?

 俺の方はさっきから完全に流れに身を任せる他ない。

 俺だって溜まりに溜まっていたんだ。

 いくら星宮に同情する気持ちがあるとはいえ、中山さんの口とマンコを味わい、目の前には俺でも知っているスーパーアイドルの星宮しずくが、流れ次第で俺のチンポを口に咥えようというのだ。

 そんな状況で俺にできることなどなにもない。あるわけがない。

 ただ結果を見届け、身を任せ、それを甘んじて受け入れる以外に取るべき行動など、何一つない!





 情けなくも俺は、女達にすべてを委ね、ただチンポをおっ勃てて寝そべるだけだった。





「いいわ。私の汁も舐めさせてあげる。

 その代わり、ちゃんと犬らしく肉棒をしゃぶりまくるのよっ!」





 高根は息を荒げながら俺の上に跨がる。そしてそのまま勢いよく腰を落とした。





『ズチュッ!』





「あっっっはぁあ〜〜〜〜んっっ!」





 チンポが子宮を貫いた瞬間、高根は至福の表情でよがり声を上げた。





「たっ、たまんないっ……たまんないぃっ!

 どれだけっ……! 我慢したと思ってるっのぉおーーー!

 これが欲しくて欲しくてたまらなかったのぉおーーーっ!」





『ズチュッズチュッズチュッ!』





 高根が歓喜の叫び声を響かせながら、必死に腰を振る。





「セックスッ! セックスゥッ! セックスウゥゥーーーッ!」





「すっ、スゴッ……あ、あの……夢にまでみたっ……ルイ先輩の、エ、エッチな姿っ……はっ、はぁっ、はぁっ、スゴすぎっ!」





 高根がセックスに狂う姿を、星宮は目を見開いて凝視する。





「ほらっ、しずっ! よく見なさいっ!

 私のオマンコがっ、時生のオチンポでっ、こんなにスケベな汁を垂らしてるのよっ!」





「ああっ、しゅごっ、しゅごいっ」





 高根はグルッと体を回し、股を大きく開いて星宮に結合部を見せつける。

 そしてグイッと首紐を引いて、至近距離まで顔を近付けさせた。





「これが時生のチンポの力よっ!

 私なんてっ、どれだけ天才ぶっててもぉっ、時生とのセックスを前にはぁっ、淫らな女に成り下がるしかないのよぉっっ!」





「うぁっ、あぁっ、ル、ルイしぇんぱいぃ……」





 憧れのルイザが乱れ狂う光景に、星宮は涙を流しながら必死に目を凝らす。

 ルイザがセックスの快楽によがるなど、今までのルイザを知るものならば、決して想像もつかないはずだ。

 だからこそ星宮は、あの高根ルイザが快楽に堕落し、プライドを捨てて男に媚び、あまつさえその身を捧げ喜ぶ姿に、信じられない思いと、とてつもない興奮を覚えているに違いない。

 その感情が、あの涙と紅く染まった頬に顕れている。





「イッ、イクわっ! イクわよっ!

 きっ、気持ちいいのが来るわっ! しっかり見なさいっ! わっ、私がオチンポでイクところをっ……イッ―――クゥーーーッ!」





『ブシャアアーーーッ』





 高根のマンコから潮が噴き出す。

 その飛沫がピチャピチャと音を立てて、星宮の顔や頭に降りかかった。

 高根に潮をぶっかけられた星宮は弱々しい微笑を浮かべ、小さくブルッと身を震わせた―――





「―――さぁ、美玖と私の特製ブレンドジュースに浸ったオチンポよ。

 ここまでやってあげたんだから、ちゃんと舐めなさいよ」





「わ、分かりました……!

 舐めます……! 舐めさせていただきます!」





 高根に促され、星宮は決意に満ちた表情を見せていた。

 決意とはいっても、チンポへの嫌悪感よりも中山さんや高根の愛液への興味が勝っただけのようにも見えるが。





「う、ううっ……」





 星宮が恐る恐る舌を伸ばす。

 その姿に俺の喉がゴクリと音を立てる。

 あの現役アイドルの、それもこんなに幼い容姿の星宮しずくが、俺のチンポに舌を伸ばしているのだ。

 俺の心臓は期待と興奮でバクバクと鼓動を打つ。





『チョンッ』





「うぅっ……!」





 星宮の舌先が鈴口に触れ、体に電気が走る。





『レロッ……ツツツ……』





 舌先が亀頭をゆっくりと這う。

 先程まで強烈な刺激を味わわされたというのに、焦らすようなもどかしい刺激に、俺は堪らず呻く。





『レロッ……レロッ』





 未だあどけない美少女の舌が、チンポの表面に垂れる汁を舐め取っていく。

 それらを丹念に味わい、ゴクリと飲み干していく。





「これがっ……みくしゃんとっ、ルイしぇんぱいのっ……オマンマンの味っ……!」





 まるで甘いキャンディを味わったかのごとく、幸せに満ちた笑顔を浮かべる。





『ジュルルッピチャッピチャッ』





 徐々に口の動きが激しくなっていく。

 ぎこちなくはあるが、不器用な動きに鈍い快感が走る。





「どう? しず。美味しい?」





「美味しい……! 美味しいでしゅ!」





「あぁ〜〜、ほっしーがチンポ舐めてるところを見れるなんてっ……さっ、最高だよぉ〜〜っ」





 星宮が美味しそうにチンポをしゃぶる姿に、二人の美女が妖艶に笑う。





「そうよ。この美味しい蜜は、時生のオチンポによって搾り出されたのよ。

 女同士のお遊びや、他のモノじゃ決して分泌されない、濃厚な液よ」





「こっこれがっ……! しぇんぱい達のっ、濃厚な蜜……!」





「そう……時生のはこの蜜を生み出せる、唯一最高のオチンポなのよ。

 時生のセックスを味わった女は、皆この蜜を垂らすの。

 こんなに濃厚な蜜を、しずは味わったことがあるかしら」





 高根の問いかけに、星宮はブンブンと首を振る。





「時生のセックスは特別なの。

 時生とのセックスでしか味わえない、この世で最高の快楽よ」





『レロレロッ! チュプッジュルルッ』





 唇が吸い付き、舌が這い回る。





「どんな喜びよりも勝る幸福。

 過去、未来すべての歓喜を超越する至上の悦楽。

 全身がほどばしる程の快感。

 心が溶け落ちる程の愉悦」





『カプッはぁむっむぐっ』





 とうとう小さな口が、亀頭を包み込む。





「気持ちいいわよ。とぉっても気持ちいいわ。こんなに気持ちいいことなんて、世界中どこを探しても味わえないわ」





『ジュルッんむっあむっ』





 もはや二人の愛液など吸い付くされたが、なおもチンポを無心でしゃぶる。

 高根の淫乱な誘惑の言葉に、チンポそのものへの興奮が高まっていく。





「時生のオチンポがあれば、その快楽を味わえるの。

 すべての女が一心に求めるべき快楽がそこにあるわ。

 挿れただけで天国まで昇りつめるの。

 それを味わった私が保証するわ。

 誰も味わったことがない、信じられないような快楽が味わえるわ」





『ジュプッジュプッジュポッ』





 あどけない少女を快楽の道にいざなう興奮に、チンポの奥から快感が込み上げる。





「気持ちいいこと好きよね、しず。

 あなたは私と違って、前から気持ちいいことが好きだったわね。

 気持ちいいことしたいでしょ?

 気持ちいいことが好きな人間で、一番気持ちいいセックスに興味を持たない者なんて存在しないわ。

 興味のないふりをするのは、ただ単に臆病なだけ。

 この世で一番気持ちいいセックス、してみたいでしょ?」





「んっ、んんっ、んふうっ……!」





 気付けば中山さんと高根の二人に優しく頭を撫でられ、星宮は悩ましく体をくねらせる。





「味わっていいのよ。とおっても気持ちいいこと。

 味わいなさい。時生のオチンポを。

 あなたが憧れた私―――高根ルイザと同じように、本物の雄チンポに狂う淫らな雌になりなさい」





「んひっ……!」





 一瞬、星宮の体がビクッと跳ねる。





「しずならなれるわ。私と同じ雌になれる。

 私がなれたのだから、しずもちゃんとオチンポを求める雌犬になれる。

 なりなさい。雌犬らしくオチンポを求めなさい。オチンポに染まりなさい。オチンポに狂いなさい。オチンポに狂って狂って狂って―――オチンポを貪るだけの犬になりなさい!」





「ンンーーッ!」





『ドビュルルッ! ビュルルッ!』





 高根の言葉に煽られるがまま、大量の精液が少女の口内に放たれた―――





四章





『41-決壊』





「うっ……うえっ……」





 星宮の口から白濁液がダラダラとこぼれ落ちる。

 初めて味わう男の体液。

 さすがに飲み込めはしないが、先程まではあんなに嫌悪の目で見ていたのが、興奮と期待に蕩けている。

 そんな少女の口から精液が垂れる光景は、この世のどんな猥画よりもエロティックに映った。

 しかも現役アイドルの口内に射精したという背徳感は凄まじい。

 既に二回射精したが、俺のチンポはなおもギンギンに反り立つ。

 その様子に高根はニヤリと口角を上げた。





「偉いわしず。時生をちゃんと喜ばせることができたわね。

 でも……こんなんじゃ時生はまだまだ満足しないわ。

 初めてのご奉仕は合格にしてあげるから、時生にご褒美をもらいなさい」





「ご、褒美……?」





 星宮がぼんやりと訊ねる。

 すると高根が中山さんに目配せし、二人がかりで星宮のジーパンを脱がしにかかった。

 顕になったショーツを優しく下ろし、両側から足を押さえて股を開かせる。





 現役アイドル・星宮しずくのマンコが眼前に晒された。





「ふふ、既にビッチャビャね」





「あぁっ、ほっしーのオマンコッ……! とぉーーっても可愛い〜!」





『クチュックチュッ』





『クリクリックニィッ』





「んぁっ……んあぁんっ」





 両側の美女にマンコを弄られ、星宮は呆けたまま小さく喘ぐ。





 星宮しずくのっ……マンコ……!





『ビクンッ! ビクンッ!』





 二人よりも薄毛で幼いワレメ。

 俺も何度かオナペットにしたことがある程の、超有名アイドル。

 全国の男達が夢に見たその恥部に、俺のチンポは痛いほど勃起する。





「今からここにご褒美をもらうのよ。

 しずは今までに男のオチンポを挿れたことはあるかしら?」





「あっ、ありましぇん……っ」





「なら処女膜は残っているの?」





「何年も前に、フ、ファンのおねーさんからペニバンで……破られましたぁっ」





 なんということだ。

 今から何年も前となると……もっと幼い星宮の処女を、年上の女性が奪ったということになるのか。

 俺はその女に若干の嫉妬心を覚えるが、それでも本物のチンポはまだ味わっていないという事実に、劣情が滾る。

 俺が最初の本物を味わわせてやりたいという気持ちが、沸々と湧き起こる。





「そう。なら本物オチンポを挿れるのは初めてね。

 本物はオモチャなんかと比べ物にならないくらい凄いわよ。それを味わえば、もっと私みたいな女になれるわ。

 至上の快楽を知り、時生のオチンポによがり狂う淫らな雌にね」





『ニチュッ』





「今からほっしーの可愛いオマンコに、満保君のチンポが入るんだよぉ〜。

 頭がおかしくなっちゃうくらい、とぉ〜〜っても気持ちよくしてもらえるよぉ?

 ほっしーが壊れちゃうところ、早く見たいなぁ〜」





『クパァッ』





「はっ、はへぇぁあ……」





 高根と中山さんの手によって、星宮のマンコが開かれる。

 とびきりの美女二人に抱えられ、耳元でいやらしい言葉を囁かれ、星宮の顔は蕩けきっている。

 よほど可愛い子に目がないのだろう。

 例えるなら性欲盛んな少年が、スケベな年上の美女二人に寄り添われ、極上の快楽へと誘われることを想像すれば、たとえ少女だろうと蕩けてしまうのも無理はない。





 あれだけ拒絶していた男のチンポが迫っていても、まともな理性など働く余地はない。

 あの憧れだった高根ルイザになれるのだ。

 スケベな美女二人に懐抱されながら、『今までとは比べ物にならない』という言葉で誘惑を受ければ、元々性欲旺盛な者が興味を持たないわけがない。





 可愛い女の子に目がないとはいえ、今までの星宮は男を知らなかっただけだ。

 ならば、俺がチンポの味を教えてやればいい。

 快感倍増という最高のソースを添えて―――





 見れば中山さんもいつものごとく指をクルクルと回して、魔法の使用を促している。

 高根も小さく頷き、「アレを教えてやりなさい」と目で訴えてくる。





 こんなあどけない美少女アイドルを犯すことに最初は憚られる思いもあったが、彼女達からここまでお膳立てされ、我慢できる男などいるだろうか。

 少なくとも―――俺には無理だ。





 俺はアプリを開き、この場にいる全員を指定して未来時間のコピーを適用する。





 星宮はまだ変化に気付いていないが、体は既に感度二倍のクスリをキメた状態だ。

 俺はその体めがけてゆっくりと―――チンポを近付ける。





「来るわよ……覚悟なさい。

 今までの常識が吹き飛ぶ程の快楽が、瞬時に襲ってくるわ。

 気持ちいいわよぉ……すっごぉく……

 視界がキラキラ輝いて、全身がゾワゾワ逆立って、最高の幸せがオマンコから全身に弾けるのよ。

 そんな人生で最も気持ちいい瞬間が、もうすぐやってくるわよ……」





「来るよ……来ちゃうよっ……!

 オモチャのチンポじゃもう満足出来なくなっちゃうよぉっ……!

 でも安心してっ。これからも満保君が、ほっしーにたっくさん気持ちいいことしてくれるから、思う存分チンポに夢中になればいいんだよぉっ」





 これから星宮に襲いかかる快楽の味を既に知っている二人は、自分が初めて味わった時のことを思い出すかのように―――目をギラつかせ、頬を火照らせ、口元をニヤつかせながら、星宮に迫る未来を語りかけた。





「はっ……はっ……そ、そんなに違うんですか……?

 どうしてそんなに違うんですか?

 この男のなにがっ……そんなに気持ちいいんですかぁ!?」





 星宮は抵抗するでもなく、言葉で真偽を確かめようとする。

 可愛い二人から淫らな誘いを受け、既にこれから起こることに興味を持ち始めていた。

 だがぱっと見では、一体俺のなにがそこまですごいのか、見当もつかないだろう。





「それはね……他の人間にはない、時生だけの不思議な力。

 決して他の人間では到達できない領域に送り込んでくれる、魔法のセックス。

 確実に頭がおかしくなるような、麻薬的な快楽を超えたセックスを、何も使わずに時生のチンポだけで味わわせてくれる。

 この快楽を知らずに生きる女達なんて、おしなべて人生を損しているわ。

 時生に選ばれた女だけが、極上の楽園に連れて行ってもらえる。

 私になりたければ、時生に選ばれなさい。

 じゃなきゃしずは―――凡人の遊びに喜ぶ、ただの女よ。

 しずがこの世で最も満たされる、特別な女になりたかったら……躊躇わずにこの快楽の味を覚えなさい」





「ルイ先輩と同じ……特別な女に……」





 星宮はゴクリと生唾を飲みながら、俺のチンポを見つめる。

 これを挿れて特別な快楽を味わえば、あの高根ルイザと同じように、特別な存在になれる―――

 まるで馬鹿げた話だが、高根を崇拝しその背中を追い続けてきた星宮は、高根の歩んだ軌跡を辿ることを特別視しているに違いない。





「この男に……そんな力が……あるんですか……?

 この、お、オチンチンに……そんなすごい力が……!」





 高根が示すならば、俺とセックスすることが特別になれる方法だと、徐々に思い込み始めているようだ。





「そうよ。

 どれだけ立派な夢や崇高な理念を抱いていようとも、時生に選ばれず本当の快楽を否定し、それを知ることもなく死んでいく―――そんな惨めな人間になるのはやめなさい。

 私に憧れ私を慕い、必死に努力してきたしずなら、本物の幸福を―――最高の快楽を味わいながら夢を叶えられる人間になる……その資格があるわ」





「私も……ルイ先輩みたいなっ……! 特別な女にっ、なりたいっ……!」





 高根の語りかけに、星宮はもはや迫る誘惑から逃げられなかった。

 一体どんな快楽が待っているのか。

 一体なにが他の男や玩具のそれと違うのか。

 この男が二人を狂わせる技―――それは一体なんなのか。





 星宮は息を切らしながら、ただ二人に身を任せる。

 目を凝らし、チンポを凝視する。

 あれだけ嫌っていた男の下品なイチモツに、特別なナニかを見出そうとしていた。





「さあ、知りなさい。

 時生のセックスが、この世で一番価値ある幸福だということを。この気持ちよさに勝る幸福はないわ。

 時生にセックスしてもらって、特別な女になりなさいっ、しず!」





「あ、ああ……し、して……してくださいっ……!

 わ、私を……特別な女にっ……してくだひゃいっ!」





 とうとう星宮の口から、嘆願が漏れる。

 その言葉に、俺の理性は決壊する。

 教えてやれ。

 この世で最高のセックスを―――





『グチュッ』





 俺は小さな割れ目にチンポを擦り付けた。





「―――ヒッ!?』





『ビクゥッ!』





 星宮が驚きの表情を浮かべ、体を激しく跳ねらせる。

 呆然と口を開き、初めての感覚に目をパチクリさせた。





「どう? オチンポが触れただけで、違いが分かる?」





 高根が問いかけると、星宮が激しく頷く。





「ち、違うっ……! 全然違いますっ……!」





 先っぽが触れただけ―――たったそれだけで明らかに異なる刺激に、女達の言葉が真実であったことを確信したようだ。





「そう……時生、ゆっくり確かめさせてあげて。

 本物オチンポの感触を」





 俺はコクリと頷き、ゆっくりと挿入していく。





『ズチュッ……ヌププッ……』





「あぁっ……! はぁあっ……!」





 膣内にチンポが進んでいくと、星宮の目が更に大きく開かれる。





『ズリュ……ヌプッ……』





 小刻みにチンポをマンコに擦らせ、膣壁の感触を味わう。

 俺も二倍となった快感に、腰がブルブルと震える。





 俺は今、高根の後輩である現役アイドルのマンコに、チンポを挿れているんだ。

 日本中の男達がこのマンコにぶち込むことを想像しながら、必死にチンポをしごいている。

 俺が―――俺だけが、星宮しずくのマンコを味わっているんだ。





 あまりの愉悦に、俺は思わず笑ってしまう。





「スゴイでしょしず。

 オマンコがあり得ないくらい気持ちいいでしょ?」





「ほっしーが満保君のチンポで感じてるぅ〜っ。

 すっごくエッチ〜!」





「きもちひ……! きもちひぃでしゅ……!」





 星宮が悦びを口にすると、二人がゾクゾクと鳥肌を立てる。





『ヌチュッ、グチュッ、ズチュッ』





「これがっ……本物オチンチンッ……オチンチンの快感っ……しゅごしゅぎましゅうぅ〜〜っ!」





「これよ! これがオチンポの快感よ!

 でもここまで気持ちよくしてくれるのは、時生だけの力よ! 他じゃ絶対味わえない快感なんだからっ!

 今自分が感じている記憶を、脳に刻み込みなさいっ!

 今日からあなたもこの快楽に溺れて生きるのよっ!」





 星宮の陥落した顔にこの上ない興奮を覚え、段々と腰の動きが早くなる。





『パンッパンッパンッパンッ』





「こんなにしゅごかったのぉお〜〜〜っ!

 こ、こんなのぉっ、信じらんないぃぃ〜〜っ!」





「ねっねっ? 気持ちいいよね!? すっっごぉ〜〜〜く気持ちいいよね!?

 これからもこの気持ちいいのが欲しかったら、時生君のワンちゃんとして、ちゃんと喜ばせてあげようねっ!

 私もたっっっくさんほっしーを可愛がってあげるっっ!!」





 少女に異常な快楽を覚えさせる興奮。

 それは俺だけでなく、高根や中山さんにまで波及する。





『パンパンパンパンッ!』





「ほら気持ちいいんでしょ、しず!

 気持ちいいならちゃんとワンワン鳴きなさいっ!

 あなたは時生の犬なのよ!

 ご主人様にご褒美もらえたんだからっ、犬らしくワンワン鳴いて喜びなさいっ!」





「わっ、わぁんっ! わぁんんっ、ん、んぁああーーーん! き、きもちいぃーーーっ!」





「うふふふっ! 気持ちいいわねぇ!

 気持ちよすぎてちゃんと鳴けないの!?

 そんなんじゃご主人様に気持ちよくしてもらえないわよっ!?

 ちゃんと犬らしくできれば、もっともっと何倍も気持ちよくしてもらえるのよ!?」





「なっ、なりましゅうーーーっ!

 ちゃんと犬になりましゅっ! だっ、だからっ、もっときっ、気持ちよくしてくだしゃいぃーーーっ!

 わ、わんわんっ! わぁんっ!」





「可愛いっ……可愛いすぎるよぉっ……!

 ほっしーが可愛すぎてぇ、オマンコビショビショになっちゃうぅっ」





 快感二倍セックスの快楽に堕ちた星宮の鳴き声に感化され、二人も自分の股間を触り始める。

 二人の体は俺が触れていないため、快感は倍増されていない。

 だが二人の目の前に繰り広げられる光景は、この上ない興奮と快感を得るには充分すぎる程のオカズだ。





「いいわっ! いいわよっ!

 しずの感じる姿っ、たまらないわっ」





『クチュクチュクチュッ!』





「えへっ、えへへっ、かわいっかわいひっ!

 ほっしーすんごくかわいぃっ!」





『グニュグニュッグリグリグリッ』





 このままでも二人は充分気持ちよさそうだが、俺は二人に更なる快感を与えるべく、二人のマンコに手を伸ばす。





『グチュグチュグチュグチュッ!』





 そして激しく両側のマンコをかき回した。





「んぁああーーーーっ! きたぁああーーーーっ!」





「んヒィーーーーッ!」





 二人の絶叫が交錯する。

 先程までの星宮を見守る表情から一転、快楽に悦ぶ雌の顔へと凶変する。

 そのまま腰を振って振って振りまくる。





『パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!』





「んぉおおーーーーっ!」

「ぎんんんもぢいぃぃーーーっ!」

「んぁあああーーーーっ!」





 三人の喘ぎ声がこだまする。

 この瞬間に俺は確信に至る。

 今この瞬間、この俺が―――世界で最も幸福な人間であると。





 これ以上の幸せは存在しない。

 世界中の男達が、もし今この瞬間の俺と入れ替われるなら、一人残らずすべてを投げ捨て、それを望むだろう。

 これ以上ない美女三人。

 他の何を持ってしても味わえない快楽。

 それを味わい、味わわせる優越感を。





 女の服を引き剥がし、爆乳にむしゃぶりつく。

 中山さんが俺の髪をかき乱しながら、快感に悶える。





 俺の頭を引き剥がし、自分の唇に招き入れる美女。

『ジュルルッレロレロレロッ』

 高根が俺の舌をしゃぶり、歯茎をねぶる。





『ドピュルルーーッ!』





「イッグゥゥーーーッ!」





 俺に中出しされながら果てる少女。

 チンポの先から全身に、この上ない快感が広がる。

 気持ちいい。





 このまま射精の余韻に浸っていたい。





 だがここで終わってはいけない。

 そんな愚行は許されない。

 星宮しずくは自分の性趣向をねじ曲げてまで、未知の快楽を俺に求めたのだ。

 すべてを投げ捨て、犬になることを約束してまで俺に抱かれた星宮に対し、ここで終わらせるなどという愚行が許されるはずもない。

 それはすべてへの裏切りだ。





 自分に近付く道を示した高根。

 俺に壊される姿を見たいと望んだ中山さん。

 二人の思いを裏切るわけにはいかない。





 俺はアプリを開き、マクロを再生する。

 回数は999回―――無限絶頂の開始だ。





四章





『42-4P』





「―――はっ……はひっ……はひっ……」





 長い絶頂を終えると、星宮は息も絶え絶えに崩れ落ちた。





「どう? すごかったでしょ」

「ほっしーとぉっても気持ちよさそうだったねぇ〜」





 高根と中山さんが星宮の頭を優しく撫でながら、耳元に語りかけた。





「は、はひぃっ……う、宇宙一でしゅ……ほ、本当にぃ、ナンバーワンでしたぁっ……!」





 星宮の心身は完全に陥落し、目がハートになっている。

 充分すぎる反応に満足すると、俺はコピーをすべてゴミ箱に入れる。すると星宮の呼吸は落ち着きを取り戻した。





「こんなにすごい男のモノになるなんて……ルイ先輩はやっぱりすごいですっ。

 こんなの知ったら、二番手とか三番手とか、そんなのどうでもよくなっちゃいます……!」





「分かってくれたみたいで嬉しいわ」





 星宮の納得を得られたことに、高根は満足そうに頷いた。





「二番手とか……ルイルイはそんなんじゃないよっ。

 ルイルイはルイルイの魅力で、時生君に愛されてるんだからっ。

 そ、それに、私なんて……たまたま最初にお付き合いできただけで……ルイルイやほっしーみたいに、特別な女の子なんかじゃないし……」





 中山さんが自虐を含んだ言葉で、二人をフォローする。

 中山さんにとっては自分がまるで正妻だとか、一番手だとかいう認識はまったくないようだ。





「そっ、そんなことないわ美玖っ!

 私達はたまたま世間に目立つ仕事をしていたというだけで、あなたは私達にも勝る魅力的な女よっ!

 じゃなかったら時生がこんなに愛してくれるはずないじゃないっ!」





「そうですよぉ〜〜っ! 美玖さんの魅力は女も恋する、最強のセクシー美少女ですぅ!」





 互いを褒め合う超絶美少女達。

『この中で誰が一番だなんて、争うこともしないで』

 そんな歌もあったが、それはナンバーワン級が揃って初めて言えるセリフなのだなぁと、俺はしみじみ思った。

 実際三人の美貌に関しては、比べようもない。

 全員が全員身に余る程の美女。

 そんな彼女達が俺のチンポの前で顔を揃えているのだ。





 ああ、なんて幸せな光景だ。





 俺のチンポが美しい面々で飾られている。





 三人の顔の前に垂れる俺のチンポが、再び硬さを取り戻していく。

 すると女達もそれに気付き、ペロリと舌を出す。





『ペロッレロッ』





 中山さんが嬉しそうに舌を這わせる。





『チュッチュッ』





 高根が言葉もなくチンポにキスをする。





『レロレロッ、レロッ』





 星宮が二人に倣って一所懸命チンポを舐める。





 俺は自分にだけコピーを適用する。





「うぁあっ……くっ……!」





 その瞬間、まるで無数の舌がチンポに這いずり回るような感覚が走る。

 通常ならばもどかしい刺激に留まるが、快感が増幅された状態ではひと舐めごとに射精を超えた快感が襲う。





『ピチャッピチャッ』





 温かい感触が亀頭を包み込む。





『レロォ〜〜ッ』





 チンポの血管を舌がなぞる。





『チュウゥ〜〜〜ッ』





 裏筋に唇が吸い付く。





 射精はしていないのに、射精を超えた快感がほどばしる。





「はへっ、はひっ」





 あまりの気持ちよさに、アホ丸出しの顔を恥ずかしげもなくさらけ出してしまう。





「ねぇルイルイッ、今日はお泊りするんだよねっ?」





『ピチャッピチャッ』





「ええ。皆で朝までヤりまくりましょ。

 朝日を見るのは何年後になるかしら」





『ジュルルッレロッ』





「え〜っ、それってろういう意味れすかぁ〜?」





『チュポッチュポッ』





「えへへっ。それはこれからのお楽しみだよっ」





『チロチロチロチロッ』





「しずはさっきみたいな気持ちいい時間が、どれだけ続いて欲しいと思う?」





『ジュルルーーーッ』





「そんなのっ、一生続いて欲しいに決まってるじゃないですかぁ〜っ!

 先輩達とずーっとエッチなことしてたいですぅ〜!」





『レロレロレロレロッ!』





「そうだねっ! 私もこのまま皆でずーーーっとエッチしてたいっ!」

「じゃあ時生には飽きるまで続けてもらいましょっ」

「こんなの絶対飽きませんよぉ〜〜っ!

 死ぬほど気持ちいいもーん!」





『ジュルルルッ! ジュプルルッ!』

『グッポグッポグッポグッポ!』

『ペロペロペロペロッ!』





「あひぃぃっ! イッグゥッ!」





『ドッッビュルルルーーーッ』





 大量の精液が三人に降りかかる。

 三人はまるで星空か虹を眺めるかのように、満面の笑みで精液を受け止める。





 それはまるで俺達にとって、終わらない夜の始まりを告げる花火のようだった―――





 ただ快楽を貪り、ひたすら繰り返すだけの、まどろみの空間。





 服は脱ぎ捨て、理性をかなぐり捨て、際限のない欲望に沈んでいく。





『パンパンパンパンッ!』





「ぎんんもっっでぃーーーーっっ!!」





 快楽が濁流のように押し寄せる。

 堰き止める壁はとうの昔に崩壊し、快感の垂れ流し水浸し状態。





『グチョグチョグチョグチョッ!!』





「んぼっホォオーーーーっっ!!」





 脳内麻薬製造工場がフル稼働し、大量の快楽物質が細い神経に押し込まれる。

 麻薬は脳内物質を垂れ流し状態にすると言われているが、そのヤク漬け状態でシ○ブを遥かに超える快感が脳をグチャグチャに破壊する。





『ジュルルルッ! レロレロレロレロッ!!』





「イィッッッグ!! インッッグウゥゥウぅーーーッ!!」





 快楽の爆発に全身が弾け飛ぶ。意識がそのまま宇宙の彼方に飛散する。

 白目を剥き、口をあんぐりと開き、人間をやめた顔で果て続ける。





「アハッ、アハハハッ」





 誰からともなく、笑いが溢れる。

 それにつられて皆笑う。





『ズチョンッヌチョンッヌチョンッ』





 笑いながらチンポを挿れ、マンコを擦る。

 汗まみれの肉が擦れ合い、密着し、肉の海に溺れる。





「びぼぢいぃぃん……びぼっっでいぃぃん」





 誰のマンコに入っているのかも分からず、全員が無我夢中で腰を振る。





「んぉおおおんっ! おほおぉおっ!」





 唾液や愛液がビチョビチョと塗りたくられ、ドロドロに混ざりあった白濁液を、女達が美味しそうにすする。





 肌色、ピンク、紅色―――視界に色とりどりの花が咲き乱れる。

 舌を伸ばすと、すぐさまマン肉が押し付けられる。





「あひぃぃんっ! いぃん! いいぃぃーーっ!」





 顔に汁が降り注ぐ。





『レロッ!』

 舐める。





「んはぁあんっ!」

 鳴く。





『ベロベロッ』

 舐める。





「んぎぃっ!」

 鳴く。





 舐める、鳴く、舐める、鳴く、舐める……





「いぃっっぐ!」

『ビクビクビクンッ!』

『ドビュルルルッ!』

「びぼぢぃーーー!」

『ブシャアアーーッ!』

「んもっどぉおおーーーっ!」

『パンパンパンパンッ』





―――





 陽が昇りはじめても、片手でそれを沈める。

 再び闇が訪れる。





 泥沼の夜が―――いつまでも……





四章





『43-コンサート』





 気付いた時には朝になっていた。

 こうやって気絶して朝を迎えるのも何度目だろうか。

 辺りを見渡せば、そこら中に汁が飛び散って大変なことになっている。

 下を見れば、女達がすやすやと幸せそうに眠っていた。

 日時を確認すると、翌日日曜の午前9時となっている。

 俺はコピーをすべてゴミ箱に入れ、ボヤケた頭をスッキリさせた。





 気絶するまで一体どれだけの時間を過ごしたのか、もはや想像もつかない。

 何度夜と朝を繰り返しただろうか。

 まるで永遠のような長い間、俺達はひたすらセックスし続けていた。





 どうせ今日も休みだ。

 皆に混ざってしばらくの間もうひと眠りするか。

 そう思いながら再び横になろうとしたところ―――





「ん……うん……あ……おはよう、満保君っ」





 中山さんが目を覚まし、目を擦りながらニコリと微笑んだ。





「おはよう、中山さん」





『チュッ』





 俺達は顔を見合わせると、自然にキスを交わす。





『ツン』





「……あ、また大きくなってるよ」





 中山さんが俺の股間を見ながら、クスッと笑う。

 どうやら朝勃ちが当たってしまったらしい。

 昨晩あれ程射精したというのに、既にギンギンとなっている俺の精力に我ながら驚かされる。

 ほとんどはタイムリープでなかったことになっているとはいえ、少なくとも7、8回分は射精したように思うが―――





「えへっ。今日もいっぱいエッチしようね」





 中山さんはペロッと舌を舐めずりながら、俺の体に跨がる。





「うん」





 俺も笑顔で中山さんを迎え入れ、朝のセックスを始めた。





『グチョッ』





「はぁんっ……き、今日こそはぁ、昨日できなかったお外での変態セックスッ……いっぱいしようねっ」





「そうだね……あ、そうだ。

 二人ともまだ寝てるし、起こさないようにベランダでセックスしよっか」





「うんっ! するぅっ!」





 俺達は卑猥な企みにワクワクと期待を募らせ、急いでベランダへと向かう。

 戸を開けるとモワッとした空間に、新鮮な空気が入り込む。

 そのまま中山さんはベランダの取手に手を付き、お尻を突き出した。





「はやく、はやくぅっ」





 外から丸見えの状態で、裸体を隠そうともせずチンポをおねだりする。

 その姿に思わず笑みが溢れる。





「マンション中にバレるまで、ヤりまくるぞっ」





『ズチュッ!』





 外の空気を吸いながら、思いきりぶち込んだ。





「んぁああんっ! おっお隣の奥さんにっ、見られちゃったらどうしよぉ〜っ」





「見られたらやめる?」





「やめなぁあーーいっ! えへへっ」





「じゃあいっぱい見てもらいながらセックスしようなっ」





「するぅ〜〜っ!」





『パチュンッパチュンッパチュンッ』





 俺達は心地よい風を感じながら、ふたりきりのセックスに勤しんだ。すると―――





「ちょっと、二人だけでなに楽しんでるのよっ」





「すごぉーいっ! お外でエッチしてるぅーっ!」





 高根と星宮も目を覚ましたようで、羨ましそうに俺達の情事を眺めていた。





「ごっ、ごめんねぇ二人ともっ。

 昨日お外で変態さんごっこできなかったからっ、我慢できなかったのぉっ!」





「えー!? なんですかそれー!?」





「本当なら昨日、街の色んなところでセックスする予定だったのよ」





「えーー! それすっごく楽しそうー!

 でもそんなことしたら、さすがに捕まっちゃいませんかぁ?」





 星宮は興味津々な素振りを見せつつも、至極真っ当な疑問を浮かべる。





「それについては大丈夫よ。

 実は時生の能力についてなんだけど―――」





 それから俺達は実演を交えながら、俺の力の真相を星宮に説明した。





「―――すっ、すごぉおーーーい!

 タイムリープに肉体経験増幅ぅ!?

 ご主人様って、そんなにすごい超人だったんですかぁーーー!?」





 俺の能力を知り、星宮が仰天する。

 既に俺のことをご主人様と呼んでいるあたり、高根主導による調教は上手くいったみたいだ。

 その上で俺の秘密を知ったことで、星宮はより羨望に満ちた眼差しを俺に向けた。





「そっ、それじゃあ道行く美少女を食べ放題!?」





「いや、さすがにそこまではしないけど」





 俺が星宮の案を速攻で却下すると、分かりやすくガッカリした表情で項垂れる。

 だがすぐに別の案が思い浮かんだようで―――





「あ! それなら皆さんに提案があります!」





「提案……?」





「はい! 実は私、来週ドームでコンサートをやる予定なんですけどぉ―――」





 すると星宮はキラキラと期待に満ちた目を浮かべながら、とんでもない提案を語った。





「そっ、それはっ、中々すごい計画ね」

「ええ〜〜! は、恥ずかしいけどぉ、ぜ、是非観てみたいっ!」

「もちろん美玖さんも一緒ですよぉー!」





 三人が想像を膨らませながら、キャッキャと盛り上がる。





 これは―――とんでもないことになるぞ……





 あまりにぶっ飛んだ計画に思わずビビってしまうが、やる気満々の三人の姿に股間がピクピクと反応してしまう。





「そうと決まれば事務所に話をつけて、準備しましょ!」

「ええ〜っ、どうなっちゃうんだろぉ〜っ!」

「これはすごいことになりますよぉ〜。うひひっ」





 タイムリープを活用した、ある種究極とも呼べる最狂計画に、その後の俺達はソワソワと浮き足立った一週間を送ることとなった。





 ―――翌週、俺達は星宮がコンサートを行うドームへと来た。

 俺と中山さんは星宮の特別招待客という形で、ステージ脇に座っている。





『ザワザワザワ』





 ステージ裏から見える観客席は超満員。

 誰もが星宮の登場をまだかまだかと待ち望んでいる。





「す、すげぇ人数だな……」

「う〜っ、き、緊張するぅ〜」





 物凄い数の観客を前に、俺と中山さんは完全に萎縮してしまう。





「ほら、もうすぐ出番よ。

 二人ともシャキッとしてっ」





 すると横から高根が現れ、俺達の背中をポンと叩いた。

 さすがは元芸能人。

 これだけの群衆を前にまったく緊張する様子もなく、堂々としている。

 そしていつになく華やかな衣装を身に纏っており、高根ルイザが一斉を風靡した女優であることを再認識させられた。





『ジャーンッ!』





 突如大きなBGMが鳴り響き、会場が暗転する。





『ワァーーーッ』





 ライブの始まりを予感し、観客達が一斉に盛り上がる。

 すると聞き覚えのある曲が流れ始め、リズミカルなテンポに合わせて観客達が手拍子を始めた。





 人生で初めて見るコンサート。

 それもこんな間近の舞台袖。

 俺は今までに感じたこともない感情の昂りに、身をブルッと震わせた。





 程なく、ステージ奥の台から星宮しずくの姿が現れた。

 台下の仕掛けにより徐々に上へと登っていき、登頂と同時にポーズを決める。





「皆ーーー! 今日はしずのために集まってくれてありがとーーー!

 思いっきり楽しんで、最高の夜にしようねーーー!」





 主役の登場に会場全体が拍手喝采となる。

 拍手はそのまま手拍子へと移り、リズムに合わせて星宮が台を降りていく。

 あのテレビでよく見かけた、どでかいスカートとカラフルなステッキが目立つ、ポップな衣装を纏っていた。





「チューチューラブリーベリベリ便利♪

 チュンチュンハクハツポンカンチー♪」





 意味不明な歌詞を繰り返しながら、メルヘンチックに踊る。

 その動きに合わせて観客達もお決まりのように合いの手を入れる。

 と思ったら突然、ステージがストロボでチカチカと点滅し、メタリックな曲調へと変化する。

 星宮がヘドバンをかますと、観客達も頭を振り乱す。

 これが星宮しずくの音楽スタイルだ。





 生まれて初めて間近で見るプロのアイドルによるパフォーマンスに、俺は圧倒される。

 隣に立つ中山さんは、既に大興奮で頭を振り回していた。





「ありがとー!」





『ワァーーーッ!』





 一曲目が終わったところで、早くも会場のボルテージが最高潮に高まる。





「それじゃあ次の曲、どんどんイッちゃうよー!

『サブリミ鳴るなり洗脳児』!」





 すぐに二曲目へと移り、テンポの変わった曲調に会場がうねる。

 気付けば俺の体も自然に揺れ、ライブを楽しんでいた―――





四章





『44-公開セックス』





「―――イエーイ! 皆盛り上がってるー!?」





『ワァーーーッ!』





 数曲が終わったところで、MCタイムに入った。





「今日はなんとぉ〜、スペシャルゲストが来ていまーす!

 今からその人達を、ステージに呼びたいと思いまーす!

 どうぞぉーーーっ!」





 いよいよステージから呼び出される。

 星宮がステージ袖に手を向けると高根が颯爽とステージに向かい、その後ろを中山さんが恥ずかしそうに進み、俺はイソイソと隠れながら続く。





「嘘っ! あれって高根ルイザじゃない!?」

「ルイルイだっ! 引退したんじゃなかったのかよ!?」

「あの後ろの女の子誰だ!? スッゲー可愛いじゃん!」





 突然のサプライズゲストに会場中がざわつく。

 時折「なんだあの男は!」とか「スタッフが紛れ込んでるぞ!」なんて言葉が俺に向けられる。





「この御三方は私星宮しずくと、とても親密な方々でーす。

 一番手前の方は皆さんもご存知、私の先輩で数年前に事務所を退所された高根ルイザさんでーす!」





「ワァーーーッ!」





 高根が紹介されると、会場が一瞬にして大盛り上がりとなる。

 高根も歓声に応えるように笑顔で手を振った。





「その隣にいるのは中山美玖さんっ!

 ルイ先輩の親友で、とっても可愛い現役大学生でーす!」





 中山さんがはにかみながらペコリと頭を下げると、会場が温かい拍手に包まれる。

 突然ステージに素人の友人を招くなど考えられない状況だが、中山さんの可愛さに観客達は盛り上がる。





「そして一番端に立っているのはお二人ととっても親しい方で、私のご主人様でーす!」





『ザワザワザワ……』





 前の二人とは極端に異なる反応で観客達がざわつく。

 いきなりご主人様なんて紹介されれば当然だ。





「え……ご主人様って、どういうこと?」

「ほっしーのご主人様……? イベントかドラマの設定か?」

「あんな奴見たことないぞ……」





 あちこちから懐疑的な言葉が飛び交う。

 そんな状況の中、俺は当然ながら緊張しつつも―――今まで感じたこともない興奮が沸き起こっていた。

 これだけ大勢星宮しずくのファンが詰めかけている場で、この後俺達は……





 昔の俺だったら緊張で卒倒してしまいそうな場だ。

 というより最初は大きなステージに圧倒されて、汗をかくほど緊張していた。





 だがそれが今はどうだ。

 大観衆を前に俺は、萎縮してしまうどころか顔がニヤけてしまう。





「ここにこの方達をお呼びしたのは、皆さんにあるご報告があるからなんです!

 実は私、星宮しずくは―――

 これからご主人様の犬として生きていくことになりましたー!」





『シーン』





 星宮の発表に、大観衆が静まり返る。





「犬……?」

「犬ってなんだ……?」

「え、なに、どういうこと……?」





 観客達がヒソヒソと隣の者達と言葉を交わす。

 観客の頭上に?マークが浮かぶ中、高根が星宮の首に例の首輪を付ける。

 そして首輪から伸びたハーネスを、高根がニコリと微笑みながら俺の手に渡した。





「ですのでぇ~、今から私が犬としてご主人様にしっかりご奉仕する姿を、ここで皆さんに披露したいと思いまーす!」





『ザワザワザワ……!』





 会場が再び騒がしくなってくる。

 一体何が起こるのかと、皆が俺達の動向に注目している。

 すると高根と中山さんが俺の傍に寄り、ステージに膝を突きながら俺のベルトをカチャカチャと外していく。





「おい……なにやってんだあれ!?」

「ちょっと、噓でしょー!?」





 高根と中山さんの挙動に、観客達がざわめく。

 そして俺のズボンとパンツが下ろされた瞬間―――





「ワァァアアーーーーーッ!!」





 会場は絶叫に包まれた。

 大勢の人間達が信じられないといった様子で俺達を指差す。

 スタッフ達は突然のことにどうしていいかも分からない様子で慌てふためく。

 俺はパニックになる観客やスタッフ達を尻目に、ハーネスを引っ張って星宮を近づける。

 すると星宮は俺の勃起チンポの前に跪き、ニコニコと笑いながらチンポを掴んだ。





「しずはご主人様のオチンチンが大好きな雌犬になっちゃいましたぁ~!」





『ああむっ、ジュルル! ジュプッ! ジュポッ!』





 星宮は口元にマイクを近づけたまま、激しいフェラチオを開始した。





「ギャアーーーーーッ!!」





 目を疑うような光景に、会場中が大パニックとなる。

 とんでもないハプニングに、スタッフ達も慌ててこちらの方へと走ってくる。

 だがそこへスーツを着た謎の外国人集団が現れ、スタッフを無理やり制止した。

 彼らは星宮と高根が手配したボディーガードと、俺が金で雇った民間のSP達だ。

 実は音響や照明等各スタッフの持ち場にもSP達を向かわせており、照明を消されたり、音を止められたりしないよう手配済みだ。





「あ~ご主人様のオチンチン美味しい~っ!」





 星宮は観衆に向かって淫猥な感想を述べる。そして―――





「次はぁ~、しずがご主人様にご褒美をもらうところを見てー!」





 星宮がステージ上で四つん這いになりながら、ステージに置かれた定点カメラへと移動し、俺達もそれに続く。

 俺はもちろんのこと、高根と中山さんもあり得ない程ぶっ飛んだ状況に、瞳孔を開きながら顔を火照らせていた。

 星宮がカメラの前に座り、スカートを開く。

 するとカメラの前でノーパンのアソコが露わになった。

 会場のスクリーンには、星宮しずくのマンコがデカデカと映っている。





「ワァーーー!!」





 悲鳴、罵声、歓声、様々な声が入り混じった怒号が鳴り響く。

 中にはパニックに陥って暴れる者や、泣きわめく観客、怒り狂って会場を出ていく者が散見される。

 だが多くの人間は、スクリーンに映し出された星宮の秘部に釘付けとなっていた。

 それは女性客達も同様だ。

 あのスーパーアイドル星宮しずくのマンコが、大観衆の前に晒されているのだ。

 皆生唾を飲んで目を見開いていた。

 そんなファン達に向かって星宮は、自身のマンコを『クパァ』と開いて、中まで見せつけている。





 俺は星宮の背中へと周り、体を持ち上げる。そしてカメラにマンコを映し出したまま俺の体を滑り込ませた。

 俺はその状態のままアプリを開き、星宮に未来時間のコピーを適用する。

 今から大観衆の前で、快感倍増セックスを披露するのだ。





「ご主人様ぁーっ、しずのエッチなオマンマンにぃー、ご褒美のオチンチンくださぁーい!」





 星宮がマイクを握りながら、笑顔でおねだりをする。

 俺は星宮の要望に応えるべく、チンポの狙いを定め―――





『ズチュッ!』





 勢いよくチンポをぶち込んだ。





「んぁああーーーーっ!」





 会場に星宮の喘ぎ声が響き渡った。

 観客達は狂ったように叫びまくっている。

 そんなこともお構いなしに、俺は腰を振りまくった。





『ズチュッズチュッヌチュッ!』





「あぁあんっ! きもちぃぃーーーっ! 生ライブセックスすっごいきもちいぃよぉおーーーっ!!」





 アプリの増幅効果をキメたセックスに、星宮はよがりまくる。

 星宮しずくが男に犯される光景が、スクリーンに映し出される。

 この中でどれだけの男達が、星宮しずくをオカズにシコってきただろうか。

 そんな奴らの前で、大観衆に見せびらかしながら星宮しずくを犯している。

 あまりの愉悦に俺の感情は、鼻血が出そうな勢いで昂る。





『ズボズボズボズボッ!』





「んヒィーーーッ! ギボヂッ! ギボヂイイーーー!!

 ご主人しゃまのせっくしゅ最高ぉおーーーーーっ!!

 イッギュウーーーーッ!」





『ビクビクビクッ!』





 星宮はファン達の前で盛大にイキ果てた。

 俺も今までに感じたこともない程の興奮に、精液が勢いよく昇りつめた。





『ドピュルルーーーッ!』





 俺の精液が星宮しずくのマンコにぶちまけられる光景を、観客達は呆然と眺めた。





 決定的瞬間。

 国民的アイドルの星宮しずくが、一人の男に奪われた。

 その事実に多くの者が涙し、崩れ落ち、怒り狂った。

 現役アイドルの公開セックスに興奮した様子の観客も少なくないようだが。





『ヌポンッ』





「あっ、あへっ、えへっ」





 チンポを抜き取ると星宮はアヘ顔を晒したまま崩れ落ち、マンコから白濁液が垂れ落ちた。すると―――





「次は私の番よっ!」





 横から高根がグイと現れ、星宮を押しのける。

 そしてそのまま俺の体に跨った。





『ズチュッ!』





「んはぁっ!」





 今度は高根による公開セックスが開始された。

 俺はすぐさま高根を時間コピーの対象として選択する。





「ワァーーーッ!」





 場は再び絶叫に包まれる。

 突然現れた高根ルイザが、あの星宮しずくと同じく謎の男の上に跨っている。

 しかも高根の方は衣装をブチブチと引きちぎり、上半身もカメラに向かってさらけ出した。

 そのまま自ら騎乗位を開始し、淫猥に腰をくねらせた。





「見てぇーーーっ! 私も女優を引退してから、この人の体の虜になったのぉーーーっ!

 アハハハハッ! 最っ高ぉおーーーっ!」





『パンッパンッパンッ』





 高根は大観衆の前で笑いながらセックスに興じた。

 変態になった高根にとっては、こんなに気持ちよくて楽しい行為なんて他にないだろう。

 これ程沢山の視線を浴びながら、数倍に高まった快感でセックスに及ぶなど、これ以上の変態行為が他に存在するだろうか。

 特に高根や星宮は脚光を浴び続けてきた人間だ。

 そんな女がタガの外れたように観衆の前で非行に及んでいるのだ。

 その喜びといったら半端ではない。





『チュプッレロッレロッ』





 すると二人の痴態に当てられて、同じくタガが外れた中山さんも行為に参加し始めた。

 目をとろけさせながら、高根の乳首を美味しそうに吸っている。

 中山さんも既に服をはだけさせ、自らおっぱいを揉みしだき、股に手を挟んでいる。





『パンパンパンパンパンッ』





 中山さんの愛撫も相まって、高根の腰使いが激しくなる。





「す、すごいっ……いっ、今まで、い、一番、ぎ、ぎもぢぃぃ……っ!

 く、狂っちゃう……く、狂うっ! く、くるっ……!」





 高根が歯を食いしばりながら、快感に堪える。

 あまりの興奮に見たこともない程顔を歪ませている。

 そんな高根には、もっと快感を与えて狂わせてあげよう。

 高根はより強い快感を好む。

 出し惜しみを望まない、快楽中毒のドスケベ女が高根ルイザの今の姿だ。





『ドッビュルルーーッ!」





「ンヘァアアーーーーッッ!」





 快感を4倍に増やして中出しをキメると、高根は舌を出してイキ果てた。





「んへぁ……あへへっ……しゅんごい……しゅんごぉい……」





 高根は白目を剥きながら、ドサリと倒れる。

 その顔は幸せに満ちた笑顔を浮かべていた。





 さて、次は―――





 俺は隣に座る中山さんを見る。

 中山さんは大騒ぎとなっている大観衆を、ぼーっと見つめていた。





「―――ねぇ満保君。私、満保君と付き合ってから、沢山エッチなことしてきたけど……

 まさかこんなにすごいことまでできるなんて、想像もしてなかったなぁ」





 中山さんが観客席の方に目を向けたまま、ポツリと呟く。





「……そうだね。俺も想像してなかった」





 俺も中山さんと同じように、会場を見渡しながら同意の言葉を述べる。





「こんなに気持ちいいことを毎日味わえて、どんどんエッチが好きになって……

 ルイルイやほっしーにまで出会えて、皆でこんなにすごい、変態さんなことまで本当にできちゃって……なんだか夢みたい」





「確かに。言われてみれば夢みたいな光景だね」





 こうして中山さんと付き合っているだけでも夢みたいなことだが、あまりに現実離れした光景に感慨深く頷く。





「最初は恥ずかしいって思ったけど、なんだか現実味がなくて、人の目が気にならなくなっちゃった」





「あ、それ俺もあるかも」





 未だに俺達へ罵声を浴びせ続けている人もたくさんいるが、そんなことすらどうでもよくなる。

 ステージに上がった時点から、俺達は夢見心地の気分でいたのかもしれない。





「だからね、満保君―――思いっきり、めっちゃくちゃにセックスしようよっ。

 二人で頭の壊れた変態さんになろっ」





 中山さんは『にひっ』と笑いながら、後ろ手を組む。

 突き出たおっぱいが豊満に揺れる。





「そうだね。皆の前で二人だけの世界に堕ちて、ぶっ壊れるまで気持ちよくなろう」





 アプリを開く俺の手に、中山さんが優しく両手を添える。

 俺の指先を通して感触を確かめながら、俺達は快楽のボタンに力を込めた―――





四章





『45-打ち上げ』





『ワーワー』

『キャーキャー』





 会場は大混乱に見舞われていた。

 携帯を取り出して撮影する者。

 何処かに電話をかける者。

 SPやボディーガードを押し退けて、ステージに乱入しようとする者。

 アヘ顔を晒しながらステージに横たわる星宮や高根の姿に絶叫し、罵声が飛ぶ。





 そんな中俺と中山さんは―――





『パンパンパンパンッ!』





 ひたすらセックスを続けていた。

 お互いの口をしゃぶり合い、目を蕩けさせながら、無心に腰を振る。

 これだけの人の前でセックスをするなんて、これぞセックスに人生を懸けた生き方だと実感する。





 どれだけスケベな人間だろうと、ここまでやりたいと考える人は少ないだろう。

 だが俺達にとっては場所を選ばないセックスを体現する場として、この上ないステージだった。





「ぎっ、きんもちいぃねぇっ! セックスって、なっ、なんでこんなにきもちいいんだろぉっ!」





「そっ、れはっ……! 二人の一番恥ずかしい部分をっ、か、重ねてるからだよっ!」





『パンッパンッパンッ!』





 下から強く突き上げながら、中山さんの疑問に答える。

 セックスが気持ちいい理由なんて分からない。分からないが気持ちいいのだからセックスする。

 そんな原始的な本能に従い、俺達はすべての欲求をセックスに向ける。





「私達ぃっ、死ぬまでに何回セックスできるかなぁっ!?」





 唐突な疑問に、俺もふと考える。

 だが増幅された快感によって思考は流され、すぐに疑問は消し飛んだ。





「死なないよ。俺達は死なずにずーーーっと、セックスするんだ。

 俺の魔法で、永遠に、無限にセックスしようっ……中山さんっ」





「うんっ……! 嬉しいっ……!

 満保君とっ……永遠にセックスするぅっ……!」





 中山さんは嬉しさのあまりか、目を潤ませながらコクリと頷いた。すると―――





「おい、お前達っ!!

 今すぐそこを離れなさいっ!」





 向こうから大勢の警察官がドタドタと乗り込んでくる。

 どうやら誰かが通報したらしい。

 ここら辺が潮時か―――





 俺は時間切れを悟り、アプリを操作する。

 ライブ開始前まで時間を指定して保存し、ファイルをゴミ箱に入れた。

 すると再び俺達の体は、舞台袖へと戻された。

 目の前には中山さんと高根が呆然と立っている。

 二人はキョロキョロと辺りを見渡し、互いの顔を見合わせた。





「―――フ、フフッ」





 高根の口から笑みが溢れる。





「ふふっ……あははっ」





 それにつられて中山さんも笑い始める。





「くくっ、アハハハッ」





 俺も心の奥底から愉快な気持ちが込み上げる。

 そして三人とも、腹を抱えて笑い出した。

 そのまま俺達は互いの肩を抱き合い、涙を流して笑い転げた―――





 あれからコンサートは通常どおり行われ、大喝采の中ステージは幕を閉じた。





「お疲れ様ーっ」





「カンパーイッ!」





『チンッ』





 コンサートが終わった後、俺達はファミレスでささやかな打ち上げを行っていた。





「ルイせんぱぁーい、どうして本番もステージに来てくれなかったんですかぁー?」





 一回目のステージでは観客の前に姿を現した高根だったが、二回目は始終ステージ袖でライブを観ていた。

 そのことに不満を垂れながら、星宮が頬を膨らませる。





「嫌よそんなの。私は引退した身なんだから」





 高根がジュースを飲みながら、まったく悪びれる様子もなく答える。





「最初はあんなに愛想振りまいてたじゃないですかぁー。

 せっかくあれだけ盛り上がったのにぃ、もったいなかったなぁ〜」





 星宮の気持ちも分からないでもない。

 久しぶりに観た、高根ルイザがスポットライトを浴びる姿は、あまりのオーラに俺も心を揺れ動かされた。





「先輩に頼ってるようじゃダメよ。

 自分のコンサートは自分の力で盛り上げなさい」





 だが高根は厳しい言葉でそれをはね退ける。





「でもほっしーとルイルイが同じステージに立ってるところなんて、私一生忘れられない光景だったなぁ〜」





 中山さんがステージを思い出しながら感傷に浸った。

 両頬を押さえ、ふにゃふにゃと表情を崩している。





「それより美玖っ。あなたすごかったじゃない!

 初めてステージに立つのに堂々としてて。向こうにいた関係者達なんて、絶対美玖をスカウトしようと躍起になってたわよっ」





「ええ〜っ! そ、そうかなぁ〜?

 普通にしてただけなんだけど……」





「そうですよぉ〜!

 私なんて今日は私が主役なのに、二人の可愛さで完全に影薄くなってましたもん!」





 星宮が目をキラキラと輝かせながら、中山さんの勇姿を称える。





「それにひきかえ〜……ご主人様っ!」





「えっ、なっ、何!?」





 突然星宮にムスッと睨まれ、心臓がドキリと鳴る。





「ご主人様は私のご主人様として来てもらったんですからぁ〜、もっと堂々と出てきてくださいよぉ〜!

 なんですかあれ! 美玖さんの影に隠れてオドオドしてて……

 私のご主人様として示しがつかないですよぉ〜!」





「あ、それはその〜……さすがに、ねえ?」





 思いきりダメ出しを食らってしまい、俺は情けなく萎縮する。





「まあ確かに緊張が見て取れるくらいガチガチだったけど―――

 あの場でオチンポの方もしっかり硬くできただけ、時生は及第点よ。

 万が一のために一応バイ○グラも用意しておいたけど、使わずに済んで良かったわ」





 なんと。

 俺が緊張で勃たなかったときを想定し、薬の準備まで行っていたとは。

 俺は自分の性欲に心から感謝した。





「ほんとだよぉ〜っ!

 あれだけのお客さんの前で、チンポギンギンにして立ってる満保君、格好良かったなぁ〜」





「ま、まぁ……それはそうでしたけど……」





 高根のフォローに中山さんも同調し、星宮も押し黙る。





 おいおい、三人にとってはアレが格好良いのか?

 どう見てもただの変態じゃないか。





 俺は思ってもみない部分を褒められ、ポリポリと頬を掻く。

 まあ普通は緊張したらチンポなんて勃ちっこないし、我ながらよくあの場でセックスなんてできたもんだと感心する。





「まあボディーガードの準備とかで多少苦労はしたけど、中々楽しいイベントになったんじゃないかしら?」





 最後に高根が代表して総評を述べる。その言葉に全員が顔をニヤけさせながら、コクリと頷いた。

 最終的にトラブルはなかったことになるため、SP達は実質的に無駄な仕事をしたことになるが、しっかりと報酬は支払っているため問題ない。

 それに彼らにとっても、問題は起きないに越したことはないはずだ。

 一回目の時には暴徒化したファンを取り押さえるのに、かなり苦労している姿も見受けられたが―――





「それにしてもぉ、ステージでするセックスって、あんなに気持ちいいんですねぇ〜」





「ええ……最っ高に興奮したわ……私多分、最後は完全にぶっ壊れてたと思うわ」





「すっごかったなぁ〜……またあんなことしたいなぁ〜」





「ええ……何度でも味わいたいわ。あの興奮と快感は病みつきよ」





「それじゃあ私のイベントがある時は、毎回ヤりましょうよぉ〜」





 女達が顔を蕩けさせながら、次の計画を企てにかかる。





「いや、確かにすごい体験だったし楽しかったけど……

 でもさすがに毎回は心身への負担がキツイかな……」





 対する俺はあまりにも刺激が強すぎて、しばらくは同じことをやる気持ちにはなれなかった。だが―――





「あら、あんなに悪い顔して私達を責めまくっておいてなにを言ってるの?」





「満保君が一番すごかったよぉ〜!」





「最初はどうなるかと思いましたけど、でも初めてのステージであれだけ射精できるなんて、さすがご主人様! って感じでした!

 あれならまだまだヤれましたよぉ〜!」





 女達に俺のはっちゃけぶりを指摘され、返す言葉もなく俯く。

 確かに始まってからは、この三人が俺の女だと世間中にアピールしている気分に気持ちが昂ぶってしまった。

 そして周りの目を気にせずセックスするというのも、中々に爽快だった。





「それじゃあ―――ステージでできなかった分、ここで皆でヤるか?」





 口元に笑みを浮かべながら、女達に視線を送る。

 すると女達もニヤリと笑い、スカートをたくし上げる。

 全員マンコをグチョリと塗らし、既に準備万端のようだ。





「そうだな……こうしようか。

 誰が一番長く、他の客や店員にバレずにセックスできるか、ゲームしよう」





「それすっごく楽しそう〜っ!」





「いいわ。一番長くできた人が、最後に999回絶頂を繰り返せるってことにしましょ」





「それってもちろん横から先輩達に手を出すのもアリですよねぇ〜?」





 俺の提案に女達は前のめりに賛同する。





「じゃあまずは、今日ステージで頑張ったしずからな」





「やったぁ〜〜っ!」





 俺がズボンからチンポを取り出すと、星宮が大喜びで上に跨がる。





 もはや俺達にとっては、セックスが最大の娯楽だ。

 これだけ様々な価値観が広まる社会で、娯楽に溢れる街に住んでいても、アプリを使ったセックス以上に気持ちいいことは存在しない。

 ゆえに俺達はセックスのことだけ考えて行動し、後から全部消すつもりで滅茶苦茶にヤりまくる。

 快楽以上に欲しいものなんて何もない。

 俺達はなんの躊躇も憂いもなく、今日も明日もただ悦びだけを感じながら、快楽に堕落しきった生活を存分に楽しんだ―――





五章





『46-論文』





 その後俺達の放課後性活に、星宮しずくが加わり、毎日4人で変態セックスを楽しんだ。





 星宮にリードを付けて散歩し、道端で放尿させたり、そのまま青姦したり―――今まで以上に狂ったセックスに明け暮れた。

 そんなある日のことだった。





 俺は高根に呼び出され、大学の昼休みに図書館へと訪れた。

 今日も校内でセックスすることを想像し、ウキウキと指定の場所へ向かう。

 高根と大学でセックスしない日はない。

 時折星宮が芸能活動と偽って学校をサボり、俺達の大学に来て3Pをするときもある。

 中山さんの講義がないときは4Pだ。

 金に困ることはないし、わざわざ勉強なんてせずに家で四六時中セックスしていればいい―――なんていう風に俺達は考えない。

 高根には高根の夢があり、星宮には星宮の夢がある。

 そして中山さんも親を説得し、俺にお金を払わせてまで東京に来たことに対する責任感があるようで、毎日きちんと大学に通っている。

 とはいえ遅刻したり、乱交に狂って何日も過ぎてしまったときは時間を巻き戻しているだけで、それ以上の時間をセックスに費やしていることには違いないが。





 俺の方も充実した大学生活の中にあってこその、セックスライフと考えている。

 ゆえに今日も学内でたっぷりセックスしまくって、悠々と午後の講義に向かうつもりだ。

 ああ、欲望のまま性に生きるとは、なんと幸せな人生か。

 毎日チンポが気持ちよくてたまらない。

 そして彼女達が俺のチンポに狂いまくる姿も最高だ。

 もっともっとエロの快楽にどっぷり浸からせてやりたい。

 そしていつか遠くに家でも建てて、チンポとマンコだけで考えてセックスに溺れる毎日を送る、そんな快楽御殿を造るんだ―――





 そんなことを考えながら図書館の自習スペースに入ると、いつになく真剣な顔で机に向かう高根の姿があった。





 珍しいな……今日は最初から勉強モードか。





 普段は高根が満足するまでセックスしてから勉強しているため、予想外の雰囲気に驚く。





「―――あ、時生。早く来て頂戴」





 すると高根も俺の到着に気付き、チラリと目線を向けて手招きすると、再び視線を机に戻す。

 どうやらかなり本気モードのようだ。





「どうしたんだ?」





 机の上に置かれた書籍や用紙を眺めながら、隣の席につく。

 すると高根は分厚いレポートのような、手書きの用紙を俺に差し出す。





「これを読んでもらえるかしら」





「これは―――」





 見るとそこには長々と書かれた量子力学に関する考察と、難解な計算式が綺麗な文字で書かれていた。





「これ……高根が書いたのか?」





「ええ。あなたと一緒に論文を読んでいく中で、色々閃いたことがあって。

 それをまとめてみたの」





 これはつまり、高根自身の書いた物理論文だった。





「ちょっと読んでみる」





 俺は高根程物理の勉強に時間を割いていないため、正直どこまで理解できるかは分からない。

 だが高根が書いた論文となれば、好奇心を抱かずにはおれなかった。





「ここの計算はどういう意味?」

「これは通常量子力学ではエルミート性と呼ばれる性質により、計算結果が実数になるのだけれど、ここでは虚数を用いることで―――」





 所々分からない部分を補足説明してもらいながら、論文を読み進めていく。そして気付けばその革新的な内容に没入し、午後の講義も忘れて読み耽った。





「―――これは、とんでもない論文じゃないか!」





 読み終えた後、俺はその衝撃に全身が粟立った。

 正直ちゃんと理解できないところも随所にあった。だが最後まで読めば、この論文が凄い新説を書き記しているということが、あまり詳しくない俺でも分かった。

 というより、こんな論文を大学一年生が書いたという事実が現実離れしている。





「これがもし正式に発表されて認められれば、すごいことになるぞ!」





 当初のエロい思考など完全に吹き飛び、高根の論文を褒めちぎった。すると高根も嬉しそうにはにかんだ。





「時生にそう言ってもらえて、少し自信が出たわ。

 私ね、この論文を量子論を研究している教授に見せようか迷っていたの」





「是非そうすべきだ! 教授に認められれば学会発表や学術誌掲載なんてこともあるかもしれない!」





 俺は興奮気味に高根を後押しする。すると高根も決心がついたようにコクリと頷いた。





「ありがとう、時生。あなたのお陰で決心できたわ」





『チュッ』





 高根に感謝のキスをされ、俺は照れ臭く笑う。





「それじゃあ早速教授のところに―――って、あ、そういえばだいぶ時間が過ぎちゃったな。

 昼前に時間を戻しておくよ」





 俺は論文を読んだ時間を巻き戻そうと、スマホを取り出す。すると―――





「あ、待って。どうせ時間を戻すなら、その前にズボン脱いで」





「へっ―――」





 二人とも完全に勉強モードとなっていた状況で、高根の口から明らかに場違いな要求が飛び出す。





「教授のところには後で行くから、その前にセックスしましょ」





「え、いや……この流れで?」





 戸惑う俺を無視し、高根はカチャカチャと俺のベルトを外していく。





「流れなんて関係ないわ。

 私はいつだってあなたとセックスしたいの」





『レロッジュルルッ』





 そういいながら俺のチンポを口に含む。





「うぅっ……! い、いやでも、早く自分の論文の正当性を確かめたいとかっ、そういう風に考えたりっ、しないのか?」





「ないわ。そんなの時間を戻せるんだしいつだってできるもの。

 それよりも少しでも長い時間、時生と気持ちいいことがしたいの」





『シコシコシコッ』





「お、おいおい……研究者になることよりっ、セックスの方が大事なのかっ?」





「う〜ん……どうかしら。

 もちろん研究者にもなりたいけど、だからといって時生とセックスできないのは嫌だわ。

 どっちかだけを選べって言われたら……そうね―――

 迷わず時生を選ぶわ」





『ガバッ』





「うわっ―――」





 高根は科学より俺を選ぶと宣言し、上に跨がった。

 これ程すごい論文を書いておきながら、俺とのセックスを優先するとは、末恐ろしい天才だ。





「でも、これだけ気持ちいいことをしながら、私の夢を叶えさせてくれる時生だからこそ、ここまで好きになったのよ。

 だから―――勉強もセックスも、全力で付き合ってもらうわ、時生」





 高根は妖艶にウィンクをしながら、指をクルクルと回し、快感の倍増をおねだりする。





 仕方ない……こうなったのも俺のせいだ。とことん付き合ってやるとしよう。





「それじゃ、何倍に気持ちよくして欲しいんだ?」





「そうね―――今日は5倍に挑戦してみない?」





「おいおい、そんなに増やしたら一瞬で意識がトぶぞ」





「ゆっくりすればきっと大丈夫よ。なんだか自分でも満足のいく論文が書けたからか、気分がすっごく昂ぶってるの。

 それに―――これだけ論文を書くのに頭をフル回転させた後、その脳をすぐに壊しちゃうのって、なんだかすっごく背徳的じゃない?

 天才的な頭脳を持つ人間が快楽で堕落するなんて、この世で一番悪徳な行為って感じがするわ」





 自画自賛が過ぎる発言も、あの論文を読んだ後では咎める気も起きない。

 それどころか高根の不敵な笑みに当てられ、否応なく情欲が滾る。





『淫らな天才の道を歩ませる』





 初めて高根とセックスしたあの日、俺は高根に向かってそう約束した。

 どうやら俺達の時は、その時交わした言葉の通りに進んでいるようだ。





 俺は高根の要求に従い、アプリを使って肉体経験を5倍に増幅した。

 その動作を確かめ、高根はゾクゾクと身を震わせる。





『グチョッ』





 静かな図書館に卑猥な音が鳴る。

 普通ならばここで二人の声が交錯するところだが、今回は違った。





「か―――はっ」





 挿れた瞬間、閃光が走る。

 チカチカと視界がボヤける。





「はっ、ひっ……」





 か細い声が高音の喉奥から漏れる。

 顔は一瞬にして崩れ、口をパクパクと開閉する。





『ズチ……ヌヌ……』





 チンポとマンコがわずかに擦れるたび、気が飛びそうな程の快感が暴れ狂う。





『ビクビクッ』





『ドピュルルッピュルルッ』





 ほぼ固まったまま、身体の微動のみで絶頂する。

 二人で抱き合ったまま、舌を垂らし、目は天を仰ぐ。

 少しでも腰を振れば、その瞬間に意識がブラックアウトするだろう。





『ドピュ! ドクドクッ』





 意識を失う瀬戸際の中、絶頂に果て続ける。

 机の下にボタボタと愛液やら精液が垂れ落ちる。





「あ……ひ……」

「ひ……ぐ……」





 快感、快感、快感、絶頂、快感、絶頂――――





 終わらない、止まらない、ただひたすらに続く極限の快楽に脳味噌が壊れていく。





『ビグッビグンッ』





 とうとうすべての精液を出し尽くし、萎えたチンポがマンコからボトリと抜け落ちた。





「はぁっ……はぁっ……」

「あひっ……いひっ……ひゅ、ひゅごひゅぎ……」





 ようやくとてつもない快感から解放され、言葉を取り戻す。

 高音の顔は涙と涎でグシャグシャとなり、ヘラヘラとキチガイじみた笑みを浮かべている。





『ンッチュッ』

『レロレロッピチャッ』





 どちらともなく唇にしゃぶりつく。互いの汗と涙とよだれで顔中びしょ濡れだ。すると―――





「キャッ!?」





 不意に横から小さな悲鳴が聞こえる。

 見ればおさげ頭の地味な女子学生が、驚いた表情でこちらを見ていた。

 俺達と目が合うと女子学生は真っ赤に染まった顔を隠し、両手に持った本をドサドサと落として走り去ってしまった。





「はは……見つかっちゃったな。

 時間を戻すか……?」





 俺はヘラヘラと笑いながら高根に訊ねる。





「あと24時間分っ……繰り返してぇっ……」





 とうとう高根は回数ではなく、時間を指定してきた。

 ほんの数分間の出来事を24時間分も繰り返すとなると、もはや何度絶頂するか分からない。

 だが俺は言われるがままにアプリを操作する。

 これは素晴らしい論文を書き上げた高根へのご褒美だ。

 24時間が終わった後に本人がまだ望めば、50時間だって100時間だって繰り返してやろう。





 お勉強で詰まった脳味噌を、快楽で洗い流そう。





『トンッ』





 画面をタップし、絶頂の無限ループが始まる。

 俺達は再び快楽の渦へと堕ちていった―――





五章





『47-二人きりの夜』





『教授に論文を見せたら、教授も驚いてたわ。

 それで学術誌に掲載してもらうために協力してもらえることになったの。

 これから計算が間違っていないか、教授に詳しく確認してもらうことになったから、しばらく平日はそっちに顔を出せそうにないわ。

 美玖にはよろしく伝えておいてもらえるかしら』





『分かったよ。

 学術誌に応募できるなんてすごいじゃないか!

 中山さんには俺からちゃんと伝えておくよ。

 でもきっと寂しがるだろうから、週末は皆で会おう』





『ええ。時生には大学で会えるけど、美玖に会えなくなるのは私も寂しいわ。

 なるべく週末は時間を作るようにするわ』





『あまり無理するなよ』





『無理じゃないわ。

 それに無理してでもあなたには会いにいくわ。

 あなたに会えない方が無理だもの。

 少しでも時間があったらまた呼ぶから会いに来て』





『分かったよ。必ず会いに行く』





『愛してるわ♡』





『俺も愛してるよ』





 長いメールのやり取りを終え、ガラケーをパタンと閉じる。

 高根の論文が教授に認められたことへの喜びと、しばらく家で会えないことへの寂しさ、そして最後のやり取りでのむず痒いような感覚―――様々な感情がせめぎ合い、なんとも言えない高揚感を抱えながら、俺は家路に就く。





 俺の方は大学で会えるため、そこまでの寂しさはない。

 だが中山さんはどうだろうか。

 最近は毎日会っていたし、正直皆で乱交を繰り返したことで、二人には友情を超えた関係性が出来上がっているようにも思う。

 平日は会えないとなると、中山さんはきっと寂しく思うだろう。

 あるいは久し振りに二人きりとなれることを喜ぶだろうか。

 あ、でも星宮というペットがいるから寂しくないか―――





 なんてことを思いながらマンションの前に辿り着くと、向こうから中山さんの歩いてくる姿が見えた。





「―――あっ、満保くーん!」





 中山さんが屈託のない笑みで俺に手を振る。

 その顔に俺も思わず顔が綻ぶ。





「おかえり、中山さん」

「ただいま、満保君っ。そしておかえりっ!」

「ただいま」





 俺達は笑顔で挨拶を交わし、自然に手を握る。





「あれ? 今日はルイルイと一緒じゃないの?」





 中山さんは早速気付いたようだ。

 今までは毎日高根と一緒に帰っていたため、当然ではあるが。





「ああ、しばらく平日はうちに来れないらしい」





「ええ!? ルイルイになにかあったの!?」





「い、いやそういうんじゃないよ!

 実は―――」





 俺は言葉足らずな説明で中山さんを不安にさせてしまい、慌てて弁明する。すると―――





「すっごぉーい! まだ一年生なのに、ルイルイもう論文書いたのー!?

 しかも教授に興味を持ってもらえるなんて、さすがルイルイだよぉーっ!」





 中山さんはまるで自分のことのように大喜びした。

 エレベーターのボタンを押し、到着を待つ。





「でも、そっかぁ―――ルイルイしばらくうちに来れないのかぁ〜……寂しいなぁ〜っ。

 今日はほっしーもお仕事で来れないって言ってたし……」





 どうやら先程俺が抱いた疑問は、『寂しがる』が正解だったようだ。

 しかも今日は星宮も来れないらしい。

 つまり今夜は、正真正銘の二人きりだ。





「まぁ久々に二人きりだし、今日は二人の夜を楽しもうよ」





 俺からそのように伝えると、中山さんは『ハッ』とした表情を浮かべた。





「そっ―――か。久し振りに満保君と二人きりなんだ……

 夜はいつも二人だし、ここしばらくはずっと賑やかだったから、二人だけで過ごしてた時のことがなんだかすっごく昔のことみたい」





「そうだね。少し……嬉しかったりする?」





「うーん……半々かなっ。

 寂しさ半分、嬉しさ半分っ」





 中山さんはニヒッと笑うと、到着したエレベーターにピョンッと飛び乗った。

 俺もクスリと笑いながら、後に続く。





 階を指定し、ドアが締まる。

 ドアの前に立つ俺の隣に、中山さんが寄り添う。

 両手を俺の腕に添え、俺の肩に頭を預ける。





 無言のまま、扉を見つめる。

 中山さんのぬくもりが、手から伝わる。

 仄かに当たる胸の感触が、心地よく腕を包む。





「ねえ……中山さん」

「うん……」





 互いに視線も合わさずに、思いを通じ合う。

 中山さんは無言のままスカートを捲り、パンツをずらす。

 そしてエレベーターの壁に手を付き、後ろを振り返りながら腰を突き出す。

 俺はジッパーを下げ、チンポを取り出す。

 そして中山さんのお尻をチンポで探り、見つけ出したトロトロのマンコ穴にそのままねじ込んだ。





『ズチュッ』





「んっ……ふぅんっ」





 中山さんは声を押し殺しながら、控えめに喘ぐ。





『パンッパンパンパンッ』





「あん、んんっんうっ……!」





 後ろから激しく突くと、中山さんは歯を食いしばって快感に堪える。

 こういった家の外で中山さんとする時は、今のように時間をコピーせずにセックスすることも多い。

 中山さんはスリリングな状況で見つからずにセックスするのを好む。

 そのため可能な限り誰にも見つからずに、長くセックスできるのが一番いい。

 快感を倍増してしまうと、バレずにセックスするのは困難を極める。

 こういった場合、その快楽は最後までとっておく。





 高根とよくヤるような、バレることも厭わずに極限までイキまくるセックスも最高に気持ちいいが、こういうセックスも違った興奮を楽しめていい。





『チンッ』





「んっ……!」





 エレベーターが到着すると、中山さんはより一層声を押し殺す。

 二人とも、祈る思いで扉を見つめる。





『ウィーーン』





 幸いにも扉の先には誰もいなかった。

 俺達は挿入を続けたまま、エレベーターを降りる。

 通路に人がいないかを確認し、自分達の部屋へと向かう。





「はぅっ……あんっ」





 中山さんが壁伝いに横歩きしながら、ゆっくりと進む。

 俺も中山さんの歩みに合わせて、横へと進んでいく。

 グチュ、ヌチュ、といやらしい音が通路に響く。

 声を押し殺し、辺りをキョロキョロ伺いながら自分達の部屋へと向かう。





 長い時間をかけてようやく玄関に辿り着いた。





「はぁ……あぁん……」





 ドアの前で鞄を漁り、鍵を取り出そうとする中山さん。

 俺はそんなこともお構いなしに、グリグリと子宮を押し潰す。





「んぁあ……!」





 中山さんの口から堪らず声が漏れ、ドアに両手を付いてビクビクと身を震わせる。





『パンパンパンパンッ』





 そのまま激しくマンコを突きまくった。





「んんーっ! んうぅーーーっ!」





 中山さんは手で口を覆いながら、必死に声を抑える。





『パンッ! パンッ! パンッ!」





「んんっ! あんっ! んあん!」





 いつ住人に見られるかも分からぬ状況で、異常なほど興奮が高まる。

 気付けば中山さんも自ら腰を打ち付けてくる。





『パンパンパンパンッ!』





「そ、そろそろ……出るっ!」





「わ、わたしもっ……い、イクッ……!」





 どんどん腰の動きが早くなり、通路に破裂音が鳴り響く。と、その時―――





『ガチャガチャッ』





「ーーーッ!?」





 隣のドアの鍵の開く音が聞こえ、俺達は慌てて腰の動きを止めた。

 外には誰もいない。つまり中から誰かが出てこようとしているのだ。





 俺達は急いで扉を開き、部屋の中へと逃げ込む。

 そしてそぉーっと扉を閉めると、隣から『キィッ』と扉の開く音が聞こえた。





「あ、危なかった……」





「ギリギリだったね……」





 間一髪のところで発見を免れ、俺達は大きくため息を吐きながら玄関に崩れ落ちた。





「続きは部屋の中でしよっか」





「そうだねっ」





 気を取り直し、俺達はリビングへと移動する。

 互いに直前で止まってしまった欲求不満を解放すべく、乱雑に服を脱ぎ捨てながらソファへと向かう。





『ドサッ』





 中山さんがソファに飛び込み、太腿を両手で開いて挿入を待ち構える。

 俺は中山さんの体に覆いかぶさり、間髪入れずにチンポをぶち込んだ。





「ぐっ……!」





「あぁんっ!」





 再び心地よい快感が襲いかかる。





『パチュン! パンパンパンッ!!』





「ああっ、す、すぐイクよ! 3倍にするからねっ!」





「きっ、来てぇ! はやくぅっ!」





 中山さんに強く催促され、俺は急いでアプリを操作し、時間をコピーする。





「あっ、ぁあああーーっ!!」





「イッグウゥゥーーーッ!」





『ドッビュルルーーッ』





『ビクビクビクンッ!』





 快感が増幅されると同時に、二人とも絶頂に果てる。

 せき止められていた快感が一気に押し寄せ、全身がガクガクと痙攣する。





『ドピュッピュルッ』





「あぁぁ……ぐ、うぅ……」





「んぁあっ……ぎもぢいぃ……」





 長い絶頂に全身の力が抜け落ち、中山さんの上にドサリと崩れ落ちた。





「はぁ……はぁ……も、もう一回しようか……」





 いつものごとく、再び絶頂を繰り返そうとアプリを開く。すると―――





「はぁ、はぁ、ち、ちょっと待って……今日は、私が満保君に色々してあげたいな……」





 すると中山さんは息を切らしながら、俺の操作に待ったをかけた。





「今日は、って……いつも中山さんに色々してもらってる気がするけど……」





 普段から俺は中山さんのテクによって骨抜きにされっぱなしだ。

 もちろんその分中山さんにもお返しをたっぷりしているが。





「いつもは皆で満保君に気持ちよくしてもらってるから、今日は私が満保君をメチャメチャにしたいなぁって……ダメかな?」





 上目遣いで訊ねられ、俺の心臓がドクンと高鳴る。





「だ、ダメじゃないよ」





「ほんとっ? それじゃあソファに手を付いて四つん這いになってっ」





 あ、これはマズイやつだ。

 俺を四つん這いにさせるなんて、これ多分本気のやつだ。





 俺は中山さんにグイグイと背中を押され、冷や汗を流しながらお尻を向ける。





「今日は満保君を壊しちゃうからね……

 ダメになるまで気持ちよくしてあげるから……うふふっ」





 恐る恐る振り返ると、中山さんが不敵な笑みを浮かべながら指をクルクルと回す。





 どうやら今夜は長くなりそうだ……





 アプリを操作する指が、期待と不安にぷるぷると震える。





『クチュクチュクチュクチュッ!』





「―――ほらっほらっ! イッて! イッて! イキまくって満保君っ!!」





「アアーーーーーッ!!」





 二人の愛の巣には、夜更けまで絶叫が鳴り響いた―――





五章





『48-ご奉仕』





『ゴメンナサイ⤵

 いつも一緒に授業を受けている子たちからごはんに行こうって誘われちゃった

 今日の夜は帰りが遅くなるかも(T_T)』





『気にしないで!

 たまには友達と親睦を深めるのも大事なことだよ。

 飯は適当に済ませておくから、楽しんできて!』





『うう〜っ(´;ω;`)

 ありがとう(〉_〈)

 なるべく早く帰るねっ!

 愛してるっ♡(*〉ω〈*)』





『俺も愛してるよ!』





「―――ふう」





 中山さんとのメールのやり取りを終え、軽く伸びをしながら部屋を見渡した。





「昨日は二人で、今日は一人か……」





 独り言が広い部屋に寂しく響く。

 中山さんと付き合ってから、一人で夜を明かすのは初めてだ。

 改めて一人になると、特にやることもなく手持ち無沙汰になってしまう。





「ひとまず飯でも作るか……」





 誰も聞いていないのに、なぜか言葉が口に出てしまう。

 思い返せばサラリーマンだった頃に一人暮らしをしていた時は、こんな風に独り言を呟くこともあった。

 かつてはネガティブな感情を吐き出してばかりだったが、今は特になんの不満もなく、ただ頭に浮かんだ言葉がついつい口から溢れる。

 はたから見ればさぞ不気味だろう。





 とはいえ存外男の一人暮らしなんて、そんなものかもしれない。





「ええと、食材は何かあったかな……」





 普段料理等は中山さんに任せっきりのため、冷蔵庫になにがあるかすらいまいち把握できていない。

 俺は昔自分がやっていた家事を必死に思い出しながら、あれこれと準備に取りかかる。





「そういえば中山さんのメール、懐かしい顔文字だらけだったなぁ」





 スマホ時代となってからはスタンプが主流となり、めっきり見なくなった顔文字。

 ガラケー時代の限られた文字を駆使した、表情豊かな顔文字の数々に、思わずノスタルジックな気分にさせられる。





「―――おっ、ちょうど『昔ながらに中華そば』があるな。

 今夜は適当に即席ラーメンで済ますか……」





 シンクの下から鍋を取り出し、水を入れる。

 そしてコンロの火を付け、お湯を沸かそうとしたところ―――





『ピンポーン』





「ん、誰だ? 宅配便かな……」





 唐突な来客に、俺は慌てて火を消す。





「はい」





 室内モニターにて来訪者の姿を確認する。するとそこには―――





「こんばんはー」





 制服姿の少女がカメラに向かって手を振っていた。





「―――えっ!? 星宮!?」





 予想していなかった星宮しずくの来訪に、俺は驚く。しかもどこからどう見ても女子高生にしか見えない格好だ。

 一応眼鏡はかけているが、帽子やマスクで顔を隠すこともなく、堂々と制服姿でやってきたことに焦りを感じた俺は、急いで玄関を開けて星宮を招き入れた。





「お前っ―――その格好はなんだよ!?」





「えー? なにって……しずの制服ですよぉー。学校帰りにきたんでー」





 そういいながら星宮はローファーを脱ぎ捨て、スタスタと部屋に上がり込む。





「あ、あのさ……一応確認なんだけど、やっぱり星宮って、その―――JKだったりする?」





「えー? そう見えますぅー?」





 星宮は意味深な表情でニヤニヤと視線を送る。まさかそれより下ってことはないだろうな―――





「一応4月生まれですけどぉ、JKかなぁ? JCかなぁー? それともご主人様と同い年かなぁーっ?」





 星宮のからかいようはもはや、「ご主人様」という呼び名がただのあだ名と化している。

 俺は真相を確認すべく、ガラケーを開いた。芸能人なら年齢くらいどこかに載っているだろうとの判断だが―――





「あ―――しずのプロフィールを調べようと思っても無駄ですよぉー。

 どこを調べても永遠の15歳ってしか載ってないのでぇー」





「ググッ……」





 さすがは日本のトップアイドル。こういった情報統制は抜かりない。





「そういえばぁ、ルイ先輩や美玖さんはどうしたんですかー?」





 星宮は部屋をキョロキョロ見渡しながら、他の二人の所在を確認する。





「ああ―――ルイザは論文の関係でしばらくうちに来れないのと、中山さんの方は友達と食事に行くから今日は遅くなるらしい」





「そうなんですかぁー。残念だなぁー」





 俺から二人がいないことを聞くと、星宮はぷくっと頬を膨らませながらソファに『トスッ』と腰掛けた。





「え―――いや、聞こえなかったか?

 二人ともいないんだけど」





 二人がいないのだから、ここにいる必要もないだろう。別に俺目当てで来たわけじゃあるまいし。

 俺のことをご主人様と呼んではいるが、実際のところは俺なんてペットから見た序列3位の飼い主程度のポジションだと―――常日頃から思っていた。





「聞こえましたよぉー。だから残念だなぁーって」





「ならなんでそこに座るの?」





「あれぇ? あっ―――んもーっ、ご主人様ったらぁ。

 分かりましたよぉーっ」





 すると星宮はニコニコと笑みを浮かべながら、ソファを立ち上がる。

 だがそのまま帰るのかと思いきや、リビングに立つ俺の元へと近づき、そのまま俺の前で膝をついた。





「ご奉仕させて頂きますねー、ご主人様ぁ」





 星宮が幼さ残る顔でニコリと微笑み、俺のズボンを下ろしにかかる。

 どうやら二人がいなくても、ちゃんと犬としての勤めを果たす気らしい。





「いや、そういうつもりで言ったんじゃないのだが……

 ルイザや中山さんがいなくてアテが外れたなら、別に帰ってもいいんだぞ?」





「何言ってるんですかぁー、しずはご主人様のご褒美が欲しくてこうやって来てるんですよぉー?

 ヤリモクで来たんだからヤるに決まってるじゃないですかぁー!」





 ヤ、ヤリモク……





 制服姿には到底似つかわしくないワードが飛び出し、ドキリと胸が高鳴る。





「ほらっ、オチンチン出しちゃいますねぇーっ。

 毎日来れないからぁ、しず溜まりまくっててぇ〜。ここ最近は仕事中もご主人様にセックスしてもらうことばっかり考えてましたぁ〜っ」





 星宮が俺のベルトをカチャカチャと外し、パンツごとずり下げる。





「あぁむっ」





 顕わになったチンポを美味しそうに咥え込む。





『ジュルッジュポッ』





 星宮はそのままご奉仕フェラを開始した。小さな口の中にデカいチンポが充満し、その上歯が当たらないよう一所懸命口をすぼめ、柔らかい口内でしごきあげる。





「あっ……ぐぅっ」





 普段とは違う制服姿に、俺はいつも以上に気分が昂ぶっていた。

 星宮の実年齢は分からないが、このロリ顔と制服には、否応なく背徳感が掻き立てられる。





『ジュプッジュプッ』





「んふっ―――ろうれしゅかぁ? ご主人様ぁっ。

 制服姿のJ○のご奉仕フェラ、きもひいいれしゅかぁ?」





「お、おまっ……J○じゃなかったのかよっ!?」





「あっ、いっけなーい。JDの間違いれしたぁ〜」





 危険なワードが飛び出し狼狽える俺。対する星宮は悪戯っぽくクスクスと笑いながら、チンポをレロッと舐める。

 あくまで冗談のつもりか、あるいは本当なのか―――いずれにせよ俺の興奮を限界に高めるには充分すぎる発言だった。





「いっ―――イクッ!」





『ドビュルルッ』





「んんっ! んくっんくっ」





 堪らず精液が放たれ、星宮が喉奥で飲み干していく。最初はこんなテクなどなかったが、中山さんのレクチャーによってディープスロートによる精飲も既にお手の物だ。





 今しがた怪しい情報も飛び出した少女―――それもとびきり可愛いトップアイドルに口内射精。

 あまりの愉悦に、俺はイキながら口元をヒクつかせて笑みをこぼす。

 最高に淫らな行為を、禁じられた相手と行う―――その背徳的な悦びは全身がゾクゾクと震え上がる程だ。





「はぁ、ふぅ……それじゃあ次は星宮にご褒美をあげようかな?」





 未だ興奮冷めやらぬ中、俺は鼻息荒く星宮の体に迫る。すると―――





「あっ―――ご主人様っ!

 それならしず、ご主人様に連れて行って欲しいところがあるんですけどぉ―――いいですかぁ?」





「え―――連れて行って欲しい……ところ?

 べ、別にいいけど……」





 唐突にセックス以外のご褒美をねだる星宮。まるで主従が逆転したようにお預けを食らい、俺は恥ずかしさのあまり了承してしまう。

 星宮は俺の許しを得たことに喜び、ウキウキと部屋を出ていった。

 俺はズボンを戻し、慌ててその後を追った―――





五章





『49-主従関係』





 俺達は二人で街へと繰り出した。

 中身30代の俺が制服姿の女子と街で歩いているだけで、なにやら犯罪的な行為に手を染めている気分になる。

 ただ今の姿ならば、周りからは割と近い年頃の二人が歩いているようにしか見えないだろう。





「ところで―――どこに行くつもりなんだ?」





「ふっふー。もうすぐ着きますよ〜」





 そういいながら星宮は大通りを逸れ、裏路地へと入っていく。

 こんなところに一体なにがあるというのか……

 俺は若干不安な気持ちを抱きつつ、星宮の隣に付いていく。すると―――





「ここです!」





 不意に星宮が立ち止まる。指差す先を見ると、そこには『激安DVD!』だとか『コスチューム』だとか、随分怪しげなのぼりがはためいていた。





「え……見るからにアダルトショップなんだけど」





「はいっ! ずーっとこういうお店に入ってみたいなぁーって思ってたんですぅ〜!」





 星宮が来たかった場所―――それは大人だけが入れる秘密の花園。

 星宮の見た目にはあまりにもかけ離れた、アイドルに似つかわしくなさすぎる場所だった。





「いやいやさすがに無理だろっ。

 年齢不詳な上に制服まで着てんだから、18歳未満だって公言しているようなもんじゃないか」





「え〜でもあそこにコスチュームって書いてありますよぉ?

 しず18歳なんでぇ、これもコスプレってことにすれば大丈夫ですよぉ〜っ」





 こんなロリ顔で制服を着ておきながら18歳なんて、いくらなんでも無理がある。

 いや仮に童顔の18歳だとしても、こんな格好ではすぐに追い出されるだろう。





「お前……18歳だと証明できる身分証は持ってるのか?」





「え、ええ〜っとぉ……あ! いっけなーい! うちに忘れてきちゃったぁー!

 もし出せって言われたときは、代わりにご主人様が出してもらってもいいですかぁ?」





「いや俺だけ持っててもダメだろっ!」





「も〜細かいことは気にしないでください! ほら行きましょ〜!」





 そういいながら星宮は俺の腕を無理やり引っ張り、中へと連れ込む。





「あっ―――お、おいっ!」





 星宮のゴリ押しによって、とうとう俺達はピンクな店の中へと突入してしまった。





「って―――あれ? 中は結構普通だな……」





 店内を見渡すと、そこは普通の本屋と変わらない様相だった。

 特に18歳未満禁止という張り紙もなかったし、アダルティなDVDやオモチャなんてどこにも見当たらず、肩透かしを食らう。

 店員も俺達の姿をチラリと見ただけで、そのまま挨拶もなく棚を整理しており、特に咎められる様子もない。





「ご主人様っ―――あそこっ……! あそこを見てくださいっ!」





 すると星宮が俺の袖を引っ張りながら、店の奥を指差す。

 そこは謎のカーテンで隠され、18禁マークがデカデカと表示されていた。

 どうやらあの向こうがアダルトコーナーとなっているようだ。





「これならもし注意されても、すぐこっち側に戻ればいいし、安心ですねぇーっ」





 そういいながら楽しそうにアダルトコーナーへ向かう星宮。





「いや全然安心じゃないだろ……」





 俺は店員の様子をチラチラ伺いながら、星宮の後に続いた。





「うわぁ〜〜っすっごぉ〜〜い!」





 真ピンクな世界に足を踏み入れ、星宮はキラキラと目を輝かせる。





「ちょ……あんまりデカい声出すなって……!」





「ええ〜、他にお客さんも居なさそうだし大丈夫ですよぉ〜」





 確かに星宮の言うとおり、他に客の姿は見られないが、トップアイドルがこんなところにいると知れたら大変なことになる。

 少しでも控えめに振る舞って欲しいものだが、対する星宮はハイテンションでアダルトグッズを物色している。





 とはいえ俺の方も胸の高鳴りを抑えられないでいるが。

 現役トップアイドル、制服姿、アダルトショップ―――こんなドキドキ要素が揃っている状況に、鼻の下が伸びない訳がない。

 卑猥な空間に包まれ、徐々にスケベな気分が高まってくる。





「それで―――なにか欲しい物でもあるのか?」





 星宮に身を寄せ、ヒソヒソと声をかける。





「え〜っとぉ―――しず、こういうのが欲しいなぁ〜」





 そういいながら星宮もクネクネと俺に身を擦らせる。

 そして手に取ったのは、緊縛用の縄。





「滅茶苦茶ハードなやつじゃん。気持ちよくなれるやつじゃなくて、こんなのが欲しいのか?」





「え〜だってぇ、しずはご主人様のペットなのでぇ〜。こういう躾っぽいのされてみたいなぁ〜って思ってたんですぅ〜。

 それに気持ちいいのはぁ、ご主人様にしてもらうのが一番サイコーじゃないですかぁ」





 星宮が俺の体に抱き着きながら、腹に指を押し付け、クニクニと腹筋をなぞる。

 アダルトショップでたまに見かける、まるで冷やかしカップルそのものだ。

 昔はこういう奴らが鬱陶しくて仕方がなかったが、いざ自分がこちら側となると、楽しくて仕方がない。





 しかもその実態は、カップルではなく主従関係。エロいことをするためだけの間柄。

 ご主人様と奴隷がイチャイチャとSMグッズを漁る状況に、俺達はどんどん酔っていく。





「それならこういう目隠しと、ボールギャグも買わないとな」





「いや〜んっすっごくエッチぃ〜。

 いたいけなJ○アイドルがぁ、こぉんなの付けられて無理矢理犯されるなんてぇ、興奮しちゃう〜っ!」





「おいおい、J○じゃないのかよ」





「あっ、JDでしたぁ〜っ。

 しず頭の中が男子中学生並みにエッチだからぁ、間違えちゃったぁ〜」





 時折本当のプロフィールが漏れているようにも思うが、聞かなかったことしておこう。

 とはいえ誰しもが夢見るイベントを、こんなトップアイドルと実現できた幸運に気分が舞い上がる。

 気付けば俺の手は、星宮の下半身へと伸びていた。





「へぇ〜。男子並みにスケベなら、クラスの男子とヤリまくれば良いんじゃないか?」





『クチュ、クチュ』





 スカートの下には下着を履いておらず、むき出しのマンコをグチョグチョとかき回す。





「あんっ……嫌ですよぉ〜っ。しずはご主人様以外、男という生き物に興味ないんでぇ〜」





 星宮の手も俺の股間へと伸び、硬くなったチンポをズボン越しにさする。





「そうか。それじゃあ従順な奴隷には好きなモノ全部買ってやろうかな」





「ホントですかぁ〜っ!? やったぁーっ!

 それじゃあこのバイブとぉ、このエッチな下着とぉ、あとこの媚薬も試してみたいなぁ〜」





 星宮はカゴを手に取り、気になるアダルトグッズを次々に放り込んでいく。





「おいおい、気持ちよくなるのは別にいいんじゃなかったのか?

 それにこういう店で売られている媚薬の類いは紛い物が多いって聞くし、買うのは衣装とか道具だけにしておけよ」





「ちぇ〜っ……

 そりゃあご主人様が一番ですけどぉ、芸能人たるものこういうイケナイ世界も嗜んでおきたいじゃないですかぁ」





「いやいや嗜んじゃダメな世界だろそれはっ!」





 星宮は口惜しそうに媚薬を棚に戻していく。

 まったく、こんな歳で媚薬に興味を持つなんて末恐ろしい奴だ。

 芸能界なんて結構ダークな世界だと聞いたこともあるし、このまま行ったらヤバい薬に手を出して逮捕されるような奴になるのでは―――

 俺は昔ニュースで見た、美人芸能人の薬物スキャンダルを思い出しながら、星宮のヤバい末路を想像してしまう。





「あっ―――いいこと思い付いたぁ」





 すると星宮はなにやら不敵な笑みを浮かべ、棚に戻した瓶をもう一度手に取ると―――





『パキュッ』





「ゴクッゴクッ」





 なにをとち狂ったか、その場で蓋を開けて飲み干してしまった。





「うげぇーっ……まっずーい」





「おまっ、なに考えてんだよ!」





 慌てて止めに入るも時既に遅し。『悶絶潮姫』と書かれた瓶の中身は、星宮の胃袋へと消えてしまった。





「いくら紛い物の類いだとしても、こんなの見つかったら万引きだぞっ!?」





「どうせ飲んだことも無かったことにできますしぃ―――ここにある媚薬が本当に効かないのか、時間を戻して全部試してみましょうよぉ〜っ」





 星宮からとんでもない提案が飛び出した。

 そうか―――確かに時間を戻せば、購入前に飲んだ事実もなかったことにできるが……

 この媚薬類を万引きし、未成年のアイドルに全部試すという―――もはや犯罪要素しかない蛮行に、俺の心臓はバクバクと鼓動を打つ。





「ほらぁ、ご主人様もこれ飲んでくださぁい」





 星宮がペロリと唇を舐め、『ハッスル大魔神』と書かれた瓶を渡してくる。俺はゴクリとつばを飲み、キョロキョロと辺りを見回す。

 カメラに背を向け、受け取った瓶を開封する。そして意を決し、中の液体を口に流し込んだ。





 食道に焼けるような感覚が走る。それと同時に得も言われぬ高揚感が身を包む。

 ドリンクの効果が出るにはいささか早すぎる。これは背徳的な行為による精神的な興奮作用だろう。





「効果が出るまで2、30分か……そっちは?」





「こっちも30分って書いてありますぅ」





 さて―――この中に効果のあるものはあるだろうか。





 俺達は期待に胸を膨らませ、その他の商品を物色した。





五章





『50-緊縛』





「うーん、特に変化はないなぁ。星宮は?」





「しずもないですぅ〜。飲んだ瞬間はちょっと暑く感じましたけどぉ」





 俺達は時間を巻き戻しながら、片っ端から媚薬を試していったが、これといった変化を感じられず、星宮はがっかりと項垂れる。

 やはりこういうのは紛い物しかないのか―――





 そう思いながら最後の媚薬を手に取る。

 そこには『規制間際!超絶アロマ』といういかにも胡散臭い文字が書かれていた。





「あとはそれだけですかぁ?」





「ああ。丁度2つあるし、人体実験はこれで最後にしよう」





 俺達はプラスチックの容器に入ったピンク色の液体を口に含み、ゴクリと飲み干す。

 こういった媚薬以外にも精力剤も色々試したが、すぐに効果を感じられるようなものはなかった。





 そもそも俺のアプリを使えばいくらでも快感は高められるのだし、これでダメならさっさとグッズを選んで帰るとしよう。





 そう思いながら効果が出るのを待つ。すると―――





「あ、れ―――なんだか、頭がほわほわしてきましたぁ」





 なにやら星宮がトロンと蕩けた目を浮かべ始めた。





「ほんと、だ―――なんだか胸がバクバクする」





 明らかな身体変化が起こり、俺と星宮はニヤリと笑い目を合わせる。





「ご主人様ぁ、なんだかこれぇ、肌がすっごく敏感ですぅ」





「あ、ああ……なんだろう……気持ちいい感じがするな」





 互いにハアハアと息を荒げ、体をもぞもぞと擦らせる。

 そのたびにビクビクと全身が跳ねる。





 これは―――本物だ。





 この胸に込み上げる高揚感は、精神的な興奮から来るものだけではない。

 俺は媚薬の効果を確かめるべく、星宮の股間に手を伸ばす。すると―――





「んぁああんっ!」





 星宮は先程弄り回した時とは明らかに異なる反応を見せた。





「こ、これぇ……しゅ、しゅごいですぅ……!

 ご主人様の魔法みたいぃっ!」





 星宮は舌を垂らして悦びを顕にする。明らかに感度が上昇しているようだ。





「お、俺のも触ってみてくれっ」





「ひ、ひゃいぃっ」





 星宮の手が俺のズボンにねじ込まれ、チンポをシコシコと擦り上げる。すると股間から強烈な電気が全身に駆け抜けた。





「すっ、スゲェ……! 肉体経験を2倍か3倍に増やした時みたいだ……!」





 まさかこんな媚薬がアダルトショップに売られているとは驚きだ。

 俺達はいつも時間を倍増している時とまったく同じ状態で、アヘアヘと感じ始める。





「ごっご主人様っ! あ、あっちのトイレでセックスしてくだしゃいっ!

 し、しずっ、もう我慢できましぇんっ!」





「あ、ああっ……!」





 堪らずトイレへと駆け込む。個室に入るなり俺は急いでズボンを脱ぎ捨て、星宮はスカートを捲りあげ、便器に手を付いて尻を突き出す。





「グチョッ!」





 そのまま勢いよくチンポをぶち込んだ。





「ンアアーーッ!」





「ぐぁあっ……!」





 挿れた瞬間、強烈な多幸感が押し寄せた。膣内の肉襞を擦る感覚に、全身の毛がゾワゾワと逆立つ。

 頭が真っ白になる程の快感に、涎がダラダラと溢れる。





『パンパンパンパンッ』





「きもちひぃ、きもちひぃでしゅうぅ」





 初めて味わうキメセクの快感に、星宮はアヘ顔を晒してよがり狂う。





「パン! パン! パンパンッ!』





 媚薬の効果で普段よりエロい気分も高まる。

 制服姿のアイドルをアダルトショップのトイレで犯している状況に、脳が焼き付く程興奮が高まる。





「あぁっ! イッ、イクぞっ! イクッイクッイクゥッ……!」





「しっしずもぉおおっイックゥゥーーーッ!!」





『ドピュルルーーッ!!』





 俺達の体はすぐに限界を迎え、まるで金玉の中身が全部持っていかれる程の勢いで射精する。





「はっ―――あぁっ」





「んへあぁっ」





 その瞬間、文字通り頭が真っ白になった。快感と幸福感で思考が溶け落ちる。

 クッッソ気持ちいい。





『ドクッドクッ』





『ビクッビクンッ』





 俺達は繋がったまま、長い絶頂に心身を震わせた―――





「ど、どうだった……俺の魔法より良かったか?」





 未だ薬の効果が残る中、俺はふわふわとした多幸感に身を預けながら、星宮に問いかけた。





「んぁ……お、おんなじくらい良かったですぅ〜。

 でもぉっ……ご主人様のいっちばんスッゴイのはぁ、もーーーっと気持ちかったですけどぉ」





 どうやら俺の魔法には及ばないようで、少し優越感を覚える。

 だがこの状態なら、普段はできないことが試せそうだ。





「なぁ、今これだけ肌が敏感な状態なら、さっき欲しいって言ったアレを試したら、もっと凄いんじゃないか?」





「ふぇっ……? アレぇ?」





 薬でボヤけているのか、星宮は自分が欲しいと言ったものをもう忘れている。





「アレだよアレ、縄とか目隠しとか」





「ああ〜〜〜っ! それ名案ですぅ〜〜〜っ!」





 どうやら星宮も俺の意図を汲み取ったようだ。

 アプリで時間を倍増した場合、痛みも倍増されてしまうため、中々SM的な行為には向かない。

 前々からSMチックなプレイにも興味はあったが、中々手が出なかった。

 だが媚薬がキマッている状態ならば、痛みとは違う感覚だけが強まる。

 しかも時間を戻せば体への影響も無かったことにできる。





 早速試そうと、俺は媚薬を飲んだ直後に時間を巻き戻した。そして店内に戻った状態から今度はカゴを持ってトイレへと向かう。

 普通ならばカゴを持ってトイレに行くことは禁止されているが、こんな制服を着た少女がアダルトコーナーにいても何も言われず、トイレであれだけ騒いでも誰も来なかったのだから、咎められることもないだろう。





 俺達はトイレに入るなり、未開封の包装を開けていく。

 最初は躊躇いもあったが、これだけ何度も無断試供を繰り返せば、罪悪感も薄れてしまった。

 中を見ると丁寧にも縄の緊縛手順の書かれた説明書まで入っていた。





「それじゃあ縛っていくから、これで目隠ししろ。服は脱ぐなよ」





「はぁいっご主人様ぁっ」





 俺はSスイッチが入り、強めの口調で命令する。星宮は嬉しそうに笑みを浮かべながら、アイマスクを付ける。

 目隠しをしてトイレに立つ制服姿の星宮。その光景にゾクゾクと興奮を覚えながら、ブラウスに手をかける。そして―――





『ブチブチッ!』





「あぁんっ!」





 ボタンを乱暴に引きちぎった。そして小さな胸に付けられたブラジャーを強引に引き上げ、乳首を顕にする。

 その状態のまま、説明書の手順に従い、ゆっくりと縄をかけていく。

 事前に形が整えられており、割と簡単に装着可能なタイプだ。

 ギチ、ギチと縄が締まるたびに、星宮が小さく呻く。

 小さな乳房を2つの輪っかが覆い、下半身で二股に分かれ、お尻で一本に纏まって背中を伝う。





「はぁっ……はぁっ……」





 縄が装着されるにつれ、星宮の息が荒くなる。再び薬が効き始めているのだろう。

 俺の方もエロい気分がどんどん高まり、目が充血していく。

 早くこの少女を犯しまくりたい―――そのような衝動が下腹辺りを暴れ回るが、なんとか堪えて縄を縛っていく。





「―――できたぞ。どんな気分だ?」





 俺は背中の縄をグイグイと引きながら、星宮の耳元で囁く。





「すっすっごくっ、締め付けられてますぅっ……!

 圧迫されて、全身が包まれてるみたいで、なんだか安心感? みたいな感じで心地いいです……」





 星宮は頬を赤らめながら、笑顔を浮かべる。どうやらお気に召したようだ。





「ほら……自分のスケベな姿を見てみろよ」





 両手を縛られた星宮の代わりに、鏡の前で目隠しを少し上げる。





「あっ……ああっ……! すっごい……! すっごいエッチ……!

あぁぁああっこっ、興奮でっ、頭がどうにかなりそうですぅっ」





「どうにかなってんだよもう。薬が回って来ただろ。敏感になった肌が締め付けられるのはどんな気分だ?」





「きっ、気持ちいいっ! 肌に食い込むのがぁっ……気持ちいいですぅ!」





 星宮は気が狂ったように息を荒げ、口とマンコからダラダラと涎を垂らす。

 縄を引っ張ると乳房から太腿までの僅かに露出した肌が食い込み、マンコをグチョッと押し広げる。

 すると中からボタボタと愛液がこぼれ落ちる。

 制服姿に緊縛―――そのあまりにも非倫理的な光景に、俺の頭が沸騰する程熱くなる。

 星宮のマンコが、まるで極上の果実にしか見えない。





「美味そうなマンコだ……これは味見をしないとな」





 再び星宮の目隠しを戻し、口にボールギャグを付ける。





「むっ、むグッ」





 そして縄の先をトイレのドアのホックに括り付けた。





『グイッ』





「ンフゥッ!」





 星宮の股を開かせ、間へと割り込む。そして勢いよくマンコにむしゃぶりついた。





『ジュブブッ! ジュルルーーーッ!!』





「ンフゥーーーッ!!?」





 その瞬間星宮の体がビクンと跳ね、声にならない声がトイレに響いた。





「クッッソ美味ぇ……こんな美味いマンコ初めてだ」





 薬の影響か、まるでマンゴーの果実でもすすっているかのような幸福感に満たされる。

 俺はその後も夢中になってマンコを舐め回した。





『レロレロッ! ジュプッジュプルッ!』





「ンフウゥーーッ! ンンーーーッ!」





 星宮が頭を乱暴に振り乱す。そして舐めるたびに『ブシャブシャ』と愛液が降り注ぐ。

 俺はそれをゴクゴクと飲み干していく。

 エロくて最高の気分だ。エロすぎて言葉で表現できない。

 ただただ未曾有の多幸感と興奮が、脳味噌の神経を焼き殺していく。





 まだだ。

 もっと滅茶苦茶にしてやる。

 もっとぶち壊せ。

 快楽でマンコと脳味噌を破壊してやる。





 俺はカゴの中からバイブを取り出し、星宮のマンコにぶち込んだ。





『ウィンウィンウィン』





「ンンンンーーーー!!! ン゛ン゛ッ!! ンムウゥーーーッ!!」





 星宮の首が折れそうなほどに、頭を左右前後に振り回し始めた。





「くくっ……はははっ! 気持ちいいか! 気持ちいいんだろ!!

 縛られてマンコ舐められてバイブ突っ込まれて、滅茶苦茶気持ちいいんだろ!」





 あまりに凄い反応に、俺は思わず笑いが込み上げる。

 すると星宮も激しく首を立てに振り、快楽を肯定する。





『パァンッ!』





「ンンーーッ!」





 そんな星宮の桃尻を引っ叩いてやると、首を仰け反らせて全身をビクビクと痙攣させる。





「叩かれるのも気持ちいいのか!? なぁ!?」





『パァンッ!』





「ンムウッ!!」





 叩かれながら、星宮はなおも首を立てに振る。薬の効果でもはや何をされても気持ちいいようだ。





『ズボズボズボズボッ』





『パァン! パァン!』





 バイブを激しく上下させ、その都度尻を思いっきり引っ叩く。





「気持ちいいなら気持ちいいって言えよ! なぁっ!?」





「んもむムゥーーー!! ンモムムゥゥゥウウーーーッッ!!」





 喋れなくさせたのは俺だが、あえて無理難題を言うと、星宮は必死に快感を叫ぶ。そして―――





「ンムッ……ンムウゥ〜〜〜〜〜ッッ!」





『ジョボボボ〜〜』





 身を震わせながら、とうとう失禁してしまった。

 トイレの床に、現役アイドルの尿がジョボジョボと溢れ落ちていく。





「いいぞ……ここはトイレだからな。全部出せ。快楽を全部吐き出して気持ちよくなれ……

 後で戻してやるから、好きなだけ快楽に狂いまくれ」





 星宮の足に黄金液が滴る。

 そしてようやく尿が止まったところで、俺は星宮の目隠しとボールギャグを外した。





「あっ……あへっ……あへっ」





「どうだ。もっとして欲しいか」





 目を裏返しながら幸せそうに笑う星宮に、優しく訊ねる。すると―――





「ご、ご主人しゃまのっ……オチンチン……いっ挿れてくだしゃっ……

 もっ、戻さなくてもいいでしゅっ……戻れないくらいっ―――し、しずを、滅茶苦茶に壊してくだしゃいっ」





 星宮は涙を流しながら、更なる快楽を望んだ。

 顔は滅茶苦茶にヨレているが、その潤んだ瞳は、この世の誰よりも美しかった。





「そうか。なら一緒に壊れような。

 今だけは全部忘れて、二人でどこまでも気持ちよくなろう」





 そういうと俺は星宮の頬にそっと手を添え、唇を重ねる。





『チュッ』





 アイドルという立場を忘れ、一心に俺と堕ちることを望んだ星宮と、初めてのキスを交わす。





「もうお前は誰にも渡さない。俺だけの星宮しずくだ。

 俺は中山さんやルイザと同じように、お前を俺の女として愛したい。

 お前も―――俺だけを愛する女になれ」





 星宮の頭を抱え、瞳を凝視し、静かに―――力強く、愛の言葉を伝える。





「はいぃっ―――ご主人様しか絶対に愛せましぇんっ……!

 何番目の女でもいいからぁっ―――しずを一生愛してくだしゃいっ……!」





 星宮は未曾有の快楽を浴びながら、涙を流して愛を誓う。





「何番目だとかそんなの関係ない。

 他の二人より劣るなんて微塵も思えない程、しずくを愛しまくってやる。

 気持ちいいことはどんなことだって全部ヤらせてやるからな。足りなきゃ足りない分、滅茶苦茶に愛してやるから、好きなだけ悪い子になれ」





「うぅ〜〜〜っご主人様ぁあ〜〜〜っ!」





 星宮がわんわんと泣きじゃくる。

 そんな姿を見れば、今は星宮のことしか考えられなくなる。

 俺達は今、しちゃいけないエロいことを全部ヤッてる。

 こんなに興奮することなど他にない。

 すべての愛情や劣情を、この少女にぶつけてやりたいという気持ちにさせられる。





 あくまで憶測だが、きっと星宮はトップアイドルとして注目され、皆の理想を演じる自分にどこか窮屈さも感じていたのかもしれない。

 それがきっと、暴走気味の性癖に現れているように思う。





 中山さんは特別な人間ではないという劣等感から、俺を強く感じさせたいと願っている。

 高根の場合は、幼少より天才として名を馳せた反動からか、頭をバカにして感じまくるセックスに陶酔している。

 そして星宮の場合は―――スターとして輝かしい人生を歩む傍らで、悪い愉しみに興じたいと思っているようだ。





 自分が相手に虐げられ、従属するような立場に興奮や安心感を覚えるのは、きっとスターならではの孤独感や不安があったのかもしれない。

 こんな少女ならば当然だ。本当は誰かに甘え、誰かに包まれたかったのだ。

 だが高根の背中を追い、トップを目指す星宮にそれは許されなかった。

 ゆえに自分の劣情をひた隠しにし、自分と同じく可愛い女子を愛でることで逃げていたのだ。





 ひょっとすると『犬にでも何でもなってやる』といったあの時の言葉も―――星宮しずくの内に秘める願望が漏れ出たものだったのかもしれない。

 高根ルイザが認める程の男ならば、自分の黒く染まった欲望を預けられる、と―――

 本当は―――淫らな快楽に酔いしれる、アイドルとはかけ離れた悪い少女になりたかったのだ。





 ならば―――俺はこの少女に最大級の愛情を持って、それを満たしてやりたい。

 この俺にすべてを預け、自分をさらけ出してくれたのだから。

 星宮の望み通りの形で極限の快楽を与え、幸福の渦潮に溺れさせてやろう。





『ズチュッ―――』





 いきり立ったチンポをマンコにねじ込み、俺達は歓喜の叫び声を上げた―――





五章





『51-ニュース』





 あれから俺は星宮を抱きまくった。とにかく抱いて抱いて抱きまくった。

 セックスへの欲求がマグマのように噴き上がる。快感がダイナマイトのように弾ける。

 チンポが擦り切れるまで抱いて、時間を戻して抱いた。イク瞬間に時間を倍増し、更に快感を高めてイキ狂った。

 あまりの快感に、例えではない人体の破壊を自覚した。チンポの蛇口は完全に壊れ、精液が延々と垂れ続ける。

 セックスという行為にどれだけの幸福が詰まっているか、人はまだまだその片鱗すら味わっていないことを俺は思い知らされた。





 とてつもない快楽に身はよじれ、全身がチンポになり、すべての毛穴から射精する。

 聴こえてくる星宮の喘ぎ声は、まるで天鵞(てんが)のさえずりのように思考を蕩けさせる。

 目に映る少女の裸体は、欲望の泥沼に咲き誇る蓮花のように心を奪い去る。

 触れる肉は、安寧の郷に吹く温かな恵風のように全身を幸福に包む。





 快楽の頂に登り、そこから更に天上へと上昇し続けるような、とてつもない歓びに満ちた究極のエクスタシーに、舌を垂らし、目を裏返し、息を荒げ、無我夢中で肉穴を貪った。





 星宮は喘いだ。

 ひたすら喘ぎ、笑い、泣いた。体を縛られたまま、俺の唇を求め続けた。

 俺は星宮の口をしゃぶりまくった。

 歯茎の裏から舌の根本まで、舐めて舐めて舐めまくった。

 そのたびに体を叩き、赤くなったそこを舐めて癒やした。

 星宮は嗚咽する程泣き叫び、悦んだ。

 マンコは壊れ、汁は垂れ流しとなり、きもちいい、きもちいいと喋るだけのオモチャと化した。

 壊れたチンポとマンコが重なる様は、まるで一生分の快楽が詰まった宝石箱のマンコに、黄金の延べ棒でできたチンポが差し込まれ、ダイヤモンドの如く光り輝く多幸感が、湯水のように脳味噌から湧き出るかのようだった。

 何度も、何度も腰を振り、味わったこともない快楽に俺達は酔い続けた―――





 事後、星宮は自ら想いを語った。





 ずっとこうなりたかった。

 誰かにこうして欲しかった。

 滅茶苦茶になって壊されて何もかもダメになるまで溺れたかったと、ひたすら口にした。

 ルイザにはなれない、あんなすごい人になれない、でもならなきゃ、やらなきゃ―――そのプレッシャーに押し潰されながら、今の地位に登りつめた。

 その結果、何もかも嫌になったことが沢山あった。

 誰も愛せなくなり、信じられなくなり、自分がなにをしたいのか分からなくなった。

 アイドルを辞めたいけど捨てられない。

 他のことに逃げたいけど逃げられない。

 もう何も考えずに心地よくなればそれでいい―――そうやって女の子とのセックスにハマった。

 でもファンの子達を相手にしても、皆アイドル・星宮しずくとしてしか見てくれない。

 憧れのアイドルと体を重ねて喜ぶだけだった。

 誰も自分を壊してはくれない。

 誰も星宮しずくが壊れもいいなんて思ってくれない。

 皆星宮しずくというアイドルがアイドルのままでいることを望んだ。

 だからなにも満たされなかった。





 だが俺と出会い、俺の能力を垣間見、俺に敗れて俺の犬となり、壊れる程の快楽を知った時、星宮が望むすべてがそこにあった。

 俺になら壊れずに壊してもらえる。

 星宮しずくのまま、星宮しずくじゃない生き物にしてもらえる。

 なにも考えずに心地よくさせてくれる。

 悪い子でいさせてくれる。

 悪いことをしても許してくれる。

 悪いことをしても、無かったことにしてくれる。





 俺と全部したい。

 なにもかも味わいたい。

 やりたかったアレもコレも。

 味わいたかったアレやコレや。

 壊れるまで、なにもかも―――





 帰り道に―――星宮は俺にすべてを打ち明けた。

 今日ここに来たがった理由、今日ここでしたかったこと―――それらを語る星宮の手を握りながら、俺は黙って頷きながら聞いていた。





 反対の手には、店で買った袋がぶら下がっている。

 中に入っているのはアイマスク、下着、バイブ、電マ、そして―――縄。

 それらをまるで宝物のように、大事そうに持っていた。

 これらは店に入る前の時間にタイムリープし、星宮を店の外に待たせて俺だけが店内に入って買ったものだ。

 星宮は媚薬も欲しがったが、それはダメだと伝えると、不服そうに頬を膨らませた。

 その代わり痛いプレイをするときは、それも含めてよしなに対応することを伝えると、嬉しそうに跳ねた。

 実に可愛い仕草だが、あまりにも倫理の崩壊した状態に俺は苦笑いする。

 とはいえ今更星宮を窘める気も起きなかった。

 ただ―――星宮の無邪気な笑顔に、愛おしさだけが俺の胸に広がっていた―――





 数日後―――





「えっとぉ、今日からしずは―――アイドルのお仕事を減らしてもらうことになりました!」





「「えええ!?」」





 家に来るなり爆弾ニュースを打ち明けられ、俺と中山さんは驚愕した。





「いやいやいや、どういうことだよ!?

 まさかアイドルを引退するつもりなのか!?」





「そ、そんなぁ〜〜〜っ! ルイルイに続いてホッシーも引退なんて、そんなの絶対にダメーッ!」





 まさか俺達との性活に堕落して、本当に夢を捨ててしまったのではと、俺は先日の行いを悔やむ気持ちが芽生える。だが―――





「いえいえ引退はしませんっ! しずは永遠のアイドルですからっ!

 ただ学業との両立が厳しいので、平日のイベントや番組出演等は極力減らしてもらうことにしました!」





「な、なんだ……そういうことか」





「ビックリしたぁ〜……活動休止とかじゃないんだね」





 どうやら俺達の早とちりだったらしく、二人で安堵のため息をつく。





「そっかぁ……てことは、しずくは学業に本腰を入れるわけか。それはいいことだな。できることがあれば俺達も協力―――」

「学業に本腰……? 入れるわけないじゃないですかぁそんなの」





 星宮はキッパリと言ってのける。





「は、はぁ?」





 自ら発した言葉をすぐさま否定するとは、こいつは一体何を考えているのか―――





「しずが挿れるのは勉強じゃなくてご主人様のオチンチンだけですぅ〜!

 学業じゃなくてセックスに専念する的なぁ?

 あ、学校では今まで通り芸能活動を続けることになってるんでぇ、これからはサボってセックスし放題〜〜っ!」





 そういいながら星宮はヘラヘラと笑う。

 どうやらこいつは本物のアホのようだ。





「そっかぁ〜! それはいいことだねぇー!」





「ですよねぇー! さっすが美玖さん!」





「いやいや全然いいことじゃない。

 いっちばんダメなやつだから」





 中山さん、君までアホにならないでくれ……





 女達の狂った思考にため息を吐きつつも、俺がそうさせてしまったのはほぼ間違いないため、バツ悪く頭を掻く。





「あのなぁ、芸能活動を制限するのはいいとしても、俺達も学生だからな。

 星宮が学校をサボったところで俺達は大学に行ってるんだから―――」





「分かってます! お勉強中のご主人様の机に潜り込んで、オチンチンをご奉仕すればいいんですよねっ!?」





 星宮が鼻息を荒くしながら、やる気満々の表情で迫ってくる。





「うん、それは悪くな―――って、いやいやいや。講義中はマズイって」





「ええーっ、私も満保君の講義中に気持ちいいことしてあげたかったなぁ」





「き、気持ちは嬉しいけど、中山さんにしてもらったら本当に大変なことになるから……」





 中山さんの寂しそうな顔に、思わず気持ちが揺らいでしまう。しかし講義中に中山さんのテクで責められたら、1秒と持たずに悶絶してしまう。





「そうなったら時間を戻せばいいじゃないですかぁ〜っ」





「そういう問題じゃねえよっ! ソッコーバレたら意味ないだろっ!」





「そこは男の子なんだから、堪えなきゃダメだよ満保君っ」





「無理です。絶対に無理です。あなたのソレは絶対に堪えれません」





 俺がなんとか星宮を諭そうとするも、中山さんからの追撃を食らう。

 中山さんからパチリとウィンクを投げられタジタジになりつつも、俺は潔く敗北を宣言することで実現不可能な計画である旨を説明する。





「じゃあ我慢できるようにチンポ特訓しよっか!」





「さんせー! 一度ご主人様のことも虐めてみたかったんですぅ!」





「お、お前達っ、やっやめっ……ぁあーーーっ」





 とうとう二人が強引に襲いかかってきた。三人でワチャワチャと騒ぎ立てていると―――





『バァン!』





 突如リビングの扉が勢いよく開かれ、全員が驚いて扉の方を見る。

 するとそこには、なにやら高根が興奮した様子で立っていた。





「時生―――やったわ! ビッグニュースよ!」





 ここまで走って来たのか、高根は息を切らしながらハイテンションで話し始めた。





「え―――ルイザ?

 どうやって入ってきたんだ?」





「この前美玖に頼んで、スペアキーを作ってもらったのよ―――って、そんなこと今はどうでもいいわ!」





 なにやら驚きの情報が飛び出したが、高根はそんなこともお構いなしに話を続ける。





「私の論文が―――学術誌に掲載されることになったわ! しかもあの、Natural誌よ!」





「なっ、Natural誌!?」





 突如高根から飛び出した朗報。

 それは世界で最も権威ある学術誌と名高い、Natural誌に学士生の論文が掲載されるという、前例の限られる大快挙だった―――





五章





『52-マスコミ』





「高根さん―――高根ルイザさんっ!

 今回高根さんの論文がNatural誌に掲載となったことについて、今のお気持ちをお聞かせ願えますか!?」





 高根とキャンパスを歩いていると、マイクやカメラを持ったマスコミ関係者に詰め寄られた。

 あれからこういった出来事が日常茶飯事となっている。





 ハーフで天才の元子役女優、高根ルイザの書いた論文がNatural誌に掲載となったニュースは、俺達だけでなく世間も賑わせることとなった。





「非常に光栄なことと思っております。

 ですが私のような大学に入って間もない若輩者が今回の論文を書けたのは、私自身の力だけではなく、優秀な学友の存在が大きかったと痛感しております」





 高根は俺の顔をチラリと見ながら、真摯に対応する。

 さすがは元芸能人。取材の対応にも慣れた様子だ。





「あの、失礼ですが……そちらの男性は、高根さんとどういったご関係でしょうか。

 かなり親密な関係に見えますが……」





「この方は私の学友で、私が最も尊敬する男性です」





 今度は隣に立つ俺の方にまで白羽の矢が立つ。まあ、あの高根ルイザと親しげに歩く男となれば、興味を持つのも当然か。





「そうなんですね! いや実は、高根さんがこちらの男性とご一緒されている姿をよく見かけるとの情報が、他の学生方からも入っておりまして。

 中にはお付き合いされているとの噂もありますが、本当ですか!?」





 すると質問は論文とはまったく関係のない、色恋沙汰にまで発展する。

 というより、論文の件をあまり掘り下げなかったあたり、ゴシップネタが本命といったところだろう。





「それ以上はプライベートなことですし、私も彼も一般の大学生ですので、論文と関係のない質問にはお答えいたしかねます。

 それと撮影した映像や写真を表に出すことも、ご遠慮願います。

 では次の講義がありますので」





 高根はマスコミの質問をさらりと交わし、場を離れようとする。

 高根の目配せを受け、俺もインタビュワーにペコリと頭を下げて高根の後を追う。





「あっ、あの―――そちらのご友人の方からも一言っ!」





 後ろから呼び止める声を無視し、俺達は早足で建物の中へと逃げ込んだ。





「ふう―――まったく、嫌になるわね。

 連日こうも追っかけ回されたら、溜まったもんじゃないわ」





 高根は心底うんざりした様子で溜息を吐いた。





「まあまあ、それだけ世間が高根の論文に注目してくれてるってことじゃないか」





 俺は今の状況に嬉しさや誇らしさが勝ってしまい、思わずニヤけそうになる顔を抑えながら高根をなだめた。

 なんてったって、あの天才美女・高根ルイザの噂の恋人として俺まで注目を浴びているのだから、どうしても気持ちが浮ついてしまう。





「でもそのほとんどがプライベートな質問ばっかで、誰も論文になんて興味ないのが丸分かりよ!

 どうせ元女優で天才美女である私のゴシップ記事でも狙ってるのよ!」





 どうやら高根は、自分の色恋沙汰ばかり注目されていると受け取って腹を立てているようだ。





「あーもームシャクシャするわねっ。

 時生っ、今すぐセックスするわよっ!」





 高根の鬱憤は性欲へと置換され、その矛先が俺へと向けられる。





 あまりにも色気のない流れだが、こういった時はセックスするのが一番いい。

 当たり前にセックスする関係で、いつでもどこでも気にせずセックスする生活を送っている俺達は、不満をすべてセックスで解消できる。

 それが一番気持ちいいのだから、セックスが最も手軽で最高のストレス解消法だ。

 タバコを吸ったり、コーヒーを飲んだり、チョコを食べたり―――そんな手軽さでセックスできるならセックスするに決まっている。

 都合が良いとかふしだらだとか、そんなものどうだっていい。

 性に乱れた人間同士が愛し合っている―――ただそれだけだ。

 俺は気軽にセックスを求める高根が、心の底から大好きだ。





「わかったよ。どこかひと気のない部屋でも―――」





『カチャカチャッズルッ』





 そう言いかけたところで、高根は講義棟の廊下で堂々と、俺のズボンを下ろしてしまった。

 あまりにも節操のない行為だが、高根との情事において人目を憚るのは今更過ぎる。

 俺は特に抵抗することもなく身を任せる。





 高根は俺のチンポを露出させると壁にもたれ掛かり、スカートをたくし上げた。

 見ればマンコは既に濡れており、本人も前戯を求める素振りはまったくない。

 壁際に立つ高根に迫ると、俺の首に腕が回され、強く引き寄せられる。





『んっ、チュッ』





 唇を交わしながら、服の中に手を突っ込み、高根の胸を揉みしだく。

 片足を掴み、立ちかなえの体位でチンポをマンコに挿入する。





『ズチュッヌチュッ』





「あんっ……ああっ」





 長い廊下に、卑猥な水音と喘ぎ声が鳴り響く。

 誰もいないとはいえ、こんなところでセックスしていれば即人に見つかるだろう。





「はぁっはぁっ、いいのか? どこかにマスコミが潜んでるかもしれないぞっ?」





「別にいいじゃない見せつけてやれば。

 どうせなら生放送の中継カメラでもくればいいのよ」





 多少ブレーキをかけるつもりの言葉だったが、セックス中の高根にとっては、逆に火に油を注ぐことにしかならなかったようだ。





『ズチュッズチュッ』





「それじゃあこのまま数日間人前でセックスしまくって、世間がどんな騒ぎになるか見てみるかっ?」





「いっ、いいわねそれっ。どのタイミングで戻すのっ?」





「そうだなっ―――逮捕されて塀の中にぶち込まれるまでにするかっ?」





 俺は語気を強めてニヤリと笑みを浮かべる。すると高根は目を丸くし、ゾワゾワと身を震わせた。





「わっ、私の名前がっ……公然わいせつ罪で報道されるところを見れるのね……! 想像しただけでゾクゾクしちゃうっ!

 どうせ逮捕されるのならっ、もっと色んな悪いことしましょっ」





「おいおい、俺は脅しのつもりで言ったんだが……

 あんまり調子に乗って、しずくみたいなこと言い出すなよっ」





「あらっ、しずとどんな悪いことをしたっていうのかしらぁっ? 詳しく聞かせて欲しいわっ」





 まずい。高根を諭すつもりが、ついつい余計なことを口走ってしまった。





 それにしても―――このまま歯止めが利かなくなり、最終的には武装した逆マジックミラー号に乗って、公開セックスに明け暮れながら日本中を逃避行―――なんていうことにならないだろうか。





「―――うん、いや、それはおいおい話すとして……人として大事なものを失ってしまう気がするから、普通にしようぜっ。普通にっ」





『パンッパンッパンッ』





 さすがに警察を相手にするようになってしまえば、いずれドンパチやらかす大悪党に堕ちてしまうのでは―――

 先程まで性乱生活を満喫する気持ちだった俺も、さすがに慌ててストップをかけた。

 とはいえこの状況自体が既に普通ではないのだが。





「あら、あなたともあろう男が、なにを臆するのぉっ?

 大きな快楽にスリルはつきものだし、その方が楽しいじゃないっ」





「まったく……時間を戻せるからって、傷害とか殺人とか―――とんでもない悪事に手を染めたりしないだろうなっ」





『パンパンパンパンッ!』





 高根の行末を心底案じながら、高根のマンコを激しく責め立てた。すると―――





「あぁあんっ! エッチなことだけよぉっ! 人に危害を加えたりなんかっ、たとえ時間を戻せたとしても嫌よっ!」





 どうやら今のところは、自分がスリルや快感を味わうことにしか興味はないようで安心する。





「でもぉっ―――もしそういうことになりそうだったらぁっ、そうっ……しなきゃいけなくなる前に、ちゃんと元に戻してね―――時生っ」





 高根は妖艶な笑みを浮かべ、呆れる俺に向かってパチリとウィンクを投げた―――





五章





『53-テレビ出演』





「わ〜すご〜い! 久しぶりのルイルイのテレビ出演だぁ〜っ!」





 テレビ画面でインタビューを受ける高根の姿に、中山さんが大興奮している。





「こんなことならっ、もっとちゃんとした格好をしておけば良かったわっ」





 対する高根はテレビの前で腕を組みながら、自分の喋る姿に眉をひそめた。





「あんっ、ルイ先輩はいつでも素敵ですよぉ〜っ!」





 不満そうな高根を、星宮が目を輝かせながらフォローする。





 今彼女達は俺の部屋で、高根が大学で論文に関するインタビューを受けた時の映像を鑑賞していた。対する俺はというと―――





『グチュッグチュッ』

『モミッモミッ』

『レロッレロッ』





 全裸の女達に挟まれ、チンポを擦ったりおっぱいを揉みしだいたり、マンコを舐めまくったりと、女体の海に溺れていた。





「あっ! 一瞬ご主人様が映りましたよっ!」





「ええ〜っどうして顔にモザイクがかかってるのぉ?」





「私が隠すように頼んだのよ。テレビに顔なんて出したら、あることないこと色々言われて大変なんだから」





 テレビに映る自分の姿を眺めながら、最高にエロくて可愛い彼女に、世間を賑わす美女、そして誰もが憧れるトップアイドルに囲まれる。

 なんて爽快な状況だろうか。





「あっ、ホントだっ!

 ご主人様のことまで色々書かれてる!」





 すると星宮が携帯を開き、なにやらネットに書かれたことを読み始めた。





「なんかすごいこと書かれてますよぉ〜。

『天才ハーフ美女の高根ルイザを射止めた、秀才東大生!』とか、『あのルイルイと付き合えるとか羨まし過ぎる!』とか、『リア充爆発しろ』 とか『ふざけんな○ね』とか」





「おい、後半酷くね?」





 高く伸ばしていた鼻が、途中から飛び出した物騒な言葉にポキリと折られる。





「でもほとんどはこんな感じですよぉ〜。

 阿鼻叫喚の罵詈雑言が飛び交ってますねぇ〜」





「マ、マジかよ……」





 完全に調子に乗っていた俺は、日本中の男達から怒りを買っていたことを知り、嫌な汗をかく。





「そんな奴ら無視すればいいのよ。そんな嫉妬じみた誹謗中傷なんか気にする必要ないわ。

 大手を振ってこの高根ルイザとセックスしていいのよ」





 高根はスケベな笑みを浮かべ、顔にマンコを押し付けてくる。





 本当に大丈夫だろうか―――面倒なことになれなければいいが……





 俺は一抹の不安を抱きながら、愛液の滴るマンコに舌を伸ばした―――





 翌日以降も相変わらずカメラに追われつつも、平穏に時は過ぎていった。

 大学の友人達も「羨ましすぎるぞこの野郎」と茶化しながら小突いてくることはあったが、今まで通り楽しく大学生活を送っていた。





 夜の方も高根が論文の投稿を終えたことで、毎日俺の家に来るようになった。

 その一方で高根は自身の論文が評価されたことで家族も大いに喜び、真面目に勉学に励んでいるものだと思い込んでくれたらしい。

 そのため大学関連の用事があると伝えれば、門限を過ぎたり外泊も許されるようになった。





 更に星宮も大きなコンサートや新曲の収録等以外は自由な時間が増え、俺達の愛の巣にほぼ毎日足を運んだ。





 それからの性生活は凄まじいの一言に尽きる。

 四人ともに快楽を求めて狂いまくり、卑猥な液を夜通し撒き散らした。

 歯止めが効かないとはまさにこのことだ。

 俺と星宮がアダルトショップでやらかした行為を伝えると、中山さんも高根も目をらんらんと輝かせ、エスカレートした非行を求めるようになった。





「イィィーーーッ! すっごくいぃーーーっ!!」





 夜の市街地を真っ裸で歩き回り、縄で縛った星宮を後ろからガンガンと突きまくる。

 その姿を全裸の中山さんが楽しそうに撮影し、同じく全裸の高根が星宮の縄を引っ張って自身のマンコを星宮に舐めさせる。





『ビロリロリーン』





「いらっしゃ―――ええっ!?」





 そのまま近所のコンビニへと入り、バイトの女子高生が仰天する。





「あっ、お構いなく〜」





 中山さんはあられもない姿を晒しながら、平然と頭を下げる。





「う、うわぁっ! 何だアレ!?」





「す、スッゲェ! 変態だ!」





 恐らく塾帰りと思われる男子学生達が、こちらを指差して盛り上がる。





「ほら君達よく見な、これがセックスだぞ〜」





「あぁんっ! イイわっ! もっと見てぇーーっ!」





『パンパンパンパンッ』





 男子達に見せつけるように、逆駅弁スタイルで高根を犯しまくる。

 すると男子達は堪らず股間を押さえ始めた。





「しずく、あの子達に手コキしてあげたらどうだ」





「はぁいっ」





 手首の縄を解くと、星宮は笑顔で男子学生達の前で膝を付き、ジッパーを下ろしてチンポをしごき始めた。





「えっ、ええ!? この人っ、しずくって……あの星宮しずく!?

 なっ、なんでこんなところで縛られてるのっ!?」





「そうだよぉ〜皆のアイドル星宮しずくでぇ〜すっ!

 それはしずがご主人様のペットでぇ、エッチなことが大好きだからだよぉ〜っ」





 星宮が笑顔を振りまきながら、少年達のチンポを握る。

 正直時間を戻せるとはいえ、他の男のチンポをしゃぶったりセックスさせたりするのは断固我慢ならないが、こういう少年にアイドルが性の手ほどきをする光景は最高に興奮する。





「すっ、すげぇっ! あのほっしーが俺のチンチンしごいてるっ!」





「あ、あれって高根ルイザだよな!?

 それにあの人めっちゃ可愛くて滅茶滅茶巨乳だぁ〜っ!」





「ヤバいっ、お、俺もう出るっ!」





 少年達が彼女らの裸体に興奮し、みるみる精液を放っていく。

 それらがすべて星宮の体に降り注いでいく。





 その光景をオカズに、今度は中山さんのマンコを犯して楽しむ。





 エロい。エロすぎる。





 もはやなんでもアリな乱痴気状態に、俺のチンポも際限なく精液を放出する。





『ウーウーッ』





 そうこうしているうちに、遠くからパトカーのサイレンが近付いてきた。

 俺は慌ててアプリを開いてすべてを無かったことにする。





 部屋に戻った俺達は、そのままグッチャグチャの肉団子になって、極限にまで高まった興奮を発散する。

 頭を空っぽにして性欲だけをぶち込み、夜更けまでセックスに明け暮れた。





 なにをやろうが、誰に見られようが、アプリさえあればどうにでもできる。

 俺は自分が世の中の嫉妬を買っている事実に優越感を覚えつつも、ネットで好き勝手に言われることに関してはモヤモヤした感情が残る。

 その不安をかき消すように、俺は女達とのセックスにのめり込んだ。





五章





『54-海外旅行』





 夏休みまであとひと月を切った。





 夏休みとなれば、大学に行かずに好きなだけ怠惰な生活を送れる。

 それはもちろん、俺達にとってはひたすらセックスするだけの毎日の始まりだ。

 とはいえ家から一歩も出ずに夏休み中家に籠もるというのも芸がないため、俺達は全員で日程を合わせ、数日間の海外旅行に出かけることにした。





「ねーねー、ここなんてどうかなー?」





「そこも良いけど、こっちなんてもっと開放的で凄いわよ」





「あーっ、しずここに行ってみたいですぅ〜っ!」





 女達がキャッキャと盛り上がりながら、旅行先に関する資料を見漁っている。

 かたや俺はというと、ひたすらパソコンの画面と睨めっこしながら、金を稼ぎまくっていた。

 今回の旅行では、金に糸目をつけるつもりはない。

 むしろ超VIPしか入れないような場所に泊まろうと考えている。とはいえ宿泊日数自体は2日間程度だが。

 その代わり何度もタイムリープを繰り返して、実質的に数ヶ月は滞在するつもりだ。

 ゆえに宿泊費だけなら、俺の所持金だけで事足りるだろう。

 だがなぜそれ以上に金が必要なのかというと―――世界には大金持ちしか入れない、地上の楽園が存在するからだ。





 俺達はこの旅行で、日本にいてはできないような、快楽三昧の生活を送ろうと思っている。

 もちろんアプリを使えば怪しいモノを頼る必要なんてないし、時間を戻す前提ならばどこでどんなことだってできる。





 だが俺が金を使って色々調べたり、或いは高根の知り合いの筋から金持ちだけのコミュニティ等の情報を探ったところ、世界には一般的に公になっていないだけで、まさに治外法権的な楽園が、現実に数多く存在するらしい。





 俺達は今回、そこに行くつもりだ。

 費用はピンキリだが、総額で1000万から、億を超えるものまで存在する。

 億単位のところは、世界の大富豪が秘密裏に集まるとんでもない場所で、口に出せないほど倫理の崩壊した、ダークな内容だ。

 そこまでいかずとも、数千万円単位で限りなく自由に贅沢を満喫できるようなVIPリゾートもチラホラ見かけられる。

 俺達はそこを狙うつもりだ。





「それじゃあ、ここにしようよ!」





 中山さんが指差した場所は、ヨーロッパのリゾート地だった。

 そしてその場所は、海沿いの街一帯が裸の人間しかいない、ヌーディストビーチだ。





「どれどれ……総額費用は約5000万か。費用的には問題ないよ」





「へえ、中々いいじゃない……この内容、すっごくソソられるわ」





「すっごぉ〜い、この写真の人達、こんな凄いことしてるぅ〜っ」





 VIP向け専用のパンフレットを見ながら、全員が顔をニヤけさせながら頷き、旅行先の場所が決定した―――





「うわぁ〜〜っ! すっごい綺麗な海〜〜っ!」





「へぇ〜、中々素敵な場所ね」





「うひょ~〜! テンション上がりまくりですぅ〜〜っ!」





 リゾート地に到着すると、女達から感嘆の声が漏れた。

 俺も生まれてはじめて来た海外に、空港から既にテンションが上がりっぱなしだ。そしてなにより―――本当に裸の外国人達が当たり前の顔で闊歩していた。

 右を見てもおっぱい、左を見てもおっぱい。

 金髪女性達のグラマラスなボディに、俺の股間が思わず滾りそうになる。

 とはいえここは海沿いの街自体がヌーディストタウンとなっているため、金髪美女以外も老若男女皆裸だ。





「ほ、本当に皆裸だね……!」





「実際に見ると、中々凄いインパクトね……」





「なんかすごすぎて、現実感が湧いてこないですぅ〜」





 彼女達も当初期待していたような興奮とは異なる感情を抱いているようだ。

 皆が卑猥というよりも自由な感覚を体現しているため、どうにもそういう気分にならない。そして―――





「な、なんだか服を着ている方が恥ずかしくなってくるね……」





「そ、そうだね……とりあえず俺達も脱ぐか……」





 本来ならば全裸になる方が恥ずかしいに決まっているが、あまりに周囲から浮いているため、俺達はイソイソと服を脱ぎ始めた。





「あぁ〜っ、確かにこれ、すっごい開放感ね!」





「なんだか自然に還った感じで気持ちいいですぅ〜っ」





「ちょっぴり恥ずかしいけど……で、でもなんだか清々しい気持ちっ!」





 彼女達があられもない姿を晒すと、それぞれ伸びをしながら開放的な気分を満喫した。対する俺は―――





「ちょっと時生、オチンポが大きくなってるじゃない」





「あ~本当だぁ〜っ!」





「ご主人様のエッチィ〜〜ッ」





「う、うるせえっ! まだ半勃ちだよ半勃ちっ!」





 彼女達の裸を見て股間がピクピクと反応してしまい、笑いものにされてしまう。





「ほらっ、俺達が宿泊するゾーンはもっとあっちだから、早く行くぞっ!」





 俺は半勃ちチンポもそのままに、堂々と前に進んだ。

 事前情報によると、別に勃起してしまってもとやかく言われるようなことはないらしい。

 もちろん中には子供もいたりするため、あからさまにエロい行為を行うのはタブーとされている。

 とはいえこれだけ全裸の人間が集まれば、勃起してしまうのも致し方ない。

 中にはパラソルの下で旦那さんのチンポを咥える老人女性がいたり、コソコソと隠れてセックスしてる奴らもチラホラ見かけられる。

 タブーとされてはいても、このような場所で厳格に性行為を禁止するのは到底不可能なのだ。





 ―――というのは、メインのエリアに限った話だが。

 俺達が向かう、VIP専用のヌーディストエリアはこれが更に一味違う。





 程なく歩いていると、巨大なホテル群でビーチが塞がれ、それ以上先には行けなくなっていた。

 こここそが、俺達の宿泊する超高級ホテルだ。





 中に入ると、これまた全裸のスタッフに出迎えられる。

 マッチョな男性が首に蝶ネクタイだけを付けており、手首にスタッフであることを示す白色のバンドが付けられている。

 俺達は英語で宿泊客であることを伝えると、荷物を受け取り、カウンターへと案内された。





 カウンターではこれまたグラマラスな女性スタッフが全裸で待ち構えており、丁寧な応対にて宿泊の手続きを取った。そして―――

「Which band do you want、 green or red?」





「どちらの色のバンドにするか」と質問を受けた。





「わっ、私はグリーンで……!」





「私もグリーンで」





「しずもグリーンかなぁ〜」





 女達は全員グリーンを所望した。





「それじゃあ全員グリーンでいいかな」





 俺もグリーンを希望し、スタッフに伝えようとする。すると―――





「あら、時生は別にレッドでもいいわよ?」





「満保君さっきから興味津々に見てるもんねぇ〜」





「ご主人様がグリーンで我慢できるわけないんですから、ここは素直にレッドにしといたらどうですかぁ〜?」





 女達がクスクスと笑いながら、俺だけ違う方の色を勧めてくる。





「い、いや、別にそんなことないよ。

 俺もグリーンで―――」





「彼にはレッドを。女性三人はグリーンをお願い」





 すると高根が勝手にスタッフに注文を済ませてしまい、女性スタッフは「Sure」と言ってグリーンのバンド3つとレッドのバンド1つを渡してきた。





「はいどーぞ、満保君っ」





 中山さんがニヤニヤと笑いながら、俺にレッドのバンドを手渡す。

 俺は複雑な表情を浮かべながら、そのバンドを手に取った―――





五章





『55-VIPリゾート』





 ホテルの中はとてつもなく豪華な内装となっていた。

 宿泊する部屋はリビングやキッチンに寝室が3つ、シャワールームが2つ。

 室内に階段があり、2階も自分達の部屋だ。ベッドは滅茶苦茶にデカく、シャンデリアがぶら下がり、ルームシアターも完備。

 窓の外には専用の庭が広がり、デカいプールが付いている。更にそこから直接海へと出られるようにもなっている。

 部屋では好きなドリンクが好きなだけ飲め、食事もなんでも頼み放題。

 あまりにも至れり尽くせりな環境だ。





 館内の設備も充実しており、カジノ、バー、映画館、テニスコート、バスケットコート、ジム、クラブ等の娯楽に溢れ、レストランなどもはや数え尽くせない。





 だがここまでならよくある高級リゾートホテルだ。

 この場所が特別たる所以は他にある。それは―――





「Oh! Yeeess!!」





「Yeah! I’m comin’! I’m comin’!」





『パンパンパンパンッ』





 ホテル内で、男女が堂々とセックスしている。

 ここも、あそこも―――あっちを見ても、こっちを見ても、皆セックスしまくっていた。

 というより、先程は全裸の人しかいなかったが、こっちはセックスをしていない人が、スタッフ以外一人もいない。

 中には複数人の男に囲まれ、何本ものチンポを同時に咥えて喘いでいる女性もいる。

 その女性の腕には―――赤のリストバンドが付けられていた。





「すっごぉい……! 皆セックスしてるぅ〜〜っ!」





「まさにセックスの楽園ね。ふふふっ……最高の場所じゃないっ!」





「うわぁ〜っ! 皆すっごくエッチですぅ〜〜っ!」





 周囲でセックスしまくる男女を眺め、彼女達は歓喜に湧いた。

 そう―――ここは、VIPのみが許された性の楽園。

 フリーセックスエリアだ。





 緑のバンドを持つものは、不特定多数とのセックスを望まない意思表示であり、赤のバンドは誰でもウェルカムという意味を表す。

 この場所では、緑のバンドを持つ人を無理矢理誘ったり、他人に望まない危害を加えること、他者を無断で撮影すること、その他ホテルに害を与える行為以外、すべてが許される。

 VIPのみに許された治外法権であり、参加者は全員性病検査済み。ホテルが問題行為とみなさない限り、すべてが合法となる。

 ゆえにセックスしている男女は皆、まるで当たり前のようにヤバい粉を鼻で吸っているし、どう見ても少女にしか見えないような子達が、赤のバンドを付けてノリノリでイケメン達とセックスしまくっている。

 館内全体に喘ぎ声が溢れ、快楽の湯気が充満していた。





 もちろん室内だけではない。

 VIP専用のビーチに出れば、こちらでも無数の男女がセックスしている。

 パイプを吸いながら、少女にフェラチオをさせるデブの男。

 音楽をかけて踊りながら、リズムに合わせて腰を打ち付ける男女。

 老若男女人種も様々で、共通するのは全員裸。そしてもれなく快楽に酔いしれている。





 至るところにアダルトグッズや酒や勃起薬、それに葉っぱや粉なんかも堂々と置かれ、すべてテイクフリー。

 巨大なスクリーンにAVが映し出され、ステージの上でセックスに興じる者達。

 頼めば専門のスタッフや売春婦とヤり放題。

 明らかに非合法な買春リストまで、部屋に用意されている。





 セックス、

 セックス、

 セックス―――





 ここはVIP達が金に物を言わせて、快楽を詰め込んだセックスリゾート。

 調べればこんな場所が世界各国に少なからず存在し、凡人共からかき集めた金を使って、VIPだけが閉じられた空間で贅と快の限りを尽くしている。





 金を得て贅沢を尽くし、あとに金持ち達がヤりたがることなど、快楽以外ない。

『人は快楽を求めて生きるのではなく、夢を抱いて目標にまい進すべき―――』などという大層な理念は、未だそれを達していない者達が並べた幻想とも呼ぶべき戯言、単なる理想像に過ぎない。

 悟りや聖人を目指す高尚な人間ならばいざ知らず、そうでもない単なる凡人でありながら、偉そうな御託を並べて性の快楽を否定する彼らを、間抜けな苦労人だと―――世界のトップ達はあざ笑う。





 すべてを叶え、すべてを手にした世界の金持ち達は、表ではチャリティ等で素晴らしい善行を行っているように見せながら、裏では倫理や道徳などクソ食らえと思って行動しているのがよく分かる。

 彼らにとって快楽を抑止する法律や倫理観は、トップの人間達があくせく働く労働者を失わないためにこしらえたものなのだ。





 夢にまで見たヌーディストビーチも、所詮は楽園への階段の麓に過ぎない。

 ヌーディストビーチのポリシーである自由だとか自然志向だとかいうのも、楽園への切符を持たない者達が、楽園を模倣する口実として掲げるただの言い訳。

 自然だ自由だと言いながら、性欲を持つ人間達が異性の裸体を目の当たりにして、その衝動を抑えるなど不自然極まりない。

 自由の体現、自然回帰などと、まるで崇高な理念をうそぶき、性に無関心な顔を装いつつ、楽園を想像し指を咥えながら後で自室に籠もるか、コソコソと陰で性を発散するしかない。

 ヌーディストビーチとは、天上を模倣した、不自由な凡人の失楽園なのだ。





 一方で本物の天上人達による楽園は、性と快楽の悦びに満ちている。

 彼ら大金持ちのように金が湯水のように湧いてくる人間は、真っ直ぐに快楽を求め、なんの憂いや躊躇いもなく禁断の―――いや、彼らだけに許された楽園へと足を踏み入れる。

 それが金持ちの特権なのだ。





 今回俺達がやってきたのは、そんな場所の一つだ。





「もうダメ……私、我慢できないよ」





「私もだわ。時生、快感を4倍に増幅して、最初から全開でイキましょ」





「ああ、スッゴぉい……しずも後で色々試そっと」





 彼女達が興奮した様子で俺の体に迫る。

 既に股はびしょ濡れで、足を伝って床に水溜りができ始めていた。

 俺のチンポも完全に臨戦態勢だ。





「皆お尻をこっちに向けて。

 俺の魔法で、ここにいる誰よりも狂わせてやる」





 顔をニヤつかせながら手招きすると、女達が我先にと尻を向ける。

 快楽しかない空間で、視界が真っピンクに染まる。

 さぁて、まずはどのマンコから犯そうか―――





「あぁんっ! は、早くぅっ!」





「オチンポ! オチンポ挿れて!」





「私にくださぁ〜い!」





 チンポを擦らせながら品定めすると、女達が必死に挿入を嘆願する。

 俺は愉悦に顔を歪めながら、チンポを肉の穴にねじ込んだ―――





「んほぉおおーーーっイッグウゥーーーッ!!」





「ぎんもぢいぃぃーーーっ!!」





「オマンマンしゅんごいよぉおーーーっ!!」





 ホテルのラウンジに3人の絶叫が響き渡る。代わる代わるにチンポをぶち込み、両手で滅茶苦茶に掻き回し、狂ったようにイキまくる。





『ヒューッ』





『ピィーッ』





 ドラッグをキメて遊んでいる奴らにも勝る狂いように、周囲の外人達が盛り上がる。

 しかも彼女らだけでなく、俺の方にもオッサン達が『Good Job!』と親指を突き立ててくる。

 俺も笑顔で親指を返し、外人達の声援に応えてマンコを突いて突いて突きまくった。

 こんなに和気あいあいとした空気の中、セックスを楽しめるというのは実に最高だ。

 絶対に日本なんかじゃ味わえない。

 皆が快楽を許容し、セックスを満喫し、差別も偏見も恥も外見もなにもない。

 通りがかった全裸の美女とハイタッチを交わし、「良かったら後で遊んでね」とキスを受ける。





 俺達を中心にものすごい熱気が辺りを包み、今まで以上に全員がハッスルしまくった―――





五章





『56-海外スター』





 数時間の間思う存分セックスしまくった後、床には彼女達がアヘアヘと崩れ落ちていた。

 俺はしばし休憩のためドリンクを注文し、一息つく。

 周りでセックスしている美女を眺めながら、最高に楽しい気分に陶酔していると―――





「ハァイ、ちょっといい?」





 隣から英語で声をかけられ振り向く。

 するとそこには、金髪ミドルヘアーのスレンダー美女が立っていた。

 全身真っ白な肌に、モデルのようなスリム体型。そして日本人離れした張りのある爆乳。

 白人特有のくっきりとした目鼻立ちに、思わず見惚れてしまう。





「この子達すっごい感じ方してたけど、なんていう薬を使ってるの?」





 どうやら俺達が特殊なドラッグを使っていると思ったらしい。きっと同じモノを欲しがっているのだろう。

 ここにいる誰よりも狂いまくっていたのだから、そう勘違いされても仕方ない。





「いや、彼女達はシラフだよ」





「アハハハッ、ジョークはやめてよ。

 あれだけハイにぶっ飛んでて、何も使ってないなんて信じられないわ」





 俺が何も使っていないことを伝えると、美女はあり得ないといった様子で笑い飛ばす。





「それとも―――あなたのBoner(勃起チンポ)はそんなにスゴいの?」





 美女は艶めかしく俺を見つめながら、ギンギンに勃起したチンポを握った。すると―――





「えっ―――うっ、嘘……!

 そんなまさかっ……」





 正気に戻った中山さんが、金髪美女を見て驚きを顕にした。

 続いて高根と星宮も起き上がり、美女の顔を見て「あっ」と目を見開いた。

 皆この美女を知っているのだろうか―――

 そう思いながら注意深く美女の顔を眺める。すると、どこかで見たことのある人物であることに俺も気が付いた。





「エイミー―――ハドソン、さん?」





「Yeah、私を知っててくれてありがとう」





〜〜〜





 エイミー・ハドソン―――恐らくその名を知らない人は、日本でも少ないだろう。

 世界的に大ヒットした小説の実写映画に、弱冠10歳でヒロインに抜擢されたスター女優。

 日本でも大ヒットとなり、長編大作となった当作は映画史に残る興行収入を記録した。

 その中でもヒロイン役のエイミー・ハドソンは数々の賞を獲得し、日本においても憧れのヒロインナンバーワン、結婚したい外国人女性ナンバーワン等、国民的に圧倒的な人気を博した。





〜〜〜





「―――そんな外国人の女の子で一番の憧れだった、あのエイミーと会えるなんて……!」





 中山さんは長い説明を終えると、喜びと感動にうち震えた。





 どうやらエイミーも、中山さんのアイドルだったようだ。とはいえエイミー・ハドソンとなれば、俺も興奮を隠せない。

 確かエイミーは俺と同世代だった筈だが、さすがは外国人。この年代にして既にとてつもない色気を放っている。

 そんなエイミー・ハドソンのフルヌードを拝めるなんて、もはや喜びよりも信じられない気持ちが勝る。





 だって、あのエイミー・ハドソンが―――俺のチンポを握っているなんて!





 エイミーは妖艶な笑みを浮かべながら、俺のチンポをニチュニチュと擦っている。

 互いのバンドカラーは赤。

 つまりなにをしてもOKのサインだ。

 もちろんレッドバンドを身に付けているからといって、相手の意思を無視してセックスしてもいいという訳ではない。

 あくまでもグリーンはナンパ禁止、レッドはナンパOKという意味合いだ。





 だが赤色のバンドを付けている男で、エイミー・ハドソンに迫られて拒否する男はほぼ皆無だろう。

 エイミーから逆ナンを超えた、あまりに直接的な性的アプローチを受け、俺のチンポは痛いほど勃起した。





「あなた達、なにもキメてないって本当?」





 エイミーが三人に向かって真偽を確認する。





「ええ、本当にシラフよ。彼の技だけであれだけ狂わされたの」





 高根が胸を張って、自信満々に真実を伝える。すると―――





「Wow、誰かと思ったらルイザじゃない!

 久しぶりね!」





 不意にエイミーが俺のチンポから手を離れ、やや惜しむ気持ちが芽生える。

 エイミーはそのまま笑顔で高根にハグをした。

 二人の金髪美女による全裸の抱擁に、互いの乳房がムニュッと押し潰される。





「まさかこんなところで会うなんて、驚きだわ」





「Oh! それはこっちのセリフよ!

 ルイザこそ、こんなところに来るような子には思えなかったわ!

 確かルイザの論文がNational誌に掲載されたのよね?

 こんなイケナイことしてたら、せっかく編み出した計算式を忘れちゃうわっ!」





 まるで旧友との再開のように、親しげに話すルイザとエイミーに、俺は呆気にとられる。





「あなたこそ、世界のスター女優がこんなところで遊んでいるなんて、パパラッチ達が知ったら大騒ぎだわ。

 でも、ありがとう。大した功績でもないのに知ってくれてたなんて」





「Oh、C’mooon! もちろん知ってて当然よ! 私の大切な友人に関するニュースだもの」





 二人が盛り上がる姿を呆然と眺めていると―――





「ルイルイ、ひょっとしてエイミーちゃんと知り合いなの?」





 俺の代わりに中山さんが質問を投げてくれた。





「ええ、そうよ。

 昔エイミーが映画の宣伝イベントで来日した時、エイミーが出演した日本の番組に私もドラマの番宣で出ていたの。

 その時のエイミーは初めて来た国の慣れないテレビ番組の出演で、とても不安そうにしていたわ。

 それで当時から英語も喋れた私がエイミーに話しかけたんだけど、そこで同い年というのを知って、仲良くなったのよ」





 高根がエイミーと知り合うきっかけを説明すると、中山さんはハッと息を飲んだ。





「そっ―――か! そうだ!

 昔ルイルイが出演した番組に、スペシャルゲストでエイミーちゃんが出てたのを観たことあった!

 あの時から二人はお友達になったんだぁ〜っ!

 すっごぉ〜い!」





「あ! それしずも観てましたぁ〜!

 あのエイミーとしず先輩の共演に大興奮したのを覚えてますぅ〜!」





 二人とも高根とエイミーの間柄に驚いているが、正直俺からすれば、そんな子供の頃に観たテレビ番組のことを覚えている二人に驚かされる。





「ちょうど私の母方の祖母もフランス系で、こんな遠く異国の地で同じフランス系の血筋を持つルイザに、とてもシンパシーを感じたわ!

 しかもルイザは子供の時からSuper(超) Awesome(スゴイ)頭脳を持ってて、同じ女優として彼女をとても尊敬したの!」





 あのエイミー・ハドソンに尊敬されるとは―――高根の凄さを改めて思い知る。

 横ではエイミーを生で観たことと、それに高根との関係を知ったことへの感動からか、中山さんも目をウルウルとさせていた。





「Oh……ソーリー。あなた私のファンなのね。

 私の本当の姿を知って、悲しませてしまったのなら謝るわ。

 私って裏ではヤバいセックスがこの世のなによりも大好きな女なの。とはいえセレブは皆ヤッてるけど―――」





 中山さんがショックを受けていると勘違いしたのか、エイミーが謝罪を述べた。だがそれを聞いた中山さんは、首をフルフルと横に振った。





「ち、違うんです……!

 あのエイミーも―――それにルイルイもほっしーもっ、私の憧れだった女の子達が皆エッチな子だって知って、すっごく嬉しいんですっ!

 私も皆と同じように、満保君とのヤバいセックスが―――この世のなによりも大大大好きですぅっ!」





 中山さんにとってのアイドル達が、皆自分と同じ趣向を持っていると知り、中山さんは喜びを顕にした。

 俺は中山さんからの熱いメッセージに、照れ臭く頬を掻く。





「そうだったのね。あなたはなにも間違っていないわっ。

 ヤバいセックスが一番最高―――それが人生のアンサーなんだからっ」





 中山さんの言葉に、エイミーも笑顔で賛同する。やはりここの人間達は狂っていて最高だ。





「それはそうと―――彼のコックってそんなに凄いの?」





 エイミーが改めて俺のチンポを触り、高根の方を見て質問する。





「ええ、ディックだけじゃないわ。時生のすべてよ。

 あなたも味わってみればわかるわ、エイミー」





 高根がニヤリと笑い、エイミーに俺のチンポを勧める。





「へぇ……とっても興味深いわ。

 ここにいるセレブは、皆ヤバいセックスをするために生きてるの。それが一番気持ちいいんだから当然ねっ。

 セックスで狂えるならなんだって手を出すし、ここならそれができる。

 ここに来ることができる人間は、普通じゃ味わえない最高のセックスを求めて生きることを許された、人生の勝者よ。だからぶっ壊れるまでセックスしなきゃ人生損だわ。

 確かめさせてもらうわね、あなたのセックスがどれだけスゴイのか……

 あなた達も、彼を借りてOK?」





 エイミーが中山さんと星宮に向けて確認すると、二人もニヤリと笑って頷く。

 どうやら皆、エイミー・ハドソンが俺とのセックスに狂う姿を見たいらしい。





「TOKYO―――レッドバンドのあなたにも、セックスするのに許可は必要?」





「愛する三人から勧められて、あなたを抱く栄誉を断る男なんていませんよ―――エイミー・ハドソンさん」





 発音が完全に『東京』になっているのが若干気になるが―――俺は笑顔で了承すると、エイミーも不敵に笑い、俺の首に腕を回した―――





五章





『57-バカンス』





「Ahhhhh! Oh my god! Ooooh My GOOOOOOOD!!」





『パンッ!パンッ!パンッ!』





 目の前で、あのエイミー・ハドソンがよがり狂っている。あのエイミーのマンコに―――俺のチンポが入っている!





 俺はエイミーの肉体経験を4倍に増幅し、正常位の体制で滅茶苦茶に突きまくった。

 エイミーはとてつもない快感に我を忘れ、断末魔のような叫び声をあげ、髪の毛をグシャグシャにかき回しながら喘いだ。





「信じられないくらい気持ちいい!! クラックなんて目じゃないくらい気持ちいいわ!!

 これがシラフの快感だなんて嘘でしょう!?」





 大体こんな感じの言葉を発しているのは分かるが、ほとんど言語として聞き取れない。

 だが4倍の快感を味わって、まだ言葉が喋れているのはさすがだ。





「Uuuuuuuumm!! Yaaaaaaaaaah!! Good! Gooooood!!」





 美しい顔から舌がベロベロと垂れる。目はアヘアヘと天上を向き、崩れた笑みを浮かべた。

 するとエイミーはおもむろに体勢を変え、俺の上に覆いかぶさる。そして―――





「FFuuuuuuuuuum!!! Fuu! Fuuuuu!!」





『バンバンバンッッ!!』





 息を荒げ、目を血走らせ、鬼気迫る顔で腰を滅茶苦茶に振りまくった。





 外国人のセックスは、日本人のそれとはまったく異なるパワフルさだった。

 まさに快感を貪り食うといった感じだ。

 自分から求め、自分から相手を責め、待つことなどない。

 焦らされれば自分からぶち込む。動いて欲しければ自分が動く。

 感情が行動のすべてに顕れている。





「いいでしょ!? 時生のセックスは最高でしょ!?」





「すっごい……あのエイミーがこんなに乱れてるぅ!」





「エイミーのエッチな姿が見れるなんてぇ、生きてて良かったですぅ〜〜〜っ!」





 彼女達も俺とエイミーの周りを囲い、息を荒げながら鑑賞している。

 美しい恋人達に囲まれ、エロと快楽を極めた空間で、世界のスター女優とセックス。

 まるで夢みたいな光景だが、すべて現実だ。

 チンポの気持ちよさも、脳が焼ける程の興奮も、すべて現実。

 堕落への妄想をすべて実現した。

 あとはもう、ここで狂いまくるだけだ。

 ここで快楽をすべて味わい尽くして、飽きるまで繰り返そう。





「I’m Comin’!! I’m Comin’!! More!! More!! Pleeeeease cum in meeee!!」





「いっぐぅっっ!!」





『ドッビュルルルーーーッ!!』





 大スター、エイミー・ハドソンのマンコに、大量の精液をぶち撒けた―――





「Tokyo―――あなたはナンバーワンのサムライソルジャーよ!」





 事後、エイミーはチンポを両手で握りながら、満面の笑みで俺を称賛した。





「ルイザ、あなたは正しかった! 人生で一番気持ちいいセックスだったわ!

 これがシラフだなんて未だに信じられない! Tokyoはマジシャンかなにかなの!?」





「そうよ。あなたの映画から飛び出してきたみたいに、アメージングでファンタスティックなスーパーヒーローよ」





 エイミーがハイテンションで詰め寄ると、高根は外国らしい大袈裟な表現で同調する。





「あなた達はこの世で一番幸せな女よ。

 こんなに気持ちいいセックスをいつでもして貰えるだもの。

 絶対に彼を手放しちゃダメよ。他のことをしている場合じゃないわ。四六時中彼とのセックスに溺れなきゃ、幸せな時間を無駄にすることになるわ」





「もちろん時生とセックスしまくってるわ。私達は全員時生とのセックス中毒患者よ。

 辞める気もないし、死ぬまで時生に溺れ続けるわ」





 エイミーから歪んだ教誡を受けると、高根は当然といった顔でキッパリと言いのける。

 先程論文を称賛したばかりだというのに、それを完全否定するような物言いにも、高根はまったく反論するつもりはないようだ。

 高根答えに、エイミーはニコリと微笑んだ。





「そして私も今日からTokyoジャンキーの一員よ!

 これから東京に行く時は、必ずTokyoに会いに行くわ!

 その時は連絡するから、よろしくねルイザ!」





 エイミーはそう述べると、俺達4人にキスをし、嬉しそうに去っていった―――





「な、なんだかずいぶんとアッサリしてるな……」





「え〜、もっとエイミーちゃんと話したかったなぁ」





「はえ〜……なんだか嵐が通り過ぎたみたいですねぇ」





「海外のセレブなんて皆あんなものよ」





 呆然と見送る俺達に対し、高根はサラリと述べる。

 セレブはあまり執着したりしないのか、あるいはひょっとしたら、他人の恋人を借りたことへの気遣いもあるのかもしれない。





「私達ももっと色々楽しみましょ」





「そうだねっ! どこか違うところに行ってみようよ!」





「あ、それならしずはさっき見つけたSMルームに行ってみたいですー!」





 彼女達も気を取り直し、次なるアソビに目を向けた。





「そうだな―――皆でヤりまくるぞ!」





 行ってみたい場所はまだまだ沢山ある。

 媚薬風呂に、卑猥なダンスショー……

 ここは海外で、しかもアプリで何度でもやり直せる。

 出し惜しみなく、躊躇いなく、全部やろう。





 俺達4人はウキウキと身を寄せ、次なる快楽の沼へと歩みを向けた―――





 それから俺達は昼夜セックスに明け暮れた。

 沈む夕陽を眺めながら、ビーチでセックス。

 カジノでセックスしながらギャンブル。俺が大勝したときには、周り中に美女達が駆け寄って、無数のおっぱいに押し潰された。





 ディナー会場でのショーは最高だった。

 場に甘いお香が漂い、常に性欲が沸き起こる。

 全裸の美男美女がアクロバティックな技を駆使しながら、圧巻のポールダンスを披露する。

 両者が足でポールを挟み込み、空中でチンポとマンコを交錯させるシーンは、会場中が拍手喝采となって盛り上がった。





 キャビアの山に手を突っ込み、中山さんのマンコに振りかけてジュルジュルと頬張る。

 チョコフォンデュをチンポに塗りたくり、高根と星宮が美味しそうに頬張る。





 夜は星宮のお望み通り、SM部屋に連れて行った。

 どこかでナニかをヤってきたのか、目がバキバキにキマってる星宮を縛り付け、三角木馬に乗せてキツくお仕置きしまくった。





 最終日には時間を戻して、もう一度バカンスをやり直す。

 エイミー・ハドソンとセックスした事実は残しておきたいため、後で復元する用に「エイミー・ハドソン」と名前を付けてゴミ箱に保管しておいた。

 その後は自動的にタイムリープするようマクロを組み、2泊のバカンスを999回繰り返す無限ループだ。

 途中で満足すればマクロの再生を止めるつもりだが、果たしてどうなるか―――





 俺はゾクゾクとした背徳感に身を震わせながら、彼女達を引き連れて新たな一日をスタートした。

 前回とは違う場所に行って、異なるセックスを楽しむ。

 昨日はラリった赤色バンドの美女集団に襲われるような出来事も発生した。

 俺が女達に犯される様を、三人の彼女達は淫靡な笑みを浮かべながら眺めていた。





「ボウヤ、あのエイミー・ハドソンをよがらせてたわね!」





「私にも同じことしてよ!」





「このコックにどんな秘密があるの!?」





 女達が我先にとチンポを奪い合い、俺の体中にマンコを擦らせてくる。

 レッドバンドを持つ男に拒否権など、ほぼあってないようなモノらしい。

 はじめは戸惑ったものの、マンコの海に溺れる状況に興奮が高まっていき、触れている全員の快感をアプリで高めてやった。





「Ooooooh! Yeeeees!! Unbelievable!!」

「Gooooood! How happy I am!」





 女達はラリった頭を更にぶち壊しながら、快楽によがりまくる。

 俺の方も全身を美女の肉に包まれ、どうしようもないくらい気持ちいい。





「ねーねー、あの様子じゃご主人様、しばらく抜けられそうにもないですしぃ、私達も三人でキメセクしましょー」





「そうね、時生がいないんじゃ仕方ないわ」





「え〜、どうなっちゃうのかなぁ〜?」





 彼女達は俺抜きになったことで、肉体経験の倍増を失っている。

 その不満を補うように、女達だけでキメセクを楽しみ始めた。





「こっコレ、すっごいキモチイイわ……」





「ほっ、ホントだぁ……まるで満保君の魔法みたい……」





「ですよねぇー! これならご主人様がいなくても、女三人で楽しめちゃいますよぉーっ!」





 俺抜きで彼女達が楽しむ様子に寂しさを覚えつつも、俺だけ他の女に囲まれているので致し方ない。

 というより、むしろここでアレコレと非行を咎めるのもバカらしい。

 俺は三人のキメセクレズプレイを遠目に、女達の肉の海に溺れまくった。





最終章





『58-記事』





「あ〜楽しかったぁ〜!」





「また是非皆で行きましょう」





「しず達一生分のセックスした気がしますぅ〜!」





 長い旅行を終え、俺達は日本に帰ってきた。

 あっちではあられもない姿を晒しまくっていたが、空港では全員サングラスに帽子姿で素性を隠す要人スタイルだ。





 現実には2泊しかしていないが、体感としては1年くらいあのリゾートにいた気がする。それでも快楽に満たされ続ける時間は、どれだけ過ごしても飽きない程、早々と過ぎていった。

 すべての施設を遊び尽くし、未曾有の快楽を味わいまくった。

 俺の方は長いループの中で100人以上の美女とセックスした。

 エイミーをよがらせまくったことで、俺とセックスしたがる女は跡を絶たず、その全員を相手した。





 何度も何度も同じ日を繰り返し、いい加減に故郷の白米と味噌汁、それに野菜にんにくマシマシラーメンが恋しくなった頃に、ようやく俺達はループを止めて日本に帰ってきた。

 若干名残惜しい気持ちもあるが、来たくなったらまたいつでも来れる。

 今度は別のVIP専用リゾートにだって行ける。

 また金を稼いで皆で来よう。そう思いながら空港を出たところで―――





「うわぁっ―――すっごい着信が来てるぅ!」





 携帯を開いた星宮が、不意に大きな声を上げた。





「全部マネジャーからだぁ……どうしたんだろう」





「早くかけ直した方がいいんじゃないの?」





 高根の言葉に従い、星宮が電話をかける。すると―――





『星宮さん! 一体今まで何してたんですか!?』





 電話の向こうから、こちらにも聞こえてくる程の怒声が鳴り響いた。





「えー、海外旅行に行ってるって、ちゃんと伝えたじゃないですかぁ〜」





『それは知ってますけど、ちゃんと連絡が取れるようにしておいてと、あれ程伝えたじゃないですか!!』





「あれー? そうでしたっけー?」





 すっとぼけた対応の星宮に、携帯からはギャアギャアと怒る声がスピーカーをビリビリと揺らす。

 その後も数分間のやり取りが続き―――ようやく電話が終わると、星宮は深々と溜息をついた。





「しず、あなた―――またなにかやらかしたの?」





 高根が呆れ顔で星宮に訊ねる。対する星宮は未だ解せない顔で首を傾げていた。





「え〜なんかぁ〜、昨日発売のサタデーを今すぐ読めとかなんとかぁ」





「サタデーって……あの写真週刊誌の!?」





 星宮の言葉を受け、高根は慌てて空港の売店へと走っていく。

 俺と中山さんも怪しげな空気に、急いで高根の後を追う。





「え〜、ちょっと待って下さいよぉ〜っ」





 星宮は相変わらず危機感のない様子で、怠そうに後ろを付いてきた。

 高根がすぐさま週刊誌を発見し、売店で購入する。

 表紙には「あの国民的アイドルが密会! 話題の元女優とドロドロの三角関係か」などという不穏な文字が見える。





 俺達はひと気のない場所に行き、週刊誌を開いた。するとそこには、とんでもない記事が書かれていた。





『アイドル星宮しずくが、彼氏とラブラブデート!

 しかもその相手は、事務所の元先輩かつ、今世間を賑わせるあの元女優の恋人と噂されるイケメン東大生!

 ヤリチン東大生の毒牙にかかった二人の美女が、先輩後輩という立場を越えて泥々の三角関係に発展か』





 滅茶苦茶な憶測記事と共に、俺と星宮が手を繋いで歩く写真が掲載されていた。

 しかもその隣にはマンションから出てくる俺と星宮の写真も載っており、更には「アダルトショップから出てくるイケメン東大生の彼氏。今夜は愛の巣でJ○アイドルと不純異性交遊か」と、決定的なシーンまで撮られていた。

 俺の顔はモザイクがかかっているが、背格好から見る人が見れば俺だと分かるだろう。





「しず―――やられたわね。あなた、パパラッチに付けられてたのよ」





「そっ、そんなぁ〜……」





 あまりにも衝撃的な内容に、高根は手で顔を覆い、星宮はその場に崩れ落ちた。

 俺と中山さんは、言葉なくただ呆然と立ち尽くした―――





「とりあえず―――もう一度マネジャーに連絡しなさい。

 私も事務所にかけ合うわ」





「は、はいぃ……」





 それからしばらく高根と星宮は、神妙な顔で事務所の関係者と連絡を取り続けた―――





「ひとまず―――私と時生は大学の親しい学友、しずは私を介した友人関係―――ということでメディアには通すことになったわ」





「ふえ〜ん……ごめんなさ〜い」





 高根が今後の方針について説明すると、星宮が申し訳無さそうにうなだれた。





「い、いや。しずくが悪いわけじゃないよ。

 それより……時間を戻さなくて大丈夫か?」





 節操のない行動を取っていたのは俺だ。ゆえに俺は星宮を責められる立場にない。それどころか俺を巡って二人の悪評が世に出てしまったことに、申し訳なさすら感じる。

 とはいえこんな時こそアプリの出番だ。今からアダルトショップに行った日に戻り、その日に下手な行動さえ取らなければ、写真の流出を避けられる。

 その上で今後はパパラッチに気を付けて行動すればいい。

 エイミー・ ハドソンと出会ったことが無かったことになるのは若干惜しまれるが、完全に削除せずにゴミ箱に入れれば、コピーを適用したエイミーに記憶を残すことだってできる。

 タイムリープによる記憶の混濁については最悪後で説明するとして―――





 俺が頭の中で策を練っていると、ふと―――高根が神妙な面持ちで俯いていることに気が付いた。





「―――ねえ時生。しずと時生が写真を撮られたのって、私の論文が発表される前のことよね?」





「あっ―――そ、そうか……!」





 ここで高根が険しい表情を浮かべている理由に気付き、俺は冷や汗を垂らす。

 もし論文が掲載される前に時間を戻せば、高根の論文がNational誌に掲載されたという事実がなくなってしまうのだ。





「そう……だな。もう一度やり直して、同じ論文を書く作業を繰り返すなんて、大変だもんな……」





 せっかくNational誌に掲載されたというのに、その事実が無かったことになってしまうなんて、あまりにも酷な選択だった。

 俺が自分の過ちに気付き、申し訳なくうなだれると、高根はなぜか首を横に振った。





「そうじゃないわ。一度完成させた論文をもう一度書くくらい、大変だけど無理じゃないわ。

 むしろ私が気にしているのは―――今回論文が掲載されたことが騒動の火種になってしまったことよ」





「え―――い、いやいや……それはなにも悪くないだろう!」





「そ、そうだよルイルイ! ルイルイはなんにも悪くないよ!」





「そうですぅーーっ! しずがパパラッチに気を付けてなかったのが悪くて……ルイ先輩はなんにも悪くないですぅ!」





 突如、ルイザの口から出た―――まるですべての責任を負うような発言に、俺達は必死に擁護する。

 だがそれでも、高根は険しい表情を崩さなかった。





「私が論文を発表することで、世間の注目を浴びてしまったから、きっと週刊誌はそこに目を付けて、時生としずのスクープ写真を事前告知もなく表に出すような強引な手段に出たのよ。

 私は既に引退した身で、時生も一般人。そんな私達のことなんて、大した記事にならないわ。

 そしてしずが一般人男性と付き合ってるっていうのも、そんな面白くもなければ信憑性もないことをネタにしたって、記事は売れないもの。

 でも二人が同じ人物と付き合っているとなれば、世間を騒がせるスクープにできるわ」





 高根の予想は、確かに説得力のあるものだった。だがそれで高根が責任を感じなければならないなんておかしい。





「そ、それなら……時間を戻した後で、ある程度期間を空けて論文を投稿すれば―――」





「そんなことしたって、きっと時間の問題よ。私達が今の関係を続けて、私が世間の注目を浴びることをすれば―――いずれ発覚することだわ。たとえしずがどれだけ変装して、コソコソ隠れて会おうともね。

 時間を戻したって同じよ。あいつら芸能記者達のしつこさは尋常じゃないわ。

 正直いうと……論文を発表して、記者に追いかけ回されるようになって、ある程度想像していたの。

 だから時生との関係もハッキリと言わずとも、ある程度自分から仄めかしていたの。色々書かれる前にね」





 あの時―――高根がリポーターに詰め寄られてイライラしていた裏には、そんな背景があったことを知り、ハッとなる。





「問題は―――しずとの関係の方を、既に掴まれていたことよ。

 ずっと誰かと二人きりで出てくるところを狙っていたんでしょうね」





 俺達が無茶ヤッた時間はすべて無かったことになっているし、あの日以外星宮と一緒に家を出たことはない。

 四人で行動していた時は記者が付いていなかったか―――あるいはそんな和気あいあいとした関係を載せても、ドロドロの三角関係という創作記事の邪魔になると思って省いたのか―――





 どちらにせよ高根は今の三股関係が続く限り、自分が論文で世間に注目されることをきっかけに、いずれは世に知れることだと考えているようだ。

 もし高根の言うとおりならば、取るべき手段は2つ。

 俺と高根、あるいは星宮が俺と距離を置くか、あるいは―――





「だから―――時間を戻すなら、私は論文の発表をやめるわ」





 高根は消え入りそうな程、寂しげな笑顔を浮かべながら―――もう一つの手段を告げた。





「そんなの……おかしいですっ!

 しずのせいでご主人様やルイ先輩に迷惑をかけたのにっ、ルイ先輩の努力を無駄にするなんてっ……そんなのしずっ、絶対嫌です!」





「誰も悪くないよっ! ルイルイも、ほっしーも、満保君もっ!

 誰も悪くないのにっ……ルイルイだけがそんなことっ……あんまりだよっ。

 もしルイルイがそれでいいって言っても、ルイルイにだけ負担を押し付けるなんて、そんなこと絶対にダメだよっ!」





 高根の言葉に、星宮も中山さんも、涙を溢しながら反対する。





「俺だって断固反対だ。世間がなんだって言うんだ。

 俺達がどう愛し合おうと、そんなこと他人にとやかく言われる筋合いはない。

 高根の功績をなかったことにするなんて、そんなこと―――俺が絶対にさせない」





 あんな記事だって、憶測……だけじゃなく事実も多分に含まれているが、確実なものじゃない。

 それにドロドロの三角関係なんて、まったくのデタラメだ。

 俺達はラブラブの四角関係なのだから、そんな嘘記事に振り回されて高根の努力を無下にするなんてあってはならない。





「皆―――ありがとう。

 時生、私はあなたに言ったわよね。研究者の道と、時生のどちらか一方を選べと言われたら、迷わずあなたを選ぶって。

 それに皆との関係も壊したくないの。

 しずだって、あんなに男嫌いだったのに、これだけあなたのことを愛しているのよ?

 その道に私が引きずり込んでおきながら、今更我慢しなさいなんて言えないわ」





 高根の皆を想う気持ちに、全員が言葉なく押し黙る。





「しずが時生と二人で出掛けたのだって、大切な思い出よ。

 時間を戻せば思い出を残したままいくらでもやり直しが利くとはいっても、その度にこれから毎回全部なかったことにするなんて、あまりに寂しいじゃない。

 私と時生が付き合っていることが露呈することで、この子だけ外で時生と手を繋ぐことすら許されないなんて、しずが可哀想だわ」





 高根の気遣いに、星宮が涙ぐむ。

 高根の言うとおりだ。俺は全員を心から愛している。

 星宮だけデートはさせられないなんて、そんなの不憫でならない。屋外でセックスという非倫理的な行為をなかったことにするのとは、わけが違う。

 だが全員と付き合う時点で、いずれ二股、三股関係は露呈する。

 それ程までに高根ルイザと星宮しずくは、世間の注目を集める存在なのだ。





「だからって―――だとしても! ルイザの論文は凄い内容なんだ!

 量子力学の研究に貢献することが、お前の夢だったんだろ!?

 俺はお前に約束したはずだ! 天才の道を歩ませるって!

 こんなことで約束をなかったことになんてできるか!

 お前が俺を愛してくれた―――お前自身が言った、ここまで俺を好きになってくれるキッカケとなった、その大事な約束を―――捨てられるわけないだろ!」





 俺の訴えに、高根はハッと目を見開いた。

 そして―――今にも泣き出しそうな笑みを浮かべた。





「もっと前に時間を戻して、すべてを捨ててあの国に飛んで、皆で永遠に気持ちいいことだけをして暮らしてもいいなって―――正直昨日まではそう思っていたの。

 あんなに気持ちいいものが沢山あって、なにをしても許されるんだもの。

 日本が窮屈で仕方がないわ」





 高根の言葉は、全員が同じ想いを共有していた。

 あんなところに一生いられたら、どれだけ幸せか―――

 日本にいてこれだけ窮屈な思いをしなければいけないのならば、味噌汁の一杯や二杯がなんだっていうんだ。

 あっちでなんの気兼ねもなく皆で楽しめるなら、味気ないミソスープで我慢してやる。

 正直、記事を知った時はそんな気持ちだった。だが―――





「でも―――皆に言われて、思い直したわ。

 私の努力を皆が認めてくれて、すごく嬉しかった。

 私―――まだ科学者の道を諦めたくない。

 私もっ、頑張って書いた論文をっ、時生に会うのも我慢してまで頑張ったあの時間を―――なかったことになんて、したくないっ……!」





 高根は涙をボロボロと溢しながら、とうとう本心を口にした。





最終章





『59-現実逃避』





 ひとまずのところタイムリープは行わず、高根と星宮はほとぼりが冷めるまで俺の家には来ないことになった。

 高根の方は急に俺と距離を置けば、記事の内容が本当だと周りに示すことになってしまうため、大学が始まれば今までどおり俺と一緒に過ごすつもりだ。





 先日、テレビでインタビューを受ける星宮の姿が映った。

 そこでは記事に関する質問が飛び交ったが、星宮は笑顔で「私と高根ルイザさんの、共通の友人です。先輩とは今も親しくさせていただいております」とだけ答えていた。

 一方で高根の方も、各メディアに対して記事の憶測を否定する文面を送っており、星宮しずくとは今も親しい間柄だと主張した。





 それによりドロドロの関係という憶測は和らぎ、メディアの盛り上がりはすぐに収束した。だがそうなると、今度はネットがあれやこれやと騒ぎ立てるようになった。





〜〜〜





「高根ルイザと星宮しずくが仲良いってことは、公認三股ってことか」

「うらやまけしからん」

「女の敵!!あのルイルイとほっしーをたぶらかすなんて最低!!」

「特定班急げ」

「ほっしーと淫行したヤリチン東大生を許すな」





 ネットでは俺を叩くコメントで溢れかえった。

 俺は今日本で話題の美女二人を侍らすプレイボーイとして、世間中の怒りや嫉妬を買っている。

 ヤリチン、クズ、淫行東大生、二股男……罵詈雑言が飛び交い、反論のしようもない暴言の数々が俺の背中に重くのしかかった。





「満保君……大丈夫?」





「あ、ああ……」





 リビングで携帯を眺めながら俯く俺に、中山さんが優しく寄り添う。

 こんなことになっても、世間が淫行大学生と称する俺にたぶらかされた当事者である中山さんは、俺から離れずにギュッと抱きしめてくれた。





「きっと大丈夫だよ。ルイルイもほっしーも、険悪だなんて誤解は解けたし、満保君のことだって、きっとすぐに収まるよ。

 皆望んで満保君と一緒にいるんだから、満保君が皆とエッチするのだって、悪いことなんか何一つないよ。

 満保君の辛い気持ちは―――私が忘れさせてあげるから」





 そういいながら中山さんは、俺のズボンに手を伸ばした。だが―――





『スッ―――』





「満保―――君?」





 俺は中山さんの手にそっと触れ、首を横に振った。





「元々は―――俺の節操のないスケベ心がすべての原因なんだ……

 中山さんもそれを望んでくれたし、皆も楽しんでくれているけど……皆を巻き込んだのは俺だ」





 俺は中山さんから始まり、アプリを使ってスケベな欲求を満たすためにやりたい放題ヤッてきた。

 そのツケが、今回のように世間からのバッシングという形で回ってきたのだ。

 こんな自分のスケベな行動をここまで批判され、なおもエロいことをする気分には、少なくとも今の段階ではなれなかった。

 俺は自分の行動を悔いながら、申し訳なくうなだれる。すると―――





「スケベで―――なにが悪いの?」





 中山さんは目を潤ませながら、肩を震わせていた。

 絞り出した言葉には、言いようのない怒りが込められているのが伝わる。





「人は皆、スケベだから70億人もの人が世界中にいるんだよ?

 私だってスケベだよっ! 満保君とエッチすることばっかり考えてるよっ!

 それのなにが悪いのっ!?

 私の大好きな満保君、それにルイルイ、そしてほっしーと、皆で楽しくエッチなことをするのが、なにが悪いのぉっ!?」





 中山さんの声が、部屋に響き渡る。





『グイッ』





 中山さんはおもむろに、俺を押し倒して上に跨がる。





「な、中山さっ―――」





 戸惑う俺のことなど構わず、中山さんが俺の服を乱暴に引き剥がしていく。





「満保君はっ、エッチが嫌いになったの!?」





「そ、そうじゃないよっ」





「なら満保君がエッチを我慢するのは、誰のためなの……?」





 中山さんがガチャガチャと、俺のズボンを脱がせる。

 そして俺は返す言葉もなく押し黙った。





「皆満保君に嫉妬してるだけだよっ……!

 自分自身のエッチな欲求から目を逸らして、人のことばっかり悪く言う人達のことなんかっ―――どうでもいいよっ!

 そんな人達のせいで、満保君からエッチを奪わせたりなんて―――私が絶対にさせないっ!!」





 中山さんが俺のチンポに勢いよくしゃぶりついた。

 そしてムクムクと大きくなったそれをマンコに当て、ズチュッと音を立てて膣内へと飲み込んだ。





『パンッパンッパンッ』





「皆っ……甘い物が好きだったり……人と違う趣味にのめり込んだりしてるのに……!

 好きな人とエッチするのが好きな私達だけ恥ずかしいなんて、間違ってるなんてっ……そんなのおかしいっ!

 周りの人がなんて言おうとっ―――私がっ……スケベな満保君のままでいさせてあげるっ!」





 中山さんは涙ぐみながら、激しく腰を振り乱した。

 俺は中山さんから与えられる快感に、ただ身を任せることしかできなかった。

 こんなに切ない気持ちでセックスをするのは、初めてだ―――





 翌日も、その翌日も―――俺は中山さんと二人で、ひたすらセックスにのめり込んだ。

 まるで俺に罪悪感や後悔を抱かせないよう振る舞っているのか、中山さんは俺に四六時中エロく迫り続けた。





「好きなだけイッていいんだよ

Posted by 하얀라임
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